JPH05269771A - 紙フェノール樹脂成形体の製造法 - Google Patents

紙フェノール樹脂成形体の製造法

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JPH05269771A
JPH05269771A JP4098798A JP9879892A JPH05269771A JP H05269771 A JPH05269771 A JP H05269771A JP 4098798 A JP4098798 A JP 4098798A JP 9879892 A JP9879892 A JP 9879892A JP H05269771 A JPH05269771 A JP H05269771A
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JP
Japan
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phenol resin
paper
pulp
molded object
resin
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Pending
Application number
JP4098798A
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English (en)
Inventor
Shingo Sasaki
新吾 佐佐木
Tsutomu Sakaida
勤 坂井田
Akira Uenishi
彰 上西
Masazo Takenaka
雅三 竹中
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業環境を汚染することなく耐熱性、打抜き
加工性等の性能の優れた紙フェノール樹脂成形体を製造
する製造法を提供する。 【構成】 パルプと特定の熱流動性を有する球状フェノ
−ル樹脂とから乾式積重法にて成形されたパルプ・フェ
ノール樹脂複合ウエッブを熱プレスして紙フェノール樹
脂成形体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層板あるいはエアフ
ィルター濾材等に利用される耐熱性及び成形性の優れた
紙フェノ−ル樹脂成形体の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙パルプとフェノ−ル樹脂からなる積層
材料は従来公知であり、例えば特公平3−41599号
公報等に記載されている。
【0003】このような積層板等に用いられる紙フェノ
−ル樹脂板材料は、有機溶剤または水に溶解または分散
したフェノ−ル樹脂成分を紙パルプに含浸せしめた後、
成形して製造される。
【0004】ところで、本紙フェノ−ル樹脂板材料はそ
の製造工程で多量のフェノ−ルや有機溶媒を含有する排
液や排気ガスが発生し、その除去・回収に多大の設備を
要すると共に、操業の際の不備によっては環境汚染の懸
念を持つものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡易かつコ
ンパクトな設備にて製造でき、環境汚染の懸念の無い紙
フェノール樹脂成形体の製造法を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究の結果、パルプと熱成
形性フェノール樹脂微粉末よりの乾式積重法による紙フ
ェノール樹脂成形体製造法が本発明の目的を達成し得る
ことを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、パルプ20〜80重量%とディスクキュア法で測定した
熱流動性が50〜160mm のフェノール樹脂80〜20重量%と
よりなる原料を用いて、乾式積重法によりパルプ・フェ
ノール樹脂複合ウエッブを成形し、ついで上記樹脂の軟
化温度以上の温度にて熱プレスすることを特徴とする紙
フェノール樹脂成形体の製造法を要旨とするものであ
る。
【0007】以下、本発明の製造法を詳細に説明する。
本発明の紙フェノール樹脂成形体の原料はパルプとフェ
ノ−ル樹脂よりなる。パルプは木材、樹皮、綿、麻、合
成樹脂等の素原料より調製された製紙用パルプ(以下、
紙パルプと称する。)、溶解用パルプ、合成パルプ等の
パルプであって、繊維長としては0.2 〜10mmが好まし
く、特に 0.5〜8mm の短繊維が好ましい。それは本繊維
長が0.2mm 未満では、紙フェノ−ル樹脂成形体の強度が
不十分になり易く、一方、繊維長が10mmを超えると、乾
式積重法によるウェッブ成形が困難となることがあるか
らである。なお、ここでいう短繊維とはフィラメント
状、フィブリッド状乃至フィブリル状のパルプ粒子を、
また、繊維長とは本パルプ粒子の長さを意味する。
【0008】フェノ−ル樹脂はフェノ−ル、クレゾール
等のフェノ−ルとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
等のアルデヒドとの縮合樹脂、なかんずく、レゾール化
ノボラック樹脂が好例であって、ディスクキュア法、す
なわち、日本工業規格JIS −K69111979 5.3.2〔成
形材料(円形式流れ)〕の方法に基づいて測定した熱流
動性(以下、HPFと略称する。)が、50〜160mm 、好
ましくは、90〜150mmのフェノ−ル樹脂が好適に使用で
きる。
【0009】このフェノ−ル樹脂のHPFが、50mm未満
の場合は熱プレスによって、所望の強度を有する均質な
紙フェノ−ル樹脂成形体が形成しにくく、他方HPFが
160mmを越えると固形フェノ−ル樹脂としての取扱いが
困難となる。また、本発明のフェノ−ル樹脂の形状は、
ウェッブ成形工程の樹脂のハンドリング性、及びウェッ
ブ内での樹脂の均一分散性の観点から、粒径10〜1000μ
m の球状粒子形が好ましく、特に50〜500 μmの粒径の
ものが好ましい。
【0010】本発明の原料であるパルプとフェノ−ル樹
脂との配合比率は、パルプ20〜80重量%、フェノ−ル樹
脂80〜20重量%が適切である。フェノ−ル樹脂が80重量
%を越えると紙フェノール樹脂成形体の後加工性が悪く
なり、20重量%未満ではパルプと均一に複合しにくい。
【0011】なお、本発明のパルプとしてポリエステル
繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維等の短繊維よ
りなる合成パルプを天然の紙パルプに一部配合したもの
も好適に使用することができる。このようなパルプを用
いた紙フェノール樹脂成形体は紙パルプ単独のものに比
較して、機械特性が優れると共に、後加工性が改良され
る。
【0012】乾式積重法としては自然落下法、空気流式
ウェッブフォーマー法等従来公知のウェッブ成形法を用
いることができる。乾式積重法によるウエッブの成形
は、パルプとフェノ−ル樹脂とを定量的に混合しつつ、
スクリ−ン上に、連続的に供給して積層する。なお、必
要に応じて、この工程中にて熱処理を行って樹脂粒子間
及び/又は樹脂粒子・繊維間を融着させる。
【0013】かくして得られたパルプ・フェノール樹脂
ウエッブを一段乃至数段の熱プレス機を用いて両原料の
熱成形可能な温度・圧力条件下にて熱プレスする。具体
的な同条件としては、フェノ−ル樹脂の軟化温度以上の
温度で、例えば紙パルプあるいは紙パルプを主原料とす
るパルプよりなる紙フェノール樹脂成形体の場合、温
度;120 〜250 ℃、好ましくは140 〜220 ℃、圧力;0.
1 〜500kg/cm2 、好ましくは、0.2 〜300kg/cm2 で、 5
〜300 分間、好ましくは15〜90分間の熱プレスが推奨さ
れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の製造法について実施態様を例
示して具体的に説明する。 実施例1 紙パルプ(平均繊維長5mm )50重量%、、フェノ−ル樹
脂微小球状粉体(ユニチカ(株)製、ユニベックス樹
脂;HPF150mm 、平均粒径20μm )50重量%よりなる
原料を用い乾式積重法でパルプ・フェノール樹脂複合ウ
エッブを成形し、160 ℃で75分間、熱プレスを行って厚
さ1.02mm、目付1,450/m2の紙フェノール樹脂成形体を調
製した。
【0015】実施例2 紙パルプ(平均繊維長5mm )40重量%、軟化点110 ℃の
ポリエステル系接着性単繊維(繊維径4mm 、繊維長5mm
)10重量%、フェノ−ル樹脂微小球状粉体(ユニチカ
(株)製ユニベックス樹脂;HPF150mm 、平均粒径20
μm )50重量%よりなるパルプ原料を用いて乾式積重法
でパルプ・フェノール樹脂複合ウエッブを成形し、160
℃で75分間、熱プレスを行って厚さ1.03mm、目付1,430g
/m2 の紙フェノール樹脂成形体を調製した。
【0016】比較例1 HFP40mm、平均粒径20μm のユニチカ(株)製ユニベ
ックス樹脂を用いた以外は実施例1と同じ条件でウエッ
ブ成形と熱プレスを行って厚さ1.22mm、目付1,450g/m2
の紙フェノール樹脂成形体を調製した。
【0017】比較例2 紙パルプ(平均繊維長5mm )90重量%、フェノ−ル樹脂
微小球状粉体(ユニチカ(株)製ユニベックス樹脂;H
PF150mm 、平均粒径20μm )10重量%よりなる原料を
用い実施例1と同様にウエッブ成形と熱プレスを行って
厚さ1.91mm、目付1,440g/m2 の紙フェノール樹脂成形体
を調製した。
【0018】比較例3 紙パルプ(平均繊維長5mm )10重量%、フェノ−ル樹脂
微小球状粉体(ユニチカ(株)製ユニベックス樹脂;H
PF150mm 、平均粒径20μm )90重量%よりなる原料を
用い実施例1と同様にウエッブ成形と熱プレスを行って
厚さ1.00mm、目付1,300g/m2 の紙フェノール樹脂成形体
を調製した。
【0019】比較例4 実施例1で用いた紙パルプを通常の湿式の抄紙法にて抄
紙して目付0,720g/m2の紙を成形し、レゾ−ル型水溶性
フェノ−ル樹脂(大日本インキ化学工業社製j−303 )
の水溶液中に含浸して乾燥し、紙パルプ50重量%、フェ
ノ−ル樹脂50重量%よりなるパルプ・フェノール樹脂複
合ウエッブを成形した。これを実施例1と同様に熱プレ
スし、厚さ1.03mm、目付1,440g/m2 の紙フェノール樹脂
成形体を調製した。上記各調製試料について以下に記し
た測定条件にて諸特性を測定した。フェノ−ル樹脂HP
F値:JIS −K69111979 5.3.2の方法に準じて試料
2gを165 ℃で1分間、1145kgの荷重下で熱プレス
し、形成された円板の直径(長径と短径の平均値)を求
めた。
【0020】絶縁抵抗(Ω):日本工業規格JIS −C648
1 に基づいて測定した。 曲げ強度(kgf/mm2 ):日本工業規格JIS −K6911 に基
づいて測定した。 打抜き加工性:室温下、直径 5mmの円形ポンチで打抜
き加工を行い、以下の基準で評価した。 ○:欠け、破損なく打抜き可能。 △:部分的に欠けが認められる。 ×:欠け、破損が著しく打抜き不能。
【0021】以上の結果を表1に示した。なお、同表に
おいて特性値欄の比較例1と2における(−)の印は、
それらのウェッブ成形においてパルプとフェノ−ル樹脂
との複合化がうまくゆかず、満足すべきパルプ・フェノ
ール樹脂複合ウエッブが得られなかったので、特性値の
測定がなされなかったことを示している。
【0022】
【表1】
【0023】上表より明らかなように、本法の採用する
乾式ウェッブ成形法では、フェノ−ル樹脂のHPFは少
なくとも40mm以下では良好な紙フェノール樹脂成形体が
得られないこと、パルプとフェノ−ル樹脂との配合比率
は10重量%以下では良好な紙フェノール樹脂成形体が得
られないこと、及び同配合比率が90重量%以上になると
曲げ強度が著しく低下し、打抜き加工が不能となること
が明示されている。また、湿式ウェッブ成形法では本法
に比較して曲げ強度が小さく、打抜き加工性が劣ること
が分かる。
【0024】実施例での比較においてはパルプの一部に
熱接着性合成繊維を用いた実施例2が通常の紙パルプの
みの実施例1に対して絶縁抵抗、曲げ強度等の特性が優
れていることが分かる。
【0025】
【発明の効果】以上の記述から明らかなように、本発明
の方法は、簡易かつ小規模の設備にて、排液あるい排気
ガスによる作業環境の汚染を引き起こすことなく、安価
で、しかも曲げ強度、電気絶縁性、打抜き加工性のよう
な性能面で優れた紙フェノ−ル樹脂成形体を製造するこ
とができる。
【0026】本発明の紙フェノ−ル樹脂成形体は建材、
電気材料、機械の機構材等の多様な用途の積層板用素材
として好適に使用し得るが、それ以外にも、比較的に低
い圧力でプレスすることにより、連続気孔を有する多孔
材料に成形してエアフィルタ−等の濾材として使用する
こともできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:06 (72)発明者 竹中 雅三 東京都中央区日本橋室町三丁目4番4号ユ ニチカ株式会社東京本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ20〜80重量%とディスクキュア法
    で測定した熱流動性が50〜160mm のフェノール樹脂80〜
    20重量%とよりなる原料を用いて、乾式積重法によりパ
    ルプ・フェノール樹脂複合ウエッブを成形し、次いで上
    記樹脂の軟化温度以上の温度にて熱プレスすることを特
    徴とする紙フェノール樹脂成形体の製造法。
JP4098798A 1992-03-24 1992-03-24 紙フェノール樹脂成形体の製造法 Pending JPH05269771A (ja)

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