JPH0526924A - Pll回路を用いた浮遊容量の変化検出方法 - Google Patents

Pll回路を用いた浮遊容量の変化検出方法

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JPH0526924A
JPH0526924A JP3207317A JP20731791A JPH0526924A JP H0526924 A JPH0526924 A JP H0526924A JP 3207317 A JP3207317 A JP 3207317A JP 20731791 A JP20731791 A JP 20731791A JP H0526924 A JPH0526924 A JP H0526924A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 PLL回路を用いることによって、低い周波
数の発振器の使用を可能にすると共に、微少な変動の検
出も正確にできて検出範囲も十分に広く、また、誤動作
も極めて少なく、かつ、不要電波による周囲への影響も
極めて少ない、安定した浮遊容量の変化検出方法を提供
すること。 【構成】 被検出体に接触しあるいは非接触で浮遊容量
の変化を検出するセンサ−26と、該センサ−26に接続さ
れた時定数決定部を有する前置発振器21と、該前置発振
器21に接続されたフェ−ズ・ロックド・ル−プ回路22と
を備えた容量検出手段とにより浮遊容量の検出をすると
き、検出される電気的容量等の変化に伴い発生する、前
記フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路22のロック状態にお
ける自走周波数制御電圧の変化を検出することにより、
被検出体の状態変化を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、浮遊容量の変化を検
出する方法に係り、特に、フェ−ズ・ロックド・ル−プ
回路(以下、PLL回路という)を用いて、従来の検出
方法では得ることができなかった浮遊容量の、微少な変
動から比較的大きな変動までの広い範囲の変化を、正確
に検出および検知することができる方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、人体や固形物体などの接近や接
触、あるいは離脱が許されない部分でのそれらの接近状
態や接触状態、若しくは離脱状態の検出や検知など、ま
た、気泡の存在が許されない油圧ブレ−キホ−ス等のよ
うな液状体の移送パイプなどの内部における気泡や異物
等の混入の発見、さらに液状体貯蔵槽等におけるその液
状体等の貯蔵量のレベル監視などのように、被検出体の
状態,状況の変化,変動に付随して浮遊容量の変化が生
じるところにおいては、危険予知や報知動作等のため
に、当該浮遊容量の変化をより正確に、かつ、簡便に検
出する必要がある。
【0003】このような浮遊容量の変化を検出する装置
としては、従来から各種の検出形式による装置が知られ
ている。例えば、被検出体の状態の変動に対応して生じ
るセンサ−の浮遊容量の変化を検出する装置があるが、
この装置は、図12の機能ブロック図に示すように発振器
1、検波回路2、濾波器3、電圧比較回路4、出力回路
5等から構成されている。尚、図12において、1aはその
発振用回路、1bは周波数決定ブロック、6はセンサ−、
7は警報器、8は基準電圧であり、前記センサ−6が接
続された発振器1は、一定のクォリティファクタQを有
する周波数決定ブロック1bと、発振用回路1aとから構成
されている。また、発振器1の周波数は、高い周波数と
低い周波数との設定が可能で、高い周波数が設定された
場合の発振器1では周波数決定ブロック1bは、主とし
て、コイル、コンデンサによって形成される。
【0004】図13は、図12に示した従来の浮遊容量の変
化検出装置について、その発振器1の構成例を示す機能
ブロック図である。図13における図12と同一符号は図12
と同一機能ブロックを示すが、Lはコイル、Cはコンデ
ンサである。いま、上記の発振器1に例えば、1MHz〜2
00MHzなどのように、高い周波数を設定する場合、周波
数決定ブロック1bは、並列接続されたコイルLとコンデ
ンサCを主体にして構成され、一定の共振周波数とクォ
リティファクタQのそれぞれを有するように形成され
る。
【0005】図12において、接続されたセンサ−6を、
被検出体に接近あるいは接触させると、この周波数決定
ブロック1bの共振周波数とクォリティファクタQの変化
によって生じる発振器1の出力周波数の変動や発振出力
振幅電圧の変動、或は、発振状態の停止などが検波回路
2へ伝えられる。検波回路2では入力した信号を検波し
直流成分に変換された電圧レベルを次段の濾波器3へ入
力する。濾波器3は一定の時定数を有し、前記直流成分
を濾波器3を通過させて平滑化する。直流に変換された
電圧は電圧比較回路4において、予め設定された基準電
圧8と比較されることにより、この比較結果が浮遊容量
の変化として検出され、この検出結果が出力回路5を経
て警報器7へ伝えられ、センサ−6で検出される浮遊容
量の変化が被検出体の状態に変化がある旨の情報として
報知される。なお、割合い精度の高い浮遊容量の変化検
出装置では、図12の発振用回路1aの出力側に同調回路
(または帯域濾波器)を接続して、振幅電圧の変動が一
層明確に検波できるようにしたものもある。
【0006】しかし、高い周波数の発振器1を使用する
と、センサ−6が感知する微妙な変動には有効に作用す
るが、その反面、センサ−6自体がアンテナとなって常
時電波が放射される状態になるため、周囲に電波障害が
生じる恐れがある。従って、センサ−6と発振器1との
距離は余り大きくとることができない。一方、同軸ケ−
ブル等を使用して、センサ−6と発振器1との距離を大
きくすると、同軸ケ−ブル自体が持つ自己容量によっ
て、浮遊容量の微妙な変化に対する感度が低下し、場合
によっては、発振状態が維持できなくなったりするの
で、浮遊容量の検出範囲が著しく狭くなる。また、セン
サ−6を含めて発振器1の感度を高くしても、鋭敏では
あるがそれ故に動作が不安定になったり、誤動作を惹起
してしまう、などの問題が生じる。すなわち、従来の検
出装置は、浮遊容量の大きな変化に対しては、発振停止
の状態を続けるだけで、実際に作動する範囲は、極めて
限定されてしまう。このように、発振器1を高い周波数
に設定する従来の方法は、ごく限られた範囲で感度が高
くなるという利点はあるが、電波障害が生じたり、装置
本体とセンサ−6との距離を大きくとれないので、被検
出体の種類が限定される等、多くの不都合がある。
【0007】この点に鑑み、従来技術では発振器1を例
えば500KHzなどのように、比較的低い周波数に設定する
方式の装置もある。この方式の場合には、周波数決定ブ
ロック1bを主体としてコンデンサ、抵抗器によって形成
している。図14は、図12に示した従来装置において、発
振器1を比較的低い周波数に設定する場合の構成例を示
す機能ブロック図である。図14における図12と同一符号
は図12および図13と同一機能ブロックを示すが、Rは抵
抗器である。図14の発振器1では、基本的に直列接続さ
れた抵抗器RとコンデンサCによって周波数決定ブロッ
ク1aを構成し、その接続点にセンサ−6を接続する。
【0008】発振器1を低い周波数に設定するようにし
た図12の装置でも、センサ−6によって検知される容量
変化、すなわち、浮遊容量の検出時に生じる周波数変動
と発振出力振幅電圧の変動を、検波回路2と濾波器3に
よって直流成分の電圧レベル変動に置換し、得られた電
圧と予め設定された基準電圧8とを電圧比較回路4で比
較することにより、浮遊容量の変化を検出するが、この
点は、発振器1を高い周波数に設定したものと同じであ
る。
【0009】この低い周波数を使用する検出方式によれ
ば、低周波数であるが故に浮遊容量の変化に対する感度
は低いが、周波数変動と発振出力振幅電圧の変動は浮遊
容量の変化に対応して微妙に生じるものとなる。しか
し、後段に接続される回路でその変動を電圧に変換する
と変動分が小さすぎるので、予め設定された基準電圧8
との差が微少なため比較が非常に困難であり、先に挙げ
た低感度とも相俟って実用性に欠ける、という不都合が
ある。
【0010】以上のように、従来の浮遊容量の変化検出
装置は、発振器の周波数を高くしたもの、低くしたもの
のいずれの方式であっても、上述のような問題点があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、従来の浮遊容量の変化検出装置に
おける前述の不都合を解消するため、PLL回路を用い
ることによって、低い周波数の発振器の使用を可能にす
ると共に、微少な変動の検出も正確にできて検出範囲も
十分に広く、また、誤動作も極めて少なく、かつ、不要
電波による周囲への影響も極めて少ない、安定した浮遊
容量の変化検出方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明の構成は、被検出体に接触
しあるいは非接触で浮遊容量の変化を検出するセンサ−
と、該センサ−に接続された時定数決定部を有する前置
発振器と、該前置発振器に接続されたフェ−ズ・ロック
ド・ル−プ回路とを備えた容量検出手段とにより浮遊容
量の検出をするとき、前記センサ−により検出される電
気的容量等の変化値と前記時定数決定部に予め設定した
予備時定数とを合算した総合時定数で決定される前置発
振器の出力周波数の変化する範囲が、前記フェ−ズ・ロ
ックド・ル−プ回路のキャプチャ−レンジの内側に及ぶ
ように、当該フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路の自走周
波数とキャプチャ−レンジの各々を設定し、前記センサ
−により検出される電気的容量等の変化に伴い発生す
る、前記フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路のロック状態
における自走周波数制御電圧の変化を検出することによ
り、被検出体の状態変化を検知することを特徴とするも
のである。
【0013】
【作 用】この発明では、PLL回路を使用することに
よって、低い周波数の発振器の使用を可能にし、これに
よって不要電波の周囲への放射も極めて少なくできると
共に、浮遊容量の変化に対応して生じる周波数の微少な
変化でも、その時点での周波数の1サイクルごとの変化
として明確に捕らえることができるので、その浮遊容量
の変化検出の範囲も十分に広く、また、前述の浮遊容量
の変化を捕らえ電気的に伝達することのでき得るもので
あれば、センサ−体としての形状や形態を特に問う必要
が無い。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を図により説明する。実
施例の説明に先立ち、本発明に用いるPLL回路の基本
原理について説明する。
【0015】PLL回路は、自己のもつ発振周波数(自
走周波数)を変化させることができる範囲(以下、可変
能力範囲という)において、外部からの入力周波数に対
し、自走周波数を強制的に変えて、その外部入力周波数
と同じ周波数で発振し、また、外部入力周波数が変動す
ればこれに追従して、同じ周波数で発振する特性をもつ
回路である。
【0016】図2は、このPLL回路の基本構成を示し
た機能ブロック図である。図において、11は位相比較
器、12は電圧制御発振器(以下、VCOという)、13は
ル−プフィルタ、R1は抵抗器、C1はコンデンサを示
す。また、f1は位相比較器11へ外部から供給される入
力周波数、f2はVCO12が電圧制御されて自走周波数
が変化した状態の出力周波数、(f2)はVCO12が電圧
制御されていないときの自走周波数と同じ出力周波数、
1は位相比較器11の出力電圧、v2はル−プフィルタ13
の出力電圧を示す。
【0017】上記VCO12は、外部から入力される制御
用電圧により、その発振周波数が可変制御(電圧制御)
されるが、その制御用電圧は、ル−プフィルタ13で発生
される出力電圧v2である。PLL回路は当初この出力
電圧v2が発生していない、つまりVCO12が電圧制御
されていない状態である。従って、VCO12は、予め設
定された抵抗器R1とコンデンサC1によって決定される
時定数によって自走周波数(f2)で発振し、これが当初
のVCO12の出力周波数(f2)として位相比較器11への
比較基準用入力周波数として供給される。
【0018】次に、この初期状態以降の動作について説
明する。位相比較器11は、2種類の周波数入力、すなわ
ち外部からの入力周波数f1と、VCO12の出力周波数
(f2)の位相をリアルタイムで比較し、その差を出力電
圧v1として発生する。位相比較器11では入力する2つ
の周波数f1,(f2)が異なるとき、及び、同じ周波数で
あっても両者の位相差が90°以外のときは、両入力周波
数f1,(f2)におけるその時点での電圧極性が、互いに
同じ極性のときは正電圧を、また、反対極性のときは負
電圧をそれぞれ発生する。
【0019】ル−プフィルタ13は、位相比較器11の出力
電圧v1を積分して直流成分の正または負の出力電圧v2
を発生し、この出力電圧v2をVCO12の自走周波数を
変えるための自走周波数制御電圧として当該VCO12に
供給する。これにより、VCO12は当初の出力周波数
(f2)が先の入力周波数f1と等しくなる方向へ変化する
ように、その出力周波数の制御を可変能力範囲で行い、
電圧制御された出力周波数f2として、再び位相比較器1
1に帰還させる。
【0020】位相比較器11では、先の入力周波数f
1と、出力制御されて帰還されるVCO12の出力周波数
2とが同周波数であり、かつ、両者の位相差が90°に
なったとき、この位相比較器11の出力電圧v1は殆んど
なくなる(極めて0に近い)のでル−プフィルタ13の出
力電圧v2も0に向うことになる。
【0021】この結果、VCO12は、それまで行なって
いた電圧制御状態から、非電圧制御状態へ移行を始め
る。この移行が始まると、位相比較器11へ帰還させてい
た出力周波数f2も変化を始めるので、これに伴い位相
比較器11に出力電圧v1が再び発生し、上述のようにル
−プ状になった動作を繰り返す。
【0022】上記のル−プ状動作は、電気的スピ−ド
で、PLL回路内において瞬時に生じているので、実用
上では、位相比較器11の出力電圧v1に対応して発生さ
れるル−プフィルタ13の安定した制御用の出力電圧v2
によって、VCO12は、入力周波数f1と等しくなるよ
うに制御され、入力周波数f1と同じ周波数で安定した
状態で発振し、追従動作をしている状態となる。このよ
うに、VCO12が、位相比較器11への入力周波数f1
追従して同じ周波数で発振している状態を、PLL回路
がロックされた状態(ロック状態)という。
【0023】一方、PLL回路が、前記のロック状態で
あるとき、入力周波数f1を変化させて、この周波数f1
をVCO12の出力周波数f2から次第に遠ざけていく
と、ある点から上記のロック状態を保持できなくなる。
ここで、入力周波数f1に追従していたVCO12の出力
周波数f2と、VCO12の非電圧制御時の出力周波数(f
2)、つまり、当初の自走周波数との偏差の範囲をロック
レンジLr(このレンジは保持範囲、トラッキングレン
ジともいう)という。ロックレンジLrの範囲の一例を
図3に示す。
【0024】他方、位相比較器11が、このロックレンジ
Lrの範囲外の入力周波数f1と、VCO12の出力周波
数(f2)の位相をリアルタイムで比較する場合、後段の
回路では、先に述べた動作を行ないかけるが、図3に示
したロックレンジLrから外れた入力周波数f1は、V
CO12の出力周波数f2の可変能力範囲外であるため
に、追従動作は行なえない。従って、位相比較器11の出
力電圧v1は、瞬時的に0になることはあっても、殆ん
どの場合において正電圧と負電圧が交互に出力される状
態となるので、この位相比較器11の出力電圧v1を積分
して出力電圧v2を発生するル−プフィルタ13では、前
記の正電圧と負電圧が打ち消し合い、結果的に出力電圧
2は発生しない0の状態となる。ル−プフィルタ13の
出力電圧v2がないときは、VCO12が電圧制御されな
い状態であるから、PLL回路は当初の自走周波数で発
振して、その出力周波数は(f2)となるので、この状態
をPLL回路の非ロック状態という。なお、位相比較器
11への入力周波数f1がないときにも、上述と同様に、
PLL回路は非ロック状態である。PLL回路はこの非
ロック状態が先の初期状態と等しい状態である。
【0025】PLL回路が当初非ロック状態にあると
き、入力周波数f1をf1’あるいはf1”(図3のA又
はA’に対応)へ次第に変化させて、それをVCO12の
出力周波数(f2)へ近づけていくと、ある時点からPL
L回路はロック状態になる。このときの入力周波数
1’或はf1”に追従し始めるVCO12の出力周波数f
2の非電圧制御時の出力周波数(f2)、つまり、当初の自
走周波数に対する偏差の範囲をキャプチャ−レンジCr
(このレンジは引込み範囲、ロックインレンジともい
う)という。キャプチャ−レンジCrの範囲の一例を図
3に示す。
【0026】このキャプチャ−レンジCrと、前記ロッ
クレンジLrは共に、VCO12の当初の自走周波数、す
なわち、出力周波数(f2)を中心に周波数の高い方と低
い方へほぼ均等に広がる範囲としてそれぞれ示される。
ここで、キャプチャ−レンジCrとロックレンジLr
は、PLL回路が、入力周波数f1’を捕えてロック状
態になるのか、または、捕えられていた入力周波数
1’が離れて非ロック状態となるかにより、その動作
状態が異なるために、キャプチャ−レンジCrはロック
レンジLrよりもやや狭くヒステリシスLhが介在する
という事実がある。図3にこのヒステリシスLhの一例
を示す。なお、図3において、横軸は周波数を表わし、
左側から右側に向って周波数が高くなっている。上述の
PLL回路においては、図2のル−プフィルタ13がもつ
特性等を変えたり、その出力電圧v2、すなわち、VC
O12の自走周波数制御電圧を、可変抵抗器などを用いる
ことによりレベル調整したり、あるいは、そのVCO12
の発振特性等を変えたりすることなどにより、キャプチ
ャ−レンジCrの幅をPLL回路の諸動作に影響のない
範囲で任意に調整することが可能である。
【0027】以上に説明したPLL回路のル−プ状をな
す諸動作により、その回路構成内で生じる変化、すなわ
ち、位相比較器11の出力電圧v1、および、ル−プフィ
ルタ13の出力電圧v2の変化を適宜利用し、それらを処
理することにより、そのPLL回路へ入力される周波数
が変動する様子を正確に捕らえることができる。また、
上記の説明では、PLL回路構成要素中のVCO12の自
走周波数(f2)を予め固定状態にし、入力周波数f1がf
1',f1"と変動することによりル−プ状の諸動作が行わ
れることを説明したが、PLL回路では上記例とは逆
に、入力周波数側を固定周波数とし、自走周波数(f2)
の側を変動(変遷)させる状態としても、ル−プフィル
タ13の特性がVCO12に影響しない範囲の変動(変遷)
であれば、キャプチャ−レンジCrおよびロックレンジ
Lrとも、自走周波数(f2)のその変動(変遷)に付随
して変遷するので、PLL回路は上記例と同様のル−プ
状の諸動作を行える。また、入力周波数f1と、自走周
波数(f2)の側との双方が変動(変遷)する場合でも、
PLL回路は上記例で説明したのと同様のル−プ状の諸
動作を行える。このことは、PLL回路における構成要
素の中で位相比較器11を基準にして上記の各動作をみる
と、入力周波数f1とVCO12の自走周波数(f2)との間
には、相対関係があることを示している。
【0028】上述のPLL回路のほかに本発明では、別
の前置発振器を設けて、その発振出力を上述の入力周波
数f1に該当させ、PLL回路で予め受信しておき、セ
ンサ−から検出される電気的容量等の変化により、その
前置発振器の出力周波数、又は、PLL回路の電圧制御
発振器自体の出力周波数が変化するように全体の回路を
構成することにより、それらの周波数の変化状態に伴い
PLL回路の動作状態が変化するのを検出するようにし
ている。
【0029】従って、本発明は、入力周波数f1とVC
O12の自走周波数(f2)との相対関係、PLL回路の特
性である変動する入力周波数f1に対するロック動作、
ロック解除動作、並びに、キャプチャ−レンジCr、ロ
ックレンジLr、ヒステリシスLh、の各関係に着目
し、上述の回路構成を採ることによって、電気的容量等
の変化、特に浮遊容量の状態変化を正確に検出しようと
するものであるので、以下、本発明を実施例により説明
する。
【0030】
【実施例1】この実施例は、請求項1の発明に対応して
いる。図3,図1によりこの発明を要約する。まず、セ
ンサ−26から検出される電気的容量等(浮遊容量など)
の変動信号に伴い、出力周波数f1が変化する前置発振
器21(以下、OSC21という)は、その容量変化が検出
されないときの出力周波数f1がそれを受信するPLL
回路22のロックレンジLrの範囲外のものとして条件設
定する。次いで、OSC21は、容量変化を検出するとき
その検出に伴い変化する出力周波数f1'が、このPLL
回路22のキャプチャ−レンジCrの範囲内に入ることに
より、前記PLL回路22がロック状態で動作するように
条件設定する。この両条件を満たすことを考慮して、P
LL回路22がもつVCO22bの出力周波数(f2)(自走周
波数)とキャプチャ−レンジCrの幅、それと、OSC
21の出力周波数f1を決定する予備時定数とを、予め適
宜設定し調節しておく。この実施例の発明では、容量検
出時に浮遊容量が変化することによりロック状態になる
PLL回路22の自走周波数の制御電圧と、容量非検出
時、即ち、浮遊容量が変化しないとき非口ック状態で出
力される自走周波数の制御電圧との電圧差により、浮遊
容量の変化分を検出しようとするものである。
【0031】図1は、上記発明の浮遊容量の変化検出方
法を実施するための検出装置において、その検出部の要
部構成の一例を示す機能ブロック図である。図におい
て、21aはOSC21の発振用回路、21bはCRコンポ−ネ
ントである。22aはPLL回路22の位相比較器、22bはV
CO、22cはル−プフィルタ、23はアナログ出力アン
プ、24は出力ロ−パスフィルタ、25はデジタル出力回
路、26はセンサ−、R1,R2は抵抗器、C1,C2はコン
デンサである。図中、Inはセンサ−26から得られる電
気的容量等の変動信号入力点、fはOSC21の出力周波
数の全体を示し、この周波数fの中で浮遊容量の変化検
出前(非検出時)の出力周波数をf1、浮遊容量の変化
検出後(検出時)の出力周波数をf1'とする。一方、f
2はVCO22bが電圧制御されているとき(電圧制御時)
の自走周波数が変化した状態の出力周波数、(f2)はV
CO22bが電圧制御されていないとき(非電圧制御時)
の自走周波数と同じ出力周波数、v1は位相比較器22aの
出力電圧、v2はル−プフィルタ22cの出力電圧、v3
出力ロ−パスフィルタ24の出力電圧、Doはデジタル出
力回路25の出力信号、Aoはアナログ出力アンプ23の出
力信号を示す。
【0032】図1のOSC21では、その発振用回路21a
に抵抗器R2とコンデンサC2とからなるCRコンポ−ネ
ント21bを接続して予備時定数を形成しており、その抵
抗器R2とコンデンサC2の接続点に、変動信号入力点I
nを経由してセンサ−26から得られる電気的容量等(浮
遊容量)の変動信号が入力されるようにして、検出部を
構成する。
【0033】上記のCRコンポ−ネント21bにおいて
は、センサ−26から変動信号入力点Inを経由して入力
される被検出体の状態の変動を示す信号が、容量変化型
信号の場合には、その容量成分Cを、また、抵抗変化型
信号の場合には、その抵抗成分Rを、それぞれ予備時定
数に合成することによって、センサ−26から得られる被
検出体の状態変化を一層強調する機能がある。
【0034】請求項1の発明では、これらの容量成分C
や抵抗成分Rの変化の影響を直接受けるOSC21の出力
周波数fの変動を、後段のPLL回路22へ与えて受信さ
せ、被検出体の状態変化を検出する。
【0035】このため、図1の検出装置では、このCR
コンポ−ネント21bのコンデンサC2の容量と、センサ−
26から得られる被検出体の容量成分Cとを合算した値で
ある合成容量値により総合時定数を形成し、PLL回路
22へ受信させるOSC21の出力周波数fを変化させるよ
うにしている。ここで、PLL回路22は、図2で説明し
たPLL回路と同様の機能を有し、非ロック状態におい
て被検出体の状態変化に備えている。
【0036】この検出装置は、浮遊容量の変化が検出さ
れる前においてOSC21の出力周波数がf1であり、P
LL回路22のキャプチャ−レンジCrの範囲外(外側)
の周波数で非ロック状態のため、そのVCO22bは出力
周波数(f2)(自走周波数)で発振して、自走周波数の
制御電圧は0となっている。この状態を外部へ報知する
ため、アナログ出力信号Aoは0(0ボルト)を、デジ
タル出力信号Doは1(一定電圧値)を、それぞれ出力
している。
【0037】つぎに、センサ−26から得られる電気的容
量等(浮遊容量)の変化信号がある場合、OSC21の変
化前の出力周波数f1が、出力周波数f1'に変化する。
この変化が生じると、その電気的容量の変動信号の検出
に備えていたPLL回路22は、OSC21の出力周波数f
1'と、VCO22bの出力周波数(f2)との位相を、リアル
タイムで比較し、VCO22bに追従動作をさせるように
作用する。ここで、VCO22bは初期調整により、容量
変化が検出されるときのOSC21の出力周波数f1'の近
傍に、当該VCO22bの出力周波数(f2)(自走周波数)
が設定されているので、OSC21の出力周波数f1'は、
このPLL回路22のキャプチャ−レンジCrの内側とな
り、従って、PLL回路22はロック状態において追従動
作を行なう。
【0038】この結果、VCO22bは、このPLL回路2
2で受信している容量検出時のOSC21の出力周波数f1
に等しい値の出力周波数f2で発振することになり、そ
の追従動作を維持するための自走周波数制御電圧v2
は、初期設定した出力周波数(f2)(元の自走周波数)
に対する変位量が現れる。
【0039】この自走周波数制御電圧v2は、PLL回
路22がロック状態にあるため、容量検出時におけるOS
C21の出力周波数f1'のVCO22bのもつ出力周波数(f
2)(元の自走周波数)に対する変位量として置換するこ
とができる。また、その出力周波数f1'のロックレンジ
Lr内での変動に対しては、PLL回路22が追従動作を
維持するため、この自走周波数制御電圧v2は、その変
動に対して、リニアに変化する。
【0040】そして、このOSC21の出力周波数f1'の
変動は、検出している浮遊容量の変動により喚起される
ものであるから、PLL回路22がロック状態にあると、
その自走周波数制御電圧v2は、センサ−26により検出
されている電気的容量等(浮遊容量)の変動信号に対応
して、リニアに変化する。
【0041】この自走周波数制御電圧v2は、アナログ
出力アンプ23にも入力されているので、アナログ出力信
号Aoには、センサ−26により検出中の電気的容量等
(浮遊容量)の変動に対応して、正または負の電圧が、
リニアに外部へ出力される。また、出力ロ−パスフィル
タ24では、位相比較器22aの出力電圧V1の絶対値をル−
プフィルタ22cよりも大きな時定数により積分して安定
した直流成分の出力電圧V3を出力し、この出力電圧V3
を基にしてデジタル出力回路25では二値的に処理してい
るので、このときのデジタル出力信号Doとしては、0
(0ボルト)が出力される。
【0042】上記において、浮遊容量の変化が検出され
ているときのVCO22bの出力周波数f2とロックレンジ
Lr、キャプチャ−レンジCr、およびOSC21の出力
周波数f1→f1'の相関関係を図3を参照しながら説明
する。
【0043】OSC21の浮遊容量検出前(変化前)の出
力周波数は予めf1に設定されているので、容量変化の
検出によって変化した出力周波数f1'が、キャプチャ−
レンジCrの内側に入ると、PLL回路22はロック状態
の動作開始をするので、その位相比較器22aの出力電圧
1とル−プフィルタ22cの出力電圧v2が変化する。従
って、これらの出力電圧v1,v2の変化から逆にOSC
21の当初の出力周波数f1が容量変化の影響を受けてそ
のときの出力周波数f1'がキャプチャ−レンジCrの内
側に入ったか否かが検出され、その結果、容量の変化の
有無がデジタル出力信号Doの有無によって明確に判別
できる。
【0044】このあと、OSC21の出力周波数f1'が図
3のロックレンジLrの内側にあれば、PLL回路22は
ロック状態で追従動作を継続するので、ル−プフィルタ
22cの出力電圧v2(自走周波数制御電圧)によって、ア
ナログ出力信号Aoには、検出中の容量の変化量に対応
してリニアに変化する電圧が出力される。浮遊容量に変
化がなくなると、OSC21はロックレンジLrの外側に
初期設定した出力周波数f1にもどってPLL回路22は
非ロック状態となり、全てがその検出前の状態に戻るこ
とになる。
【0045】ここで、PLL回路22を最初のロック状態
に遷移させるための入力周波数f1'を受け入れる範囲、
すなわち、キャプチャ−レンジCrは図3で示すとおり
そのロックレンジLrよりも狭い周波数の範囲となる。
これは、PLL回路22がキャプチャ−レンジCrの範囲
を先に調整することによって、ロックレンジLrの範囲
がおのずから決まる特性を有することに起因するもので
ある。従って、PLL回路22は、一旦ロック状態(安定
状態)になると、VCO22bが出力周波数f2の制御を行
なうことができる可変能力範囲(ロックレンジLr)を
超えない範囲であって、キャプチャ−レンジCrの外側
に及ぶような受信入力周波数(OSC21の出力周波数f
1')の変動に対しても安定した追従動作を行う。
【0046】また、最初に受信する入力周波数(OSC
21の出力周波数f1)と自走周波数(f2)との比較時に、
この入力周波数f1がロックレンジLrの外縁界周波数
にほぼ等しい入力周波数であっても、このPLL回路22
は、ロックレンジLrよりも狭いキャプチャ−レンジC
rに対してのみ感応してロック状態となるという特性を
もつので、非ロック状態からロック状態へ、逆に、ロッ
ク状態から非ロック状態へ、それぞれ遷移するとき、両
レンジCrとLrとには図3で示すヒステリシスLhが
あることが判る。
【0047】従って、ヒステリシスLhがあることによ
り、ロックレンジLrの外縁界周波数にほぼ等しい入力
周波数f1であっても、不安定な動作を起こすことはな
く、常に安定した状態で浮遊容量の変化検出に備えるこ
ともできる。
【0048】上記の検出装置において、OSC21へ入力
点Inを経由して入力される、センサ−26から得た電気
的容量等の変動信号を、大きく、かつ滑らかに捕らえる
ためには、CRコンポ−ネント21bのコンデンサC1の値
を、検出しようとする浮遊容量の変化する範囲と同等、
もしくは、それより小さくすることが望ましい。例え
ば、センサ−26により検出される浮遊容量の変化範囲が
10の範囲とすれば、コンデンサC1の容量成分Cの値は
5程度にするのである。
【0049】しかしながら上記のような値を設定する
と、OSC21とVCO22bの発振周波数がともに高めに
なる上に、変化範囲も大きくなり過ぎ、キャプチャ−レ
ンジCrの内側に収まらなくなることがあり得る。そこ
で、実用上は、浮遊容量の変化検出に伴うOSC21の出
力周波数f1'の変動範囲が、10%程度までに収まるよう
に、CRコンポ−ネント21bの予備時定数の値を設定す
ることが望ましい。こうすることによってセンサ−26に
より、例えば、液面レベルの変化を明確に検出できるの
である。
【0050】また、検出される液面レベル等の変動によ
って、OSC21の出力周波数f1が変化するとき、その
液面レベル等がある所定の範囲に収まっているかどうか
を監視する場合には、CRコンポ−ネント21bのコンデ
ンサC1の値は、変化容量を勘案して、妥当な値に設定
しておき、キャプチャ−レンジCrの幅を、予め調整し
ておくことにより、センサ−26によって液面等が一定の
範囲内にあるかどうか検出することができる。
【0051】上述した検出結果の報知方法は、各状態に
おいて検出したレベルを、アナログ出力アンプ23から取
り出し、そのアナログ出力信号Aoにより、メ−タ等を
駆動させることにより視覚的に表示する。また、デジタ
ル出力回路25からのデジタル出力信号Doにより、設定
した基準レベルを超えたことをブザ−等を作動させて、
警報音等として発生させることができる。このような報
知手段の作動に同期させて電磁バルブ等を併せて開閉動
作させるようにすれば、液面等を自動的に一定レベルに
保持することも可能になる。なお、液面等を一定レベル
に保持する場合には、注,排水動作、並びにそれらの停
止の各制御をPLL回路22におけるキャプチャ−レンジ
CrとロックレンジLrとの差であるヒステリシスLh
を利用することによって行う。例えば、注水または排水
の開始タイミングとその動作の停止タイミングに差を設
け、注,排水動作が頻繁に行なわれることを防止し、安
定した状態で作動させるようにするのである。
【0052】このとき、PLL回路22の特性は、先に述
べた通り、キャプチャ−レンジCrの範囲を先に調整す
ることによって、ロックレンジLrの範囲がおのずから
決まる特性を持つので、これによってヒステリシスLh
の幅も必然的に決まってしまう。従って、このキャプチ
ャ−レンジCrの範囲と、CRコンポ−ネント21bのコ
ンデンサC1とを、適宜に選択することによって、この
ヒステリシスLhの幅を上記例における各動作のタイミ
ング差に対応できるように設定することができるのであ
る。
【0053】なお、センサ−26の形状は、電気的容量等
の変化信号を捕らえ、これを電気的に伝達することので
きるものであれば、特にセンサ−体としての形状や形態
は問題にならない。上記実施例の検出装置においては、
釘程度の金属棒をセンサ−体として用い、容器に入れた
水などの液面レベルの検出を行なうことができる。
【0054】以上のように、請求項1の発明の実施例で
は、被検出体に接触あるいは非接触で電気的容量等(浮
遊容量)の変化を検出するセンサ−26を、時定数決定部
を有するOSC21へ接続し、このOSC21に接続された
PLL回路22において、前記センサ−26により検出され
た電気的容量等(浮遊容量)の変化値と、前記時定数決
定部で予め設定した予備時定数とを合算した総合時定数
で決定されるOSC21の出力周波数f1'の変化する範囲
が、PLL回路22のキャプチャ−レンジCrの内側に及
ぶ(入る)ように、PLL回路22の自走周波数(f2)と
キャプチャ−レンジCrの範囲とを各々設定し、前記セ
ンサ−26より検出される電気的容量等(遊浮容量)の変
化に伴い発生するVCO22bの自走周波数の制御電圧v2
の変化を検出することにより、被検出体の状態変化を検
知するようにしたのである。
【0055】
【実施例2】次に、本発明の第2実施例を説明する。こ
の第2の実施例は、請求項2の発明に対応しており、先
に説明した電気的容量等(遊遊容量)の変化検出方法に
おいて、PLL回路22のキャプチャ−レンジCrの範囲
を任意に調節することによって、センサ−26により検出
される電気的容量等の全変化範囲の中で、ある特定の範
囲にその容量変化が及んだか否かを検知するものであ
る。
【0056】この第2実施例ではPLL回路22のキャプ
チャ−レンジCrの範囲だけを、その諸動作に影響がな
い範囲で予め任意に調節設定し、浮遊容量の変化が検出
されたとき変化するOSC21の出力周波数f1'が、任意
に設定されたキャプチャ−レンジCrの内側にあるか否
かの検出を行い、これによってセンサ−26により検出さ
れる電気的容量等(浮遊容量)の変化が、その変化の全
範囲の中のある特定の範囲に及んだことを検知するよう
にした。
【0057】上記の内容を以下に詳述する。検出装置自
体の構成は、図1のものと同様のもので足りる。図4
は、請求項2の発明において目的とする浮遊容量の変化
が特定の範囲に及んだことを検出する原理を説明する図
である。図中の符号は図3と同一であるが、矢印Cはキ
ャプチャ−レンジCrを広げる方向を、矢印C'はキャ
プチャ−レンジCrを狭める方向をそれぞれ示す。ま
た、矢印DはロックレンジLrが広がる方向を示し、矢
印D'はロックレンジLrが狭まる方向をそれぞれ示
す。
【0058】請求項2の発明では、図4に示すように、
検出可能な浮遊容量の変化する範囲、すなわち、容量検
出時において、浮遊容量が変化する前のOSC21の出力
周波数f1から、浮遊容量の変化が検出された後の出力
周波数f1"までの変化の全範囲(矢印A')の中の特定
領域で、例えば矢印Aで示すような変化途中の出力周波
数f1'と、PLL回路22のキャプチャ−レンジCrを包
括した範囲であるロックレンジLrとを一致させ、他の
変化領域では不一致となるように設定する。
【0059】また、PLL回路22のキャプチャ−レンジ
Crの範囲は、ル−プフィルタ−22cがもつ特性等を変
えたり、VCO22bの自走周波数を制御するための電圧
2を、可変抵抗器などを用いることによりレベル調整
したり、あるいは、そのVCO22bの発振特性等を変え
たりすることなどによって、PLL回路22の諸動作に影
響がない範囲で、予め任意に調節を行なう。ここで、キ
ャプチャ−レンジCrとロックレンジLrは共に、VC
O22bの出力周波数(f2)(自走周波数)を中心に周波数
の高い側と低い側へ均等に広がる範囲をもつので、キャ
プチャ−レンジCrの範囲は、矢印C、またはC'の方
向へ自走周波数を中心に左右対称に調節することができ
る。また、ロックレンジLrの範囲は、既に説明した通
りキャプチャ−レンジCrの範囲を決定したとき、PL
L回路22の特性によりおのずと決まる。即ち、ロックレ
ンジLrは矢印D、またはD'の方向へ調節され、その
変化率は必ずしも同じにはならないが、キャプチャ−レ
ンジCrの変化に同期して同一方向に、自走周波数を中
心に左右対称に調節されるのである。
【0060】尚、前述のキャプチャ−レンジCrの範囲
を決定することにより特定される領域で、初めに容量変
化が検出されるポイント(臨界点)はキャプチャ−レン
ジCrの内側にOSC21の出力周波数f1'が位置し始め
るところとなり、検出を終えて元に戻るときのポイント
(限界点)はロックレンジLrの外側にOSC21の出力
周波数f1'が位置したところとなるため、初期設定の段
階で、容量検出前のOSC21の出力周波数f1が、上記
ロックレンジLrの外側に確実に位置するようにして、
検出を終えた時点でPLL回路22が非ロック状態になる
ようにする。また、VCO22bの発振特性等を変えて、
キャプチャ−レンジCrの範囲を調節する際、自走周波
数(f2)を中心にした左右対称のバランスが保たれるよ
うに発振特性等を変えないと、アナログ出力信号Aoの
リニアな変化を得られなくなるので、上述の初期設定と
ともに留意する必要がある。
【0061】このように、キャプチャ−レンジCrの範
囲を広げたり、狭めたりする調節を予め行うことによ
り、例えば、液面レベルの変化を検出する場合に於て、
センサ−26から検出される液面レベルの変動によって、
OSC21の出力周波数f1が図4に示す矢印A'のように
1からf1"に変化していく範囲の中で、その変化容量
に対してコンポ−ネント21bのコンデンサC1の値を、妥
当な値に設定しておけば、前記液面レベルが一定の範囲
内にあるかどうか検出することができる。この検出結果
は、アナログ出力信号Aoとデジタル出力信号Doによ
り、外部に出力させて、電磁バルブ等を開閉動作させる
ことにより前記液面レベルの制御を行なえば、液面を一
定レベルに保持することが可能となる。
【0062】以上のように、請求項2の発明の実施例で
は、PLL回路22のキャプチャ−レンジCrの範囲を任
意に調節し、センサ−26により検出される電気的容量等
(浮遊容量)の変化が予め設定されたある特定の範囲に
及んだかどうか検知できるのである。
【0063】
【実施例3】第3実施例は、請求項3の発明に対応して
いる。ここでは、図1に示すPLL回路22のVCO22b
の自走周波数(f2)を、予めOSC21の出力周波数f1
合わせるなどしてキャプチャ−レンジCrの内側にある
状態にしておき、容量の変化に伴うOSC21の出力周波
数f1'がPLL回路22のロックレンジLrの外側へ向う
変化をしたか否かを検出することによって、電気的容量
等の変化の状態を検知しようとするものである。
【0064】この第3実施例の発明は、先の第1実施例
の発明と逆の発想に基づいたもので、PLL回路22のV
CO22bの出力周波数(f2)(自走周波数)を、予めOS
C21の出力周波数f1に合わせるなどしてキャプチャ−
レンジCrの内側にある状態にしておくことにより、浮
遊容量の変化検出前において、この検出装置のPLL回
路22をロック状態においておく。そして、センサ−26か
ら得られる浮遊容量の変動信号に伴い、OSC21の出力
周波数f1'がPLL回路22のロックレンジLrの範囲か
ら外れる側へ変化するので、これに追従するPLL回路
22の自走周波数の制御電圧v2も変化する。従って、こ
の変化した制御電圧v2と容量変化が検出されていない
ときの自走周波数の制御電圧との電圧差により、浮遊容
量の変化分を検出しようとするものである。
【0065】而して、請求項3の発明は、換言すれば、
容量検出時のOSC21の出力周波数f1'がPLL回路22
のロックレンジLrの範囲外になるように、この検出装
置の初期状態を設定しておくことにより、容量変化が検
出されないときロック状態であったPLL回路22は、容
量変化を検出したとき非ロック状態へ移行するので、P
LL回路22がロック状態であるか否かによって位相比較
器22aの出力電圧v1に生じる変化とこれを基に発生する
ル−プフィルタ22cの出力電圧v2、すなわち、自走周波
数の制御電圧を検知して浮遊容量の変化の有無を検出す
るようにしたものである。
【0066】この第3実施例における検出装置も、図1
と同様のもので足り、また、図5は、請求項3の発明に
おいて、浮遊容量の変化が検出できる原理を示したもの
である。尚、図5の符号は図3と同一である。実施例3
の発明では、この図5に示すように、浮遊容量の変化が
検出される前のOSC21の出力周波数f1と浮遊容量の
変化を検出した後の出力周波数f1'、または、出力周波
数f1"を設定しておく。そして、PLL回路22のVCO
22bの出力周波数(f2)(自走周波数)を容量変化が検出
される前におけるOSC21の出力周波数f1に合わせ
て、PLL回路22を予めロック状態にし、浮遊容量の変
化の検出に備える。
【0067】この状態で、例えば容量変化が検出されて
OSC21の出力周波数f1が、矢印Aに示すf1'に変化
した場合、このf1'はロックレンジLrの内側であるた
め、PLL回路22はロック状態を維持し、そのOSC21
の出力周波数f1'にVCO22bの出力周波数f2を追従さ
せて発振している。このとき、自走周波数の制御電圧v
2には、初期状態の自走周波数の制御電圧に対する電圧
差が現れるが、これは、センサ−26から得られる電気的
容量等(浮遊容量)の変動信号にリニアに対応したもの
であるから、この電圧差により、浮遊容量の変化分を検
出することができる。
【0068】一方、OSC21の出力周波数が、矢印A'
のように変化して出力周波数f1"となった場合、このf
1"はロックレンジLrの範囲外のものであるため、PL
L回路22は非ロック状態になり、VCO22bの出力周波
数は(f2)、即ち、自走周波数となり、自走周波数の制
御電圧がない状態(0の状態)になる。この非ロック状
態においては、位相比較器22aの出力電圧v1がほぼ常時
正負交互に発生されるので、これを基準に出力ロ−パス
フィルタ24を経由してデジタル出力回路25のデジタル出
力信号Doには、このPLL回路がロック状態にあるか
否かが明確に出力される、従って、出力信号Doを検知
しておくことにより浮遊容量の変化の有無を検出するこ
とができる。
【0069】図5に示した実施例では、浮遊容量の変化
を検出する前の初期状態にPLL回路22がロック状態で
あるため、このときの検出装置のデジタル出力信号Do
は、先の第1実施例とは逆に常時0(0ボルト)であ
り、また、この初期状態においては、VCO22bの出力
周波数(f2)(自走周波数)も、OSC21の出力周波数
1に合わせてあるので、この自走周波数の制御電圧は
殆んどない状態(0の状態)となり、これによって、ア
ナログ出力信号Aoも、殆んど0(0ボルト)を示す。
【0070】以上のように、第3実施例で説明した請求
項3の発明は、予めPLL回路22の自走周波数(f2)
を、OSC21の出力周波数f1に合わせるなどしてキャ
プチャ−レンジCrの内側にある状態にして、該PLL
回路22を予めロック状態にしておき、センサ−26により
検出される電気的容量等の変化に伴い発生するPLL回
路22のロックレンジLrの範囲から外れる側へ変化する
前記OSC21の出力周波数f1'を検出することにより、
被検出体の状態変化の有無を検知するようにしたもので
ある。
【0071】
【実施例4】第4実施例は、請求項4の発明に対応して
いる。請求項4の発明は、電気的容量等の変化前と変化
後の両状態において、常時PLL回路22がロック状態を
維持できるように予め条件設定をしておき、このときの
容量変化に伴う自走周波数の制御電圧の変化(偏差量)
により、電気的容量の増減の方向とその度合を検知する
ことを骨子とする。
【0072】この実施例でも検出装置の基本構成は、図
1のものと同様のもので足りる。また、図6は請求項4
の発明における、浮遊容量の変化を検出する原理を説明
する図であり、図6の符号は図3と同一である。
【0073】この発明では、浮遊容量の変化検出前のO
SC21の出力周波数f1と浮遊容量の変化が検出された
OSC21の出力周波数f1'とをいずれもキャプチャ−レ
ンジCrの範囲内に設定し、または、浮遊容量の変化検
出による出力周波数fが矢印A'やBのように変化する
場合には、そのときのOSC21の出力周波数f1"がロッ
クレンジLrの範囲内(内側)に収まるように、この検
出装置の初期状態を予め設定しておく。
【0074】この初期設定により、検出装置のPLL回
路22は、OSC21の出力周波数f1に許容される変化範
囲、すなわち、浮遊容量の変化検出が可能な範囲の全域
に対して、常にロック状態を維持することになる。そし
て、センサ−26から得られる浮遊容量の変動信号の受信
に伴いVCO22bの出力周波数(f2)の制御電圧、即ち、
自走周波数の制御電圧v2は、前記容量の変化量に対応
した形で変化するので、アナログ出力信号Aoにも、そ
れに対応したリニアな電圧変化が出力されることにな
る。
【0075】図7は、請求項4の発明の実施例におい
て、アナログ出力信号Aoの電圧出力の可変範囲と、ロ
ックレンジLrにおける上,下の限の周波数との関係を
示す図である。図7の符号は図6と同一であるが、f3
はロックレンジLrの上限側の周波数、f4は下限側の
周波数を示し、+v,−vは共にアナログ出力信号Ao
の出力上,下限電圧を示し、特に、+v4,−v4',−
4"はそれぞれ先の図6で設定したこの検出装置のOS
C21の各出力周波数f1,f1',f1"に対応しているア
ナログ出力信号Aoの電圧を示している。
【0076】この第4実施例においては、図7に示すよ
うに、容量変化が検出されないときにおいてOSC21の
出力周波数f1がある場合、アナログ出力信号Aoには
+v4が出力されている。そして、容量変化が検出され
るとき、例えば、OSC21の出力周波数f1が矢印Aに
示すf1'に変化すると、PLL回路22では追従動作が行
われるために、VCO22bの自走周波数の制御電圧が変
化するので、これによりアナログ出力信号Aoには図の
ように−v4'が出力される。
【0077】また、容量の変化が検出されるとき、例え
ば、OSC21の出力周波数f1が矢印A'やBに示す周波
数f1"に変化しても、変化した出力周波数f1"はPLL
回路22がもつロックレンジLrの内側にあるため、安定
した状態でアナログ出力信号Aoには図7に示す−v4"
が出力される。
【0078】したがって、VCO22bの自走周波数の制
御電圧を基に発生されているアナログ出力信号Aoの電
圧差によって、容量の変化が検出され、しかも、その変
化と出力の関係はリニアであるから、予め容量変化の全
域に対する出力電圧の差を測定しておけば、その変化量
自体も判断することが可能となり、浮遊容量などの増減
の方向とその度合とを同時に検出することが可能にな
る。この検出結果の報知方法は、すでに述べた実施例の
場合と同様にアナログ出力信号Aoにメ−タ等を接続す
ることにより、被検出体の状態変化の全貌を視覚的に表
示することができる。
【0079】ここで、この図7に示したOSC21の出力
周波数f1"のように、この周波数f1"がPLL回路22の
ロックレンジLrの内側であるがキャプチャ−レンジC
rの外側となる状態のとき、何らかの理由によりこの検
出方法を実施するために供給している電源が断たれる
と、後にその電源が復旧しても被検出体の容量は電源の
断続に係わりなく一定であるから、OSC21の出力周波
数f1"も変わりなく同じところに位置することになり、
キャプチャ−レンジCrの外側となってしまうため、容
量の継続した検出に不備が生じる。この様な場合はOS
C21の出力周波数f1"を瞬間的かつ強制的にキャプチャ
−レンジCrの内側に繰り入れる「キック回路」と称す
る付属回路が必要になるが、このような付属回路を挿入
することは本発明方法の特色である簡便さを損うので、
本発明では初期設定の段階で被検出体の容量変化の全域
に対するOSC21の出力周波数fを、キャプチャ−レン
ジCrの内側にあるように設定して上記のような事態に
対し実用上の簡便さを維持できるようにする。
【0080】以上のように、請求項4の発明では、PL
L回路22の自走周波数の制御電圧について、電気的容量
が変化する前の電圧と、電気的容量変化が検出される時
の電圧との偏差量を検出することにより、センサ−26に
より検出される電気的容量等の増減方向とその度合を検
知することができるのである。
【0081】
【実施例5】次に第5実施例について説明する。この第
5実施例は、請求項5の発明に対応している。また、こ
の第5実施例は、請求項1〜3の発明の実施の一例とし
てすでに説明した電気的容量等(浮遊容量など)の変化
検出方法に対し他の実施例の関係に立つ。
【0082】請求項5の発明では、PLL回路22が非ロ
ック状態からロック状態へ、または、ロック状態から非
ロック状態へ移行するとき、そのPLL回路22がもつ、
キャプチャ−レンジCrの範囲とロックレンジLrの範
囲の間にあるヒステリシスLhを、センサ−26により検
出される電気的容量等の増加時と減少時における検出レ
ベルの差に適宜対応させて、被検出体(浮遊容量)の二
つの状態を検知しようとするものである。
【0083】この請求項5の本発明を実施するための基
本的な検出装置は、図1のものと同様である。また、図
8は、請求項5の発明の浮遊容量の変化検出の原理を説
明する図である。図の符号は図6並びに図7と同一であ
るが、f5はキャプチャ−レンジCrの上限周波数を、
矢印Eは周波数の変化の方向を示す。なお、図8では、
便宜上、ロックレンジLrとキャプチャ−レンジCr
は、いずれも上限周波数の近傍についてのみ示してい
る。
【0084】図8で示すように、ロックレンジLrとキ
ャプチャ−レンジCrの間には、ヒステリシスLhの領
域が存在しているため、浮遊容量の変化前のOSC21の
出力周波数fがf1から浮遊容量の変化に伴い出力周波
数f1'に変化するときは、キャプチャ−レンジCrの上
限周波数f5が、この検出装置のPLL回路を非ロック
状態からロック状態へ移行できる臨界周波数となり、ま
た、容量の変化が検出されているときのOSC21の出力
周波数f1'が容量変化の検出前のOSC21の出力周波数
1に復帰するときには、ロックレンジLrの上限周波
数f3が、このPLL回路をロック状態から非ロック状
態へ移行できる限界周波数となるので、OSC21の出力
周波数fが矢印Aの方向へ変化するときと、矢印Eの方
向へ復帰するときとでは、VCO22bの自走周波数の制
御電圧v2に当然ながら差位が発生し、位相比較器22aの
出力電圧v1にも差位が発生する。
【0085】すなわち、これは、浮遊容量の変化検出が
可能になる検出臨界点(検出開始点)と、その検出が不
可能になる検出限界点(検出終了点)に差位が発生する
ことを意味するものであるから、被検出体(浮遊容量)
の状態に、増加および減少といった可逆性の変化(双方
向性変化)が起こる場合には、その増加時の検出と減少
時の検出における夫々の検出レベル差として現れる。そ
してこの検出レベルの差が上記ヒステリシスLhによっ
てもたらされるのである。
【0086】この第5実施例では、上記ヒステリシスL
hに着目して、被検出体(浮遊容量)の二つの状態(二
つのレベル)が確実に検出できるようにしようとするも
のである。
【0087】図9は、請求項5の発明の実施の一例にお
いて、VCO22bの出力周波数f2の決定要素である自走
周波数の制御電圧v2と、その出力周波数f2とOSC21
の出力周波数f1'との位相比較器22aでの比較による出
力電圧v1を基にして、出力ロ−パスフィルタ24を経由
し最終的に発生されるデジタル出力回路25のデジタル出
力信号Doの変化状態を説明する図である。図9の符号
は図6と同一であるが、v5とv5'はデジタル出力信号
Doの電圧を示す。
【0088】図9に示すように、容量変化が検出されな
いときのOSC21の出力周波数f1が、容量変化の検出
に伴い出力周波数f1'に変化すると、矢印Aで示すよう
に、デジタル出力信号Doの電圧はv5からv5'(0ボ
ルト)に変化する。この変化は、キャプチャ−レンジC
rの上限周波数f5を境界にして生起され、この時点で
PLL回路22はロック状態になる。そして、容量変化を
検出しているOSC21の出力周波数f1'が、再び容量変
化がないときの出力周波数f1に復帰すると、矢印Eで
示すように、デジタル出力信号Doの電圧はv5'からv
5(一定電圧)に変化するが、この復帰時には、ロック
レンジLrの上限周波数f3を境にして、デジタル出力
信号Doの電圧変化が起こり、この時点でPLL回路22
は非ロック状態になる。この図9から判るように、OS
C21の出力周波数fがf1から出力周波数f1'(また
は、f1'からf1)へ変化するとき、その出力周波数f
の値はヒステリシス特性を有している。
【0089】従って、請求項5の発明では、このヒステ
リシス特性を利用し、被検出体の二つの状態、例えば、
水槽内などの液面等を一定のレベルに保持する場合など
に於て、注水や排水の制御、および、各動作の停止制御
のタイミングに差を設けて、注,排水動作が頻繁に行な
われることを防止し、安定した状態で作動させるように
するものである。尚、この状態は、検出装置のアナログ
出力信号Aoに接続したメ−タ等により、注,排水動作
の制御タイミングの時期が近づいたことを、視覚的に確
認できるようにすることも可能である。なお、PLL回
路22のもつヒステリシスLhを、被検出体のレベル差な
どに対応させる場合、そのヒステリシスLhの幅(領
域)が、容量変化検出前と容量変化を検出したときの間
の容量変化の全域に対して占める比率を考慮した上で、
検出装置の初期状態を適宜設定することにより、より的
確に被検出体の二つの状態が検知できる。
【0090】以上のように、請求項5の発明は、PLL
回路22のキャプチャ−レンジCrとロックレンジLrの
間に存在するヒステリシスLhにより惹起されるPLL
回路22の自走周波数(f2)の制御電圧v2について、電気
的容量等の変化検出が可能な検出臨界点における値と、
電気的容量等の変化検出が不可能な検出限界点における
値との差位(ヒステリシス)を、センサ−26により検出
される電気的容量等の増加時と減少時における検出レベ
ル差に適宜対応させることにより、被検出体の二つの状
態を検知するものである。
【0091】
【実施例6】次に、第6実施例について説明する。先に
説明した第1〜第5の実施例では、被検出体に接触、或
は、非接触で浮遊容量の変化を検出するセンサ−26を、
時定数決定部を有するOSC21へ接続し、前記センサ−
26により検出された電気的容量等(遊浮容量など)の変
化値と、前記時定数決定部で予め設定されている時定数
とを合算した総合時定数で決定されるOSC21の出力周
波数f1'の変化が及ぶ範囲において被検出体の状態変化
を検出するように構成していた。つまり、PLL回路22
の自走周波数(f2)に対してOSC21の出力周波数f1'
が変化すると、当該PLL回路22の自走周波数(f2)の
制御電圧v2が変動するので、この制御電圧v2を検出す
ることにより浮遊容量の変化を検出していた。
【0092】しかし乍ら、請求項6の発明では、PLL
回路の基本原理で述べた、OSC21の出力周波数fを固
定しておき、PLL回路22の自走周波数(f2)そのもの
が、センサ−26から得られる浮遊容量の変動に伴い変遷
するようにし、そのときのPLL回路22の自走周波数の
制御電圧v2の変動を検出することによって、浮遊容量
の変化を検出するように構成している。
【0093】図10は、請求項6の発明の浮遊容量の変化
検出方法を実施する場合に使用する検出装置において、
その検出部の要部構成の実施例を示す機能ブロック図で
ある。図における符号は、図1と同一である。この図10
から明らかなように、センサ−26は、PLL回路22内の
VCO22bに設けられた出力周波数(f2)(自走周波数)
を決定している抵抗器R1とコンデンサC1とからなる予
備時定数決定ブロックに接続されている。そしてセンサ
−26から得られる浮遊容量の変化値(変動信号)が予備
時定数決定ブロックに合算されることによって、総合時
定数を形成し、その変動信号に伴い自走周波数(f2)そ
のものが変遷するように構成されている。従って、この
実施例でのOSC21は、そのCRコンポ−ネント21bで
決定される時定数により固有の周波数で発振し、固定さ
れた出力周波数fをPLL回路22へ受信させている。
【0094】PLL回路22においては、既に述べたとお
りVCO22bの出力周波数(f2)(自走周波数)を基準に
して、キャプチャ−レンジCrとロックレンジLrが決
定されるが、この実施例では容量変化が検出されると
き、前記自走周波数(f2)そのものが、センサ−26から
得られる浮遊容量の変動を示す信号の入力に伴い変遷す
るので、これにより同時に、キャプチャ−レンジCrと
ロックレンジLrも付随して変遷していく。
【0095】位相比較器22aでは、OSC21の固有の出
力周波数fと、変遷してゆくVCO22bの出力周波数(f
2)(自走周波数)の位相をリアルタイムで比較しPLL
回路22の諸動作を行ない、キャプチャ−レンジCrが、
OSC21の固有の出力周波数fを取り込める(包括でき
る)状態まで変遷したとき、このPLL回路22がロック
状態に入る。
【0096】図11を参照しながら、上記の動作内容を説
明する。図11は、請求項6の発明の実施例において、浮
遊容量変化の検出原理の説明図である。従って、図11の
符号は図3と同一であるが、矢印FはVCO22bの出力
周波数(f2)(自走周波数)の変遷に基づいてキャプチ
ャ−レンジCrとロックレンジLrが一体的に変遷する
方向を示し、点線Gで囲むブロックは容量変化が検出さ
れているときの周波数の分布状態を示す。
【0097】図11に示すように、PLL回路22内では、
VCO22bの自走周波数(f2)を基準にして、キャプチャ
−レンジCrとロックレンジLrが在り、容量変化が検
出されないときには、このロックレンジLrの内側にO
SC21の固有の出力周波数fが存在しないように設定す
ると共に、容量変化が検出されるときは、OSC21の出
力周波数fがキャプチャ−レンジCrの内側に入り包括
されるように前記VCO22bの出力周波数(f2)(自走周
波数)とOSC21の固有の出力周波数fとを初期設定す
ることにより、電気的容量等(浮遊容量など)の変化検
出に備えた状態を設け、PLL回路22を非ロック状態に
しておく。この初期状態の検出装置では、PLL回路22
が非ロック状態であるため、デジタル出力信号Doには
1(一定電圧)が出力されており、アナログ出力信号A
oには、0(0ボルト)が出力されている。
【0098】そして、容量変化が検出されるとき、その
影響を受けて、矢印Fに示すように、VCO22bの自走
周波数(f2)そのものと、これに付随したキャプチャ−
レンジCrとロックレンジLrが一体的に変遷し、OS
C21の固有の出力周波数fが、点線Gで示すように変化
したキャプチャ−レンジCrの内側に入り包括される
と、このPLL回路はロック状態になり、OSC21の固
有の出力周波数fに対する追従動作を開始する。
【0099】このロック状態下でのPLL回路22の諸動
作は、これまで述べた各実施例と見かけ上は全く同様で
ある。即ち、PLL回路22の内部は、センサ−26より得
られる浮遊容量の変動信号に伴いVCO22bの出力周波
数(f2)(自走周波数)そのものが変化するが、変遷後
の自走周波数は位相比較器22aにおいてリアルタイムで
OSC21の固有の出力周波数fとの位相を比較され、位
相比較器22aに出力電圧v1を発生させる。この電圧v1
はル−プフィルタ22cにおいて積分され出力電圧v2(自
走周波数の制御電圧)を生じるので、これによりVCO
22bの可変能力範囲内で自走周波数が変化した状態の出
力周波数f2が、予め固定されているOSC21の固有の
出力周波数fと等しくなる方向に修正される。修正され
たVCO22bの出力周波数f2がOSC21の固有の出力周
波数fと同じ周波数であり、かつ、位相差が90°になっ
たとき、その時点でのVCO22bの出力周波数f2(OS
C21の出力周波数fと同じ)の、容量検出開始当初の出
力周波数(f2)(自走周波数)に対する変位量が自走周
波数の制御電圧v2として現われるので、これによって
浮遊量容の変化を検知することができる。
【0100】この自走周波数制御電圧を増幅するアナロ
グ出力アンプ23のアナログ出力信号Aoには、センサ−
26より得られる浮遊容量の変動に対応して、正または負
の電圧が、リニアに外部へ出力される。また、このとき
のデジタル出力信号Doには、ロック状態であるから0
(0ボルト)が出力される。
【0101】この第6実施例で示したように、OSC21
の出力周波数fを固定する方法を用いると、先に説明し
た第1〜第5実施例よりも検出精度を高くすることが可
能となる。例えば、OSC21の発振器としての構成要素
に、水晶振動子などを用いれば、出力周波数fの精度を
飛躍的に向上できるので、PLL回路22のロック状態下
においての、センサ−26から得られる電気的容量等(浮
遊容量など)の変動信号も高精度で検出できるようにな
るからである。また、先に説明した第1〜第5実施例で
述べたように、液面などのレベルを一定レベルに保持す
るような場合においても、同様に動作させることができ
る。
【0102】尚、第1〜第5実施例では、初期状態にお
いて予めル−プフィルタ22cとVCO22bの各々の特性を
定め、検出装置を構成していたが、この第6実施例の発
明では、VCO22bの自走周波数自体が容量変化の影響
を受けて変遷し、ル−プフィルタ−22cのもつ特性やV
CO22bのもつ発振特性などは初期設定の状態のままで
変化し得ない点を加味して、被検出体の容量変化(状態
変化)の全範囲に対してPLL回路22の諸動作を損なわ
ずにVCO22bの自走周波数自体が変遷できるように設
定する必要がある。例えば、容量変化の検出に伴い変遷
し得る自走周波数の値の範囲は、初期状態(変遷前)の
自走周波数の値の10%程度以内に収まるようにするので
ある。また、この第6実施例では、PLL回路22が非ロ
ック状態からロック状態になることによって、被検出体
の状態変化を検出するケ−スについて詳述したが、先の
第3実施例のごとく初期設定の段階で、予めPLL回路
22をOSC21の固有の出力周波数fに対してロック状態
にして検出に臨むケ−スとした場合にも第6実施例で対
応することが可能である。これらはすでに述べたとお
り、PLL回路22が受信する入力周波数とVCO22bの
自走周波数との相対関係に基づいているのである。
【0103】以上のように、第6実施例では、被検出体
に接触、或は、非接触で浮遊容量の変化を検出するセン
サ−26を、PLL回路22の時定数決定部を有するVCO
22bへ接続し、このPLL回路22に固定した出力周波数
fを設定したOSC21を接続することによって検出装置
を構成する。そして、センサ−26により検出される電気
的容量等(浮遊容量など)の変化値とVCO22bの時定
数決定部で予め設定されている時定数とを合算した総合
時定数で決定されるVCO22bの初期の自走周波数(f2)
を基準に定めたキャプチャ−レンジCrが、浮遊容量の
変化を検出するときにOSC21の出力周波数fをその範
囲内に包括する(取込む)ことが可能となるように、或
は、包括していたOSC21の出力周波数fから離脱する
ことが可能となるように、PLL回路22の前記の自走周
波数(f2)とキャプチャ−レンジCrの幅の各々を初期
設定することによって、センサ−26により検出される電
気的容量等(浮遊容量など)の変化に伴い発生するPL
L回路22のロック状態における自走周波数の制御電圧の
変化を検出し、被検出体の状態変化を検知するようにし
ている。
【0104】なお、上述の各実施例では、時定数決定部
をCR(コンデンサ、抵抗器)で構成する場合について
説明したが、時定数は、LCR(Lはコイル)でも決定
できるので、必ずしもCRのみで構成する必要はない。
また、被検出体の状態変化は、容量成分のみならず、等
価的には抵抗成分も変化するが、周波数の大きな変化、
換言すれば検知可能な変化成分は、主として容量Cの変
化に起因するので、容量の変化を検知する方が実用的で
ある。
【0105】また、上述の各実施例は、PLL回路22に
おける自走周波数の制御電圧v2については、外部から
位相比較器22aに入る入力周波数fが、そのPLL回路2
2のキャプチャ−レンジCr、または、ロックレンジL
rに包括されない場合(非ロック状態の場合)には、自
走周波数の制御電圧v2が無い状態になるタイプのPL
L回路22を使用した場合についてのものである。しか
し、PLL回路には、ル−プフィルタ22cの特性やVC
O22bの発振特性などの違いと、そこで使用する位相比
較器22aの種別および特性などの違いによって、入力周
波数fがPLL回路22のキャプチャ−レンジCr、また
は、ロックレンジLrに包括されない場合でも、その入
力周波数fがPLL回路22のもつ出力周波数f2の可変
範囲に対して低い方に在るか、又は、高い方に在るかに
より、PLL回路22が非ロック状態であるにも拘らず、
当該出力周波数f2の可変範囲に対応した自走周波数の
制御電圧v2の可変範囲で最小値、あるいは、最大値
(または、これらの逆)の電圧を継続して出力するよう
なタイプのPLL回路もある。
【0106】本発明において、このようなタイプのPL
L回路を使用した場合には、浮遊容量などの検出結果の
値に、先の各実施例で説明した内容と異なるケ−スが出
てくるので、これに対応するには初期状態の設定時に、
上述した位相比較器、ル−プフィルタ、VCOの各々の
諸特性を考慮して、その初期状態を設定したり、或は、
検出結果の値を修正(オフセット)して読み取るように
することなどにより、前述の各実施例で述べた内容と同
等の結果が得られるようにできる。つまり、本発明のP
LL回路を用いた浮遊容量の変化検出方法には、タイプ
の異なる各種のPLL回路を使用することができるので
ある。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、PLL回路を用いるこ
とによって、浮遊容量の微少な変動を検出する場合で
も、数キロHz〜数十キロHzの低い周波数の発振器の
使用をしても支障はなく、また浮遊容量の検出可能な範
囲も十分に広くなるうえ、誤動作も極めて少なく、しか
も、不要電波による周囲への影響も極めて少ない安定し
た浮遊容量の変化検出が可能になる、という優れた効果
が得られる。また、本発明方法を実施するための検出装
置は、現在のIC技術等によって、より小型で安定した
性能のものを容易に形成でき、しかも、従来装置との置
換が可能であるほか広範な検出範囲をもつゆえに汎用性
に富むので、浮遊容量検出手段設置のコストダウンを図
ることができる。さらには、本発明方法に使用するセン
サ−は浮遊容量などの変化を捕らえて電気的に伝達する
ことができるものであれば、センサ−体としての形状や
形態を問わないという副次的効果もある。従って、本発
明は浮遊容量の変化検出方法としてきわめて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する検出装置の一例の回路ブ
ロック図。
【図2】PLL回路の一例の機能ブロック図。
【図3】本発明方法の第1実施例の各発振周波数の関係
線図。
【図4】同じく、第2実施例の各発振周波数の関係線
図。
【図5】同じく、第3実施例の各発振周波数の関係線
図。
【図6】同じく、第4実施例の各発振周波数の関係線
図。
【図7】第4実施例における各周波数と出力電圧の関係
線図。
【図8】同じく、第5実施例の各発振周波数の関係線
図。
【図9】第5実施例における各周波数と出力電圧の関係
線図。
【図10】本発明方法を実施する検出装置の回路ブロック
図。
【図11】第6実施例における各発振周波数の関係線図。
【図12】従来の検出形式による装置の一例の機能ブロッ
ク図。
【図13】図12の従来装置における発振器の一例のブロッ
ク図。
【図14】同じく別例のブロック図。
【符号の説明】
21 前置発振器(OSC) 21a 発振用回路 21b CRコンポ−ネント 22 PLL回路 22a 位相比較器 22b 電圧制御発振器(VCO) 22c ル−プフィルタ 23 アナログ出力アンプ 24 出力ロ−パスフィルタ 25 デジタル出力回路 26 センサ− Do デジタル出力回路の出力信号 Ao アナログ出力アンプの出力信号 f1 前置発振器出力周波数 f2 電圧制御発振器可変出力周波数 (f2) 電圧制御発振器出力周波数(自走周波数) Cr PLL回路のキャプチャ−レンジ Lr PLL回路のロックレンジ v4 アナログ出力信号Ao電圧 v5 デジタル出力信号Do電圧

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出体に接触しあるいは非接触で浮遊
    容量の変化を検出するセンサ−と、該センサ−に接続さ
    れた時定数決定部を有する前置発振器と、該前置発振器
    に接続されたフェ−ズ・ロックド・ル−プ回路とを備え
    た容量検出手段とにより浮遊容量の検出をするとき、前
    記センサ−により検出される電気的容量等の変化値と前
    記時定数決定部に予め設定した予備時定数とを合算した
    総合時定数で決定される前置発振器の出力周波数の変化
    する範囲が、前記フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路のキ
    ャプチャ−レンジの内側に及ぶように、当該フェ−ズ・
    ロックド・ル−プ回路の自走周波数とキャプチャ−レン
    ジの各々を設定し、前記センサ−により検出される電気
    的容量等の変化に伴い発生する、前記フェ−ズ・ロック
    ド・ル−プ回路のロック状態における自走周波数制御電
    圧の変化を検出することにより、被検出体の状態変化を
    検知することを特徴とするPLL回路を用いた浮遊容量
    の変化検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の浮遊容量の変化検出方法にお
    いて、フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路のキャプチャ−
    レンジの幅を任意に調節することにより、センサ−に検
    出される電気的容量等の変化が、その変化の全範囲の中
    で特定の範囲において生じたことを検出し、被検出体に
    生じる変化の状態を検知することを特徴とするPLL回
    路を用いた浮遊容量の変化検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の浮遊容量の変化検出方法にお
    いて、フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路を、その自走周
    波数を前置発振器の出力周波数に調整して予めロック状
    態にしておき、センサ−により検出される電気的容量等
    の変化に伴って生じる前置発振器の出力周波数変化を、
    前記フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路のロックレンジの
    外側へ向う変化において検出することにより、被検出体
    の状態変化を検知することを特徴とするPLL回路を用
    いた浮遊容量の変化検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の浮遊容量の変化検出方法にお
    いて、フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路の自走周波数制
    御電圧の、電気的容量等の変化が検出されないときの値
    と、電気的容量等に変化が生じたときの値との偏差量を
    検出することにより、センサ−により検出される電気的
    容量等の変化の増減方向並びに増減度合を検知すること
    を特徴とするPLL回路を用いた浮遊容量の変化検出方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1の浮遊容量の変化検出方法にお
    いて、フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路のキャプチャ−
    レンジとロックレンジとの間に存在するヒステリシスに
    より惹起される、前記フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路
    の自走周波数制御電圧の、電気的容量等の変化の検出が
    可能になる臨界点における値と、電気的容量等の変化の
    検出が不可能になる限界点における値との差位を、セン
    サ−により検出される電気的容量等の増加時と減少時に
    おける検出レベル差に対応させることにより、被検出体
    の二つの状態を検知することを特徴とするPLL回路を
    用いた浮遊容量の変化検出方法。
  6. 【請求項6】 被検出体に接触しあるいは非接触で浮遊
    容量の変化を検出するセンサ−と、該センサ−に接続さ
    れた時定数決定部を有する電圧制御発振器をもつフェ−
    ズ・ロックド・ル−プ回路と、該フェ−ズ・ロックド・
    ル−プ回路に接続された固有の出力周波数を有する前置
    発振器とを備え、前記センサ−により検出される電気的
    容量等の変化値と前記時定数決定部に予め設定した予備
    時定数とを合算した総合時定数で決定される電圧制御発
    振器の自走周波数を基準にして定めるキャプチャ−レン
    ジが、前記センサ−により検出される電気的容量等の変
    化に伴い前置発振器の固有の出力周波数を包括する状態
    となるようにするか、又は、包括していた前置発振器の
    固有の出力周波数から離脱する状態となるように、前記
    フェ−ズ・ロックド・ル−プ回路の自走周波数とキャプ
    チャ−レンジの各々を設定し、前記センサ−により検出
    される電気的容量等の変化に伴い発生する、前記フェ−
    ズ・ロックド・ル−プ回路のロック状態における自走周
    波数制御電圧の変化を検出することにより、被検出体の
    状態変化を検知することを特徴とするPLL回路を用い
    た浮遊容量の変化検出方法。
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