JP2991451B2 - ループ式金属物検出装置 - Google Patents

ループ式金属物検出装置

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JP2991451B2 JP2038097A JP3809790A JP2991451B2 JP 2991451 B2 JP2991451 B2 JP 2991451B2 JP 2038097 A JP2038097 A JP 2038097A JP 3809790 A JP3809790 A JP 3809790A JP 2991451 B2 JP2991451 B2 JP 2991451B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、踏切障害物検知などに用いれるループ式金
属物検出装置に関する。
【従来技術とその欠点】
ループ式金属物検出装置は、通路にループを埋設して
置き、そのループの上に金属物が接近するときにループ
コイルのインダクタンスが微小変化する現象を利用し
て、通路上の金属物を検知する装置であり、通路に埋設
されたループと障害物検出器とから構成され、踏切障害
物検知などに用いられている。 第4図に、従来のループ式金属物検出装置の検出器の
ブロック図を示す。高周波ブリッジ回路41の一辺に前記
ループコイル411を結合し、これと並列にコンデンサ412
を接続して共振点付近に設定することにより、高感度の
ブリッジを得ており、発振器42からACアンプ43を介して
一定周波数をブリッジ回路41に与えている。そして、ル
ープ411上に自動車などが存在しないときにブリッジ回
路が不平衡となるように抵抗とコンデンサ容量を設定し
ておくと、ブリッジ回路41からの出力が、帯域フィルタ
44、ACアンプ45及び整流器46を経て、DCアンプ47の出力
がDCシュミット48に与えられ、その出力がDCアンプ49で
直流増幅されて検知リレー410を常時動作する。 上記構成により、ループ411上に自動車が来ると、ル
ープ411のインダクタンスが減少するため、ブリッジ回
路41は平衡点に近付き、従って、DCアンプ47の出力電圧
が下がり、その変化によりDCシュミット48、DCアンプ49
が出力しなくなるため、検知レー410が落下する。これ
により、自動車又は金属物の接近を検知することができ
る。 検知リレー410の接点410cは、第5図に示す制御回路
(イ)に挿入されて、検知リレー410が落下してから一
定時間(約6秒)の余裕を持たせるための緩放リレー50
を動作しており、自動車などの障害物がループ411上に
止まって検知リレー410が落下し、余裕時間以上経過す
ると、緩放リレー50も落下して、そのリレーの接点50c
により信号制御回路(ロ)を開放するか、又は特殊信号
発光機51を動作させて、列車防護を行うようにしてあ
る。 ところで、ループ式の最大の問題は、ブリッジ回路41
を構成する抵抗、コンデンサ及びループの定数が経年変
化、環境変動などにより変化するため、ブリッジの平衡
点が変動して誤検出をすることがあることである。 従来、この問題に対処するには、検出器の前面などに
ブリッジ回路の抵抗調整用ツマミと、コンデンサ共振点
調整用ツマミとを備え、ループ上に自動車が存在しない
ときに検知リレー410が動作し、自動車が存在するとき
にその検知リレーが落下するように調整作業をしてい
た。しかし、このような調整を適正に行うことは非常に
困難であり、調整度合、調整時期などが不的確になり易
く、検出信頼度に問題があった。 発振器とブリッジ回路の結合を用いる代わりに、ルー
プのインダクタンスとコンデンサの容量で決定する周波
数で発振する発振回路を設け、その周波数を判定周波数
として、金属物がループ上に近接する場合のインダクタ
ンスの変化を周波数変化としてとらえて、金属物の接近
を検出するループ式金属物検出装置が提案されている
が、この検出装置においても、発振回路を構成するLC部
品の定数変動による誤検出の可能性があることは、上記
ブリッジ回路を用いる従来装置と同様である。
【解決しようとする技術課題】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ル
ープのインダクタンスとコンデンサの容量で決定する周
波数で発振する発振回路を設け、その周波数を判定周波
数とし、その後の発振回路の出力周波数を判定周波数と
比較し、その差周波数が一定の値以上のときに、金属物
の接近を検出するようにしたループ式金属物検出装置に
おいて、発振回路を構成するLC部品、すなわちループ、
コンデンサなどの定数変動による誤検出を防止するに
は、金属物検出の間、判定周波数を微量ずつ自動補正す
る方法が考えられる。しかし、これにも問題がある。 続いて、上記提案に係るループ式金属物検出装置の検
出原理と、誤検出防止策及びその問題点について説明す
る。 第2図は上記提案に係るループ式金属物検出装置を説
明するブロック図である。 同図において、1は例えば路面上に敷設されたループ
コイルであり、このループのインダクタンスLと、装置
内蔵の容量Cのコンデンサ2とで、発振回路3を構成し
ている。 この発振回路3の発振周波数f0は、 となる。 ループコイル1に金属物が近接すると、その金属物に
渦電流が流れ、ループコイルと逆方向の磁力線が生じ、
インダクタンスLの実質的な減少(ΔL)が生じる。こ
のときの発振周波数fdは、 となって、発振周波数がf0よりもΔfだけ増大する。 従って、f0判定周波数とし、Δfの有無によって、金
属物の有無を検出することができる。 そこで、第2図に示す装置では、発振回路3の後段に
セットスイッチ4を介して入力される判定周波数メモリ
部5を設け、この装置使用の当初にスイッチ4を入れ
て、自動車がループ上に存在しない時の発振周波数f0
判定周波数fsとして判定周波数メモリ部5へセットす
る。 この判定周波数のセット後は、発振回路3の発振周波
数f0を周波数比較部6により判定周波数メモリ部5の内
容(判定周波数fs)と比較し、その差周波数Δfを得
て、これを検出有無判定部7に与えて、ここで、予め設
定した判定値fcと比較して大小判定をし、大の時、すな
わち、差周波数Δfが設定した周波数(例えば判定周波
数の0.1%)以上のときは、検出有無判定部7が金属物
検出出力dをONするようにしてある。 そして、上記のように、発振回路3を構成するLC部品
の定数変動による誤検出を防止するため、差周波数Δf
が正の場合に、その差周波数を0にするように、判定周
波数メモリ部5の内容を補正する方法が考えられる。 すなわち、第3図に示すように、周波数比較部6から
出力される差周波数Δfが正負いずれであるかを正負判
定部8により判定し、正の場合(f0>fsの場合)は、ア
ンド回路9に出力する。このアンド回路9には、例えば
1Hzの比較的緩慢な補正クロックclと、例えば、0.01Hz
の補正素周波数faとが常時反復的に入力されている。 こうして、差周波数Δfが正のときは、補正クロック
clが入力するたびに補正素周波数faがアンド回路9から
出力されて、加算部10に入力される。 加算部10には、判定周波数メモリ部5の判定周波数fs
が与えられているので、この判定周波数fsに補正素周波
数faが加算され、その和がオア回路11を経て判定周波数
メモリ部5にセットされる。すなわち、LC部品の定数変
化又はループ上に自動車が存在して差周波数Δfが正の
ときは、補正クロック入力ごとに補正素周波数単位で判
定周波数fsが補正される。 ループ1上に金属物がない場合は、短時間のうちに発
振周波数f0と判定周波数fsが等しくなり、差周波数Δf
が0になるので、その後は補正が行われない。 これに対して、金属物がループ1上に存在するとき
は、発振回路3の発振周波数f0が例えば約50KHzで、金
属物がループに近接すると、発振周波数f0が0.2%程度
増大する。すなわち、差周波数Δfがプラス0.2%程度
となる。判定値fcを50Hz(50KHz×0.1%=50Hz)とする
と、0.1%以上の周波数増加のとき、検出条件が成立す
る(検出出力dがONとなる)。 一方、差周波数Δfは今は正であるから、1Hzの補正
クロックclが入力するたびに0.01Hzの補正周波数ずつ判
定周波数fsが加算補正されるので、5000回(5000秒)の
補正により、判定周波数fsが50050Hzとなる。すなわ
ち、5000秒程度で検出条件が不成立となる(検出出力d
がOFFとなる)。 このようにして、判定周波数fsを補正する方法を採る
場合は、ループ上に金属物が実際に存在するときも、長
時間存在すると、判定周波数が加算補正されて、例えば
5000秒後には検出出力dがOFFすることとなり、誤検出
を避けることができないという問題がある。 なお、発振周波数f0>判定周波数fsのときは、上述の
ように判定周波数を徐々に補正するが、f0<fsのとき
は、正負判定部8の出力がアンド回路12に入力されるた
め、発振回路3からの出力周波数f0がアンド回路12とオ
ア回路11を経て判定周波数メモリ部5に与えられるの
で、瞬時に補正される。f0<fsのとき瞬時に補正するの
は、差周波数Δfの負を金属物がループより離れていく
ことによる変化と考えることができるからである。 本発明は、上述のように、発振周波数f0>判定周波数
fsの時、判定周波数を徐々に補正する場合に、ループ上
に金属物が長時間存在するとき、補正される判定周波数
fsが発振周波数f0と等しくなって誤検出することを防止
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、補正クロッ
クを1/Nにする分周部13を設けるとともに、その分周部
の後段に検出有無判定部からの検出出力の有無(ON又は
OFF)により補正クロック又は1/Nに分周された補正クロ
ックのいずれかをアンド回路9に入力する選択部1を設
け、前記検出出力がONしたときは補正クロックを1/Nと
して前記アンド回路9に入力するようにしたものであ
る。
【作用】
差周波数が正のときで、かつ、検出出力がOFFのとき
はアンド回路9には正負判定部8の正判定出力と補正ク
ロックが入力したとき、加算部10に補正素周波数が与え
られ、これに基いて判定周波数が加算補正される。 差周波数が正のときで、かつ、検出出力がONのとき
は、アンド回路9には正負判定部の正判定出力と1/Nに
分周された補正クロックが入力したとき、補正素周波数
が加算部10に与えられ、これに基いて判定周波数が加算
補正される。これにより、金属物検出時は、補正動作が
不検出時の1/Nに遅らされ、検出出力がOFFになるまでの
時間がN倍延長される。
【実施例】
次に、本発明の一実施例を第1図に基いて説明する。 第1図は、ループコイルのインダクタンスとコンデン
サを有する発振回路の発振周波数を、イニシャル時に記
憶した判定周波数と比較して、その差周波数が所定の判
定値以下か否かにより金属物を検出するようにしたルー
プ式金属物検出装置の概略構成を示すブロック図であ
り、二点鎖線内以外は、上述した第3図と同一構成であ
るので、対応する構成要素に同一符号を付して説明を省
略する。二点鎖線内は、本発明の要部となる付加構成で
ある。 すなわち、補正クロックclは、選択回路14の第1アン
ドゲート141に与えられるとともに、分周回路13に与え
られる。そして、分周回路13で1/Nに分周された補正ク
ロックは、選択回路14の第2アンドゲート142に入力さ
れる。 選択回路14は、二つのアンドゲート141,142と、一つ
のオアゲート143と反転回路144とからなり、第1アンド
ゲート141の他の入力端子には、検出有無判定部7の検
出出力dが判定回路144で反転入力され、また、第2ア
ンドゲート142の他の入力端子には検出有無判定部7の
検出出力dが入力されるようになっている。そして、ア
ンドゲート141,142の出力は、オアゲート143に入力され
る。 オアゲート143の出力、すなわち、選択回路14の出力
は、アンド回路9に入力される。 こうして、検出有無判定部7の検出出力dがONしてい
ないときは、第1アンドゲート141が開放され、第2ア
ンドゲート142は閉じられるので、選択回路14は補正ク
ロックclをオアゲート143を経てアンド回路9に入力す
る。従って、差周波数Δfが正であるときは、アンド回
路9が例えば1Hzの補正クロックclを入力するたびに補
正素周波数faを加算部10に与えるので、判定周波数メモ
リ部5の判定周波数fsは補正素周波数(例えば、0.01H
z)ずつ加算補正される。 これに対して、検出有無判定部7が検出出力dをONし
ている時は、第1アンドゲート141は閉じられ、第2ア
ンドゲート142が開放されるので、分周回路13からの分
周された補正クロックが選択回路14によりアンド回路9
に与えられる。 従って、今は、差周波数Δfは正であって、正負判定
部8はアンド回路9に出力しているので、アンド回路9
は補正クロックclの1/Nの補正クロックが入力するたび
に補正素周波数faを加算部10に与える。 こうして、検出出力dがONの時は、判定周波数の補正
動作が検出出力dがOFFのときのN倍遅らされる。従っ
て、金属物が存在するときは、検出出力がOFFになるま
での時間が延長されることとなり、それだけ誤検出が減
少する。 ループ上の金属物が存在しなくなった場合は、差周波
数Δfが負となり、正負判定部8の出力に基いてアンド
回路12が減少した発振周波数f0を瞬時に判定周波数メモ
リ部5にセットする点は、第3図のものと同一である。
従って、一つの金属物がループから離れた直後に他の金
属物が接近した場合にも、確実にこれを検出することが
できる。
【発明の効果】
上述のように、本発明に係るループ式金属物検出装置
においては、環境変動などによるループのインダクタン
ス、コンデンサの容量の変化を原因として発振回路の発
振周波数が増加する方向に変動した場合は、判定周波数
を等しくなるように徐々に判定周波数を補正するので、
上記インダクタンス、容量の変化による誤検出を防止で
きる。 また、上記補正のみでは、金属物のループ接近により
発振周波数が増加して判定周波数との差が判定値以上に
なって金属物を検出しても、その金属物が長時間ループ
上に存在するときは、上記補正の累積により判定周波数
が金属物検出周波数に追従して、ついには検出出力がOF
Fするに至るが、本発明では、金属物検出時には、その
後の補正動作の速度を1/Nにするので、N倍の長時間に
おける金属物の検出が可能である。 従って、誤検出を著しく少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のブロック図、第2図はルー
プ式金属物検出装置の検出原理を説明するブロック図、
第3図は第2図のものに判定周波数の補正手段を付加し
た構成を示すブロック図である。 第4図はブリッジ回路を用いる従来のループ式金属物検
出装置の構成を示すブロック図、第5図は同装置の制御
回路図である。 1……ループコイル、 2……コンデンサ、 3……発振回路、 5……判定周波数メモリ部、 6……周波数比較部、 7……検出有無判定部、 8……正負判定部、 9……アンド回路、 10……加算部、 12……アンド回路、 13……分周回路、 14……選択部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深津 一郎 埼玉県北足立郡伊奈町小室2268―148 (72)発明者 河内 弘一 埼玉県浦和市文蔵3―13―16 石井荘 (56)参考文献 特開 平3−218490(JP,A) 特開 昭59−65784(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01V 3/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属物が通過する路面等に敷設されるルー
    プのインダクタンスとコンデンサの容量で決定する周波
    数で発振する発振回路と、その発振回路の発振周波数を
    判定周波数としてセットされる判定周波数メモリ部と、
    前記発振回路の発振周波数と前記判定周波数メモリ部の
    判定周波数とを比較し、差周波数を得る周波数比較部
    と、前記差周波数を与えられ、その差周波数が判定値以
    上か否かにより金属物の有無を検出する検出有無判定部
    と、前記周波数比較部の出力する差周波数の正負を判定
    する正負判定部と、この正負判定部の正判定出力と補正
    クロックとを同時に入力したとき補正素周波数を出力す
    る第1のアンド回路と、この第1のアンド回路から入力
    する補正素周波数を前記判定周波数メモリ部からの判定
    周波数に加算して前記判定周波数メモリ部にセットする
    加算部と、前記正負判定部の負判定出力を入力したと
    き、前記発振回路の出力する発振周波数を前記判定周波
    数メモリ部にセットする第2のアンド回路と、を有する
    ループ式金属物検出装置において、 (イ)前記補正クロックを与えられて、これをN分の一
    に分周する分周部と、 (ロ)前記検出有無判定部の検出出力がOFFの時は前記
    補正クロックを前記第1のアンド回路に出力し、前記検
    出出力がONのときは前記分周部により分周された補正ク
    ロックを前記第1のアンド回路に出力する選択部と、 を備えたことを特徴とするループ式金属物検出装置。
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