JPH05268310A - イヤーセット型送受話器 - Google Patents

イヤーセット型送受話器

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JPH05268310A
JPH05268310A JP4092457A JP9245792A JPH05268310A JP H05268310 A JPH05268310 A JP H05268310A JP 4092457 A JP4092457 A JP 4092457A JP 9245792 A JP9245792 A JP 9245792A JP H05268310 A JPH05268310 A JP H05268310A
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/02Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for preventing acoustic reaction, i.e. acoustic oscillatory feedback
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/1016Earpieces of the intra-aural type

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Telephone Set Structure (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Headphones And Earphones (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用上充分な程度にスピーカよりの音量を大
きくしてもマイクロホンの感度を上げても、さらに、装
着状態において手によって送受話器を覆ってもハウリン
グの発生がないものである。 【構成】 耳の耳介内に装着し得る膨出部1aから耳た
ぶ方向に延長される空洞部1dを有するケース1と、該
ケースの前記膨出部内に外耳道入口に向かって音声を出
力する受話器と、前記ケースの前記空洞部内に外部から
の音声を集音するマイクロホン5とを具備した双方向同
時通話型の送受信器であって、音と電気信号を媒体とす
る通過経路中に、ハウリングを発生し易い高周波音声あ
るいは電気信号を除去する電気的あるいは機械的なフィ
ルタ6を挿入したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は双方向同時音声通信端末
器における送受話器であって、耳介に装着して手を使用
しない状態で送話および受話が行えるイヤーセット型送
受話器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における双方向同時音声通信端末器
における送受話器としては、電話機におけるハンドセッ
トと呼ばれる送受話器がある。この送受話器は耳に当て
る受話器であるスピーカと、口の前に配置する送話器で
あるマイクロホンとを一体化して手で持って使用するも
のである。
【0003】ところで、近年の無線技術の発達に伴い電
話機も携帯型、コードレス型、車載型が普及するように
なって小型化が要望されているが、これらの電話機にお
ける送受話器は前記したハンドセットが基本形として使
用されており、相変わらず片手に持って通話するタイプ
のものである。
【0004】このハンドセット型の送受話器にあって
は、オフィスでの仕事中や自動車の運転中に不向きなも
のである。すなわち、片手が送受話器を持つために塞が
れて片手しか空かないため、オフィスでの通話をしなが
らの書き取りに不便であり、また、運転しながらの通話
にあっては安全運転上の問題が発生する。
【0005】そこで、最近になって前記したような問題
を解決するものとして、ハンズフリー型のものが市販さ
れるようになった。これは、頭部に固定するヘッドバン
ドの一端にスピーカである受話器を固定し、この受話器
から延長され棒状アームの先端にマイクロホンである送
話器を取付けたものであり、また、耳殻の裏側に固定す
る引掛片に受話器を取付け、この受話器から棒状アーム
を延長して先端に送話器を取付けたものである。
【0006】そして、前記した頭部固定式の前者のもの
にあっては、脱着が面倒であると共に女性が使用する場
合には髪が乱れるという問題があり、また、耳殻の裏面
に固定する後者のものにあっては、耳への装着感が不安
定であると共に前者の場合と同様に送話器と受話器を連
結するためのアームが邪魔になり、持ち運びに適さない
という理由から広く普及に至っていないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、前記した種々
の問題点を解決せんとして開発された送話器と受話器を
耳介に挿入するケース内に一体的に組み込んだイヤーマ
イクロホンがある。ここで、問題となることは、ハウリ
ングを如何に無くすかである。すなわち、スピーカの振
動あるいはスピーカから放出される音声を如何にマイク
ロホン側に漏れないようにするかである。
【0008】そのために、従来にあっては、スピーカの
音量が一定以上の音量にならないよう低くして使用して
いる。この場合には、静かな部屋等で使用するのには適
するが、騒音の高い屋外や車両内での使用には不向きで
あり、使用する環境が限定されるという問題がある。
【0009】また、マイクロホンの感度も低く抑えてい
るために、相手側に十分なる音量が伝わらず聴きにくく
なるという問題もある。スピーカの音量およびマイクロ
ホンの感度を通常にしておいて騒音下で使用する場合、
通話中において聞取りにくいため手によって送受話器を
覆うようにするとハウリングが発生することが多く、広
く実用されるに至っていないのが現状である。
【0010】本発明は前記した問題点を解決せんとする
もので、その目的とするところは、実用上充分な程度に
スピーカよりの音量を大きくしてもマイクロホンの感度
を上げても、さらに、装着状態において手によって送受
話器を覆ってもハウリングの発生がないイヤーセット型
送受話器を提供せんとするにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のイヤーセット型
送受話器は前記した目的を達成せんとするもので、その
手段は、耳の耳介内に装着し得る膨出部から顔面下部の
方向に延長される空洞部を有するケースと、該ケースの
前記膨出部内に外耳道入口に向かって音声を出力する受
話器と、前記ケースの前記空洞部内に外部からの音声を
集音するマイクロホンとを具備した双方向同時通話型の
送受信器であって、空気と電気信号を媒体とする音声信
号の通過経路中に、ハウリングを発生し易い高周波音声
あるいは高周波音声の電気信号を除去する電気的あるい
は機械的なフィルタを挿入したものである。
【0012】また、前記フィルタが300〜1KHz付近
の低周波数側に通過音声帯域を有し2.5 KHz以下の高域
遮断周波数を持つ低域通過型もしくは帯域通過型の通過
音声帯域制限フィルタであり、かつ、前記高域遮断周波
数が通過音声帯域内の振幅周波数特性がリップル特性を
持たない場合は、リップル特性領域より高周波側で、か
つ、該リップル特性領域内の該通過音声帯域内の振幅最
大点より振幅が高周波側で3dB減衰する点の周波数を出
力し、また、通過音声帯域内の振幅周波数特性がリップ
ル特性を持つ場合は、該通過音声帯域内の振幅平均値よ
り振幅が高周波側で3dB減衰する点の周波数であること
を特徴とするものである。
【0013】さらに、前記受話器であるスピーカの音声
出力の周波数特性を、300〜1KHz付近の低周波数側
に通過音声帯域を有し2.5 KHz以下の高域遮断周波数を
持つようにしてもよく、また、前記送話器であるマイク
ロホンからの出力信号の周波数特性を、300〜1KHz
付近の低周波数側に通過音声帯域を有し2KHz以下の高
域遮断周波数を持つようにしてもよい。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るイヤーセット型送受話器
の実施例を図面と共に説明する。1は合成樹脂によって
略L字状に形成されたケースにして、このL字状の短片
側である受話器側には外耳道の入口に入る大きさの膨出
部1aが形成されている。
【0015】そして、この膨出部1a内には空室部1b
が形成され、かつ、膨出部1aの先端には放音部1cが
形成されている。また、ケース1の長片側である送話器
側には縦長の空洞部1dが形成されると共に下端には小
径の音声取入口1eが形成されている。なお、前記空洞
部1d内には空洞の音導管2が設けられている。
【0016】3は前記膨出部1aの空室部1b内に弾性
体からなる支持部材4によって収納固定されたスピーカ
にして、該スピーカ3よりの音は放音部1cの音孔より
放音される。5は前記音導管2の奥側に収納固定された
エレクトレット型のマイクロホン、6は該マイクロホン
5と前記音声取入口1eとの間に音導管2内に挿入され
た通過音声帯域制限フィルタである。
【0017】この通過音声帯域制限フィルタ6として
は、グラスウール、ロックウール、フェルト、高密度ス
ポンジのような多孔質の材料や、和紙や綿等の繊維質の
材料を用い、吸音効果を上げるために孔の密度の濃い材
料や繊維を圧縮した材料を用いる。そして、このフィル
タ6としては、300〜1kHz付近の低周波数側に通過
音声帯域を有し2.5 kHz以下に高域遮断周波数を持つ低
域通過型あるいは帯域通過型のフィルタであることが望
ましい。
【0018】7はスピーカ3とマイクロホン5からの接
続コードにして、一本にまとめられた状態で前記空洞部
1dの外側を通って外部に導出される。8はワイヤレス
型のイヤーセット型送受話器における双方向同時無線交
信装置にして、耳たぶの裏面にボタン電池を表面に専用
LSI小型化を図った交信部からなり、耳たぶをイヤリ
ングのように挟んで装着するものである(図4)。
【0019】次に、前記した構成のイヤーセット型送受
話器の動作を説明する。先ず、ケース1の膨出部1aを
耳介に固定し、かつ、放音部1cを外耳道内に挿入す
る。この状態において、放音部1cの形状は外耳道を完
全に塞ぐことがないような形状で、閉塞感が少なく外部
音が漏れて聞こえるので安全上問題がなく、また、放音
部1cからの音声の漏れも少ないものである。なお、本
実施例にあっては、膨出部1aの空室部1b内にスピー
カ3を挿入したものを示したが、スピーカ3を外耳道の
入口に置かず、別の場所において音導管で音声を導くこ
とも可能じある。
【0020】このように、送受話器をセットした状態に
おいて、接続コード7から電気信号として音声信号がス
ピーカ3に入力されると、該スピーカ3から音声が放音
される。このスピーカ3から放音される音声は放音部1
cの音孔より外耳道内に放音される。
【0021】一方、装着者よりの音声あるいは外部より
の騒音は、音声取入口1eより通過音声帯域制限フィル
タ6を介してマイクロホン5に伝達され、該マイクロホ
ン5において電気信号に変換されて接続コード7より外
部の増幅器に送出されるものである。
【0022】使い易い送受話器を実現する上からは、送
話器用マイクロホンについては、使用者の口からの音に
だけに選択的に感度を持たせて、外部からの騒音や、受
話器用スピーカから漏れて来る音には感度のないことが
理想的である。しかしながら、イヤーセット型送受話器
では、形状が小さく、送話器の外部音声取入口は口より
も耳のごく近傍となるので、口から来る音声への指向性
を高くして、それ以外の方向からの指向性を低くする構
造上の工夫が必要となる。そして、通過音声帯域制限フ
ィルタ6は指向性の改善にも利用できる。
【0023】つまり、吸音材が充填された通過音声帯域
制限フィルタ6を収納する音導管2の音声取入口1eか
ら入射した音波がマイクロホン5に到達するまでの音の
減衰を正面入射音波と斜方入射音波について考察する
に、吸音材が均一に充填されているとすると、入射音波
の減衰は入射音波がマイクロホン5の振動板に達するま
での行程距離に比例すると考えられる。
【0024】正面入射音波が最短距離で振動板に到達す
るのに対して、斜方入射音波は斜めの入射となるので、
反射が増加し、かつ、振動板への行程距離が正面入射音
波に比較して長くなる。従って、正面より入射する音波
は斜めより入射する音波に比して減衰が小さくなり、正
面からの入射に対して指向性を持ったマイクロホン5が
実現することになる。
【0025】また、この指向性をさらに改善する方法と
して、図3に示すようにシート上の通気性吸音材を円筒
状に重ね巻きし、この吸音材を音導管2内に巻き中心が
音導管2の軸心と一致するように収納すると、巻き中心
と一致する方向からの音に対して吸音材の実質的密度が
巻き中心と異なる方向からの音よりも低くなる。従っ
て、音の進入経路により減衰量が異なり、巻き中心方向
により強い指向性を持たせることができるものである。
【0026】さらに、他の指向性を改善する方法として
は、マイクロホン5の音声入力部の径を音導管2の径と
略等しくして、マイクロホン5の感度低下を防止すると
共に音導管2の軸心とは異なる方向よりの音の進入をさ
らに制限し、音導管2の外部よりの音の取入口1eの直
径を1.5mm 以下の孔としてもよい。
【0027】ところで、前記した通過音声帯域制限フィ
ルタ6は機械的なフィルタであるが、後述する高域遮断
周波数を持つフィルタとしては、電気的なフィルタであ
っても良い。図5(A) に示す低域通過型あるいは図6
(A) に示す帯域通過型のフィルタであって、何れもオペ
アンプを用いたアクティブ型のフィルタで音声信号用と
して用いられているものである。なお、図5(B) は低域
通過型フィルタの特性図であり、また図6(B) は帯域通
過型フィルタの特性図である。
【0028】ハウリングを除去するためには、このよう
なフィルタを用いて通過帯域制限を行い、ハウリング源
となる高周波音声信号を減衰させる。この帯域制限の境
目となる高域遮断周波数は通過音声帯域内の振幅周波数
特性が図7のようにリップル特性を持たない場合は、該
通過音声帯域内の振幅最大点より振幅が高周波側で3dB
減衰する点の周波数であり、また、通過音声帯域内の振
幅周波数特性が図8のようにリップル特性を持つ場合
は、該通過音声帯域内のリップル特性領域より高周波側
で、かつ、該リップル特性領域内の振幅平均値より振幅
が3dB減衰する点の周波数として定義される。
【0029】また、通過音声帯域制限フィルタによる音
声品質の低下を防ぐこめに、高域音声振幅リミッタ回路
をバイパス経路に設けて、リミッタの振幅制限値をハウ
リング防止範囲内に抑えることでハウリングの発生を防
止しながら高音側の音声周波数帯域の著しい減衰を補償
することができる。
【0030】この実施例を図9(A) に示す。この実施例
にあっては、前記したマイクロホン5の出力に接続され
る入力端6aに、300〜1KHzを通過させる通過音声
帯域制限フィルタ6bに対して並列に、2.5 KHzの遮断
周波数より高音側音声周波数領域の一部または前部を抽
出する高域音声抽出フィルタ6c1 と、この高域音声抽
出フィルタ6c1 よりの出力振幅を所定の値以下に制限
する振幅リミッタ6c2 からなる高域音声振幅リミッタ
6cおよび該高域音声振幅リミッタ6cにアッテネータ
6dとを接続した直列回路を接続する。前記通過音声帯
域制限フィルタ6bよりの出力に前記振幅リミッタ6d
よりの出力を加算器6eによって加算するものである。
なお、図9(B) は同上の回路における周波数特性図であ
る。
【0031】そして、その動作は、前記したと同様な動
作によってスピーカ3よりの音声は外耳道内に放音さ
れ、また、音声取入口1eよりの音声はマイクロホン5
において電気信号に変換されて電気的フィルタ6を介し
て接続コード7を介して増幅器に出力されるものであ
る。
【0032】ところで、前記した動作において、外耳道
から漏れる音は、耳介付近の反射回折を受けて送話器の
外部音声取入口1eを通過して、送話器用マイクロホン
5に到り電気信号に変換される。耳介は外耳道や耳介の
固有に持つ複雑な形状や頭蓋と相まって、音の反射や回
折や共振等に起因する固有の周波数レスポンスを持つ音
場を作りだし耳介前面のみならず耳介周辺の音場に大き
な影響を与えている。
【0033】発明者の研究では、マイクロホン5の音の
取入口が耳介の近傍であると、この音場ではスピーカ3
とマイクロホン5の間の音響結合係数が1KHz以上から
3.4KHzの電話音声周波数帯域内で特定の複数の周波数
で、選択的に高くなっていることを発見した。
【0034】そこで、スピーカ3の音量を騒音下でも十
分使用に耐えるように上げ、また、マイクロホン5の感
度を相手側に十分音声が伝わるように上げてみるとハウ
リングが起こることが判った。また、騒音下で使用する
場合には、外部の騒音を下げる目的で使用者が耳の上を
手で覆うことがあることから、手で覆ってみると最もハ
ウリングが起こりやすいことが判った。
【0035】そこで、本発明者は、このハウリングを起
こしやすい範囲の周波数帯域に着目して研究した。従
来、この周波数帯域内を減衰させると音声の明瞭度が落
ちて通話品質の低下を招くことが知られているので、こ
の周波数帯域はなるべく平坦な周波数特性を持たせるよ
うに設計されている。
【0036】しかしながら、この周波数帯域内で意図的
に減衰したところ、通話品質の低下は実用上問題ない範
囲で、しかも、ハウリングの発生を著しく抑える減衰特
性を通過音声帯域制限フィルタとして実現できることを
発見した。
【0037】すなわち、2.5 KHz以下の遮断周波数(通
過音声帯域内の振幅周波数特性がリップル特性を持たな
い時は、通過音声帯域内の振幅最大点より振幅が帯域の
高周波数側で3dB減衰する点の周波数が定義され、通過
音声帯域内の振幅特性がリップル特性を持つ時は、通過
帯域内のリップル特性領域より高周波側で該リップル特
性領域の振幅平均値より振幅が3dB減衰する点の周波数
と定義される。)を持つ低域通過型もしくは通過音声帯
域制限フィルタ6をマイクロホン5の前面(機械的フィ
ルタの場合)あるいはマイクロホン6の出力端(電気的
フィルタの場合)に配置したところ、ハウリングの発生
が著しく抑えることができた。
【0038】本発明者の実験では、遮断周波数を低くし
ていくとハウリングの発生をより効果的に行えるが明瞭
度が低下し、また、遮断周波数を上げていくと明瞭度は
改善されるがハウリングがより起こりやすくなることが
わかった。そして、自由音場からの音が鼓膜に到ると
き、1KHzから2.5 KHz近傍にかけて高周波になるほど
音圧が高くなることが知られており、その結果、通過音
声帯域制限フィルタを設けても通話品質を著しく低下す
ることがないと推論される。実験の結果もこのことを立
証しており、従って、2.5 KHz以下の遮断周波数を設け
るのが実用上最適であることが判明した。
【0039】なお、前記した第1の実施例にあっては、
機械的な通過音声帯域制限フィルタ6をマイクロホン5
の前面に配置したものを示したが、この通過音声帯域制
限フィルタ6はスピーカ3の放音部前面に配置してもよ
く、かつ、該通過音声帯域制限フィルタ6はマイクロホ
ン5とスピーカ3の前面に分散して配置してもよい。こ
のフィルタ6を分散した場合には、マイクロホン5とス
ピーカ3の何れか一方に通過音声帯域制限フィルタ6を
配置して特定の周波数特性を得るものよりも2つに分散
した通過音声帯域制限フィルタそれぞれの周波数特性を
半分に押さえることができるので、その効果を話し手と
聞き手で分担することになる。
【0040】また、第2の実施例にあっては、電気的な
通過音声帯域制限フィルタ6をマイクロホン5の出力端
に接続したものを示したが、ハウリングは音声信号通過
経路中で発生する現象なので、該音声信号通過経路中の
如何なる部分、すなわち、スピーカ3の入力端に接続し
てもよい。
【0041】さらに、スピーカ3自身の電気音声変換性
能を通過音声帯域制限フィルタ6の周波数特性と等し
く、あるいはマイクロホン5自身の音声電気変換性能を
通過音声帯域制限フィルタの周波数特性と等しくしても
よい。
【0042】
【発明の効果】本発明は前記したように、外耳道の入口
に配置するケース内に送話器を設けると共に外耳道内に
音声を放音する受話器を設けた双方向音声通話装置にお
いて、電気信号を媒体とする音声信号経路中に高周波信
号または音声を遮断するフィルタを設けたことにより、
ハウリングの発生し易い高周波の信号または音声が音声
信号経路中に発生しないことから、スピーカよりの音量
を大きくしてもマイクロホンの感度を上げても、さら
に、装着状態において手によって送受話器を覆ってもハ
ウリングが発生しない等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイヤーセット型送受話器を耳介に装着
した状態の斜視図である。
【図2】本発明のイヤーセット型送受話器の一部断面側
面図である。
【図3】同上におけるフィルタの実施例を示す斜視図で
ある。
【図4】他の実施例のイヤーセット型送受話器を耳介に
装着した状態の斜視図である。
【図5】(A) は低域通過型フィルタの回路図、(B) は同
上の周波数特性図である。
【図6】(A) は帯域通過型フィルタの回路図、(B) は同
上の周波数特性図である。
【図7】リップルを持たない場合の振幅周波数特性図で
ある。
【図8】リップルを持った場合の振幅周波数特性図であ
る。
【図9】高音側の音声周波数帯域の補償を行う場合の回
路図である。
【符号の説明】
1 ケース 1a 膨出部 1d 空洞部 3 スピーカ 5 マイクロホン 6 通過音声帯域制限フィルタ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耳の耳介内に装着し得る膨出部から顔面
    下部の方向に延長される空洞部を有するケースと、該ケ
    ースの前記膨出部内に外耳道入口に向かって音声を出力
    する受話器と、前記ケースの前記空洞部内に外部からの
    音声を集音するマイクロホンとを具備した双方向同時通
    話型の送受信器であって、空気と電気信号を媒体とする
    音声信号の通過経路中に、ハウリングを発生し易い高周
    波音声あるいは高周波音声の電気信号を減衰させる電気
    的あるいは機械的なフィルタを挿入したことを特徴とす
    るイヤーセット型送受話器。
  2. 【請求項2】 前記フィルタが300〜1KHz付近の低
    周波数側に通過音声帯域を有し2.5 KHz以下の高域遮断
    周波数を持つ低域通過型もしくは帯域通過型の通過音声
    帯域制限フィルタであり、該高域遮断周波数が通過音声
    帯域内の振幅周波数特性がリップル特性を持たない場合
    は、該通過音声帯域内の振幅最大点より振幅が高周波側
    で3dB減衰する点の周波数であり、また、通過音声帯域
    内の振幅周波数特性がリップル特性を持つ場合は、該通
    過音声帯域内のリップル特性領域より高周波側で、か
    つ、該リップル特性領域内の振幅平均値より振幅が3dB
    減衰する点の周波数であることを特徴とする請求項1記
    載のイヤーセット型送受話器。
  3. 【請求項3】 前記送話器の外部音声取入口と前記送話
    器のマイクロホンの振動板との間の入力音声経路に吸音
    材を充填することで、前記通過音声帯域制限フィルタを
    構成することを特徴とする請求項1記載のイヤーセット
    型送受話器。
  4. 【請求項4】 前記高域遮断周波数より高音側音声周波
    数帯域の一部または全部を抽出する高域音声抽出フィル
    タと、該高域音声抽出フィルタの出力振幅を所定の値以
    下に制限する振幅リミッタとで構成される高域音声振幅
    リミッタを、前記通過音声帯域制限フィルタのバイパス
    経路に設け、該高域音声振幅リミッタの信号出力の一部
    または全部を前記通過音声帯域制限フィルタの出力に加
    算することを特徴とする請求項2記載のイヤーセット型
    送受話器。
  5. 【請求項5】 前記ケースの前記マイクロホンを設置す
    る空洞部が細長い空間を有し、この空洞部内に前記吸音
    材を充填することによりマイクロホンに指向性を持たせ
    たことを特徴とする請求項3記載のイヤーセット型送受
    話器。
  6. 【請求項6】 耳の耳介内に装着し得る膨出部から顔面
    下部の方向に延長される空洞部を有するケースと、該ケ
    ースの前記膨出部内に外耳道入口に向かって音声を出力
    する受話器と、前記ケースの前記空洞部内に外部からの
    音声を集音するマイクロホンとを具備した双方向同時通
    話型の送受信器であって、前記受話器であるスピーカの
    音声出力の周波数特性を、300〜1KHz付近の低周波
    数側に通過音声帯域を有し2.5 KHz以下の高域遮断周波
    数を持つようにしたことを特徴とするイヤーセット型送
    受話器。
  7. 【請求項7】 耳の耳介内に装着し得る膨出部から顔面
    下部の方向に延長される空洞部を有するケースと、該ケ
    ースの前記膨出部内に外耳道入口に向かって音声を出力
    する受話器と、前記ケースの前記空洞部内に外部からの
    音声を集音するマイクロホンとを具備した双方向同時通
    話型の送受信器であって、前記送話器であるマイクロホ
    ンからの出力信号の周波数特性を、300〜1KHz付近
    の低周波数側に通過音声帯域を有し2.5 KHz以下の高域
    遮断周波数を持つようにしたことを特徴とするイヤーセ
    ット型送受話器。
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