JPH0526773A - 動力伝達系試験機の電気慣性制御装置 - Google Patents

動力伝達系試験機の電気慣性制御装置

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JPH0526773A
JPH0526773A JP3179192A JP17919291A JPH0526773A JP H0526773 A JPH0526773 A JP H0526773A JP 3179192 A JP3179192 A JP 3179192A JP 17919291 A JP17919291 A JP 17919291A JP H0526773 A JPH0526773 A JP H0526773A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高応答、広範囲慣性補償を可能とする。 【構成】 車輌のトランスミッションなどの動力伝達系
からなる供試体1の回転角速度が、供試体1の出力トル
クT2 と、吸収モータの走行抵抗相当トルクTA との差
ΔTにより生ずることに着目し、上記回転角速度が車輌
等価慣性量Ic に反比例するように、TA =ΔT(1−
Im /Ic )で示す慣性抵抗相当トルクTA を吸収モー
タに発生させるものである。なお、上記Im は供試体1
の出力軸に換算した該供試体1の慣性である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの車輌の動
力伝達系の実車等価試験を実施するさいに使用される動
力伝達系試験機の電気慣性制御装置に係り、とくに高応
答の補償と、広範囲の慣性量の補償に好適な動力伝達系
試験機械の電気慣性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用動力伝達系試験機は、た
とえば、図3に示すように、車輌のトランスミッション
などの動力伝達系からなる供試体1を備え、該供試体1
の入力軸1aに接続する入力側には、エンジンに相当す
る入力側モータ101と、入力側トルクメータ102
と、入力側回転検出器103を備えている。また、上記
供試体1の出口軸1bに接続する出力側には、吸収モー
タに相当する出力側モータ201と、出力側トルクメー
タ202と、出力側回転検出器203を備えており、入
力側モータ101で供試体1の入力軸1aにエンジン相
当の駆動トルクを与えるとともに、出力側モータ102
で供試体1の出力軸1bに走行抵抗および車輌等価慣性
抵抗相当トルクを与え、これによって、実車走行を再現
して試験を行っている。また、上記入力側モータ101
および上記出力側モータ201のトルク制御は、電気慣
性制御装置300にて行っている。従来の電気慣性制御
装置300は、たとえば、図4に示すように、入力側モ
ータ101および出力側モータ201の発生トルクをそ
れぞれ制御する入力側トルク制御系100と、出力側ト
ルク制御系200と、これらに設けられたサイリスタ電
源装置104,204とを接続するAC電源301とを
備えている。上記入力側トルク制御系100は、入力側
モータ101の電圧を出力する入力側サイリスタ電源装
置104と、該入力側サイリスタ電源装置104からの
出力電圧を調整する入力側サイリスタゲートパルス発生
器105と、該入力側サイリスタゲートパルス発生器1
05の出力パルスを調整する入力側トルク制御増幅器1
06とを備えており、かつあらかじめ設定された入力ト
ルクT1 を指令する入力側トルク指令装置108と、該
入力側トルク指令装置108からの入力トルクT1 およ
び入力側吸収メータ102で検出された入力側モータ1
01の出力トルクを加算して入力側トルク制御器106
に出力側加算器107を備えている。したがって、入力
側トルク制御系100は、入力側トルク指令装置108
からの入力トルクT1 と、入力側吸収メータ102から
の入力側モータ101の出力トルクとを加算器107で
加算したトルクを入力側トルク制御器106に出力して
入力側サイリスタゲートパルス発生器105の出力パル
スを調整し、これにより入力側サイリスタ電源装置10
4から入力側モータ101への出力電圧を調整してい
る。上記出力側トルク制御系200は、吸収モータに相
当する出力側モータ201に慣性抵抗相当トルクに相当
する電圧を出力する。出力側サイリスタ電源装置204
と、該出力側サイリスタ電源装置204からの出力電圧
を調整する出力側サイリスタゲートパルス発生器205
と、該出力側サイリスタゲートパルス発生器205の出
力パルスを調整する出力側トルク制御増幅器206とを
備えている。また、上記出力側回転検出器203で出力
側モータ201の回転数を検出した結果に基づくパルス
周波数を電圧に変換するF/V変換器209と、該F/
V変換器209で変換した回転信号に基づき走行抵抗相
当トルクTR を指令する走行抵抗設定器208と、上記
F/V変換器209で変換した回転信号を微分して回転
角速度を求める微分器211と、上記F/V変換器20
9で変換した回転信号に基いて車輌等価慣性を設定する
車輌等価慣性量設定器212と、該車輌等価慣性器21
2からの車輌等価慣性および上記微分器211から回転
角速度を掛算して慣性抵抗相当トルクを出力する掛算器
213と、該掛算器213からの慣性抵抗相当トルクT
A および上記走行抵抗設定器208からの走行抵抗相当
トルクTR を加算する加算器210と、該加算器210
からの出力信号および上記出力側トルクメータ202か
らの出力側モータ201への入力トルクを加算して上記
トルク制御増幅器206に出力する加算器207とを備
えている。したがって、出力側トルク制御系200は、
上記トルク制御増幅器206には、出力側トルクメータ
202からの出力側モータ201の検出回転トルクと、
該出力トルクメータ202による検出回転トルクに基い
て走行抵抗設定器208にて設定した走行抵抗相当トル
ク指令値と、上記出力軸トルクメータ202による検出
回転トルクに基いて車輌等価慣性量設定器212で求め
た車輌等価慣性量とを突き合せたトルクが与えられる
と、トルク制御増幅器206は、与えられたトルクに相
当するパルスにサイリスタゲートパルス発生器205の
出力パルスを調整し、これによってサイリスタ電源装置
204から吸収モータ201への出力電圧を調整してい
る。
【0003】なお、この種の装置として関連するものに
は、たとえば、明電時報1976N0.6通巻149号
第27頁乃至第36頁のパワートレンテストシステムに
紹介されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、掛
算器で、微分器からの回転信号に基いて微分した回転角
速度dθ/dtと、車輌等価慣性器からの上記回転信号
に基いて設定した車輌等価慣性Ic とをつぎの数1によ
り慣性抵抗相当トルクTA を求めていた。
【0005】TA =dθ/dt・Ic ……(1) しかるに、上記微分器と、該微分器で回転角速度を求め
るさいに、出力側回転検出器からのパルス周波数を電圧
に変換するF/V変換器とが介入するため、これら微分
器の演算遅れおよびF/V変換器の変換遅れの影響によ
り電気慣性制御装置としての応答に限界があるという問
題があった。
【0006】また、たとえば、1976年12月明電舎
が電気学会で発表した資料NO.EPA−76−18
「自動車試験設備における電気的慣性シミュレーショ
ン」に紹介されているように、従来技術の上記電気慣性
制御装置では、電気慣性制御の応答時定数が原理的につ
ぎの数2の比で変化するという問題を有していた。
【0007】Im /Ic ……(2) よってIm /Ic が一定範囲を超えると、電気慣性ルー
プが不安定現象を生じるため、Im /Ic の比の範囲に
制限があった。Im/Ic の比は、電気慣性補償範囲を
示しているので、従来技術の上記電気慣性制御装置では
慣性補償範囲に制限があり、設定できるIc の範囲は実
績としてIm に対して1/3〜3倍が限界という問題が
あった。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、高応答、広範囲慣性補償を可能とする動力伝達
試験機の電気慣性制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、車輌のトランスミッションなどの動
力伝達系からなる供試体を備え、該供試体の入力軸に
は、エンジン相当の入力モータと、入力側回転検出器
と、入力側トルクメータを備えるとともに、上記入力モ
ータには、上記入力側トルクメータによる検出トルクに
基いて上記供試体に入力するトルクT1 を制御する入力
トルク制御装置を備え、上記供試体の出力軸には、出力
側回転検出器と、吸収モータと、出力側トルクメータを
備えるとともに、上記吸収モータには、上記出力側トル
クメータによる上記供試体の出力トルクT2 と、上記出
力側回転検出器による上記吸収モータの回転パルスをF
/V変換器で変換した回転信号に基いて発生する走行抵
抗相当トルクTR および車輌等価慣性量Ic とから慣性
抵抗相当トルクTA を求め、該慣性抵抗相当トルクTA
を上記吸収モータに与える出力側トルク装置を備えた動
力伝達系試験機の電気慣性制御装置において、前記入力
側トルク制御装置および前記出力側トルク制御装置に接
続するとともに、前記供試体の出力トルクT2 と、前記
吸収モータの走行抵抗相当トルクTR との差分トルクを
ΔTとし、該差分トルクΔTを前記供試体の出力軸に換
算したときの該供試体の慣性をIm としたとき、前記慣
性抵抗相当トルクTA がTA =ΔT(1−Im /Ic )
にて求められるように構成した電気慣性制御手段を備え
たものである。
【0010】また、第2の発明は、前記供試体の出力ト
ルクT2 は、前記入力軸回転検出器からの前記供試体の
入力軸の出力回転と、前記出力側回転検出器からの前記
供試体の出力軸の出力回転を割算し、記憶装置を介して
出力された回転比と、前記入力側トルク制御装置からの
入力トルクT1 とを掛算して求められたものである。
【0011】また、上記目的を達成するために、第3の
発明は、車輌のトランスミッションなどの動力伝達系か
らなる供試体を備え、該供試体の入力軸には、エンジン
相当の入力側モータと、入力側回転検出器と、入力側ト
ルクメータを備えるとともに、上記入力側モータには、
上記入力側トルクメータによる検出トルクに基いて上記
供試体に入力するトルクT1 を制御する入力トルク制御
装置を備え、上記供試体の出力軸には、出力側回転検出
器と、吸収モータと、出力側トルクメータを備えるとと
もに、上記吸収モータには、上記出力側トルクメータに
よる上記供試体の出力トルクT2 と、上記出力側回転検
出器による上記吸収モータの回転パルスをF/V変換器
で変換した回転信号に基いて発生する走行抵抗相当トル
クTR および車輌等価慣性量Ic と、上記回転信号を微
分して求めた回転角速度とから慣性抵抗相当トルクTA
を求め、該慣性抵抗相当トルクTA を上記吸収モータに
与える出力側トルク制御装置を備えた動力伝達系試験機
の電気慣性制御装置において、前記入力側回転検出器お
よび前記出力側回転検出器による回転信号に基いて、そ
れぞれ回転する前記入力軸と、前記出力転軸との回転比
iを演算する回転比演算手段を備えるとともに、該回転
比演算手段により演算された回転比iと、前記入力トル
クT1 から前記供試体の前記出力軸が予定される発生ト
ルクT2 を演算する予定発生トルク演算手段を備え、か
つ前記予定発生トルクT2 から前記走行抵抗相当トルク
TR を減算するとともに、減算した差分トルクΔTを算
出する差分トルク算出手段と、該差分トルク算出手段に
よって算出された差分トルクΔTを前記出力軸に換算し
たときの前記供試体の慣性Im と、前記車輌等価慣性I
c との比Im /Ic を演算するIm /Ic 演算手段と、
該Im /Ic 演算手段によって演算されたIm /Ic
と、前記減算手段によって算出された差分トルクΔTと
を掛算する掛算手段と、該掛算手段によって求められた
値ΔT・Im /Icと、該値ΔT・Im /Im を前記減
算手段によって算出された差分トルクΔTから減算した
値との差である前記慣性抵抗相当トルクTA を算出する
慣性抵抗相当トルク算出手段と、該慣性抵抗相当トルク
算出手段によって算出された慣性抵抗相当トルクTA に
前記走行抵抗相当トルクTR を加算する加算手段を備え
たものである。
【0012】
【作用】上記第1の発明における慣性抵抗相当トルクT
A を算出するTA =ΔT(1−Im /Ic )は、つぎに
より求められている。
【0013】供試体に発生する回転角速度dθ/dt
(RAD/S2 )で加速中において、慣性抵抗相当トル
クをTA (Kg・m)とすると、出力側トルクメータ点
において、供試体出力トルクT2 は、下記が成立する。
【0014】 T2 −dθ/dt・Im =TR −TA ……(1) ただし、Im は供試体出力軸トルク(Kg・m)、TR
は走行抵抗相当トルク(Kg・m)である。
【0015】よって、慣性抵抗相当トルクTA は TA =T2 −TR −dθ/dt・Im ……(2) となる。そこで、車輌等価慣性をIc とすると、発生す
べき回転加速度dθ/dtは、 dθ/dt=ΔT/Ic ……(3) でなければならない。ただし ΔT=T2 −TR ……(4) である。よって、数3の回転角速度dθ/dtを数2に
代入すると、 TA =ΔT(1−Im /Ic )……(5) となる。したがって、吸収モータに与える慣性抵抗相当
トルクTA は、上記数5で発生さればよいことが判る。
【0016】また、上記数4における供試体の出力トル
クT2 と、上記吸収モータの走行抵抗相当トルクTR と
の差ΔTは、供試体の入力トルクをT1 とし、iを入力
軸と出力軸との回転比とすると、 T2 =i・T1 ……(6) である。供試体の入力トルクT1 は、入力側トルク制御
装置によって発生するから、該入力側トルク制御装置の
入力トルク指令装置による入力トルク指令値に等しい。
また、iは、供試体の入力軸と、出力軸の回転比である
から、吸収モータの出力トルクT2 と、走行抵抗相当ト
ルクTR との差ΔTは、 ΔT=N1 /N2 ・T1 −TR ……(7) で求めることができる。ただし、N1 は、供試体の入力
軸の回転数、N2 は、供試体の出力軸の回転数である。
上記数7で、吸収モータの出力トルクT2 と、走行抵抗
相当トルクTR との差ΔTを求め、上記数5で、慣性抵
抗相当トルクTAを求め、該慣性抵抗相当トルクTA を
走行抵抗設定器からの出力に加算して、駆動モータに出
力電圧を発生させる。
【0017】したがって、供試体の回転角速度を直接検
出することなく、吸収モータに慣性抵抗相当トルクTA
に相当する電圧を出力することができるので、回転角速
度を演算するための応答遅れがなく、応答性を向上する
ことができる。また、吸収モータの出力トルクT2 と、
走行抵抗相当トルクTR との差ΔTは、上記数7によ
り、走行抵抗設定器からの走行抵抗相当トルク指令値T
R のみから求めることからでき、電気慣性制御ループ内
の時定数に関与しないので、広範囲に慣性補償をするこ
とができる。
【0018】また、第2の発明によれば、供試体の入力
軸と、出力軸の回転比を割算して求め、記憶装置を介し
て出力するので、初期記憶時および初期記憶時と回転比
が変化したとき以外は、記憶装置から出力することがで
き、これによって安定化をはかることができるととも
に、F/V変換器の応答遅れの影響を防止することがで
きる。
【0019】また、第3の発明によれば、慣性抵抗相当
トルクを演算する電気慣性制御手段が、入力側トルク制
御装置および出力側トルク制御装置と接続するように別
個に設けられているので、上記各制御装置の自動制御機
能が単純化され、これによって、調整の容易化と、安定
化をはかることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を示す図1および図
2について説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施例である動力伝達
系試験機の電気慣性制御装置を示すブロック図、図2
は、供試体の出力トルクと、走行抵抗相当トルクとの関
係を示す説明図である。
【0022】図1において、鎖線内の電気慣性制御手段
以外は、前記図4に示す従来技術と同一であるから、同
一符号をもって示し、鎖線内の電気慣性制御手段を中心
にして説明する。また、図1においても、前記図3に示
す機械的構成は、同一であるから説明を省略する。
【0023】図1に示すように、電気慣性制御手段は、
入力側回転検出器103に入力側F/V変換器109を
介して接続するとともに、出力側F/V変換器209を
介して接続し、供試体1の入力軸1aと、出力軸1bの
回転N1 ,N2 を割算して供試体1の回転比iを出力す
る割算器16と該割算器16にて算出された回転比iを
記憶する記憶装置17と、該記憶装置17からの出力と
入力側トルク指令装置108からの入力トルク指令値
T、を掛算して供試体1の出力発生トルクT2 を算出す
る掛算器10を設けている。また、該掛算器10からの
供試体1の出力発生トルクT2 より走行抵抗設定器20
8からの走行抵抗相当トルクTR を減算する減算器11
と、該減算器11からの出力と後述の慣性比Im /Ic
を算出する割算器14からの出力とを掛算する掛算器1
2と、該掛算器12からの出力より上記減算器11から
の出力を減算して慣性抵抗相当トルクTA を算出する減
算器13と、該減算器13からの出力を上記走行抵抗設
定器208からの走行抵抗相当トルクTR に加算する加
算器210を設けている。さらに、供試体1の固定機械
慣性Im を設定する固定慣性設定器15と車輌等価慣性
Icを設定する車輌慣性設定器211と、該車輌慣性設
定器211からの出力Ic で上記固定慣性設定器15か
らの出力Im を割算する割算器14を設けている。
【0024】つぎに電気慣性制御手段の動作について説
明する。
【0025】入力トルク指令装置108からの出力がT
1 のときには、前記図4で説明したようにトルク制御増
幅器106で、入力側サイリスタゲートパルス発生器1
05からの出力パルスを調整して入力側サイリスタ電源
装置104から入力側モータ101に電圧を出力するの
で、入力側モータ101は、入力トルクT1 と同一トル
クを出力して供試体1の入力軸1aをN1 回転させる。
これに対して、供試体1の出力軸1bは、N2 回転でト
ルクT2 が発生する。(前記作用の欄に記載する数7参
照)供試体1の出力軸1bにトルクT2 が発生すると、
図2に示すトルクT2 と走行抵抗設定器208からの走
行抵抗相当トルクTR との差ΔTにより試験機である出
力側モータ201が回転を開始する。図2に示すよう
に、上記供試体1の出力軸1bのトルクT2 に対して走
行抵抗相当トルクTR が小さく、その差ΔTがプラス側
にある区間では、出力軸1bを介して出力側モータ20
1は、加速し、両トルクT2 ,TR とが点Nx で一致す
ると、出力側モータ201は、一定回転を維持し、走行
抵抗相当トルクTR が出力軸1bのトルクT2 よりも大
きくなると、出力側モータ201は減速する。
【0026】このような関係のもとで、出力軸1bが回
転角速度を発生したとき、すなわち、上記差ΔTがプラ
ス側にある区間における該出力軸1bが慣性抵抗相当ト
ルクTA を得る方法について、以下に説明する。
【0027】入力トルク指令装置108からの入力トル
ク指令値T1 に入力軸1aと、出力軸1bとの回転比i
を計算器10で掛算すると、出力軸1bに発生するトル
クT2 を求めることができ、求められた出力軸1bのト
ルクT2 から走行抵抗設定器208からの走行抵抗相当
トルクTR を減算器11で減算することにより、出力軸
1bのトルクT2と、走行抵抗相当トルクTR との差Δ
Tを求めることができる。また差ΔTに掛算器12で後
述の割算器14の出力Im /Ic を掛算すると、ΔT・
Im /Tc を求めることができる。さらに、ΔT・Im
/Ic を上記減算器11からの出力ΔTから減算器13
で減算すると、出力軸1bの慣性抵抗相当トルクTA を
求めることができる。このようにして、求められた慣性
抵抗相当トルクTA を加算器210で走行抵抗設定器2
08からの走行抵抗相当トルクTR に加算すると、出力
側モータ201にはトルクTA が発生する。
【0028】つぎに、上記差ΔTがマイナス側にある区
間について説明する。
【0029】上記差ΔTがマイナス区間では、図2から
明らかなように、走行抵抗相当トルクTR が、出力軸1
bのトルクT2 よりも大きい場合であるから、減算器1
1の出力極性はマイナスで、求められる慣性抵抗相当ト
ルクTA の極性もマイナスになり、加算器210では、
走行抵抗相当トルクTR −慣性抵抗相当トルクTA とな
る。すなわち、上記差ΔTの減速区間では、慣性抵抗相
当トルクTA は減速に抵抗するように働くことになる。
【0030】つぎに、供試体1の回転比iは、入力軸1
aの回転N1 と、出力軸1bの回転N2 を割算器16で
割算して求めることができる。該割算器16で求められ
た回転比iは、記憶装置17で記憶して安定化をはかる
とともに、F/V変換器109,209の応答遅れの影
響を無くしている。すなわち、初期記憶時は、F/V変
換時109,209の立上り時間だけ遅れを生じるが、
それ以降の運転においては、記憶装置17で記憶された
値を常に出力するので、遅れの影響をなくすることがで
きる。また、記憶装置17は、N1 /N2 値が初期記憶
時と変化した場合、自動的にN1 /N2 値が更新する。
【0031】車輌慣性設定器212は、車輌等価慣性I
c を設定するもので、固定慣性設定器15は、供試体1
の出力軸換算の供試体1の機械固定慣性Im を設定する
ものである。これら両出力である車輌等価慣性Ic と、
機械固定慣性Im とを割算器16で割算して慣性比Im
/Icを求め、上記掛算器12に出力している。上記車
輌等価慣性Ic および機械固定慣性Im は、供試体1に
応じて任意に設定されることはいうまでもなく、また、
車輌等価慣性Ic は、供試体1の機械固定慣性Im を含
む値で設定するものである。
【0032】以上説明したように、本発明は、エンジン
相当の入力側モータ101と、吸収モータ相当の出力側
モータ201のトルク差ΔTをTA =ΔT(1−Im /
Ic)に基づく慣性抵抗相当トルク値TA で出力側モー
タ201を制御することにより調整して、車輌等価慣性
量Ic に一致した回転角加速度を求めることができる。
したがって、従来技術のように、回転角加速度を演算た
めの微分器211は不要になり、これによって応答を改
善することができる。また、慣性抵抗相当トルクTA の
演算は、すべて、入力側トルク制御系200および出力
側トルク制御系300の外部で行なわれ、単に指令値と
して与えることができるので、慣性補償範囲の制限がま
ったくなく、かつ自動制御系が単純化されているので、
調整の容易さと、安定性を改善することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0034】第1の発明によれば、エンジン相当の入力
側モータと、吸収モータ相当の出力側モータのトルク差
をTA =ΔT(1−Im /Ic )に基づく慣性抵抗相当
トルクIA で出力側モータを制御することにより調整し
て車輌等価慣性量Ic に一致した回転角速度を求めるこ
とができるので、回転角速度を演算するための微分器が
不要となり、これによって応答を改善することができ
る。これに加えて、上記慣性抵抗相当トルクの演算を電
気慣性制御手段にて行ない、入力側トルク制御装置およ
び出力側トルク制御装置には単に指令値と与えることが
でき、上記入力側トルク制御装置および出力側トルク制
御装置に設けたF/V変換器および微分器からの出力に
関与していていないので、慣性補償範囲の制限がまった
く無くすることができる。
【0035】第2の発明によれば、供試体の出力トルク
2 を算出するさいに、該供試体の入力軸と、出力軸の
回転を割算して回転比を求め、記憶装置を介して出力す
るので、初期記憶時および該初期記憶時と回転比が変化
したとき以外は、記憶装置から出力することができ、こ
れによって安定化をはかることができるとともに、F/
V変換器の応答遅れの影響を防止することができる。
【0036】第3の発明によれば、慣性抵抗相当トルク
を演算する電気慣性制御手段を入力側トルク制御措置お
よび出力側トルク制御装置に接続するように別個に設け
たので、上記角制御装置の自動制御機能を単純化するこ
とができ、これによって、調整の容易化と安定化を改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である動力伝達系試験機の電
気慣性制御装置を示すブロック図。
【図2】供試体の出力トルクと、走行抵抗相当トルクと
の関係を示す説明図。
【図3】動力伝達系試験機の機械的構成を示す説明図
【図4】従来の動力伝達系試験機の電気慣性制御装置を
示すブロック図。
【符号の説明】
1…供試体、10,12…掛算器、11,13…減算
器、14,16…割算器、15…固定慣性設定器、17
…記憶装置、101…入力側モータ、102…入力側ト
ルクメータ、103…入力側回転検出器、104…サイ
リスタ電源装置、105…入力側サイリスタゲートパル
ス発生器、106…入力側トルク制御増幅器、107…
入力側加算器、108…入力側トルク指令装置、210
…出力側モータ、202…出力側トルクメータ、203
…出力側回転検出器、204…出力側サイリスタ電源装
置、205…出力側サイリスタゲートパルス発生器、2
06…出力側トルク制御増幅器、207…加算器、20
8…走行抵抗設定器、209…F/V変換器、210…
加算器、212…車輌等価慣性設定器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輌のトランスミッションなどの動力伝
    達系からなる供試体を備え、該供試体の入力軸には、エ
    ンジン相当の入力側モータと、入力側回転検出器と、入
    力側トルクメータを備えるとともに、上記入力側モータ
    には、上記入力側トルクメータによる検出トルクに基い
    て上記供試体に入力するトルクT1 を制御する入力トル
    ク制御装置を備え、上記供試体の出力軸には、出力側回
    転検出器と、吸収モータと、出力側トルクメータを備え
    るとともに、上記吸収モータには、上記出力側トルクメ
    ータによる上記供試体の出力トルクT2 と、上記出力側
    回転検出器による上記吸収モータの回転パルスをF/V
    変換器で変換した回転信号に基いて発生する走行抵抗相
    当トルクTR および車輌等価慣性量Ic と、上記回転信
    号を微分して求めた回転角速度とから慣性抵抗相当トル
    クTA を求め、該慣性抵抗相当トルクTA を上記吸収モ
    ータに与える出力側トルク制御装置を備えた動力伝達系
    試験機の電気慣性制御装置において、前記入力側トルク
    制御装置および前記出力側トルク制御装置にそれぞれ接
    続するとともに、前記供試体の出力トルクT2 と、前記
    吸収モータの走行抵抗相当トルクTR との差分トルクを
    ΔTとし、該差分トルクΔTを前記供試体の出力軸に換
    算したときの該供試体の慣性をIm としたとき、前記慣
    性抵抗相当トルクTA が、TA =ΔT(1−Im/Ic
    )にて求められるように構成した電気慣性制御手段を
    備えた動力伝達系試験機の電気慣性制御装置。
  2. 【請求項2】 前記供試体の出力トルクT2 は、前記入
    力側回転検出器からの前記供試体の入力軸の出力回転
    と、前記出力側回転検出器からの前記供試体の出力軸の
    出力回転を割算し、記憶装置を介して出力された回転比
    と、前記入力側トルク制御装置からの入力トルクT1
    を掛算して求められた請求項1記載の動力伝達系試験機
    の電気慣性制御装置。
  3. 【請求項3】 車輌のトランスミッションなどの動力伝
    達系からなる供試体を備え、該供試体の入力軸には、エ
    ンジン相当の入力モータと、入力側回転検出器と、入力
    側トルクメータを備えるとともに、上記入力モータに
    は、上記入力側トルクメータによる検出トルクに基いて
    上記供試体に入力するトルクT1 を制御する入力トルク
    制御装置を備え、上記供試体の出力軸には、出力側回転
    検出器と、吸収モータと、出力側トルクメータを備える
    とともに、上記吸収モータには、上記出力側トルクメー
    タによる上記供試体の出力トルクT2 と、上記出力側回
    転検出器による上記吸収モータの回転パルスをF/V変
    換器で変換した回転信号に基いて発生する走行抵抗相当
    トルクTR および車輌等価慣性量Ic と、上記回転信号
    を微分して求めた回転角速度とから慣性抵抗走行トルク
    TA を求め、該慣性抵抗相当トルクTA を上記吸収モー
    タに与える出力側トルク制御装置を備えた動力伝達系試
    験機の電気慣性制御装置において、前記入力側回転検出
    器および前記出力側回転検出器による回転信号に基い
    て、それぞれ回転する前記入力軸と、前記出力軸との回
    転比iを演算する回転比演算手段を備えるとともに、該
    回転比演算手段により演算された回転比iと、前記入力
    トルクT1 から前記供試体の前記出力軸が予定される発
    生トルクT2 を演算する予定発生トルク演算手段を備
    え、かつ前記予定発生トルクT2 から前記走行抵抗相当
    トルクTR を減算するとともに、減算した差分トルクΔ
    Tを算出する差分トルク算出手段と、該差分トルク算出
    手段によって算出された差分トルクΔTを前記出力軸に
    換算したときの前記供試体の慣性Im と、前記車輌等価
    慣性Ic との比Im /Ic を演算するIm /Ic 演算手
    段と、該Im /Ic 演算手段によって演算されたIm /
    Ic と、前記差分トルク算出手段にて算出された差分ト
    ルクΔTとを掛算する掛算手段と、該掛算手段によって
    求められた値ΔT・Im /Ic と、該値ΔT・Im /I
    c を前記差分トルク算出手段によって算出された差分ト
    ルクΔTから減算した値との差である前記慣性抵抗相当
    トルクTA を算出する慣性抵抗相当トルク算出手段と、
    該慣性抵抗相当トルク算出手段によって算出された慣性
    抵抗相当トルクTA に前記走行抵抗相当トルクTR を加
    算する加算手段とからなる電気慣性制御手段を備えた動
    力伝達系試験機の電気慣性制御装置。
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