JPH05264911A - 光スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 小型の光ファイバ多心光スイッチを提供す
る。 【構成】 多心光ファイバ１７，１８の結合端面を同一
平面上に揃えた第１配列部材１１と、同じ構造でこれに
対向した多心光ファイバ１９，２０を含む第２配列部材
１２との間に、前記多心光ファイバと同型の短いファイ
バを丁度端面が第１配列部材１１と第２配列部材１２と
光学的に結合するように平行に揃えた保持部材２１ａ，
２２ａ、およびこの短いファイバを中間交差し両端は２
１ａ，２２ａと同様に揃えた保持部材２１ｂ，２２ｂと
から成る。保持部材２１ａ，２２ａと２１ｂ，２２ｂと
は互に平行に配列部材１１と１２の間にあってスライド
させることにより多心光ファイバ１７，１８と１９，２
０を互に並列に結合させたり、あるいは交差結合させた
りして光ファイバ多心光スイッチとして働く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、結合状態にある一対の
多心光ファイバのいずれか一方を移動することにより、
多心光ファイバの切替を行う光スイッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】光スイッチは、光通信網を構成する光フ
ァイバ接続心線を切り替える装置なので、光通信の遮断
時間の短縮化、海底ケーブルなどの長距離通信への適用
性から、高速性、低損失性、小型化が要求される。ま
た、通信データの大容量化に伴い、複数の多心光ファイ
バから複数の光ファイバへの切り替えを実現する光スイ
ッチが望まれている。

【０００３】従来の光スイッチは、図４で示すように、
同一配列面に沿って並べた複数のテープ状光ファイバを
保持する配列部材に、同一配列面に沿って複数のテープ
状光ファイバを並べた別の配列部材を対面させ、この配
列面に沿って、一方の配列部材を移動することにより、
多心光ファイバ間で切替を行っていた。

【０００４】第１の従来技術（図４（ａ））によると、
一方の配列部材の上面に、端部から４心テープ状光ファ
イバ１、４心テープ状光ファイバ２および４心バイパス
ファイバＢを順番に配列し、他方の配列部材の上面に、
同一端部から４心バイパスファイバＢ、４心テープ状光
ファイバ４、４心テープ状光ファイバ３を順番に配列す
る。その為、一方の配列部材を上面に沿って平行に移動
することにより、テープ状光ファイバ１はテープ状光フ
ァイバ３からテープ状光ファイバ４に切り替えられる。

【０００５】第２の従来技術（図４（ｂ））によると、
３種類の複数の光ファイバ、光ファイバ１ａ、１ｂ、１
ｃ、１ｄ、光ファイバ２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ、バイパ
スファイバＢが交互に同一面に配列されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、第１の従来技
術によると、大容量の光通信に利用できるテープ状光フ
ァイバを使用できるが、ファイバ間の移動距離が心線数
に依存するので、心線数が増大するにつれて、移動距離
が長くなり高速性に欠ける。さらに、移動距離が長くな
ることから、切替の際の衝撃が大きく、衝撃による振動
が収束するにも長時間を要するので、その間、通信デー
タの精度が低下する。

【０００７】また、第２の従来技術によると、ファイバ
間の移動ピッチが小さいので高速性には適するが、３種
の光ファイバを交互に配置するため、複数の光ファイバ
を一括して収納するテープ状光ファイバを単体で使用で
きないという問題があり、大容量の光通信に適しないと
いう欠点を有する。

【０００８】そこで、本発明は、高速性および大容量の
光通信に適する光スイッチを提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は第１配列部材、第２配列部材、平行ファイ
バ、交差ファイバ、第１保持部材、第２保持部材および
移動機構を有する。ここで、第１配列部材は第１及び第
２の多心光ファイバの光結合端面をほぼ一列に配列さ
せ、第２配列部材は第１及び第２の多心光ファイバに接
続される第３及び第４の多心光ファイバの光結合面をほ
ぼ一列に配列させる。また、１対の平行ファイバは第１
面上に互いに平行に配置され、１対の交差ファイバは第
１面と平行な第２面上に互いに交差して配置される。ま
た、第１保持部材は平行ファイバ及び交差ファイバの一
端部を保持し、第２保持部材は平行ファイバ及び交差フ
ァイバの他端部を保持し、さらに、移動機構は第１保持
部材及び第２保持部材を同時に同一量だけ第１面と直交
する方向に移動させ、第１及び第２の多心光ファイバを
第１面に配置された１対の平行ファイバまたは第２面に
配置された１対の交差ファイバに接続することにより、
第１及び第２の多心光ファイバに対し第３及び第４の多
心光ファイバを切り替える。

【００１０】

【作用】本発明は、以上のように構成されるので、第１
配列部材に配列された第１及び第２の多心光ファイバが
第１面に配置された１対の平行ファイバに光結合してい
るとき、第１の多心光ファイバは第３の多心光ファイ
バ、第２の多心光ファイバは第４の多心光ファイバにそ
れぞれ接続され、第１配列部材に配列された第１及び第
２の多心光ファイバが第２面に配置された１対の交差フ
ァイバに光結合しているとき、第１の多心光ファイバは
第４の多心光ファイバ、第２の多心光ファイバは第３の
多心光ファイバにそれぞれ接続される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づき
説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号
を用い、重複する説明は省略する。

【００１２】図１は、第１実施例に係る光スイッチの全
体概略図、図２は、第１実施例に係る光スイッチの原
理、動作を示す説明図である。

【００１３】まず、図１に基づき、光スイッチの全体構
成を説明する。この光スイッチは、第１固定素子（第１
配列部材）１１、第２固定素子（第２配列部材）１２、
第１移動素子（第１保持部材）２１、第２移動素子（第
２保持部材）２２および移動機構により駆動される中間
ファイバ１３（平行ファイバ１３ａ、１３ｂ、交差ファ
イバ１３ｃ、１３ｄ）を含んで構成される。

【００１４】第１固定素子１１はブロック体で構成さ
れ、一側面に１対のテープ状光ファイバ（第１の多心光
ファイバ、第２の多心光ファイバ）１７、１８が固定さ
れている。これらの結合端面は同一面上に一列に配置さ
れ、その両側にはガイドピン２３が固定されている。同
様に、第２固定素子１２はブロック体で構成され、一側
面に１対のテープ状光ファイバ（第３の多心光ファイ
バ、第４の多心光ファイバ）１９、２０が固定されてい
る。これらの結合端面は同一面上に一列に配置され、そ
の両側にはガイドピン２４が固定されている。第１固定
素子１１及び第２固定素子１２の構造、形状は基本的に
同一である。

【００１５】第１固定素子１１及び第２固定素子１２の
間には、同時に駆動される第１移動素子２１及び第２移
動素子２２が配置され、第１移動素子２１及び第２移動
素子２２の間には互いに平行な２面（第１面、第２面）
に沿って配置された平行ファイバ１３ａ、１３ｂ及び交
差ファイバ１３ｃ、１３ｄが置かれ、これらは第１移動
素子２１及び第２移動素子２２により端部が保持されて
いる（図１、図２（ａ）参照）。第１移動素子２１及び
第２移動素子２２の構造、形状は、基本的に同一であ
る。

【００１６】図２（ｂ）に、第２移動素子２２における
平行ファイバ１３ａ、１３ｂ及び交差ファイバ１３ｃ、
１３ｄの配置状態を示す。第２移動素子２２は、２枚の
板部材２２ａ、２２ｂを重ねて合わせて構成され、それ
ぞれ、ファイバ固定部及びガイド溝が対面部に形成され
ている。ファイバ固定部は例えば複数のＶ溝で形成さ
れ、その両側に台形溝で形成されたガイド溝が形成され
ている。２枚の板部材２２ａ、２２ｂは同一構造、形状
を有するので、これらを重ね合わせると、ガイドピン２
３が挿入されるクリアランスＡ、第１面及び第２面が形
成される。

【００１７】この第１面に沿って、平行ファイバ１３
ａ、１３ｂの光結合端面が１列状に露出し、第１面と平
行な第２面に沿って、交差ファイバ１３ｃ、１３ｄの光
結合端面が、平行ファイバ１３ａ、１３ｂのピッチ間隔
と同一間隔で１列状に露出している（図２（ｂ）参
照）。

【００１８】ガイドピン２４はクリアランスＡ内で第１
面と第２面との間隔に等しい距離Ｌだけ移動し、かつ、
ガイドピン２３も同様にクリアランスＡ内で距離Ｌだけ
移動するので、ガイドピン２３、２４がクリアランスＡ
の上端部に接触している時にはガイドピン２３、２４の
中心は第１面に一致し、ガイドピン２３、２４がクリア
ランスＡの下端部に接触している時にはガイドピン２
３、２４の中心は第２面に一致する。

【００１９】その為、ガイドピン２３、２４がクリアラ
ンスＡの上端部に接触している時（図２（ｂ）参照）、
平行ファイバ１３ａ、１３ｂは一端で１対のテープ状光
ファイバ１７、１８に接続し、他端で１対のテープ状光
ファイバ１９、２０に接続する。また、ガイドピン２
３、２４がクリアランスＡの下端部に接触している時
（図２（ｂ））、交差ファイバ１３ｃ、１３ｄは一端で
１対のテープ状光ファイバ１７、１８に接続し、他端で
１対のテープ状光ファイバ１９、２０に接続する。 な
お、第１移動素子２１及び第２移動素子２２は、ソレノ
イドで駆動される移動機構により、第１面に対して垂直
方向に、同一移動量Ｌだけ同時に駆動されるので、平行
ファイバ１３ａ、１３ｂ及び交差ファイバ１３ｃ、１３
ｄの光結合端面の移動量、移動時間は全て同一になって
いる。

【００２０】第１実施例の光スイッチは以上のように構
成されているので、第１移動素子２１及び第２移動素子
２２が同時に駆動され、１対のテープ状光ファイバ１
７、１８の結合対象が第１面に属する平行ファイバ１３
ａ、１３ｂから第２面に属する交差ファイバ１３ｃ、１
３ｄに変わると、テープ状光ファイバ１７の接続先はテ
ープ状光ファイバ１９からテープ状光ファイバ２０に切
り替えられ、かつテープ状光ファイバ１８の接続先はテ
ープ状光ファイバ２０からテープ状光ファイバ１９に切
り替えられる。

【００２１】次に、図３に基づき、本発明の第２実施例
に係る光スイッチを説明する。第１実施例との差異は、
平行ファイバ１３ａ、１３ｂ及び交差ファイバ１３ｃ、
１３ｄがＵ字状に曲げられている点である。その為、１
対のテープ状光ファイバ１７、１８と、１対のテープ状
光ファイバ１９、２０は互いに平行に配置されている。

【００２２】この実施例における移動機構１４は、ソレ
ノイド１４ａと駆動レバー１４ｂ、１４ｃで構成され
る。ソレノイド１４ａは第１移動素子２１及び第２移動
素子２２の間に配置され、第１面と直交する方向に駆動
部材１４ｄが伸びている。この駆動部材１４ｄの両端部
には駆動レバー１４ｂ、１４ｃが固定されている。さら
に、駆動レバー１４ｂ、１４ｃの両端部には、第１移動
素子２１及び第２移動素子２２を第１面と直交する方向
に押圧するプランジャ１４ｐが同一量だけ突設されてい
る（図３（ｂ）参照）。

【００２３】その為、ソレノイド１４ａにより駆動部材
１４ｄが駆動されると、駆動レバー１４ｃ、１４ｄが平
行移動し、第１移動素子２１、第２移動素子２２はプラ
ンジャ１４ｐにより、同時に同一量だけ駆動される。こ
の駆動量は、第１面と第２面の間隔（＝Ｌ）と同一にな
っている。なお、これらの設定は、クリアランスＡの構
造とガイドピン２３、２４の大きさを変えることによ
り、容易に変更することができる。

【００２４】このように、ガイドピン２３、２４に対し
て第１移動素子２１、第２移動素子２２を水平方向に駆
動することにより、テープ状光ファイバ１７の接続先を
テープ状光ファイバ１９からテープ状光ファイバ２０
に、かつテープ状光ファイバ１８の接続先をテープ状光
ファイバ２０からテープ状光ファイバ１９に切り替える
ことができる。

【００２５】この場合、バイパスファイバを使用せずに
多心ファイバの切替ができ、また、図３（ａ）の一点鎖
線に示すように、装置全体を矩形領域に収めることがで
きるので、装置全体がコンパクトになる。

【００２６】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で多種多様の
変形が可能である。例えば、第１配列部材、第２配列部
材、第１移動素子および第２移動素子の形状、構造、配
置状態は第１実施例（図１）及び第２実施例（図２）に
限定されるものではない。

【００２７】

【発明の効果】以上のように、本発明はバイパスファイ
バを使用することなく多心ファイバの切替を実現してい
るので、光スイッチを小型にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る光スイッチの全体構
成を示す斜視図である。

【図２】第１実施例に係る光スイッチの切替原理を示す
説明図である。

【図３】本発明の第２実施例に係る光スイッチの構成、
特に、移動機構の構造を示す説明図である。

【図４】従来の光スイッチの基本構成を示す図である。

【符号の説明】

１、２、３、４…テープ状光ファイバ、Ｂ…バイパスフ
ァイバ、１１…第１固定素子（第１配列部材）、１２…
第２固定素子（第２配列部材）、１３…中間ファイバ、
１４…移動機構、１７…テープ状光ファイバ（第１の多
心光ファイバ）、１８…テープ状光ファイバ（第２の多
心光ファイバ）、１９…テープ状光ファイバ（第３の多
心光ファイバ）、２０…テープ状光ファイバ（第４の多
心光ファイバ）、２１…第１移動素子（第１保持部
材）、２２…第２移動素子（第２保持部材）、２３、２
４…ガイドピン、Ａ…クリアランス。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池ヶ谷 一雄 神奈川県横浜市栄区田谷町１番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 清水 正利 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小林 英夫 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 結合状態にある一対の多心光ファイバの
   いずれか一方を移動することにより、多心光ファイバの
   切替を行う光スイッチにおいて、 第１及び第２の多心光ファイバの光結合端面をほぼ一列
   に配列させる第１配列部材と、 前記第１及び第２の多心光ファイバに接続される第３及
   び第４の多心光ファイバの光結合面をほぼ一列に配列さ
   せる第２配列部材と、 第１面上に互いに平行に配置された１対の平行ファイ
   バ、前記第１面と平行な第２面上に互いに交差して配置
   された１対の交差ファイバと、 前記平行ファイバ及び前記交差ファイバの一端部を保持
   し、前記第１面と直交する方向に移動自在に設置された
   第１保持部材と、 前記平行ファイバ及び前記交差ファイバの他端部を保持
   し、前記第１面と直交する方向に移動自在に設置された
   第２保持部材と、 前記第１保持部材及び前記第２保持部材を同時に同一量
   だけ前記第１面と直交する方向に移動させる移動機構と
   を備え、 前記第１及び第２の多心光ファイバを前記第１面に配置
   された１対の平行ファイバまたは前記第２面に配置され
   た１対の交差ファイバに接続することにより、前記第１
   及び第２の多心光ファイバに対し前記第３及び第４の多
   心光ファイバを切り替えることを特徴とする光スイッ
   チ。
2. 【請求項２】 前記１対の平行ファイバ及び前記１対の
   交差ファイバがＵ字状に折り曲げられていることを特徴
   とする請求項１記載の光スイッチ。