JPH05263495A - 壁パネル組付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネル工法において桁側の壁部の上面部に設
置させるべき結合桁の欠落部分の発生の防止及び妻側壁
部上に設置される屋切りパネルの製造の困難化の回避、
更に屋根パネル受金具を建築物の角部においても用いる
ことのできる壁パネルの組付け構造を得ること。 【構成】 桁側の壁部を構成する壁パネル１０と妻側の
壁部を構成する壁パネル１２との結合をいわゆる桁勝ち
の形式で行った。すなわち妻側の壁パネル１２の枠体の
側端面を桁側の壁パネル１０のボード面（壁パネルの表
面裏面に固着されるもの）の縁部に当接させて結合する
ように構成した。これによって、桁側の壁部は端部から
他方の端部まで壁パネル１０を連続して結合して構成さ
れるので、結合桁１８の欠落部の発生や屋切りパネル２
０の構成における製造の困難化、更に屋根パネル受金具
を建築物の角部においても用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、いわゆるパネル工法
において複数の壁パネルを設置して建築物壁部を構築す
る際の壁パネル組付け構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】いわゆるパネル工法においては建築物の
床部上に、あらかじめ工場にて製造した複数の壁パネル
を立設し相互に連結することによって壁部を構築するよ
うにしている。

【０００３】この場合、一般に図５に示すように壁部が
建築物の桁側Ｘの壁パネル１０と妻側Ｙの壁パネル１２
とで構成されており、桁側Ｘ及び妻側Ｙの壁パネル１
０，１２は建築物の角部で結合されることとなる。

【０００４】また、前述のようにして形成した妻側Ｙの
壁部上には屋根パネル１６の屋根勾配に沿った傾斜を有
する屋切パネル２０を立設し、かつ桁側Ｘの壁部上に結
合桁１８を取付けると共に、屋切パネル２０の頂部間に
かけ渡した図示せぬ屋根梁及び結合桁１８間に屋根パネ
ル１６を取付けるようにしている。この場合屋根パネル
１６と壁パネル１０との接合は、図６に示すように、壁
パネル１０側の取付金具２と、屋根パネル１６側の取付
金具４とからなる屋根パネル受金具６を用いて行なうよ
うにしていた。具体的には、屋根パネル１６は、壁パネ
ル１０同士の接合位置に中心が位置するように取付けら
れるもので、壁パネル１０の室内側面接合部付近に壁パ
ネル１０側の取付金具２を取付け、これと対応する位置
の屋根パネル１６の芯材１６ａに屋根パネル１６側の取
付金具４を取付け、壁パネル１０上に屋根パネル１６を
設置する際に、取付金具２，４のそれぞれの当接片２
ａ，４ａを当接させ、これら当接片２ａ，４ａをボル
ト，ナット８にて締付けることにより連結するようにし
ていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような桁側壁部
を構成する壁パネル１０と妻側壁部を構成する壁パネル
１０との結合をその形式を何ら設定することなく無作為
に行った場合、例えば図４に示したように建築物の桁側
の壁部を構成する壁パネル１０に対し建築物の妻側壁部
を構成する壁パネル１２が勝った状態で連結結合される
と、妻側の壁パネル１２のボード面の縁部１２ａの部分
に桁側の壁パネル１０の枠体の側端面１０ａが当接され
た状態で結合される状態となり、この状態で角部の壁パ
ネル１０の室内側面接合部付近に取付金具２を取付よう
とすると妻側の壁パネル１２及び屋切パネル２０がある
ためにその取付けができず、止むを得ず壁パネル１０の
側端面１０ａと壁パネル１２のボード面縁部１２ａとの
間に取付けようとすると、取付金具２の当接片２ａが屋
根パネル１６側の取付金具４の当接片４ａと直交する状
態となってボルト，ナット８による連結ができないこと
となるという問題があった。

【０００６】また、図４に示したような妻側の壁パネル
１２と桁側の壁パネル１０との結合関係、すなわち妻勝
ちの形式をとった場合その妻側の壁パネル１２の上面に
結合桁１８が取付けられていないので、屋切りパネル２
０は同図（Ｂ）に示したようにその正面形状を略二等辺
三角形の形状とする必要がある。しかしながら、屋切り
パネル２０をこのように三角形の形状として構成するこ
とはその製造が非常に困難なものとなり、かつ三角形の
２つの頂点部分２０ａ及び２０ｂの部分が破損し易いな
どの問題がある。すなわち、屋切りパネル２０は同図
（Ｃ）に示すようにその平面形状を略五角形として構成
するのが製造も容易であり破損も生じ難いという事情が
ある。

【０００７】この発明は、上記のように各壁パネルの結
合を何らその形式を調整することなく行なった場合に生
じる問題点を解決することを課題としてなされたもので
あり、その目的は、建築物の角部においても屋根パネル
受金具の取付けができ、しかも屋切りパネルの製造の困
難化や結合桁の欠落部分の発生を生じることのない壁パ
ネルの組付け構造を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る壁パネルの組付け構造は、方形状に組
まれた枠体の表裏両面にボードを固着して形成した壁パ
ネルを床部上に複数立設して連結し建築物の壁部を構築
する壁パネル組付け構造において、建築物の桁側壁部を
構築する壁パネルと建築物の妻側壁部を構築する壁パネ
ルとの結合部を、前記桁側の壁パネルの前記ボード面の
縁部に前記妻側の壁パネルの枠体側端面を当接させて組
付けることを特徴とする。

【０００９】

【作用】上記構成の壁パネル組付け構造によれば、建築
物の桁側の壁部を構成する壁パネルに対する妻側の壁部
を構成する壁パネルの結合は、桁勝ち形式、すなわち妻
側の壁パネルの枠体の側端面が桁側の壁パネルのボード
面の縁部に当接された状態で結合されている。

【００１０】従って、桁側の壁パネルのボード面縁部と
妻側の壁パネルの側端面との間に屋根パネル受金具の壁
パネル側の取付金具を取付けることができ、妻勝ちの状
態にした場合のように壁パネル側及び屋根パネル側の取
付金具の当接片同士が直交状態となってボルト，ナット
による連結ができなくなるような事態を防止することが
可能となる。

【００１１】また、桁側の壁部の端部まで桁側の壁パネ
ルが連続するので、その端部にも結合桁が存在し妻側の
壁部上に設置される屋切りパネルはその端部の結合桁の
部分を兼ねる必要がないので、五角形の正面形状として
構成することが可能となり、屋切りパネルの製造が容易
で、端部の破損も減少させることが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て詳細に説明する。

【００１３】図１は、本発明の壁パネルの組付け構造を
用いた壁パネル設置例を示す説明図であり、桁側の壁部
は壁パネル１０をそれぞれ５個ずつ連結して構成してい
る。また、妻側の壁部は壁パネル１２をそれぞれ４個ず
つ連結して構成している。なお、壁パネル１０によって
構成された桁側の壁部の両端には各壁パネルの半分の厚
さを有する結合材２２が設置され、妻側の壁部の外側面
と面一性が保たれている。すなわち、桁側の壁パネル１
０は妻側の壁部を構成する壁パネル１２の厚さ方向の中
心位置から対向する妻側の壁パネル１２の中心位置との
間で５個連結されているものである。

【００１４】そして、図中破線円１００にて示した桁側
の壁パネル１０と妻側の壁パネル１２との間の結合部が
本発明に係る特徴的構成部分であり、図示のように、妻
側の壁パネル１２は、その側端面、すなわち枠体の側端
面が桁側の壁パネル１０のボード面（結合材２２を含
む）に当接されている。

【００１５】このように妻側の壁パネル１２と桁側の壁
パネル１０の結合を、桁側の壁パネル１０のボード面縁
部と妻側の壁パネル１２の側端面との当接状態とするこ
とにより、図３に示すように屋根パネル受金具６の壁パ
ネル１０側取付具２を壁パネル１０のボード面縁部と壁
パネル１２の側端面との間に配して壁パネル１０のボー
ド面縁部に取付けることができ、その結果壁パネル１０
側及び屋根パネル１６側の取付金具２，４のそれぞれの
当接片２ａ，４ａを対向させることができ、ボルト，ナ
ット８により締付け固定がなし得ることとなる。．ま
た、図中破線２００にて示したように仕切壁の壁パネル
１４もその側端面を桁側の壁パネル１０のボード面に当
接させて結合されている。また、仕切壁の壁パネル１４
は桁側の壁パネル１０の連結部部にその厚さ方向の中心
を合わせた位置で当接させている。これは、壁パネル１
０の枠体の配置されている部分にて結合用の金具の取付
けや釘打ちなどを行なう必要があることに基づくもので
ある。

【００１６】上記のような結合部１００及び２００の構
成、すなわち桁勝ちの形式の結合によれば、図２の概略
斜視図に示したように桁側の壁パネル１０が妻側の壁部
の外壁面と面一の位置まで延在しているので、その上端
面に設けられる結合桁１８も妻側の壁部外側面まで伸長
している。従って、妻側の壁部上端面に設置される屋切
りパネル２０は、その形状を製造の困難な二等辺三角形
の形状とすることなく図示のような五角形の正面形状の
構成とすることができる。

【００１７】また、仕切壁の壁パネル１４の結合部分に
おいても、桁側の壁部は壁パネル１０が連続して連結さ
れた状態にあるので、壁パネル１４が外部に露出するこ
となく、壁部の防水性劣化を防ぐことができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る壁パ
ネルの組付け構造によれば、桁側の壁部と妻側の壁部と
の結合は常に桁勝ちの形式をもって行われるので、桁側
の壁部上面に設けられる結合桁の欠落、更に妻側壁部の
上部に設置される屋切パネルの製造の困難性や屋切りパ
ネルの両端部の損壊を生じさせることを有効に防止する
ことができ、また屋根パネル受金具を建物の角部におい
ても用いることができ、パネル工法における壁部の構築
及び屋根部の構築の作業性の向上を達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る壁パネルの組付け構造を用いたパ
ネルの設置例を示す平面図である。

【図２】図１の建築物角部の状態を示す概略部分斜視図
である。

【図３】屋根パネル受金具の取付状態を示す拡大斜視図
である。

【図４】従来の壁パネルの設置構造の一例を示す説明図
である。

【図５】（Ａ），（Ｂ）及び（Ｃ）は図４に示した壁パ
ネルの設置の場合における問題点の説明図である。

【図６】従来の屋根パネル受金具の取付状態を示す説明
図である。

【符号の説明】

２，４ 取付金具 ２ａ，４ａ 当接片 ６ 屋根パネル受金具 １０ 桁側の壁パネル １２ 妻側の壁パネル １８ 結合桁 ２０ 屋根パネル ２２ 結合材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形状に組まれた枠体の表裏両面にボー
   ドを固着して形成した壁パネルを床部上に複数立設して
   連結し建築物の壁部を構築する壁パネル組付け構造にお
   いて、 建築物の桁側壁部を構築する壁パネルと建築物の妻側壁
   部を構築する壁パネルとの結合部を、 前記桁側の壁パネルの前記ボード面の縁部に前記妻側の
   壁パネルの枠体側端面を当接させて組付けることを特徴
   とする壁パネル組付け構造。