JPH0526344U - チユーブライニング端末固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】作業性並びに固定性能の両面を満足し得るチュ
ーブライニング端末固定装置を提供する。 【構成】管の内面に加熱加圧膨脹工法の適用により形成
される硬質プラスチックチューブライニングの端末部の
固定に適用される固定装置であって、管端より少し手前
で終結する上記ライニングの端末部と、該端末部より外
側の管裸部の間に跨って遊挿可能で、両端に樋状縁部２
を有する筒状金物１、該金物両端の樋状縁部２に嵌装さ
れていて、一方が管裸部内面に他方がチューブライニン
グ内面に圧着せられる外部操作をして膨脹可能なゴム様
弾性の中空シールリング３、及び遊挿にもとづき上記筒
状金物と管裸部並びにチューブライニングとの間に形成
される周隙内に注入充填されるシール材とを備えてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は管の内面に加熱加圧膨脹工法の適用により形成される硬質プラスチッ クチューブライニングの端末の固定に適用される固定装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

近時、水道管、ガス管などの既設管の再生又は保護を目的として、硬質プラス チックチューブを管内で内部から加熱加圧して拡げ管内にライニングすることが 行なわれている。内部からの加熱加圧により管内で拡げられた硬質プラスチック チューブは冷却時に熱収縮し、このうち直径方向の熱収縮は管とチューブライニ ングとの間に隙間を発生させ、また軸方向の熱収縮は管との摩擦により瞬時に消 去せず、経時的に収縮傾向となって表われる。管とチューブライニングとの間の 隙間は管内圧が低い場合には地下水の浸入通路となり地下水の浸入原因となり、 また管内圧が高い場合には、、管内流体の流出通路となり管内流体の漏洩原因と なる。一方軸方向の経時的収縮は、管端部の内面を徐々に露出させて行き、ライ ニング不良原因となる。従ってこのようなチューブライニング管においては、チ ューブライニング形成後に之等問題点の防止対策が必要となり、従来ではチュー ブライニングの端部に鍔部を形成し、これを管端面に係止させるという防止対策 がとられているが、鍔部の形成は作業が煩雑であり、相当の経験と熟練が要求さ れるという問題点があった。

【０００３】 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。

【０００４】

【問題を解決するための手段】

本考案は、管の内面に加熱加圧膨脹工法の適用により形成される硬質プラスチ ックチューブライニングの端末部の固定に適用される固定装置であって、管端よ り少し手前で終結する上記ライニングの端末部と、該端末部より外側の管裸部の 間に跨って遊挿可能で、両端に樋状縁部を有する筒状金物、該金物両端の樋状縁 部に嵌装されていて、一方が管裸部内面に他方がチューブライニング内面に圧着 せられる外部操作をして膨脹可能なゴム様弾性の中空シールリング、及び遊挿に もとづき上記筒状金物と管裸部並びにチューブライニングとの間に形成される周 隙内に注入充填されるシール材とを備えていることを特徴とするチューブライニ ング端末固定装置に係る。

【０００５】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづき説明すると、次の通りである。

【０００６】 図１〜２は本考案の一実施例並びに一使用状況を示し、管ａの内面に加熱加圧 膨脹工法の適用により形成された硬質プラスチックチューブライニングｂの端末 ｂ₁ は、管端ａ₁ より少し手前で終結し、管端ａ₁ とチューブ端末ｂ₁ との間は 、ライニングなしの管裸部ａ₂ となっている。

【０００７】 本考案固定装置は管裸部ａ₂ からチューブ端末ｂ₁ を超えてその内方まで遊挿 可能な筒状金物１を具備し、該金物１の両端には、横断面略々半円状の樋状縁部 ２，２が該金物１の外径寸法内に収るように形成されている。筒状金物１の材質 は、ステンレス鋼が腐食しないので好ましいが、その他の金属又は硬質プラスチ ックなどであってもよい。

【０００８】 シールリング３，３′は中空でゴム様弾性を有し、筒状金物１の両端の樋状縁 部２，２内に嵌装支持される。一方のシールリング３は管裸部ａ₂ の内径に、ま た他方のシールリング３′はチューブライニングｂの内径に略々対応する外径を 有し、外部操作をして適宜膨脹可能な構成とするために、之等シールリング３， ３′には逆止弁（図示せず）付の注入部４，４′が備えられ、各注入部４，４′ は樋状縁部２，２を経て外部に引き出されている。膨脹には空気その他液体を適 用でき、液体の場合は、セメントミルクなどのような固結性のものが適当である 。液体注入の場合は、リング３，３′内に空気溜まりが発生することを防止する ために、該リング３，３′に、逆止弁（図示せず）付の空気抜き５，５′を備え ておくことが好ましい。

【０００９】 シール材６は、筒状金物１の管内遊挿にもとづき、該金物１と、その外周部の 管裸部ａ₂ 並びにチューブライニングｂとの間に生ずる周隙７内に充填される。 シール材６は固結性で管ａ、筒状金物１及びチューブライニングｂに対し接着適 性を有していることが好ましく、例えば反応硬化型のエポキシ系樹脂液が用いら れる。シール材６の周隙７内への充填を行なうために、周隙７に連通する注入口 ｃと排気口ｄとが、設けられ、之等は図１〜２に示すように管ａに設けても、或 は図３に示すように筒状金物１に設けてもよい。

【００１０】 図１は筒状金物１及び該金物１の両端の樋状縁部２，２に嵌装支持されたシー ルリング３，３′とを、管ａ内の所定部位まで挿入した状況を示している。この 挿入操作時には、上記リング３，３′はいまだ膨脹されておらず、従って挿入抵 抗小でこれを容易に行なうことができる。

【００１１】 図１に示す状態で、最初にシールリング３，３′の中空部内に注入部４，４′ を通じ充填材例えばセメントミルク８が注入充填され、この注入充填操作中、適 宜空気抜き５，５′の逆止弁を操作して空気抜きを行なう。注入充填操作は、操 作圧力が所定圧力に達し、リング３，３′の充分な膨脹が確認された時点で停止 する。リング３，３′の膨脹で、該リング３，３′を介し筒状金物１が管ａ側に 強固に固定される。同時に内側リング３′の膨脹で、チューブライニングｂの端 末部は、管ａに対し緊締され、この緊締で、内側リング３′、チューブライニン グｂ及び管ａが結合一体化される。

【００１２】 次に筒状金具１と、その外側の管裸部ａ₂ 並びにチューブライニングｂとの間 に生ずる周隙７内に注入口ｃを通じシール材６、例えば反応硬化型のエポキシ系 樹脂液が注入充填され、この注入充填につれ周隙７内の空気は排気口ｄより外部 へ排出されて行く。周隙７内にシール材６を注入充填した後は、注入口ｃ並びに 排気口ｄにねじ栓（図示せず）を施し、シール材６の養生固化を計ることにより 、全作業を終了する。シール材６は周隙７部分をシールし、同時に、筒状金物１ 、チューブライニングｂ及び管ａの３者を接着一体化する。

【００１３】 チューブライニングｂは加熱加圧膨脹工法の適用により形成されたものであり 、管軸方向への経時的収縮傾向を有するが該ライニングｂは内側シールリング３ ′の膨脹で管ａに対し強く締付けられると同時にシール材６により管ａ内面に接 着一体化されるので、このような収縮傾向に拘らず、長さ方向の寸法精度をその まま保持できる。

【００１４】 またチューブライニングｂの管半径方向への熱収縮で管ａの内面との間に隙間 （図示せず）を生ずるが、この隙間はライニングの端末部において、内側シール リング３′による締付けと、周隙７内へのシール材６の充填で完全に密閉される ので、このような隙間を通じ地下水が浸入したり或は管内流体が漏出したりする 危険性を一掃できる。

【００１５】 本考案に於ては、筒状金物１の管ａの内方への移動防止を目的として図４に示 すように、筒状金物１の外端側に、管ａの端面に係止するフランジ部１ａを設け ることができる。

【００１６】

【効果】

本考案固定装置によれば、チューブライニングの端末部の固定を、筒状金物、 シールリング及びシール材を用いて、経験や熟練の必要性なしに簡単且つ確実に 行い得るものであって、固定性能の向上と、固定作業の簡潔化を同時に達成でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例並びに一使用状況を示すシー
ルリング膨脹前の状態の縦断面図である。

【図２】同シールリング膨脹後の状態の縦断面図であ
る。

【図３】本考案の他の実施例を示す図１に相当する図で
ある。

【図４】本考案の更に他の実施例を示す図１に相当する
図である。

【符号の説明】

１ 筒状金物 ２ 樋状縁部 ３ シールリング ４ 注入部 ５ 排気部 ６ シール材 ７ 周隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管の内面に加熱加圧膨脹工法の適用によ
   り形成される硬質プラスチックチューブライニングの端
   末部の固定に適用される固定装置であって、管端より少
   し手前で終結する上記ライニングの端末部と、該端末部
   より外側の管裸部の間に跨って遊挿可能で、両端に樋状
   縁部を有する筒状金物、該金物両端の樋状縁部に嵌装さ
   れていて、一方が管裸部内面に他方がチューブライニン
   グ内面に圧着せられる外部操作をして膨脹可能なゴム様
   弾性の中空シールリング、及び遊挿にもとづき上記筒状
   金物と管裸部並びにチューブライニングとの間に形成さ
   れる周隙内に注入充填されるシール材とを備えているこ
   とを特徴とするチューブライニング端末固定装置。