JP2002052611A - 枝管接続部のライニング方法 - Google Patents

枝管接続部のライニング方法

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JP2002052611A
JP2002052611A JP2000241313A JP2000241313A JP2002052611A JP 2002052611 A JP2002052611 A JP 2002052611A JP 2000241313 A JP2000241313 A JP 2000241313A JP 2000241313 A JP2000241313 A JP 2000241313A JP 2002052611 A JP2002052611 A JP 2002052611A
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JP
Japan
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pipe
liner
branch pipe
branch
wall surface
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Application number
JP2000241313A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sugawara
宏 菅原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 老朽化した小口径の既設下水管本管の内面を
熱可塑性合成樹脂管でライニング補修する。 【解決手段】 主管1と枝管2とからなる管路の枝管接
続部において、主管内部に拡径して主管内壁面に密着す
る熱可塑性合成樹脂管であるライナー管11を挿入し、
加熱及び/又は加圧して主管内壁面に拡径密着し、該接
続部のライナー管11を軟化温度に加熱して主管内側か
らライナー管11を枝管接続部から押し治具4で枝管内
部側に押し曲げて枝管内壁面に密着し、主管と枝管とを
連通し、枝管内壁面に押し曲げられたライナー管11の
内面管壁に弾性体からなる止水材5を装着し、枝管内部
に拡径して枝管内壁面に密着する熱可塑性合成樹脂管で
あるライナー管21を挿入し、上記弾性体からなる止水
材を被嵌して配置し、加熱及び/又は加圧して枝管内壁
面に拡径密着すると共に上記弾性体からなる止水材5を
ライナー管11とライナー管21とで挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主管と枝管とから
なる管路の主管及び枝管の両方の内面に熱可塑性合成樹
脂管を密着してライニングする際、主管と枝管の接続部
におけるライニングが完全に行えて漏水が起こらないラ
イニング方法に関し、特に、老朽化した小口径の既設下
水管路の内面を熱可塑性合成樹脂管でライニング補修さ
れる場合の、下水管に接続される取付管の取付箇所から
の漏水を長期使用時でも防止できる更生方法に適したラ
イニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小口径の老朽化した既設下水管等
の更生方法として、既設管内壁にライニングされる熱可
塑性合成樹脂管(以降、ライナー管という)をその内部
に挿入し、接着剤やその他の充填剤で下水管と密着接合
してライニングする補修方法があるが、近年、老朽化の
程度が激しい下水管の補修が増加し、又、地震等の天災
に対する抵抗力を増すために、ライナー管としてそれ自
体で管強度が発揮できるものが使用される傾向が強くな
っている。そのために、使用されるライナー管として厚
肉のものの使用が増加してきていると共に、多少の地盤
の振動や熱水流入時に熱衝撃を受けた場合でも漏水しに
くいライニング方法の要求が増加してきている。
【0003】一方、ライニング方法により補修された下
水管等では、下水管に流入する枝管との接続箇所におい
て枝管接続のための貫通孔が空けられるが、ライナー管
にも貫通孔が空けられるため、その接続箇所の外側から
シリコンシーリング剤、防水モルタル等の止水材を用い
て止水処理が図られているが、主管及び枝管内部に密着
される互いのライナー管同士は接着剤等で接着接続され
るが特にライナー管同士の接続部における確実な止水処
理はされず、また経年の使用においては漏水等の原因と
なっていた。
【0004】また、接続口において、主管にライニング
されるライナー管を枝管内壁に沿うように折り曲げて枝
管接続部をライニングする方法がある。その折り曲げ方
法としては、例えば、特開昭57−205640号公報
には、ライナー管の枝管接続部を加熱軟化し、内部から
加圧することで枝管接続部にあるライナー管を枝管内部
に向かってライナー管を極度に膨張させ、先端を破裂さ
せて開孔し折り曲げ部となす方法が開示されている。
又、特開昭58−534号公報には、内部から加熱加圧
して膨張させたライナー管を冷却後再び加熱して枝管側
から減圧吸引し、枝管接続部にあるライナー管を吸引し
て破裂させて開口し折り曲げ部となす方法が開示されて
いる。
【0005】しかしながらこれらの方法では、既設下水
管やライナー管の状態によっては加圧の程度が一定せ
ず、特に減圧方法はよほど既設管の損傷が少ない場合で
なければ減圧が利かず従って適用できないという問題が
あり、更に、枝管内部側に折り曲げられる主管側のライ
ナー管が厚い場合には、加圧若しくは減圧による膨張が
困難であり、例えば厚肉のライナー管を膨張させるため
に高圧に加圧した場合などでは、加圧中に万一管が破断
した場合などでは圧力が急激に解放されるので危険であ
り、極めて実用性に乏しいものであった。
【0006】更に、特開平3−244892号公報に
は、ライナー管を外側から穿孔して軟化するまで加熱し
た後、開口部外側からライナー管内部に膨張部材を挿入
し、膨張部材を膨張させてライナー管の穿孔時の返りに
引っかけた後これを引きつつ枝管管径に相当するライナ
ー管の管壁部を枝管内部に折り曲げて枝管内壁面に沿う
ように変形させる方法が開示されている。
【0007】しかしながら、折り曲げられるライナー管
は、穿孔時に主管内部に突出されて返りの状態となって
いるため、これを枝管内側に引き戻すためには、特に厚
肉のライナー管の場合では樹脂温度を上げて良く軟化さ
れて柔らかい状態としなければならず、この時に膨張部
材に引っ掛けられた返り部分が引き戻し力に耐えられ
ず、その結果上記の従来技術と同じく、厚肉のライナー
管の場合では、折り曲げが困難であるという問題点があ
った。
【0008】また、特開平1−317745号公報に
は、ライナー管を内側から穿孔して軟化するまで加熱し
た後、枝管管径に相当するライナー管の管壁部を開口部
内側から押しつつ枝管内部に折り曲げて変形して枝管内
壁面に密着させ、その内周面に接着剤を介して口金を嵌
着固定する方法が開示されている。
【0009】しかしながらこの方法では、枝管の接続箇
所は、補修直後は折り曲げられたライナー管が口金で嵌
着固定されるから漏水の恐れはないが、経年変化で口金
が脱落して止水性が保てなくなる恐れがあるという問題
点があった。
【0010】また、以上のいずれの従来技術において
も、枝管接続部におけるライナー管が接着剤等で強固に
接続されるとしても、例えば、地震等による管路移動の
際の変位や、管路に高温流体が流れた時の熱膨張による
繰り返し伸縮による残留歪みを吸収できず、経時的な止
水性が確保できないという問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主管と枝管
とからなる管路の主管及び枝管の両方の内面に熱可塑性
合成樹脂管を密着してライニングする際、ライナー管が
厚肉であっても、主管と枝管の接続部において容易に枝
管接続部のライニングが可能で、かつ長期使用時でも地
震や熱衝撃による漏水の恐れがない枝管接続部のライニ
ング方法を提供する目的で行われたものであり、特に、
老朽化した小口径の既設下水管本管の内面を熱可塑性合
成樹脂管でライニング補修される場合に、ライナー管が
厚肉であっても折り返し加工ができてライニング加工が
可能であり、かつ下水管に接続される枝管の接続部から
の漏水を長期使用時でも防止できる、下水管の枝管接続
部更生に適したライニング方法を提供する目的でなされ
たものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1記載の枝管接続部のライニング方法
(発明1)は、主管と枝管とからなる管路の枝管接続部
において、主管内部に拡径して主管内壁面に密着する熱
可塑性合成樹脂管であるライナー管1を挿入し、加熱及
び/又は加圧して主管内壁面に拡径密着し、該接続部の
ライナー管1を軟化温度に加熱して主管内側からライナ
ー管1を枝管接続部から押し治具で枝管内部側に押し曲
げて枝管内壁面に密着し、主管と枝管とを連通し、枝管
内壁面に押し曲げられたライナー管1の内面管壁に弾性
体からなる止水材を装着し、枝管内部に拡径して枝管内
壁面に密着する熱可塑性合成樹脂管であるライナー管2
を挿入し、上記弾性体からなる止水材を被嵌して配置
し、加熱及び/又は加圧して枝管内壁面に拡径密着する
と共に上記弾性体からなる止水材をライナー管1とライ
ナー管2とで挟持することを特徴とする枝管接続部のラ
イニング方法である。
【0013】請求項2記載の枝管接続部のライニング方
法(発明2)は、主管と枝管とからなる管路の枝管接続
部において、枝管内部に拡径して枝管内壁面に密着する
熱可塑性合成樹脂管であるライナー管2を挿入し、加熱
及び/又は加圧して枝管内壁面に拡径密着し、密着され
たライナー管2の内面管壁の枝管接続部近傍に弾性体か
らなる止水材を装着し、主管内部に拡径して主管内壁面
に密着する熱可塑性合成樹脂管であるライナー管1を挿
入し、ライナー管1を加熱及び/又は加圧して主管内壁
面に拡径密着しつつ主管内側からライナー管1を枝管接
続部から押し治具で枝管内部側に押し曲げ、上記弾性体
からなる止水材をライナー管1とライナー管2とで挟持
し、主管と枝管とを連通することを特徴とする枝管接続
部のライニング方法である。
【0014】請求項3記載の枝管接続部のライニング方
法(発明3)は、弾性体が、合成ゴム製Oリング;シリ
コン系弾性充填剤;エポキシ系又はウレタン系弾性充填
剤のいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴
とする発明1乃至2の枝管接続部のライニング方法であ
る。
【0015】請求項4記載の枝管接続部のライニング方
法(発明4)は、押し治具が断面円形状であって加熱手
段を有し、かつその熱可塑性合成樹脂管の内壁面に当接
する部分が、押し治具の輪切り方向の断面の最外周の円
周部分から、押し込まれるにつれて押し治具の断面の中
心側に順次移動することを特徴とする、発明1乃至3の
枝管接続部のライニング方法である。
【0016】請求項5記載の枝管接続部のライニング方
法(発明5)は、ライナー管1及び/又はライナー管2
が、主管及び/又は枝管の内周壁にホットメルト型接着
剤若しくは止水材を介して密着されていることを特徴と
する発明1乃至4の枝管接続部のライニング方法であ
る。
【0017】本発明が対象とする管路は主管及び枝管か
ら構成され、いずれも例えばコンクリート管、陶管、鋳
鉄管、鋼管、合成樹脂管、繊維強化合成樹脂管等であっ
て、枝管は、主管の接続箇所に設けられた貫通孔に、継
ぎ手、溶接、モルタル、コンクリート打設などの方法で
接続されているものであり、本発明の枝管接続部のライ
ニング方法は、これらの管により構成された管路が経年
の使用で老朽化し更生を要する場合、例えば一例とし
て、老朽化した既設下水管路更生の場合のように、老朽
既設管本体内に既設管内径より断面外径が小さな合成樹
脂製ライナー管を挿入し加熱加圧してライナー管を既設
管内壁面に密着させるいわゆるライニング工法により更
生される場合に、枝管の取付部の止水性を確保する工法
として特に好適に適用されるものである。
【0018】本発明に用いられるライナー管1及び2
は、加熱又は/及び加圧により拡径し既設管内壁面に密
着可能となる熱可塑性合成樹脂製管であれば良く、その
材質としては、例えば一例として、塩化ビニル樹脂、塩
素化ポリオレフィン系樹脂等の塩素含有熱可塑性合成樹
脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系熱可塑性合成樹脂等が挙げられ、加熱及び/又は加圧
により拡径する管とは、上記材質の通常の管であって
も、製造時に冷却しつつ縮径して製造時の元の管径を記
憶させ加熱により元の管径に復元するいわゆる形状記憶
合成樹脂管であっても、あるいはこれを略C字乃至J字
形状に偏平させた折り畳み管であっても良い。
【0019】ライナー管を既設下水管内壁面に密着させ
る方法は、通常の方法が採られれば良い。即ち、ライナ
ー管内部に加熱水蒸気を圧入し、ライナー管を加熱して
軟化させると共に内部から加圧し、既設管の内壁面に密
着させる方法などがある。ライナー管外周面と下水管内
壁面との間にホットメルト型接着剤若しくは止水材が設
けられていると、ライナー管を加熱及び/又は加圧して
既設管内壁面に密着させる時に、ライナー管と下水道管
とが確実に接着若しくは止水されるので、ライニング強
度が向上し、かつ止水性が向上する。
【0020】発明1においては、主管にライナー管1を
密着させる場合、枝管接続部においては主管に貫通孔が
設けられているので、貫通孔箇所においては主管にライ
ニングされるライナー管1はその外側に既設管が存在し
ない状態となる。従って、内部から加圧されたライナー
管1は、貫通孔の形状に沿って枝管側に膨らみ出した膜
状となる。
【0021】押し治具は、貫通孔の形状に沿って枝管側
に膨らみ出して膜状となっているライナー管1を枝管内
部に押す役割を持っている。即ち、押し治具はそれ自体
が加熱手段を有し、押し込み時に先端部が当接するライ
ナー管1を加熱して軟化させつつ枝管側に押し込むよう
に機能するので、ライナー管1が厚肉であってもこれを
変形して枝管内部に押し込めることができる。なお、先
端部の温度は、80℃〜200℃程度に加熱されるよう
になっていると、ライナー管を軟化して変形させるのに
もっとも好都合である。
【0022】押し治具に設けられる加熱手段は特に限定
されないが、例えば一例として、押し治具の先端内部に
電気ヒーターが挿着されていてこれを通電加熱しても良
いし、加熱蒸気あるいは加熱オイルの熱媒で加熱するよ
うにされていても良い。又、熱媒を用いる場合には、熱
媒供給用間を利用して冷媒を供給することで押し治具の
先端部を冷却できるので、必要に応じて加熱冷却の使い
分けができる。
【0023】押し治具の材質は、強度があって熱伝導性
が良ければ特に限定されないが、例えば一例として、
鉄、ステンレススチール、銅、真鍮、等の金属類;若し
くはこれらにメッキを施して鏡面仕上げを施された金属
類が適している。また、その断面形状は円形であって、
最大外径が貫通孔内径からライナー管厚さの2倍の長さ
を引いた長さ以下であれば良い。
【0024】押し治具の先端形状は、断面が円形状であ
り、断面中央部がテレスコープ状に順次突出されるよう
先端部が同心円状の円筒状体が入れ子状に組み合わされ
ていて、押し込みつつ外周に近い入れ子状円筒状体から
順に中央部の入れ子状円筒状体が突出するようにされて
いると、押し治具先端部のライナー管1に当接する箇所
は、押し治具先端部の外周部から順に中心側に当接箇所
が移動していく。従って、押し治具の先端部に当接して
いる箇所以外はライナー管1は加熱軟化され難いので、
押し治具を押し込む際の先端部によりライナー管1が摩
擦されることによる延伸伸張がほとんどなく、押し込み
作業においてライナー管1が偏肉して厚さが偏ることが
ない。
【0025】なお、膜状に枝管側に膨らみ出したライナ
ー管の先端部近傍を穿孔してから押し治具で折り曲げて
も良く、変形完了後に開口しても良い。予め穿孔してお
くと、接続部のライナー管が枝管内側側壁に密着される
よう折り曲げられる際に、穿孔部から空気が抜けて折り
曲げがスムースに行える。変形完了後に開口する場合に
は、例えば、空気抜き用の貫通孔を設けられた押し治具
等が用いられれば良い。
【0026】枝管内部に押し込められて変形したライナ
ー管1の変形先端部近傍を穿孔若しくは開口させる場
合、その方法は特に限定されない。穿孔の大きさは、適
用される枝管の管径、ライナー管1の肉厚さにより適宜
選択して決められれば良い。又、穿孔のタイミングは、
ライナー管1が冷却後でも高温状態であっても良いが、
高温状態であれば穿孔後続けて押し治具を押し込み、押
し曲げられたライナー管1を枝管内壁面に密着させるこ
とができるので好都合である。冷却された場合では、再
度加熱して押し曲げ加工をすれば良い。
【0027】ライナー管1が枝管内側に折り曲げられた
後、弾性体からなる止水材が折り曲げられたライナー管
1の内周壁面円周に沿って装着される。使用される止水
材は、その上から枝管用ライナー管2が被覆密着される
ので、弾力性であって圧縮変形に耐える強度と変形に対
する繰り返し復元性を有するものであれば良く、例えば
一例として、合成ゴム製環状体;シリコン系弾性充填
剤;エポキシ系又はウレタン系弾性充填剤のいずれか;
又はこれらの組み合わせたものを好適に用いることがで
きる。
【0028】弾性体からなる止水材の装着方法は、合成
ゴム製環状体の場合は折り曲げられたライナー管1内壁
面の所定の位置に単に嵌着するだけで良く、シリコン
系、エポキシ系又はウレタン系弾性充填剤の場合は折り
曲げられたライナー管1内壁面の所定の位置に充填剤を
塗布し必要に応じて硬化させれば良い。
【0029】なお、上記合成ゴム若しくは硬化後の弾性
充填剤は、そのショアーA硬度が40°から90°とな
るように調整されていれば、長期の変形応力に耐えてか
つ止水性が低下しないので、もっとも好都合に使用でき
る。
【0030】弾性体からなる止水材がライナー管1の所
定の位置に装着されたら、枝管内部にライナー管2を止
水材を被嵌するように配置し、枝管内壁面にライナー管
2を密着させる。密着させる方法は、通常の方法が採ら
れれば良い。即ち、ライナー管2内部に加熱水蒸気を圧
入し、ライナー管2を加熱して軟化させると共に内部か
ら加圧し、既設管の内壁面に密着させる方法や、加熱手
段を有し加圧により膨張する弾性体からなる袋状加熱膨
張治具を、ライナー管2内部の止水材箇所に配置し、こ
れを加熱しつつ膨張させてる方法などがある。
【0031】この時、ライナー管1に装着された止水材
は、ライナー管2によりライナー管1の間に挟持された
状態となる。即ち、ライナー管1とライナー管2とは止
水材を挟持することになる。従って、熱衝撃を受けた時
や地震時に、ライナー管1とライナー管2とが互いにず
れるように移動しても、止水材が弾性体であるためその
変位を吸収することができるので、止水性が損なわれる
ことがなくライナー管からの漏水は起こらない。
【0032】発明2においては、枝管内にライナー管2
を密着させた後、弾性体からなる止水材をライナー管2
の所定の位置に装着し、その後に主管にライナー管1を
挿入し、加熱及び/又は加圧してライナー管1を主管内
壁面に密着させ、前述と同様に枝管接続口でライナー管
1を押し込み変形して枝管内壁面に密着させる。
【0033】この時、ライナー管2の所定の位置に装着
された止水材は、枝管内側に折り曲げられたライナー管
1により被覆密着された状態となり、ライナー管1とラ
イナー管2とは止水材を介して密着されることになる。
従ってこの場合も発明1と同様に、熱衝撃を受けた時や
地震時に、ライナー管1とライナー管2とが互いにずれ
るように移動しても、止水材が弾性体であるためその変
位を吸収することができるので、止水性が損なわれるこ
とがなくライナー管からの漏水は起こらない。
【0034】(作用)以上の通り、本発明は、主管と枝
管とからなる管路の主管及び枝管の両方の内面に熱可塑
性合成樹脂管を密着してライニングする際、ライナー管
が厚肉であっても主管と枝嵌の接続部において容易に枝
管接続部のライニングが可能で、かつ、主管側と枝管側
とのそれぞれのライナー管同士が弾性体からなる止水材
を挟持するので、地震や熱衝撃により万一接着剤が破損
されてもライナー管からの漏水の恐れがない枝管接続部
のライニング方法となるのである。特に、老朽化した小
口径の既設下水管本管の内面を熱可塑性合成樹脂管でラ
イニング補修される場合に、ライナー管が厚肉であって
も折り返し加工ができてライニング加工が可能であり、
かつ下水管に接続される枝管の接続部からの漏水を長期
使用時でも防止できる、下水管の枝管接続部更生に適し
たライニング方法として好適である。
【0035】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の一例を、図面
を参照しながら詳しく説明する。図1は、本発明1の枝
管接続部のライニング方法の実施手順を示す説明図、図
2は本発明2の枝管接続部ライニング方法の実施手順を
示す説明図である。なお、図面において説明する実施例
は、説明の代表として既設下水道管をライニング方法で
更生する場合のものを示すが、本発明はこれに限ったこ
とではないことは勿論である。
【0036】発明1について、図1を参照しながら説明
する。既設の更生を要する下水道管1に枝管2が接続さ
れている。この更生に際し、図1(a)に示されるよう
に、まずライナー管11が下水道管1内に挿入され、加
熱及び/又は加圧されて下水道管1の内壁に密着されラ
イニングされる。続いて、図1(b)に示されるよう
に、下水管1の枝管2を挟んだ両側に栓111が仮固定
され、加熱水蒸気Sが圧入されてライナー管3が加熱さ
れ軟化される。この時枝管接続口3の位置にあるライナ
ー管11は加圧圧力によって枝管2側に膨らんだ膜状と
なる。
【0037】この状態とした後、図1(c)に示される
とおり、栓111を取り外した後、ライナー管11の膜
状に膨らんだ先端部近傍を穿孔し、ライナー管11の内
部から枝管2側に膨らんだライナー管11の部分に押し
治具4の先端部41を押し当てる。押し治具4は搬送機
45に積載されて機械的に押し治具4の先端部を上下に
移動可能とされ、加熱用のエネルギーを供給されてい
る。
【0038】図1(d)に示されるように、押し治具4
の先端部41を加熱しライナー管11を枝管2内部に押
し込んでいく。押し込み早さ及び押し込み長さは、ライ
ナー管11が破断しないように、適用されるライナー管
11の内径、厚さ、及び枝管2の内径によって適宜選択
して決められれば良い。押し治具4の先端部41を押し
込み、ライナー管11の折り曲げられた部分が枝管2内
側壁面に密着すれば押し込みを中止し、押し治具4を取
り外して主管1と枝管2とを連通させる。
【0039】図1(e)に示されるように、折り曲げら
れたライナー管11の内壁面に周方向に沿って止水材5
が装着される。本実施例の止水材5は、断面平板状の環
状体であるが、通常のOリングや若しくは弾性エポキシ
等を塗布してこれを硬化させたものであっても良い。
【0040】止水材5を装着後、図1(f)に示される
ように、枝管2の内壁面をライナー管21でライニング
する。即ち、枝管2内壁に加熱及び/又は加圧により拡
径し密着するライナー管21を、上記止水材5を被嵌
し、加熱蒸気等を用いて枝管2内壁面に密着させる。ラ
イナー管21は、主管1内側に突出している場合には、
主管1内壁面に沿って切除される。拡径されたライナー
管21は止水材5を被覆して枝管2内壁面に密着し、止
水材5が折り曲げられたライナー管11とライナー管2
1との間に配置されて固定され、ライニングが完了す
る。
【0041】続いて、発明2について、図2を参照しな
がら説明する。まず、図2(a)に示されるように、枝
管2内にライナー管21が配置され加熱され内側から加
圧されて密着される。密着されたライナー管21が主管
1内側に突出している場合には、主管1内壁面に沿って
切除される。
【0042】次いで、図2(b)に示されるように、ラ
イナー管21の枝管接続口3近傍に、周方向に沿って止
水材5が装着される。装着の方法は発明1の場合と同様
であるので再述しない。止水材5が装着されたら、ライ
ナー管11が下水道管1内に挿入され、加熱及び/又は
加圧されて下水道管1の内壁に密着されライニングされ
る。
【0043】続いて、図2(c)に示されるように、下
水管1の枝管2を挟んだ両側に栓111が仮固定され、
加熱水蒸気Sが圧入されてライナー管3が加熱され軟化
される。この時枝管接続口3の位置にあるライナー管1
1は加圧圧力によって枝管2側に膨らんだ膜状となる。
【0044】この状態となったら、図2(d)に示され
るとおり、栓111を取り外した後、ライナー管11の
膜状に膨らんだ先端部を穿孔し、ライナー管11の内部
から枝管2側に膨らんだライナー管11の部分に押し治
具4の先端部41を押し当てる。押し治具4は搬送機4
5に積載されて機械的に押し治具4の先端部を上下に移
動可能とされ、加熱用のエネルギーを供給されている。
【0045】図2(e)に示されるように、押し治具4
の先端部41を加熱しライナー管11を枝管2内部に押
し込んでいく。押し込み早さ及び押し込み長さは、ライ
ナー管3が破断しないように、適用されるライナー管1
1の内径、厚さ、及び枝管2の内径によって適宜選択し
て決められれば良い。押し治具4の先端部41を押し込
み、ライナー管11の折り曲げられた部分が枝管2内側
に既にライニングされているライナー管2に装着された
止水材5に密着すれば押し込みを中止し、押し治具4を
取り外して主管1と枝管2とを連通させる。図1(f)
に示されるように、止水材5が折り曲げられたライナー
管11とライナー管21との間に配置されて固定された
状態となってライニングが完了する。
【0046】図3は、押し治具4の先端部41の一例を
示す説明図である。本例においては、先端部41は、断
面中央部が3段のテレスコープ状に順次突出されるよう
先端部が同心円状の円筒状体3個が入れ子状に組み合わ
されている。入れ子になっている円筒状体42、43、
44はそれぞれが加熱機能を有している。
【0047】押し治具4の先端部41がライナー管11
に押し当てられた時は、1段目先端部42のみが枝管2
内部側に膨らんで変形したライナー管11の接触してい
る。先端部41を移動させ、枝管2の内部側にライナー
管11を押し込み変形すると共に、2段目先端部43を
突出させライナー管11の1段目先端部42に接着して
いた円周部の内側に接触させる。更に押し込み変形を進
め、3段目先端部44を突出させて更に内側に接触させ
ていく。このように押し込み変形に伴い、順次、先端部
41の接触箇所を枝管接続口3の開孔中心側に移動して
いくことにより、押し込み変形されたライナー管11の
偏肉が極小となる。
【0048】図4は、押し治具4の先端部41の別の一
例を示す説明図である。図4(a)から図4(c)に示
されるように、入れ子になっている先端部42、43、
44全てが完全に突出した状態で半球凸状となる形状で
あれば、押し込まれるライナー管11の偏肉が更に小さ
くなるので、より好都合である。
【0049】
【発明の効果】以上の通りであるので、本発明の枝管接
続部のライニング方法は、内面に熱可塑性合成樹脂管が
密着された管と枝管とを接続する際に、ライナー管が厚
肉であっても、それを折り曲げて枝管の取付部分のライ
ニングが完全に行え、しかも充填剤が枝管と折り曲げら
れたライナー管との間に充填されるので、長期使用時で
も漏水が起こらない枝管取付部のライニング方法となる
のである。また、実施例に示される通り、特に老朽化し
た小口径の既設下水管本管の内面を熱可塑性合成樹脂管
でライニング補修される場合に、ライナー管が厚肉であ
っても折り曲げ加工ができてライニング加工が可能であ
り、かつ下水管に接続される取付管の取付箇所からの漏
水を長期使用時でも防止できる下水管の更生方法に適し
たライニング方法として適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の枝管取付部のライニング方法の一例
の実施手順を示す説明図である。 (a) 下水本管にライナー管をライニングする説明
図。 (b) 枝管接続部を加熱加圧する説明図。 (c) 押し治具を押し当てる説明図。 (d) 押し治具でライナー管を押し込み変形させる説
明図。 (e) 止水材を装着する説明図。 (f) 枝管にライナー管がライニングされた説明図。
【図2】本発明2の枝管取付部のライニング方法の一例
の実施手順を示す説明図である。 (a) 枝管にライナー管をライニングする説明図。 (b) 止水材を装着し下水本管にライナー管をライニ
ングする説明図。 (c) 枝管接続部を加熱加圧する説明図。 (d) 押し治具を押し当てる説明図。 (e) 押し治具でライナー管を押し込み変形させる説
明図。 (f) 枝管取付部のライニング完了説明図。
【図3】押し治具の先端部の一例を示す説明図である。 (a) 1段目先端部のみがライナー管に接触している
説明図。 (b) 2段目先端部が突出した説明図。 (c) 3段目先端部まで突出した説明図。
【図4】押し治具の先端部の別の一例を示す説明図であ
る。 (a) 1段目先端部のみがライナー管に接触している
説明図。 (b) 2段目先端部が突出した説明図。 (c) 3段目先端部まで突出した説明図。
【符号の説明】
1 既設老朽下水道管本管 11本管用ライナー管 111 栓 2 枝管 21 枝管用ライナー管 3 枝管接続口 4 押し治具 41 押し治具先端部 42 1段目先端部 43 2段目先端部 44 3段目先端部 45 押し治具搬送機 5 止水剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主管と枝管とからなる管路の枝管接続部
    において、主管内部に拡径して主管内壁面に密着する熱
    可塑性合成樹脂管であるライナー管1を挿入し、加熱及
    び/又は加圧して主管内壁面に拡径密着し、該接続部の
    ライナー管1を軟化温度に加熱して主管内側からライナ
    ー管1を枝管接続部から押し治具で枝管内部側に押し曲
    げて枝管内壁面に密着し、主管と枝管とを連通し、枝管
    内壁面に押し曲げられたライナー管1の内面管壁に弾性
    体からなる止水材を装着し、枝管内部に拡径して枝管内
    壁面に密着する熱可塑性合成樹脂管であるライナー管2
    を挿入し、上記弾性体からなる止水材を被嵌して配置
    し、加熱及び/又は加圧して枝管内壁面に拡径密着する
    と共に上記弾性体からなる止水材をライナー管1とライ
    ナー管2とで挟持することを特徴とする枝管接続部のラ
    イニング方法。
  2. 【請求項2】 主管と枝管とからなる管路の枝管接続部
    において、枝管内部に拡径して枝管内壁面に密着する熱
    可塑性合成樹脂管であるライナー管2を挿入し、加熱及
    び/又は加圧して枝管内壁面に拡径密着し、密着された
    ライナー管2の内面管壁の枝管接続部近傍に弾性体から
    なる止水材を装着し、主管内部に拡径して主管内壁面に
    密着する熱可塑性合成樹脂管であるライナー管1を挿入
    し、ライナー管1を加熱及び/又は加圧して主管内壁面
    に拡径密着しつつ主管内側からライナー管1を枝管接続
    部から押し治具で枝管内部側に押し曲げ、上記弾性体か
    らなる止水材をライナー管1とライナー管2とで挟持
    し、主管と枝管とを連通することを特徴とする枝管接続
    部のライニング方法。
  3. 【請求項3】 弾性体が、合成ゴム製Oリング;シリコ
    ン系弾性充填剤;エポキシ系又はウレタン系弾性充填剤
    のいずれか又はこれらの組み合わせであることを特徴と
    する請求項1乃至2記載の枝管接続部のライニング方
    法。
  4. 【請求項4】 押し治具が断面円形状であって加熱手段
    を有し、かつその熱可塑性合成樹脂管の内壁面に当接す
    る部分が、押し治具の輪切り方向の断面の最外周の円周
    部分から、押し込まれるにつれて押し治具の断面の中心
    側に順次移動することを特徴とする、請求項1乃至3記
    載の枝管接続部のライニング方法。
  5. 【請求項5】 ライナー管1及び/又はライナー管2
    が、主管及び/又は枝管の内周壁にホットメルト型接着
    剤若しくは止水材を介して密着されていることを特徴と
    する請求項1乃至4記載の枝管接続部のライニング方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008087442A (ja) * 2006-10-05 2008-04-17 Japan Engineering Kk 管体の再生方法
CN112706410A (zh) * 2020-11-27 2021-04-27 上品兴业氟塑料(嘉兴)有限公司 一种氟素树脂内衬无缝塔器的制备方法
CN114193757A (zh) * 2021-12-10 2022-03-18 华创天元实业发展有限责任公司 一种分步式钢骨架塑料复合管斜三通加工设备及方法

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