JPH0526308U - 繊維板 - Google Patents
繊維板Info
- Publication number
- JPH0526308U JPH0526308U JP8232491U JP8232491U JPH0526308U JP H0526308 U JPH0526308 U JP H0526308U JP 8232491 U JP8232491 U JP 8232491U JP 8232491 U JP8232491 U JP 8232491U JP H0526308 U JPH0526308 U JP H0526308U
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- JP
- Japan
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- fiberboard
- wood
- coating
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- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 殺虫、殺菌、芳香等の所望の機能を発揮する
繊維板であって、高度の気密性を有する家屋において建
築材料や家具材料として好適に用いることのできるもの
を提供する。 【構成】 繊維板の少なくとも表面/裏面にフィトンチ
ッドを塗布含浸することによってフィトンチッド塗布含
浸層が形成される。フィトンチッド塗布含浸層からフィ
トンチッドが徐々に大気中に放散され、所望の機能を長
期間にわたって持続的に発揮する。
繊維板であって、高度の気密性を有する家屋において建
築材料や家具材料として好適に用いることのできるもの
を提供する。 【構成】 繊維板の少なくとも表面/裏面にフィトンチ
ッドを塗布含浸することによってフィトンチッド塗布含
浸層が形成される。フィトンチッド塗布含浸層からフィ
トンチッドが徐々に大気中に放散され、所望の機能を長
期間にわたって持続的に発揮する。
Description
【0001】
本考案は、木材を解繊して得られる木質繊維を接着剤を介して圧締接着してな る木質繊維板に関し、特に芳香、防虫、防菌等の作用を発揮する木質繊維板に関 する。
【0002】
木材を解繊して得られる木質繊維を接着剤を介して圧締接着してなる木質繊維 板は公知であり、家屋における建築材料や家具材料として一般に広く用いられて いる。
【0003】
近年、建築工法や建築材料等の進歩により、家屋の気密性が向上してきている 。この気密性の向上は、防音や省エネルギーの見地からは有益であるが、室内に おける空気の滞留や温湿度の上昇をもたらす結果、生活臭の発生、結露の発生、 雑菌の繁殖等の問題が顕在化するに至っている。高度の気密性による空気の滞留 や温湿度の上昇は、特に、台所、洗面所、風呂等の水回り、押入れ、納戸、床下 或いは天井裏等の収納部において顕著であり、カビ、ダニ、細菌、ゴキブリ等の 発生・繁殖に適した温床となり、環境衛生上及び健康上の大きな問題となる。
【0004】 従来一般に用いられている木質繊維板においては、このような問題に対する考 慮が全くなされていない。
【0005】
そこで本考案は、上記従来技術の欠点を解消し、芳香、防虫、防菌等の作用を 発揮することのできる木質繊維板を提供し、高度の気密性を有する家屋において これを建築材料や家具材料として好適に用いることを可能にすることを目的とす る。
【0006】 この目的を達成するため、本考案による木質繊維板は、木材を解繊して得られ る木質繊維を接着剤を介して圧締接着してなる木質繊維板において、その少なく とも表面及び/又は裏面にフィトンチッド塗布含浸層が形成されてなることを特 徴とする。
【0007】 本考案による木質繊維板は以下のようにして得られる。まず、スギ、ヒノキ、 ヒバ、マツ、シラカバ、マキ、ネズコ、クスノキ、クヌギ、イチョウ、ツバキ、 スプルース、ラワン、カポール、クリ、ポプラ、ヤナギ、アガチス、ケヤキ、オ ーク、セン、チーク、ナラ等の針葉樹材或は広葉樹材の木材チップを、高温高圧 蒸気下で蒸煮して更に脱脂軟化処理した後、解繊装置を用いて解繊して木質繊維 を得る。用いる木質繊維は単一樹種よりなるものであっても複数樹種を任意混合 したものであっても良い。場合によっては木質繊維に代えてサトウキビ、トウモ ロコシの茎、ヤシ殻、竹等の他の植物繊維を用いることができる。
【0008】 得られた木質繊維は乾燥により適正含水率に調整された後、混合装置に送られ て、その表面に接着剤を塗布される。接着剤としては、尿素樹脂、フェノール樹 脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂 、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、或はこれらの変性樹脂等の合成樹脂接着剤、イ ソシアネート系接着剤、ゴム又は合成ゴム系接着剤等の任意の熱硬化性或は熱可 塑性接着剤が用いられる。
【0009】 次いで、この接着剤を塗布された木質繊維を風送搬送して一定厚の木質繊維マ ットを形成し、更にこれを定寸裁断した後、圧締成形一体化することによって繊 維板が得られる。
【0010】 本考案においては、このようにして得られる繊維板の表面及び/又は裏面にフ ィトンチッドをフローコーター、ロールコーター、リバースコーター等の任意塗 布装置を用いて塗布含浸して、フィトンチッド塗布含浸層が形成される。フィト ンチッドとは、天然木(幹、枝、葉、根株、木皮、樹脂等)を蒸留、圧搾、溶媒 抽出等により精製して得られる精油であって、具体的には、α−ピネン、β−ピ ネン、ジペンテル、リモネン、テルピノレン等のモノテルペン、カジネン、ロン ギホレン等のセスキテルペン、カンホレン、ミレン等のジテルペン等のテルペン =(C5H8)n=を主成分とするものであって、一般にはテレピン油と呼称さ れている。
【0011】 フィトンチッドは、精油状態(溶媒希釈する場合もある)のまま、又はエマル ジョンタイプとして、或は精油を内部に封入したマイクロカプセルタイプのもの を水、合成樹脂等に分散した状態で用いられる。精油状態で使用されるフィトン チッドは大気中への放散が比較的早いため速効性であって短期効果が大きく、ま たエマルジョンタイプやマイクロカプセルタイプとして使用される場合は遅効性 ・持続性であって長期効果が期待できる。更に、エマルジョンタイプやマイクロ カプセルタイプの場合には、エマルジョン外皮又はマイクロカプセル外殻を構成 する物質や外皮・外殻の厚さを変えることにより、フィトンチッドの放散量を適 宜コントロールすることができる。
【0012】 フィトンチッドの樹種は、スギ、ヒノキ、ヒバ、マツ、シラカバ、マキ、ネズ コ、クスノキ、クヌギ、イチョウ、ツバキ、トガサワラ等任意のものであって良 く、場合によっては他の植物より得られるフィトンチッドを用いることもできる 。フィトンチッドは、その樹種によって多少異なるものの、殺菌、殺ダニ、殺虫 、殺綜虫、抗微生物、抗菌、薬理、脱臭、芳香、鎮静等の多くの機能を持つ。例 えばスギのフィトンチッドは特に殺菌、殺ダニ、脱臭機能に優れ、ヒバのフィト ンチッドは特に抗微生物、殺菌機能に優れ、ヒノキのフィトンチッドは特に抗菌 、脱臭機能に優れ、トガサワラのフィトンチッドは特に殺虫、殺菌、殺綜虫機能 に優れ、シラカバのフィトンチッドは特に抗菌、殺虫機能に優れている。またフ ィトンチッドは人体に対する森林浴効果を発揮し、環境衛生及び健康上の効果も 優れている。
【0013】 本考案において、繊維板の少なくとも表裏面に塗布含浸されるフィトンチッド は、用いられる木質繊維と同じ樹種材より得られる一種又は複数種のものであっ ても、又これとは異なる樹種材より得られる一種又は複数種のものであっても良 く、更には同一樹種材より得られるものと異なる樹種材より得られるものとを混 合して用いることもできる。例えば、トガサワラの木質繊維を用いて成形して得 られる繊維板の表裏面に、同じくトガサワラから得られるフィトンチッドを塗布 含浸剤して、本考案の繊維板とすることができる。この繊維板においては、トガ サワラのフィトンチッドが長期間にわたって徐々に放散され、殺虫、殺菌、殺綜 虫機能を発揮する。
【0014】 また、例えばラワン材の木質繊維を用いて繊維板を成形すると共に、異なる樹 種、例えばヒバより得られるフィトンチッドを封入したマイクロカプセルを用い 、これを繊維板の表裏面に塗布含浸させて、本考案の繊維板とすることができる 。この繊維板においては、比較的安価に得られる樹種の木質繊維を用いながらも 、ヒバのような高級樹種のフィトンチッドによる芳香が得られるため、高級樹種 の繊維板に疑似させることができる。
【0015】 更に複数樹種のフィトンチッドを混合して繊維板の表裏面に塗布含浸させるこ とにより、それぞれのフィトンチッドの有する機能を兼ね備えた繊維板とするこ とができる。例えば、ヒバのフィトンチッドとスギのフィトンチッドとを混合し て用いると、ヒバのフィトンチッドによる抗微生物、殺虫機能と、スギのフィト ンチッドによる殺菌、殺ダニ、脱臭機能とがそれぞれ発揮される。このようにし て複数樹種のフィトンチッドを任意に組み合わせて用いることにより、所望の機 能を兼ね備えた繊維板を得ることができる。
【0016】
図1は本考案の一実施例としてトガサワラの木質繊維を用いて成形した繊維板 1を示し、少なくともその表面層2及び裏面層3に、同じくトガサワラより得ら れたフィトンチッドを塗布含浸させたものでる。この繊維板1における表面層2 及び裏面層3は、フィトンチッド塗布含浸層とされているので、長期間にわたっ てトガサワラのフィトンチッドによる機能が発揮されるものであった。
【0017】
繊維板の少なくとも表面層/裏面層にフィトンチッド塗布含浸層が形成されて いるため、フィトンチッドが徐々に大気中に放散され、その機能が長期間にわた って持続的に発揮される。本考案の繊維板においては所望樹種のフィトンチッド からの芳香が得られるので、低級材による木質繊維を用いた場合にも高級な木質 感を表現することができる。更に、用いられるフィトンチッドの有する殺菌、殺 虫、脱臭等の特有の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による繊維板を示す断面図で
ある。
ある。
1 繊維板 2 表面層 3 裏面層
Claims (1)
- 【請求項1】 木材を解繊して得られる木質繊維を接
着剤を介して圧締接着してなる木質繊維板において、そ
の少なくとも表面及び/又は裏面にフィトンチッド塗布
含浸層が形成されてなることを特徴とする繊維板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232491U JPH0526308U (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 繊維板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232491U JPH0526308U (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 繊維板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0526308U true JPH0526308U (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=13771384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8232491U Pending JPH0526308U (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 繊維板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0526308U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0526307U (ja) * | 1991-09-13 | 1993-04-06 | 富泰 本多 | 繊維板 |
JP2002522267A (ja) * | 1998-08-11 | 2002-07-23 | ヴィルムス ハインリッヒ | 殺菌性の抗菌木材パーチクル−積層品 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62184804A (ja) * | 1986-02-10 | 1987-08-13 | 一丸フアルコス株式会社 | 木質系材用白蟻忌避剤及びそれによつて処理された木質系建材又は家具類 |
JPH0526307B2 (ja) * | 1984-05-15 | 1993-04-15 | Mitsubishi Electric Corp | |
JP4107004B2 (ja) * | 2002-07-30 | 2008-06-25 | 日立電線株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極集電体及びリチウムイオン二次電池用負極集電体の製造方法 |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP8232491U patent/JPH0526308U/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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