JPH05263029A - 水性記録用インク - Google Patents

水性記録用インク

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JPH05263029A
JPH05263029A JP4062398A JP6239892A JPH05263029A JP H05263029 A JPH05263029 A JP H05263029A JP 4062398 A JP4062398 A JP 4062398A JP 6239892 A JP6239892 A JP 6239892A JP H05263029 A JPH05263029 A JP H05263029A
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JP
Japan
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water
ink
soluble resin
pigment
resistance
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JP4062398A
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English (en)
Inventor
Michiya Tsukahara
道也 塚原
Junko Shimizu
純子 清水
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】印字濃度、耐光性、耐水性、微細な吐出ノズル
の目詰まり防止、印字物の耐擦性、指触性が優れるこ
と、速乾性が完全ベタ部で30秒以下であること、長期
間、高温下、低温下保存中に色材粒子の凝集、沈降、イ
ンク物性及び固形分の析出がないこと、溶剤等を後添加
しても分散安定性及び保存安定を損なわないことの各特
性をすべて満足する水性記録用インクを提供する。 【構成】少なくとも、水と、顔料及び/またはカーボン
ブラックの色材と、水溶性樹脂を含有する水性記録用イ
ンクにおいて、インク中に溶解している水溶性樹脂が2
〜10wt%であることを特徴とし、インク中に溶解し
ている水溶性樹脂として、水に対する溶解度が15%以
上(20℃)の水溶性樹脂を1種類以上含有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体インクを用いて記
録を行うインクジェットプリンタに供する水性記録用イ
ンクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録用インクは水
及び有機溶剤、ワックス等に着色剤として染料を溶解さ
せたものが主なものであったが、その記録物は染料の特
性上、耐光性、耐水性に乏しいものであった。それを解
決するために、着色剤としてカーボンブラック、アニリ
ンブラック等の顔料を用いたインクが考案され、そのイ
ンクに水溶性高分子を含む例が特公平1−15542号
公報、特開昭58−63766号公報、特開平2−25
5875号公報、特開平2ー276874号公報、等に
記載されている。
【0003】水性分散系インクは、染料系と比較してそ
の特性上、印字濃度、耐光性、耐水性等が向上するもの
の、微細な吐出ノズルを目詰まりさせないこと、印字物
の耐擦性、指触性が優れること、速乾性が完全ベタ部で
30秒以下、長期間、高温下、低温下保存中に色剤粒子
の凝集、沈降、インク物性及び固形分の析出がないこ
と、溶剤を後添加しても分散安定性及び保存安定を損な
わないこと等が要求される。しかし、前記の従来技術で
得られたインクは、これらのインクジェット記録に必要
な特性全てを完全に満足するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこの
ような問題点を解決するもので印字濃度、耐光性、耐水
性等、微細な吐出ノズルの目詰まり防止、印字物の耐擦
性、指触性が優れること、速乾性が完全ベタ部で30秒
以下であること、長期間、高温下、低温下保存中に色材
粒子の凝集、沈降、インク物性及び固形分の析出がない
こと、溶剤等を後添加しても分散安定性及び保存安定を
損なわないことのインクジェット記録に必要な各特性す
べてを満足する水性記録用インクを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水性記録用イン
クは、少なくとも、水と、顔料及び/またはカーボンブ
ラックの色材と、水溶性樹脂を含有する水性記録用イン
クにおいて、インク中に溶解している水溶性樹脂が2〜
10wt%であることを特徴とし、インク中に溶解して
いる水溶性樹脂として、水に対する溶解度が15%以上
(20℃)の水溶性樹脂を1種類以上含有することを特
徴とする。また望ましくは水に対する溶解度が15%以
上(20℃)の水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン及
び/または、ポリビニルアルコールであることを特徴と
する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0007】本発明に用いることができる着色剤として
の顔料は特に限定されるものではなく、主溶媒である水
との親和性がよいものであれば使用でき、例えば、白黒
用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、ア
セチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブ
ラック類、または銅、鉄、酸化チタン等の金属類、アル
トニトロアニリンブラック等の有機顔料が挙げられる。
更にカラー用としては、トルイジンレッド、パーマネン
トカーミンFB、ファストイエロAAA、ジスアゾオレ
ンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6
B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ジオ
キサンバイオレット、ピクトリアピュアブルー、アルカ
リブルートナー、ファーストイエロー10G、ジスアゾ
エローAAMX、ジスアゾエローAAOT、ジスアゾエ
ローAAOA、黄色酸化鉄、ジスアゾエローHR、オル
トニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレン
ジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラ
レッド、ブリリアントファーストスカーレット、ナフト
ールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2
B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2
B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピ
グメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10
B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ロ
ーダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、べんがら、ファ
フトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバ
イオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ベーシ
ックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、
ファストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピー
コックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー
2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレ
ーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタ
ロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシア
ニングリーンY、酸化鉄粉、さびこ、亜鉛華、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナ
ホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、昼光けい光顔
料、パール顔料、ナフトールカーミンFB、ナフトール
レッドM、パーマネントカーミンFB、ファストエロ
G、ジスアゾエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、
レーキレッドC、ジオキサンバイオレッド、アルカリブ
ルーGトナー等、その他顔料表面を樹脂等で処理したグ
ラフトカーボン等の加工顔料等が使用できる。その添加
量は、1〜30重量%が好ましいが、さらには3〜12
重量%が好ましい。粒経は25μm以下から顔料を用い
るが、さらには1μm以下の粒子からなる顔料を用いる
ことが好ましい。
【0008】上記の顔料は、本願が目的とする印字濃
度、耐光性、耐水性等の向上に寄与するものである。
【0009】本発明に用いられるインク中に2〜10w
t%以上溶解する、溶解度15%以上の水溶性物質とし
ては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
ので平均分子量が10,000〜300,000の水溶
性高分子が好ましい。また水酸基、カルボキシル基、エ
チレンオキサイド基、アミン基等の親水基を有す上記樹
脂の変性品、またはその他の樹脂で溶解度が15wt%
を越える物、例えばにかわ、ゼラチン、カゼイン、アル
ブミン、アラビアゴム、アルギン酸、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシ
ド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、ポ
リビニルエーテル等であっても問題はない。添加方法と
してはそれらの1種、または、2種以上を混合して用い
ることができる。その添加量は、色材添加量に対して2
0重量%〜200重量%がよい。ただし添加量を増加さ
せていくことで、インク粘度も増大していくのでインク
全体に対し、20重量%程度に添加量を抑えるのが好ま
しい。
【0010】また、その他の本発明に用いられるインク
中に2〜10wt%溶解せしめる、水溶性樹脂として
は、ポリアクリル酸、アクリル酸・アクリロニトリル共
重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合物、酢
酸ビニル・エチレン共重合物、酢酸ビニル・脂肪酸ビニ
ルエチレン共重合物、酢酸ビニルマレイン酸エステル共
重合物、タンパク質類、天然ゴム類、グルコシド類、セ
ルロース誘導体、ポリエチレングリコールエステル類、
脂肪酸アミド縮合体類、ポリエチレングリコールエーテ
ル類、メラミン樹脂、等の高分子分散剤、ポリオキシエ
チレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサ
イド縮合型等のノニオン界面活性剤を使用することがで
きる。
【0011】上記の水溶性高分子は、それらを色材に対
し適当量添加することにより、水溶性樹脂が色材を取り
囲む形で保護層を形成することにより保存安定性をさら
に向上させ、かつ色材に吸着していない2〜10wt%
の水溶性樹脂は色材の被転写物への定着剤として作用
し、印画物の耐擦性を向上させる。また水溶性樹脂1は
水への溶解度が15%以上であり、その他の有機溶媒と
組み合わせることにより水分が蒸発しても再分散性が得
られるため目詰まり防止に対し効果がある。
【0012】また水溶性樹脂の添加量が10wt%を越
えると、粘度が高くなってしまい、最適なインク飛翔が
できない、また被転写体上に転写された後、汗ばんだ手
等の湿気を帯びたものと接触した場合、または擦られた
場合、加圧された場合は印字がにじむ、かすれる、薄く
なるという問題点が生じてしまう。
【0013】従って上記の水溶性樹脂は2から10wt
%添加することにより、本開発が目的とする長期間、高
温下、低温下保存中に色材粒子の凝集、沈降、インク物
性及び固形分の析出がないこと、溶剤等を後添加しても
分散安定性及び保存安定を損なわないこと、耐擦性向
上、湿気を含むものに対する耐擦性、再分散性付与によ
る目詰まり防止の各特性に寄与するものである。
【0014】これに対し、インク中に溶解している水溶
性樹脂の添加量が2wt%未満であった場合、また水に
対する溶解度が15wt%未満の水溶性樹脂の場合に
は、十分な再分散性が得られず、目詰まりの原因になっ
てしまう。
【0015】さらには金属、プラスチック等のインクジ
ェットヘッド、インク供給流路インクをぬれ易くし、ス
ムーズなインク供給、またインク吐出不良の原因となる
インク中の気泡の除去を可能にする効果がある。
【0016】ノニオン界面活性剤以外でも、上記の水溶
性高分子と同様な効果が得られる分散剤、界面活性剤で
あれば用いることができる。例えばアニオン界面活性剤
としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸
塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスル
ホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀
酸エステル塩、ナフテン酸塩等、カチオン界面活性剤と
しては、脂肪族アミン塩、第4アンモニウム塩、スルホ
ニウム塩、ホスフォニウム塩等、両性界面活性剤として
はベタイン型等、ノニオン界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレン
オキサイド縮合型等使用することができる。また、炭化
水素系界面活性剤の添加は、同時にインクと紙表面との
濡れ性をも改善し、インクの紙への浸透を促すので印字
品質を低下させる可能性がある。その作用の少ないフッ
素系界面活性剤の添加も有用である。
【0017】従来からインク用溶媒としては、低粘度で
あること、安全性に優れること、取扱が容易であるこ
と、コストが安いこと、臭気が無いこと等の理由より主
に水が用いられている。
【0018】本発明のインクはこの主溶媒に対して、乾
燥性、定着性の向上を目的として、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、等の高揮発性
の一価のアルコールさらにはヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール等の比較的低揮発性のアルコール類の
水溶性に優れる有機溶媒も添加し、インク媒体として用
いることができる。
【0019】また本発明のインクは、ノズルの耐目詰ま
り性向上を目的としてグリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等の高沸点低揮発性かつ高表
面張力の多価アルコール類、さらにはトリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等の多価アルコール類、あるいはそれらのモノエーテ
ル化物、ジエーテル化物、エステル化物、例えばエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等、その他Nメチル2ピロ
リドン、1.3ージメチルイミダゾリジノン等の含窒素
有機溶剤等の水溶性有機溶剤を印字のにじみが生じない
範囲で添加することが出来る。
【0020】上記の有機溶媒は、本発明が目的とする微
細な吐出ノズルの目詰まり防止、印字物の耐擦性、指触
性が優れること、速乾性が完全ベタ部で30秒以下であ
ることに寄与する。
【0021】その他必要に応じて、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム等のpH調整剤、防カビ、
防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキ
サクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸
エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等を含
むことができる。さらにノズル乾燥防止の目的で、尿
素、チオ尿素、エチレン尿素等添加することができる。
さらにノズル乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチ
レン尿素等添加することができる。
【0022】またインクの長期保存に伴うかび発生、腐
食、品質劣下を防止するために、市販されている防カビ
剤、防錆剤等を必要に応じ添加してもよい。
【0023】本発明のインクに要求される物性は、粘度
1〜20mPa・秒(常温)、表面張力40〜70mN
/m(常温)の範囲が本発明の目的とする効果を満足す
るには適当である。
【0024】以下に本発明の実施例1〜9、および比較
例1〜6のインク組成を表1に示す。表1中の数値は、
すべて重量%である。
【0025】実施例1 ここで用いたMAー100は三菱化成工業社製カーボン
ブラック、また水溶性樹脂1として用いているPVP
(K−30)は、東京化成社製平均分子量約40,00
0のポリビニルピロリドンであった。
【0026】インクの製造は以下の手順で行ったがこれ
に限定されるものではない。まずカーボンブラックと分
散剤を水中にてペイントシェイカーを用いて30分以上
攪袢混合し、粒径が約1μm以下になったことを顕微鏡
観察により確認し、そこへポリビニルピロリドンを添加
し更に30分混合攪袢し完全に溶解させる。その分散液
を5μmのメンブランフィルターにて減圧濾過してゴミ
及び粗大粒子を除去した後、グリセリンとエタノールを
添加して、5分攪はんし、平均粒径0.16μm、PH
7の水性記録用インクを得た。最後にもう一度濾過操作
を行うことは不純物の混入防止に効果的である。
【0027】以下の実施例は上記とほぼ同様な手順にて
作成した。
【0028】実施例2 ここで用いたMAー100は三菱化成工業社製カーボン
ブラック、また水溶性樹脂1として用いているPVP
(K−30)は、東京化成社製平均分子量約40,00
0のポリビニルピロリドンであった。
【0029】実施例3 ここで用いたMAー11は三菱化成工業社製カーボンブ
ラック、また水溶性樹脂1として用いているPVP(K
−30)は、東京化成社製平均分子量約40,000の
ポリビニルピロリドンであった。
【0030】実施例4 ここで用いたVulcan scはキャボット社製カー
ボンブラック、また水溶性樹脂1として用いているPV
P(K−60)は、東京化成社製平均分子量約160,
000のポリビニルピロリドンであった。
【0031】実施例5 ここで用いたRAVEN150はコロンビアカーボン社
製カーボンブラック、また水溶性樹脂として用いている
ポリビニルアルコール(B03)は、電気化学工業
(株)社製の水溶性樹脂であった。
【0032】実施例6 その他の成分としては、プロキセル xl2(ICI
製)を水溶性インクの防腐剤として小量添加することが
出来る。
【0033】ここで用いた顔料は大日本インキ化学工業
社製カラートナー用有機顔料である。
【0034】以下実施例1と同様。
【0035】実施例7 ここで用いた顔料は大日本インキ化学工業社製カラート
ナー用有機顔料である。
【0036】以下実施例1と同様。
【0037】実施例8 ここで用いた顔料は大日本インキ化学工業社製カラート
ナー用有機顔料である。
【0038】以下実施例1と同様。
【0039】その他の成分としては、TrilonBS
(BASF社製EDTA)を水溶性インクの防腐剤とし
て小量添加することが出来る。
【0040】比較例1 比較例1は水溶性樹脂が2wt%未満である組成例であ
る。以下実施例1と同様。
【0041】比較例2 比較例2も水溶性樹脂が2wt%未満である組成例であ
る。以下実施例1と同様。
【0042】比較例3 比較例3は水溶性樹脂が10wt%を越える組成例であ
る。
【0043】以下実施例1と同様。
【0044】比較例4 比較例4は水溶性樹脂の溶解度が15wt%未満である
組成例である。
【0045】以下実施例1と同様。
【0046】こうして得られた実施例1〜8、比較例1
〜4のインクサンプルについて、B形粘度計1号ロータ
(東京計器社製)で20℃における粘度測定と、HVL
−ST形表面張力計(協和界面科学社製)で25℃にお
ける表面張力測定を行った。さらに図1及び図2に示す
如きインクジェットプリンタヘッドを用いた印字試験を
行った。図1は本実施例に用いたインクジェットヘッド
構造を示す説明図である。具体的にはキャビティ3の壁
面に、積層された圧電素子よりなる圧力発生部材2が接
着された構造を有す。駆動時には、印加電圧により圧力
発生部材2がたわむことによってキャビティ内のインク
を加圧することによりインクが吐出される。
【0047】本インクジェットプリンタヘッドの吐出ノ
ズル径は50μm、圧電素子駆動電圧50V、駆動周波
数2kHz、解像度300ドット/インチであった。
【0048】図2は上記の図1のインクジェットヘッド
と吐出原理と基本構成は同じであるが、ノズルの位置が
圧力発生部材の前面にある点と、インク室が各ノズル毎
いに分割されておらず共通のインク室内のインクを吐出
する点が異なる。
【0049】上述の如きインクジェットプリンタヘッド
の構造によれば、吐出スピードが早いためインクの転写
面積が広くなる、少ドット化が可能、高解像度化が可
能、粘度、表面張力等のインク物性に対するマージンが
広い、目詰まりしにくい等のインジェットプリンタとし
てのすぐれた特性が得られる。
【0050】印字評価は印字サンプルの200倍の顕微
鏡観察による印字品質評価、べた印字後、記録紙を印字
面に合わせてインク移りがなくなるまでの時間を調査す
る速乾性評価(表中の数値の単位は秒)、べた印字後2
時間放置した後指で強く擦る定着性評価、40℃2日間
放置後の印字におけるドット抜けの様子を調査する吐出
安定性評価を行った。
【0051】またガラス製サンプル瓶密閉中における環
境温度−30℃、70℃にて7日間で放置後、室温で放
置させたインク中の顔料粒子の凝集度合を顕微鏡で観察
し調査する保存安定性評価を行った。以上の結果を表1
に示す。
【0052】
【表1】
【0053】なお記録紙にはゼロックス社PPC用紙を
用いた。また表1中の粘度の単位はmPa・s(20
℃)、表面張力の単位はmN/m(20℃)である。
【0054】また表中の記号は、各評価結果を基に、
○:優れる、問題無し、△:若干問題がある、×:劣
る、明らかに問題がある、の三段階の主観評価の結果を
示す。
【0055】本発明の水性記録用インクは、いずれも今
回実施した全ての評価でにじみの無い高印字品質で、紙
上のインクが重ねられた紙へ裏移りしなくなるまでの時
間は約15〜30秒(従来は30秒〜1分)に短縮でき
た。さらに定着性も十分であり、吐出安定性、保存安定
性(凍結安定性)も良好な結果が得られ、これらの特性
全てを満足することが出来た。一方比較例1〜3のイン
クでは、印字品質、即乾性吐出安定性、保存安定性(凍
結安定性)、紙上での定着性(記録物を擦った時の汚
れ、濃度低下を防止する)の両立が出来なかった。また
比較例4のインクでは、目詰まり、粘度が高すぎる、凝
集物が発生しやすい等の問題が発生し評価不可能なレベ
ルであった。
【0056】以上の結果は今回の組成が、樹脂によるカ
ーボンブラックの定着効果、高沸点低揮発性溶媒による
ノズル内の目詰まり防止効果、一価のアルコールによる
インクの乾燥性制御効果等がバランスがとれ、かつ今回
用いたインクジェットヘッドとの特性マッチッチングが
最適化されたことによる。
【0057】さらに詳しくは、従来、エタノール等揮発
性の溶剤を用いて乾燥性の向上を図った場合、通常の分
散系インクではノズル近傍で、溶媒分が蒸発し、析出、
固着した顔料が原因でインクの目詰まりを発生させ易
く、その使用が困難であった。しかし本発明のインクで
はヘッド内、ヘッド前面でのインクの固着までの時間が
長いこと、顔料の再分散性の付与が可能であり析出、固
着した顔料が素早く再分散し復帰することにより、目詰
まりの発生もなく高印字品質と定着性(速乾性)が両立
できる。
【0058】また、印字後の定着性に関しては、本発明
のインクが有す適度な浸透性により、インクが紙中にあ
る程度浸透し、その投錨効果により本発明の水性記録用
インクの様に再分散性を付与してあっても汚れ、濃度低
下、にじみ等の無い十分なレベルが得られた。すなわち
インク中に溶解している水溶性樹脂が2wt%未満であ
れば、十分な色材その他の定着性を確保できない。
【0059】さらに、本発明の水性記録用インクで再生
紙であるゼロックス社製新CK紙、R紙、本州製紙社製
やまゆり紙に前記印字品質評価を行ったところ、上記3
種の再生紙に対し、にじみ等のない良好な印字品質を得
ることができた。
【0060】以上、本発明の実施例を詳細に説明した
が、本発明の水性記録用インクはこれらの構成、材料、
製造方法に限定されるのものではない。
【0061】本発明の水性記録用インクによれば、高印
字品質、高濃度、速乾性、耐目詰まり性、印字物の耐擦
性、指触性に優れることから、ページプリンター、カラ
ープリンター(複数色カラー、フルカラー)、又ライン
ヘッドを用いた高速ページプリンターにも使用できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水性記録
用インクによれば、少なくとも、水と、顔料及び/また
はカーボンブラックの色材と、水溶性樹脂を含有する水
性記録用インクにおいて、インク中に溶解している水溶
性樹脂が2〜10wt%であり、インク中に溶解してい
る水溶性樹脂として、水に対する溶解度が15%以上
(20℃)の水溶性樹脂を1種類以上含有することを特
徴とすることにより、印字濃度、耐光性、耐水性等、微
細な吐出ノズルの目詰まり防止、印字物の耐擦性、指触
性が優れること、速乾性が完全ベタ部で30秒以下であ
ること、長期間、高温下、低温下保存中に色材粒子の凝
集、沈降、インク物性及び固形分の析出がないこと、溶
剤等を後添加しても分散安定性及び保存安定を損なわな
いことのインクジェット記録に要求される各特性すべて
を満足する水性記録用インクが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性記録用インクの記録方法を示した
説明図である。
【図2】本発明の水性記録用インクの記録方法を示した
説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 圧力発生部材(積層圧電素子) 3 キャビテイ部材 4 インク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水と、顔料及び/またはカ
    ーボンブラックの色材と、水溶性樹脂を含有する水性記
    録用インクにおいて、インク中に溶解している水溶性樹
    脂が2〜10wt%であることを特徴とする水性記録用
    インク。
  2. 【請求項2】 インク中に溶解している水溶性樹脂とし
    て、水に対する溶解度が15%以上(20℃)の水溶性
    樹脂を1種類以上含有することを特徴とする請求項1記
    載の水性記録用インク。
  3. 【請求項3】 水に対する溶解度が15%以上(20
    ℃)の水溶性樹脂が、ポリビニルピロリドン及び/また
    は、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求
    項2記載の水性記録用インク。
JP4062398A 1992-03-18 1992-03-18 水性記録用インク Pending JPH05263029A (ja)

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