JPH05261547A - 消耗電極式アーク溶接機 - Google Patents
消耗電極式アーク溶接機Info
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- JPH05261547A JPH05261547A JP6001192A JP6001192A JPH05261547A JP H05261547 A JPH05261547 A JP H05261547A JP 6001192 A JP6001192 A JP 6001192A JP 6001192 A JP6001192 A JP 6001192A JP H05261547 A JPH05261547 A JP H05261547A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 シ−ルド因子によって適正なシ−ルドガス流
量制御を行うことにより、ブロ−ホ−ルの防止とシ−ル
ドガスの消費量を低減させる消耗電極式ア−ク溶接機を
提供する。 【構成】 シ−ルド因子を使って溶接中の加工ト−チ1
先端から溶接母材に向けて流すシ−ルドガス流量を制御
する方法として、少なくともシ−ルド長検出器12、風
速検出器15、電流検出器7の3出力と所定の溶接速度
を設定する速度入力器16からの出力によりガスの流量
をファジィ推論器17により設定し、ガス流量調整器6
を駆動して適正なシ−ルドガス流量に制御する。
量制御を行うことにより、ブロ−ホ−ルの防止とシ−ル
ドガスの消費量を低減させる消耗電極式ア−ク溶接機を
提供する。 【構成】 シ−ルド因子を使って溶接中の加工ト−チ1
先端から溶接母材に向けて流すシ−ルドガス流量を制御
する方法として、少なくともシ−ルド長検出器12、風
速検出器15、電流検出器7の3出力と所定の溶接速度
を設定する速度入力器16からの出力によりガスの流量
をファジィ推論器17により設定し、ガス流量調整器6
を駆動して適正なシ−ルドガス流量に制御する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ア−ク溶接におけるガ
スシ−ルド効果を決定するシ−ルド因子の変化に応じて
シ−ルドガス流量を自動的に調整する消耗電極式ア−ク
溶接機に関する。
スシ−ルド効果を決定するシ−ルド因子の変化に応じて
シ−ルドガス流量を自動的に調整する消耗電極式ア−ク
溶接機に関する。
【0002】
【従来の技術】金属溶接において、溶接ワイヤと金属母
材との間の放電によるア−ク熱を利用し、電極自体を溶
かして接合する消耗電極式ア−ク溶接法は主要な溶接法
である。実作業は周囲環境の影響を受け、高温の溶融部
が周囲の空気に曝されると酸素、水素、窒素など主要な
空気成分が溶融金属の中に多量に溶解し、溶融部の冷却
に伴う溶解度の低下によって過飽和状態となり、母材中
に気泡として残留し、いわゆるブロ−ホ−ルを形成する
ことになる。ブロ−ホ−ルの発生は、溶接部の機械的性
質を著しく低下させる原因となる。そこで、母材および
ワイヤ先端の両方の金属溶融部を周囲の空気雰囲気から
隔離し、ブロ−ホ−ルの発生しないようにするため炭酸
ガスやアルゴンなどの不活性ガスをシ−ルドガスとして
金属溶融部に吹き付けるガスシ−ルド方式の消耗電極式
ア−ク溶接機が使用されている。しかしガスシ−ルド方
式であっても、周囲の風速変化などがある作業環境で
は、十分なシ−ルド効果を得ることができず、強度を損
うブロ−ホ−ルを完全に防ぐことが必要とされている。
材との間の放電によるア−ク熱を利用し、電極自体を溶
かして接合する消耗電極式ア−ク溶接法は主要な溶接法
である。実作業は周囲環境の影響を受け、高温の溶融部
が周囲の空気に曝されると酸素、水素、窒素など主要な
空気成分が溶融金属の中に多量に溶解し、溶融部の冷却
に伴う溶解度の低下によって過飽和状態となり、母材中
に気泡として残留し、いわゆるブロ−ホ−ルを形成する
ことになる。ブロ−ホ−ルの発生は、溶接部の機械的性
質を著しく低下させる原因となる。そこで、母材および
ワイヤ先端の両方の金属溶融部を周囲の空気雰囲気から
隔離し、ブロ−ホ−ルの発生しないようにするため炭酸
ガスやアルゴンなどの不活性ガスをシ−ルドガスとして
金属溶融部に吹き付けるガスシ−ルド方式の消耗電極式
ア−ク溶接機が使用されている。しかしガスシ−ルド方
式であっても、周囲の風速変化などがある作業環境で
は、十分なシ−ルド効果を得ることができず、強度を損
うブロ−ホ−ルを完全に防ぐことが必要とされている。
【0003】従来、消耗電極式ア−ク溶接機においてブ
ロ−ホ−ルの発生を防ぐ手段として、使用するシ−ルド
ガス材料の選択、被加工物の形状(例えば長い管状物)
など特殊な対象に対するシ−ルドガスの吹き付け方法の
改良、溶融部付近に磁場を印加することで溶融部に酸素
などの溶解を防ぐ方法などが考えられている。しかし、
実際的にガスシ−ルド効果を達成するには、溶接中のガ
スシ−ルド効果に影響する要因(以下シ−ルド因子とい
う)を検出して、シ−ルドガスの流量を決定し、ガス流
量そのものを制御する方法が要望されている。すなわ
ち、現実の場で起こるシ−ルド長が長くなったり、周囲
の風速が増加するなどの影響でシ−ルド性が劣化する場
合、シ−ルドガスの流量を変える方法でなければガスシ
−ルド効果を維持することはできない。
ロ−ホ−ルの発生を防ぐ手段として、使用するシ−ルド
ガス材料の選択、被加工物の形状(例えば長い管状物)
など特殊な対象に対するシ−ルドガスの吹き付け方法の
改良、溶融部付近に磁場を印加することで溶融部に酸素
などの溶解を防ぐ方法などが考えられている。しかし、
実際的にガスシ−ルド効果を達成するには、溶接中のガ
スシ−ルド効果に影響する要因(以下シ−ルド因子とい
う)を検出して、シ−ルドガスの流量を決定し、ガス流
量そのものを制御する方法が要望されている。すなわ
ち、現実の場で起こるシ−ルド長が長くなったり、周囲
の風速が増加するなどの影響でシ−ルド性が劣化する場
合、シ−ルドガスの流量を変える方法でなければガスシ
−ルド効果を維持することはできない。
【0004】従来は、シ−ルドガスの流量は溶接作業者
が現場の状態や被加工物の構造などを考慮して、経験的
に手動で調整するという方法が行われている。
が現場の状態や被加工物の構造などを考慮して、経験的
に手動で調整するという方法が行われている。
【0005】従来の消耗電極式ア−ク溶接機のト−チ先
端部と母材表面の位置関係を図5に示す。溶接時にはシ
−ルドガス1がノズル2から母材3の表面へ向けて矢印
のように吹きつけられ、また電極チップ4の先端から供
給されるワイヤ5と母材3との間でア−ク放電6が生じ
る。電極チップ4と母材3の表面との距離を突き出し長
7(以下Lで表す)といい、またノズル先端と母材3の
表面との距離をシ−ルド長8という。
端部と母材表面の位置関係を図5に示す。溶接時にはシ
−ルドガス1がノズル2から母材3の表面へ向けて矢印
のように吹きつけられ、また電極チップ4の先端から供
給されるワイヤ5と母材3との間でア−ク放電6が生じ
る。電極チップ4と母材3の表面との距離を突き出し長
7(以下Lで表す)といい、またノズル先端と母材3の
表面との距離をシ−ルド長8という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、手動でシ−ルド
ガス流量を調整していた消耗電極式ア−ク溶接機を自動
制御方式に切り替えるには、シ−ルド長、溶接速度、周
囲の風速変化などのシ−ルド因子の時々刻々の不可避的
変化へ対応することが要望されており、このシ−ルド因
子の変化を生かした制御を行うにはシ−ルド因子相互の
関連性を明確にする必要があるという課題があった。
ガス流量を調整していた消耗電極式ア−ク溶接機を自動
制御方式に切り替えるには、シ−ルド長、溶接速度、周
囲の風速変化などのシ−ルド因子の時々刻々の不可避的
変化へ対応することが要望されており、このシ−ルド因
子の変化を生かした制御を行うにはシ−ルド因子相互の
関連性を明確にする必要があるという課題があった。
【0007】このガスシ−ルド効果に影響するシ−ルド
因子相互の関係は、以下のように説明される。まず、シ
−ルドガスはト−チ先端部を出たあと放射状に拡散する
ため、シ−ルド長が大きいと母材表面の溶融金属部に対
するガスシ−ルド効果は低下する。このガスシ−ルド効
果はア−クの状態にも影響され、たとえば溶接電流が小
電流域の場合、短絡移行にともなうア−ク圧力の変動は
比較的小さく、ガスシ−ルド効果の低下は少ないが、中
電流域では短絡移行およびフロ−ビュ−ル移行にともな
うア−ク圧力の変動が大きくなり、シ−ルドガスの流れ
が乱れ、ガスシ−ルド効果は著しく低下する。さらに溶
接電流が高電流域になるとスプレイ移行になるのでア−
ク圧力の変動は再び減少し、ガスシ−ルド効果への影響
は緩やかになる。またガスシ−ルド効果は、溶接電流と
溶接速度の影響を受け、ガスシ−ルドを受ける母材溶融
部の面積は溶接電流が大きい場合、および溶接速度が小
さい場合には拡大する。これらのガスシ−ルド効果の低
下および金属母材表面の溶融部の拡大に対し、シ−ルド
ガスの流量を制御することで補償できれば作業環境の影
響を緩和することができるため、これらシ−ルド因子相
互の関係をより明確にする必要がある。
因子相互の関係は、以下のように説明される。まず、シ
−ルドガスはト−チ先端部を出たあと放射状に拡散する
ため、シ−ルド長が大きいと母材表面の溶融金属部に対
するガスシ−ルド効果は低下する。このガスシ−ルド効
果はア−クの状態にも影響され、たとえば溶接電流が小
電流域の場合、短絡移行にともなうア−ク圧力の変動は
比較的小さく、ガスシ−ルド効果の低下は少ないが、中
電流域では短絡移行およびフロ−ビュ−ル移行にともな
うア−ク圧力の変動が大きくなり、シ−ルドガスの流れ
が乱れ、ガスシ−ルド効果は著しく低下する。さらに溶
接電流が高電流域になるとスプレイ移行になるのでア−
ク圧力の変動は再び減少し、ガスシ−ルド効果への影響
は緩やかになる。またガスシ−ルド効果は、溶接電流と
溶接速度の影響を受け、ガスシ−ルドを受ける母材溶融
部の面積は溶接電流が大きい場合、および溶接速度が小
さい場合には拡大する。これらのガスシ−ルド効果の低
下および金属母材表面の溶融部の拡大に対し、シ−ルド
ガスの流量を制御することで補償できれば作業環境の影
響を緩和することができるため、これらシ−ルド因子相
互の関係をより明確にする必要がある。
【0008】さらに、シ−ルド因子の相関を把握できた
場合、従来の数値制御等を用いる方法では、これらの相
関を反映したシ−ルドガス流量制御を行う場合、従来の
数値制御の考え方によれば極めて複雑なアルゴリズムを
必要とし、制御装置の大型化、複雑化が避けられないと
いう課題があった。
場合、従来の数値制御等を用いる方法では、これらの相
関を反映したシ−ルドガス流量制御を行う場合、従来の
数値制御の考え方によれば極めて複雑なアルゴリズムを
必要とし、制御装置の大型化、複雑化が避けられないと
いう課題があった。
【0009】また上記のように、ガスシ−ルド性を充分
に生かした制御が困難なため、ガスシ−ルド効果を確保
するためには、高価なシ−ルドガスの供給を過剰に行わ
ざるを得ないことから、コストの上昇と同時に資源の浪
費という課題もあった。
に生かした制御が困難なため、ガスシ−ルド効果を確保
するためには、高価なシ−ルドガスの供給を過剰に行わ
ざるを得ないことから、コストの上昇と同時に資源の浪
費という課題もあった。
【0010】本発明は上記の課題を解決し、現実的な手
段でガスシ−ルド性の優れたブロ−ホ−ルの発生を抑制
する消耗電極式ア−ク溶接機の提供を目的とする。
段でガスシ−ルド性の優れたブロ−ホ−ルの発生を抑制
する消耗電極式ア−ク溶接機の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、まずシ−ルド因子相互の関係を明確にし、
溶接電流増幅部、ワイヤ送給量信号増幅部、突き出し長
算出部、ト−チと電極チップ先端との距離に相当する数
値を入力する加算入力部および加算部より構成されるシ
−ルド長検出器および風速検出器を具備し、これにシ−
ルド因子の一つである溶接速度を入力する装置を付加
し、またシ−ルド因子を入力演算してシ−ルドガス流量
制御を行うためのファジィ推論器を導入し、ファジィ推
論を応用して制御を簡略化することにより達成する。
するために、まずシ−ルド因子相互の関係を明確にし、
溶接電流増幅部、ワイヤ送給量信号増幅部、突き出し長
算出部、ト−チと電極チップ先端との距離に相当する数
値を入力する加算入力部および加算部より構成されるシ
−ルド長検出器および風速検出器を具備し、これにシ−
ルド因子の一つである溶接速度を入力する装置を付加
し、またシ−ルド因子を入力演算してシ−ルドガス流量
制御を行うためのファジィ推論器を導入し、ファジィ推
論を応用して制御を簡略化することにより達成する。
【0012】
【作用】上記のように本発明は、主要なシ−ルド因子で
あり、かつ溶接中に不可避的に変化するシ−ルド長を算
出し、溶接部への風速および溶接電流値を自動的に検出
し、かつ同様にシ−ルド因子である溶接速度入力を受け
ることにより、消耗電極式ア−ク溶接機のシ−ルド性を
確保し、ブロ−ホ−ルなどの欠陥の発生を抑制する。
あり、かつ溶接中に不可避的に変化するシ−ルド長を算
出し、溶接部への風速および溶接電流値を自動的に検出
し、かつ同様にシ−ルド因子である溶接速度入力を受け
ることにより、消耗電極式ア−ク溶接機のシ−ルド性を
確保し、ブロ−ホ−ルなどの欠陥の発生を抑制する。
【0013】
【実施例】本発明では、主要なシ−ルド因子としてシ−
ルド長、溶接部での風速、ア−ク電流、溶接棒の送給速
度を採用し、これらシ−ルド因子の変化による因子間の
相互作用を定量化する必要がある。その定量化の方法を
以下で説明する。
ルド長、溶接部での風速、ア−ク電流、溶接棒の送給速
度を採用し、これらシ−ルド因子の変化による因子間の
相互作用を定量化する必要がある。その定量化の方法を
以下で説明する。
【0014】実際の溶接条件において、突き出し量
(L)と溶接電流(Iで表す)およびワイヤ送給量(D
で表す)との関係は図2に示すようになる。この関係を
定式化すると、近似的に次の式で表わされる。
(L)と溶接電流(Iで表す)およびワイヤ送給量(D
で表す)との関係は図2に示すようになる。この関係を
定式化すると、近似的に次の式で表わされる。
【0015】D=(aL+b)I2+(cL+d)I 上式によると、溶接電流(I)とワイヤ送給量(D)の
検出により、突き出し長(L)を得ることができる。上
式でa,b,c,dは溶接装置および溶接条件によって
決まる定数である。ノズル先端と電極チップ先端との距
離は分かっているので、前記計算された突き出し長
(L)からシ−ルド長が算出できる。同様にして、風速
との関係を経験則として求め、定量化して制御因子とす
る。
検出により、突き出し長(L)を得ることができる。上
式でa,b,c,dは溶接装置および溶接条件によって
決まる定数である。ノズル先端と電極チップ先端との距
離は分かっているので、前記計算された突き出し長
(L)からシ−ルド長が算出できる。同様にして、風速
との関係を経験則として求め、定量化して制御因子とす
る。
【0016】本発明の一実施例である消耗電極式ア−ク
溶接機の構成を図1に示すブロック図を参照して説明す
る。ト−チ1には送給モ−タ2によってワイヤ3が供給
され、主溶接電源4からの出力によって電力が供給さ
れ、制御対象であるシ−ルドガスはガスボンベ5と接続
されたガス流量調整器6を通じて調整される。溶接電流
は主溶接電源4内に配置された電流検出器7(CT)に
より検出され、シ−ルド長検出器を構成する電流信号増
幅部8に入力される。ワイヤ送給量は送給モ−タ2に配
置されたタコジェネレ−タ9からの信号としてシ−ルド
長検出器を構成する送給量信号増幅部10に入力され
る。突き出し長の検出は電流信号増幅部8および送給量
信号増幅部10の出力信号により突き出し長算出部11
により前記関係式を用いて算出される。シ−ルド長検出
器12は、前記図5に示したト−チのノズル先端から出
ている電極チップ先端までの長さを入力する加算入力部
13、およびその出力と突き出し長算出部11からの出
力とから加算部14を使ってシ−ルド長を算出する。シ
−ルド長検出器12は、以上の電流信号増幅部8、ワイ
ヤ送給量信号増幅部10、突き出し長算出部11、加算
入力部13および加算部14によって構成される。シ−
ルドガス流量の設定は、シ−ルド長検出器12と電流信
号増幅器8の出力とともに、溶接部近傍に配置された風
速検出器15および溶接速度を入力する速度入力器16
からの信号をファジィ推論器17に入力することによっ
て、適切なガス流量を算出するとともに、ガス流量調整
器6への制御信号を送信する。
溶接機の構成を図1に示すブロック図を参照して説明す
る。ト−チ1には送給モ−タ2によってワイヤ3が供給
され、主溶接電源4からの出力によって電力が供給さ
れ、制御対象であるシ−ルドガスはガスボンベ5と接続
されたガス流量調整器6を通じて調整される。溶接電流
は主溶接電源4内に配置された電流検出器7(CT)に
より検出され、シ−ルド長検出器を構成する電流信号増
幅部8に入力される。ワイヤ送給量は送給モ−タ2に配
置されたタコジェネレ−タ9からの信号としてシ−ルド
長検出器を構成する送給量信号増幅部10に入力され
る。突き出し長の検出は電流信号増幅部8および送給量
信号増幅部10の出力信号により突き出し長算出部11
により前記関係式を用いて算出される。シ−ルド長検出
器12は、前記図5に示したト−チのノズル先端から出
ている電極チップ先端までの長さを入力する加算入力部
13、およびその出力と突き出し長算出部11からの出
力とから加算部14を使ってシ−ルド長を算出する。シ
−ルド長検出器12は、以上の電流信号増幅部8、ワイ
ヤ送給量信号増幅部10、突き出し長算出部11、加算
入力部13および加算部14によって構成される。シ−
ルドガス流量の設定は、シ−ルド長検出器12と電流信
号増幅器8の出力とともに、溶接部近傍に配置された風
速検出器15および溶接速度を入力する速度入力器16
からの信号をファジィ推論器17に入力することによっ
て、適切なガス流量を算出するとともに、ガス流量調整
器6への制御信号を送信する。
【0017】上記シ−ルド因子間の相関を利用して制御
するには、従来の数値制御方法によるとハ−ドウェアお
よびソフトウェアの大規模化が避けられない困難がある
ため、ここではシ−ルド因子をファジィ推論器への入力
変数とし、シ−ルドガス流量を制御量とする新しいファ
ジィ推論を用いる制御方法で困難を回避した。
するには、従来の数値制御方法によるとハ−ドウェアお
よびソフトウェアの大規模化が避けられない困難がある
ため、ここではシ−ルド因子をファジィ推論器への入力
変数とし、シ−ルドガス流量を制御量とする新しいファ
ジィ推論を用いる制御方法で困難を回避した。
【0018】本発明で使用したファジィ推論式を説明す
る。すなわち、以下に示す〜は本実施例のファジィ
推論で用いたファジィル−ル(if〜、then〜型
式)の一部である。 ifシ−ルド長=短いand風速=弱いand溶接電
流=小電流,thenガス流量=少ない ifシ−ルド長=普通and風速=普通and溶接速
度=普通,thenガス流量=普通 ifシ−ルド長=やや長いand風速=普通and溶
接速度=中電流and溶接速度=普通,thenガス流
量=やや多い ifシ−ルド長=やや長いand風速=やや弱いan
d溶接電流=小電流and溶接速度=やや遅い,the
nガス流量=普通 ifシ−ルド長=やや長いand風速=やや強いan
d溶接電流=中電流,thenガス流量=かなり多い ifシ−ルド長=長いand風速=強い,thenガ
ス流量=多い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・以下同様・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
る。すなわち、以下に示す〜は本実施例のファジィ
推論で用いたファジィル−ル(if〜、then〜型
式)の一部である。 ifシ−ルド長=短いand風速=弱いand溶接電
流=小電流,thenガス流量=少ない ifシ−ルド長=普通and風速=普通and溶接速
度=普通,thenガス流量=普通 ifシ−ルド長=やや長いand風速=普通and溶
接速度=中電流and溶接速度=普通,thenガス流
量=やや多い ifシ−ルド長=やや長いand風速=やや弱いan
d溶接電流=小電流and溶接速度=やや遅い,the
nガス流量=普通 ifシ−ルド長=やや長いand風速=やや強いan
d溶接電流=中電流,thenガス流量=かなり多い ifシ−ルド長=長いand風速=強い,thenガ
ス流量=多い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・以下同様・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
【0019】ル−ル中のif文以下を前件部、then
文以下を後件部とし、また短いとか弱いという表現をラ
ベルとする。各ラベルに対応するメンバ−シップ関数
(以下MFという)を図3に示す。図4はシ−ルド因子
が入力されてからガス流量を決定するまでの概略フロ−
チャ−トである。図4により、ファジィ推論器の動作を
説明する。それぞれのシ−ルド因子の値がファジィ推論
器に入力されると、ファジィ推論器は図3のMFにした
がって前件部の各ラベルに対する入力値の所属度が算出
される。次にル−ル処理に入る。このル−ル処理は、ル
−ルごとに演算された前記所属度の論理積をとり、この
論理積の結果によって後件部の制御因子であるガス流量
のMFを修正するものである。なお、本実施例では、後
件部MFの修正方法として頭切り法を用いた。次に、以
上の手続でル−ルごとに修正された全ての後件部MFの
論理和を演算する。この論理和の演算結果は、ガス流量
−所属度の関係を表す座標上の一領域を示すことになる
が、この結果をさらにガス流量の確定値に変換する必要
がある。本実施例では、この確定値の演算方法として重
心法を用いた。
文以下を後件部とし、また短いとか弱いという表現をラ
ベルとする。各ラベルに対応するメンバ−シップ関数
(以下MFという)を図3に示す。図4はシ−ルド因子
が入力されてからガス流量を決定するまでの概略フロ−
チャ−トである。図4により、ファジィ推論器の動作を
説明する。それぞれのシ−ルド因子の値がファジィ推論
器に入力されると、ファジィ推論器は図3のMFにした
がって前件部の各ラベルに対する入力値の所属度が算出
される。次にル−ル処理に入る。このル−ル処理は、ル
−ルごとに演算された前記所属度の論理積をとり、この
論理積の結果によって後件部の制御因子であるガス流量
のMFを修正するものである。なお、本実施例では、後
件部MFの修正方法として頭切り法を用いた。次に、以
上の手続でル−ルごとに修正された全ての後件部MFの
論理和を演算する。この論理和の演算結果は、ガス流量
−所属度の関係を表す座標上の一領域を示すことになる
が、この結果をさらにガス流量の確定値に変換する必要
がある。本実施例では、この確定値の演算方法として重
心法を用いた。
【0020】以上で説明したステップで説明されるファ
ジィ推論器の動作によって、シ−ルド因子の相互の関係
を生かした適切なシ−ルドガス流量を演算し、決定して
制御することができる。
ジィ推論器の動作によって、シ−ルド因子の相互の関係
を生かした適切なシ−ルドガス流量を演算し、決定して
制御することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明では、シ−ルド長、風速、溶接電
流を検出し、これに所定の溶接速度を入力することでフ
ァジィ推論器を用いて演算することにより適切なシ−ル
ドガス流量を決定し、ファジィ推論器からの制御信号に
よりガス流量調整器を自動制御することによりガスシ−
ルド効果の不足を解消し、ブロ−ホ−ルの発生を抑制す
るとともにガスコストの削減と資源の節約を実現する。
流を検出し、これに所定の溶接速度を入力することでフ
ァジィ推論器を用いて演算することにより適切なシ−ル
ドガス流量を決定し、ファジィ推論器からの制御信号に
よりガス流量調整器を自動制御することによりガスシ−
ルド効果の不足を解消し、ブロ−ホ−ルの発生を抑制す
るとともにガスコストの削減と資源の節約を実現する。
【図1】本発明の実施例である消耗電極式ア−ク溶接機
のブロック図
のブロック図
【図2】シ−ルド因子である溶接電流とワイヤ送給量お
よび突き出し長との関係を示す図
よび突き出し長との関係を示す図
【図3】本発明の実施例に用いたメンバ−シップ関数を
示す図
示す図
【図4】本発明の実施例に用いたファジィ推論器の概略
フロ−図
フロ−図
【図5】消耗電極式ア−ク溶接機のト−チ先端部を示す
図
図
6 ガス流量調整器 7 電流検出器 12 シ−ルド長検出器 15 風速検出器 16 速度入力器 17 ファジィ推論器
Claims (1)
- 【請求項1】 溶接中にシ−ルドガス用ノズル先端と母
材表面との距離を検出するシ−ルド長検出器と、周囲か
ら溶接部への風の強さを検出する風速検出器と、溶接電
流を検出する電流検出器と、溶接速度を入力する速度入
力器と、前記3種類の検出器と前記速度入力器の出力に
基づいてシ−ルドガス流量を算出するファジ−推論器か
らの制御信号によってシ−ルドガス流量を調整するガス
流量調整器とを備えた消耗電極式ア−ク溶接機
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04060011A JP3116525B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 消耗電極式アーク溶接機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1992
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