JPH05261367A - 凝縮液から遷移金属酸化物及び可溶性陽イオン種を除去する方法 - Google Patents

凝縮液から遷移金属酸化物及び可溶性陽イオン種を除去する方法

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JPH05261367A
JPH05261367A JP5004544A JP454493A JPH05261367A JP H05261367 A JPH05261367 A JP H05261367A JP 5004544 A JP5004544 A JP 5004544A JP 454493 A JP454493 A JP 454493A JP H05261367 A JPH05261367 A JP H05261367A
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Eli Salem
セイラム エリ
Robert Kunin
クニン ロバート
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Graver Co
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/42Treatment of water, waste water, or sewage by ion-exchange
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 凝縮液から遷移金属酸化物及び可溶性陽イオ
ン種を除去する方法であって、ミクロレティキュラーで
あり乾燥した形態にある強酸性の二形態陽イオン交換樹
脂を水和して、該二形態陽イオン交換樹脂をマクロレテ
ィキュラーであり水和した形態に変換すること、該二形
態陽イオン交換樹脂が乾燥状態でゲル状でありかつ水和
状態で実質的にマクロレティキュラーであること、及び
分離領域に遷移金属酸化物の第一の濃度を有する凝縮液
を含む水性ストリームを通過させること、ここで該分離
領域はマクロレティキュラーで水和した形態でありかつ
水和型の該二形態陽イオン樹脂から構成される第一の粒
状床を含むことを特徴とする上記方法。 【効果】 金属酸化物異物の除去効率が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気発生システムの凝縮
液の精製及び、より具体的には、凝縮液の仕上げユニッ
トにおいて凝縮液からの遷移金属酸化物の除去に関す
る。本発明は凝縮液から鉄及び銅の酸化物を除去する陽
イオン交換樹脂の選択にも関する。
【0002】
【従来の技術】陽イオン交換樹脂は、水のストリームか
らイオン種及び粒子を除去するのに広く使用される。一
般的な樹脂はコポリマー、例えばスチレン−ジビニルベ
ンゼンコポリマーを含み、それはスルホン化反応により
スルホン酸陰イオン部位が付加されるコポリマーであ
る。有用な陽イオン交換樹脂は、樹脂から離れ、水のス
トリームを汚染するかもしれない濾すことのできる化合
物、有機化合物又は無機化合物を本質的に含まない。さ
らに、陽イオン交換樹脂は十分な液圧安定性を持ち、水
の流れのストリームにより働かされる圧縮力に抵抗し、
実質的にその形状を保持しなければならない。そのよう
に有用な陽イオン交換樹脂を提供するために、樹脂の設
計者は、ポリマー及びコポリマーの正しい選択を通し
て、さらにポリマー鎖の架橋度の制御を通して陽イオン
交換樹脂の水和、膨潤及び多孔度を調製してきた。さら
に、隣接するコポリマー鎖間の分子の距離より有意に大
きい寸法の細孔を持つ樹脂は、モノマー混合物において
様々な架橋されないポリマーの混入により合成されてき
た。それは、スルホン化の後、可溶性で濾すことができ
るようにされる。濾すことができるポリマーは除去さ
れ、陽イオン交換樹脂の全体にわたって相対的に大形の
細孔を残す。他のマクロレティキュラー(macroreticula
r)樹脂は、モノマー試薬を溶解するが、製造されるコポ
リマーに溶解作用を本質的に及ぼさない溶剤中で樹脂を
重合することにより合成される。陽イオン交換樹脂は、
家庭用飲料水から産業廃棄物まで、いくつもの異なる型
の水のストリームを精製するために使用されてきた。近
年の高圧蒸気発生システムの開発に伴い、陽イオン交換
樹脂は、ボイラー供給水の補給のストリームを処理する
ため、及び凝縮水のストリームをリサイクルするために
一般に使用される。陽イオン交換樹脂を含む凝縮液の仕
上げユニット(polishing unit)は、不純物、例えば酸化
鉄腐蝕生成物を、化学的製造工程及び火力発電及び原子
力発電の両方の電力発生工場において製造される凝縮液
のストリームから除去するために使用される。陽イオン
交換樹脂を含む凝縮液仕上げユニットは、1406100kg/m2
(2000psig)以上で操作される近年の蒸気発生システムに
関する規範である。凝縮液仕上げユニットの使用は、改
善されたタービン効率、より短いユニット始動時間、腹
水器の漏れの発生からの保護、及び酸での清浄の間隔が
より長いことを導く。陽イオン交換樹脂は、フィルター
上に比較的深い床として、又はコーティングした状態で
存在してもよい。沸騰水型原子炉(BWR) において凝縮液
のストリームを精製するための陽イオン交換樹脂の使用
について具体的に示す。BWR システムにおいて、水を飽
和蒸気を生じる原子炉のコアを通して循環させ、その飽
和蒸気は蒸気タービン発生器に向けられ、その後凝縮液
仕上げユニットに移る。酸化鉄及び酸化銅粒子のような
蒸気中の不純物は放射性同位体に変換されるかも知れな
いが、その蒸気自体は放射性でない。火力発電所におけ
るように、改善されたタービン効率及び蒸気システムに
おける付着物の蓄積からの保護は、重要な要件である。
従って、陽イオン交換樹脂は凝縮液仕上げユニットに使
用され、金属酸化物粒子を除去する。その金属酸化物粒
子は、数ppb の範囲内でBWR 凝縮液にしばしば存在す
る。陽イオン交換樹脂は、この用途のために特に開発さ
れてきた。これらの陽イオン交換樹脂は、不溶性酸化鉄
及び酸化銅を吸着及び濾過により除去する。ごく最近で
は、原子力のBWR の凝縮液ストリームを精製するために
使用されるイオン交換樹脂のいくつかは、数カ月の使用
後によりよい鉄の除去効率を示すことに注目されてい
る。専門家は、樹脂においてスチレンポリマー鎖を架橋
するジビニルベンゼンの結合部分が、使用の間に酸化攻
撃を起こすことを理論化している。架橋度が減少した樹
脂は、凝縮液からより効率的に鉄を除去するらしい。従
って、スチレンポリマー鎖間の比較的低いジビニルベン
ゼン架橋度を含む陽イオン交換樹脂が開発された。比較
的低い架橋度の陽イオン交換樹脂は、BWR 原子炉を使用
する少なくとも一つの凝縮液仕上げユニットにおいて試
験され、鉄の除去効率が増加したことが報告された。し
かしながら、比較的大規模なパイロットプラントにおけ
る新規陽イオン交換樹脂の試験は、費用がかかり、時間
もかかる。慣用のイオン交換樹脂のいくつかのタイプ
は、凝縮液から酸化鉄を除去するために蒸気システム作
業者に利用できる。無数の入手可能な生成物から、蒸気
システムの作業者は、蒸気システムの性能を保護し、改
善するために使用できるイオン交換樹脂の選択を試みて
いる。あいにく、高圧蒸気システムにおいてボイラー給
水に必要とされる非常に低い水準に凝縮液から酸化鉄を
除去することが可能な、イオン交換樹脂の選択のための
ガイドラインはほとんどない。試行錯誤による樹脂の選
択は、そのような研究を実験室で遂行するための公知の
方法がないので、非常に大きな割合を占める仕事であ
る。さらに、ベンチスケール実験室試験のための適切な
化学的及び物理的性質を有する酸化鉄を含む類似した凝
縮液の製造方法は知られていない。当技術分野の現在の
状態では、試験は比較的大規模なパイロットプラントに
おいて、通常は工業用作業現場において行われなければ
ならない。慣用のイオン交換樹脂は、過去において凝縮
液の仕上げに有用なことが証明されてきたが、必要性は
酸化鉄の収容力を増加した陽イオン交換樹脂にあり、特
に混床操作方法における陽イオン交換樹脂にある。所望
される樹脂は、90%以上の除去効率を示し、原子力BWR
産業により調整された制限と一致する酸化鉄の十億重量
部当たりわずかな重量部のみを含んでいる生成物のスリ
ームを生じるであろう。理想的な陽イオン交換樹脂は、
できるかぎり大量の鉄を吸着するために、非常に高い比
表面積を有するであろう。また、表面のイオン交換部位
が活性な水素型のままで、酸化鉄の吸着及び溶解を連続
させるため、樹脂構造中への第一鉄及び第二鉄の拡散速
度は早いであろう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、除去
効率が改善された凝縮ストリームから金属酸化物異物を
除去する方法を提供することである。該方法は、金属酸
化物不純物の吸着、解離及び拡散の速度が整合してお
り、金属酸化物除去の全速度を相対的に高くする陽イオ
ン交換樹脂を利用する。さらに、本発明の目的は凝縮液
のストリームの精製に使用するのに特に好適な陽イオン
交換樹脂の選択方法を提供することである。該方法は、
工業用凝縮液ストリームにおける大規模なパイロットプ
ラント試験を必要としない。
【0004】
【課題を解決するための手段】一つの局面において、本
発明は凝縮液から鉄及び銅の酸化物のような遷移金属酸
化物を除去する方法に関する。該方法は、もし可溶性陽
イオン種が存在するならば、凝縮液からそれらも除去す
るであろう。該方法はミクロレティキュラー(microreti
cular)であり乾燥した形態にある強酸性の二形態(dual
morphology) の陽イオン交換樹脂を水和することを含
む。水和と同時に生じる変化は、二形態の陽イオン交換
樹脂をマクロレティキュラーの水和した形態に変換する
ことである。凝縮液を含む水性ストリームを、第一の粒
状床を含む分離領域を通過させる。第一の粒状床は、二
形態の陽イオン交換樹脂で構成される。陽イオン交換樹
脂が水素型である間、水性のストリームを該樹脂と接触
させる。水性ストリームにおける遷移金属酸化物の第一
の濃度を、樹脂と接触させることにより減少させる。該
方法は、陰イオン交換樹脂と水性ストリームを接触させ
ることを所望により含んでもよい。該陰イオン交換樹脂
は第一の粒状床の成分として存在してもよく、又は代わ
りに第二の粒状床として存在してもよい。
【0005】他の形態としては、本発明は凝縮液から酸
化鉄を除去するのに特に好適なイオン交換樹脂を選択す
る方法に関する。そのような樹脂を選択するために、工
業用の使用の候補として考えられているスルホン酸陽イ
オン交換樹脂の粒子は、試験用に提供される。粒子が乾
燥状態である間、それらが不透明、半透明又は透明のい
ずれであるかが決定される。さらに粒子が水和状態であ
る間、それらが不透明、半透明又は透明のいずれである
かが決定される。乾燥状態において半透明又は透明であ
り、水和状態において不透明な粒子のみが、凝縮液から
酸化鉄除去に使用するのに選択される。肉眼又は顕微鏡
による粒子の目視検査は、粒子が不透明、半透明又は透
明のいずれであるかを決定するのに通常十分である。樹
脂が水素型である間に測定が完了するのが好ましい。
【0006】独特の陽イオン交換樹脂の物理化学的構造
を、全水分収容力及び表面積の組合せにより定義しても
よい。本発明の目的に関し、酸化鉄の収容力が増加した
本発明の独特の生成物をもたらすための制限は、以下の
通りである。 全水分収容力、重量% ─── 45 〜65% 表面積、m2/g ─── 7 〜60 本発明は、凝縮液から非晶質酸化鉄を除去する方法も提
供する。懸濁粒子として、又はコロイドとして存在する
非晶質酸化鉄は、強酸性の陽イオン交換樹脂に吸着され
る。樹脂は、重合体鎖及びコポリマー架橋結合で構成さ
れる樹脂母材を有し、それは吸着材表面により囲まれて
いる。非晶質及び微晶質酸化鉄は、吸着材表面に吸着
し、該表面で鉄(III) 及び鉄(II)イオンに解離する。こ
れらの可溶性イオン種は樹脂母材に拡散し、従って、凝
縮ストリームから効果的に単離され、除去されるように
なる。該樹脂は乾燥状態においてゲル状又はミクロレテ
ィキュラーであり、水和状態では実質的にマクロレティ
キュラーであり、粉末状又はビーズ状で存在してもよ
い。樹脂を濾過装置の上流側に層として、又は深い床と
して配置してもよい。
【0007】蒸気発生システムにおける最近の傾向は、
作業圧力の増加及びブローダウンをより少なくする方向
にある。約140610kg/m2(2000psig) 以上で操作する蒸気
システムにおいて、高圧のボイラーの操作に必要とされ
る厳格な基準に対して処理されるボイラーの給水の同量
でブローダウンを置き換えることは、手が出せないほど
高価になってきた。その上、約2246824 kg/m2(3200psi
g) 以上においては、蒸気システム中の水は、単一スー
パー臨界相(single super-critical phase) に存在す
る。液相が存在しない時、不純物は効果的な分離及びブ
ローダウンによって濃縮されない。従って、近年の高圧
蒸気システムにおいて、凝縮液の仕上げ(condensate p
olishing) と言われる凝縮液ストリームの処理方法は、
蒸気システムから腐食生成物を除去する第一の方法であ
る。
【0008】本発明が意図する蒸気システムは、エネル
ギーが高温高圧蒸気のストリームから得られる場所であ
るタービン、蒸気を退出させるタービンが冷却され凝縮
液ストリームを生じる場所の腹水器(condenser) 、及び
再生利用のために凝縮液ストリームを輸送する凝縮液ポ
ンプを一般的に含む。凝縮液のストリームは、再生利用
の前に一時的に貯蔵されてもよく、さらに蒸気システム
により失われた水を置き換えるために必要なものとし
て、処理されたボイラー供給水の補給で増大させてもよ
い。相対的に少量の補給水と一緒に凝縮液ストリーム
を、必要に応じて凝縮液の仕上げユニット(polishing u
nit)において、一つ以上のイオン交換樹脂と接触させ
る。仕上げユニットは、深い床の脱塩装置であってもよ
く、それは約36〜約48インチの深さの床において整頓さ
れたビーズ状の樹脂を有する。樹脂を、凝縮液が通過す
るフィルター部材の上流側に層として粉末状で利用する
ことができる。樹脂は、使用又は再生の後に廃棄しても
よい。再生は、凝縮液の仕上げユニット内、又は外部の
再生設備内で完了してもよい。仕上げの後、供給ポンプ
は予熱器を通って蒸気発生領域に凝縮液ストリームを輸
送する。蒸気発生領域において、エネルギーは熱の形で
凝縮液ストリームに加えられる。熱は地下燃料の燃焼、
核反応により生じるか、又は工業的方法の副産物として
発生させてもよい。
【0009】蒸気発生領域は、通常第一鉄チューブを含
み、時々銅合金チューブを含む。それは、液相が気体相
から分離されるボイラードラムを含んでもよい。蒸気発
生領域は、特に臨界値より上の圧力での作用に関し、所
望によりドラムのないデザインでもよい。蒸気発生領域
には化学反応器又は原子炉を含んでもよい。熱の添加に
より発生する蒸気質の又は臨界値より上の蒸気は、蒸気
発生部分を離れ、エネルギーが抽出される場所であるタ
ービンに行く。大部分の蒸気システムの全体にわたっ
て、水は第一鉄又は銅の合金により作られたチューブ、
容器の壁体又は弁と接触する。最も詳細に規定された作
用方法が用いられる時でさえも、合金のかなりの腐蝕は
避けられない。そのような腐蝕生成物が蒸気システムに
残されたならば、深刻な被害が結果として生じる。例え
ば、鉄を含む腐蝕生成物は、高熱の伝達面におけるチュ
ーブの内部に形成され、ボイラーチューブの破損を引き
起こすことが知られている。そのような付着を除去する
ために必要な酸を用いた掃除方法は、費用と時間がかか
る。同様に、鉄を含有する腐蝕生成物はタービンの翼に
累積し、そこでその生成物はタービンの能率の明らかな
損失、タービンの翼の不均衡、及びタービンの不時の運
転停止を引き起こす。
【0010】鉄含有付着物の付着及び蓄積をさけるた
め、高圧蒸気システムのボイラー供給水中の鉄の水準
は、極めて低く保持されなければならない。十億重量部
当たりの重量部(ppb) として表されるボイラー供給水中
の鉄に関して一般的に推奨される鉄の限度は、421842kg
/m2(600psig)以上で作用する蒸気システムについては最
大50ppb であり、703070kg/m2(1000psig) 以上で作用す
るシステムについては最大10ppb である。BWR システム
についての最近の規格値は、2ppb(最大)である。最も
一般的な鉄含有腐蝕生成物は酸化鉄である。酸化鉄に
は、Fe2O3 、Fe3O4、及びFeOOH があげられる。それら
は、結晶形又は非晶形のいずれかで存在することができ
る。ボイラー供給水中で出会う主な結晶型は、Fe3O4
α-Fe2O3、α-FeOOH及びガンマFeOOH である。それらを
懸濁する水を十分に低いpHの酸性にすると、鉄含有腐蝕
生成物は一般的に解離状態にある。しかしながら、作業
の間、最も高圧のボイラーは、pH 8.5以上に制御され、
腐蝕生成物は、電気的に中性の化合物として主に存在す
る。鉄含有腐蝕生成物の他に、他の異物がボイラー供給
水中にしばしば見出される。よく手入れされたスーパー
クリティカルボイラーにおいてさえ、シリカ及び酸素は
数ppb 存在する。さらに、たいていの蒸気システムはア
ンモニアを含み、それはアルカリ性の範囲内にボイラー
供給水を維持するために加えられる。銅、シリカ、塩化
物及び有機化合物も存在するかも知れない。
【0011】最も好適な樹脂を先行技術の実験室試験に
より同定することができないことには、幾つかの理由が
ある。まず、この使用にとって第一の候補であるスルホ
ン酸陽イオン交換樹脂は、大部分すべてがスルホン化ス
チレンジビニルベンゼン型である。スルホン化スチレン
ジビニルベンゼン樹脂は、水との接触により乾燥状態か
ら水和状態に変換された時、化学的及び物理的性質が変
化を受ける。標準的な作業において樹脂は水に浸される
ので、樹脂が凝縮液の仕上げユニットにおいてストリー
ムに接触するまでに変化は必然的に生じているであろ
う。最も容易に見られるこれらの変化は、見掛嵩密度の
減少に伴う容積の増加である。この変化は、水との接触
による樹脂の膨潤としてしばしば記載される。樹脂が膨
潤する間、他の変化も起こる。効果的な細孔の直径は、
水が樹脂粒子に吸収される時しばしば増加する。吸着に
ついて利用できる比表面積も変化するかも知れない。水
和により観察される変化は、特定の樹脂中に存在する架
橋度にある程度相関する。スチレン鎖は、樹脂の物理的
性質に反映するジビニルベンゼン架橋により、より多い
又はより少ない程度に連結される。しかしながら、架橋
度は直接測定できない。むしろ、それは他の性質、例え
ば、水との接触に観察される樹脂の平衡含水率及び膨潤
度から一般的に推定されなければならない。その結果、
架橋度から他の物理的性質を予言することを試みる人
は、悪循環に陥る。
【0012】試薬は純粋ではなく、ほとんどの場合十分
に特徴づけられていないので、架橋度は樹脂を製造する
ために使用される試薬の相対的な比率から計算すること
ができない。さらに、生じる様々な架橋反応の有効性は
予言できない。従って、それらの架橋度のみをベースと
して凝縮液の仕上げ樹脂の性能が予言される相関関係
は、一般的に不成功である。樹脂の比表面積の容認され
た測定方法は、樹脂が完全に乾燥し、注意深く制御され
た雰囲気において維持される時にのみ行うことができ
る。乾燥表面積は凝縮液の仕上げの作業の信頼できる指
標ではない。なぜなら、それらが乾燥している時、多く
のゲル陽イオン交換樹脂は表面積を減少するので、表面
積の一般的な測定方法は凝縮液の仕上げ樹脂を特徴づけ
るのに比較的にわずかな価値もない。凝縮液の仕上げを
することは水和陽イオン交換樹脂の浸潤表面積と直接的
に関係付けられるが、それらは直接測定することができ
ない。特定の樹脂の架橋度も浸潤表面積のどちらも直接
測定することができない。しかしながら、定性的には、
浸潤表面積が最大にされるべき時には、凝縮液仕上げ陽
イオン交換樹脂の架橋度は低くすべきであることが信じ
られている。一般的に低い架橋度の通常のゲル型陽イオ
ン交換樹脂は、望ましい樹脂母材への早い拡散速度を一
般的に表す。しかし、たいていのゲル型陽イオン交換樹
脂は相対的に少ない表面積を有し、従って低い吸着率を
示すので、ゲルとマクロレティキュラー樹脂との差違よ
りも、より明敏な指標が必要とされる。要するに、架橋
度及び乾燥表面積の伝統的に説明された特徴は、凝縮液
の仕上げに最も有用なスルホン酸陽イオン交換樹脂を同
定するのに不十分である。
【0013】先行技術に使用された、測定が困難で、正
確でなく、さらに相対的に信頼できない指標の代わり
に、“二形態”(dual morphology) と呼ばれる特性が、
凝縮液の仕上げで使用するのに特に好適な陽イオン交換
樹脂を区別する優れた方法として提案されている。樹脂
を水と接触させることにより、乾燥でゲル状の形態から
マクロレティキュラーで水和した形態に可逆的に変換す
ることができる時、それは二形態を示すといわれる。ゲ
ル状の形態を示す樹脂は、主にゲル型の細孔を含み、そ
れは分子の性質であり、ゲル構造の一部である。ゲル型
の細孔は、直径が30Åより小さい。慣用の従来技術の樹
脂において、ゲル型の細孔は不活性な補助溶剤の使用を
含まない方法により一般的に合成される。ゲル状の別名
は、ミクロレティキュラーである。マクロレティキュラ
ーの形態は、ゲル状の外に細孔(extra-gelular pore)を
有意な比率で含み、それはゲル構造の一部ではない。マ
クロレティキュラーの形態である樹脂の細孔は、直径が
一般的に30Åより大きい。その細孔は細孔を定義する会
合した樹脂母材の原子の寸法と比較すると大きい。
【0014】本発明は、凝縮液から遷移金属酸化物と陽
イオン種を除く方法を提供する。遷移金属は、The Chem
ical Rubber Company から出版された“Handbook of Ch
emistry and Physics ”の第51版の内側の裏表紙に描か
れている周期律表の第3b、4b、5b、7b、8 、1b及び2b属
に見られる金属である。本発明は、原子番号が21〜30及
び42の元素を除去するのに特に有用であり、それらは第
一鉄のパイプシステムに一般的に使用される。鉄、コバ
ルト及びニッケルの酸化物は、それらが懸濁、コロイド
状又は溶解した形態のいずれで存在しようと、本発明を
用いて除去することができる。同様に、結晶、非晶質及
び会合した遷移金属酸化物は、本発明により凝縮液から
除去することができる。90%より多い除去効率が実用的
である。本発明は、溶解した固体全部が50ppb より少な
い凝縮液を製造することができる。本発明は遷移金属酸
化物を除去するのに陽イオン交換樹脂を利用するので、
カルシウム、マグネシウム及びナトリウムのような他の
可溶性陽イオン種は、もしそれらが凝縮液中に存在する
ならば本方法により除去されるであろう。しかしなが
ら、先行技術には、そのように一般的に出くわした可溶
性陽イオン種を十分に除去する多くの陽イオン交換樹脂
がある。本発明は、そのように容易に交換される可溶性
陽イオン種があらかじめ実質的に除去されている凝縮液
のストリームの品質をさらに改善することを第一に意図
するものである。
【0015】本発明は、また、凝縮液ストリームに溶解
するか又は伴出するかもしれない有機種を除去するであ
ろう。そのような有機材料は、ボイラーシステムの構築
又は保全の間、あるいはボイラー給水ポンプの漏れシー
ルを通って入るかもしれない。幾つもの用途において、
陰イオン交換樹脂と共に使用される本発明は、凝縮液ス
トリームの有機物の全含有量を100 万重量部当たり1重
量部以下に減少させるであろう。本発明は、強酸性の二
形態の陽イオン交換樹脂を利用し、遷移金属酸化物を除
去する。強酸性の陽イオン樹脂、例えばスルホン酸樹脂
はおよそ塩酸のような酸性である。一方、弱酸性の陽イ
オン樹脂、例えばカルボン酸樹脂はおよそ酢酸のような
弱酸である。強酸性の陽イオン交換樹脂は、塩化ナトリ
ウムのような中性の塩を簡単に分解し、それらを酸に変
換する。弱酸性の陽イオン交換樹脂は中性の塩を分解す
ることができない。本発明に使用される陽イオン交換樹
脂は、二形態を有する。定義では、そのような樹脂は、
水との接触によりミクロレティキュラーの形態からマク
ロレティキュラーの形態に可逆的に変換できる。乾燥状
態の樹脂を水と接触させることにより、二形態の樹脂は
水和物になる。
【0016】イオン交換樹脂の特性決定を行う前に、該
樹脂は前処理されなければならない。そうでなければ、
得られた結果は誤りを導くかもしれない。特性決定の準
備としてイオン交換樹脂のサンプルを前処理するため
に、サンプルを2 インチの直径のカラムに入れ、澄明な
逆洗浄液が得られるまで、100 %の床膨張(bed expansi
on) で逆洗した。その後樹脂床は沈降する。スルホン酸
及び第四アンモニウム陰イオン交換樹脂の場合、その床
を次に5 〜10容量の10%NaCl溶液で洗い、その後脱イオ
ン水で濯いだ。弱塩基の樹脂を3 〜5 容量の1.0M NaOH
溶液で再生し、その後脱イオン水で濯いだ。カルボン酸
樹脂を3 〜5 容量の1.0M HCl溶液で処理し、脱イオン水
で濯いだ。それぞれの場合において、サンプルをその後
排水して遊離の水を除去した。樹脂の前処理方法のより
詳細な記述に関しては、クニン(R.Kunin) 著、Ion Exch
ange Resins 、320 〜321 ページ( 第2 版、1958年) を
参照されたい。平衡含水率と呼ばれる樹脂の含水率を、
樹脂の前処理方法を終了した後に測定した。1.0 〜5.0
グラムのサンプルを量り、その後110 〜115 ℃で一晩オ
ーブン中で乾燥した。次に、サンプルを再び秤量した。
含水率は重量の差異であり、サンプルの乾燥重量の百分
率で表される。
【0017】本発明の目的に関し、乾燥した形態は、平
衡含水率が5 %以下の時に樹脂が存在する物理的状態と
して定義される。水和した形態は、その平衡含水率が95
%以上の時に樹脂が存在する状態として定義される。一
般的に、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂は乾燥した時
に収縮する。水に入れたとき、それは膨潤し、そのポリ
マー鎖及びジビニルベンゼン架橋は広がり、大きなイオ
ンの拡散を容易にする。膨潤度は架橋度にある程度依存
する。架橋の数が多くなればなるほど、水分収容力及び
膨潤が減少する。本発明は強酸性の二形態の陽イオン交
換樹脂が、ミクロレティキュラーの乾燥した形態からマ
クロレティキュラーの水和した形態に変換される水和段
階を含む。たいていの場合、樹脂は水和した状態で輸送
される。しかしながら、樹脂が乾燥し又は十分に水和し
た状態でない場合がある。例えば、積み送りの間にドラ
ムの内容物が移動するので、水相を含むドラム内に詰め
られた樹脂ビーズの一部はさらされたり乾燥したりす
る。水和段階は、樹脂が凝縮液を清浄にするために利用
される工業施設で完全に完了されるであろうと予想され
る。しかしながら、本発明の範囲は、製造工程及びマク
ロレティキュラー水和形態で工業用に使用する地点に樹
脂を配達する間、強酸性で二形態の陽イオン交換樹脂を
水和することを含む。
【0018】本発明は、分離領域(separation zone) に
遷移金属酸化物を含む凝縮液を通すこと及び凝縮液を第
一の粒状床(particulate bed) と接触させることも含
む。凝縮液を分離ストリームとして通過させてもよい
し、又はさらにそれは他の出所からの水含有の水性スト
リームの一部であってもよい。例えば、水性ストリーム
は、ボイラーの給水の補給及び一時的な貯蔵からの凝縮
液を、蒸気システムにおいて腹水器から直接通過する凝
縮液と共に含んでもよい。水性ストリームにおいて、遷
移金属酸化物は、溶解した固体、懸濁した固体又はコロ
イドとして運ばれる。遷移金属酸化物の濃度が水性スト
リームの重量を基準として約0.1 〜約1000ppb の範囲内
であることが予期される。好ましくは、水性ストリーム
におけるすべての遷移金属酸化物の第一の濃度は全部で
約500ppbより少ないであろう。本発明の方法の使用によ
り遷移金属酸化物を除去することにより第一の濃度が約
90%減少することが好ましい。
【0019】接触は分離領域において行われる。分離領
域は一般的に凝縮液の仕上げユニットである。所望によ
り、分離領域はプレフィルター(prefilter) を含んでも
よい。チューブ状及び薄片のプレフィルターは好まし
く、その両方ともセルロース濾過助剤と使用してもよ
い。本発明の二形態の陽イオン交換樹脂は、セルロース
濾過助剤と共に、又はその代わりに使用してもよい。粉
末状で存在する時、第一の粒状床は、プレフィルターの
上流側の約1/8 〜約1/2 インチの厚さの層である。ある
いは、二形態の陽イオン交換樹脂はビーズ状であっても
よい。その場合には、第一の粒状床は深さ約30〜48イン
チであるのが好ましく、より好ましくは36インチであ
る。そのような“深い床(deep bed)”は入口のディスト
リビュータ及び暗渠を持つプロセス容器に納められてお
り、それは樹脂粒子の乱れが最小である床を通って実質
的に均一なプラグの流れ(plug flow) を提供する。例え
ば樹脂のバックフラッシング(backflushing)又は化学的
再生の間、そのプロセス容器に、所望によりプロセス容
器における流れを逆にする手段を設けてもよい。さら
に、プロセス容器に外部の樹脂の再生又は清浄のために
分離領域の外に樹脂を輸送する手段を設けてもよい。も
ちろん、樹脂を使用後に単に廃棄してもよく、又は要求
基準の低い処理工程でさらに使用するため、どこか他の
場所に再び積んでもよい。
【0020】第一の粒状床は、架橋コポリマー、好まし
くはスチレン- ジビニルベンゼンコポリマーのスルホン
化により製造される強酸性の二形態の陽イオン交換樹脂
により構成される。スルホン酸陽イオン交換樹脂の活性
部位は、負に荷電したスルホネート基であり、それは陽
イオンと結合すること及び陽イオンを交換することが可
能である。本発明の二形態の陽イオン交換樹脂は、樹脂
が水素型にある間、水性ストリームと接触される。以下
の実施例において、樹脂に適用される水素型の意味を説
明する。スルホン化陽イオン交換樹脂の固定したイオン
交換部位は、固定した陰イオンスルホネートラジカルを
含むことができる。もしたいていの陰イオンラジカル
が、移動するナトリウム陽イオンに結合するならば、そ
の樹脂はナトリウム型である。次に、ナトリウム陽イオ
ンのほとんどが水素イオンと交換されると水素型にな
る。本発明の予期されるさらに好ましい形態において、
二形態の樹脂は、三菱化成コーポレーションにより製造
され、商品名DiaionTM PK 212Lとして購入可能な樹脂で
ある。三菱のDiaionTM PK 212Lは、乾燥状態においては
半透明であり、水和状態においては不透明であることが
実験によって測定された。三菱化成の文献は、スチレン
- ジビニルベンゼン架橋マトリックスを有するスルホン
酸陽イオン交換樹脂の製品を記載しており、その極限イ
オン交換能は、ナトリウム型で1立方センチメートル当
たり約1.5 〜1.8 ミリ当量である。
【0021】DiaionTM PK 212L樹脂は、ナトリウム型で
製造業者により配達され、本発明の使用のために水素型
に変換される。この樹脂の輸送密度は、1リットル当た
り約773 グラムであり、含水率は約52〜58%であり、か
つ有効直径は0.61mmである。可溶性陽イオン種の遷移金
属酸化物の除去方法は、一つ以上の粒子床を含む分離領
域で行ってもよい。水性ストリームは、凝縮液を含む水
性ストリームが第一の粒状床を通過する前又は後のいず
れかで、塩基型の陰イオン交換樹脂と接触させてもよ
い。陰イオン交換樹脂は強塩基の樹脂であり、第四アン
モニウム官能基又は改質した第四アンモニウム官能基を
有する。水性ストリームは、それがヒドロキシド型であ
る時、陰イオン交換樹脂と接触される。遷移金属酸化物
の除去方法は、所定の空間速度で好適に行われる。その
空間速度は、二形態の陽イオン交換樹脂の空間速度の陰
イオン交換樹脂対空間速度の割合が、除去しうる陽イオ
ン及び陰イオンの割合と一致するものであり、その陽イ
オン及び陰イオンは、水性ストリームと共に凝縮液の仕
上げユニットに入ることが予期されるものである。理論
的にいえば、この予防手段は、ある樹脂が他に先立って
消耗されるようになることを避ける。除去しうる陽イオ
ンの除去しうるイオンに対する割合と樹脂の空間速度の
割合が釣り合うことは、混床式の操作には特に重要であ
る。
【0022】従って、陰イオン交換樹脂の空間速度に対
する二形態の陽イオン交換樹脂の空間速度の割合は、約
1:2 〜約3:1 に保持されるのが好ましい。その範囲の下
低は、かなりの量の塩化ナトリウムがシステムにしみ込
み、除去されるべきことが期待される時に妥当である。
同様に、早期のシリカの漏出を避けるため、補助的な陰
イオン樹脂が使用される。粉末樹脂が濾過助剤として分
離部位に適用される時、プレコート(precoat) における
陰イオン樹脂に対する陽イオン樹脂の割合は、陽イオン
樹脂の機能が主に金属の除去のみである場合、凝縮液の
仕上げユニットにおいて、9:1 くらい高くてもよい。一
般的に、粉末樹脂濾過装置は、約1/4 インチの厚さの樹
脂層を用いて、1平方フート、1分当たり約4ガロンの
流量で操作する。濾過装置を通る時の一般的な圧力損失
は、樹脂が乗っていない(clean) 時は約1406.1〜約351
5.4kg/m2(2 〜5psi) であり、樹脂を乗せた時は約17577
〜約21092 kg/m2(25〜30psi)である。325 メッシュよ
り細かいものが約90%の粉末樹脂は、ナイロンカートリ
ッジ構成部材上に適用される。プレコート材料は一般的
に再生されないが、使用後簡単に廃棄される。
【0023】分離領域は、ポンプ装置により命令される
圧力で作動し、それは腹水器から凝縮液を輸送する。凝
縮液のポンプの排出圧力は、約175770〜421840kg/m2(25
0 〜600psi) とするのがよい。あるいは、もしブースタ
ーポンプが凝縮液の仕上げユニットの下流に設けられて
いるならば、凝縮液の仕上げユニットの圧力は、約7030
7 kg/m2(100psi) と同じくらいに低くてもよい。高温
は、イオン交換樹脂を損傷するので、凝縮液の仕上げユ
ニットは、めったに約300 °F より高い温度では作動さ
れない。これらの圧力及び温度において、分離領域にお
いて水性ストリームは液状である。水性ストリームは固
形ビーズの樹脂粒子の床と異種間接触する。樹脂粒子の
粒子サイズは約250 ミクロン〜約1200ミクロンであり、
それらが水和状態にある場合、樹脂粒子について行われ
る浸潤- 篩分けにより測定される。
【0024】水性ストリームと樹脂粒子との接触の結果
として、精製ストリームは分離領域内で製造される。精
製ストリームは金属酸化物の第二の濃度を有し、それは
第一の濃度と比較すると減少している。すなわち、水性
ストリーム中の測定可能な濃度で存在する金属酸化物
は、強酸性の二形態の陽イオン交換樹脂と接触させるこ
とにより除去される。そのようにして製造された精製ス
トリームは、交換樹脂を含む第二の粒状床と所望により
接触されてもよい。第二の粒状床は、二以上のタイプの
樹脂を含んでもよい。その樹脂は、単一の混床として同
じプロセス容器で同時に流動体とされるように調整され
る。本発明の二形態陽イオン交換樹脂を水和したときに
観察される一般的な物理的性質の変化は、膨潤、見掛け
嵩密度の減少、細孔径の増加、及び含水率の増加であ
る。十分に水和された時、二形態陽イオン交換樹脂の含
水率は、約45%〜65%である。以下の実施例は本発明の
方法を説明するのに役立つであろう。
【0025】
【実施例】実施例1 陽イオン樹脂を評価するパイロットプラントを設計し、
試験スキッドに取り付けた。それを約5年間運転されて
いる原子力発電所に取り付けた。原子力発電所における
凝縮液の一般的な鉄微粒子レベルは、約20〜約25ppb で
ある。1 〜1/2 インチの炭素鋼チューブ約150 フィート
で、第一の凝縮ポンプの排出側からパイロットプラント
へ凝縮液を運んだ。パイロットプラントからの流出水
を、同様のパイプにより第一の凝縮ポンプの吸込側へ戻
した。パイロットプラントを通る全流量は、約4.0gpmで
あった。パイロットプラントの入口の圧力は102530kg/m
2(145psi) であった。
【0026】パイロットプラントは、4 つの直径2 イン
チのステンレス鋼製の樹脂試験カラムを含んでいた。そ
れぞれの試験カラムは、深さ3 フィートの樹脂床に1,85
0 立方センチメートルの混合樹脂を保持していた。流
量、水の導電率及び樹脂床の差圧測定の計測器の他に、
それぞれのカラムは流出水の凝縮液の粒子及び可溶性金
属レベルを決定する0.45ミクロンの膜ペーパー(membran
e paper)の付いたミリポア(Millipore) サンプラー及び
東レ(Toray) 陽イオン交換ペーパーを含んでいた。それ
は。1 分当たり約50立方センチメートルのサンプル流量
が、濾過器を通り、濾紙は3 〜7 日置きに変えた。次に
濾紙をマイクロ波ダイジェスターを用いて溶解し、誘導
カップルした(inductively coupled) プラズマ技術を用
いて金属を分析した。同様の試料採取器をもったバイパ
ス管路を取り付け、凝縮液から流入液の鉄のサンプルを
回収した。
【0027】さらに、パイロットプラントの入口及び4
つの樹脂カラムの出口からのサンプルを、樹脂試験スキ
ッドに取り付けたシーケンスコントローラーに運んだ。
コントローラーは、分析のために一度に一つのサンプル
を選択し、他の3 つのサンプルを処分した。まず選択し
たサンプルを、検出限界が0.1ppbのAnatel Model 100SE
全有機物分析器により分析した。その後、選択したサ
ンプルをGeneral Electric Model 201 シングルチャン
ネルイオンクロマトグラフ(single channel ion chroma
tograph)に通した。この二つの分析技術により、凝縮液
中の無機及び有機の塩化物及びスルフェートを10ppt と
同じくらい低いレベルで測定した。パイロットプラント
は、樹脂の洗浄又は逆洗の準備を含まない。一般の工場
の操業の効果をできるだけ緊密にまねるため、運搬可能
なパイロット型超音波樹脂洗浄システムをUltra Pure W
ater Technology から購入した。パイロット超音波樹脂
洗浄システムは、パイロットプラントにおける試験カラ
ムから水を流して樹脂を洗い、超音波で樹脂を洗い、試
験カラムにそれを戻した。
【0028】樹脂A、樹脂B及び樹脂Cに関するプラン
ト内のパイロット試験の結果を図1〜3 に示した。樹脂
Aの商品名はDiaionTM PK212であり、三菱化成により製
造されたものである。DiaionTM PK 212L樹脂は、目視検
査により測定したところ、乾燥した時は半透明である
が、浸潤したときは不透明に見えた。樹脂Bは商品名IR
-120であり、Rohm & Haas により製造された。樹脂Bは
乾燥した時も、浸潤した時も半透明であった。樹脂Cの
商品名はMarathon Cであり、Dow Company から購入可能
である。樹脂Cも、乾燥時及び浸潤時に半透明に見え
た。図1は、使用日数を関数として3つの樹脂の粒状鉄
の除去効率を示している。使用日数は、パイロットプラ
ントを凝縮液の加工に使用した日数である。樹脂B及び
樹脂Cを共に使用日数“ゼロ”とし、それらの除去効率
をまず約6日目に測定した。樹脂Aを配置し、使用後約
18日に凝縮液の処理を始めた。樹脂Aの第一の除去効率
のデータの始点は、使用後21日と報告されている。
【0029】パイロットプラントが、凝縮液を処理した
時間を測定した使用日数(service day) をそれぞれの樹
脂について異なって測定した活動する日数(onstream da
y)と区別することは重要である。活動する日数は、特定
の樹脂が凝縮液を処理した時間を表している。図1を参
照すると、樹脂B及び樹脂Cは90%以上の除去効率を初
期に示したが、使用日数10日には、約80%の除去の範囲
に落ちた。その後、樹脂B及び樹脂Cの両方の機能は、
低下し続け、使用日数50日後には除去効率70%以下に落
ちた。一方、樹脂Aは、90%より相当多い除去効率を初
期に示し、50日間を通して90%以上の範囲内に除去効率
を示し続けた。図2は、特定の樹脂が活動する日数の関
数としてそれぞれの樹脂の除去効率を示している。活動
する日数から見ると、樹脂Aはより高い初期の鉄の粒状
物の除去効率で機能し、その試験の始めから終わりま
で、より高い安定性を示した。図3には、それらの活動
する日数の関数として3つの樹脂の樹脂原料の使用を比
較した。樹脂Aが活動する日数である38日間、他の二つ
の樹脂のそれぞれが回収するよりも多い鉄粒状物を、樹
脂Aは回収したことがわかる。
【0030】粒状の鉄除去効率及び樹脂の鉄の処理デー
タの両方から、乾燥状態において半透明であり、水和物
状態において不透明である樹脂Aが、凝縮液の鉄を除去
するイオン交換樹脂として樹脂B及び樹脂Cより性能が
優れていることが示される。粒状の鉄は、本発明の樹脂
が除去するであろう鉄の唯一のタイプではない。本発明
の樹脂は、可溶性の種の鉄を除去する。しかしながら、
粒子状の鉄は凝縮システムにおいて鉄の最も有害な型で
あり、相対的に定量分析が可能である。乾燥状態及び水
和状態の両方で半透明である樹脂B及び樹脂Cは、本発
明のイオン交換樹脂ではない。本発明は、凝縮液から酸
化鉄を除去するイオン交換樹脂を選択する方法も提供す
る。選択方法は、スルホン酸陽イオン交換樹脂の異なる
タイプ間の選択に有用である。該方法は、酸化鉄の容量
を増強した陽イオン交換樹脂を見極める。該方法を使用
して選択した樹脂は、樹脂が大きなパイロットプラント
の規模の試験を確信をもって推薦する前に、液圧安定性
及び可溶性ポリスチレンスルホネートの浸出を追加的に
試験することのみを必要とする。該方法は、それ以上の
試験について樹脂の分野を有意に絞ることにより、パイ
ロットプラントの規模における大量の樹脂の試行錯誤の
試験の必要性を取り除く。液圧安定性及びポリスチレン
スルホネートの浸出の性質を実験室において直ちに測定
することができる。
【0031】該方法は、スルホン酸陽イオン交換樹脂の
粒子を提供することを含む。“粒子”は、約20〜約40メ
ッシュのビーズ、約60〜約200 メッシュのグラニュール
及び約325 タイラー(Tyler) メッシュの粉末にわたる広
い語である。タイラーメッシュ呼称システムに関するよ
り多くの情報については、ペリー(Perry) 著、“Chemic
al Engineering Handbook ”、21-15 ページ(第6版、
1984年) を参照されたい。従って、該方法は深い床又は
プレフィルター(prefilter) のプレコート(precoat) の
適用のため、樹脂を保護するために使用することができ
る。乾燥状態の粒子に関して、粒子は不透明か半透明の
どちらかに決定される。乾燥状態とは、樹脂が樹脂の乾
燥重量を基準として5 %以下の含水率を含む状態であ
る。測定は、可視の波長の明るさに関して行われる。上
述した方法を用いて、特性決定を準備するために粒子を
前処理した後に測定を行った。もし、可視光線が粒子を
通ることが実質的にできないならば、樹脂は不透明であ
ると決定される。もし、目に見える程の量の光線が固形
粒子を通ることができるならば、その粒子は半透明又は
透明である。好ましくは、この決定は粒子を視覚的に試
験することにより完了する。顕微鏡を目視検査の補助と
して使用してもよい。
【0032】BWR 凝縮液に存在する酸化鉄の収容力が増
加した独特のスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン陽
イオン交換樹脂は、二つの異なった基準により独立して
記載することができる。一つの基準は、光学的な外観で
あり、もう一方は物理化学的な基準である。独特の陽イ
オン交換樹脂は、十分に水和した時の外観は不透明であ
り、乾燥した時は半透明〜透明である。さらに、独特の
陽イオン交換樹脂は、十分に水和した時はマクロレティ
キュラーであり、乾燥した時はミクロレティキュラーで
ある。マクロレティキュラーという語は、マクロポーラ
ス(macroporous) という語と同義である。マクロレティ
キュラーという語は、ミクロポーラス(microporous)及
びゲル型という語と同義である。本発明の目的のため、
不透明、半透明及び透明という語は以下のように定義さ
れる:不透明−不透明の構造は通常光を通過させない
か、又は不透明の構造を通して通常の物体を見ることが
できない。半透明−半透明の構造は通常光を通過させる
が、半透明構造を通して物体を見ることができない。
【0033】透明−透明の構造は通常光を通過させ、か
つ透明の構造を通して物体をみることができる。独特の
陽イオン交換樹脂の物理化学的構造は、全水分収容力及
び表面積の組合せにより定義してもよい。本発明の目的
に関し、酸化鉄の収容力が増強した、独特の生成物に不
変の制限は、以下のようである: 全水分収容力、重量% − 45〜65% 表面積、m2/g − 7〜60 バイアルにおいて十分に水和された状態及び乾燥状態の
イオン交換樹脂ビーズの目に見える外観は、強い光にお
いて視覚的に観察することができる。イオン交換樹脂ビ
ーズの外観は、約20倍の倍率で透過光を用いて顕微鏡の
使用により観察することができる。浸潤又は乾燥したビ
ーズを碁盤目の標線(grid mark)のついたスライドガラ
スに置き、光が透過又は透過しないことを観察するた
め、及びビーズを通して碁盤目の標線が観察できるか又
はできないかを観察する。
【0034】マクロレティキュラー及びミクロレティキ
ュラービーズの試験方法は以下の参照文献に記載されて
おり、参照文献としてここに含まれているものとする。 1.AMBER-HI-LITES、No.161、Spring、1979年、Public
ation of Rohm and HaasCompany、Phila.、PA。 2.クン(Kun) 、ケン(Ken) 及びクニン(Kunin) 、R.、
J.Polym.Sci.、Part A-1、第6巻、2689(1968 年) 。 3.Brunauer、S.、Emmett、P.. 、及びTeller、E.、J.
Amer.Chem.Soc.. 60、309(1938年) 。 表面積又は比表面積(平方メートル/グラム)という語
は、全粒子のアクセス可能な孔の表面積同様、粒子それ
自体の境界の見掛けの表面積を指称する。ミクロレティ
キュラーイオン交換樹脂ビーズは本質的に細孔構造でな
いので、これらの粒子の表面積は小さく、粒子サイズに
よる。故に、商業上のミクロレティキュラーイオン交換
ビーズの表面積は、0.1 平方メートル/グラムより小さ
い。同じ粒子サイズの一般的なマクロレティキュラーイ
オン交換ビーズの表面積は、5 〜200 平方メートル/グ
ラムである。
【0035】同様の測定は、水和状態の粒子でも行われ
る。水和状態とは、粒子が約95%以上の十分に水和され
た含水率を含むものである。この測定は、粒子を視覚的
に試験することにより好ましく行うこともできる。乾燥
状態における測定及び水和状態における測定の両方は、
水素型の樹脂の粒子において完成される。二形態の粒子
は、乾燥状態では半透明、水和状態では不透明であると
定義される。二形態の粒子は、凝縮液から酸化鉄を除去
するのに使用するために選択され、スルホン酸陽イオン
交換樹脂粒子が二形態を示さないことと比較して、その
場合二形態の粒子は酸化鉄除去の増強を表しそうであ
る。選択された樹脂での大きなパイロットプラント実験
を進行する前に、本発明により選択された二形態の触媒
の可溶性ポリスチレンスルホネートの液圧安定性及び可
能な浸出について、実験室規模の試験を行うことが、唯
一必要である。
【0036】十分な乾燥及び排気条件下、表面積の標準
的な測定方法は樹脂に制限されるので、樹脂の選択方法
はイオン交換樹脂により酸化鉄除去の技術において有意
に進歩している。いくつもの陽イオン交換樹脂はそれら
が乾燥した時、表面積を失うので、この乾燥樹脂の表面
積の試験結果は誤りに導かれ得る。理論により制限され
るべきと思われることなしにどのような樹脂の選択方法
が驚くほどに有用な結果を生ずることができるかという
仮の説明として以下の仮説が提出されている。浸潤表面
積及び浸潤細孔容量は、直接測定できないけれども、水
和状態において高い表面積及び高い細孔容量の両方を持
つ樹脂は、水性のストリームから酸化鉄を除去するため
に相対的に増強された容量を持つことが適当である。問
題は、大規模なパイロットプラント試験プログラムに頼
ることなく、最も好適な樹脂をみきわめることにある。
【0037】可視光に対する半透明性により示される、
乾燥状態において本質的にゲル状であるが、水と接触し
て有意な膨潤を行うために十分に低い架橋度を有する樹
脂を、この選択方法が確認することが仮定される。理論
において、選択される樹脂は、分子のスケールよりも大
きい直径を有する細孔が形成される程度範囲にまで膨潤
することができるものである。30Åより大きい直径の大
きな細孔は、樹脂を通る可視光線の透過率を出来るかぎ
り妨げてもよく、可視光線を不透明にする水和された樹
脂を引き起こす。本発明は、凝縮液から非晶質の酸化鉄
を除去する方法をさらに提供する。初期の研究者は、酸
化鉄の最も困難な形状として非晶質の酸化鉄を確認し、
凝縮液から取り除いた。非晶質の酸化鉄は、単純なイオ
ン種ではない。それは、たいてい作業条件でその電荷が
変わるコロイドである。BWR 作業の条件下、コロイド酸
化鉄の電荷は正であり、酸化鉄は陽イオン交換樹脂によ
り吸着され得る。酸化鉄化合物の結晶形及びイオン型は
相対的に除去が簡単であり、最も有効な酸化鉄の除去方
法は、非晶質酸化鉄に効果的なものである。
【0038】該方法において、非晶質酸化鉄は強酸性の
陽イオン交換樹脂に吸着される。該樹脂には樹脂母材が
あげられ、それは固定したイオンを運ぶイオン交換樹脂
の分子網状構造として定義される。固定したイオンは、
交換できないイオン及び移動できる交換可能なイオンの
電荷と反対の電荷を持つイオン交換体樹脂におけるイオ
ノゲン基である。該樹脂は吸着剤表面も含み、それは樹
脂の外側の境界面及び内面の両方を定める樹脂母材を一
般的に囲んでいる。該内面は、樹脂母材のゲル構造の一
部でない相対的に大きな細孔を描く。非晶質酸化鉄は、
吸着剤表面に吸着され、相対的に動かし難い吸着された
酸化鉄を生じる。吸着した酸化鉄は解離され、鉄含有イ
オンになる。解離は吸着剤表面で生じ、そこで活性部位
は含水酸化鉄における等電点より低いpHの局在した領域
を見掛け上作り出す。もし吸着剤表面の活性部位が水素
型ならば、必要な酸性度が含水酸化鉄の解離を引き起こ
すことを条件として、吸着及び溶解のみが生じることが
できる。
【0039】鉄含有イオンへの解離後、吸着剤表面で鉄
含有イオンは樹脂母材内に拡散し、吸着剤表面に活性部
位を置き、より多い非晶質酸化鉄を吸着及び解離する。
吸着、解離及び核酸の相対的な速度を平衡に保つため、
及び凝縮液から非晶質酸化鉄の除去を最大にするため、
使用される強酸の陽イオン交換樹脂は、乾燥状態におい
てはゲル状、水和状態においては実質的にマクロレティ
キュラーであることが必要である。
【0040】乾燥状態においてはゲル状で、水和状態に
おいては実質的にマクロレティキュラーである強酸性の
陽イオン交換樹脂は、商品名PK 212L として三菱化成コ
ーポレーションにより製造された樹脂が特に好ましい。
樹脂DiaionTM PK 212Lは、スチレン- ジビニルベンゼン
架橋マトリックスを有するスルホン酸樹脂である。該樹
脂はナトリウム型で得られ、本発明における使用には水
素型に変換される。非晶質酸化鉄の除去方法は、粉末状
の樹脂を利用するのに適用してもよい。好ましくは、粉
末状樹脂は約90%以上の樹脂の範囲において、タイラー
メッシュシステム(Tyler mesh system) に従って、325
メッシュスクリーンを通ることができるようなサイズの
分布を有する。該樹脂は、凝縮液のストリームが通過す
るフィルターの上流側に層として適用される。その層
は、好ましくは約1/8 〜約1/2インチの厚さであり、フ
ィルターを通る一般的な流量はフィルター表面の1平方
フート1分当たり、約4ガロンである。好ましくは、樹
脂は約20〜約40のタイラーメッシュサイズのビーズ状の
ものである。ビーズ状の樹脂が、凝縮液ストリームが通
過する約20〜約24インチの深さの床に調整されることが
推奨される。
【0041】樹脂が乾燥状態においてゲル状であり、水
和状態において実質的にマクロレティキュラーであるこ
とが必要である。そうでなければ、吸着、解離及び拡散
の段階は、平衡状態を保たず、該方法は増強した除去効
率で作用し続けないだろう。樹脂が標準的に樹脂の製造
を完成する方法の終わりに乾燥状態であり、樹脂が商業
用の使用のすぐ前に工業用の所で樹脂を水と接触させる
ことによりゲル状の形態からマクロレティキュラーの形
態に変換されるであろうことが予期される。本発明の特
定の態様を、明確化の目的で記載したが、本発明は記載
した態様を制限しようとするものではない。本発明の範
囲は、特許請求の範囲が許可されるのと同様に広くある
べきである。さらに、ある理論は本発明の驚くべき有効
性についての説明を可能とするとして進められてきた
が、本発明はその理論に制限されず、またその理論と運
命を共にするものではない。記述したように行われた
時、本発明はイオン交換樹脂により遷移金属酸化物除去
の技術において有意な改善を表す。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】3つの異なるイオン交換樹脂により示した鉄粒
子の除去効率をパイロットプラントの使用日数の関数と
して示す。
【図2】3つのイオン交換樹脂の除去効率をそれぞれの
樹脂が活動する日数の関数として示す。
【図3】それぞれの樹脂が活動する日数の関数として3
つのイオン交換樹脂により示される、樹脂1リットル当
たりの鉄のグラム数で表される、樹脂の荷重量を示す。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝縮液から遷移金属酸化物及び可溶性陽
    イオン種を除去する方法であって、ミクロレティキュラ
    ーであり乾燥した形態にある強酸性の二形態陽イオン交
    換樹脂を水和して、該二形態陽イオン交換樹脂をマクロ
    レティキュラーであり水和した形態に変換すること、該
    二形態陽イオン交換樹脂が乾燥状態でゲル状でありかつ
    水和状態で実質的にマクロレティキュラーであること、
    及び分離領域に遷移金属酸化物の第一の濃度を有する凝
    縮液を含む水性ストリームを通過させること、ここで該
    分離領域はマクロレティキュラーで水和した形態であり
    かつ水和型の該二形態陽イオン樹脂から構成される第一
    の粒状床を含むことを特徴とする上記方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロオキシド型の陰イオン交換樹脂と
    水性ストリームを接触させることをさらに含む、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 水性ストリームを二形態陽イオン交換樹
    脂及び陰イオン交換樹脂と所定の空間速度で接触させる
    こと、ここで二形態陽イオン交換樹脂の空間速度対陰イ
    オン交換樹脂の空間速度は約1:2 〜約3:1 であることを
    さらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該第一の濃度と比較して減少した遷移金
    属酸化物の第二の濃度を有する精製ストリームを分離領
    域で製造すること、及びイオン交換樹脂を含む第二の粒
    状床を精製ストリームと接触させることをさらに含む、
    請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 水性ストリームを二形態の陽イオン交換
    樹脂と接触させることが、水性ストリームと多くの樹脂
    粒子間の異種の接触であり、該樹脂粒子のそれぞれの粒
    子径は、約200 ミクロン〜約1200ミクロンである、請求
    項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 水性ストリームを第一の粒状床において
    混床方法として該二形態陽イオン交換樹脂及び該陰イオ
    ン交換樹脂と接触させる、請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 二形態陽イオン交換樹脂をナトリウム型
    から水素型に変換し、同時に二形態の陽イオン交換樹脂
    を約5 容量%〜約12容量%膨張させることをさらに含
    む、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 水素型への変換と同時に起こる膨張が、
    約5 容量%〜約10容量%である、請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 二形態陽イオン交換樹脂の水和が、該二
    形態陽イオン交換樹脂の含水率を約45重量%〜約65重量
    %に増加する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 二形態陽イオン交換樹脂の乾燥表面積
    が1グラム当たり約7〜約60平方メートルである、請求
    項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 凝縮液から非晶質酸化鉄を除去する方
    法であって、樹脂母材及び樹脂母材を囲っている吸着材
    表面を有する強酸性の陽イオン交換樹脂上に非晶質酸化
    鉄を吸着させ、吸着した酸化鉄を生じさせること、ここ
    で該樹脂は乾燥状態でゲル状であり、水和状態において
    実質的にマクロレティキュラーであること、吸着した酸
    化鉄を樹脂の吸着材表面において鉄含有イオンへ解離さ
    せること、及び鉄含有イオンを樹脂母材に拡散させるこ
    とを含むことを特徴とする上記方法。
  12. 【請求項12】 樹脂が粉末状であり、かつ凝縮液スト
    リームにさらされる濾過部材の上流側に層として配置さ
    れる、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 樹脂がビーズ状であり、凝縮液ストリ
    ームが通過する床の深さ約24〜約48インチを構成する、
    請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 樹脂を水と接触させることにより、樹
    脂をマクロレティキュラーの形態に変換することをさら
    に含む、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 十分に水和した状態における該樹脂の
    含水率が約45重量%〜約65重量%であり、乾燥状態にお
    ける表面積が1グラム当たり約7 〜約60平方メートルで
    ある、請求項11に記載の方法。
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