JPH05261276A - 耐熱性を付与したマイクロカプセルおよびその製造方法 - Google Patents

耐熱性を付与したマイクロカプセルおよびその製造方法

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JPH05261276A
JPH05261276A JP4091485A JP9148592A JPH05261276A JP H05261276 A JPH05261276 A JP H05261276A JP 4091485 A JP4091485 A JP 4091485A JP 9148592 A JP9148592 A JP 9148592A JP H05261276 A JPH05261276 A JP H05261276A
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Akira Hirasawa
朗 平澤
Toru Maruyama
徹 丸山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂中への溶融練り込み、あるいは焼き付け
塗装など高熱処理される用途に使用されても、内包芯物
質やマイクロカプセル壁材料が劣化せず、目的とする機
能を発揮することができるマイクロカプセルおよびその
製造方法を開発する。 【構成】 芯物質を内包するマイクロカプセルを含む分
散液の連続液相中に耐熱性を有する微粒子を分散させ、
該連続液相を乾燥させることによりマイクロカプセル壁
表面を該微粒子により被うことを特徴とする製造方法お
よびそれにより製造されたマイクロカプセルにより上記
目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性を付与したマイ
クロカプセルおよびその製造方法に関するものであり、
更に詳しくは、樹脂中への溶融練り込み、あるいは焼き
付け塗装など高熱処理される用途に使用されても、内包
芯物質やマイクロカプセル壁材料が劣化せず、目的とす
る機能を発揮することができるマイクロカプセルおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、色素、香料、医薬品、溶剤、酵素
などの有機物、無機物、微生物、生物など、あるいはこ
れらの混合物からなる芯材料を、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などの
高分子化合物にて、界面重合法、相分離析出法、オリフ
ィス法、in-situ 法などと称される公知のマイクロカプ
セル化法により内包被覆したマイクロカプセルが知られ
ており、広く用いられている。然し、これらのマイクロ
カプセルを塗料、接着剤、樹脂などに混合して使用する
時に高温の加熱処理工程がある場合は、マイクロカプセ
ルを内包被覆する高分子や上記の芯材料が熱劣化した
り、可塑剤などの低分子物質が芯材料中に侵入して芯材
が劣化したりたりするため、これらのマイクロカプセル
は目的とする機能を発揮することができなくなる欠点が
あった。この問題を解決するために、マイクロカプセル
調製時に、芯材料を一旦上記高分子化合物にて被覆した
後、更にその上に別の高分子化合物で被覆し2重カプセ
ルとする方法が提案されているが(特開昭62−206
082号公報)、操作が煩雑になり、コストアップにな
るという問題を有している。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み鋭
意検討した結果、芯物質を内包するマイクロカプセルを
含む分散液の連続液相中に耐熱性を有する微粒子を分散
させ、該連続液相を乾燥させることによりマイクロカプ
セル壁表面を該微粒子により被うことにより、下記の特
徴を有し、且つ耐熱性の改善されたマイクロカプセルを
得ることができることを見いだして本発明を成すに至っ
た。 1)マイクロカプセル化方法に関係なく耐熱性を向上さ
せることができる。 2)操作が簡単で、使用する材料も安価なのでコスト的
にメリットがある。 3)樹脂、塗料、接着剤などへの分散性も向上させるこ
とができる(マイクロカプセル粉体の流動性の改善)。 4)マイクロカプセルの性能を阻害しない。 5)マイクロカプセルへのダメージ(壁材の劣化)が全
くない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明
は、芯物質とその芯物質を内包する壁物質よりなるマイ
クロカプセルにおいて、マイクロカプセル壁表面が耐熱
性を有する微粒子に被われていることを特徴とする耐熱
性の向上したマイクロカプセルである。
【0005】本発明の請求項2の発明は、耐熱性を有す
る微粒子が無機物質よりなることを特徴とする特許請求
の範囲第1項に記載の耐熱性の向上したマイクロカプセ
ルである。
【0006】本発明の請求項3の発明は、耐熱性を有す
る無機物質の微粒子がシリカ微粒子よりなることを特徴
とする特許請求の範囲第1項に記載の耐熱性の向上した
マイクロカプセルである。
【0007】本発明の請求項4の発明は、芯物質を内包
するマイクロカプセルを含む分散液の連続液相中に耐熱
性を有する微粒子を分散させ、該連続液相を乾燥させる
ことによりマイクロカプセル壁表面を該微粒子により被
うことを特徴とする耐熱性の向上したマイクロカプセル
の製造方法である。
【0008】本発明の請求項5の発明は、耐熱性を有す
る微粒子が無機物質よりなることを特徴とする特許請求
の範囲第4項に記載の耐熱性の向上したマイクロカプセ
ルの製造方法である。
【0009】本発明の請求項6の発明は、耐熱性を有す
る無機物質の微粒子がシリカ微粒子よりなることを特徴
とする特許請求の範囲第5項に記載の耐熱性の向上した
マイクロカプセルの製造方法である。以下本発明を詳述
する。
【0010】本発明で使用する芯物質は色素、香料、医
薬品、溶剤、微生物、酵素などの有機物、無機物、生物
など、あるいはこれらの混合物からなる芯物質のいずれ
でもよく、特に限定されるものではない。本発明のマイ
クロカプセルはマイクロカプセル本来の性能を損なうこ
となく耐熱性が改善されるので、従来使用できなかった
耐熱性の劣る芯物質でも使用することができる。
【0011】本発明で使用する壁材を形成する高分子化
合物は、上記のようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などの高分子化合
物など、あるいはこれらの混合物からなる高分子などい
ずれでもよく、特に限定されるものではない。
【0012】本発明で使用するマイクロカプセル化法
は、界面重合法、相分離析出法、オリフィス法、in-sit
u 法などと称される公知のマイクロカプセル化法などい
ずれでもよく、特に限定されるものではない。
【0013】本発明で使用する耐熱性を有する微粒子は
無機物質、有機物質、微生物、生物など、あるいはこれ
らの混合物などいずれでもよく、特に限定されるもので
はない。該微粒子の粒径、粒径分布なども特に限定され
ないが、粒径はマイクロカプセルの二次粒子径の1/1
00以下であり、粒径分布の狭いものが好ましい。耐熱
性を有する無機微粒子としては、例えば、アルミナ、酸
化チタン、マグネシウム微粉末、ケイ酸(ホワイトカー
ボン)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ニッケル微粉
末、極微細炭酸カルシウム、超微粒子状無水シリカ、人
工エポソーム粒子、ウオッチングレッド、紺青などを挙
げることができるがこの限りではない。また、耐熱性を
有する有機微粒子としては、銅フタロシアニングリーン
や銅フタロシアニンブルーなどの有機顔料も耐熱性微粒
子として上げることができるがこの限りではない。
【0014】芯物質を内包するマイクロカプセルを含む
分散液の連続液相中に耐熱性を有する微粒子を分散さ
せ、該連続液相を乾燥させることによりマイクロカプセ
ル壁表面を該微粒子により被うマイクロカプセルの製造
方法によれば、乾燥させる際、連続相中にあらかじめ分
散した微粒子は乾燥することによりマイクロカプセル壁
表面に強固に付着する。また、連続液相中にあらかじめ
分散させた微粒子をマイクロカプセル壁表面上により強
固に付着させるため、他の特性を損なわない範囲でバイ
ンダー成分を適宜使用することができる。表面に強固に
付着した該微粒子あるいは該微粒子層は耐熱性、バリヤ
ー性を有するので芯物質や壁材を保護することになり、
その結果耐熱性を向上したマイクロカプセルをうること
ができるものと考えられるが、マイクロカプセルの耐熱
性を向上できた理由はこれに限定されるものではない。
【0015】本発明のマイクロカプセルと該微粒子の付
着割合は、マイクロカプセルに対し重量部比で3%〜2
00%である。好ましくは10%〜100%、更に好ま
しくは30%〜50%の範囲である。3%より少ないと
耐熱性改良の効果はなく、200%以上ではマイクロカ
プセルを含まない粒子ができる確立が高くなり、耐熱性
微粒子が無駄に使用されることとなるので好ましくな
い。
【0016】
【作用】マイクロカプセル分散液を乾燥させ、粉体のマ
イクロカプセルを得る場合、あらかじめ連続相中に耐熱
性微粒子を分散させておき、連続相を乾燥させることな
どによりマイクロカプセル粒子表面に耐熱微粒子を強固
に付着させることによって、マイクロカプセルに耐熱性
を付与することができる。表面に強固に付着した該微粒
子あるいは該微粒子層は耐熱性、バリヤー性を有するの
で芯物質や壁材を保護することになり、その結果耐熱性
を向上したマイクロカプセルをうることができるものと
考えられる。
【0017】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 参考例1 着色材Aの調整 クリスタルバイオレットラクトン(CVL)7.5部と
ビスフェノールA7.5部、それにミリスチルアルコー
ル185部を加熱溶解し、着色材Aを調整する。 マイクロカプセルAの調整 スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scrip
set−520/モンサント社製)を少量の水酸化ナト
リウムと共に溶解し、5wt%、PH4.6に調整した
水溶液300部中に着色材A200部を乳化・分散し、
平均粒径4μmの乳化物を得た。次いでこの分散液に、
33,6部の37%ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリ
ン)に20部のメラミンを加え、水酸化ナトリウム水溶
液でPH9.5に調整した後15分で80℃まで加熱溶
解したメラミン−ホルマリンプレポリマーを攪拌しなが
ら添加し、系の温度を80℃まで加温し、2時間保温し
た後放冷してマイクロカプセル分散液Aを得た。このマ
イクロカプセルをワイヤーバーにて上質紙に7g/m2
になるように塗工した用紙は、20℃の雰囲気中では青
色に完全に発色しており、40℃では青色は消色し、示
温材マイクロカプセルで有ることが確認された。
【0018】比較例1 マイクロカプセル分散液Aの固形分率を30wt%に調
整し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥させ2次粒子径
30μmのマイクロカプセル粉体を得た。この粉体は2
0℃の雰囲気中では完全に青色発色しており、40℃の
雰囲気中では青色は消色し、示温材マイクロカプセル粉
体で有り、噴霧乾燥では機能が損なわれていないことが
確認された。この粉体100部をポリプロピレン生レジ
ン900部へ230℃−3分の条件で混練・分散させ、
厚さ3mmの板状成形品を得た。この成形品は、20℃
の雰囲気中では青色に発色はするが青色は薄く退色が起
こっており、40℃の雰囲気中では青色が完全には消え
ず、また分散状態も不良で肉眼でもマイクロカプセル粒
子の存在が確認出来た。この成形品では実用に耐えかね
ないものだった。
【0019】実施例1 マイクロカプセル分散液Aの固形分100部に対し、シ
リカ(SiO2 )微粒子(商品名:CAB−O−SPE
RSE II/CABOT社製)を固形分として10部加
え、全分散液の固形分率を30%に調整した後、比較例
1同様の方法で噴霧乾燥、成形し、ポリプロピレン板状
成形品を得た。この成形品は20℃の雰囲気中では完全
に青色発色しており、40℃の雰囲気中ではやや青色に
着色するが、実用上は問題なく肉眼にてマイクロカプセ
ル粒子を確認することは出来ず、分散状態も良好であっ
た。
【0020】実施例2 実施例1で使用したCAB−O−SPERESを固形分
として30部とした以外は同様の操作を行った。得られ
た成形品は分散状態も良く、20℃の雰囲気中では完全
に青色発色しており、40℃の雰囲気中では完全に白色
に消色した。この色の変化は繰り返し使用しても安定的
に変化した。
【0021】実施例3〜10 シリカ微粒子を変えて行った結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】参考例2 着色材Bの調整 PDS・HR(新日曹化学社製 フルオラン系赤色色
素)28.5部とビスフェノールA28.5部、それに
ステアリン酸ブチル143部を加熱溶解し、着色材Bを
調整する。 マイクロカプセルBの調整 スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scrip
set−520/モンサント社製)を少量の水酸化ナト
リウムと共に溶解し、5wt%、PH4.3に調整した
水溶液300部に中に着色材A200部を乳化・分散
し、平均粒径4.5μmの乳化物を得た。次いでこの分
散液に、51.5部の37%ホルムアルデヒド水溶液
(ホルマリン)に20部のメラミンを加え、水酸化ナト
リウム水溶液でPH9.5に調整した後15分で80℃
まで加熱溶解したメラミン−ホルマリンポリマーを攪拌
しながら添加し、系の温度を80℃まで加温し、1時間
保温したあと温度を95℃に昇温し、さらに1時間保温
した後放冷してマイクロカプセル分散液Bを得た。この
マイクロカプセルをワイヤーバーにて上質紙に7g/m
2 になるように塗工した用紙を0℃の雰囲気中においた
ところ赤色に発色し、20℃の雰囲気にしたところ赤色
は消色し、示温材マイクロカプセルで有ることが確認さ
れた。
【0024】比較例2 マイクロカプセル分散液Bの固形分率を30wt%に調
整し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥させ2次粒子径
30μmのマイクロカプセル粉体を得た。この粉体は常
温(室温/20℃)では白色の粉体であるが、0℃の雰
囲気にしたところ赤色に発色する示温材マイクロカプセ
ル粉体だった。このことより、噴霧乾燥では機能が損な
われていないことが確認された。この粉体100部をポ
リプロピレン生レジン900部へ230℃−3分の条件
で混練・分散させ、厚さ3mmの板状成形品を得た。こ
の成形品は、0℃の雰囲気中においてたところ赤色に完
全に発色したが、室温(20℃)では赤色が完全には消
えず、また分散状態も不良で肉眼でもマイクロカプセル
粒子の存在が確認出来た。この成形品では実用に耐えか
ねないものだった。
【0025】実施例11 マイクロカプセル分散液Bの固形分100部に対し、シ
リカ(SiO2 )微粒子(商品名:CAB−O−SPE
RSE II/CABOT社製)を固形分として10部加
え、全分散液の固形分率を30%に調整した後、比較例
1同様の方法で噴霧乾燥、成形し、ポリプロピレン板状
成形品を得た。この成形品は0℃の雰囲気にしたところ
赤色に完全に発色し、室温(20℃)ではやや赤みがか
っていたが、実用上は問題なく肉眼にてマイクロカプセ
ル粒子を確認することは出来ず、分散状態も良好であっ
た。
【0026】実施例12 実施例11で使用したCAB−O−SPERESを固形
分として50部とした以外は同様の操作を行った。得ら
れた成形品は分散状態も良く、室温(20℃)では完全
に白色に消色しており、0℃の雰囲気中においたところ
赤色に完全に発色し、機能が損なわれていないことがわ
かった。この色の変化は繰り返し使用しても安定的に変
化した。
【0027】実施例13 実施例11で使用したCAB−O−SPERESを固形
分として100部とした以外は同様の操作を行った。得
られた成形品は分散状態も良く、室温(20℃)では完
全に白色に消色しており、0℃の雰囲気中においたとこ
ろ赤色に発色していたが、やや赤色が薄く感じられた
が、実用上問題がなく機能が損なわれていないことがわ
かった。
【0028】実施例14〜19 シリカ微粒子を変えて行った結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】参考例3 マイクロカプセルCの調整 スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:Scrip
set−520/モンサント社製)を少量の水酸化ナト
リウムと共に溶解し、5wt%、PH4.6に調整した
水溶液300部中にレモン合成香料(高砂香料社製)2
00部を乳化・分散し、平均粒径7μmの乳化物を得
た。次いでこの分散液に、45.0部の37%ホルムア
ルデヒド水溶液(ホルマリン)に20部のメラミンを加
え、水酸化ナトリウム水溶液でPH9.5に調整した後
15分で80℃まで加熱溶解したメラミン−ホルマリン
プレポリマーを攪拌しながら添加し、系の温度を65℃
まで加温し、2時間保温したあと温度を80℃に昇温さ
せ、さらに30分保温した後、冷却水を用いて急冷して
マイクロカプセル分散液Cを得た。このマイクロカプセ
ルをワイヤーバーにて上質紙に5g/m2 になるように
塗工した用紙は、そのままではあまり臭いがしないが、
塗工表面を爪で強くこするとレモンの香りが発生し、そ
の臭いは元の香料のものとほぼ同じだった。このことよ
り、レモン香料マイクロカプセルであることが確認され
た。
【0031】比較例3 マイクロカプセル分散液Cの固形分率を20wt%に調
整し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥させ2次粒子径
20μmのマイクロカプセル粉体を得た。その粉体はそ
のままでは特に強い臭いはないが、指でこすったところ
レモンの香りが発生し、その臭いは元の香料のものとほ
ぼ同じだった。このことより、噴霧乾燥では機能が損な
われていないことが確認された。この粉体50部をホッ
トメルト接着剤[商品名:エスダイン8512DZ、積
水化学工業(株)製]950部中に加熱分散し、このホ
ットメルト接着剤をハガキなどのデータ面を隠ぺいする
材料をハガキに仮接着させる接着剤として使用し、親展
性のあるハガキを得た。このハガキの隠ぺい材を仮接着
層から剥がしたところ、ホットメルト接着剤中のマイク
ロカプセルが破壊され、元の香料とは明らかに異なる香
りがした。このことは、ホットメルト接着材を溶融させ
るため180℃で保温中に、マイクロカプセル中の香料
(一般に100種類以上の合成)成分が変化し明らかに
異なる香りと成ったと思われ、実用には耐えられないも
のであった。
【0032】実施例20 マイクロカプセル分散液Cの固形分100部に対し、シ
リカ(SiO2 )微粒子(商品名:CAB−O−SPE
RSE II/CABOT社製)を固形分として30部加
え、全分散液の固形分率を20%に調整した後比較例3
同様の方法で噴霧乾燥、親展性のあるハガキを得た。こ
のハガキを仮接着層から剥がしたところ、元の香料と同
じレモンの香りがし、芳香性で親展性のあるハガキが得
られた。このことから、ホットメルト接着剤保温中の熱
より香料が影響を受けないマイクロカプセルであること
が確認された。
【0033】実施例21 実施例20で使用したCAB−O−SPERESを固形
分として50部とした以外は同様の操作を行った。得ら
れた親展性のあるハガキを得た。このハガキを仮接着層
から剥がしたところ、元の香料とほぼ同じレモンの香り
がした。
【0034】実施例22〜27 シリカ微粒子を変えて行った結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】参考例4 マイクロカプセルDの調整 3wt%ポリビニルアルコール(商品名:UP−240
G/ユニチカ社製)水溶液286.1部中に、135部
のフタル酸ジブチル(DBP)中にフォトクロミック剤
(商品名:SNO−4(ブルー発色)/日本火薬社製)
を2.7gとテレフタル酸クロライド(TPC)を15
g加熱溶解した液を乳化・分散し、平均粒径5μmの乳
化物を得た。次いでこの分散液に、ジエチルトリアミド
8.8部と9部の炭酸ナトリウムを52部の蒸留水中に
溶解した水溶液を攪拌しながら添加し、20時間反応さ
せマイクロカプセル分散液Dを得た。このマイクロカプ
セルをワイヤーバーにて上質紙に6g/m2 になるよう
に塗工した用紙は、そのままでは白色のままだが、太陽
光を直接照射すると鮮やかに青色に発色し、光をさえぎ
ると元の色に変化するものだった。このことより、紫外
線により可逆的に変色するフォトクロミックマイクロカ
プセルであることが確認された。
【0037】比較例4 マイクロカプセル分散液Dの固形分率を30wt%に調
整し、スプレードライヤーにて噴霧乾燥させ2次粒子径
35μmのマイクロカプセル粉体を得た。この粉体はそ
のままでは白色のままだが、太陽光を直接照射すると鮮
やかに青色に発色し、光をさえぎると元の白色粉体に戻
るものだった。このことより、噴霧乾燥では機能が損な
われていないことが確認された。この粉体10部を焼付
塗料[商品名:Vフロン#2000、大日本塗料(株)
製]90部中に分散し、200℃にてスチール缶表面焼
き付け塗装した。このスチール缶を直射日光中においた
ところ、青色に変色は起こったが十分な濃さではなく、
塗料中へのマイクロカプセル分散も良好ではなく、スチ
ール缶表面も粗さが目立ち、この塗料では実用に耐えか
ねないものだった。
【0038】実施例28 マイクロカプセル分散液Dの固形分100部に対し、シ
リカ(SiO2 )微粒子(商品名:CAB−O−SPE
RSE II/CABOT社製)を固形分として10部加
え、全分散液の固形分率を30%に調整した後比較例4
同様の方法で噴霧乾燥、焼き付け塗料化し、スチール缶
を得た。このスチール缶はそのままでは白色のままであ
るが、太陽光を直接照射するとやや薄い青色に発色し、
光をさえぎると元の白色に戻るもので実用上問題はな
く、塗料化時の分散性も良好だった。
【0039】実施例29 実施例28で使用したCAB−O−SPERESを固形
分として30部とした以外は同様の操作を行った。得ら
れたスチール缶はそのままでは白色のままであるが、太
陽光を直接照射すると鮮やかに青色に発色し、光をさえ
ぎると元の白色に戻るもので、塗料化時の分散性も良好
だった
【0040】実施例30 実施例29で使用したCAB−O−SPERESを固形
分として50部とした以外は同様の操作を行った。得ら
れたスチール缶はそのままでは白色のままであるが、太
陽光を直接照射すると鮮やかに青色に発色し、光をさえ
ぎると元の白色に戻るもので、塗料化の分散性も良好だ
った。この色の変化は繰り返し使用しても安定的に変化
した。
【0041】実施例31〜33 シリカ微粒子を変えて行った結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】上述のように、芯物質を内包するマイク
ロカプセルを含む分散液の連続液相中に耐熱性を有する
微粒子を分散させ、該連続液相を乾燥させる方法にによ
り、マイクロカプセル壁表面を強固に付着した該微粒子
により被うことにより、1)マイクロカプセル化方法に
関係なく耐熱性を向上させることができる、2)操作が
簡単で、使用する材料も安価なのでコスト的にメリット
がある、3)樹脂、塗料、接着剤などへの分散性も向上
させることができる(マイクロカプセル粉体の流動性の
改善)、4)マイクロカプセルの性能を阻害しない、
5)マイクロカプセルへのダメージ(壁材の劣化)が全
くないなどの効果を有するマイクロカプセルを製造する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質とその芯物質を内包する壁物質よ
    りなるマイクロカプセルにおいて、マイクロカプセル壁
    表面が耐熱性を有する微粒子に被われていることを特徴
    とする耐熱性の向上したマイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 耐熱性を有する微粒子が無機物質よりな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の耐熱
    性の向上したマイクロカプセル。
  3. 【請求項3】 耐熱性を有する無機物質の微粒子がシリ
    カ微粒子よりなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の耐熱性の向上したマイクロカプセル。
  4. 【請求項4】 芯物質を内包するマイクロカプセルを含
    む分散液の連続液相中に耐熱性を有する微粒子を分散さ
    せ、該連続液相を乾燥させることによりマイクロカプセ
    ル壁表面を該微粒子により被うことを特徴とする耐熱性
    の向上したマイクロカプセルの製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱性を有する微粒子が無機物質よりな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の耐熱
    性の向上したマイクロカプセルの製造方法。
  6. 【請求項6】 耐熱性を有する無機物質の微粒子がシリ
    カ微粒子よりなることを特徴とする特許請求の範囲第5
    項に記載の耐熱性の向上したマイクロカプセルの製造方
    法。
JP09148592A 1992-03-18 1992-03-18 耐熱性を付与したマイクロカプセルの製造方法 Expired - Lifetime JP3318339B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016540061A (ja) * 2013-10-04 2016-12-22 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー スチレン無水マレイン酸コポリマーに基づく有益剤含有デリバリー粒子

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