JPH05261258A - 気体透過性膜の製造方法 - Google Patents

気体透過性膜の製造方法

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JPH05261258A
JPH05261258A JP10835292A JP10835292A JPH05261258A JP H05261258 A JPH05261258 A JP H05261258A JP 10835292 A JP10835292 A JP 10835292A JP 10835292 A JP10835292 A JP 10835292A JP H05261258 A JPH05261258 A JP H05261258A
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JP
Japan
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membrane
film
ultraviolet rays
gas
solvent
Prior art date
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Application number
JP10835292A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Nakabo
年宏 中坊
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間にわたって安定した気体透過性能を維
持することができる気体透過性膜を製造することを目的
とする。 【構成】 構造式が (RはC1〜C4のアルキル基)で表されるポリ置換ア
セチレンの溶液を水面上に延展し、延展された膜の溶媒
が蒸発する過程で紫外線を照射する。そのあと前記膜を
多孔質支持体ですくい上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気体透過性膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】気体の分離、精製において、省エネルギ
ー化などを理由に、気体透過性高分子膜を用いる方法が
注目されている。この種高分子膜を用いて空気から分
離、製造された酸素富化空気は、その燃焼効率向上性に
よる省エネルギー化、完全燃焼性による排出有害物質の
低減、動植物育成への利用などに期待されている。
【0003】このような用途からみて、この種高分子膜
が具備すべき性能として、気体透過性が高いこと、
気体分離性(分離しようとする気体と分離が不必要な気
体との透過性の比)が高いこと、があげられる。特に用
途などを考慮した場合、気体透過性が高いことが強く要
望される。このような性能を最も充足する素材として化
2によって示される構造式で表されるポリ置換アセチレ
ンがあげられる。
【0004】
【化2】
【0005】この素材は特定の有機溶剤に可溶で、溶液
からキャスト法によって容易に薄膜化できる。このよう
にして作られた膜は、通常の高分子フィルム(たとえば
ポリジメチルシロキサン)に比較して気体透過性が格段
に優れており、気体透過係数にすると、1桁以上も大き
い。
【0006】しかしこの高分子膜は、気体透過性が経時
的に低下する性質があり、長時間が経過したときの気体
透過性は、通常の高分子フィルムと同等あるいはそれ以
下にまで低下してしまう。
【0007】これを解決するために、この高分子膜に紫
外線を照射し、高分子を架橋化する方法が別途提案され
ている。この場合超薄膜化の観点からすれば、水面展開
法によって形成した膜に紫外線を照射する方法が有効で
あり、具体的には水面上に高分子溶液を延展し、溶媒を
蒸発させてから、多孔質支持体によってすくい上げ、複
合膜としたあと、紫外線を照射するようにしている。
【0008】この方法によれば、高分子膜の気体透過性
能の経時低下は抑制され、優れた気体透過性能と気体分
離性能とを長期にわたって維持し得る気体透過性膜が得
られる。しかしこの方法によると、水面上において溶媒
を蒸発させる際、膜の凝縮が起こり、結果的に最終生成
膜の紫外線照射直後の気体透過性(初期性能)が低下す
る欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリ置換ア
セチレンからなる高分子膜を用いる気体透過性膜を水面
展開法によって形成し、紫外線を照射する工程におい
て、膜の凝縮現象を防ぐことによって、気体透過初期性
能の低下を可及的に少なくするとともに、経時的な性能
低下を抑制することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリ置換アセ
チレンの溶液を水面上に延展して膜状とし、その膜の溶
媒が蒸発する過程で、紫外線を照射することを特徴とす
る。
【0011】
【作用】水面上に延展した状態にあるときは、その膜の
分子間の距離は広い。この距離が広いうちに紫外線を照
射すれば、分子同志が結合し、分子同志が固定される。
これによって膜の凝縮が回避されるようになる。
【0012】本発明におけるポリ置換アセチレンは、構
造式が下記の化3で表される二置換アセチレンを重合し
たものである。
【0013】
【化3】
【0014】重合体は、TaCl5,NbCl5,Ta
Br5,NbBr5などのV族遷移金属触媒と、芳香族
炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂環
式炭化水素(シクロヘキサンなど)、ハロゲン系炭化水
素(四塩化炭素、トリクロロエチレンなど)などの溶剤
を用い、不活性気体中で30〜100℃で加熱すること
によって得られる。得られた重合体を上記の溶媒に再溶
解したものを、本発明の溶液として用いる。
【0015】紫外線としては、10nm〜400nmの
任意の波長の光が利用できる。これらの紫外線の発生源
は、前記溶液を延展する水槽の上部に設置され、延展さ
れた膜から溶媒が蒸発する過程で照射を行う。
【0016】紫外線発生源としては、市販のUV硬化装
置、高圧水銀灯、分析検出用UVランプなどが用いられ
る。この場合の照射強度としては、1平方糎あたり1m
W以上、好ましくは1平方糎あたり10〜1000mW
である。
【0017】多孔質支持体としては、ポリスルフォン、
ポリイミド、ポリプロピレン、芳香族ポリアミド、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリ−4−フッ化エチレン、ポリカ
ーボネートなどの多孔質高分子フィルムの他、多孔質ガ
ラス板、多孔質セラミック板などから目的に合ったもの
を使用するとよい。
【0018】本発明方法を実施するに際しては、溶液の
延展、紫外線の照射、膜のすくい上げなどをそれぞれ別
の工程として行なうようにしてもよいが、たとえば図1
に示すような連続成膜装置を用いると、効率良く膜を形
成することができる。図1の構成は、水槽1に水を入れ
ておき、その表面に供給管2より前記した溶液を供給し
てその溶液を延展させる。
【0019】延展によって形成された膜3は、ローラ4
を添纒する多孔質支持体5によってすくい上げられる。
このすくい上げられるまでに膜3の溶媒が蒸発される
が、その蒸発の過程で紫外線照射装置6からの紫外線に
よって照射される。7はすくい上げられた複合膜を示
す。
【0020】このように溶媒の蒸発の過程で紫外線が照
射されることによって、水面上での膜の凝縮が防止され
ので、初期性能の低下が抑制され、かつ気体透過性能の
経時性能の低下も抑制される。これによって長期間にわ
たって安定した気体透過性能を有する膜が得られるよう
になる。
【0021】
【実施例】1−(トリメチルシリル)−1−プロピン
(アルドリッチ)1g、TaCl50.06g、トルエ
ン10ccを用い、80℃にて24時間、窒素雰囲気中
で反応させることにより、粘調な重合体ゲルを得た。こ
の重合体ゲルをトルエンにて希釈した後、多量のメタノ
ール中に滴下して重合体を析出沈殿させた。
【0022】得られた重合体を濾過および乾燥し、その
あとトルエン100ccに再溶解して、重合体溶液とし
た。得られた溶液をメタルハライドランプ式紫外線照射
装置の直下に設置された水槽に満たした水面上に延展
し、直ちに前記紫外線照射装置によって、照射強度1平
方糎あたり40mWで1秒間紫外線を照射した。室温で
溶媒を蒸発させたあと、多孔質支持体(ジュラガード#
2400、ポリプラスチックス)によってすくい上げ、
複合膜とした。
【0023】比較例1 紫外線を照射したことを除いて
実施例と同じ方法で複合膜を形成した。
【0024】比較例2 紫外線を照射したことを除いて
実施例と同じ方法で複合膜を形成してから乾燥させ、そ
の複合膜に実施例と同じ条件で紫外線を照射した。
【0025】以上の各例の膜について、ガス透過率測定
器を用いて、真空法、35℃において酸素および窒素の
透過量を測定した。この場合、実施例および比較例1に
ついては、複合膜乾燥後の、比較例2については、紫外
線照射直後の、それぞれの性能を初期値とし、その後の
経過時間特性を評価した。各例の酸素透過係数(Po
2)および酸素/窒素透過係数比(分離性能α)の初期
値と、100日経過後の値を下記の表1に、また経過時
間特性を図2に示す。
【0026】なお酸素透過係数(Po2)の単位はcm
(STP)・cm/cm・sec・cmHgであ
る。
【0027】
【表1】
【0028】表1および図2に示す結果から明らかなよ
うに、実施例1による高分子複合膜は、比較例によるポ
リ置換アセチレン膜に比較して、気体透過性能(初期性
能)は低下するものの、長時間にわたって安定した特性
を維持し続けるため、時間経過後には従来方法によるも
のよりも、良い特性を呈することが判明する。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ポ
リ置換アセチレンを素材として気体透過性膜を得るにあ
たり、従来法によるものよりも長期にわたって安定した
気体透過性能を呈するこの種気体透過性膜を製造するこ
とができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例方法に使用する装置の断面図で
ある。
【図2】本発明によって得られた膜の、経過日数に対す
る酸素透過係数の変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1 水槽 2 溶液供給管 3 延展された膜 5 多孔質支持体 6 紫外線照射装置 7 複合膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式が 【化1】 で表されるポリ置換アセチレンの溶液を水面上に延展し
    て膜を形成する工程と、水面上に延展された前記膜の溶
    媒が蒸発する過程で紫外線を照射する工程と、前記紫外
    線が照射された前記膜を多孔質支持体ですくい上げる工
    程とからなることを特徴とする気体透過性膜の製造方
    法。
JP10835292A 1992-03-16 1992-03-16 気体透過性膜の製造方法 Pending JPH05261258A (ja)

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