JPH05259327A - 半導体装置のタングステン基焼結合金製放熱構造部材 - Google Patents

半導体装置のタングステン基焼結合金製放熱構造部材

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JPH05259327A
JPH05259327A JP8954592A JP8954592A JPH05259327A JP H05259327 A JPH05259327 A JP H05259327A JP 8954592 A JP8954592 A JP 8954592A JP 8954592 A JP8954592 A JP 8954592A JP H05259327 A JPH05259327 A JP H05259327A
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雄三 植村
Tatsuo Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度を有する半導体装置の放熱構造部材を
提供する。 【構成】 半導体装置の放熱構造部材であるヒートシン
ク材や基板などを、W粒子同志が相互に隣接接合してな
る骨格構造を有し、この骨格構造部分の割合が全体に占
める割合で84〜88重量%を占め、かつ残りが前記W
粒子間を埋めるNi:20〜30重量%含有のCu−N
i合金からなる組織をもったW基焼結合金で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度と低熱膨張係
数を有し、かつ熱伝導性も良好な半導体装置のタングス
テン(以下、Wで示す)基焼結合金製放熱構造部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に半導体装置のヒートシンク
材や基板などの放熱構造部材には低熱膨張係数と良好な
熱伝導性が要求されることから、これら部材の製造に、
前記特性を具備した、例えば特開昭59−136938
号公報に記載される、重量%で(以下、%は重量%を示
す)、Cu:5〜20%、鉄族金属:0.02〜2%、
W:残り、からなる配合組成の圧粉体を焼結してなるW
基焼結合金などが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の半導体装
置の高集積化はめざましく、これに伴ない、半導体装置
の放熱構造部材であるヒートシンク材や基板にも軽量化
および薄肉化が強く要求されているが、上記の従来W基
焼結合金製放熱構造部材は、強度が十分でないために、
これらの要求に満足に対応することができない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、軽量化および薄肉化が可能な高
強度を有する半導体装置の放熱構造部材を開発すべく、
特に低熱膨張係数と良好な熱伝導性の確保が可能なW基
焼結合金に着目し研究を行なった結果、半導体装置の放
熱構造部材を、W粒子(若干のNiが合金化した状態に
なっている)同志が相互に隣接接合してなる骨格構造を
有し、この骨格構造部分の割合が全体に占める割合で8
4〜88%を占め、かつ残りが前記W粒子間を埋めるN
i:20〜30%含有のCu−Ni合金からなる組織を
有するW基焼結合金で構成すると、この結果のW基焼結
合金製放熱構造部材は、上記W粒子による骨格構造によ
って一段と高い強度をもつようになるほか、熱膨張係数
も低いものとなり、かつ上記Cu−Ni合金によって良
好な熱伝導性も具備するようになるという研究結果を得
たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、W粒子同志が相互に隣接接合し
てなる骨格構造を有し、この骨格構造部分の割合が全体
に占める割合で84〜88%を占め、かつ残りが前記W
粒子間を埋めるNi:20〜30%含有のCu−Ni合
金からなる組織を有するW基焼結合金で構成してなる半
導体装置のW基焼結合金製放熱構造部材に特徴を有する
ものである。
【0006】つぎに、この発明の放熱構造部材におい
て、骨格構造部分の割合およびCu−Ni合金のNi含
有量を上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) 骨格構造部分の割合 その割合が84%未満では、W粒子間の相互接合が十分
に行なわれず、この結果強固な骨格構造の形成が困難と
なり、所望の高強度と低熱膨張係数を確保することがで
きなくなり、一方その割合が88%を越えると、相対的
にCu−Ni合金の割合が少なくなりすぎて、熱伝導性
の低下が著しくなることから、その割合を84〜88%
と定めた。
【0007】(b) Cu−Ni合金のNi含有量 Cu−Ni合金には、上記の通り骨格を形成するW粒子
間に存在して熱伝導性を高める作用があるほか、Cu−
Ni合金中のNiには、W粒子との界面で、これと合金
化してW粒子との結合力を高め、もって前記骨格構造と
相まって強度を向上させる作用があるが、Cu−Ni合
金中のNi含有量が20%未満では、Cu−Ni合金と
W粒子との間に十分な結合力を確保することができず、
一方同Ni含有量が30%を越えると熱伝導性が急激に
低下するようになることから、Cu−Ni合金のNi含
有量を20〜30%と定めた。
【0008】
【実施例】ついで、この発明の放熱構造部材を実施例に
より具体的に説明する。原料粉末として、それぞれ表1
に示される平均粒径を有するW粉末およびCu−Ni合
金粉末を用意し、これら原料粉末を同じく表1に示され
る配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し
た後、3ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、つ
いでこの圧粉体を1350〜1400℃の範囲内の所定
温度に60分間保持の条件で焼結することにより、実質
的に配合組成と同じ成分組成、並びに平面:25mm×2
5mm、厚さ:1mmの寸法をもった半導体装置の基板とし
て用いられる本発明W基焼結合金製放熱構造部材(以
下、本発明放熱構造部材という)1〜4、並びに骨格構
造部分の割合またはCu−Ni合金のNi含有量がこの
発明の範囲から外れたW基焼結合金で構成された比較W
基焼結合金製放熱構造部材(以下、比較放熱構造部材と
いう)1〜4をそれぞれ製造した。
【0009】
【表1】
【0010】つぎに、この結果得られた各種の放熱構造
部材について、強度を評価する目的で引張強さを測定
し、また熱膨張係数および熱伝導率も測定した。これら
の測定結果を表1に示した。また、図1には、本発明放
熱構造部材3の金属顕微鏡による組織写真(400倍)
を示した。
【0011】
【発明の効果】表1および図1に示される結果から、本
発明放熱構造部材1〜4は、いずれもW粒子同志が相互
に隣接接合した骨格構造を有し、かつこの骨格構造がC
u−Ni合金中のNiによって一層強化された組織を有
するので、高強度を示すと共に、熱膨張係数も小さいも
のとなっており、さらにW粒子間を埋めるCu−Ni合
金によって良好な熱伝導性も具備するのに対して、比較
放熱構造部材1〜4に見られるように、これを構成する
W基焼結合金における骨格構造部分の割合あるいはCu
−Ni合金のNi含有量がこの発明の範囲から外れる
と、上記の特性のうちの少なくともいずれかの特性が劣
ったものになることが明らかである。
【0012】上述のように、この発明のW基焼結合金製
放熱構造部材は、高強度と低熱膨張係数、さらに良好な
熱伝導性を有するので、これの軽量および薄肉化に十分
対応することができ、半導体装置の高集積化に大いに寄
与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明放熱構造部材3の金属顕微鏡による組織
写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン粒子同志が相互に隣接接合
    してなる骨格構造を有し、この骨格構造部分の割合が全
    体に占める割合で84〜88重量%を占め、かつ残りが
    前記タングステン粒子間を埋めるNi:20〜30重量
    %含有のCu−Ni合金からなる組織をもったタングス
    テン基焼結合金で構成したことを特徴とする半導体装置
    のタングステン基焼結合金製放熱構造部材。
JP8954592A 1992-03-13 1992-03-13 半導体装置のタングステン基焼結合金製放熱構造部材 Expired - Lifetime JP2842032B2 (ja)

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