JPH052578U - 偏平ブラシレスモータのロータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高さや、径方向サイズを犠牲にすることなく
イナーシャを大とならしめ、回転むらを改善できる偏平
ブラシレスモータのロータを提供する。 【構成】 メインマグネットを保持するロータケースの
外周にフランジを出した偏平ブラシレスモータのロータ
において、上記フランジに密度６以上のウエイトを載置
したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、偏平ブラシレスモータのロータの改良に係わり、特にイナーシャ を大きくした偏平ブラシレスモータのロータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、偏平ブラシレスモータ、特にＦＤＤ装置をダイレクトドライブさせ 薄い鉄芯型ステータを有するものとして図２に示すようなものが知られている。

【０００３】 すなわち、１は印刷配線鉄基板からなるステータベースで、中央にボールベア リング２と含油メタル３を嵌着したメタルハウジングを兼ねるステータホルダ４ が取り付けられ、さらにその外周には数枚の珪素鋼板をラミネートしたコア５が 嵌着されており、このコアにはステータコイル６がコアカバー７を介して巻回さ れている。一方、ロータケース８は内側に前記コア５の外周に空隙を介して臨ま せたリング状の希土類プラスチックからなるメインマグネット９を保持し、その 外周のフランジ８ａにはＦＧマグネット１０を一体成形させ、上面にはチャック マグネット１１を載置させ、ロータホルダ１２を介してシャフト１３に固着され 、このシャフト１３を前記のボールベアリング２と含油メタル１３に回転自在に 支承させることにより全体として薄型に構成させている。

【０００４】 最近のＦＤＤ装置は非常に薄型化志向に伴い、これを駆使する偏平ブラシレス モータも可及的に薄型化の要求がつよく、全厚５ｍｍ程度が求められるようにな ると、ロータのイナーシャが大きくとれず、低回転時の回転むらが問題となって きている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この回転むら対策としてイナーシャを大きくするためにＦＧマグネットを必要 以上に大きく成形したり、フランジを大きく振り出したりする手段が考えられる が、ＦＧマグネットの密度が小さく、またフランジの上面にはヘッドが来るため あまり大きくすることができないし、フランジを大きく振り出すものでは、モー タ径が大となって採用できない。

【０００６】 この考案は、ＦＧマグネットを一体成形する際、フランジの上面に凹所が生ず ることに着眼して解決したもので、モータ径を大きくすることなくイナーシャを 大きくとれ、したがって低回転時の回転むらを改善した偏平ブラシレスモータの ロータを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記フランジに密度６以上のウエイトを載置したものである。

【０００８】 上記ウエイトは鉄板であってもよい。

【０００９】 また、上記ウエイトは鉛板であってもよい。

【００１０】 さらに、望ましくはタングステン合金製であってもよい。

【００１１】 そして、上記フランジには、ＦＧマグネットが一体成形され、上記ウエイトは ＦＧマグネットとロータケース外周との間の凹所に少なくとも一部が配されるよ うにするがよい。

【００１２】

【作用】

ロータケースの外周のフランジにウエイトは配されているので、イナーシャを 高める働きが大となる。

【００１３】 鉄板からなるウエイトはメインマグネットの漏洩磁束のＦＧマグネットへ影響 を防ぐことができる。

【００１４】 鉛やタングステン合金製のウエイトならイナーシャを大とすることができる。

【００１５】 ウエイトをロータケース外周とＦＧマグネットの間の凹所にはめこむものでは ヘッドの含有空間を無視できるので、非常に薄型化できる。

【００１６】

【実施例】

図１はこの考案のロータを使用した偏平ブラシレスモータの片断面図であり、 従来例である図２と同等部位は同一符号を記してその説明を省略する。 この考案の特徴は、ロータケース８のフランジ８ａに一体成形されたフェライ トプラチックマグネットからなるＦＧマグネット１０と、ロータケース８の外周 との間の凹所に亜鉛引き鉄板からなるリング状のウエイト１４を嵌着させたもの である。

【００１７】 このウエイトは鉛板や銅タングステンにしてもよく、密度６以上なら他の部材 でもよいのはもちろんである。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は、上記のように構成したので、次のような効果を発する。

【００１９】 ロータケースの外周のフランジにウエイトを配したのでイナーシャを大とする 働きが大きい。

【００２０】 鉄板からなるウエイトはメインマグネットの漏洩磁束を防ぐことができるので 、ＦＧマグネットへの影響が少なくなる。

【００２１】 鉛やタングステン合金からなるウエイトならイナーシャを大とすることができ 、回転ジッターを極めて改善できる。

【００２２】 なお、回転ジッター値は実験結果において下記のようになった。 ウエイトなし ２．６７％ 鉄板ウエイト付き ２．１３％ 鉛板ウエイト付き １．１５％

【００２３】 上記いずれのウエイトも凹所に収納するようにすれば、ヘッドの邪魔にならず 、極めて薄い偏平ブラシレスモータが提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のロータを用いる偏平ブラシレスモータ
の一実施例の片断面図である。

【図２】従来の同片断面図である。

【符号の説明】

８ ロータケース ８ａ フランジ ９ メインマグネット １０ ＦＧマグネット １４ ウエイト

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メインマグネットを保持するロータケー
   スの外周にフランジを出した偏平ブラシレスモータのロ
   ータにおいて、上記フランジに密度６以上のウエイトを
   載置した偏平ブラシレスモータのロータ。
2. 【請求項２】 上記ウエイトは鉄板である請求項１記載
   の偏平ブラシレスモータのロータ。
3. 【請求項３】 上記ウエイトは鉛板である請求項１記載
   の偏平ブラシレスモータのロータ。
4. 【請求項４】 上記ウエイトはタングステン合金である
   請求項１記載の偏平ブラシレスモータのロータ。
5. 【請求項５】 上記フランジにはＦＧマグネットが一体
   成形され、上記ウエイトはＦＧマグネットとロータケー
   ス外周との間の凹所に少なくとも一部が配された請求項
   １乃至４のいずれかに記載の偏平ブラシレスモータのロ
   ータ。