JPH0525643B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は樹脂等を成形する装置に関し、詳しく
は高周波により金型を加熱して成形を行う装置お
よび成形方法に関する。

〔従来の技術〕

従来高周波加熱を利用し、金型によつて樹脂材
料を成形する方法としては、特公昭58−40504号
公報に記載されているように、加熱コイルを金型
の加熱面と相似形とし、金型型開き時に金型内に
コイルを挿入し、その後型を閉じて加熱コイルを
挟み込み、金型でコイルを挟んだ状態に加熱する
方法がある。

また同公報には、コイルを金型に直接接触させ
ずに、適当な空気間隔をあけた状態で加熱する方
法が記載されている。

〔発明が解決しようとしている課題〕

しかしながら金型でコイルを挟んだ状態で加熱
する方法は、加熱コイルを金型で挟むことにより
金型表面が傷つくという問題を有し、特に鏡面性
を持つ金型には適用できなかつた。

また、コイルを金型に直接接触させずに適当な
空気間隔をあけた状態で加熱する方法は、加熱コ
イルと金型表面との間隙を一定に保つのが困難で
あり、温度ムラが生じ、その結果成形品の精度に
難があるという問題を有していた。すなわち、金
型表面温度Ｔと空気間隔ｔとの間には、 Ｔｋ・t^-1 ｋ：高周波周波数、出力、金型材質、コイル形状
により決まる係数 なる関係があり、わずかな空気間隔の変化で著し
い温度差が生じる。

従来例ではコイルと金型が別々の装置で動作
し、金型とコイルを連結する機構がないため、精
度維持が困難であり、光学部品の成形等、金型表
面温度に高精度を要するものには使用できなかつ
た。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、金型と、該金型と相似形の加熱コイ
ルを有する高周波加熱装置とを備え、金型で加熱
コイルを挟んだ状態で金型の加熱を行う成形装置
であつて、金型がストツパーピンを有し、高周波
加熱装置がストツパーボスを有し、該ストツパー
ピンと該ストツパーボスとが該金型で該加熱コイ
ルを挟んだときに接触するように配されたことを
特徴とする成形装置である。

前記ストツパーボスが絶縁材料からなることが
好ましい。

また本発明は、上記の成形装置を用いて成形を
行う成形方法であつて、前記金型が型開き状態の
時に前記高周波加熱装置を金型の間に進入させ、
次に前記ストツパーピンと前記ストツパーボスと
が接触するまで高周波加熱装置を金型表面方向に
移動させ、該接触を保つたままで高周波を発振さ
せて金型を加熱し、加熱完了後高周波加熱装置を
金型内から取り出し、型締を行い、型内に被成形
物を注入することを特徴とする成形方法である。

本発明は特には、前記高周波加熱装置を前記金
型の間に進入させるときに、前記ストツパーピン
と金型キヤビテイコアとが金型パーテイング面よ
り突出していることを特徴とする上記の方法であ
る。

本発明によれば、金型を高周波で加熱する際の
加熱コイルと金型との空気間隔の精度を、金型に
設けたストツパーピンとコイルに設けたストツパ
ーボスとを突き当てて維持することにより、加熱
の際の空気間隔ムラによる金型表面の温度分布を
均一にすることができる。すなわち、金型ストツ
パーピンの精度と加熱コイルのストツパーボスの
精度とを各々単独に保証することにより、金型と
加熱コイルとの相対位置の精度を保証しなくとも
均一な空気間隔を保つことができる。

ストツパーボスが絶縁材料、例えばエポキシ樹
脂等の樹脂あるいはアルミナ等のセラミツク材等
からなつていれば、高周波加熱装置の加熱コイル
から金型へ電流がリークするのを防止する絶縁部
材を兼ねることができる。

前記高周波加熱装置を前記金型の間に進入させ
るときに、前記ストツパーピンと金型のキヤビテ
イコアとが金型パーテイング面より突出している
ようにすれば、キヤビテイコアだけを加熱できる
ので高い加熱効率が得られ、またキヤビテイコア
と型板との間のスパークを防止することができ
る。

本発明の成形装置および成形方法は上記のよう
な特徴を有するが、装置および方法のその他の部
分は従来技術を適用する。

〔実施例〕

第１図に本発明の装置の例を示す。１は射出成
形機の射出部、２は金型、３は加熱コイル、４は
高周波発振装置、５は加熱コイル駆動装置、６は
金型温度調節機、７は成形品取り出し装置であ
る。

第２図は金型と加熱コイルとを拡大して示し、
２は金型、２１は成形品表面を形成するキヤビテ
イコア、３１は加熱コイル、３２は加熱コイルの
キヤビテイコア加熱部分、３３は加熱コイルに設
けられたストツパーボス、２２は金型に設けられ
たストツパーピン、Ｐは金型パーテイング面を示
す。

第２〜４図に基づき装置の動作について説明す
る。

金型２が開いた状態で加熱コイル３１を金型の
間に進入させる（第２図）。キヤビテイコア２１
とストツパーピン２２は突出、後退が可能とさ
れ、ここでは図のようにパーテイング面Ｐより突
出している。その後加熱コイル３１を金型表面方
向にそれぞれ移動させると、第３図のように加熱
コイルのストツパーボス３３と金型のストツパー
ピン２２が接触する。

その状態で高周波を発振させキヤビテイコア２
１を加熱する。加熱終了後、加熱コイル３１を金
型表面から後退させ、第２図の状態に戻す。その
後加熱コイルを金型内より取り出し、金型のスト
ツパーピンおよびキヤビテイコアを後退し、型締
を行う（第４図）。型締完了後、第４図の状態で
樹脂を金型内に注入し成形を行う。

〔発明の効果〕 本発明によれば、金型と加熱コイルとの間の空
気間隔を一定に保つことができ、金型表面温度分
布を均一にでき、高い精度で成形を行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の成形装置の全体概念図、第２
図から第４図は金型と加熱コイル部の拡大して示
す実施例の方法の工程図である。 １：射出部、２：金型、３：加熱コイル、４：
高周波発振機、５：加熱コイル移動装置、６：温
度調節機、２１：キヤビテイコア、２２：ストツ
パーピン、３１：加熱コイル、３２：キヤビテイ
コア加熱部、３３：ストツパーボス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型と、該金型と相似形の加熱コイルを有す
   る高周波加熱装置とを備え、金型で加熱コイルを
   挟んだ状態で金型の加熱を行う成形装置であつ
   て、金型がストツパーピンを有し、高周波加熱装
   置がストツパーボスを有し、該ストツパーピンと
   該ストツパーボスとが該金型で該加熱コイルを挟
   んだときに接触するように配されたことを特徴と
   する成形装置。 ２ 前記ストツパーボスが絶縁材料からなること
   を特徴とする請求項１に記載の装置。 ３ 請求項１に記載の成形装置を用いて成形を行
   う成形方法であつて、前記金型が型開き状態の時
   に前記高周波加熱装置を金型の間に進入させ、次
   に前記ストツパーピンと前記ストツパーボスとが
   接触するまで高周波加熱装置を金型表面方向に移
   動させ、該接触を保つたままで高周波を発振させ
   て金型を加熱し、加熱完了後高周波加熱装置を金
   型内から取り出し、型締を行い、型内に被成形物
   を注入することを特徴とする成形方法。 ４ 前記高周波加熱装置を前記金型の間に進入さ
   せるときに、前記ストツパーピンと金型のキヤビ
   テイコアとが金型パーテイング面より突出してい
   ることを特徴とする請求項３に記載の方法。