JPH05256409A

JPH05256409A - 窒素酸化物低発生ボイラ装置

Info

Publication number: JPH05256409A
Application number: JP5164792A
Authority: JP
Inventors: Toshiaki Omori; 敏明大森
Original assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Current assignee: Tokyo Gas Co Ltd
Priority date: 1992-03-10
Filing date: 1992-03-10
Publication date: 1993-10-05
Anticipated expiration: 2015-07-04
Also published as: JP3059288B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ボイラ装置において、吸熱効果を向上させる
ことと、窒素酸化物の発生を抑制することを目的とする
ものである。【構成】内側水管群と外側水管群を同心円状に配設し
て、前記内側水管群の内側を燃焼室に構成し、この燃焼
室の上部に於いて、該燃焼室を横切る複数の断面上に
は、複数個のノズルを、該ノズル軸の延長線が同心円の
接線方向となるように構成し、吸熱効果の向上と窒素酸
化物の発生を大巾に抑制するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は窒素酸化物低発生ボイラ
装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】窒素酸化物（ＮＯｘ）の低減燃焼方法とし
ては、排ガス再循環燃焼をはじめとして、二段燃焼法、
燃料二段供給燃焼法、予混合燃焼法並びに濃淡燃焼法等
種々の燃焼法がある。例えば、ボイラ装置に適用された
排ガス再循環燃焼法の例としては、特開平３年第２３６
５０３号がある。これは、燃焼室内に燃焼ガスを旋回さ
せながら上下往復を繰り返させて行なう排ガス再循環法
の代表例である。

【０００３】

【発明の課題】本発明は、予混合燃焼法を、ボイラ装置
に於いて、発展させると共に、燃料二段供給燃焼法及び
濃淡燃焼法等をボイラ装置に於いて適用実現し、水管群
に効果的に吸熱させることと相乗して、ＮＯｘの低減を
図ることを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、内側水管群と外側水管群を同心円上
に配設して、前記内側水管群の内側を燃焼室に構成し、
この燃焼室の上部に於いて円筒状燃焼室を横切る複数の
断面上には、複数個のノズルを、該ノズル軸の延長線が
同心円の接線方向となるように構成したことを特徴とす
るものである。また、本発明は、複数の断面上を、上段
及び下段に構成したことを特徴とするものである。ま
た、本発明は、上段の複数のノズルから、燃料過濃な予
混合ガスを、また下段の複数個のノズルから全体の空気
比を１．０５〜１．１程度にするのに必要な残余の空気
を供給して成ることを特徴とするものである。また、本
発明は、上段の複数個のノズルから、燃料希薄な予混合
ガスを、また下段の複数個のノズルから、全体の空気比
が１．０５〜１．１程度になるように、必要な残余の燃
料を供給して成ることを特徴とするものである。また、
本発明は、上段の複数個のノズルから、燃料が希薄な予
混合ガスを、また下段の複数個のノズルに燃料が濃厚な
予混合ガスを供給して成ることを特徴とするものであ
る。また、本発明は、下段のノズルから、燃料過濃な混
合ガスを、また上段のノズルから、燃料希薄な混合ガス
を供給することを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】内側水管群に囲まれた燃焼室内を旋回混合下降
しながら燃焼する。かかる燃焼に際して、予混合二段燃
焼法、燃料二段供給二段燃焼法、濃淡燃焼法等を実現す
るものである。そして、かかる燃焼と同時に水管群に効
果的な吸熱を実行させるものである。

【０００６】

【実施例】符号１はボイラ本体であって、このボイラ本
体１内に、内側水管群２と外側水管群３を同心円上に配
設して、前記内側水管群２の内側を燃焼室４に構成す
る。かかる燃焼室４の上部に於いて、燃焼室４を横切る
複数の断面上に、複数のノズル５を、該ノズル軸の延長
線が同心円の接線方向となるように構成する。実施例図
では、前記複数の断面上を、上下段の二段構成としてい
るが、各段毎の空気比等を考慮して、場合により三段以
上の多段とすることもできる。符号６は蒸気出口、７は
排気口、８は水入口である。

【０００７】上段の複数個のノズル５に、空気比λ＝
０．５〜０．７になるように燃料過濃な予混合ガスを供
給し、これを燃焼室４内に噴出させて、即ち内側水管群
２の内側に噴出させて、渦流を形成し、この渦流に着火
することにより、Ａ−Ａ断面全体に広がる火炎が形成さ
れる。この時、同時に、下段の複数のノズル５から、完
全燃焼に必要な残りの空気、即ち二次空気を供給する。
この二次空気は、燃焼室４内に前記と同様に渦流を形成
し、この空気の渦流は、前記一次燃焼に於ける未燃分と
の混合を促進し、未燃分を完全燃焼させる。燃焼ガス
は、燃焼室４内を旋回しながら下降し、Ｃ−Ｃ断面に到
達した後、図中矢印で示す通り、内側水管群２、外側水
管群３の間、及び外側水管群３の周囲を通過、上昇して
排気口７から排出される。燃焼ガスは、燃焼室４内を旋
回流動するために、対流伝熱による内側水管群２への伝
熱が効果的に行われる。このようにして、一次燃焼、二
次燃焼とも燃焼室内に体積の大きな火炎を形成するため
に、局所的な高温部が存在せず、また、輻射伝熱が促進
されるために火炎の冷却が効果的に行われる。従って、
いわゆる予混合二段冷却燃焼が理想的に行なわれてＮＯ
ｘの発生を効果的に抑制する。実施例では、燃料ガスと
空気は、予め混合されたのち、マニホ−ルドにより各ノ
ズルに供給されているが、ノズル内で燃料ガスと空気と
を混合させて、ノズル開口部から炉内に噴出させるよう
に構成してもよい。ノズル内での混合手段は、従来のい
かなる形式のものでもよい。

【０００８】また、本発明は、上段のノズル５からは燃
料希薄な混合ガスを、そして下段のノズル５からは二次
燃料を供給することにより、燃料二段供給燃焼法を安定
的に実行することができる。かかる場合も、前記したと
同様に、特別の高温部が形成されず、吸熱混合燃焼が良
好に行なわれてＮＯｘの発生を効果的に抑制することが
できる。

【０００９】また、本発明は、上段のノズル５から、燃
料希薄な混合ガスを、そして下段のノズル５からは燃料
過濃な混合ガスを供給することにより、濃淡燃焼が実行
でき、いわゆるＰＲＯＭＰＴＮＯ及びＴＨＥＲ
ＭＡＬＮＯの発生を抑制することができる。

【００１０】以上の燃焼を実行することにより、本発明
はボイラ装置に於いて、１０〜３０ｐｐｍの低ＮＯｘ化
を図ることができ、これは、従来の装置に於いては、６
０ｐｐｍが限度であったことから考えると飛躍的な進歩
である。これは、独特の構成により、各種の燃焼の結合
が、燃焼の安定と共に実現できるからである。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、以上の通り、燃焼の安定を図
りながら、窒素酸化物の発生を抑制し、しかも吸熱効果
を一段と向上させる等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の縦断説明図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線横断説明図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線横断説明図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ線横断説明図である。

【符号の説明】

１ボイラ本体２内側水管群３外側水管群４燃焼室５ノズル６蒸気出口７排気口８水入口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内側水管群と外側水管群を同心円状に配
設して、前記内側水管群の内側を燃焼室に構成し、この
燃焼室の上部に於いて、該燃焼室を横切る複数の断面上
には、複数個のノズルを、該ノズル軸の延長線が同心円
の接線方向となるように構成した窒素酸化物低発生ボイ
ラ装置。
【請求項２】複数の断面上を、上段及び下段に構成し
た請求項１記載の窒素酸化物低発生ボイラ装置。
【請求項３】上段の複数個のノズルから、燃料過濃な
予混合ガスを噴出させると共に、下段の複数個のノズル
からは、全体の空気比を１．０５〜１．１程度にするの
に必要な残余の空気を噴出して成る請求項１記載の窒素
酸化物低発生ボイラ装置。
【請求項４】上段の複数個のノズルから、燃料希薄な
予混合ガスを噴出させると共に、下段の複数個のノズル
からは、全体の空気比が１．０５〜１．１程度になるよ
うに、必要な残余の燃料を噴出して成る請求項１記載の
窒素酸化物低発生ボイラ装置。
【請求項５】上段の複数個のノズルから、燃料が希薄
な予混合ガスを噴出させると共に、下段の複数個のノズ
ルからは、燃料が過濃な予混合ガスを噴出して成る請求
項１記載の窒素酸化物低発生ボイラ装置。
【請求項６】上段の複数個のノズルから、燃料過濃な
混合ガスを噴出させると共に、下段の複数のノズルから
は、燃料希薄な混合ガスを噴出させる請求項１記載の窒
素酸化物低発生ボイラ装置。