JPH11287408A - 低NOx バーナ - Google Patents

低NOx バーナ

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JPH11287408A
JPH11287408A JP10576498A JP10576498A JPH11287408A JP H11287408 A JPH11287408 A JP H11287408A JP 10576498 A JP10576498 A JP 10576498A JP 10576498 A JP10576498 A JP 10576498A JP H11287408 A JPH11287408 A JP H11287408A
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JP
Japan
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inner cylinder
combustion
diffusion member
fuel
air
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Application number
JP10576498A
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English (en)
Inventor
Tatsuki Kobayashi
立季 小林
Makoto Oda
眞 小田
Naoki Fukuda
直樹 福田
Hidenori Suzuki
栄紀 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低NOx バーナにおいて、一層の低NO
x 化を達成すること。 【解決手段】 燃料および燃焼用一次空気を噴出する内
筒2と、前記内筒2の外周に配置されて前記内筒2との
間に燃焼用二次空気を噴出する環状流路3を形成する外
筒4と、前記内筒2の先端部に、前記内筒2の内周壁と
の間に所定の隙間を介在させて配置された末広がり形状
をなす拡散部材5とを備えた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低NOxバーナ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃焼機器における有害燃焼排
気物の低減化には、種々の提案がなされてきたが、近年
では、環境汚染等の問題から有害燃焼排気物の中でも特
にNOx の低減に注意が向けられている。そのために、
燃料自体に窒素分の少ない気体燃料を用い、その燃焼過
程においてサーマルNOx (thermal NOx )の低減化
を図った低NOx バーナは数多く提案されている。ま
た、小型,簡易クラスのボイラのように、比較的小容積
の燃焼空間で用いられ、大出力化を要求されるバーナに
おいては、NOx の低減が難しく、このような分野に適
用し得る低NOx バーナの要望が高まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、低NOx
バーナにおいて、一層の低NOx 化を達成することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたものであって、請求項1に記載
の発明は、燃料および燃焼用一次空気を噴出する内筒
と、前記内筒の外周に配置されて前記内筒との間に燃焼
用二次空気を噴出する環状流路を形成する外筒と、前記
内筒の先端部に、前記外筒の内周壁との間に所定の隙間
を介在させて配置された末広がり形状をなす拡散部材と
を備えたことを特徴とするものである。
【0005】また、請求項5に係る発明は、内筒と、こ
の内筒内にほぼ同軸状に配置された燃料供給管と、前記
内筒の外周に配置されて前記内筒との間に環状流路を形
成する外筒とを備え、前記燃料供給管の先端部に、末広
がり形状をなす拡散部材を設けるとともにこの燃料供給
管の先端にこの拡散部材と所定の間隔を保持した状態で
末広がり状部分を設け、この末広がり状部分の先端と前
記内筒の内周壁との間に環状の閉鎖部材を配置し、前記
末広がり状部分に多数の小孔を設け、前記燃料供給管6
に燃料を、前記内筒と前記燃料供給管との間の環状空間
に燃焼用一次空気を、前記環状流路に燃焼用二次空気を
供給するように構成したことを特徴とする低NOx バー
ナ。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明に係る低NOx バーナ
は、所謂部分予混合式バーナとして実施される。この発
明に係る低NOx バーナは、その中心側から燃焼用一次
空気と燃料の混合物である部分予混合気を噴出し、この
部分予混合気を取り囲むように燃焼用二次空気を噴出す
る構成となっている。すなわち、この発明に係る低NO
x バーナは、部分予混合気を噴出する内筒と、この内筒
の外周側には、内筒との間に燃焼用二次空気を噴出する
環状流路を形成する外筒をほぼ同軸状に配置し、内筒の
先端部に、内筒の先端側の内周壁との間に所定の隙間を
介在させて末広がり形状をなす拡散部材を配置して構成
される。
【0007】この構成によると、内筒からの部分予混合
気は、その先端側において、拡散部材の末広がり形状の
表面に沿って流れ、この拡散部材の形状に応じた薄膜状
の末広がり形状( たとえば、中空のほぼ円錐台形状) に
拡散する。そしてこの中空の円錐台形状に拡散しながら
噴出する部分予混合気に、環状流路から燃焼用二次空気
を合流させる。ここで、拡散部材の表面に沿って流れる
部分予混合気は、この拡散部材によって流れが規制さ
れ、この拡散部材を離れた後も薄膜状に広がっていく。
そのため、この部分予混合気による火炎は、薄膜状の火
炎となる。
【0008】ここで、拡散部材は、その外周面と内筒の
内周面との間から部分予混合気を薄膜状に噴出するため
のものであり、また薄膜状に拡散しながら噴出する部分
予混合気に、外筒の先端からの燃焼用二次空気が確実に
突入するようにその形状,寸法や各筒部材との位置関係
を設定する。すなわち、拡散部材の形状,寸法(高さ,
外径,末広がりの度合い等)や、内外筒の形状,寸法
(内外径)や、これらの位置関係(内外筒の先端の位置
や拡散部材の下流側端部の位置)は、拡散部材から薄膜
状に、末広がり形状に拡散しながら噴出する部分予混合
気に、外筒の先端から噴出する燃焼用二次空気が確実に
突入するように設定する。また、ここでいう末広がり形
状とは、その横断面形状が順次大きくなっている形状を
指す。たとえば、円錐台形状,角錐台形状等であり、途
中から末広がりの度合いが変わるものも含む。また、そ
の横断面の形状は、円形や正多角形に限るものでなく、
楕円や長円形である場合を含むものである。
【0009】部分予混合気の末広がりの度合いは、拡散
部材の末広がりの度合いに応じて決まるが、この部分予
混合気の末広がりの形状を円錐台形状とみなして説明す
ると、以下のようになる。拡散部材の末広がりの度合い
は、部分予混合気が円錐角で30°〜100°、好まし
くは45°〜90の範囲で噴出されるように設定する。
この理由は、拡散部材の外表面によって部分予混合気の
流れが規制されるが、この範囲にすると薄膜状に噴出さ
れる部分予混合気の外側と内側とに燃焼ガスの循環流を
形成し、この燃焼ガスの循環流と部分予混合気とを充分
に接触させ、燃焼反応を促進し、薄膜状の火炎を安定し
て形成することができる。逆に、この円錐角が大きくな
るように拡散部材の末広がり形状を設定すると、部分予
混合気が薄膜状に広がりにくくなる他、部分予混合気の
流通過程における圧力損失が増加し、燃料の供給手段や
燃焼用空気(燃焼用一次空気および燃焼用二次空気)の
供給手段を大型化する必要があるためである。また、拡
散部材の外径および取付位置(外筒の先端と拡散部材の
先端との位置関係)は、前述の部分予混合気の円錐角と
外筒の内径とを勘案して設定する。すなわち、拡散部材
の外径は、円錐角が小さく、外筒の内径が大きいほど大
径に設定し、また円錐角が大きく、外筒の内径が小さい
ほど小径に設定する。また、拡散部材の取付位置は、円
錐角が大きく、外筒の内径との差が小さいほど、外筒の
先端に近い位置とする。
【0010】以上の構成によると、内筒内に供給された
部分予混合気は、内筒の先端の拡散部材によって、中空
のほぼ末広がり形状に噴出し、この部分予混合気には、
環状流路からの燃焼用二次空気が合流する。ここで、拡
散部材によって流れを規制された部分予混合気は、薄膜
状となっており、この部分予混合気に、環状流路からの
燃焼用二次空気が合流し、燃焼する。そのため、この低
NOx バーナにおける燃焼火炎は、薄膜状となる。した
がって、この薄膜状の火炎による燃焼により、火炎の表
面積を拡大し、部分予混合気による燃焼とによって低N
Ox 化を達成する。また、火炎を薄膜状に、末広がり形
状に形成することにより火炎自体の体積を減少させ、局
所的な高温領域の形成を防止することにより、この点に
おいても低NOx 化を達成する。
【0011】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、内筒内に乱流促進体を設けた構成とすることもでき
る。この乱流促進体は、たとえば多数の貫通孔を備えた
板状部材を内筒内の部分予混合気の流れの方向を遮るよ
うに設ける。また、この乱流促進体は、流路を蛇行させ
るように仕切る仕切り板や流れに旋回流を与えるような
捻じった形状の平板状部材とすることもできる。このよ
うに、内筒内に乱流促進体を設けることにより、燃焼用
一次空気と燃料とが、拡散部材に到るまでに両者を均一
に混合する。
【0012】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、内筒の内面を末広がり形状とし、この末広がり部分
の上流側において、燃料の供給を行うように構成するこ
ともできる。この内筒は、その内周面と拡散部材の外周
面との間から部分予混合気を薄膜状に噴出するものであ
るため、この内筒の内周面の末広がり形状の度合いは、
拡散部材の末広がり形状の表面よりも、その広がりの程
度を少なくする。この構成によると、この末広がり部分
の上流側の小径部分にて燃料を供給するようにしたこと
により、小径部分で燃焼用一次空気の流速を高め、ベン
チュリ効果を生じさせることにより、燃料の供給圧力が
低くても低NOx バーナへ燃料を確実に供給することが
できる
【0013】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、拡散部材を、拡散部材本体とその外周側に所定の間
隔をおいて配置した末広がり状部材とで構成し、この拡
散部材本体と末広がり状部材との間に、冷却用空気を供
給する構成とすることもできる。この冷却用空気は、燃
焼用一次空気や燃焼用二次空気を分流させて利用するこ
ともできる。この構成によると、拡散部材は冷却用空気
によって冷却されるため、過熱や焼損の問題を回避する
ことができる。
【0014】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、内筒と、この内筒内にほぼ同軸状に配置された燃料
供給管と、内筒の外周に配置されて内筒との間に環状流
路を形成する外筒とを備え、燃料供給管の先端部に、末
広がり形状をなす拡散部材を設けるとともにこの燃料供
給管の先端にこの拡散部材と所定の間隔を保持した状態
で末広がり状部分を設け、この末広がり状部分の先端と
内筒の内周壁との間に環状の閉鎖部材を配置し、末広が
り状部分に多数の小孔を設け、燃料供給管に燃料を、内
筒と燃料供給管との間の環状空間に燃焼用一次空気を、
環状流路に燃焼用二次空気を供給するように構成するこ
ともできる。このように構成すると、燃料は、燃料供給
管の先端部で、拡散部材によって末広がり形状に拡大し
た流れとなるため、多数の小孔からの燃焼用一次空気を
充分に混入することができる。
【0015】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、前記環状流路の先端側においてこの環状流路を周方
向に所定個数に分割する遮蔽板を設けることもできる。
この場合、環状流路に設けた遮蔽板によって燃焼用二次
空気を分割させて噴出させることにより、所謂濃淡燃焼
となって、サーマルNOx の発生量が増大する空燃比領
域以外の領域で燃焼するため、NOx の発生が抑制でき
る。ここで、環状流路を周方向に分割する遮蔽板は、そ
の周方向の幅が広いほど通過する燃焼用二次空気の圧力
損失が多くなり、狭いほど火炎の分割の効果を発揮し得
ないため、これらを勘案してその幅と個数を決定する。
たとえば、この遮蔽板の周方向の幅を前記内筒の中心か
らの角度で表すと、20°〜60°であり、その個数
は、3〜9個の間で選択する。
【0016】さらに、前述の遮蔽板に小孔を穿孔するこ
とにより、この遮蔽板の下流側における空気量(空気の
比率)が増加するため、さらにこの下流において燃焼用
二次空気と混合する際の混合性が向上し、排ガス中の未
燃物の生成を抑制する。さらに、遮蔽板に小孔を穿孔す
ることにより、この遮蔽板の下流側における空気量(空
気の比率)が増加するため、さらにこの下流において燃
焼用二次空気と混合する際の混合性が向上し、排ガス中
の未燃物の生成を抑制する。
【0017】
【実施例】この発明に係る低NOx バーナの第一実施例
について図1,図2を参照しながら説明する。ここで、
図1は、この発明に係る低NOx バーナの第一実施例
を、図2の I−I 線に沿って切断した断面の説明図、図
2は、図1の正面の説明図である。
【0018】さて、第一実施例の低NOx バーナ1は、
その内側に部分予混合気を噴出する内筒2を備えてい
る。この内筒2の外周側には、前記内筒2との間に燃焼
用二次空気を噴出する環状流路3を形成する外筒4をほ
ぼ同軸状に配置してある。そして、前記内筒2の先端部
には、前記内筒2の先端側の内周壁との間に所定の隙間
を介在させて末広がり形状をなす拡散部材5を配置して
ある。
【0019】前記内筒2および前記外筒4は、ともに空
気供給手段(図示省略)に接続されている。この空気供
給手段は、通常、上流側に送風機(図示省略)を備える
もので、前記予混合式バーナ1との間には、送風機から
圧送された燃焼用空気を整流するウィンドボックス(図
示省略)を備えている。
【0020】前記内筒2の内部には、ほぼ同軸状に燃料
供給管6を配置してある。この燃料供給管6は、その途
中に内外を連通する貫通孔7を複数個形成してある。前
記各貫通孔7の形成位置は、前記内筒2の下流端におい
て、この燃料と後述する燃焼用一次空気とが均一に混合
し得る距離を設定する。また、前記燃料供給管6の先端
には、前記拡散部材5を固定してある。すなわち、前記
燃料供給管6は、前記拡散部材5を前記内筒2の先端の
所定位置に保持している。
【0021】前記拡散部材5は、底面に開口部を有する
中空の円錐台形状であり、身近なものでたとえると深皿
を伏せたような形状である。そして、前記拡散部材5の
頂壁5aは、前記燃料供給管6の先端を塞いでいる。ま
た、前記拡散部材5の側壁5bは末広がり形状であり、
この第一実施例では、前記拡散部材5の円錐角を60°
としてある。
【0022】前記拡散部材5は、前記燃料供給管6の先
端に取り付けた状態で、前記内筒2の先端に位置してい
るが、前記内筒2と前記拡散部材5との位置関係は、以
下のようになっている。まず、前記内筒2の先端は、前
記拡散部材5の軸線方向のほぼ中央部に位置させてあ
る。また、前記内筒2の内径と前記拡散部材5の外径と
の関係は、前記拡散部材5の外径が、前記内筒2の内径
より若干小径としてある。したがって、前記拡散部材5
は、前記環状流路3をほぼ覆うように位置する。そのた
め、前記外筒4からの燃焼用二次空気の流れは、前記拡
散部材5の外側の表面に沿う方向に規制される。
【0023】さらに、この第一実施例では、前記内筒2
と前記外筒4の先端部において、両者はほぼ面一状態と
なっており、この先端間には、前記各遮蔽板8,8,…
(図示する第一実施例では4個)を設けてある。これら
の各遮蔽板8は、前記環状流路3の流路断面(環状)を
その周方向に所定個数(図示する第一実施例では4個)
に分割するように固定してある。ここで、第一実施例に
おいては、前記各遮蔽板8の周方向の幅を前記内筒2の
中心からの角度で表すと、ほぼ45°としてあり、隣り
合う前記各遮蔽板8間の周方向の間隔も、ほぼ45°と
してある。
【0024】ここで、以上の第一実施例においては、前
述のように前記各拡散部材5の寸法,形状や、前記内筒
2および前記外筒4の寸法や、これらの位置関係を、前
記各拡散部材5から薄膜状に広がりながら噴出する部分
予混合気に、前記環状流路3からの燃焼用二次空気が確
実に突入するように設定するが、この他に燃焼用一次空
気および燃焼用二次空気の量についても次のように設定
する。すなわち、前記内筒2への燃焼用一次空気の供給
量(流量)を、この低NOx バーナに供給する全燃焼用
空気量の0.6〜0.8倍となるようにする。このよう
に燃焼用一次空気および燃焼用二次空気の量を設定する
には、それらの供給圧力の他、前記内筒2,前記外筒4
および前記拡散部材5の形状,寸法や位置関係の他、前
記各貫通孔7の個数や寸法を調整することによって行
う。ここで、この燃焼用一次空気と燃焼用二次空気との
総量は、燃料を燃焼させるに十分な量である。
【0025】以上の構成の低NOx バーナにおける燃焼
作用について説明する。まず、内筒2内および環状流路
3内へ空気供給手段からの燃焼用空気を供給する。この
状態で、燃料供給手段(図示省略)から燃料供給管6内
に燃料を供給すると、燃料は燃料供給管6の貫通孔7か
ら内筒2と燃料供給管6との間の環状の空間内に噴出
し、内筒2内を流れてきた燃焼用一次空気と混合して部
分予混合気となる。そして、この部分予混合気は、内筒
2の先端側において、この内筒2と拡散部材5との間の
隙間から噴出する。
【0026】このとき、部分予混合気は、この拡散部材
5の末広がりの形状に応じて、低NOx バーナ1の中心
部分から中空のほぼ円錐台状に噴出する。ここで、拡散
部材5から噴出する部分予混合気は、この拡散部材5に
よって流れの方向が規制されるため、この拡散部材5を
離れた後も薄膜状に広がっていく。この状態で、着火手
段(図示省略)によって着火すると、部分予混合気がま
ず燃焼を開始する。この部分予混合気の燃焼状態は、過
剰燃料での燃焼であるため、NOx の生成を抑制するこ
とができる。また、この部分予混合気による火炎は、薄
膜状の火炎となる。
【0027】この部分予混合気による薄膜状の火炎に
は、環状流路5からの燃焼用二次空気が合流し、完全燃
焼する。すなわち、この低NOx バーナは、薄膜状の火
炎による燃焼により、火炎の表面積を拡大し、部分予混
合気による燃焼とによって低NOx 化を達成する。ま
た、火炎を薄膜状に、末広がり形状に形成することによ
り火炎自体の体積を減少させ、局所的な高温領域の形成
を防止することによって低NOx 化を達成する。
【0028】さらに、環状流路3からの燃焼用二次空気
は、各遮蔽板8によって周方向に所定個数に分割された
状態で噴出し、この燃焼用二次空気は、内筒2の先端部
近傍における燃焼反応ガスに対してその周囲から部分的
に合流する。したがって、内筒2から噴出する燃焼反応
ガスの周方向には、所定の空燃比に対して燃料過剰の個
所と空気過剰の個所が交互に生じることになる。そのた
め、この環状流路3における遮蔽板8の無い個所では、
燃焼用二次空気が噴出し、空気過剰で燃焼するため低N
Ox 化が達成される。
【0029】また、内筒2の下流側においては、燃焼用
二次空気を供給した後も燃料過剰の燃焼反応個所と空気
過剰の燃焼反応個所が存在し、所謂濃淡燃焼を行うた
め、それぞれの個所において燃焼温度は理論燃焼温度よ
り低下する。したがって、各領域の燃焼温度は、サーマ
ルNOx の生成が最大となる空燃比領域を外れるため、
サーマルNOx の生成が抑制される。
【0030】さらに、第一実施例においては、前記各遮
蔽板8のそれぞれに、表裏を貫通する小孔9を所定個数
ずつ(図示する第一実施例では、2個ずつ)穿孔してあ
り、これらの小孔9によって前記各遮蔽板8の後流側に
おける空気量(空気の比率)を増加しておくことによ
り、この下流において燃焼用二次空気と混合する際の混
合性がさらに向上し、排ガス中の未燃物の生成を抑制す
ることができる。
【0031】次に、第一実施例の低NOx バーナを、熱
機器の代表例としてのボイラに適用した一例について、
図3および図4を参照しながら以下に説明する。ここ
で、図3および図4に示すボイラは、貫流ボイラである
が、この他、自然循環式水管ボイラや強制循環式水管ボ
イラなどの水管ボイラ全般に適用することができる。ま
た、このボイラは、蒸気ボイラや温水ボイラの他、熱媒
を加熱する熱媒ボイラなどとして適用されるものであ
る。
【0032】図3および図4において、ボイラの缶体A
は、所定の距離を離して配置した上部管寄せBおよび下
部管寄せCを有している。前記上部管寄せBおよび前記
下部管寄せCの外周間には外壁Dを配置している。前記
上部管寄せBと前記下部管寄せCとの間には、複数(こ
の適用例では10本)の水管E,E,…を環状に配置
し、これらの水管Eによって、環状の第一水管列Fを構
成している。さらに、前記上部管寄せBと前記下部管寄
せCとの間であって、前記外壁Dの内周側近くには、複
数(第一実施例では24本)の熱回収水管G,G,…を
環状に配置して、第二水管列Hを形成している。この第
二水管列Hは、前記第一水管列Fとで二重の環状水管列
を構成している。さらに、前記各水管Eおよび前記各熱
回収水管Gは、それらの各端部を前記上部管寄せBおよ
び前記下部管寄せCのそれぞれに接続してある。
【0033】ボイラの燃焼室Iは、前記上部管寄せBお
よび前記下部管寄せCと前記第二水管列Hによって画成
されている。そして、この燃焼室Iには、第一実施例の
低NOx バーナ1を前記上部管寄せBの内方(中央部)
から挿入して、ウインドボックスJから釣り下げた状態
で取り付けてある。
【0034】さて、前記低NOx バーナ1によって、前
記燃焼室I内には、燃焼反応中ガスの存在する領域、す
なわち燃焼反応領域が形成されるが、この燃焼反応領域
内の火炎の存在する領域(以下、「火炎存在領域」とい
う)に前記第一水管列Fが位置している。また、前記第
一水管列Fは、前記各水管Eに接触した後の燃焼反応中
ガスの温度が1400℃以下となるように、燃焼反応領
域に配置してある。さらに、前記第一水管列Fにおい
て、前記各水管E間には、燃焼反応中ガスの流通を許容
する隙間Kが形成されている。ここで、燃焼反応中ガス
とは、前記燃焼室I内において、燃焼反応を生じている
最中の高温のガスをいい、本書では、特に目視可能な火
炎を指す場合にのみ燃焼火炎或は火炎という。また、燃
焼反応領域としては、好ましくは燃焼反応中ガスに火炎
が生じている領域または燃焼反応中ガスの温度が900
℃以上の高温の燃焼反応中ガスが存在する領域とする。
【0035】そして、前記第一水管列Fと前記第二水管
列Hとの間には、COやHCのような燃焼反応の中間生
成物および燃料の未燃分の燃焼反応が行われる燃焼反応
継続領域Lを設けている。この燃焼反応継続領域L内に
は、前記各水管Eのような熱を吸収する部材は存在しな
い。
【0036】前記第二水管列Hにおいて、隣り合う熱回
収水管G間の隙間(以下、「第二隙間」という)Mは狭
く、通常1〜4mmに設定してある。さらに、前記外壁D
には、前記外壁Dと前記第二水管列Hとの間の環状の排
ガス流路Oと連通する排ガス出口Nを設けてある。
【0037】以上の構成のボイラにおいて、低NOx バ
ーナ1を作動させると、燃焼室I内には燃焼反応中ガス
が発生する。この燃焼反応中ガスの燃焼反応の初期にお
いては、燃料の分解が行われ、この分解した燃料と酸素
が活発に反応する。そして、次の段階では、この際の燃
焼反応で生じた燃焼反応の中間生成物がさらに反応し、
そして燃焼反応が終わった燃焼反応終了ガスは、排ガス
として缶体Aから排出される。燃焼反応が活発に行われ
ている領域では、通常火炎が生じる。
【0038】燃焼反応中ガスは、各隙間Kを介して燃焼
反応継続領域L内に流入する。したがって、火炎は図3
および図4に示すように、燃焼反応中ガスの流動に伴っ
て第一水管列Fの外側にまで形成される。そのため、各
水管Eは、燃焼反応領域中の火炎存在領域内に位置す
る。そして、火炎を生じている燃焼反応中ガスは、各隙
間J を通過する際に各水管E内部の被加熱流体との間で
熱交換を行う。火炎を生じている燃焼反応中ガスは、こ
の熱交換により急激に冷却されて温度が低下するため、
サーマルNOx の発生が抑制される。
【0039】そして、各隙間Kを通過した燃焼反応中ガ
スは、燃焼反応継続領域L内を第二水管列Hに向けて流
通する。この流通の際、燃焼反応中ガスは、第二水管列
Hに到達するまでは、第一水管列Fの各水管Eのような
熱交換を行う部材との接触が無く、温度はあまり低下し
ない。そのため、燃焼反応中ガスは、燃焼反応を継続し
ながら燃焼反応継続領域Lを流通し、その間にCOから
CO2 への酸化反応が促進される。このとき、燃焼反応
継続領域L内では、前述の酸化反応の他、中間生成物や
未燃分などの酸化反応も行われる。
【0040】そして、燃焼反応中ガスは、第二水管列H
に到達するまでに燃焼反応をほぼ終了した高温のガスと
なり、各第二隙間Mを通って排ガス流路Oに流入する。
そして、各第二隙間Mを通過し、排ガス流路Oに流入し
た燃焼反応終了ガスは、第二水管列Hの外側から各熱回
収水管G内の被加熱流体に伝熱を行った後、排ガス出口
Nから排ガスとしてボイラ外に排出される。ここで、第
一実施例は、貫流ボイラであるため、被加熱流体が下部
管寄せCから各水管Eおよび各熱回収水管G内に供給さ
れ、各水管Eおよび各熱回収水管G内を加熱されながら
上昇し、上部管寄せBから蒸気として取り出される。
【0041】ここで、第一実施例の低NOx バーナ1に
おいては、部分予混合気は中空のほぼ円錐台形状に噴出
し、薄膜状の火炎を形成するため、各水管Eによる温度
調整が容易である。また、この火炎はほぼ円錐台形状を
なす薄膜状であるため、火炎の占める容積が小さくな
り、火炎の内部に局所的な高温部が生じるのを防止でき
る。これらの点においても、第一実施例の低NOx バー
ナは、従来のものに比べて一層の低NOx 化を達成す
る。
【0042】以上で説明した第一実施例の低NOx バー
ナ1について、NOx ,COの生成量を、従来の一般的
な低NOx バーナと比較すると、図5のような特性が得
られた。この際の燃焼条件は、ガス(13A)を、毎時
160kg供給し、燃焼用空気量を変化させたもので、
横軸は、排ガス中に含まれるO2 濃度をとった。第一実
施例の低NOx バーナ1におけるNOx 排出量は、図5
に示すように、空気過剰率4〜8%の範囲で50ppm
(O2 0%換算値)以下を達成しており、既存の低NO
x バーナの3/4以下である。また、図5には、COの
生成量も示しているが、第一実施例の低NOx バーナ1
においては、空気過剰率5〜8%の範囲で50ppm (O
2 0%換算値)以下を達成しており、大幅に低減されて
いる。
【0043】次に、この発明に係る低NOx バーナの第
二実施例について、図6〜図9を参照しながら説明す
る。この第二実施例は、内筒2内に乱流促進体を配置す
ることによって部分予混合気の混合を促進させるように
構成したものである。ここで、図6〜図9において、図
1および図2に示す第一実施例との対応個所には、同一
参照番号を附し、その詳細説明を省略する。
【0044】図6〜図9に示す第二実施例においては、
燃料供給管6の先端は、前記内筒2の途中に位置してお
り、前記燃料供給管6の先端には、前記内筒2の軸線に
沿って延びる支持部材10を配置してある。この支持部
材10は前記内筒6の先端側近傍まで延び、前記支持部
材10の先端に拡散部材5を取り付けてある。第二実施
例における拡散部材5の形状は、ほぼ円錐形状である。
そして前記支持部材10の途中の前記燃料供給管6寄り
の位置に、乱流促進体11を取り付けてある。第二実施
例では、この乱流促進体11として、多数の貫通孔1
2,12,…を形成した円板形状のもの、所謂パンチン
グメタルとしてある。また、前記燃料供給管6の先端に
は、複数の燃料噴出孔用の貫通孔7,7,…を形成して
ある。
【0045】この構成によると、燃料供給管6内に燃料
を供給し、内筒2と燃料供給管6との間の空間に燃焼用
一次空気を、内筒2と外筒4との間の空間(すなわち、
環状空間)3に燃焼用二次空気を供給する。すると、燃
料は、燃料供給管6内を流れ、その先端の各貫通孔7か
ら内筒2内に噴出する。内筒2内では、この燃料と燃焼
用一次空気とが混合し、内筒2の先端に向けて流動する
が、その際に乱流促進体11の各貫通孔12を通過す
る。そして、この乱流促進体11の各貫通孔12を通過
する際には、乱流となり、攪拌され、均一な部分予混合
気となる。この部分予混合気が、拡散部材5に沿って流
れ、内筒2から噴出する。この後は、前述同様に中空の
ほぼ円錐台形状の薄膜状の火炎が形成され、低NOx 化
を達成する。
【0046】次に、この発明に係る低NOx バーナの第
三実施例について、図10および図11を参照しながら
説明する。この第三実施例は、内筒2の内面を末広がり
形状としたものである。また、この第三実施例では、拡
散部材5を冷却用空気を流通させるべく二重構造とし、
この拡散部材5の表面を冷却するように構成したもので
ある。ここで、図10および図11において、図1およ
び図2,図6〜図9に示す各実施例との対応個所には、
同一参照番号を附し、その詳細説明を省略する。
【0047】第三実施例の低NOx バーナは、前記内筒
2の内面を末広がり形状とし、この末広がり部分の上流
側において、燃料の供給を行うようにしたものである。
この第二実施例では、前記内筒2の上流側に、燃料供給
用の環状容器13を設けてあり、この環状容器13の内
周の下流側部分から前記内筒2の内周面の下流側にかけ
て末広がりのテーパ筒部材14を設けてある。そしてこ
のテーパ筒部材14によって前記内筒2の内面を末広が
り形状としてある。このように、前記内筒2内に別の部
材を配置することによって前記内筒2内を末広がり形状
とする他、前記内筒2自体を末広がり形状とすることも
できる。このように前記内筒2全体を末広がり形状とす
る他、先端側のみ末広がり形状とすることもできる。
【0048】前記環状容器13の内部には、燃料ライン
15を接続してあり、この燃料ライン15から燃料が供
給される。そして前記環状容器13の内周面には複数の
燃料噴出用の貫通孔7,7,…を形成してある。さら
に、前記内筒2の内部には、空気供給管16を配置して
ある。この空気供給管16の先端には、拡散部材5を取
り付けてある。
【0049】この第三実施例における拡散部材5は、拡
散部材本体17とその外周側に所定の間隔をおいて配置
した末広がり状部材18とで構成されている。この拡散
部材本体17は、この第三実施例においては、中実の三
角錐形状をなすもので、前記空気供給管16の先端にほ
ぼ同軸状に固定されている。また、前記末広がり状部材
18は、薄肉の傘形状をなすもので、前記空気供給管1
6の先端に、たとえば一体的に構成される。そして、空
気供給管6からの冷却用空気は、前記拡散部材本体17
と前記末広がり状部材18との間の隙間から噴出するよ
うに構成されている。前記空気供給管16に供給される
冷却用空気は、この第三実施例においては燃焼用空気の
一部を使用する構成としてある。すなわち、前記テーパ
筒部材14と前記空気供給管16との間の空間への燃焼
用一次空気と前記環状空間3への燃焼用二次空気とに分
岐する前の燃焼用空気の一部が分流して流入する構成と
なっている。
【0050】この第三実施例において、外筒2内に燃焼
用空気を供給すると、この燃焼用空気は、テーパ筒部材
14と空気供給管16との間へ燃焼用一次空気として、
前記環状空間3内へ燃焼用二次空気として流入し、空気
供給管16内には冷却用空気として流入する。そして、
燃料ライン15から環状容器13に燃料を供給すると、
この環状容器13の各貫通孔7からテーパ筒部材14内
に燃料が噴出する。この燃料は、燃焼用一次空気と合流
して部分予混合気となる。そして、この部分予混合気
は、内筒2の先端に向けて流れ、拡散部材5の側壁5b
に沿って流れる。すなわち、この第三実施例において
は、この拡散部材5を拡散部材本体17と末広がり状部
材18とで構成してあるため、部分予混合気は、この末
広がり状部材18の外表面に沿って流れる。そして、前
記各実施例同様に、薄膜状の火炎による燃焼を行う。
【0051】この第三実施例では、前記拡散部材5を、
前記拡散部材本体17と前記末広がり状部材18との二
重構造とし、両者間の隙間に冷却用空気を流通させるよ
うに構成したものである。したがって、火炎からの輻射
熱によって前記拡散部材5が過熱するのを防止できる。
また、この第三実施例においては、前記内筒2の内面に
末広がり状部分を設け、この末広がり状部分の上流側の
小径部分にて燃料を供給するようにしたことにより、小
径部分で燃焼用一次空気の流速を高め、ベンチュリ効果
を生じさせることにより、燃料の供給圧力が低くても低
NOx バーナへ燃料を確実に供給することができる。
【0052】次に、この発明に係る低NOx バーナの第
四実施例について、図12および図13を参照しながら
説明する。この第四実施例は、内筒2の先端部近傍で燃
料と燃焼用一次空気との混合を行うようにし、また外筒
4の先端を先絞り形状とすることにより、この外筒4か
ら噴出する燃焼用二次空気の流速を高めたものである。
また、前記外筒4の先端部分を先絞り形状とすることに
より、排ガスの再循環を行うものである。ここで、図1
2および図13において、図1および図2,図6〜図1
1に示す各実施例との対応個所には、同一参照番号を附
し、その詳細説明を省略する。
【0053】第四実施例においては、前記内筒2の内側
に燃料供給管6をほぼ同軸状に配置し、前記燃料供給管
6の先端部に、拡散部材5と所定の間隔を保持した状態
で末広がり状部分19を設けるとともに、この末広がり
状部分19の先端と前記内筒2の内周壁との間に環状の
閉鎖部材20を配置している。前記拡散部材5は、この
第四実施例においては、中実の円錐台形状としてあり、
その先端(大径側)は、前記内筒2および前記外筒4の
先端より若干奥側に軸線方向に位置させてある。また、
前記閉鎖部材20も前記拡散部材5の先端部分とほぼ面
一に配置してある。前記末広がり状部分19には、多数
の小孔21,21,…を形成してある。
【0054】以上の構成の第四実施例においては、燃料
供給管6に燃料を、内筒2と燃料供給管6との間の空間
に燃焼用一次空気を、環状流路3に燃焼用二次空気を供
給する。すると、燃料は、燃料供給管6先端の末広がり
状部分19と拡散部材5との隙間内に流入する。また、
燃焼用一次空気は、末広がり状部分19の各小孔21か
ら末広がり状部分19と拡散部材5との間の隙間内に流
入し、燃料と混合した後、部分予混合気となって噴出す
る。この噴出する部分予混合気は、前述の各実施例同様
に中空のほぼ円錐台形状である。そして、環状流路3か
ら燃焼用二次空気が噴出する。ここで、内筒2と外筒4
の先端の開口は、4枚の遮蔽板8,8,…によって周方
向に4個所に分断されているため、部分予混合気による
薄膜状の燃焼火炎には、周方向に部分的に燃焼用二次空
気が供給されることになる。そして、この燃焼用二次空
気の供給により、前記薄膜状の燃焼火炎は濃淡燃焼とな
り、低NOx 化を達成する。
【0055】さらに、この第四実施例においては、前記
外筒4の先端を先絞り形状とすることにより、前記外筒
4と前記内筒2との間から噴出する燃焼用二次空気の流
速を高めてある。また、前記各遮蔽板8により前記環状
流路3は、周方向に4個所に分断されているため、燃焼
用二次空気が噴出しない個所が形成されている。そのた
め、前記各遮蔽板8に該当するところからは、燃焼ガス
が部分予混合気に向けて流入することになり、所謂排ガ
ス再循環が行われる。そのため、この排ガス再循環によ
っても、NOx の低減化が図れる。
【0056】また、この第四実施例においては、前記閉
鎖部材20に、多数の一次空気噴出孔22,22,…を
形成することにより、燃焼性の改善と保炎性の改善が行
われて、CO等の未燃物の生成が減少する。
【0057】さらに、前記末広がり状部分19と前記拡
散部材5との隙間には、前述の各遮蔽板8と同様に、前
記末広がり状部分19と前記拡散部材5との隙間を周方
向に適宜分断する第二の遮蔽板23,23,…を設ける
こともできる。この場合には、部分予混合気も分断され
て噴出することになり、分割火炎による低NOx 効果、
すなわち、火炎の表面積が広がることによる低NOx 効
果が向上する。ここで、これらの第二の遮蔽板23は、
分割火炎を形成する観点から、図13に示すように前記
各遮蔽板8と対応させて形成するのが好ましい。すなわ
ち、前記内筒2の中心からみて、前記各遮蔽板8を取り
付ける角度範囲に合せて、各第二の遮蔽板23を取り付
ける。
【0058】また、この第四実施例においては、燃料を
燃料供給管6の軸線方向を中心として旋回させながら供
給するように構成することもできる。この場合には、前
記末広がり状部分19と拡散部材5との隙間における燃
料と燃焼用一次空気の混合がよくなり、燃焼性が改善さ
れる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る低
NOx バーナは、内筒からの部分予混合気を拡散部材に
よって薄膜状の末広がり形状に噴出させ、外筒の出口に
おいて、環状流路から供給される燃焼用二次空気を合流
させることにより、薄膜状の火炎による燃焼を行うた
め、火炎の体積に対して表面積が多くなり、火炎からの
放熱がよくなるため、局所的な高温領域の発生が防止で
き、低NOx 化を達成する。さらに、外筒からの燃焼用
二次空気を、遮蔽板によって周方向に分割させて噴出さ
せることにより、濃淡燃焼を行い、サーマルNOx の発
生量の少ない空燃比領域で燃焼するため、NOx の発生
が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る低NOx バーナの第一実施例
を、図2の I−I 線に沿って切断した断面の説明図であ
る。
【図2】図1の正面の説明図である。
【図3】第一実施例の低NOx バーナを熱機器に適用し
た一例を示す縦断側面の説明図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面の説明図である。
【図5】この発明の第一実施例と従来の一般的な低NO
x バーナとにおけるNOx ,COの生成特性を比較する
説明図である。
【図6】この発明に係る低NOx バーナの第二実施例
を、図7のVI−VI線に沿って切断した断面の説明図であ
る。
【図7】図6の正面の説明図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿う断面の説明図であ
る。
【図9】図6のIX−IX線に沿う断面の説明図である。
【図10】この発明に係る低NOx バーナの第三実施例
を、図11のXI−XI線に沿って切断した断面の説明図で
ある。
【図11】図10の正面の説明図である。
【図12】この発明に係る低NOx バーナの第四実施例
を、図13の XII−XII 線に沿って切断した断面の説明
図である。
【図13】図12の正面の説明図である。
【符号の説明】
1 低NOx バーナ 2 内筒 3 環状流路 4 外筒 5 拡散部材 6 燃料供給管 8 遮蔽板 11 乱流促進体 14 テーパ筒部材 17 拡散部材本体 18 末広がり状部材 19 末広がり状部分 20 閉鎖部材 21 小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 栄紀 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料および燃焼用一次空気を噴出する内
    筒2と、前記内筒2の外周に配置されて前記内筒2との
    間に燃焼用二次空気を噴出する環状流路3を形成する外
    筒4と、前記内筒2の先端部に、前記内筒2の内周壁と
    の間に所定の隙間を介在させて配置された末広がり形状
    をなす拡散部材5とを備えたことを特徴とする低NOx
    バーナ。
  2. 【請求項2】 前記内筒2内に乱流促進体11を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の低NOx バーナ。
  3. 【請求項3】 前記内筒2の内面を末広がり形状とし、
    この末広がり部分の上流側において、燃料の供給を行う
    ようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載の低NOx バーナ。
  4. 【請求項4】 前記拡散部材5を、拡散部材本体17と
    その外周側に所定の間隔をおいて配置した末広がり状部
    材18とで構成し、前記拡散部材本体17と末広がり状
    部材18との間に、冷却用空気を供給するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    低NOx バーナ。
  5. 【請求項5】 内筒2と、この内筒2内にほぼ同軸状に
    配置された燃料供給管6と、前記内筒2の外周に配置さ
    れて前記内筒2との間に環状流路3を形成する外筒4と
    を備え、前記燃料供給管6の先端部に、末広がり形状を
    なす拡散部材5を設けるとともにこの燃料供給管の先端
    にこの拡散部材5と所定の間隔を保持した状態で末広が
    り状部分19を設け、この末広がり状部分19の先端と
    前記内筒2の内周壁との間に環状の閉鎖部材20を配置
    し、前記末広がり状部分19に多数の小孔21,21,
    …を設け、前記燃料供給管6に燃料を、前記内筒2と前
    記燃料供給管6との間の環状空間に燃焼用一次空気を、
    前記環状流路3に燃焼用二次空気を供給するように構成
    したことを特徴とする低NOx バーナ。
  6. 【請求項6】 前記環状流路3の先端側においてこの環
    状流路3を周方向に所定個数に分割する遮蔽板8を備え
    たことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の低N
    Ox バーナ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103968381A (zh) * 2013-01-24 2014-08-06 梁燕龙 机械调节预混式燃气烧嘴及方法
KR20190023452A (ko) * 2017-08-29 2019-03-08 린나이코리아 주식회사 가스보일러용 벤츄리장치
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WO2024176860A1 (ja) * 2023-02-20 2024-08-29 株式会社新菱 樹脂の熱分解ガスの燃焼装置、および燃焼方法

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