JPH0525627Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、病院等の医療機関外において使用済
みの注射針を溶融処理する装置の改良に係るもの
である。

〔従来の技術〕

従来、この種装置としては、ハウジングまたは
筺体内に、一対の電極が配置されたものが知られ
ている（例えば、特開昭60−5155号公報、特開昭
60−40060号公報および特開平１−181866号公報
参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、従来の装置においては、いずれも一
対の電極がハウジングまたは筺体内に固装されて
いるため、電極が長期間の使用により摩耗や損傷
等して導電不良を起したり、あるいは溶融した注
射針が電極表面に付着して導電不良を起こした場
合にあつて、これを新たな電極と交換したり、あ
るいは電極を掃除して付着物を除去等する場合
に、狭いハウジング内または筺体内での一対の電
極の取り外し、取り付けを行うのは面倒であつて
容易ではなく、逐いには装置全体を交換すること
にもなりかねず、また、一対の電極は固装されて
いるために、太い注射針を溶融処理とようとする
には、これに適合した電極間隔を有する別の装置
によらなければならず、これを一台で兼用するこ
とはできないという問題点があつた。

また、注射針の溶融処理時に発生する異臭ガス
に対する脱臭手段が施されていないために、処理
時に発生した異臭ガスがハウジングまたは筺体内
に滞留して、容器または注射針採集箱を引き出し
た場合に異臭ガスが一気に外部に発せられて不快
感を強くする等々の問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とするところは、一対の電
極を有する電極板ユニツトをカートリツジ式とし
たことにより、電極の摩耗や掃除等による電極交
換を簡易にして、かつ速やかに行い得ると共に、
電極板ユニツトを別のそれと交換するだけで細
い、太いいずれの注射針をも同じ装置で溶融処理
することができ、また、注射針の溶融時に発生す
る異臭ガスを脱臭、排気して異臭ガスによる不快
感を抱くことなく衛生的に使用できる使用済注射
針の処理装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的のため、本考案は、電源トランスが配
置されると共に、屑収納箱が出し入れ自在に設け
られた筺体と、該筺体の天井壁のコ字形切欠部に
着脱自在となつているカートリツジ式の電極板ユ
ニツトとを備え、前記屑収納箱における背面側上
端外方には、脱臭剤充填部が設けられて、該充填
部には脱臭剤が充填されると共に、前記筺体にお
ける屑箱収納部の背面起立壁の開口部には、注射
針の溶融処理時に発生する異臭ガスを前記脱臭剤
を通して筺体外部に排気するためのフアンが前記
電源トランスの二次側と接続されて装着され、ま
た、前記筺体におけるコ字形切欠部の相対向する
左右側辺部の下方には、垂設の絶縁性取付板を介
して電極板接触端子が固着されて、これら接触端
子は前記電源トランスの二次側と接続され、ま
た、コ字形切欠部の辺部の下面中央部位には、前
記電極板ユニツトが挿入せられる板バネ係止部材
が設けられ、また、前記カートリツジ式の電極板
ユニツトは、前記コ字形切欠部を閉塞する基板の
背面側辺部に前記板バネ係止部材と筺体天井壁間
に挿入係止せられる挿入係止片が突設されると共
に、基板の中央縦方向長孔には、硬質樹脂製の注
射針挿入口と該挿入口の一側寄りの両内側に注射
針引き抜き係止突片を有する注射針引抜きガイド
部材が嵌入固着されて、該ガイド部材における挿
入口の係止突片との反対側下面には、互いに内向
きの目隠部材が設けられ、また、基板の下面に
は、前記注射針挿入口を介して上方より挿入され
た注射針が接触する一対の電極を有し、かつ端部
が前記接触端子とそれぞれ電気的接触する一対の
電極板が交差状にして、相離間し、かつ基板とは
電気的に絶縁されて設けられた構成を特徴とする
ものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例につきその作用と共に図
面を参照して説明する。

第１図は平面図、第２図は正面図、第３図は背
面図で、これら図において、筺体１は天井壁２、
左右の両側壁３，４、正面壁５および背面壁６を
有する断面略コ字形を呈し、その内部には第４図
および第５図に示されているように、台板７を有
すると共に、屑収納箱の収納部８を形成する背面
起立壁９によつて２つの部屋１０，１１に画成さ
れ、うち一方の部屋１０には、背面起立壁９と左
右側壁１２，１３によつて屑収納箱１４の収納部
８が形成され、該収納部８内には、屑収納箱１４
が出し入れ自在として挿入されている。

屑収納箱１４は、上面が開口した箱型であつ
て、その正面側には取手１５を有し、また背面側
上端には外方に一体に延設された脱臭剤充填部１
６が形成され、該充填部１６には脱臭剤１７が充
填されている。

第８図および第６図に示されているように、部
屋１０と対応した筺体天井壁２の部分にはコ字形
切欠部１８が形成されると共に、該切欠部１８に
おける相対向する左右側辺部１９，２０には、絶
縁性取付板２１，２２を介して電極板接触端子２
３，２４が天井壁２と電気的に絶縁されて固着さ
れており、また、切欠部１８の部屋１１側の辺部
２５の下面中央部位には、第１０図に示されてい
るように、板バネ係止部材２６がその先端部を辺
部２５よりやや突出させ、かつ辺部との間に空隙
部２７を有して固着されている。

もう一方の部屋１１内には、電極板接触端子２
３，２４にその二次側電圧を印加するためのトラ
ンス２８が設けられると共に、トランス一次側に
給電するための電源コード２９，プラグ３０を有
し、また部屋１１における天井壁２には、パイロ
ツトランプ３１、スイツチ３２が設けられ、更に
筺体１における背面壁６には、通風口３４を有す
る通風板３３が一体的に設けられ、該通風板３３
にはヒユーズ３５が設けられている。

筺体１の天井壁２におけるコ字形切欠部１８に
は、着脱自在になつているカートリツジ式の電極
板ユニツト３６が設けられている。

電極板ユニツト３６は、コ字形切欠部１８と適
合し、該切欠部１８を閉塞する方形状の基板３７
の背面側辺部３８に２つの挿入係止片３９，４０
が突設されると共に、基板３７の中央縦方向長孔
４１には、硬質樹脂製の注射針挿入口４３と該挿
入口４３の一側寄りの両内側に注射針引抜き係止
突片４４，４５を有する注射針引抜きガイド部材
４２が嵌入固着されて、該ガイド部材４２におけ
る挿入口４３の係止突片４４，４５との反対側に
は基板３７の下面に添着した取付板４６を介して
互いに内向きの目隠部材４７，４８が設けられ、
該目隠部材４７，４８によつて注射針の溶融処理
中に生じる花火を目隠しすると共に、処理中に発
生する異臭ガスの筺体外部への飛散を防止し得る
ようになつている。（第１図および第７参照）。

なお、目隠部材４７，４８としては、シリコン
ゴム等の耐熱性、弾力性に優れた不透明材である
ことが好ましい。

基板３７の下面には、注射針挿入口４３を介し
て上方より挿入された注射器４９の注射針５０が
接触する一対の電極板５１，５２とガイド電極板
５３が交差状にして、かつ相離して配置されてい
る。

一対の電極板５１，５２は、矩形状にし、略く
字形に折曲形成の取付部５６，５７とやや広い方
形の電極取付部５８，５９を一体に有する導電板
５４，５５の電極取付部５８，５９の上面に方形
のチツプ状に形成された良導電性、耐熱性、耐摩
耗性等に優れた一対の電極６０，６１が溶着等に
て固着されて構成され、一方の電極板５１はガイ
ド電極板５３と共にその取付部５６が取付板４６
に垂設の絶縁体６４，６５，６６にねじ着される
ことにより基板３７とは電気的に絶縁されて取り
付けられ、また、他方の電極板５２はその取付部
５７が取付板４６に垂設の絶縁体６７，６８にね
じ着されることにより基板３７とは電気的に絶縁
されて取り付けられ、一対の電極板５１，５２
は、該電極板ユニツト３６が筺体コ字形切欠部１
８にカートリツジ式に装着されたとき、それぞれ
の端部６２，６３が筺体１内に設けられている接
触端子２３，２４と電気的接触するようになつて
いる（第６図参照）。

第４図および第１１図に示されているように、
屑収納箱１４の収納部８を形成している背面起立
壁９のやや下部位置（屑収納箱１４の脱臭剤充填
部１６よりもやや下方）には円形の開口部６９が
設けられると共に、該開口部６９を囲繞する起立
壁背面側には、小型のフアン７０が装着され、該
フアン７０は電線７１を介してトランス２８の二
次側と接続され、フアン７０の吸引作動によつ
て、注射針５０の溶融処理中に発生する異臭ガス
は脱臭剤１７を通して吸引され、部屋１１の通気
口３４より外部に排気されるようになつている。

なお、トランス２８、コード２９、プラグ３
０、パイロツトランプ３１、スイツチ３２、ヒユ
ーズ３５、電極板５１，５２およびフアン７０は
第１２図に示されているように電気的に接続され
ている。

次に、本案装置の使用方法および作用について
説明する。

先ず、電源コンセントにプラグ３０を差し込
み、電源スイツチ３２をONにするとパイロツト
ランプ３１が点灯し通電状態になる。

そこで、注射針５０の使用済のものを、注射器
４９に挿着したまま、その注射針５０を注射針引
抜きガイド部材４２の挿入口４３に上方より挿入
する。すると、注射針５０の先端は電極板５１の
電極６０に当接すると共に、やや上部が電極板５
２の電極６１に接触して回路が形成され、両電極
間に短絡電流が流れる。この場合、注射針５０は
その断面積が小さくて、かつ電気抵抗が高いの
で、瞬時に多量の短絡電流が流れて、注射針５０
は溶融する。次いで、注射器４９を挿入口４３に
沿い引抜き係止突片４４，４５の部分まで移動さ
せて上方に引抜くと、注射針５０は引抜き係止突
片４４，４５によつて注射筒より離脱し、屑収納
箱１４内に落下収納される。

なお、注射針５０の溶融時に異臭ガスが発生す
るが、この異臭ガスは屑収納箱１４に付設の充填
部１６に充填の脱臭剤１７を通つて回転駆動中の
フアン７０の吸引によつて開口部６９から部屋１
１を通り背面側通風口３４より筺体外部に排気さ
れる。

以上の作業が繰り返され、屑収納箱１４内に処
理された注射針が満たされたら、取手１５を持つ
て屑収納箱１４を引き出し、収納の注射針を廃棄
する。

長い間の使用による機械的、電気的等の衝撃に
よつて電極６０，６１が損傷等して導電不良等を
起こしたり、あるいは溶融した注射針が電極表面
に付着したためにこれを掃除して除去する必要が
生じた場合に、これを新たな電極を有する同一構
造の電極板ユニツト３６と交換する場合、更に
は、太い注射針であつて、これを溶融処理するに
適した広い電極間隔を有する電極板ユニツトと交
換する必要が生じた場合等には、第１図に示され
ている装着状態から電極板ユニツト３６を手前に
押し戻せば、板バネ係止部材２６により弾発的に
係止せられていた挿入係止片３９，４０が挿脱せ
られて電極板ユニツト３６はコ字形切欠部１８の
接合部より簡易に挿脱されるので、新たなそれと
交換し、再びコ字形切欠部１８の接合部に沿つて
押し入れれば、基板３７の挿入係止片３９，４０
が板バネ係止部材２６との空隙部２７に挿入係止
せられて板バネ係止部材２６により弾発的に係止
されて天井壁２と一体的外観を呈して固定的に装
着せられると共に、一対の電極板５１，５２の各
端部６２，６３は接触端子２３，２４と電気的接
触し、この状態において再び通電状態とすれば、
前記同様に同一装置で、しかも大小異径の注射針
の溶融処理を行うことができる。

〔考案の効果〕

しかして、本考案によれば、注射針挿入口４３
と注射針５０を溶融処理する一対の電極板５１，
５２等はこれを基板３７に設けて電極板ユニツト
３６とし、かつ該電極板ユニツト３６をカートリ
ツジ式としたので、電極板の交換が簡易、かつ迅
速に行うことができると共に、電極等の掃除や点
検等もこれを筺体１から取り外した状態で行うこ
とができるものであるから、きわめて簡易、かつ
迅速に行うことができる。

また、電極板ユニツトを電極間隔の広いそれと
交換すれば、電極板ユニツトのみの交換をもつて
同じ装置で太い注射針の溶融処理が可能となり、
経済性に優れるものである。

また、カートリツジ式電極板ユニツト３６を装
着すれば、必然的に一対の電極板５１，５２はそ
の端部６２，６３が筺体１内の接触端子２３，２
４と電気的接触するもので、配線や結線等の作業
は全く不要であるから、素人でも電極板の交換等
を簡易に行うことができる。

また、本考案によれば、屑収納箱１４に脱臭剤
充填部１６が設けられ、これに脱臭剤１７が充填
せられると共に、箱収納部８を形成する起立壁９
にはフアン７０が装着され、該フアン７０の吸気
駆動により注射針溶融時に生じる異臭ガスは脱臭
剤１７を通して外部に吸引排気されるように構成
されているから、注射針の溶融処理中は勿論のこ
と、屑収納箱１４を引き出した場合においても、
異臭ガスは脱臭排気されているから、従来のよう
な異臭ガスによる不快感を抱くことなく、安心し
て衛生的に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したもので、第１
図は平面図、第２図は正面図、第３図は背面図、
第４図は要部の断面図、第５図は屑収納箱の脱臭
剤充填部を示す一部省略の拡大平面図、第６図お
よび第７図はカードリツジ式電極板ユニツトを示
す拡大断面図、第８図は筺体天井壁のコ字形切欠
部を示す一部省略の拡大平面図、第９図はカート
リツジ式電極ユニツトを示す拡大平面図、第１０
図は天井壁切欠部に対する電極板ユニツトにおけ
る基板の取付状態を示す拡大断面図、第１１図は
フアンの取付状態を示す拡大正面図、第１２図は
電気回路図である。 １……筺体、２……天井壁、７……台板、８…
…収納部、９……背面起立壁、１０，１１……部
屋、１４……屑収納箱、１６……脱臭剤充填部、
１７……脱臭剤、１８……コ字形切欠部、１９，
２０……側辺部、２１，２２……取付板、２３，
２４……電極板接触端子、２５……辺部、２６…
…板バネ係止部材、２８……トランス、３２……
スイツチ、３６……カートリツジ式電極板ユニツ
ト、３７……基板、３８……背面側辺部、３９，
４０……挿入係止片、４１……長孔、４２……注
射針引抜きガイド部材、４３……注射針挿入口、
４４，４５……注射針引抜き係止空片、４７，４
８……目隠部材、５０……注射針、５１，５２…
…一対の電極板、６０，６１……一対の電極、６
２，６３……一対の電極板端部、６９……開口
部、７０……フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源トランスンス２８が配置されると共に、屑
   収納箱１４が出し入れ自在に設けられた筺体１
   と、該筺体１の天井壁２のコ字形切欠部１８に着
   脱自在となつているカートリツジ式の電極板ユニ
   ツト３６とを備え、前記屑収納箱１４における背
   面側上端外方には、脱臭剤充填部１６が設けられ
   て、該充填部１６には脱臭剤１７が充填されると
   共に、前記筺体１における屑箱収納部８の背面起
   立壁９の開口部６９には、注射針５０の溶融処理
   時に発生する異臭ガスを前記脱臭剤１７を通して
   筺体外部に排気するためのフアン７０が前記電源
   トランス２８の二次側と接続されて装着され、ま
   た、前記筺体１におけるコ字形切欠部１８の相対
   向する左右側辺部１９，２０の下方には、垂設の
   絶縁性取付板２１，２２を介して電極板接触端子
   ２３，２４が固着されて、これら接触端子２３，
   ２４は前記電源トランス２８の二次側と接続さ
   れ、また、コ字形切欠部１８の辺部２５の下面中
   央部位には、前記電極板ユニツト３６が挿入係止
   せられる板バネ係止部材２６が設けられ、また、
   前記カートリツジ式の電極板ユニツト３６は、前
   記コ字形切欠部１８を閉塞する基板３７の背面側
   辺部３８に前記板バネ係止部材２６と筺体天井壁
   間に挿入係止せられる挿入係止片３９，４０が突
   設されると共に、基板３７の中央縦方向長孔４１
   には、硬質樹脂製の注射針挿入口４３と該挿入口
   の一側寄りの両内側に注射針引抜き係止突片４
   ４，４５を有する注射針引抜きガイド部材４２が
   嵌入固着されて、該ガイド部材４２における挿入
   口４３の係止突片４４，４５との反対側下面に
   は、互いに内向きの目隠部材４７，４８が設けら
   れ、また、基板３７の下面には、前記注射針挿入
   口４３を介して上方より挿入された注射針５０が
   接触する一対の電極６０，６１を有し、かつ端部
   ６２，６３が前記接触端子２３，２４とそれぞれ
   電気的接触する一対の電極板５１，５２が交差状
   にして、相離間し、かつ基板３７とは電気的に絶
   縁されて設けられた構成を特徴とする使用済注射
   針の処理装置。