JPH05255153A - ポリカーボネート類の分解方法 - Google Patents

ポリカーボネート類の分解方法

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JPH05255153A
JPH05255153A JP4352829A JP35282992A JPH05255153A JP H05255153 A JPH05255153 A JP H05255153A JP 4352829 A JP4352829 A JP 4352829A JP 35282992 A JP35282992 A JP 35282992A JP H05255153 A JPH05255153 A JP H05255153A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート類を連続的に分解してジヒ
ドロキシ化合物と炭酸エステルを生じさせる方法を開示
する。 【構成】 従って、蒸留カラム中、エステル交換触媒の
存在下、ポリカーボネート樹脂とモノヒドロキシ化合物
とを反応させる。溶融状態もしくは溶質としてのポリカ
ーボネートを、連続して該カラムの上部に送り込み、そ
して気相中のモノヒドロキシ化合物を、連続してこのカ
ラムの下部に送り込む。この得られる炭酸エステルとジ
ヒドロキシ化合物を、該カラムから連続して取り出す。 【効果】 この方法は、卓越して、ポリカーボネート廃
棄物の再利用に適切である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明はポリカーボネート類に関するも
のであり、より詳細には、廃棄ポリカーボネート樹脂を
分解してジヒドロキシ化合物と炭酸エステルを生じさせ
るに有効な方法に関する。
【0002】
【発明の要約】モノヒドロキシ化合物との触媒エステル
交換によって、ポリカーボネート類を連続的に分解して
ジヒドロキシ化合物と炭酸エステルを生じさせる方法を
開示する。従って、溶融物の形態か或は適切な溶媒中の
溶液の形態に在るポリカーボネート樹脂と、50から1
5,000モル%のモノヒドロキシ化合物とを、0.0
001から20モノ%のエステル交換触媒存在下反応さ
せる(ここで、上記パーセントは、該ポリカーボネート
中のカーボネート単位のモル量に対するものである)。
このポリカーボネートを、蒸留カラムの上方部分に送り
込み、そして該モノヒドロキシ化合物を、気相状態で、
該蒸留カラムの下方部分に向流で導入する。この蒸留カ
ラムの頭部で炭酸エステルの流れを取り出し、そしてこ
の蒸留カラムの足部でジヒドロキシ化合物の流れを取り
出す。
【0003】
【発明の背景】ポリカーボネート類はヒドロキシ化合物
で分解してジアルキルカーボネート類とジヒドロキシ化
合物を生じることは知られている。この方法は、長い反
応時間と保持時間を必要としており、この間に生じる生
成物の損失を回避することは不可能であると共に、この
方法はバッチ式で行われている(DAS 1,155,452)。
【0004】対照的に、本発明に従う方法は、簡潔およ
び高収率で連続的に行われ得る。1つの特別な利点は、
単一段階でエステル交換が高収率で生じ得るか、或は反
応生成物を同時に分離しながら該エステル交換カラムを
運転する様式に応じて、定量的にも行われ得る、ことで
ある。
【0005】
【発明の詳細な記述】分解すべきポリカーボネート類
を、公知の方法、例えば押出し装置で溶融させる。この
分解すべきポリカーボネート類を、上述した押出し方
法、そしてまた公知の混合装置、タンク反応槽などを用
いた溶融を通して溶解させてもよい。
【0006】適切な溶媒は、反応条件下で不活性であり
そして該ポリカーボネート類およびエステル交換反応で
生じてくるジヒドロキシ化合物をその反応条件下で溶解
するものであり、そしてその沸点が、このエステル交換
で用いるヒドロキシ化合物のそれに少なくとも匹敵して
おり、そしてより良好にはそれ以上である、溶媒であ
る。
【0007】このような溶媒は、例えば炭化水素、例え
ばオクタン、ドデカン、イソオクタン、イソドデカン、
デカリン、トルエン、キシレン類、クメン、シモール、
トリメチルベンゼン類、テトラメチルベンゼン類、ジイ
ソプロピルベンゼン類、テトラリン、ナフタリン、ビス
フェニルなど;エーテル類、例えばジブチルエーテル、
ジオキサン、ジメチルジグリコール、ジエチルトリグリ
コール、ジメチルテトラグリコール、アニソール、フェ
ニルブチルエーテル、メトキシトルエン類、ジメトキシ
ベンゼン類、ジフェニルエーテルなど;ハロゲン置換炭
化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブ
ロモベンゼン、ジブロモベンゼン類、クロロナフタレン
類、クロロトルエン類、クロロキシレン類、クロロクメ
ン類など;アミド類、例えばジメチルアセトアミド、N
−アセチルモルホリン、N,N−ジメチルベンズアミド
などである。
【0008】用いる溶媒の量は、ポリカーボネート量の
1から20倍、好適には2から15倍、より好適には3
から12倍である。
【0009】本発明に従うポリカーボネート類の分解に
適切なモノヒドロキシ化合物は、脂肪族C1-30モノアル
コール類、環状脂肪族C3-10モノアルコール類および芳
香脂肪族C7-30モノアルコール類である。適切な脂肪族
モノアルコール類は、第一および第二モノアルコール類
であり、適切な環状脂肪族モノアルコール類は第二モノ
アルコール類であり、そして適切な芳香脂肪族モノアル
コール類も再び第一および第二モノアルコール類であ
る。
【0010】適切なモノヒドロキシ化合物は、例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、第二ブタノール、イソブタノール、ペ
ンタノール類、ヘキサノール類、オクタノール類、デカ
ノール類、ウンデカノール類、ドデカノール類、ステア
リルアルコール類、シクロペンタノール、シクロヘキサ
ノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、ベ
ンジルアルコール、フェニルエタノールであり、好適に
はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールである。
メタノールおよびエタノールが特に好適である。
【0011】本発明に従うポリカーボネート類の分解に
適切な上記モノヒドロキシ化合物は、該ポリカーボネー
トの溶解を行うに先立って、該ポリカーボネート中のカ
ーボネート単位モル当たり50から1,000モル%の
量で該溶媒と一緒に加えられてもよい。これらのモノヒ
ドロキシ化合物はまた、該ポリカーボネートを溶解させ
るための該溶媒の代わりに用いられてもよい。この場
合、このモノヒドロキシ化合物は、200から15,0
00モル%の量、好適には300から5,000モル%
の量、より好適には400から3,000モル%の量で
用いられる。
【0012】両方の場合共、このモノヒドロキシ化合物
の添加は、該蒸留カラムの上方部分に導入する前か或は
導入中のポリカーボネートを溶解させそしてまたそれら
の部分的な分解を生じさせるために行うものである。
【0013】従って、本発明はまた、本発明に従うポリ
カーボネート類の分解に適切なモノヒドロキシ化合物
を、追加的もしくは二者択一的に、該ポリカーボネート
用溶媒として使用し、ここで、追加的使用の場合、該ポ
リカーボネート中のカーボネート単位モル当たり50か
ら1,000モル%の量で用いるか、或は単一のポリカ
ーボネート用溶媒としてこのモノヒドロキシ化合物を用
いる場合、該ポリカーボネート中のカーボネート単位モ
ル当たり200から15,000モル%の量で用いる、
ことを特徴とする、本発明に従う方法の延長にも関す
る。
【0014】本発明に従ってポリカーボネート類を分解
するためのポリカーボネート用溶媒として用いるモノヒ
ドロキシ化合物の追加的使用もしくは単一使用は、該ポ
リカーボネートが反応条件下のヒドロキシ化合物に可溶
であるか、或は部分的分解を生じさせた後これを溶液の
中に通す場合、特に推奨される。これは、個々の場合の
各々で、予備試験を行うことにより容易に決定され得
る。
【0015】本発明に従うポリカーボネート分解方法に
関する1つの特別な変法において、分解で用いるモノヒ
ドロキシよりも高い沸騰温度を有するモノヒドロキシ化
合物を該ポリカーボネート用溶媒として用いる。より高
い沸点を有するモノヒドロキシ化合物が該ポリカーボネ
ートに対して良好な溶解力を示す場合、上記操作を採用
することが望ましいが、ここで、これに関連した溶解力
は、このポリカーボネートの部分的分解を含むものと理
解される。このようにして、このカラム中のエステル交
換工程をかなり促進させることが可能である。この高沸
点モノヒドロキシ化合物は、分解すべきポリカーボネー
トの重量で、カーボネート単位モル当たり10から3,
000モル%の量、好適には50から2,500モル%
の量、より好適には100から2,000モル%の量で
用いられる。
【0016】従って、本発明はまた、本発明に従い該蒸
留カラム中でポリカーボネート類を分解する目的で用い
るモノヒドロキシ化合物よりも高い温度、好適には少な
くとも5℃高い温度で沸騰するモノヒドロキシ化合物
を、該ポリカーボネート用溶媒として用い、ここで、こ
の高沸点モノヒドロキシ化合物を、該ポリカーボネート
中のカーボネート単位モル当たり10から3,000モ
ル%の量で用いる、ことを特徴とする、本発明に従う方
法の延長にも関する。
【0017】比較的高い沸点を有する適切なモノヒドロ
キシ化合物は、原則として、本発明に従うポリカーボネ
ートの分解に関して既に述べた化合物であるが、但し、
最も低い沸点を有するものは除外し、従ってこれらは、
この操作を採用した蒸留カラム中で本発明に従うポリカ
ーボネート類の分解に関してのみ使用され得る。
【0018】更に、比較的高い沸点を有するモノヒドロ
キシ化合物としてフェノールも用いられ得る。フェノー
ルそれ自身に加えて、適切なフェノール類は、例えばク
レゾール、メトキシフェノール、クロロフェノールおよ
びイソプロピルフェノールである。
【0019】更に、比較的高い沸点を有するモノヒドロ
キシ化合物としてフェノール類を用いると、下記の如き
利点が得られる。例えば、メタノールを用いてビスフェ
ノールAのカーボネートを分解させてビスフェノールA
とジメチルカーボネートを生じさせる時に、追加的ヒド
ロキシ化合物としてフェノールを用いると、もしこのポ
リカーボネートを触媒存在下でフェノールに溶解させる
と、このポリカーボネートの迅速な前分解が開始する。
従って、高濃度で低粘度の、部分的に分解したポリカー
ボネート溶液を製造することが可能になり、このことに
よって、エステル交換反応でより良好な時間当たりの収
率が保証される。沸点が大きく異なっていることによっ
て、ジアルキルカーボネートの簡単な分離が保証され
る。更に、この生じてきたビスフェノールAは、知られ
ているフェノールとの1:1付加体として結晶形態で、
液だめから回収され得る。この方法では、例えば、この
方法と現存のビスフェノールA製造のいずれかと一緒に
して、公知方法で、該ビスフェノールA付加体を精製し
た後、処理することでビスフェノールAを生じさせるこ
とも可能である。
【0020】本発明に従うポリカーボネート供与体のモ
ノヒドロキシ化合物/本発明に従うポリカーボネート用
溶媒に関する適切な組み合わせには、メタノール/エタ
ノール、メタノール/ブタノール、メタノール/ヘキサ
ノール、メタノール/フェノール、メタノール/クレゾ
ール、メタノール/メトキシフェノール、エタノール/
ヘキサノール、エタノール/オクタノール、エタノール
/デカノール、エタノール/フェノール、エタノール/
クロロフェノール、エタノール/イソプロピルフェノー
ル、ブタノール/オクタノールおよびブタノール/フェ
ノールが含まれる。
【0021】最も簡単な場合、本発明に従う方法で用い
られる蒸留カラムは、蒸留で典型的に用いられる充填用
要素が充填されている、等温加熱管である。これらのエ
ステル交換段階はこの管の中で驚くべき程迅速に完結
し、その結果として、この型のカラムは比較的短いが、
かなりの量の炭酸エステルがオーバーヘッドで留出す
る。しかしながら、このカラムにはまた、その下方末端
に、上昇させた温度で運転されている脱溶媒部分が備わ
っていてもよく、ここでは、流れ落ちるジヒドロキシ化
合物からモノヒドロキシ化合物が実質的もしくは完全に
分離されて、このカラムのエステル交換部分に戻る。
【0022】更に、このカラムの上方部分は、比較的高
い沸点を有する成分、例えば溶媒などから気体状のモノ
ヒドロキシ化合物および炭酸エステルを分離するのを完
結する、従ってこのカラムの頭部で、モノヒドロキシ化
合物と炭酸エステルとから成る高百分率もしくは高純度
の混合物を取り出す目的で、比較的低い温度で運転され
ている精留部分で作られていてもよい。
【0023】エネルギーは、気化状態でこのカラムに導
入されるモノヒドロキシ化合物および/またはこの液だ
めの気化装置によって供給され得る。このモノヒドロキ
シ化合物は、液状形態で導入されてもよく、この場合、
その気化装置によってエネルギーを供給する必要があ
る。1番目として、このエステル交換の大部分が生じる
中間部分のカラム直径は、有利に、このカラムの残りの
部分の直径よりも4倍大きくてもよい。2番目として、
このモノヒドロキシ化合物に関する蒸発のエンタルピー
は、該脱溶媒部分を通して輸送される必要があり、ここ
で、これは高ガスおよび液体負荷をもたらす。この結果
として、意図した分離を生じさせることを保証している
脱溶媒部分中のカラムの幅が広くなっている。この脱溶
媒部分の幅および長さは、この脱溶媒部分中の選択した
カラム取り付け部品に依存しており、そしてこれは、技
術者によって設計され得る。
【0024】気相中のエステル交換中に、1分子の炭酸
エステルによって2分子のモノヒドロキシ化合物が置き
換えられるため、このカラムの中間部分のガス流速を一
定に保つためには、断面積を1/2以下まで減少させる
のが有利であり得る。
【0025】従って、このカラムは、等温加熱すること
が可能であると共に、好適には、下方に向かって温度値
が減少する温度勾配を生じさせるように、その主要部分
とは異なる1種以上の温度を有するゾーンを備えること
もできる。
【0026】充填もしくは詰物要素は、例えばUllmann'
s Encyclopadie der technischen Chemie、 第4版、 2巻、
528頁以降、または問題となる装置の製造業者が出版し
ているパンフレットの中に記述されているところの、蒸
留で典型的に用いられる要素のいずれかであってもよ
い。適切な充填要素の例は、RaschingまたはPallリン
グ、Berl-IntalexまたはTorusサドル、種々の材料、例
えばガラス、磁器、陶器、炭素、ステンレス鋼、および
プラスチック(これらは、特に金属が用いられている場
合、織物または編み物のように加工されていてもよ
い)、から成るインターパック(interpack)要素であ
る。好適な詰物および充填要素は、大きな表面積を有す
るものであり、そして完全な浸潤とこの液体の適当な滞
留時間を保証するものである。これらには、例えばPall
およびNovolaxリング、Berlサドル、BX Packs、Montz-P
ak、Mellapak、Melladur、KerapakおよびCY Packsが含
まれる。
【0027】しかしながら、本発明に従う方法では、充
填したカラムばかりでなく、固定した取り付け部品が備
わっているカラムも適切である。固定した取り付け部品
は、長い滞留時間と良好な材料交換とを組み合わせた、
気泡プレートまたはバルブプレートであると理解され
る。
【0028】しかしながら、他のプレートカラム、例え
ばシーブプレートカラム、気泡プレートカラム、バルブ
プレートカラム、トンネルプレートカラムおよび遠心分
離プレートカラム(これらは種々の形態で入手可能であ
る)も一般に適切である。
【0029】本発明に従うポリカーボネート類の分解に
適切な触媒は文献から公知である(例えば、DDR特許45,
600および46,363、 DE-AS 1,155,452およびJA 61/27 203
A参照)。適切な触媒には、水素化物、酸化物、水酸化
物、アルコール類、アミド類、或はアルカリ金属、例え
ばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよび
セシウムなどの塩類、好適にはリチウム、ナトリウムお
よびカリウムの塩類、より好適にはナトリウムおよびカ
リウムの塩類が含まれる。アルカリ金属の塩類は、有機
酸および無機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、安
息香酸、ステアリン酸、炭酸、塩酸、HBr、HI、硝
酸、H2SO4、HF、燐酸、ホウ酸、錫酸およびアンチ
モン酸などの塩類である。
【0030】好適なアルカリ金属触媒は、アルカリ金属
の酸化物、水酸化物、アルコラート、酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩および炭酸水素塩である。
特に、アルカリ金属触媒は、アルカリ金属の水酸化物、
アルコラート、酢酸塩、安息香酸塩および炭酸塩であ
る。
【0031】これらのアルカリ金属触媒は、分解すべき
ポリカーボネート中のカーボネート単位モル当たり0.
0001から20モル%の量、好適には0.001から
10モル%の量、より好適には0.005から5モル%
の量で用いられる。
【0032】これらのアルカリ金属触媒は、任意に、錯
化剤、例えばクラウンエーテル類、ポリエチレングリコ
ール類または二環状窒素含有クリプタンド類(kryptand
s)との組み合わせで用いられてもよい。
【0033】ジベンゾ−18−クラウン−6が適切なク
ラウンエーテルの例であり、一方1,9−ジメチル−
1,9−ジアザジベンゾ−18−クラウン−6が適切な
窒素含有クリプタンドの例である。
【0034】これらの錯化剤は、アルカリ金属化合物モ
ル当たり0.1から200モル%の量、好適には1から
100モル%の量で用いられる。
【0035】本発明に従うポリカーボネート類の分解に
適した他の触媒は、窒素含有塩基、例えば第二および第
三アミン類、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、メチルジベンジルアミンおよびジメチルシクロヘキ
シルアミン、ジアザビシクロウンデカンまたはジアザビ
シクロノナンである。
【0036】これらの窒素含有塩基は、分解すべきポリ
カーボネート中のカーボネート単位モル当たり0.00
1から20モル%の量、好適には0.005から10モ
ル%の量、より好適には0.01から3モル%の量で用
いられる。
【0037】本発明に従うポリカーボネート類の分解に
適した他の触媒は、マグネシウム、カルシウム、バリウ
ム、亜鉛、錫、チタンまたはジルコニウムの錯体または
塩類または化合物である。上記システムの例は、錫メト
キサイド、ジメチル錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチ
ル錫ジラウレート、水素化トリブチル錫、塩化トリブチ
ル錫、錫(II)エチルヘキサノエート、ジルコニウム
アルコキサイド類(メチル、エチル、ブチル)、ハロゲ
ン化ジルコニウム(IV)(F、Cl、Br、I)、硝
酸ジルコニウム、アセチルアセトンジルコニウム、チタ
ンアルコキサイド類(メチル、エチル、イソプロピ
ル)、酢酸チタンおよびアセチルアセトンチタンであ
る。
【0038】これらの触媒は、分解すべきポリカーボネ
ート中のカーボネート単位モル当たり0.0001から
20モル%の量、好適には0.001から10モル%の
量、より好適には0.005から5モル%の量で用いら
れる。
【0039】用いるこれらの触媒を、バルクで、ポリカ
ーボネート溶融物か或はポリカーボネート溶液のどちら
かに加える。このポリカーボネート用溶媒としてモノヒ
ドロキシ化合物を用いる場合、アルカリ金属触媒を用い
インサイチューで、アルカリ金属アルコラートまたはア
ルカリ金属のフェノラートを生じさせてもよい。ポリカ
ーボネート類の分解で用いる触媒はまた個別に、該ポリ
カーボネート類の分解を意図したモノヒドロキシ化合物
中の溶液の形態で、使用蒸留カラムのヘッドから、該ポ
リカーボネート溶融物もしくはポリカーボネート溶液に
加えられ得る。この場合もまた、アルカリ金属触媒を用
いインサイチューで、アルカリ金属のアルコラート類を
製造してもよい。
【0040】これらの反応体にほとんど溶解しないか或
は不溶な不均一系触媒を用いる場合、この蒸留カラムの
充填要素との混合物としてか或は固定カラムプレート上
の床として予め導入しておくか、或は詰物としてこのカ
ラムの中に組み込んでもよい。
【0041】好適には、溶融物もしくは溶液の形態のポ
リカーボネートと任意にバルクもしくは溶液形態の触媒
を、このカラムの上半分、好適には上方1/3に導入す
ることによって、本発明に従って用いる蒸留カラムの運
転を行う。
【0042】このポリカーボネートの温度は、好適に
は、これをこのカラムに導入するレベルに広く行き渡っ
ている温度と同じである。
【0043】ポリカーボネート類の分解で用いるモノヒ
ドロキシ化合物を、このカラムの下半分、好適には存在
している脱溶媒ゾーンいずれかの上方に導入する。
【0044】ポリカーボネート類の分解で用いることを
意図したモノヒドロキシ化合物は、好適には、蒸気の形
態で導入される。これを液体の形態で導入する場合、既
に上述したように、液だめの気化装置の中でそれを気化
させる必要がある。
【0045】好適には、精留部分を通過させた後、該カ
ラムのヘッドで、炭酸エステルを取り出して濃縮する。
一般に、これは、このシステムの中に存在しているモノ
ヒドロキシ化合物の画分を含んでいる。このポリカーボ
ネートの基となっているジヒドロキシ化合物(類)の溶
液または溶融物を、注意深く確立した条件下で、該カラ
ムの液だめから排出させ、そして処理した後、公知方
法、例えば蒸留および/または晶析などで精製してもよ
い。
【0046】このカラムの中の温度は、50から200
℃の範囲、好適には60から190℃の範囲、より好適
には70から170℃の範囲である。用いる如何なる温
度勾配も示した温度範囲内に入り、そしてこのカラムの
ヘッドから液だめに向かって上昇する。
【0047】一般に、本発明に従う方法の基となってい
る反応は、常圧下で行われるが、若干上昇させた圧力で
ある約5バール以下、好適には4バール以下、より好適
には3バール以下で行うか、或は50ミリバール、好適
には100ミリバール、より好適には200ミリバール
にまで低下させた減圧下で行ってもよい。例えば、この
カラムのヘッドで取り出すべき共沸物は、技術者に公知
なように、圧力を常圧から変化させてこの反応を実施す
ることによって影響を受ける可能性がある。
【0048】このカラムの体積/時間負荷は、1時間当
たりの有効カラム体積1mL当たり0.1から5.0g
の全反応体量、好適には0.2−4.0g/mL/時、
より好適には0.3−3.0g/mL/時である。この
有効カラム体積は、このカラムの詰物が占めている空間
であるか、或は固定された取り付け部品が収容されてい
る空間である。
【0049】本発明に関連したポリカーボネート類は、
一般に、産業規模で用いられておりそして用いられ得る
脂肪族および/または芳香脂肪族および/または芳香族
ジヒドロキシ化合物を基とするポリカーボネート類であ
る。
【0050】脂肪族ジヒドロキシ化合物は、例えばエチ
レングリコール、1,2−および1,3−プロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン−1,6
−ジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,5
−トリメチルヘキサン−1,6−ジオール、ドデカン−
1,2−ジオール、トリメチロールプロパンモノアリル
エーテル、ジアンヒドロソルビトール、ジグリコール、
トリグリコール、テトラグリコール、或はこれらのジオ
ール類の混合物、好適にはネオペンチルグリコールおよ
びヘキサンジオールである。
【0051】芳香脂肪族ジヒドロキシ化合物は、例えば
キシリレンジオール類、ビスフェノール類、例えばヒド
ロキノン、レゾルシノール、ピロカテコール、ビスフェ
ノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、ビスフェノールF、ビスフェノール
Z、および典型的に用いられている他のビスフェノール
類、或はこれらのジオール類から成る混合物のエトキシ
ル化生成物であり、好適には2,2−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−プロパンのエトキシル化生成物であ
る。
【0052】芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えばジヒ
ドロキシベンゼン類、ジヒドロキシビフェニル、ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロ
キシジフェニルメタン(ビスフェノールF)、ジヒドロ
キシジフェニルエタン、ジヒドロキシジフェニルプロパ
ン(ビスフェノールA)、ジヒドロキシジフェニルシク
ロヘキサン(ビスフェニルz)、3,3,5−トリメチ
ル−1,1−(ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキ
サン、α,α’−(ジヒドロキシフェニル)ジイソプロ
ピルベンゼン類、ジヒドロキシベンゾフェノン、或はこ
れらの芳香族ジヒドロキシ化合物の混合物であり、好適
にはビスフェノールA、ビスフェノール2、ジヒドロキ
シジフェニルメタンおよび3,3,5−トリメチル−
1,1−(ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキサン
である。ビスフェノールAが特に好適である。
【0053】本発明に従って分解すべきポリカーボネー
ト類は文献から公知である(例えばH. Schnell著の表題
が「ポリカーボネート類の化学および物理」(Chemistr
y and Physics of Polycarbonates)の本、Interscienc
e Publishers、 New York、 1964参照)。
【0054】分解すべきポリカーボネート類の分子量M
w(重量平均、例えばゲル浸透クロマトグラフィーで測
定)は、5,000から200,000の範囲、好適に
は10,000から80,000の範囲である。この分
子量はまた、25℃のCH2Cl2中0.5重量%の濃度
の相対粘度を測定することによる公知方法で測定され得
る。分解すべきポリカーボネート類は、好適には、下記
のジフェノール類:4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニル)−プロパ
ン(ビスフェノールA)、2,4−ビス−4−ヒドロキ
シフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4
−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキサン、α,α−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソ−プロ
ピルベンゼン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−
フェニル)−プロパンおよび1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンの少なくとも1つから製造された、好適には芳香族
の熱可塑性ポリカーボネート類である。
【0055】本発明に従って分解すべきポリカーボネー
ト類はまた、3官能もしくはそれ以上の官能を有する化
合物を組み込むことによる公知方法で分枝させられてい
てもよい。本発明に従うポリカーボネート類の分解にお
いて、これらの3官能もしくはそれ以上の官能を有する
化合物は、この蒸留カラムの液だめの中のジヒドロキシ
化合物と一緒に集められ、そして任意に、晶析によって
これを単離する。
【0056】これらがモノフェノール類の場合、本発明
に従って分解すべきポリカーボネート類から放出される
連鎖停止剤もまた、この蒸留カラムの液だめ中に集めら
れ、そして任意に、公知方法でこれを単離する。分解す
べきポリカーボネート類において、脂肪族または環状脂
肪族のモノアルコール類が連鎖停止剤として組み込まれ
ている場合、これらは、この蒸留カラムのヘッドを通し
てモノカーボネートのジエステルとして取り出される。
【0057】本方法に関連して、このポリカーボネート
を溶融物として導入するか或は溶質として導入するかの
選択は、このポリカーボネートの分子量、およびこのポ
リカーボネートの合成で用いられたジヒドロキシ化合物
に依存している。
【0058】溶融物として計量して入れることが可能な
ポリカーボネート類は、好適には、脂肪族、環状脂肪族
および/または芳香脂肪族ジヒドロキシ化合物を基とす
るか、或はこれらのジヒドロキシ化合物とジフェノール
類との混合物を基とするポリカーボネート類である。
【0059】このジヒドロキシ成分としてジフェノール
類から成る純粋に芳香族のポリカーボネート類は、高い
溶融温度を有しており、従って主に溶液として本発明に
従う分解工程に導入される。
【0060】溶融物として計量して入れることが可能な
ポリカーボネート類は、特に、ヘキサン−1,6−ジオ
ール、ジグリコール、プロパン−1,3−ジオール、ネ
オペンチルグリコール、ビスオキシエチルビスフェノー
ルA、シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコー
ルのポリカーボネート類、およびこれらのジオール類を
互いに用いたコポリカーボネート類、並びにこれらのジ
オール類とジフェノール類、例えばビスフェノールA、
ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス−(4−ヒドロ
キシ−フェニル)−シクロヘキサンおよび1,1−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンとのコポリカーボネート類である。
【0061】ポリカーボネート類を分解するための本発
明に従う方法は、種々のポリカーボネート成形コンパン
ドに関しては一般的な原理を基にして用いられ得る。し
かしながら、その主要な機能は、この方法でジヒドロキ
シ化合物と炭酸エステルを合成することではなく、他の
方法では利用できないポリカーボネート成形コンパン
ド、即ち例えば成形物の製造で蓄積してくる廃棄物もし
くはスクラップ、利用できない成形物、ポリカーボネー
ト廃物などを化学的に分解することである。精製するの
が容易であり、従ってポリカーボネート類の製造もしく
は他の目的で再利用することが可能なモノマー状成分に
関して、ジヒドロキシ化合物は、例えばエポキシ樹脂も
しくはポリウレタンの製造で用いられ、そして炭酸エス
テルは、溶媒としてか或は有機化学における合成で用い
られる。従って、本発明に従って分解すべきポリカーボ
ネート類は、通常の添加剤、例えば鉱物充填材、例えば
シリカ粉、ガラス粉末、ガラス繊維、安定剤、UV安定
剤、滑剤、顔料、染料、またポリマーのブレンド相手、
例えばスチレン、アクリロニトリルおよびブタジエンの
ビニルポリマー類などを含んでいてもよい。
【0062】この溶融物もしくは溶液をエステル交換カ
ラムに導入するに先立って、濾過、遠心分離または沈降
を行うことにより、このポリカーボネート溶融物または
ポリカーボネート溶液の中に不溶な添加剤を除去する。
このポリカーボネート溶融物もしくはポリカーボネート
溶液に溶解する添加剤は、その得られるジヒドロキシ化
合物から、蒸留もしくは晶析によって除去され得る。
【0063】用いるポリカーボネートの中に存在してい
る着色不純物は、蒸留もしくは晶析によるばかりでな
く、吸着精製技術、例えば活性炭、ケイソウ土、セルロ
ースまたはゼオライトを用いて除去され得る。このよう
な吸着精製工程は、本発明に従う分解前のポリカーボネ
ート溶液、そしてまた蒸留カラムの液だめの中に集めら
れたジヒドロキシ化合物の溶液、の両方に対して実施さ
れ得る。従って、ポリカーボネート類を分解するための
本発明に従う方法は、卓越して、ポリカーボネート廃棄
物の再利用にとって適切である。
【0064】以下に示す実施例で本発明を更に説明する
が、これによって制限することを意図したものではな
く、ここで、全ての部およびパーセントは、特に明記さ
れていない限り重量である。
【0065】
【実施例】実施例1 ポリカーボネートを基準にして1重量%のジブチル錫オ
キサイドを触媒として含んでいるo−ジクロロベンゼン
中10%のビスフェノールAポリカーボネート(分子量
約28,000)溶液を、おおよそ170mL/時で、
10個のプレートを有する気泡プレートカラムの第一プ
レートに送り込む一方、90から95℃の気化状態のメ
タノールを、おおよそ100mL/時で、10番目のプ
レートの下方に導入する。このカラムは、80−85℃
に加熱されているオイルが流れている加熱用ジャケット
で取り巻かれている。このカラムのヘッドから、短い充
填カラムを通して、メタノールとジメチルカーボネート
との混合物(ここでは頭部生成物)が留出する一方、8
0−85℃にまた加熱されている短い脱溶媒部分を通っ
た後このカラムの足部で、o−ジクロロベンゼン中のビ
スフェノールA溶液(ここでは底部生成物)が排出す
る。
【0066】約4時間の反応時間後、メタノールと8g
のo−ジクロロベンゼンに加えて29gのジメチルカー
ボネートを含んでいる頭部生成物が362g、そして少
量のメタノールが入っているo−ジクロロベンゼン中に
72gのビスフェノールAを含んでいる無色底部生成物
が810g得られる。蒸留することで容易に、この頭部
生成物からジメチルカーボネートを除去することがで
き、そしてこのメタノールをこの反応に戻すことができ
る。この液だめ生成物を濃縮した後、ビスフェノールA
が無色結晶の形態で析出する。ポリカーボネートはもは
や存在していない。この変換率および収率は実質的に完
全なものであった。
【0067】実施例2 10%のビスフェノールAポリカーボネート溶液を10
0mL/時でこのカラムに導入しそしてメタノールを2
10mL/時で導入し、同じ条件下で実施例1を繰り返
す。3時間後、33gのビスフェノールAを含んでいる
底部生成物が335g、そして13gのジメチルカーボ
ネートを含んでいる頭部生成物が518g得られる。こ
の変換率および収率は実質的に完全なものであった。
【0068】比較実施例1(DAS 1,155,452) 254gの粒状化ビスフェノールAポリカーボネート
(分子量約28,000)、0.5gのNaOHおよび
160gのメタノールを還流下で沸騰させた。10時間
後、この反応が終了し、そしてこの混合物を蒸留で分離
したが、ジメチルカーボネートはほとんど留出してこな
かった。従って、それ以上のジメチルカーボネートが留
出しなくなるまで更にメタノールを加えた。この全反応
時間は19時間であった。82gのジメチルカーボネー
トが留出した。トルエンから再結晶することにより、こ
の褐色の底部生成物から179gの褐色がかった結晶が
得られた。
【0069】比較実施例2 長さが80cmであり直径が約5cmの管の中に、o−
ジクロロベンゼン中10%のビスフェノールAポリカー
ボネート(分子量約28,000)溶液を1000g入
れた後、1gのジブチル錫オキサイドと50gのメタノ
ールを加え、そして90−100℃に加熱し、そして底
部フリットを通してメタノールを10−15g/時で導
入した。出て来る留出物を集めた。21時間後、この反
応が終了した。この留出物の中に約34gのジメチルカ
ーボネートが得られた。この底部生成物は、約35gの
ビスフェノールAを含んでいる褐色溶液であった。処理
後、褐色結晶の形態でビスフェノールAが得られた。
【0070】実施例3 この操作は、該ポリカーボネート溶液を300mL/時
およびメタノールを180mL/時で導入する以外は、
実施例1と同様である。4時間後、底部生成物の中に1
27gのビスフェノールAが得られ、そして頭部生成物
の中に50gのジメチルカーボネートが得られ、この変
換率および収率は実質的に完全なものであった。
【0071】実施例4 フェノール中40%のポリカーボネート(分子量28,
000)溶液に、150℃で、このポリカーボネートを
基準にして0.15重量%の水酸化カリウムを加えた
後、この得られる溶液を直ちに、約200g/時の速度
で、ガラス製Raschingリングを充填した長さが1.5m
であり直径が28mmの実験室用カラムのヘッドにポン
プ輸送し、そして気化状態のメタノールを100g/時
で、130−135℃に加熱されている小さい脱溶媒部
分の上に在るこのカラムの底部に導入した。このカラム
の有効部分は、約90から70℃の温度勾配を有してい
た。このカラムの中で平衡に近い状態が確立された後、
4時間後、透明な水様底部生成物が743gの量で得ら
れ、これは冷却すると即座に結晶化し始めた。41℃に
加熱することにより、フェノール/ビスフェノールA付
加体が得られ、これを濾別した。この付加体のほとんど
は、真空中で脱離させることによりフェノールから遊離
し、そしてトルエン中で沸騰させることにより、その残
りを分離除去した。純粋な無色のビスフェノールAが2
60gの量、即ち理論値の92%で得られた。まだ少量
のビスフェノールAを含んでいるフェノール系母液を、
エステル交換反応に戻した。メタノールとジメチルカー
ボネート(111g)に加えて痕跡量のみのフェノール
を含んでいる留出物が、このカラムのヘッドで留出して
来た。この痕跡量のフェノールは容易に除去された。こ
の変換率および選択率は実質的に完全なものである。
【0072】実施例5 この操作は、ポリカーボネートを基準にして0.15重
量%のKOHを含んでいる40%のポリカーボネート溶
液を、約350g/時で、140から150℃に加熱さ
れているカラムに送り込み、そしてメタノール蒸気を約
200g/時で導入する以外は、実施例4と同様であ
る。150℃のカラム温度で4時間後、490gのビス
フェノールAを含んでいる無色の底部生成物が934
g、そして180gのジメチルカーボネートを含んでい
るフェノール含有頭部生成物が得られた。
【0073】実施例6 150℃に加熱されている加熱用ジャケットで取り囲ま
れており、そしてその基部に、熱電対で170℃に維持
されている回転気化装置が備わっている、10個のプレ
ートを有する5cmφ気泡プレートカラムの第一プレー
トに、ポリカーボネートを基準にして1重量%のオクチ
ル錫酸を含んでいる40%のポリカーボネート溶液を約
500g/時で送り込む。150℃に維持されている気
化装置を通し、上記ポリカーボネート溶液に対して下方
から、メタノール蒸気を200g/時で導入した。1時
間毎に、176−180gのビスフェノールAを含んで
いる底部生成物が500−510g、そして69−70
gのジメチルカーボネートを含んでいる頭部生成物が1
98−203g得られる。収率および選択率は実際的に
定量的である。
【0074】説明の目的で本発明を上に詳述して来た
が、上記詳述は単にその目的のためであり、本発明の精
神および範囲から逸脱しない変更は、請求の範囲で限定
し得るものを除き本分野の技術者によって行われ得るも
のと理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 11/00 CFE 7148−4F // B29B 17/02 7179−4F B29K 69:00 (72)発明者 シユテフエン・キユーリング ドイツ連邦共和国デー4150クレーフエル ト・シヤイブラーシユトラーセ13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ポリカーボネートを連続的に蒸留
    カラムの上方部分に送り込みそして気相中のモノヒドロ
    キシ化合物を連続的に上記蒸留カラムの下方部分に送り
    込むことで、上記蒸留カラム中、溶融形態であるか或は
    適切な溶媒中の溶質として存在している上記ポリカーボ
    ネート樹脂と、上記ポリカーボネート中のカーボネート
    単位のモル量に対して50から15,000%の上記モ
    ノヒドロキシ化合物とを、上記ポリカーボネート中のカ
    ーボネート単位のモル量に対して0.0001から20
    %のエステル交換触媒の存在下で、反応させ、 (ii)上記カラムの上部から連続的に炭酸エステルの
    流れを取り出し、そして (iii)上記カラムの底部から連続的にジヒドロキシ
    化合物の流れを取り出す、ことから成る、ポリカーボネ
    ートを連続的に分解してジヒドロキシ化合物と炭酸エス
    テルを生じさせる方法。
  2. 【請求項2】 上記溶媒が、該モノヒドロキシ化合物よ
    りも高い沸騰温度を有する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 上記適切な溶媒がモノヒドロキシ化合物
    である請求項2の方法。
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