JPH0525219A - シランカツプリング剤ならびに積層板用ガラス繊維製品 - Google Patents

シランカツプリング剤ならびに積層板用ガラス繊維製品

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JPH0525219A
JPH0525219A JP3184842A JP18484291A JPH0525219A JP H0525219 A JPH0525219 A JP H0525219A JP 3184842 A JP3184842 A JP 3184842A JP 18484291 A JP18484291 A JP 18484291A JP H0525219 A JPH0525219 A JP H0525219A
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JP
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group
coupling agent
silane coupling
compound
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JP3184842A
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Inventor
Yoshiharu Suzuki
芳治 鈴木
Eiji Wakita
英治 分田
Arata Kasai
新 河西
Toshiya Sawai
俊哉 澤井
Nobumasa Otake
伸昌 大竹
Hideaki Kakiuchi
秀明 垣内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Nitto Boseki Co Ltd
Original Assignee
Nitto Boseki Co Ltd
Chisso Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れた積層板を与えることができる
積層板用ガラス繊維製品を提供すること、および該ガラ
ス繊維製品を製造するための新規シランカップリング剤
を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも1個のアミノ基を有するシランカ
プッリング剤の窒素原子に、少くとも1個の(メタ)ア
クリロイル基が結合している新規シランカップリング
剤。および同シランカップリング剤で処理したガラス繊
維製品。 【効果】 本発明のシランカップリング剤で処理したガ
ラス繊維製品を用いて製造した積層板はミーズリングを
起こすことがなく、半田耐熱性に優れるなど高い耐熱性
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シランカップリング
剤、およびこのシランカップリング剤で処理した積層板
用ガラス繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基板は各方面で多用されている
が、近年コンピューター関係および通信機関係などで益
々その重要性を増している。プリント基板の中でも、そ
の性能の点から、ガラス繊維製品を補強材とするものが
主流となりつつあり、その中でもガラス繊維織物を補強
材とするものが中心となってきている。
【0003】このようにして製造されたプリント基板
は、銅箔回路を形成したプリント配線板となり、さらに
IC、LSI等のチップ部品を実装して、コンピュータ
ー、通信機等に使用される。
【0004】プリント基板にチップ部品を実装する場
合、従来はスルーホール部分にチップの足を挿入し、溶
融半田にディップし、半田によるチップの固定を行って
いた。しかし、チップの高集積化に伴い、表面実装技術
が行われるようになると、チップの固定が溶融半田にデ
ィップする方法から、半田ペーストによる点付け法に変
わりつつある。半田ペースト法の場合には、瞬間的に半
田ペーストを溶融してチップを接着固定する必要がある
ため、溶融半田にディップする方法よりも、さらに高温
での加熱が遠赤外線照射により行われる。この加熱によ
りプリント基板自体にも熱衝撃が加わることになり、そ
の結果ミーズリングと呼ばれる基材織物のタテ糸とヨコ
糸の交点部分に小さな剥離現象が起こる場合のあること
が確認されている。この様な剥離現象が起こると、スル
ーホールメッキ時に、メッキ液がこの剥離部分に浸み込
み、その結果、不必要な部分での回路導通が起こってし
まう。またスルーホール内壁の粗さにも影響する。
【0005】このプリント基板のうち不飽和ポリエステ
ル樹脂をマトリックス樹脂としたプリント基板用の積層
板が最近著しく伸長しており、このプリント基板用の積
層板についても配線工程時に溶融半田に浸漬されるため
に強い耐熱性が必要とされる。
【0006】耐熱性を改良するためにシランカップリン
グ剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランにより補強材を予備処理し、マトリックス樹脂との
複合材料を作製する試みがなされているが、シラン化合
物自体の耐熱性が充分でないため複合材料の耐熱性は充
分ではなかった。
【0007】さらにN−(ビニルベンジル)−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩
酸塩により補強材を予備処理することも試みられている
が、このシラン化合物のアミノ基の部分の耐熱性が悪い
ため充分な効果は得られていない。
【0008】
【発明の目的】従って本発明の第1の目的は、それ自体
耐熱性に優れ、補強材であるガラス繊維製品を表面処理
した場合に耐熱性に優れた積層板を与えることができる
新規シランカップリング剤を提供することにある。
【0009】また本発明の第2の目的は、第1の目的を
達成するシランカップリング剤で処理されることによ
り、耐熱性に優れた積層板を与えることができる新規積
層板用ガラス繊維製品を提供することにある。
【0010】
【目的を達成するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、ケイ素原子に加水分解性基が置換された
シリルアルキル基とともにラジカル重合性不飽和基
[(メタ)アクリロイル基]を有し、これらが窒素原子
に置換されているモノアミン化合物およびポリアミン化
合物並びにこれらの塩からなるシランカップリング剤が
前記第1の目的を達成することを見い出した。
【0011】すなわち、本発明の第1の目的を達成する
シランカップリング剤は、1個の窒素原子を分子内に有
し、下記(a)、(b)および(c)で示される基が上
記1個の窒素原子に置換されており、置換された基
(a)、(b)、(c)の数をna 、nb 、nc とそれ
ぞれ表示したときにna ≧1、nb ≧1、nc ≧0であ
り、na +nb +nc =3であるモノアミン化合物また
はその塩からなることを特徴とする。 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
ルキル基 (b)(メタ)アクリロイル基 (c)水素基
【0012】また本発明の第1の目的を達成する他のシ
ランカップリング剤は、2価の有機基によって連結され
た複数個の窒素原子を分子内に有し、下記(a)、
(b)および(c)で示される基が上記複数個の窒素原
子に置換されており、前記複数個の窒素原子の数を
N 、置換された基(a)、(b)、(c)の数を
a 、nb 、nc とそれぞれ表示したときにna ≧1、
b ≧2、nc ≧0であり、na +nb +nc =nN
2であるポリアミン化合物またはその塩からなることを
特徴とする。 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
ルキル基 (b)(メタ)アクリロイル基 (c)水素基
【0013】また本発明者らは、上記モノアミン化合
物、ポリアミン化合物またはこれらの塩からなるシラン
カップリング剤の少なくとも1種で処理された積層板用
ガラス繊維製品が、前記第2の目的を達成することを見
い出した。
【0014】以下、本発明のシランカップリング剤なら
びに積層板用ガラス繊維製品を順次説明する。本発明の
シランカップリング剤は、アミノシラン化合物に(メ
タ)アクリル酸ハライド(すなわち、アクリル酸ハライ
ドおよびメタクリル酸ハライド)を反応させることによ
って得られる。
【0015】アミノシラン化合物としては、加水分解性
基(アルコキシ基、アシロキシ基など)がケイ素原子に
置換され、このケイ素原子が2価の有機基を介して末端
アミノ基に連結されているアミノシラン化合物を用いる
のが好ましい。
【0016】このようなアミノシラン化合物としては、
以下のものがあげられる。 (i)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロ
ピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノブチルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−
アミノプロピルジメチルメトキシシランなどの末端に1
個のアミノ基のみを有するモノアミノ−シラン化合物
【0017】(ii)N−2−アミノエチルアミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−2−アミノエチルアミ
ノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−アミノエ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−アミ
ノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−
アミノエチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、
N−2−アミノエチルアミノプロピルジメチルエトキシ
シラン、N−トリメトキシシリルプロピルジアミノプロ
パン、N−トリメトキシシリルプロピルジアミノヘキサ
ン、N−トリメトキシシリルプロピルフェニレンジアミ
ン、N−トリメトキシシリルプロピルジアミノビフェニ
ル、N−トリメトキシシリルプロピルジアミノジフェニ
ルメタン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルト
リメトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミ
ノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N,N′−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル]エチレンジアミン、N,N′−ビス[3−(トリ
メトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,
N′−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジ
アミノプロパン、N,N′−ビス[3−(トリメトキシ
シリル)プロピル]ジアミノヘキサン、N−トリメトキ
シシリルプロピルジエチレントリアミン、N,N′−ビ
ス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレン
トリアミンなどの、末端に1個のアミノ基を有し、この
末端アミノ基とケイ素原子とを連結する2価の有機基に
1個以上のアミノ基を有するポリアミノ−シラン化合物
【0018】出発物質として、上記(i)のモノアミノ
−シラン化合物を用いた場合には、本発明のモノアミン
化合物からなるシランカップリング剤が得られ、上記(i
i)のポリアミノ−シラン化合物を用いた場合には、本発
明のポリアミン化合物からなるシランカップリング剤が
得られる。
【0019】上記アミノシラン化合物は、ハロアルキル
アルコキシシランとアミンとの脱ハロゲン化水素反応、
不飽和二重結合を持つアミノ化合物とアルコキシシラン
とのヒドロシリル化反応等、公知の方法で得ることがで
きる。
【0020】上記アミノシラン化合物との反応に供せら
れる(メタ)アクリル酸ハライドとしては、アクリル酸
クロライド、メタクリル酸クロライドが、実用上好都合
である。
【0021】反応は、原料に対して不活性な有機溶媒中
で行うことができる。この様な溶媒としては、例えばジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類が使用できる。これらの溶媒は乾
燥した状態で使用することが望ましい。水分の含有量が
多い場合には、原料および生成物のアルコキシ基が加水
分解を受け、縮合物が生成し目的物の収率が低下する。
【0022】優れたカップリング剤を得るためには、原
料の転化率が100%となるように反応を十二分に完結
させることが肝要であるが、この反応ではハロゲン化水
素が副生するため必要に応じ脱ハロゲン化水素剤を用い
て反応を行うことは何等さしつかえはない。これらの脱
ハロゲン化水素剤としては原料のアミノシラン化合物お
よび(メタ)アクリル酸ハライドに対して不活性な塩基
性物質が好ましい。この塩基性物質としては、例えば、
ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のア
ミン類があげられる。このアミンの添加量は、通常(メ
タ)アクリル酸ハライドに対して0.8〜10.0当量
用いられる。
【0023】なお、この反応を行う際、(メタ)アクリ
ル酸ハライドの重合を防ぐために、重合禁止剤、例えば
p−ベンゾキノン、t−ブチルカテコール等を添加する
ことも可能である。
【0024】反応温度や反応時間は、用いる原料や溶媒
により影響を受けるため、特に限定はしないが、(メ
タ)アクリル酸ハライドの不飽和結合の安定性から、あ
まり高温では好ましくなく、通常0〜120℃の範囲
で、0.5〜20時間で反応が完結するように条件設定
が行われる。
【0025】反応方法は通常の方法、たとえば、アミノ
シラン化合物と有機溶媒、脱ハロゲン化水素剤および重
合禁止剤の混合物を撹拌しながら、所定の温度に加熱ま
たは冷却しておき、ここに(メタ)アクリル酸ハライド
を滴下する方法により実施される。その後、必要に応じ
て、ハロゲン化水素塩や、有機溶媒、過剰の脱ハロゲン
化水素剤等をろ過や蒸留により除くことも可能である。
【0026】得られたモノアミン化合物からなる本発明
のシランカップリング剤は出発原料のモノアミノ−シラ
ン化合物に由来する(a)ケイ素原子に加水分解基が置
換されたシリルアルキル基と、出発原料の(メタ)アク
リル酸ハライドに由来する(b)(メタ)アクリロイル
基と、出発原料のモノアミノ−シラン化合物中のアミノ
基に由来する(c)水素基とを有し、置換された基
(a)、(b)、(c)の数をna 、nb 、nc とそれ
ぞれ表示したときna ≧1、nb ≧1、nc ≧0であ
り、かつna +nb +nc =3であるモノアミン化合物
である。
【0027】またポリアミン化合物からなる本発明のシ
ランカップリング剤は、出発原料のポリアミノ−シラン
化合物に由来する(a)ケイ素原子に加水分解基が置換
されたシリルアルキル基と、出発原料の(メタ)アクリ
ル酸ハライドに由来する(b)(メタ)アクリロイル基
と、出発原料のポリアミノ−シラン化合物中のアミノ基
に由来する(c)水素基とを有し、これらが出発原料の
ポリアミノ−シラン化合物中の複数のアミノ基に由来す
る複数の窒素原子に置換されており、複数の窒素原子の
数をnN 、置換された基(a)、(b)、(c)の数を
a 、nb 、nc とそれぞれ表示したときna ≧1、n
b ≧2、nc ≧0であり、かつna +nb +nc =nN
+2であるポリアミン化合物である。
【0028】本発明のシランカップリング剤は上記モノ
アミン化合物またはポリアミン化合物の酸塩であっても
よい。酸塩とは有機酸または無機酸の塩であり、有機酸
塩としては酢酸、プロピオン酸等の脂肪族酸、安息香酸
等の芳香族酸等の任意の酸の塩とすることができ、無機
酸塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の任意の酸の
塩とすることができる。酸塩は、例えばモノアミン化合
物またはポリアミン化合物を、対応する酸で中和すれば
容易に製造できる。
【0029】本発明のシランカップリング剤は、それ自
体耐熱性に優れ後記するように補強材であるガラス繊維
製品を表面処理した場合に耐熱性に優れた積層板を与え
ることができる。
【0030】また、本発明のシランカップリング剤は、
公知のシランカップリング剤と混合して使用することも
可能である。公知のシランカップリング剤としては、前
述のアミノシラン化合物のほかに、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランのようなエポキシシラン類、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのよう
なアクリルシラン類、3−クロロプロピルトリメトキシ
シランのようなクロロシラン類、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランのようなメルカプトシラン類、ビ
ニルトリメトキシシランのようなビニルシラン類等があ
げられる。
【0031】次にこのシラン化合物を用いて複合材料の
補強材であるガラス繊維製品を処理して積層板用ガラス
繊維製品を得る方法について説明する。ガラス繊維製品
としては、例えば従来公知のガラス繊維例えば、アルカ
リガラス、無アルカリガラス、低誘電ガラス、高弾性ガ
ラス、電気用のEガラスなどを紡糸したガラスフィラメ
ントを集束したストランド(ガラス糸)、不織のガラス
マット、ガラスペーパー、さらにヤーンを織ったガラス
クロス、ガラステープを挙げることができる。本発明に
おけるガラス繊維製品は広義に解釈するものとし、マイ
カ製品をも包含する。マイカ製品としては例えば薄片を
抄造した軟質の集成マイカシート、またはこれらの焼成
品を挙げることができる。
【0032】このシラン化合物によるガラス繊維製品
(補強材)の処理はこのものを適当な溶剤で希釈した処
理液を用いて行う。溶剤としては水、または0.5〜
5.0重量%の酢酸水溶液、5〜99%の含水アルコー
ル溶液、または酢酸を含む含水アルコール溶液などを挙
げることができる。またこれら溶媒にポリオキシエチレ
ン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステルなどの乳化剤を添加してもよい。さらに
は、この処理液に必要に応じて、染料、顔料、帯電防止
剤、潤滑剤などを添加することもできる。溶媒中のシラ
ン化合物の濃度は0.1〜5.0重量%、好ましくは
0.2〜1.0重量%とする。
【0033】この処理液による補強材の処理は、補強材
を処理液に浸漬して行えばよいが、場合によっては、補
強材中の処理液の溶液保持率をスクイズロールなどを用
いて一定にしてもよく、マイカシートなどについてはこ
の処理液をスプレー塗布するようにしてもよい。この処
理後、60〜150℃で乾燥して溶媒を除去すると同時
に補強材とシラン化合物のシラノール基を反応させる。
【0034】本発明の表面処理剤のガラス繊維製品に対
する付着量は0.001〜0.5重量%、好ましくは
0.01〜0.3重量%である。
【0035】このようにして得られた積層板用ガラス繊
維製品は、耐熱性を有するシランカップリング剤で処理
されているため、不飽和ポリエステル樹脂などをマトリ
ックス樹脂として積層板を製造した場合に、この積層板
に優れた耐熱性を付与できる。
【0036】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。なお、実施例中の部はいずれも重
量部を表すものとする。
【0037】実施例1 還流冷却器、温度計、滴下ロート、撹拌器を備えた4つ
口フラスコに、N−2−アミノエチルアミノプロピルト
リメトキシシラン500部と、トリエチルアミン456
部と、トルエン1500部とを仕込み、窒素シール下、
氷冷しながらメタクリロイルクロライド471部を30
分で滴下し、その後、氷冷下で2時間、40℃に昇温し
て3時間反応させた。
【0038】得られた反応液から、トリエチルアミン塩
酸塩をろ過して除き、さらにろ液からトリエチルアミン
およびトルエンをロータリーエバポレーターで除去した
液体について、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペク
トルの測定を行った。その結果を表1に示す。得られた
化合物は、上記測定結果から、下記平均構造を持つこと
が判明した。
【0039】
【化1】
【0040】実施例2 実施例1と同じ装置に、3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン500部、トリエチルアミン457部およびト
ルエン1500部を仕込み、窒素シール下、氷冷しなが
らメタクリロイルクロライド472部を30分で滴下
し、その後、氷冷下で2時間、40℃に昇温して3時間
反応させた。
【0041】得られた反応液から、トリエチルアミン塩
酸塩をろ過して除き、さらにろ液から未反応のメタクリ
ロイルクロライド、トリエチルアミンおよびトルエンを
ロータリーエバポレーターで除去した液体について、赤
外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの測定を行っ
た。その結果を表1に示す。得られた化合物は、上記測
定結果から、下記平均構造を持つことが判明した。
【0042】
【化2】
【0043】
【表1】
【0044】実施例3 実施例1のシラン化合物を、酢酸2.0重量%を含んだ
蒸留水中に1.0重量%溶解させた。この溶液にガラス
クロス(WEA−18W、日東紡績(株)製)を浸漬
し、ピックアップ量30%にスクイズロールで絞液し、
これを110℃で5分間乾燥させた。同シラン化合物の
ガラスクロスに対する付着量は0.07重量%であっ
た。
【0045】一方不飽和ポリエステル樹脂100重量
部、スチレンモノマー40重量部、クメンハイドロパー
オキサイド1重量部を混合してワニスを調合した。前記
シラン化合物で処理したガラスクロス2枚の間に4枚の
ガラスペーパー(EPM−4050、日本バイリーン
(株)製)をはさみ、上記ワニスを含浸した。このもの
を、さらに厚み35μm の2枚の銅箔ではさみ、2分間
脱泡してから150℃で1時間加熱して、1.6mmの積
層板を得た。
【0046】実施例4 実施例3において、実施例1のシラン化合物を、実施例
2のシラン化合物にかえたほかは実施例3と同様にして
ガラスクロスを処理した。シラン化合物のガラスクロス
に対する付着量は0.07重量%であった。次に実施例
3と同様にして1.6mmの積層板を作製した。
【0047】比較例1 実施例3において、実施例1のシラン化合物にかえてγ
−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを用
い、このものを、酢酸0.1重量%を含んだ蒸留水に、
濃度0.7%となるように溶解したほかは、実施例3と
同様にしてガラスクロスを処理した。シラン化合物のガ
ラスクロスに対する付着量は0.08重量%であった。
次に実施例3と同様にして1.6mmの積層板を作製し
た。
【0048】比較例2 実施例4において、実施例1のシラン化合物にかえてN
(ビニルベンジル)−β−アミノエチル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシランを用い、このものを、酢酸
2.0重量%を含んだ蒸留水に、濃度1.0%となるよ
うに溶解したほかは、実施例4と同様にしてガラスクロ
スを処理した。シラン化合物のガラスクロスに対する付
着量は0.07重量%であった。次に実施例4と同様に
して1.6mmの積層板を作製した。
【0049】性能試験 上記実施例3〜4および比較1〜2で製造した積層板を
全面エッチングして銅箔を除去した積層板について行っ
た半田耐熱性、ミーズリング特性試験の結果、および樹
脂の含浸性を表2に示す。試験方法は次の通りである。
【0050】(1)半田耐熱性試験 積層板を沸騰水中で、1時間、2時間、3時間それぞれ
煮沸した後、260℃の半田浴にそれぞれ20秒間浸漬
し、フクレの有無を調べた。 ○:フクレ無し ×:フクレ有り
【0051】(2)ミーズリング特性試験 250℃、270℃、300℃にそれぞれ加熱した直径
2mmの半田ごてを10秒間、100gの荷重をかけて積
層板に押し当て、ミーズリングの有無を調べた。 ○:ミーズリング無し ×:ミーズリング有り
【0052】(3)樹脂の含浸性 (a)積層板の製造時において、不飽和ポリエステル樹
脂ワニスのガラスクロスへの含浸性の良否を目視により
観察した。 ◎:極めて良好 ○:良好 △:普通 ×:不良 (b)積層板の外観を目視により観察した。 ◎:非常に透明感がある。 ○:ほぼ透明である。 △:クロスのヨコ糸が少し白化している。 ×:クロスのタテ、ヨコ糸が白化している。
【0053】これらの結果をまとめて表2に示す。 表 2 実施例 比較例 3 4 1 2 半田耐熱性 煮沸1時間 ○ ○ ○ ○ 煮沸2時間 ○ ○ × ○ 煮沸3時間 △ △ × × ミーズリング 250℃ ○ ○ × ○ 特性 270℃ ○ ○ × × 300℃ △ × × × 樹脂の含浸性 (a) 処理ガラス ◎ ◎ ○ △ クロス (b) 積層板 ◎ ◎ ○ ×
【0054】表2より、本発明のシランカップリング剤
を用いて得られた実施例3〜4の積層板は、半田耐熱
性、ミーズリング特性および樹脂の含浸性の全てにおい
て満足すべき結果を与えた。これに対して比較例1およ
び2の積層板は、これらの諸特性のいずれにおいても実
施例3〜4の積層板よりも劣っていた。
【0055】
【発明の効果】本発明のシランカップリング剤で処理し
たガラス繊維を用いた複合材料は半田耐熱性に優れてい
る。したがって表面実装技術における要請に応えたプリ
ント基板を提供することが可能になる。また本発明のシ
ランカップリング剤を用いると、補強材であるガラス繊
維製品とマトリックス樹脂が、高温時においても強固な
結合を確保する。したがって、両者よりなる複合材料、
例えばプリント基板においては、補強材がマトリックス
樹脂から剥離するミーズリングを防止することができ
る。更に本発明のシランカップリング剤で処理したガラ
ス繊維製品は樹脂への含浸性に優れているので作業性が
改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤井 俊哉 神奈川県横浜市金沢区乙舳町10−3 (72)発明者 大竹 伸昌 神奈川県横浜市金沢区乙舳町10−2 (72)発明者 垣内 秀明 埼玉県北葛飾郡庄和町大字米島358番地49

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個の窒素原子を分子内に有し、下記
    (a)、(b)および(c)で示される基が上記1個の
    窒素原子に置換されており、置換された基(a)、
    (b)、(c)の数をna 、nb 、nc とそれぞれ表示
    したときにna ≧1、nb ≧1、nc ≧0であり、na
    +nb +nc =3であるモノアミン化合物またはその塩
    からなることを特徴とするシランカップリング剤。 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
    ルキル基 (b)(メタ)アクリロイル基 (c)水素基
  2. 【請求項2】 2価の有機基によって連結された複数個
    の窒素原子を分子内に有し、下記(a)、(b)および
    (c)で示される基が上記複数個の窒素原子に置換され
    ており、前記複数個の窒素原子の数をnN 、置換された
    基(a)、(b)、(c)の数をna 、nb 、nc とそ
    れぞれ表示したときにna ≧1、nb ≧2、nc ≧0で
    あり、na +nb +nc =nN+2であるポリアミン化
    合物またはその塩からなることを特徴とするシランカッ
    プリング剤。 (a)ケイ素原子に加水分解性基が置換されたシリルア
    ルキル基 (b)(メタ)アクリロイル基 (c)水素基
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のシランカップ
    リング剤で処理された積層板用ガラス繊維製品。
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