JPH0525129U - 給湯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】燃焼排気中における窒素酸化物の軽減を図った
給湯機に関するもので、該窒素酸化物の発生を効果的に
抑制し得るようにする。 【構成】熱交換器(1) を加熱するガスバーナ(2）で生じ
た炎(20)を冷却することにより窒素酸化物の発生を抑え
るようにした給湯機において、熱交換器(1) の通水パイ
プ(11)の一端側に連絡管(31)を連設すると共に、該連絡
管(31)の全部又は一部がガスバーナ(2）の炎形成域内に
位置するようにし、給湯時には上記連絡管(31)及び前記
通水パイプ(11)を通水状態にするようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は給湯機、特に、燃焼排気中における窒素酸化物の軽減を図った給湯機 に関するもので、該窒素酸化物の発生を効果的に抑制し得るようにしたものであ る。

【０００２】

【従来技術及び課題】

最近、ガス器具の燃焼排気に含まれる窒素酸化物を少なくする技術が開発され るようになり、環境保護の考慮された低公害性のガス器具が出現してきた。 窒素酸化物は、ガス器具の燃焼部へ供給される空気に含まれた窒素が高温条件 下で酸化されることによって生成されるもの（サーマルＮＯｘ）であるが、かか る窒素酸化物の発生量を抑え得る給湯機として例えば実公平３ー７６９４号公報 に開示されたものがある。

【０００３】 図６に示す如く、多数の吸熱フィン(10)(10)とこれを貫通する通水パイプ(11) から成る熱交換器(1) は、ブンゼン式のガスバーナ(2）(2）（図７参照）で加熱 されるようになっている。又、隣り合うガスバーナ(2）(2）同士の間隙部の上方 域には、エアーガイド(3）(3）が配設されており、該エアーガイド(3）(3）によ り、炎(20)(20)側へ積極的にファン(4) からの二次空気を供給すると共に該空気 で炎(20)を冷却するようになっている。

【０００４】 このものでは、ガスバーナ(2）(2）相互の間隙(22)(22)を上昇する二次空気が エアーガイド(3）で進路変更せしめられて炎(20)(20)側に案内されることから、 二次空気が炎(20)側に積極的に供給されることとなる。従って、ガスの完全燃焼 が図れると共に、上記二次空気による炎(20)の冷却作用が活発化し、これにより 、窒素酸化物の生成が抑えられる。

【０００５】 しかしながら、上記従来のものでは、給湯機の低騒音化を図るため、ファン(4 ) の回転能力を下げて低空気過剰率で燃焼を行う場合やファン(4) が故障した場 合等のように二次空気が少ない場合に於ける窒素酸化物の発生を効果的に抑制す ることができないという問題があった。 上記問題点について更に詳述すると、ファン(4) からの二次空気の送風量が多 いときにはガスバーナ(2）(2）相互の間隙(22)を上昇する空気の上昇速度が大き いことから、該空気がエアーガイド(3）に衝突して炎(20)(20)側に大量に供給さ れて炎(20)(20)が積極的に冷却される。これに対し、ファン(4) からの二次空気 の送風量が少ないときは、ガスバーナ(2）(2）相互の間隙(22)を上昇する空気の 上昇速度が小さいことから、炎(20)(20)側への二次空気の供給量が少なくなって 該炎(20)(20)が十分に冷却されず、このことから、窒素酸化物の発生量を効果的 に抑えることができないのである。

【０００６】 本考案は上記の点に鑑みて成されたもので、『熱交換器(1) を加熱するガスバ ーナ(2）で生じた炎(20)を冷却することにより窒素酸化物の発生を抑えるように した給湯機』において、送風される二次空気量の多少に関わらず窒素酸化物の発 生を効果的に抑制し得るようにすることをその課題とする。

【０００７】

【技術的手段】

上記課題を解決する為の本考案の技術的手段は、『熱交換器(1) の通水パイプ (11)の一端側に連絡管(31)を連設すると共に、該連絡管(31)の全部又は一部がガ スバーナ(2）の炎形成域内に位置するようにし、給湯時には上記連絡管(31)及び 前記通水パイプ(11)を通水状態にするようにした』ことである。

【０００８】

【作用】

上記技術的手段は次のように作用する。 本考案の給湯機では、水道水を連絡管(31)に供給して熱交換器(1) の通水パイ プ(11)から温水を取出すか、又は、これとは逆に水道水を熱交換器(1) の通水パ イプ(11)に供給して他端に連設された連絡管(31)から温水を取出すようにしてい る。

【０００９】 連絡管(31)内及び通水パイプ(11)内の通水は、連絡管(31)内で上記炎(20)の熱 を吸収すると共に、通水パイプ(11)内を流れるときに熱交換器(1) の部分で加熱 される。そして、該加熱昇温せしめられた温水は、上記通水パイプ(11)又は連絡 管(31)から取出される。 他方、ガスバーナ(2）の炎(20)の形成域には連絡管(31)の全部又は一部が位置 していることから、ガスバーナ(2）で生成される炎(20)が上記連絡管(31)に接触 し、該炎(20)の熱が上記連絡管(31)内の通水に吸熱されて該炎(20)が冷却される 。そして、上記炎(20)の冷却作用により、窒素酸化物の生成を有効に抑えること ができる。

【００１０】 上記技術的手段によれば、炎(20)の冷却作用を有する二次空気が少ない時でも 、上記したように炎(20)が連絡管(31)内の通水の吸熱作用で冷却せしめられて窒 素酸化物の生成が有効に抑制される。

【００１１】

【効果】

本考案は次の特有の効果を有する。 ．炎(20)への二次空気の積極的供給量の多少に関わらず連絡管(31)による吸熱 作用で炎(20)が冷却されるから、窒素酸化物の発生を有効に抑制することができ る。 ．通水は連絡管(31)内を流れる際にガスバーナ(2）の炎(20)で加熱されると共 に通水パイプ(11)内を流れる際に熱交換器(1) で加熱されて器具外部に給湯され るから、窒素酸化物の生成を抑えるためにガスバーナ(20)から吸収した熱が給湯 用温水を昇温させる機能も果たすこととなり、炎(20)の発生熱を吸収するためだ けの独立した流水管を設ける場合に比べて、上記炎(20)から吸収した熱の有効利 用が図れる。

【００１２】

【実施例】

次に上記した本考案の実施例を図面に従って説明する。 図１に示すように、ガスバーナ(2）(2）を収容するバーナボックス(5）の上部 には熱交換器(1) 用の缶体(6) が載置接続されていると共に、該缶体(6) の上部 には吸熱フィン(10)とこれを貫通する通水パイプ(11)が位置している。又、上記 通水パイプ(11)の上流端部にはジョイント(13)を介して連絡管(31)が接続されて いると共に、該連絡管(31)はバーナボックス(5）に於けるガスバーナ(2）(2）の 上方域において蛇行状に配設されている（図３参照）。そして、上記連絡管(31) には冷水（水道水）が供給されるようになっていると共に、該連絡管(31)は後述 するバーナ燃焼時に炎(20)を冷却する機能する。又、バーナボックス(5）の下部 には給気ファン(7）が連設されている。

【００１３】 図２に示すように、上記連絡管(31)はガスバーナ(2）(2）の相互間の上方に位 置すると共に、該連絡管(31)の両側部はガスバーナ(2）の炎孔(21)の上方空間、 即ち、炎形成域に侵入している。 このものでは、給気ファン(7）の回転能力を下げた低空気過剰率（λ＝１．５ 以下）の燃焼時には、図４に示すようにガスバーナ(2）(2）間を上昇する二次空 気が少なくなって該二次空気による炎(20)の冷却作用が十分に得られなくなるが 、炎(20)が連絡管(31)に接触して該連絡管(31)内を流れる通水に熱吸収され、該 吸熱作用によって炎(20)が冷却せしめられる。従って、低空気過剰率の燃焼の場 合には給気ファン(7）の回転を下げることにより、回転音及び振動音を抑えて低 騒音化を図ることができると共に、炎の冷却作用も十分に確保されて、窒素酸化 物の生成が抑えられる。又、上記連絡管(31)内を下流側に流れた水は、吸熱フィ ン(10)を通過する際に所定温度まで昇温せしめられ、その後、湯として器具外部 に取出される。

【００１４】 尚、高空気過剰率（λ＝１．５以上）の燃焼の場合には、図２に示すように、 炎(20)はその両側に位置する連絡管(31)(31)で細く変形せしめられて二次空気と の接触面積が増加し、炎(20)は連絡管(31)内の通水による吸熱作用と、二次空気 による冷却作用の両者が働いて該炎(20)が冷却され、窒素酸化物の生成が抑えら れる。

【００１５】 以上のように、上記のものによれば、空気過剰率の高低に関わらず又二次空気 量の多少に関わらず窒素酸化物の発生を有効に抑えることができる。 尚、上記実施例では、連絡管(31)をガスバーナ(2）(2）の相互間の上方に位置 させたが、図５に示すように、連絡管(31)をガスバーナ(2）の真上に配設し、炎 (20)(20)が形成されたときは該炎(20)(20)で連絡管(31)が包囲されるようにして もよい。

【００１６】 尚、本実施例では、通水パイプ(11)の上流端部にジョイント(3）を介して連絡 管(31)を接続したが、ジョイント(31)を設けずに、通水パイプ(11)の上流端部を 延長して該延長部をそのまま上記連絡管(31)としてもよい。 又、通水の流れの向きは上記とは逆でも良い。即ち、通水パイプ(11)の下流端 部を連絡管(31)とし、通水パイプ(11)から水道水を供給して連絡管(31)から温水 を取出すようにしてもよい。

【００１７】 尚、上記実施例では、二次空気の送風量が少ない場合として給気ファン(7）の 回転能力を下げた低空気過剰率の燃焼の場合で説明したが、高空気過剰率の燃焼 設定の場合において給気ファン(7）の故障等により回転能力が下がったときにも 本考案は有効に作用し、窒素酸化物の生成が抑えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図

【図２】連絡管(31)とガスバーナ(2）の関係を示す拡大
図

【図３】強火燃焼時におけるバーナボックス(5）部分の
斜視図

【図４】強火燃焼時におけるバーナボックス(5）部分の
斜視図

【図５】他の実施例の説明図

【図６】従来例の説明図

【図７】従来例の説明図

【符合の説明】

(1) ・・・熱交換器 (2）・・・ガスバーナ (20)・・・炎 (31)・・・連絡管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換器(1) を加熱するガスバーナ(2）
   で生じた炎(20)を冷却することにより窒素酸化物の発生
   を抑えるようにした給湯機において、熱交換器(1) の通
   水パイプ(11)の一端側に連絡管(31)を連設すると共に、
   該連絡管(31)の全部又は一部がガスバーナ(2）の炎形成
   域内に位置するようにし、給湯時には上記連絡管(31)及
   び前記通水パイプ(11)を通水状態にするようにした給湯
   機。