JPH05250833A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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Publication number
JPH05250833A
JPH05250833A JP24002892A JP24002892A JPH05250833A JP H05250833 A JPH05250833 A JP H05250833A JP 24002892 A JP24002892 A JP 24002892A JP 24002892 A JP24002892 A JP 24002892A JP H05250833 A JPH05250833 A JP H05250833A
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JP
Japan
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magnetic disk
magnetic head
magnetic
slider
head
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JP24002892A
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English (en)
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Kiichirou Ezaki
城一朗 江▲崎▼
Yoshiaki Itou
善映 伊藤
Mikio Matsuzaki
幹男 松崎
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】小型化、磁気記録の高密度化、大容量化及び磁
気ディスクの小径化に対応でき、しかも耐久性及び安定
性の高い磁気ディスク装置を提供する。 【構成】位置決め装置はヘッド支持装置の一端側を支持
し磁気ディスクの面上で所定角度で面回転させる。ヘッ
ド支持装置は、他端側で磁気ヘッドを支持している。磁
気ヘッドは磁気ディスクと対向する面側に浮上面10
3、104を有するスライダ1の空気流出端部側に読み
書き素子2を付着させてある。スライダ1は浮上面10
3、104からその対向面までの厚みが0.65mm以下
であり、空気流出方向の長さが3mm以下であり、空気
流出方向と直交する方向の幅が2.5mm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に関
し、磁気ディスク及びヘッド支持装置と共に磁気ディス
ク装置を構成する磁気ヘッドのスライダ外形寸法のう
ち、浮上面から対向面までの厚みを0.65mm以下と
し、空気流出方向の長さを3mm以下とし、空気流出方
向と直交する方向の幅を2.5mm以下とすることによ
り、小型化、磁気記録の高密度化、大容量化及び磁気デ
ィスクの小径化に対応でき、しかも耐久性及び安定性の
高い磁気ディスク装置を提供できるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気ディスク装置には、磁気
ディスクの走行によって生じる動圧を利用して、磁気デ
ィスクとの間に微小な空気ベアリングによる間隙を保っ
て浮上する磁気ヘッドが用いられている。浮上型磁気ヘ
ッドは、磁気ディスクと対向する面側に浮上面を有する
スライダに読み書き素子を付着させた基本的な構造を持
っており、磁性体でなるスライダにコイルを有するU状
コアを装着したウィンチェスタ型磁気ヘッド、非磁性セ
ラミック構造体でなるスライダの溝内に、バルク型の読
み書き素子を挿着したコンポジット型磁気ヘッド、メタ
ル.イン.ギャップ(MIG)型磁気ヘッド、及び、ス
ライダの上に半導体製造テクノロジーと同様のプロセス
にしたがって薄膜読み書き素子を形成した薄膜磁気ヘッ
ドが知られている。
【0003】これらの各種の浮上型磁気ヘッドのうち、
ウィンチェスタ型磁気ヘッド、コンポジット型磁気ヘッ
ドまたはMIG型磁気ヘッドは、例えば特公昭57−569
号(米国特許第3,823,416号)、特公昭58−21329 号、
特公昭58−28650 号各公報等で公知であり、その読み書
き素子は、コアに線材による巻線を施したバルクタイプ
となっている。
【0004】薄膜磁気ヘッドは、例えば特開昭55−8401
9 号(米国特許第4,190,872号)、特開昭55-84020 号(米
国特許第4,219,854号)公報等で公知である。薄膜磁気
ヘッドは、スライダの上に薄膜でなる磁性膜、導体コイ
ル膜、コイル層間絶縁膜及び保護膜等を形成した構造と
なっている。薄膜磁気ヘッドは、バルクタイプの浮上型
磁気ヘッドと比較して、導体コイル膜のインダクタンス
値が1桁以上も低くなるので、高周波特性が極めて良好
であり、本質的に高速応答性に優れ、高密度記録に適し
た磁気ヘッドとなる。この特徴のために、薄膜磁気ヘッ
ドは、コンピュータとの組合せにおいては、バルクタイ
プの浮上型磁気ヘッドでは達成できない領域まで、デー
タ転送の高速化及び磁気記録の高密度化を図り得るもの
として期待されている。
【0005】しかも、薄膜磁気ヘッドは、磁気回路を構
成する磁性膜が高飽和磁束密度及び高透磁率のパーマロ
イ等でなる金属磁性材料で構成されていること、磁気ギ
ャップ長を小さくできること、読み書きポール幅を極め
て狭小にできること等の特徴があり、導体コイル膜及び
コアとなる磁性膜のインダクタンス値が低いことによる
高周波特性の良さと相まって、バルクタイプの浮上型磁
気ヘッドよりも著しく優れた高速応答性及び高記録密度
を達成できる。
【0006】次に、浮上型磁気ヘッドの具体例を図20
を参照して説明する。図20は従来の磁気ヘッドの斜視
図を示し、1は例えばセラミック構造体でなるスライ
ダ、2は読み書き素子である。
【0007】スライダ1は磁気ディスクと対向する面
に、間隔をおいて2つのレール部101、102を形成
すると共に、レール部101、102の表面を平面度の
高い浮上面103、104としてある。
【0008】スライダ1の外形寸法は、例えば米国特許
第4,624,048 号明細書等に示されるように、通常、浮上
面103、104から反対側の対向面105までの厚み
dが0.85mm、空気流出方向の長さLが4mm、空気流
出方向と直交する方向の幅wが3.2mmという如く選定
されている。浮上面103、104側には、磁気ディス
クとの組合せにおいて、矢印a方向に流れる空気流に対
して流入端となる一端部側に、テーパ部103a、10
4aを設けた構造となっている。
【0009】読み書き素子2は、薄膜磁気ヘッドにおい
ては、IC製造テクノロジと同様のプロセスにしたがっ
て形成された薄膜素子であり、テーパ部103a、10
4aとは反対側の空気流出端部側に付着されている。図
示はされていないけれども、ウィンチェスタ型磁気ヘッ
ド、コンポジット型磁気ヘッドまたはMIG型磁気ヘッ
ドは、コアに線材による巻線を施したバルクタイプとな
る。
【0010】読み書き素子2を薄膜素子として構成した
場合は、読み書き素子2のディメンションは、要求され
る電磁変換特性を満たすため、空気流出方向と直交する
方向の径D1 が約0.3mm、浮上面103、104から
対向面105の方向への径D2 が約0.4mmとなる。更
に、薄膜磁気ヘッドでは、読み書き素子を付着させたス
ライダ1の側端面に取出電極201、202が設けられ
る。これらの取出電極201、202は、読み書き素子
2の図示しない導体コイル膜に導通接続さている。取出
電極201、202は、磁気ディスク装置に導かれるリ
ード線が接続される部分であり、リード線接続面積を確
保するため、空気流出方向aと直交する方向の長さL0
が0.5mm程度で、浮上面103、104からその対向
面105の方向で見た線幅h1 が約0.2mmとなってい
る。
【0011】上述の薄膜磁気ヘッドは、フォトリソグラ
フィ等の高精度パターン形成技術を駆使して、スライダ
1となるウエハ上に多数個の薄膜読み書き素子を形成し
た後、ウエハに切断加工を施して薄膜読み書き素子を取
出し、レール部101、102等に必要な溝入れ加工及
び浮上面103、104の研磨加工等を経て製造され
る。
【0012】磁気ディスク装置は、一端側を位置決め装
置によって支持したヘッド支持装置の先端部に上述した
磁気ヘッドを装着し、位置決め装置によって磁気ディス
ク上の所定トラック上に磁気ヘッドを位置決めすると共
に、スライダ1の浮上面103、104を磁気ディスク
の表面にバネ接触させ、この状態で起動停止を行なう、
いわゆるコンタクト.スタート.ストップ(以下CSS
と称する)方式によって駆動される。磁気ディスクが静
止しているときは、バネ圧により浮上面103、104
が磁気ディスクの面に押付けられているが、磁気ディス
クが回転すると、図21に示すように、スライダ1のテ
ーパ面103a、104aを含む浮上面103、104
に揚力動圧が発生し、この動圧とジンバルのバネ圧Pと
釣り合う浮上量gで浮上する。上述のディメンションを
有する従来の磁気ヘッドは、浮上量0.3μm 以上の領
域で安定した浮上特性が得られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この種の磁気ディスク
装置は、コンピュータと組み合わせて使用されるもので
あり、コンピュータ.システムのデータ処理に応えるた
め、磁気記録の高密度化、大容量化及び磁気ディスクの
小径化に対応できるものでなければならない。
【0014】ところが、従来の磁気ディスク装置に用い
られていた磁気ヘッドは、厚みdが0.85mm、空気流
出方向の長さLが4mm、空気流出方向と直交する方向の
幅wが3.2mmの如く選定されたディメンションをもつ
ため、次のような問題点があった。 (a)高記録密度を達成するためには、浮上量を低下さ
せてスペーシングロスを小さくしなければならない。と
ころが、従来の磁気ヘッドはロール角がかなり大きな値
になる。このため、実効的な浮上量を前述のロール角に
よって定まる値以下に低下させることができなかった。
【0015】図22は磁気ディスMと磁気ヘッドとの間
に生じるロール角を説明する図で、βはロール角を示し
ている。ロール角βが大きくなると、回転内周側で見た
浮上量g1 と、回転外周側で見た浮上量g2 との差が大
きくなる。通常、磁気ディスク装置では、外側の磁気変
換素子2を使用するため、内側の浮上量g1 を小さくし
ても、ロール角βが大きい限り、電磁変換特性に直接影
響を与える外側の浮上量g2 を小さくできない。このた
め、ロール角βの低下に限度のある従来の磁気ヘッドで
は、実効的な浮上量の低下及びスペーシングロス減少に
よる高密度記録に限界を生じていた。しかも、ロール角
βは、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の相対速度が大
きくなる程大きくなる傾向にあり、従って、磁気ディス
クの外周に向う程、実効的な浮上量が増大し、スペーシ
ングロスが大きくなり、高密度記録が達成できないとい
う問題点があった。 (b)ロール角βが大きくなるため、磁気ヘッドの浮上
姿勢が不安定になり、ヘッドクラッシュを生じ易くな
る。このため、信頼性が低下する。 (c)ロール角増大による上記問題点を解決する手段と
して、スライダの運動中心、即ち、ジンバルのピポット
位置を、スライダ中心位置から外れた位置に設定するこ
とが考えられる。しかし、この場合には、スライダ運動
中心に対して質量の偏りを生じ、運動モーメントが不均
一となり、振動に対する追従性が悪くなる。このよう
に、従来のディメンションを有する磁気ヘッドは、浮上
姿勢を安定させ、信頼性を確保したままで、浮上量を低
下させることが困難であった。 (d)磁気ディスク上に静止しているとき、磁気ヘッド
が磁気ディスク上で占有するランディング面積を、空気
流出方向の長さL=4mm、空気流出方向と直交する方向
の幅w=3.2mmとで定まる面積以下に縮小することが
できない。このため、磁気ディスク上で実質的に利用で
きる磁気記録面積が磁気ヘッドのランディング面積によ
って食われてしまい、トラック数増大、それによる記録
密度及び記憶容量の増大に限界を生じていた。この欠点
は、特に、小型の磁気ディスクにおいて顕著に現われ
る。トラック数減少に直接的に影響を及ぼすのは幅wで
あり、幅wが3.2mmもある従来の磁気ヘッドは、トラ
ック数増大に極めて大きな障害となる。 (e)ラップトップ・パソコン等に見られるようなコン
ピュータの小型化に対応するために、磁気ディスク装置
を小型化しなければならない。しかし、従来のスライダ
は、厚みdが0.85mmもあるため、磁気ディスク装置
の薄型化に限界があった。また、制限された磁気ディス
ク装置内に収納し得る磁気ディスク枚数が、磁気ヘッド
の有する厚みのために制限されるため、磁気ディスクの
枚数増大による大容量化に限界を生じていた。 (f)コンピュータの携帯化に対応するために、磁気デ
ィスク装置は、携帯性に優れていなければならない。携
帯性を確保するためには、磁気ディスク装置を電池によ
って駆動できるようにすることが最も望ましい。ところ
が、上述したようなディメンションを持つ従来の磁気ヘ
ッドでは、CSS起動時の静止摩擦が大きくなるため
に、静止摩擦に打勝って、磁気ディスクを安定に回転駆
動するディスク駆動モータの駆動トルクを、電池駆動に
よって得ることに、技術的困難性があった。 (g)薄膜磁気ヘッドでは、薄膜読み書き素子2を付着
させてある空気流出方向の端面の面積が、厚みd=0.
85mmと、幅w=3.2mmとで定まる大きな面積となる
ため、薄膜読み書き素子2のピッチ間隔が大きくなり、
ウエハ内に形成し得る素子数が少なくなる。このため、
コスト高になる。
【0016】しかも、薄膜磁気ヘッドの場合、スライダ
1の端面に、前述したようなディメンションを有する読
み書き素子2及び取出電極201、202が付着されて
いるため、ウエハからの切断加工、及びその後の溝入れ
もしくは研磨加工等において、読み書き素子2または取
出電極201、202が切断されてしまう危険性があ
る。
【0017】そこで、本発明の課題は、上述する従来の
問題点を解決し、磁気記録の高密度化、大容量化及び磁
気ディスクの小径化に適し、耐久性及び安定性に優れた
磁気ディスク装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述する課題を解決する
ため、本発明は、磁気ディスクと、位置決め装置と、ヘ
ッド支持装置と、磁気ヘッドとを有する磁気ディスク装
置であって、前記位置決め装置は、前記ヘッド支持装置
の一端側を支持し前記磁気ディスクの面上で所定角度で
面回転させるものであり、前記ヘッド支持装置は、他端
側で前記磁気ヘッドを支持しており、前記磁気ヘッド
は、前記磁気ディスクと対向する面側に浮上面を有する
スライダの空気流出端部側に読み書き素子を付着させて
あり、前記スライダは、前記浮上面からその対向面まで
の厚みが0.65mm以下であり、空気流出方向の長さが
3mm以下であり、空気流出方向と直交する方向の幅が
2.5mm以下である。
【0019】厚み、長さ及び幅の下限値は、薄膜磁気ヘ
ッドの製造条件、例えば磁気変換素子を形成するのに要
求される面積、磁気変換素子用取り出し電極(バンプ)
の面積、要求される空気ベアリング面積、ヘッド支持装
置との間で要求される取り付け面積等によって定めるこ
とができる。
【0020】
【作用】浮上面からその対向面までの厚みが0.65mm
以下、空気流出方向の長さが3mm以下、空気流出方向
と直交する方向の幅が2.5mm以下のディメンション
を持つスライダは、低浮上量を保ちつつ、高い浮上安定
性を確保できることが分った。これは、従来の磁気ヘッ
ドに比較して、ロール角度(またはロール値)が予想し
得る範囲を超えて著しく小さくなるためと推測される。
しかも、後で実測データとして示すように、ロール角の
低下は、スキュー角の大きくなる磁気ディスク外周側に
おいて特に著しい。従って、本来的にロール角低下を必
要とするスキュー角の大きな磁気ディスク外周側におい
て、実効的な浮上量の増大及びスペーシングロスの増大
を抑え、高密度記録を達成できる。
【0021】ロール角度を小さくする手段として、本願
発明では、スライダの形状選定によって対応しているの
で、スライダの運動中心変更等の操作またはが不要であ
る。このため、スライダ運動中心に対する質量の偏り、
運動モーメントの不均一性等の問題を生じることなく、
浮上姿勢を安定させ、信頼性を確保したままで、浮上量
を低下させることが可能になる。
【0022】更に、これも後で、実測データで示すよう
に、スキュー角の大きさに実質的に影響されることな
く、一定の浮上量を保ち得ることが分かった。スキュー
角の大小に影響されることなく、浮上量を一定化する手
段として、例えば、特開昭61ー278087号、米国特許第4,67
3,996号明細書及び米国特許第4,870,519号明細書に開示
された発明がある。これらの先行技術に開示されたスラ
イダは、レールの側面に浅溝を設けたもので、横方向加
圧形スライダ(transverse pressure contour slider .
略称TPC)と称されている。本発明では、スライダに対す
る溝加工ではなく、スライダの寸法選定によって、スキ
ュー角の大小に影響されることなく、浮上量を一定化す
るようにしてあるので、スライダ加工が不要であるとい
う利点が得られる。
【0023】また、スキュー角の大小に実質的に影響さ
れることなく、一定の浮上量を保ち得るので、ゾーンビ
ット記録方式を採用することが可能であり、高密度記録
及び大容量の磁気ディスク装置が得られる。しかも、ス
キュー角の大小に実質的に影響されることなく、一定の
浮上量を保つことができるので、スキュー角を大きく設
定し、磁気ディスク装置を小型化できる。
【0024】また、空気流出方向と直交する方向の幅が
2.5mm以下であるから、従来の磁気ヘッドのスライ
ダに比較して、磁気ディスク上に静止しているときに、
磁気ディスク上で占有するランディグ面積が著しく小さ
くなる。このため、磁気ディスク上でのトラック数を増
大させ、記録密度及び記憶容量の増大に寄与できる。こ
の作用は、特に、小径の磁気ディスクにおいて顕著に現
われる。
【0025】スライダの厚みdは0.65mm以下である
から、磁気ディスク装置を従来の約7割以下まで薄型化
できる。また、磁気ディスク内に収納し得る磁気ディス
ク枚数が増大し、より一層の大容量化が達成できる。
【0026】浮上面からその対向面までの厚みdが0.
65mmを超えると、重心位置がジンバルとの接続面であ
る対向面側に寄りに移り、浮上安定性が悪くなる。厚み
が薄くなり過ぎると、スライダの剛性が低下し、スライ
ダにネジレや変形を生じ、空気ベアリング面の平面度が
確保できなくなる。従って、厚みdは、0.65mm以下
の範囲で、必要な空気ベアリング面の平面度を確保し得
る下限値に設定する。
【0027】しかも、スライダの全体形状の小型化によ
り、揚力動圧が低くなり、それに伴って、バネ圧も低く
できるので、コンタクト時における浮上面と磁気ディス
クとの間の荷重力が低下し、摩擦摩耗が少なくなり、耐
久性が向上する。
【0028】更に、CSS起動時の静止摩擦が小さくな
るため、ディスク駆動モータの駆動トルクが小さくな
り、消費電力が低減される。ディスク駆動モータは、磁
気ディスク装置全体の消費電力の大部分を占めているか
ら、磁気ディスク装置全体の消費電力が低減され、電池
駆動の可能な磁気ディスク装置が実現できるようにな
る。
【0029】また、従来の磁気ヘッドのスライダに比較
して、全体の形状が小型化され、特に、薄膜磁気ヘッド
では、読み書き素子を付着させるスライダ端面の面積が
小さくなるので、読み書き素子を薄膜素子によって形成
する場合、ウエハ内に形成できる読み書き素子数の数が
増加し、低コスト化に大きく寄与できる。
【0030】薄膜磁気ヘッドでは、薄膜読み書き素子の
寸法を小さくすると共に、取出電極の寸法及び位置を変
更することにより、ウエハからの切断加工時及びその後
の溝入れもしくは研磨加工において、切断損傷を与えな
いで済む。
【0031】更に、上記ディメンション選択に伴う軽量
化により、次のような作用が得られる。
【0032】まず、従来の磁気ヘッドのスライダに比較
して、スライダの質量が著しく小さくなるため、ヘッド
ージンバル系の共振周波数が高くなり、0.2μm 以下
の低浮上量でも、クラッシュを起こしにくくなり、CS
S信頼性が高まる。
【0033】また、質量低下により、アクセス用アクチ
ュエータにかかる負荷が小さくなり、高速アクセスが可
能になる。特に、薄膜磁気ヘッドの場合、導体コイル膜
のインダクタンス値が低く、高周波特性が極めて良好
で、高速応答性に優れているという本来的性能に対し
て、上述の高速アクセスが相乗的に作用し、読み書き速
度及びデータ転送速度が飛躍的に高速化される。
【0034】
【実施例】図1は本発明に係る磁気ディスク装置の主要
部である磁気ヘッドの斜視図、図2はスライダの正面
図、図3は同じく浮上面側から見た底面図、図4は側面
図である。図において、図20と同一の参照符号は同一
性ある構成部分を示している。スライダ1は、浮上面1
03、104から反対側の対向面105までの厚みdを
0.65mm以下とし、空気流出方向(走行方向)aの長
さLを3mm以下とし、空気流出方向aと直交する方向
の幅wを2.5mm以下としてある。読み書き素子2の
付着部分の厚みは長さLに比較して実質的に無視できる
から、前記長さLは、実質的に、読み書き素子2を含め
た寸法である。実施例における読み書き素子2は薄膜素
子である。
【0035】読み書き素子2のディメンションの代表値
として空気流出方向と直交する方向の径D1 を0.3mm
とし、取出電極201、202の空気流出方向と直交す
る方向の長さL0を0.5mmとした場合を例に取ると、
読み書き素子2を2個設けた状態で、これらが占める全
幅は、2(D1 +L0)として、1.6mmとなる。本発
明で教示する如く、空気流出方向aと直交する方向の幅
wを2.5mmとすれば、0.9mmの余裕を確保できる。
【0036】上述した余裕により、ウエハからの切断加
工時及びその後の溝入れもしくは研磨工程等において、
読み書き素子2または取出電極201、202に対し、
切断損傷を与えないで済む。
【0037】また、図1〜図4の実施例に示す如く、ス
ライダ1の浮上面103、104は、テーパ面を持たな
い平面状とすることもできる。空気流出方向aで見た浮
上面103、104の端部(イ)、(ロ)は、CSS時に
おける磁気ディスクの表面との引掛りをなくすため、弧
状に形成するのが望ましい。他の端部(ハ)、(ニ)も弧
状に形成できる。また、幅方向の略中間部に1本のレー
ル部を設け、このレール部の表面を浮上面とする構造を
とることも可能である。この構造の場合は、全体の小型
化を図るのに都合がよい。
【0038】更に、スライダーの長さおよび幅が1mm以
上、1.5mm以下の場合には、ディスクと対向する側の
面全てを浮上面としても良い。
【0039】図5(A)、(B)は本発明に係る磁気ヘッ
ドの別の実施例における斜視図を示している。図5
(A)の実施例では、スライダ1の浮上面106はレー
ル部を持たない平面状とし、その端縁(イ)〜(ニ)を
弧状に形成してある。図5(B)の実施例では、図17
の従来例と同様に、浮上面103、104にテーパ面1
03a、104aを設けてある。
【0040】上記の磁気ヘッドによれば、記憶領域の増
大と共に、ヘッド支持装置との組合せにおいて、0.2
μm 以下の低浮上量で、安定した浮上特性が得られ、高
い耐久性が得られる。次に具体例な実施例を上げて説明
する。図1〜図4の実施例に示す構造において、スライ
ダ1の外形寸法を、 厚みd=0.65mm 長さL=2.8mm 幅w=2.3mm 浮上面103、104の幅w1 =0.3mmとした。
【0041】図6は上記磁気ヘッドをヘッド支持装置に
取付けた本発明に係る磁気ディスク装置である。Mは磁
気ディスク、3はヘッド支持装置、4は位置決め機構で
ある。磁気ディスクMは図示しない回転駆動機構によ
り、矢印aの方向に回転駆動される。ヘッド支持装置3
は位置決め機構4により、支持点O2を中心にして矢印
b1 またはb2 の方向に所定角度(スキュー角)で駆動
されて位置決めされ、それによって所定のトラッにおい
て、磁気ディスクMと磁気ヘッドとの間で磁気記録.再
生が行なわれるスイングアーム型磁気ディスク装置とな
っている。
【0042】ヘッド支持装置3は、位置決め機構4に取
付けられる剛性アーム部31に、弾性金属薄板でなる支
持体32の一端を、結合具311、312によって取付
け固定すると共に、支持体32の長手方向の一端にある
自由端に、同じく金属薄板でなる可撓体33を取付け、
この可撓体33の下面に、磁気ヘッド34を取付けた構
造となっている。支持体32は剛性アーム部31に取付
けられる部分が弾性バネ部321となっていて、この弾
性バネ部321に連続して剛性ビーム部322を形成し
てある。剛性ビーム部322は両側に折曲げ形成したフ
ランジ322a、322bを有し、磁気ディスクMに磁
気ヘッド34を押付ける荷重力を得るようになってい
る。実施例では、磁気ヘッド34から磁気ディスクMへ
の荷重が9.5gとなるように、剛性アーム部31、支
持体32及び可撓体33の長さ、板厚及びバネ性等を定
めた。
【0043】図7はヘッド支持装置の要部における正面
図、図8は同じく浮上面側から見た底面図である。可撓
体33は支持体32の長手方向軸線と略平行して伸びる
2つの外側可撓性枠部331、332と、支持体32か
ら離れた端において外側可撓性枠部331、332を連
結する横枠333と、横枠333の略中央部から外側可
撓性枠部331、332に略平行するように伸びていて
先端を自由端とした中央舌状部334とを有して構成さ
れ、横枠333のある方向とは反対側の一端を、支持体
32の自由端付近に溶接等の手段によって取付けてあ
る。
【0044】可撓体33の中央舌状部334の上面に
は、例えば半球状等の荷重用突起335が設けられてい
て、この荷重用突起335により、支持体32の自由端
から中央舌状部334へ荷重を伝えるようにしてある。
中央舌状部334の下面には本発明に係る磁気ヘッド3
4を接着等の手段によって固着してある。
【0045】図6の構成において、磁気ディスクMの周
速が9m/sとなる部分で浮上させたところ、0.09
μm の浮上量が得られた。
【0046】また、スライダ1のディメンションを前述
のような寸法に設定し、トラック幅8μm 、トラックピ
ッチ12.7μm の一般的な薄膜読み書き素子を形成し
た場合、従来寸法のスライダを用いた薄膜磁気ヘッドよ
りも、磁気ディスクM上での記憶領域を、約80トラッ
ク余分に増やすことができた。
【0047】図9は図6〜図8に示した磁気ディスク装
置の浮上特性測定データを示す図である。図9の測定デ
ータは、図10に示すような測定システムによって得ら
れたものである。図10において、5はアコースチッ
ク.エミッション.センサ(以下AEセンサと称す
る。)、6はフィルタ、7は増幅器、8はオシロスコープ
である。図10における測定条件は次の通りである。
【0048】磁気ヘッド34の浮上量;0.09μm バネ荷重;9.5g 磁気ディスクMの周速;9 m/s 測定周波数;150kHz 〜400 kHz 増幅率;60dB 磁気ディスクMの表面平滑性;Rmax 100Å オシロスコープ8;X軸 5 sec/div Y軸50 mv/div 図10の測定データに示すように、本発明に係る浮上型
磁気ヘッド34を使用した磁気ディスク装置では、AE
センサ出力が殆ど生じていない。このことから、本発明
に係る浮上型磁気ヘッドは、浮上量が0.09μm の低
い値になっても、浮上姿勢が崩れず、安定な浮上特性が
得られることが解る。
【0049】本発明に係る磁気ヘッドが、低浮上量で安
定した浮上姿勢を保つことは、図11〜図14の実測デ
ータによっても裏付けられる。図11〜図14のデータ
は、図6に示したようなスイングアーム型磁気ディスク
装置によって得られたものである。図11〜図14にお
いて、横軸に磁気ディスクの周速(m/s) 及び磁気ヘッド
のスキュー角(度)を取り、縦軸にロール値(μm )を
取ってある。ロール値は空気ベアリング面における外周
側浮上量と内周側浮上量との絶対値差である。例えば図
19を参照すると、レール101の浮上量g2 とレール
102の浮上量g1 との差|g2 −g1 |となる。従っ
て、ロール値が大きいことと、ロール角が大きいことは
同義である。図11は直径1.8インチの磁気ディスク
を用いた場合の特性、図12は直径2.5インチの磁気
ディスクを用いた場合の特性、図13は3.5インチの
磁気ディスクを用いた場合の特性、図14は5.25イ
ンチの磁気ディスクを用いた場合の特性をそれぞれ示し
ている。図11〜図14を通して、データプロット点に
表示された□印は、 L×W×d=2.8×2.3×0.65 のディメンションを持つ磁気ヘッド(以下磁気ヘッドA
と称する)を用いた場合のデータを示し、+印は、 L×W×d=2×1.6×0.45 のディメンションを持つ磁気ヘッド(以下磁気ヘッドB
と称する)を用いた場合のデータを示し、△印は L×W×d=4×3.2×0.85 のディメンションを持つ磁気ヘッド(以下磁気ヘッドC
と称する)を用いた場合のデータをそれぞれ示してい
る。従って、△印は従来の磁気ヘッドのデータを表示
し、□印及び+印は本発明に係る磁気ヘッドのデータを
表示している。
【0050】図11〜図14に示すように、本発明に係
る磁気ヘッドは、従来の磁気ヘッドよりもロール値、即
ちロール角が小さくなっている。特に周速が大きくなる
外周に向かう程、本発明に係る磁気ヘッドのロール角
は、従来の磁気ヘッドのロール角よりも著しく小さくな
る。しかも、本発明に係る磁気ヘッドは、磁気ディスク
の最内周と最外周との間におけロール値の差が、従来の
磁気ヘッドと比較して、著しく小さくなっている。この
ため、本発明によれば、磁気ディスクの全面にわたっ
て、浮上姿勢の安定した磁気ヘッドが得られる。また、
ロール角が小さくなるために、実効的な浮上量が低下
し、スペーシングロスが減少し、高記録密度に適した磁
気ヘッドが得られる。
【0051】図11〜図14のデータには、更に注目す
べき技術的事項が含まれている。即ち、ロール値または
ロール角が磁気ヘッドのディメンションに比例するので
あれば、磁気ヘッドAのデータである□印は、磁気ヘッ
ドCのデータである△印のデータの70%前後でなけれ
ばならい。また、磁気ヘッドBのデータである+印は、
磁気ヘッドCのデータである△印のデータの50%前後
の位置になければならい。ところが、図11〜図14の
データは、そのようにはなっていない。磁気ヘッドA、
Bのデータである□印、+印は、互いに接近した値を示
しており、磁気ヘッドCのデータである△印との間に、
明らかな有意差が認められる。これらのデータを見る
と、デイメンション比75%前後にロール角を低下させ
るクリティカルポイントがあると推測することができ
る。
【0052】しかも、図11〜図14を見ると、上述の
有意差は、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の相対速度
が大きくなる外周側において特に顕著に現れている。従
って、本来的にロール角低下を必要とする磁気ディスク
外周側において、実効的な浮上量の増大及びスペーシン
グロスの増大を抑え、高密度記録を達成できる。
【0053】このように、本発明によれば、従来の磁気
ヘッドとの間のディメンション比からは推測できない範
囲でロール角を低下させ、スペーシングロスを減少さ
せ、高記録密度に適し、浮上姿勢の安定した磁気ディス
ク装置を提供できるという特有の効果が得られる。
【0054】図15は本発明にかかる磁気ディスク装置
における磁気ヘッドのスキュー角(度)及び対応する回
転半径(mm)と浮上量(μm )との関係を示すデー
タ、図16は図15のデータに示されたスキュー角の取
り方を説明する図である。図15において、横軸にスキ
ュー角及び対応する回転半径(mm)をとり、縦軸に浮
上量(μm)をとってある。図16において、O1はヘ
ッド支持装置の回転中心、TRは回転中心O1を中心に
してスイングさせた時の磁気ヘッドの軌跡を示してい
る。磁気ヘッドとしては70%のスライダ(2.8×
2.3 ×0.65)を用い、荷重を6.5gに設定し
た。
【0055】図15から明らかなように、スキュ−角
7.7°〜19.9°の範囲内において、浮上量の変化
量は0.01(μm )以下程度であり、スキュー角の
大小に実質的に影響されることなく、一定の浮上量を保
ち得る。本発明では、スライダの形状選定によって、浮
上量を一定化できるので、特開昭61ー278087
号、米国特許第4,673,996号明細書及び米国特
許第4,870,519号明細書に開示されたTPC形
スライダと異なって、スライダ加工が不要である。
【0056】本発明にかかる磁気ディスク装置がスキュ
ー角依存性を持たないことの根拠は、実験結果を参照し
て、次のように説明できる。図17は磁気ディスクの周
速VをV=18.8(m/s)の一定値に保った時のス
キュー角ー浮上量特性データを示す図である。データプ
ロット点に表示された□印は、前述したように、本発明
にかかる磁気ヘッドAを用いた場合のデータを示し、+
印は本発明に係る磁気ヘッドBを用いた場合のデータを
示し、△印は従来の磁気ヘッドCを用いた場合のデータ
をそれぞれ示している。従って、△印は従来の磁気ディ
スク装置のデータを表示し、□印及び+印は本発明に係
る磁気ディスク装置のデータを表示している。
【0057】図17に示すように、本発明に係る磁気デ
ィスク装置のデータ(□印及び+印のデータ)は、従来
の磁気ディスク装置のデータ(△印で示すデータ)と比
較して、スキュー角の変化に対応する浮上量の変化幅が
著しく小さくなっている。例えば、スキュー角(−5)
〜(+20)度までの範囲において、本発明に係る磁気
ヘッドAを用いた場合の浮上量変化幅△ga及び磁気ヘ
ッドBを用いた場合の浮上量変化幅△gbは、従来の磁
気ヘッドCを用いた場合の浮上量変化幅△gcよりも著
しく小さくなっている。図17は磁気ディスクの周速を
18.8(m/s)の一定値に保って得られたデータで
あり、浮上量は専らスキュー角に依存して定まるから、
本発明にかかる磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置
は、スキュー角依存性が従来に比較して著しく小さくな
ることを示している。
【0058】次に、図18はスキュー角の範囲を5〜2
0度の範囲に選定した場合のスキュー角ー浮上量特性デ
ータを示している。磁気ディスクの周速VはV=18.
8(m/s)の一定値に保った。磁気ヘッドとしては、
磁気ヘッドA(2.8×2.3×0.65)を用いた。
図18に示すように、スキュー角が大きくなると、浮上
量が次第に低下する。
【0059】次に図19は磁気ディスク周速ー浮上量特
性データである。スキュー角依存性をキャンセルするた
めに、スキュー角=0に設定した。図18に示すよう
に、周速が大きくなると浮上量が増大する。
【0060】実際の磁気ディスク装置では、スキュー角
及び周速が同時に変化するから、図18と図19の合成
特性が得られる。ここで、本発明にかかる磁気ヘッドA
は、図17及び図18に示されるごとく、浮上量のスキ
ュー角依存性が小さい。本発明にかかる磁気ヘッドAの
場合、スキュー角依存性は、図19の周速依存特性と合
成されたとき、浮上量の周速依存性をほぼ打ち消すよう
なものである。磁気ヘッドAの場合も同様である。この
ため、図15に示したように、スキュー角の大小に実質
的に影響されることなく、一定の浮上量を保つことがで
きるようになるのである。
【0061】スキュー角の大小に実質的に影響されるこ
となく、一定の浮上量を保つことができることによる利
点は、次のようなものである。
【0062】まず、スキュー角の大小に実質的に影響さ
れることなく、一定の浮上量を保つことができるので、
ゾーンビット記録方式を採用することが可能であり、高
密度記録が可能になる。ゾーンビット記録方式は高記録
密度のために開発された技術であり、文献としては、米
国特許第4,894,734号明細書、米国特許第4、999、720号明
細書及び同第5,087,992号明細書がある。
【0063】次に,スキュー角を大きく設定することが
できるので、磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置の長
さを短くすることが可能である。このため、小型の磁気
ディスク装置を実現できる。因に、従来の磁気ヘッドで
は、スキュー角の可変範囲は10数度であるが、本発明
によれば(−5)〜25度の範囲、換言すればスキュー
角の可変範囲を20数度に設定することが可能である。
前述のゾーンビット記録方式と組合わせることにより、
小型でありながら、高密度記録及び大容量の磁気ディス
ク装置を実現できる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。 (a)従来の磁気ヘッドとの間のディメンション比から
は推測できない範囲でロール角を低下させ、スペーシン
グロスを減少させ、高記録密度に適し、浮上姿勢の安定
した磁気ディスク装置を提供できる。 (b)ロール角度を小さくする手段として、スライダの
形状選定によって対応しているので、スライダ運動中心
に対する質量の偏り、運動モーメントの不均一性等の問
題を生じることなく、浮上姿勢を安定させ、信頼性を確
保したままで、浮上量を低下させ得る磁気ディスク装置
を提供できる。 (c)スキュー角の大小に実質的に影響されることな
く、一定の浮上量を保ち得るので、ゾーンビット記録方
式を採用することが可能であり、小型、高密度記録及び
大容量の磁気ディスク装置を提供できる。 (d)スキュー角の大小に実質的に影響されることな
く、一定の浮上量を保つことができるので、スキュー角
を大きく設定し、小型の磁気ディスク装置を実現でき
る。 (e)スライダは、空気流出方向と直交する方向の幅が
2.5mm以下であるから、従来の磁気ヘッドのスライ
ダに比較して磁気ディスク上に静止しているときに、ト
ラック配列方向で見たランディグ面積が著しく小さくな
る。このため、磁気ディスク上でのトラック数を増大さ
せ、記録密度及び記憶容量の増大に寄与できる。一般的
な寸法の薄膜読み書き素子を有する磁気ヘッドでは、従
来よりも、約80トラック余分に記憶領域を増やすこと
ができた。 (f)スライダの厚みdは0.65mm以下であるから、
磁気ディスク装置を従来の約7割以下まで薄型化でき
る。また、薄型化により縮小されて制限された磁気ディ
スク内で、収納し得る磁気ディスク枚数が増大し、より
一層の大容量化が達成できる。 (g)スライダは、浮上面からその対向面までの厚みが
0.65mm以下であり、空気流出方向の長さが3mm以
下であり、空気流出方向と直交する方向の幅が2.5m
m以下であるから、磁気ヘッドの浮上安定性の高い磁気
ディスク装置を提供できる。 (h)スライダの全体形状の小型化により、揚力動圧が
低くなり、それに伴って、バネ圧も低くできるので、コ
ンタクト時における浮上面と磁気ディスクとの間の荷重
力が低下し、摩擦摩耗が少なくなり、耐久性が向上す
る。 (i)CSS起動時の静止摩擦が小さくなるため、ディ
スク駆動モータの駆動トルクが小さくなり、消費電力が
低減される。このため、電池駆動の可能な小型の磁気デ
ィスク装置が実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する磁気
ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する磁気
ヘッドのスライダの正面図である。
【図3】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する磁気
ヘッドのスライダを浮上面側から見た底面図である。
【図4】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する磁気
ヘッドのスライダの側面図である。
【図5】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する磁気
ヘッドの別の実施例における斜視図である。
【図6】本発明に係る磁気ディスク装置を示す図であ
る。
【図7】本発明に係る磁気ディスク装置を構成するヘッ
ド支持装置の要部における正面図である。
【図8】本発明に係る磁気ディスク装置を構成するヘッ
ド支持装置を浮上面側から見た底面図である。
【図9】本発明に係る磁気ディスク装置の浮上安定性測
定データを示す図である。
【図10】図9の測定データを得るための測定システム
を示す図である。
【図11】〜
【図14】磁気ディスク周速(m/s) 及び磁気ヘッドのス
キュー角(度)とロール値(μm)との関係を示すデー
タである。
【図15】発明にかかる磁気ディスク装置における磁気
ヘッドのスキュー角(度)及び対応する回転半径(m
m)と浮上量(μm )との関係を示すデータである。
【図16】図15のデータに示されたスキュー角を説明
する図である。
【図17】磁気ディスクの周速Vを一定値に保った時の
スキュー角ー浮上量特性データを示す図である。
【図18】スキュー角ー浮上量特性データを示す図であ
る。
【図19】磁気ディスク周速ー浮上量特性データを示す
図である。
【図20】従来の磁気ヘッドの斜視図である。
【図21】浮上型の磁気ヘッドの動作状態を示す図であ
る。
【図22】浮上型磁気ヘッドの動作状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 スライダ 2 読み書き素子 103、104、106 浮上面 d 浮上面からその対向面までの厚み L 空気流出方向の長さ w 空気流出方向と直交する方向の幅

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスクと、位置決め装置と、ヘッ
    ド支持装置と、磁気ヘッドとを有する磁気ディスク装置
    であって、 前記位置決め装置は、前記ヘッド支持装置の一端側を支
    持し前記磁気ディスクの面上で所定角度で面回転させる
    ものであり、 前記ヘッド支持装置は、他端側で前記磁気ヘッドを支持
    しており、 前記磁気ヘッドは、前記磁気ディスクと対向する面側に
    浮上面を有するスライダの空気流出端部側に読み書き素
    子を付着させてあり、前記スライダは、前記浮上面から
    その対向面までの厚みが0.65mm以下であり、空気流
    出方向の長さが3mm以下であり、空気流出方向と直交
    する方向の幅が2.5mm以下である磁気ディスク装
    置。
  2. 【請求項2】 前記読み書き素子は、薄膜素子である請
    求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記浮上面は、空気流入部にテーパ面を
    持たない平面である請求項1または2に記載の磁気ディ
    スク装置。
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