JPH05250640A - 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

複合型磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH05250640A
JPH05250640A JP5086492A JP5086492A JPH05250640A JP H05250640 A JPH05250640 A JP H05250640A JP 5086492 A JP5086492 A JP 5086492A JP 5086492 A JP5086492 A JP 5086492A JP H05250640 A JPH05250640 A JP H05250640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
recording
reproducing
thin film
film magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5086492A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoyuki Sagara
智行 相良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP5086492A priority Critical patent/JPH05250640A/ja
Publication of JPH05250640A publication Critical patent/JPH05250640A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、ギャップ間距離が短く、また再
生用薄膜磁気ヘッドと記録用薄膜磁気ヘッドの結合時に
それぞれの位置調整を行ない、製品製造のタクトタイム
の減少、歩留まりの向上、コストダウンを図る。 【構成】 この発明における複合型磁気ヘッド1は、再
生用薄膜磁気ヘッド2に設けられた再生用保護板4と記
録用薄膜磁気ヘッド3に設けられた再生用保護板5を当
接し一体をなしている。またこの発明に基づく製造方法
によれば、再生用薄膜磁気ヘッドと記録用薄膜磁気ヘッ
ドの結合時にそれぞれに設けられている再生用磁気記録
媒体摺動面と記録用磁気媒体摺動面をオプティカルフラ
ットに当接し、光の干渉縞を観測することにより、相互
の位置調整を行なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気記録再生装置に関
し、特に、磁気記録再生装置に用いられる複合型磁気ヘ
ッドの構造およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、DCC(Digital Campact Casse
t) 、S/DAT(Stationary head-Digital Audio Tap
e)およびデータストリーマなどのデジタル磁気記録再
生装置には、薄膜技術によって製造された再生用薄膜磁
気ヘッドと記録用薄膜磁気ヘッドが複合化された複合型
磁気ヘッドが用いられている。この複合型磁気ヘッドの
複合化時には、ギャップ間の距離や平行度などの高精度
の位置決め調整が要求されている。
【0003】以下、従来技術における複合型磁気ヘッド
の構造とその製造方法について図を用いて説明する。
【0004】従来の複合型磁気ヘッド60は、図18を
参照して、再生用薄膜磁気ヘッド61と記録用薄膜磁気
ヘッド62が、それぞれに設けられている再生用薄膜磁
気ヘッド基板63と記録用薄膜磁気ヘッド基板64がス
ペーサ100を介して接着剤などにより貼り合わされて
いる。
【0005】再生用薄膜磁気ヘッド61は、図19を参
照して、再生用薄膜磁気ヘッド基板63と、この再生用
薄膜磁気ヘッド基板63に設けられ、磁気記録媒体であ
る磁気テープ(図示せず)から情報を取出すための再生
用磁気ギャップ層67を有している。また、この再生用
ギャップ層67を保護するための再生用保護板65が設
けられている。再生用磁気ギャップ層67は、複数の再
生トラック67aが所定の位置に配置されることにより
構成されている。
【0006】再生用薄膜磁気ヘッド61に設けられた再
生用磁気記録媒体摺動面66は、精密にその表面が加工
されている。また、再生用薄膜磁気ヘッド61には、再
生用磁気ギャップ層67から得られた情報を外部装置に
伝えるための印刷配線基板68が取付けられている。
【0007】記録用薄膜磁気ヘッド62は、図20を参
照して、上記再生用薄膜磁気ヘッド61と同様、記録用
薄膜磁気ヘッド基板64と、この記録用薄膜磁気ヘッド
基板64に設けられ、磁気テープ(図示せず)に情報を
記録するための記録用磁気ギャップ層71を有してい
る。また、この記録用磁気ギャップ層71を保護するた
めの記録用保護板62が設けられている。また、記録用
磁気ギャップ層71は、複数の記録トラック71aが所
定の位置に配置されることにより構成されている。
【0008】記録用薄膜磁気ヘッド62に設けられた記
録用磁気記録媒体摺動面70は、精密にその表面が加工
されている。また、記録用薄膜磁気ヘッド62には、記
録用磁気ギャップ層71へ情報を伝えるための印刷配線
基板68が取付けられている。
【0009】ここで、再生用薄膜磁気ヘッド61と記録
用薄膜磁気ヘッド62とからなる複合型磁気ヘッド60
を形成する際、次に示す、 アジマス調整 トラック調整 アオリ調整 チルト調整 を精密に行ないながら複合化を図る必要がある。
【0010】 アジマス調整とは、図21を参照し
て、再生用薄膜磁気ヘッド61に設けられた再生用磁気
ギャップ層67と、記録用薄膜磁気ヘッド62に設けら
れた記録用磁気ギャップ層71の配列方向(仮想直線6
7h、71hで示す)が相互に平行となるように調整す
ることをいう。
【0011】 トラック調整とは、図22を参照し
て、1番目の再生トラック67aの図心と記録トラック
71aの図心とを結ぶ仮想直線74が、上記仮想直線6
7hおよび仮想直線71hに対して垂直となるように、
再生用薄膜磁気ヘッド61と記録用薄膜磁気ヘッド62
の相互の位置を調整することをいう。
【0012】 アオリ調整とは、図23を参照して、
再生用薄膜磁気ヘッド61に設けられた再生用記録媒体
摺動面66と、記録用薄膜磁気ヘッド62に設けられた
記録用磁気記録媒体摺動面70が、軸線75に対し、共
通に垂直となるように調整することをいう。
【0013】 チルト調整とは、図24を参照して、
再生用薄膜磁気ヘッド61に設けられた再生用磁気ギャ
ップ層67と記録用薄膜磁気ヘッド62に設けられた記
録用磁気ギャップ層71の奥行き方向(仮想直線16
7、171で示す)が軸線150に対し共通に垂直に調
整することをいう。
【0014】次に、上記それぞれの調整を考慮し、前記
複合型磁気ヘッド60の製造方法について説明する。
【0015】まず、図25を参照して、基板76上に、
蒸着技術、スパッタリング技術およびエッチング技術な
どの半導体装置を製造する際の薄膜技術によって、薄膜
ヘッド素子77を形成し、同時に正確な位置合せをして
マトリクス状に配列する。この基板76を、一方向の配
列方向に沿う仮想直線78、79、80に沿って切断す
る。このようにして薄膜ヘッド素子77が、たとえば4
個形成されたブロック81が得られる。
【0016】薄膜ヘッド素子77の基本的構成は、たと
えばパーマロイなどからなり、相互に対向する磁極層間
に電気絶縁物によって被覆されたコイルを配置し、この
磁極層間に電磁変換ギャップを形成し、この電磁変換ギ
ャップを介して情報の記録を行なう磁気記録素子と、同
時にパーマロイなどからなり、相互に対向する磁極層間
に電気絶縁物によって被覆された磁気抵抗効果素子を配
置し、この磁極層間に電磁変換ギャップを形成し、この
電磁変換ギャップを介して情報の再生を行なう磁気再生
素子とに大別することができる。
【0017】ここで、1枚の基板76上には、磁気記録
素子と磁気再生素子が混在することのないように、同一
種類の薄膜ヘッド素子を形成する。したがって、ブロッ
ク81には、再生用薄膜磁気ヘッドブロック85と、記
録用薄膜磁気ヘッドブロック86の2種類のブロックが
ある。
【0018】次に図26を参照して、ブロック81の磁
気記録媒体に臨む端部81aに、保護板82を接着す
る。この保護板82が接着された端部81aの機械加工
を行ない、電磁変換ギャップ部で形成された面である磁
気記録媒体摺動面83、84を曲面上に形成する。
【0019】次に、上記により形成された再生用薄膜磁
気ヘッドブロック85と記録用薄膜磁気ヘッドブロック
86とを、図27および図28に示すように、外部装置
に固定することにより複合化が行なわれる。
【0020】まず、再生用薄膜磁気ヘッドブロック85
と記録用薄膜磁気ヘッドブロック86とを、ギャップ間
距離を調節するためのスペーサ100を介してそれぞれ
の基板同士を突き合わせる。次に、再生用薄膜磁気ヘッ
ドブロック85を外部装置200に設けられている側面
基準部201に押し当て位置決めを行なう。(この場合
記録用薄膜磁気ヘッドブロック86を側面基準部201
に押し当てても何ら問題はない。)次に、保持具202
を記録用薄膜磁気ヘッドブロック86に押し当て、加圧
用ねじ88を締めつける。さらに、押し付けロッド89
で、磁気記録媒体摺動面83、84が上面基準板90に
当接するように加圧を行なう。以上により再生用薄膜磁
気ヘッドブロック85、スペーサ100および記録用薄
膜磁気ヘッドブロック86の仮固定が終了する。ここ
で、上記複合型磁気ヘッドのギャップ間距離L10は、
再び図21を参照して、2.4mmまたは2.6mm程
度の間隔に設定されている。
【0021】次に、対物レンズ91を用いて、トラック
調整を行なう。その後、接着剤を流し込んで固定し、ア
ジマス、アオリおよびチルトの各精度測定を行なう。
【0022】次に、これらの精度測定に合格した複合型
磁気ヘッドブロック92は、図29に示す仮想直線9
3、94、95で切断し、複合型磁気ヘッド96が形成
される。その後、この複合型磁気ヘッド96に印刷配線
基板97を接着することにより、図18に示すような複
合型磁気ヘッド60が完成する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成よりなる複合型磁気ヘッドには、以下に示す欠点があ
る。
【0024】 コンパクトカセットやDCCカセット
には、複合型磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動面と磁気テ
ープが密着し、テープテンションを与えるため、内部に
パッドが設けられている。しかし、このパッド寸法には
規定がないため各社・各カセットにより寸法が異なって
いる。よって、複合型磁気ヘッドがいかなるコンパクト
カセット等のパッドにも対応できるようにするために
は、磁気ギャップ間距離が1.0mm程度であることが
望ましい。しかし、上記複合型磁気ヘッドの構造では、
機械的強度の制約により、基板をこれ以上薄くすること
は難しいため、磁気ギャップ層間距離を、1.0mmに
することは困難である。
【0025】 接着剤を流し込んで再生用薄膜磁気ヘ
ッドと記録用薄膜磁気ヘッドの固定を行ない、その後に
アジマス、アオリおよびチルトなどの精度測定を行なう
ため、不良品発生の場合は、該接着剤を取り外すことは
不可能なために再製不可能となり、歩留まりの低下の要
因となっている。
【0026】この発明は、上記問題点を解消するために
なされたもので、従来の再生用薄膜磁気ヘッドおよび記
録用薄膜磁気ヘッドを用いて、ギャップ間距離が1.0
mmとなることを可能とし、さらに、歩留まりの向上を
可能とした複合型磁気ヘッドおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいた複合
型薄膜磁気ヘッドによれば、磁気記録媒体から情報を再
生する再生用磁気ギャップ層を有する再生用薄膜磁気ヘ
ッド基板と、上記再生用磁気ギャップ層を保護するため
の保護基板とを有する再生用薄膜磁気ヘッドと、磁気記
録媒体に情報を記録する記録用磁気ギャップ層を有する
記録用薄膜磁気ヘッド基板と前記記録用磁気ギャップ層
を保護するための記録用保護板とを有する記録用薄膜磁
気ヘッドと、上記再生用薄膜磁気ヘッドの上記再生用保
護板と、上記記録用薄膜磁気ヘッドの再生用保護板とを
当接して構成されている。
【0028】また、この発明に基づいた複合型磁気ヘッ
ドの製造方法によれば、磁気記録媒体から情報を再生す
る再生用磁気ギャップ層を有する再生用薄膜磁気ヘッド
と、磁気記録媒体に情報を記録する記録用磁気ギャップ
層を有する記録用薄膜磁気ヘッドとを有する複合型薄膜
磁気ヘッドであって、上記再生用薄膜磁気ヘッドに設け
られた再生用磁気記録媒体摺動面と、上記記録用薄膜磁
気ヘッドに設けられた記録用磁気記録媒体摺動面とをオ
プティカルフラットに当接し、光の干渉縞を発生させ、
この光の干渉縞と上記再生用磁気ギャップ層までの距離
および上記記録用磁気ギャップ層までの距離を測定し、
所定の位置に上記再生用薄膜磁気ヘッドと上記記録用薄
膜磁気ヘッドを設定し組立てられている。
【0029】
【作用】この発明に基づいた複合型薄膜磁気ヘッドによ
れば、従来の再生用薄膜磁気ヘッドと再生用薄膜磁気ヘ
ッドを用い、それぞれに設けられている保護板同士を突
き合わせて複合化を図っている。これにより、それぞれ
の磁気ギャップ層間距離を短く設定することができ、コ
ンパクトカセットに設けられたパッドの大きさに関係な
く安定したヘッド出力が得られる。
【0030】また、この発明に基づいた複合型薄膜磁気
ヘッドの製造方法によれば、再生用薄膜磁気ヘッドと記
録用薄膜磁気ヘッドの複合化時において、光の干渉縞を
用いている。これにより、組立時に精度の調整を行なう
ことができ、製造工程のタクトタイムを大幅に減少する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下、この発明に基づいた複合型磁気ヘッド
の一実施例について説明する。
【0032】図1を参照して、複合型磁気ヘッド1は、
再生用薄膜磁気ヘッド2と記録用薄膜磁気ヘッド3を有
しており、それぞれに設けられている再生用保護板4と
記録用保護板5が接着剤等により貼り合わされている。
再生用保護板4は再生用磁気ギャップ層8を保護するた
めに設けられている。
【0033】再生用薄膜磁気ヘッド2は、図2を参照し
て、再生用薄膜磁気ヘッド基板6と再生用保護板4とに
より構成されている。記録媒体摺動面7は精密にその表
面が加工されており、磁気テープから情報を取出すため
の再生用磁気ギャップ層8が形成されている。この再生
用磁気ギャップ層8には、複数の再生トラック8aが所
定の位置に配置されている。再生用保護板4は、再生用
磁気ギャップ層8を保護するために設けられている。
【0034】また、再生用薄膜磁気ヘッド2には再生用
磁気ギャップ層8から得られた情報を外部装置に伝える
ための印刷配線基板9が取付けられている。
【0035】記録用薄膜磁気ヘッド3は、図3を参照し
て、記録用薄膜磁気ヘッド基板10と記録用保護板5と
により構成されている。記録媒体摺動面11は精密にそ
の表面が加工されており、磁気テープに情報を記録する
ための記録用磁気ギャップ層12が形成されている。記
録用磁気ギャップ層12には、複数の再生トラック12
aが所定の位置に配置されている。記録用保護板5は、
記録用磁気ギャップ層12を保護するために設けられて
いる。
【0036】また記録用薄膜磁気ヘッド3には、記録用
磁気ギャップ層12に外部装置からの情報を伝えるため
の印刷配線基板13が取付けられている。
【0037】ここで、再生用薄膜磁気ヘッド2と記録用
薄膜磁気ヘッド3を複合化し、複合型磁気ヘッド1を形
成する際には、図4を参照して、再生用薄膜磁気ヘッド
2に設けられた再生用磁気ギャップ層8と、記録用薄膜
磁気ヘッド3に設けられた記録用磁気ギャップ層12の
配列方向(仮想直線8h、12hで示す)が相互に平行
となるよう調整を行なうアジマス調整や、図5を参照し
て、1番目の再生トラック8hの図心と、記録トラック
12hの図心とを結ぶ仮想直線13hが上記仮想直線8
aまたは仮想直線12aに対して垂直となるように再生
用薄膜磁気ヘッド2と記録用薄膜磁気ヘッド3の相互の
位置を調節するトラック調整や、図6を参照して、再生
用薄膜磁気ヘッド2に設けられた再生用記録媒体摺動面
7および記録用薄膜磁気ヘッド3に設けられた記録用磁
気記録媒体摺動面11が軸線14に関して共通に垂直と
なるように相互の位置を調節するアオリ調整、さらに図
7を参照して、再生用薄膜磁気ヘッド2に設けられた再
生用磁気ギャップ層8と記録用薄膜磁気ヘッド3に設け
られた記録用磁気ギャップ層12の奥行き方向(仮想直
線118、112で示す)が軸線160に対し共通に垂
直に調整するチルト調整が必要となる。
【0038】次に、上記各調整を考慮し、前記複合型磁
気ヘッド1の製造方法について以下説明する。
【0039】まず、図8を参照して、基板15上に、蒸
着技術、スパッタリング技術およびエッチング技術など
の半導体装置を製造する際の薄膜技術によって、薄膜ヘ
ッド素子16を形成し、同時に正確な位置合せをしてマ
トリクス状に配列する。この基板15を、1方向の配列
方向に沿う仮想直線17、18、19に沿って切断す
る。このようにして薄膜ヘッド素子16が、たとえば4
個形成されたブロック20が形成される。
【0040】薄膜ヘッド素子16の基本的構成は、たと
えばパーマロイなどからなり相互に対向する磁極層間に
電気絶縁物によって被覆されたコイルを配置し、この磁
極層間に電磁変換ギャップを形成し、この電磁変換ギャ
ップを介して情報の記録を行なう磁気記録素子と、同時
にパーマロイなどからなり相互に対向する磁極層間に電
気絶縁物によって被覆された磁気抵抗効果素子を配置
し、この磁極層間に電磁変換ギャップを形成し、この電
磁変換ギャップを介して情報の再生を行なう磁気再生素
子とに大別することができる。
【0041】ここで、1枚の基板15上には、磁気記録
素子と磁気再生素子が混在することのないように同一種
類の薄膜ヘッド素子を形成する。したがって、ブロック
20には再生用薄膜磁気ヘッド用ブロック24と、記録
用薄膜磁気ヘッド用ブロック25の2種類のブロックが
ある。
【0042】次に、上記工程において得られたブロック
20の磁気記録媒体である磁気テープに臨む端部20a
に、たとえば結晶化ガラスなど内部に気泡を有しないガ
ラス材料からなる保護板21を接着する。この保護板2
1が接着された端部20aの機械加工を行ない、電磁変
換ギャップ部で形成された面である磁気記録媒体摺動面
22、23を曲面上に形成する。
【0043】次に、仮想直線27、28、29で切断
し、端面処理を施し、図10に示す薄膜磁気ヘッド30
が形成される。さらに、図11を参照して、この薄膜磁
気ヘッド素子32に印刷配線基板31を接続し、薄膜磁
気ヘッド素子30が完成する。このようにして完成した
薄膜ヘッド30は、その機能により再生用薄膜磁気ヘッ
ド2または記録用薄膜磁気ヘッド3として用いられる。
【0044】次に、図12および図13を参照して、上
記により形成された再生用薄膜磁気ヘッド2に設けられ
た再生用保護板4と、記録用薄膜磁気ヘッド3に設けら
れた記録用保護板5とを突き合わせる。
【0045】次に再生用薄膜磁気ヘッド2を外部装置3
00に設けられた側面基準部301に押し当て位置決め
を行なう。(この場合、記録用薄膜磁気ヘッド3を側面
基準部301に押し当てても何ら問題はない。)次に、
保持具302を記録用薄膜磁気ヘッド3に押し当て、加
圧ネジ31を締め付ける。さらに、押しつけロッド32
で、再生用磁気ヘッド2の再生用磁気記録媒体摺動面7
と記録用薄膜磁気ヘッドに設けられた記録用磁気記録媒
体摺動面11をガラスなどよりなるオプティカルフラッ
ト33に当接するように加圧する。このとき、オプティ
カルフラット33側より光を当てた場合、図14に示す
ような光の干渉縞34が発生する。以下この光の干渉縞
34の発生原理について説明する。
【0046】図15は、光の干渉縞を説明するためのオ
プティカルフラット33と複合型薄膜磁気ヘッド1の断
面図である。光は、オプティカルフラット33の複合
型薄膜磁気ヘッド1との接触面33aで反射する光を示
している。光は、オプティカルフラット33と複合型
薄膜磁気ヘッド1との接触点Pからx1 離れた距離にお
いて、複合型磁気ヘッド1で反射する光を示している。
光は、接点Pからx 2 離れた距離において複合型磁気
ヘッド1で反射する光を示している。
【0047】これら光、光、光の波長の合成につ
いて考える。図16を参照して、(a)は、光の波長
と、光の波長が同じ周期の場合は光は増幅され、明縞
34aを形成する。これを式に表わせば、再び図15を
参照して、オプティカルフラット33の接触面33aか
ら光が反射する複合型磁気ヘッド1までの距離をLと
すれば、 2・L=n・λ…明縞 −−−(1) と表わすことができる。
【0048】また、(b)は、光の波長と光の波長
が半波長ずれた場合は光は打消し合い、暗縞34bを形
成する。これを式に表わせば、再び図15を参照して、
オプティカルフラット33の接触面33aから光が反
射する複合型磁気ヘッド1までの距離を(L+α)とす
れば、 2・(L+α)=n・λ+1/2・λ…暗縞−−−(2) と表わすことができる。よって、式(1)および式
(2)より 2・α=1/2・λ α=1/4・λ −−−(3) となり、光の周期が同じ場合は光は増幅され、光の波長
が1/4・λずれた場合明縞から暗縞に変化する。
【0049】次に、以上の光の干渉縞の原理を用いて、
オプティカルフラット33に発生する干渉縞33を用い
て、複合型磁気ヘッド1の複合化におけるアジマス調
整、トラック調整、アオリ調整、チルト調整を行
なう。
【0050】 アジマス調整. チルト調整 図17を参照して、再生用薄膜磁気ヘッド2に設けられ
た再生用磁気ギャップ層8の仮想直線8hおよび記録用
薄膜磁気ヘッド3に設けられた記録用磁気ギャップ層1
2の仮想直線12hから干渉縞34・34の中心までの
距離L1 を測定し、所定の値となるように調節すること
により、容易に再生用薄膜磁気ヘッド2と記録用薄膜磁
気ヘッド3のそれぞれの再生用磁気ギャップ層8と記録
用磁気ギャップ層12の平行を調整し、これにより同時
に調整を行なうことができる。
【0051】 トラック調整 再び図13および図5を参照して、外部装置40に設け
られた対物レンズ41により、1番目の再生トラック8
aの図心と記録トラック12aの図心とを結ぶ仮想直線
13hが仮想直線8aまたは仮想直線12aに対して垂
直となるように再生用薄膜磁気ヘッド2および記録用薄
膜磁気ヘッド3を調節する。
【0052】 アオリ調整 この調整においては、オプティカルフラット面33に干
渉縞34が観測されることにより、十分な調整がとれて
いることになる。
【0053】以上のようにして、再生用薄膜磁気ヘッド
2と記録用薄膜磁気ヘッド3を用いて複合型磁気ヘッド
1を形成した場合、複合時におけるアジマス調整、
トラック調整、アオリ調整、チルト調整の各調整を
行ないながら複合化ができるために、後工程における調
整を不要とし、製造工程におけるタクトタイムの減少を
図ることが可能となる。また、各製品の信頼性の向上を
も図ることが可能となる。
【0054】
【発明の効果】この発明に基づいた複合型薄膜磁気ヘッ
ドによれば、従来の再生用薄膜磁気ヘッドと記録用薄膜
磁気ヘッドを用い、それぞれの保護板同士を突き合わせ
て複合化することにより、ギャップ間距離を1.0mm
とすることを可能とし、コンパクトカセットに設けられ
たパッドの大きさに関係なく安定したヘッド出力が得ら
れる。これにより多種類のカセットテープへの対応を可
能とした。
【0055】また、この発明に基づいた製造方法によれ
ば、再生用薄膜磁気ヘッドと記録用薄膜磁気ヘッドとの
複合化における調整時において、光の干渉縞を用いるこ
とにより、組立時に再生用薄膜磁気ヘッドと記録用薄膜
磁気ヘッドの位置調整ができる。これにより製品製造の
タクトタイムの減少、歩留まりの向上を可能とし、さら
に製品品質の向上やコストの低下を招来している。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの全体斜
視図である。
【図2】この発明に基づいた再生用薄膜磁気ヘッドの全
体斜視図である。
【図3】この発明に基づいた記録用薄膜磁気ヘッドの全
体斜視図である。
【図4】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの複合化
時におけるアジマス調整の様子を示す模式図である。
【図5】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの複合化
時におけるトラック調整の様子を示す模式図である。
【図6】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの複合化
時におけるアオリ調整の様子を示す模式図である。
【図7】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの複合化
時におけるチルト調整の様子を示す模式図である。
【図8】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの第1の
製造工程を示す図である。
【図9】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの第2の
製造工程を示す図である。
【図10】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの第3
の製造工程を示す図である。
【図11】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの第4
の製造工程を示す図である。
【図12】この発明に基づいた複合型磁気ヘッドの外部
装置における複合化時の様子を示す模式図である。
【図13】図12における複合化時の側面図を示す図で
ある。
【図14】光の干渉縞の発生の様子を示す図である。
【図15】光の干渉縞の発生原理を示す模式図である。
【図16】(a)は光の増幅を示す模式図である。
(b)は光の打消し合いを示す模式図である。
【図17】この発明に基づいた複合磁気ヘッドのアジマ
ス調整の様子を示す模式図である。
【図18】従来技術における複合型磁気ヘッドの全体斜
視図である。
【図19】従来技術における再生用薄膜磁気ヘッドの全
体斜視図である。
【図20】従来技術における記録用薄膜磁気ヘッドの全
体斜視図である。
【図21】従来技術における複合型磁気ヘッドの結合時
におけるアジマス調整の様子を示す図である。
【図22】従来技術における複合型磁気ヘッドの結合時
におけるトラック調整を示す図である。
【図23】従来技術における複合型磁気ヘッドの結合時
におけるアオリ調整を示す図である。
【図24】従来技術における複合型磁気ヘッドの結合時
におけるチルト調整を示す図である。
【図25】従来技術における複合型磁気ヘッドの第1の
製造工程を示す図である。
【図26】従来技術における複合型磁気ヘッドの第2の
製造工程を示す図である。
【図27】従来技術における複合型磁気ヘッドの結合時
の様子を示す模式図である。
【図28】図27に示す複合化時の模式図の側面図であ
る。
【図29】従来技術における複合型磁気ヘッドの第4の
製造工程における模式図である。
【符号の説明】
1 複合型磁気ヘッド 2 再生用薄膜磁気ヘッド 3 記録用薄膜磁気ヘッド 4 再生用保護板 5 記録用保護板 6 再生用薄膜磁気ヘッド基板 7 再生用磁気記録媒体摺動面 8 再生用磁気ギャップ層 8a 再生トラック 9 再生用印刷配線基板 10 記録用薄膜磁気ヘッド基板 11 記録用磁気記録媒体摺動面 12 記録用磁気ギャップ層 12a 記録トラック 13 記録用印刷配線基板 33 オプティカルフラット 34 光の干渉縞 なお、図中同一符号は、同一または相当部分を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体から情報を再生する再生用
    磁気ギャップ層を有する再生用薄膜磁気ヘッド基板と、 前記再生用磁気ギャップ層を保護するための再生用保護
    板と、を含む再生用薄膜磁気ヘッドと、 磁気記録媒体に情報を記録する記録用磁気ギャップ層を
    有する記録用薄膜磁気ヘッド基板と、 前記記録用磁気ギャップ層を保護するための保護板と、
    を含む記録用薄膜磁気ヘッドと、を備え、 前記再生用薄膜磁気ヘッドの前記再生用保護板と、前記
    記録用薄膜磁気ヘッドの前記記録用保護板とを当接して
    なる複合型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気記録媒体から情報を再生する再生用
    磁気ギャップ層を有する再生用薄膜磁気ヘッドと、磁気
    記録媒体に情報を記録する記録用磁気ギャップ層を有す
    る記録用薄膜磁気ヘッドとを組立ててなる複合型磁気ヘ
    ッドの製造方法であって、 前記再生用薄膜磁気ヘッドに設けられた再生用磁気記録
    媒体摺動面と、前記記録用薄膜磁気ヘッドに設けられた
    記録用磁気記録媒体摺動面をオプティカルフラットに当
    接し、前記再生用磁気記録媒体摺動面および前記記録用
    磁気記録媒体摺動面に光を当て、前記オプティカルフラ
    ット面に光の干渉縞を発生させ、この光の干渉縞と、前
    記再生用磁気ギャップ層までの距離および前記記録用ギ
    ャップ層までの距離を測定し、所定の位置に設定して、
    前記再生用薄膜磁気ヘッドと、前記記録用薄膜磁気ヘッ
    ドを組立ててなる複合型磁気ヘッドの製造方法。
JP5086492A 1992-03-09 1992-03-09 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法 Withdrawn JPH05250640A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5086492A JPH05250640A (ja) 1992-03-09 1992-03-09 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5086492A JPH05250640A (ja) 1992-03-09 1992-03-09 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05250640A true JPH05250640A (ja) 1993-09-28

Family

ID=12870594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5086492A Withdrawn JPH05250640A (ja) 1992-03-09 1992-03-09 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05250640A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5237476A (en) Thin film tape head assembly
US4071868A (en) Narrow track MR head with side shields
US5027246A (en) Thin film magnetic head and a method for manufacturing thereof
JP2000285426A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法、並びに薄膜磁気ヘッドを用いた回転ヘッド組立体
US4858048A (en) Complex magnetic transducer head of single magnetic pole type for perpendicular mode recording
JPH05250640A (ja) 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法
US4677513A (en) Magneto-optic thin film head and method of use
JPS5927969B2 (ja) 遠心力型磁気ヘツドの製造方法
JPH07326019A (ja) 複合型磁気ヘッド及びその製造方法
JPH0343685B2 (ja)
JPH04305808A (ja) 複合型マルチチャンネル薄膜磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP3002254B2 (ja) Vtrの磁気ヘッド
JP3371505B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド装置の製造方法
JP2659432B2 (ja) 薄膜磁気ヘツド
JPH0350324B2 (ja)
JPS6260115A (ja) 磁気抵抗効果型ヘツド及びその製造方法
JPS63108517A (ja) 薄膜磁気ヘツドの製造方法
JPH01179208A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP2001155304A (ja) 磁気ヘッドのギャップ位置の検出方法および磁気ヘッドの接着装置
JPH0258710A (ja) 磁気ヘッド
JPS6226618A (ja) 薄膜磁気ヘツド
JPH03288311A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH08273118A (ja) 複合型磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH02166610A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JPS60136019A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘツド

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990518