JPH05250627A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH05250627A
JPH05250627A JP4045791A JP4579192A JPH05250627A JP H05250627 A JPH05250627 A JP H05250627A JP 4045791 A JP4045791 A JP 4045791A JP 4579192 A JP4579192 A JP 4579192A JP H05250627 A JPH05250627 A JP H05250627A
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metal magnetic
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Fumito Koike
文人 小池
Masaji Saito
正路 斎藤
Toshihiko Sato
俊彦 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ギャップ幅の変形を防ぎ、高周波対応を
容易にする。 【構成】 非磁性体からなる一対のハーフコアの各々の
接合部分に巻線窓が形成され、この各々の巻線窓の周囲
にこれを囲む環状のメタル磁性膜が形成され、このメタ
ル磁性膜は複数の金属磁性膜からなり、このメタル磁性
膜における少なくとも1対の金属磁性膜が、媒体対向面
に露出されて磁気ギャップを形成して一体化されてな
り、かつ、最内周の金属磁性膜がギャップ表面部から最
深部まで達する厚さに形成されてなることを特徴とする
磁気ヘッド。 【効果】 磁気記録特性の劣化及びスペーシングロスの
発生を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気回路の小型化をな
し得るとともに高周波対応性を高めた新規な構造の磁気
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープに磁気記録される信号が高密
度化されてくるに従い、高い残留磁束密度を有する優れ
た磁性層を備えたメタルテープなどの磁気テープが使用
されてきている。このメタルテープなどの高い抗磁力を
有する磁気テープに適用される磁気ヘッドは、その磁気
ギャップにより発生される磁界強度を高くする必要があ
る。また、記録される信号の高密度化に伴い、磁気ヘッ
ドのトラック幅をより狭くする必要がある。
【0003】従来、このような要求を満たすために提供
されている磁気ヘッドの一従来例として、図12に示す
構造の磁気ヘッドAが知られている。この磁気ヘッドA
は、磁気コア半体1、1をガラスなどの接合材で溶着一
体化してなるもので、各磁気コア半体1は、メタル磁性
膜2を非磁性体からなる板状のサイドコア半体3、3で
挟んで一体化されている。前記メタル磁性膜2は、スパ
ッタなどの成膜法により高透磁率合金の金属磁性薄膜を
層間絶縁層とともに積層してなるもので、メタル磁性膜
2の膜厚はトラック幅に等しい値にされている。なお、
前記磁気ヘッドAの媒体対向面4は磁気テープに摺動す
る際の抵抗などを考慮して曲面状に研摩されている。
【0004】また、媒体対向面4において、メタル磁性
膜2、2が接合された部分には、非磁性体からなるギャ
ップ層が介在されて磁気ギャップ5が形成されるととも
に、磁気コア半体1、1が接合された部分において、一
方の磁気コア半体1の側部には、巻線窓6が形成されて
いる。
【0005】一方、前記要求を満たすために提供されて
いる磁気ヘッドの他の従来例として、図13と図14に
示す構造の磁気ヘッドBが知られている。この磁気ヘッ
ドBは、一対のフェライト製の磁気コア半体11、11
の側部に凸部11aを形成し、凸部11aを覆うように
メタル磁性膜14とギャップ層13を形成し、磁気コア
半体11、11をギャップ層13を介して凸部11aど
うしで突き合わせ、ギャップ層13、13間に主ギャッ
プGを形成し、磁気コア半体11、11をガラス層1
5、15で接合してなる構造であり、MIG(Meta
l In Gap)型と称されている磁気ヘッドであ
る。
【0006】このMIG型の磁気ヘッドBは、メタル磁
性膜14を用いていない構成のフェライトヘッドに比較
すると、磁気ギャップから発生される磁界を強く急峻な
ものとすることができるので、磁気記録の高密度化に対
応することができる優れたものであり、VTRの映像記
録用の磁気ヘッド、あるいは、デジタルテープレコーダ
ー用の磁気ヘッドなどとして広く使用されている。
【0007】また、従来、前記構造の磁気ヘッドBを製
造するには、まず、フェライトなどの磁性体からなる2
個のコアブロックを用意し、これらのコアブロックに溝
加工を施して複数の凹凸部を形成し、これらの凹凸部の
表面にスパッタなどの成膜法でメタル磁性膜を積層し、
次いでスパッタなどの成膜法でメタル磁性膜上にSiO
2層などからなるギャップ層を形成する。
【0008】次に、前記ギャップ層を形成したコアブロ
ックどうしをギャップ層どうしを介して突き合わせ、突
き合わせた部分の凹部を埋めるように、ガラスを流し込
んで、コアブロックどうしを接合する。そして、接合し
たコアブロックを複数の磁気コアに切り出し、各磁気コ
アに仕上加工を施して前記一対のコアブロックから複数
の磁気ヘッドを同時に製造している。
【0009】図12に示す従来の磁気ヘッドAにあって
は、製造時において、磁気コア半体1、1をガラスなど
の接合材で接合する工程の他に、サイドコア半体3、3
およびメタル磁性膜2を一体化するために、これらを接
着剤などで接合する工程を行なわなくてはならず、製造
工程が煩雑化する問題があった。また、一般に磁気ヘッ
ドを高周波対応とするためには、磁気回路を小型化する
必要があるが、図12に示す構成の磁気ヘッドAにあっ
ては、メタル磁性膜2がサイドコア半体3、3の一面全
部に形成されているのでこれ以上磁気回路を小型化でき
ない問題がある。
【0010】一方、図13と図14に示す従来の磁気ヘ
ッドBにあっては、フェライト製の磁気コア半体11を
用いているがために、フェライト材自体の磁気特性の限
界がメタル磁性膜14の磁気特性を抑制するので高周波
対応には限界があり、また、磁気コアの大半をフェライ
ト材が占めるため、磁気ヘッドのコイルインダクタンス
を小さくできない問題がある。
【0011】更に、図13と図14に示す構成の磁気ヘ
ッドにあっては、主ギャップGとメタル磁性膜14との
平行部分、および、主ギャップGとギャップ層13との
平行部分が長く、しかもそれらが主ギャップGの両側に
配置されているので、これらが疑似ギャップを形成して
再生出力の周波数依存特性にうねりを生じる、いわゆる
コンター効果を生じてしまう問題がある。
【0012】そこで、本願発明者らは上記課題を解決す
べく、平成4年2月26日に、以下に示すような構成か
らなる磁気ヘッドについて出願している。以下、図面を
参照しつつこの磁気ヘッドの構成について説明する。図
9〜図11は、この磁気ヘッドの第一構成例の構造を示
すものであり、この第一構成例の磁気ヘッドCは、左右
一対の磁気コア半体120、120をそれらの側面部に
おいてガラス部121、128により一体に接合してな
るもので、磁気コア半体120、120の図9における
上面側が媒体対向面122とされている。前記磁気コア
半体120は、結晶化ガラスあるいはセラミックスなど
の非磁性体からなる略長方形板状のハーフコア123
と、このハーフコア123の側部側に形成されたメタル
磁性膜124とを主体として構成されている。
【0013】前記ハーフコア123がそれぞれ接合され
ている側面部には、溝部125が形成され、この溝部1
25は、ハーフコア123の側面に平行な底面125a
とこの底面125aに対して傾斜された内側面125
b、125bとからなり、2つの内側面125bのうち
の一方は、傾斜状態で媒体対向面122に到達されてい
る。また、ハーフコア123の側面において、溝部12
5を除いた部分には、対向する他方のハーフコア123
側に膨出するように表面が弓形に湾曲された凸部123
aが形成されている。
【0014】前記ハーフコア123の側部全域、即ち、
ハーフコア123の側面と、溝部125の底面125a
と、溝部125の内側面125bの各々には、高透磁率
で飽和磁束密度の高い軟磁性合金薄膜などからなるメタ
ル磁性膜124が形成されている。このメタル磁性膜1
24は、図11に示すように複数の金属磁性薄膜130
を個々に層間絶縁層131を介し積層して形成されてい
る。
【0015】前記金属磁性薄膜130を形成する軟磁性
材料は、飽和磁束密度で10000G以上のFe-Al-
Si系合金のセンダスト、Fe-Al-Ta-C系などの
軟磁性合金、アモルファス合金など、通常知られている
フェライトよりも飽和磁束密度の高い軟磁性材料を適宜
用いれば良い。
【0016】また、図10に示すように一対の磁気コア
半体123のメタル磁性膜124、124の間には、S
iO2、Al23、CrSiO2などの非磁性層からなる
ギャップ層が形成されて磁気ギャップGが形成されてい
る。そして、媒体対向面122に露出された各メタル磁
性膜124の表面部は、磁気ギャップG側に向けて膨出
するような弓形に湾曲されて、各メタル磁性膜124、
124の形成する湾曲部分の先端部で磁気ギャップGに
最も接近している。また、磁気ギャップ側に湾曲してい
るメタル磁性膜124の先端部分は、磁気ギャップGの
中央部分で磁気ギャップGに最も接近するようになって
いる。更に、ハーフコア123、123の側部側の接合
部には前記溝部125、125を突き合わせることによ
り6角形状の巻線窓126が形成され、この巻線窓12
6の磁気ギャップ側にガラスが充填されてガラス部12
1が形成されている。
【0017】一方、図10に示すように、ハーフコア1
23、123の接合部における厚さ方向両端部には、ハ
ーフコア123、123の凸部123aにより挟まれて
形成された接合溝123bが形成されていて、この接合
溝123bにガラスが充填されてガラス部128が形成
されている。なお、図9に示す磁気ヘッドCの両側部に
は、前記巻線窓126に対応する高さ位置に巻線溝12
9が形成され、一方の巻線溝129と巻線窓126の一
端部側を介して巻線コイルが設けられるように、また、
他方の巻線溝129と巻線窓126の他端部側を介して
巻線コイルが設けられるようになっている。
【0018】前記構成の磁気ヘッドCは、従来の磁気ヘ
ッドと同様に、磁気テープなどの磁気記録媒体に対する
磁気記録と再生を行なうために使用する。それには、前
記磁気ヘッドCに設けた巻線コイルに通電して磁気ギャ
ップGの外方に磁束の勾配を形成してこれにより磁気記
録媒体の所用の箇所の磁化を行なえば良い。この場合、
高透磁率で飽和磁束密度の高い金属磁性薄膜130が磁
気ギャップGの外方に急峻な磁界を発生させるので、抗
磁力の高い磁性層を備えた磁気記録媒体であっても余裕
をもって磁気記録を行なうことができ、磁気記録の高密
度化に対応することができる。
【0019】また、溝部125に沿って形成されたメタ
ル磁性膜124、124が巻線窓126の周囲を囲むよ
うな環状の磁気回路を形成するので、図12に示す従来
構造の磁気ヘッドA、あるいは、図13と図14に示す
従来構造のMIG型の磁気ヘッドBと比較して磁気回路
を小型化することができる。従って従来の磁気ヘッドよ
りも高周波対応に有利な特徴があり、磁気回路の小型化
により磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取り易
くなり、再生時の効率も向上させることができる。
【0020】前記構造の磁気ヘッドCにあっては、媒体
対向面122に露出しているメタル磁性膜124、12
4の表面部が個々に湾曲して磁気ギャップGに接近し、
徐々に磁気ギャップGから離間しているので、この構成
のメタル磁性膜124、124では、図13と図14に
示す従来の磁気ヘッドBとは異なり、磁気ギャップと平
行に配置されるメタル磁性膜部分が存在しないので、疑
似ギャップを生じることはなく、コンター効果による波
形歪の発生現象を生じることがない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成から
なる磁気ヘッドCは、図11に示すように、その媒体対
向面にメタル磁性膜が露出し、これらのメタル磁性膜の
間に挟まれた形状で磁気ギャップが形成されているた
め、このような磁気ヘッドを長期間使用すると、磁気テ
ープの摺動によって前記磁気ギャップを直接挟んでいる
前記メタル磁性膜における金属磁性薄膜の媒体対向面側
が摩耗して擦り減り、前記磁気ギャップを形成している
金属磁性薄膜が摩耗変形し、場合によっては、この金属
磁性薄膜の下地層を構成している層間絶縁膜が露出し
て、この層間絶縁層と磁気ギャップが一体化し磁気ギャ
ップの幅が変化してしまうおそれがあった。
【0022】よって、本発明は前記事情に鑑みてなされ
たものであり、磁気ギャップ幅の変形を防ぎ、磁気回路
を小型化して高周波対応を容易にする磁気ヘッドを提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドは上
記課題を解決するために、非磁性体からなる一対のハー
フコアが、それらの側部に形成された金属磁性膜及び層
間絶縁層からなるメタル磁性膜をギャップ層を介して突
き合わせ、前記メタル磁性膜どうしの間に磁気ギャップ
を形成して一体化されてなり、前記ハーフコアの側面に
隣接するハーフコアの一面が、媒体対向面にされてなる
磁気ヘッドにおいて、ハーフコアの接合部分に巻線窓が
形成され、この巻線窓の周囲にこれを囲む環状のメタル
磁性膜が形成され、このメタル磁性膜は絶縁層を介して
少なくとも2層以上の多層膜とされており、この多層膜
におけるギャップ面を形成する単層のみが、金属磁性膜
のギャップ表面部から最深部まで達する厚さに形成され
てなることを特徴とするものである。
【0024】
【作用】ハーフコアを非磁性体で構成し、巻線窓の周囲
部分に複数のメタル磁性膜を環状に形成し、この絶縁層
を介した多層膜におけるギャップ面を形成する単層のみ
が、ギャップ表面部から最深部まで達する厚さに形成さ
れてなることにより、前記磁気ギャップ部周辺が磁気テ
ープの摺動によって多少摩耗しても、従来構造の磁気ヘ
ッドのように前記磁気ギャップを形成する金属磁性膜が
摩耗することにより、層間絶縁層が露出することがな
く、結果的に磁気ギャップ幅が変化してしまうといった
不具合が回避される。従って、磁気ギャップ幅を一定の
値に保つことによって、磁気記録特性の劣化及びスペー
シングロスの発生が回避される。
【0025】また、非磁性体のハーフコアの接合部に形
成された巻線窓を囲むようにメタル磁性膜による環状の
磁気回路が形成されているので、磁気回路が従来構造よ
りも小さくなる。また、この小型化した磁気回路により
記録再生ができるので、高周波に対応した記録再生特性
が得られる。更に、メタル磁性膜のみで記録再生ができ
るので、フェライト部分の存在により高周波対応に限界
を生じていた従来のMIG型の磁気ヘッドよりも有利に
なる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の磁気ヘッドに
ついて説明する。図1〜図3は本発明に係わる磁気ヘッ
ドの実施例を示すものであり、この実施例の磁気ヘッド
Dは、左右一対の磁気コア半体20、20をそれらの側
面部においてガラス部21、28により一体に接合して
なるもので、磁気コア半体20、20の図1における上
面側が媒体対向面22とされている。前記磁気コア半体
20は、結晶化ガラスあるいはセラミックスなどの非磁
性体からなる略長方形板状のハーフコア23と、このハ
ーフコア23の側部側に形成されたメタル磁性膜24と
を主体として構成されている。
【0027】前記ハーフコア23がそれぞれ接合されて
いる側面部には、溝部25が形成され、この溝部25
は、ハーフコア23の側面に平行な底面25aとこの底
面25aに対して傾斜された内側面25b、25bとか
らなり、2つの内側面25bのうちの一方は、傾斜状態
で媒体対向面22に到達されている。また、ハーフコア
23の側面において、溝部25を除いた部分には、対向
する他方のハーフコア23側に膨出するように表面が弓
形に湾曲された凸部23aが形成されている。
【0028】前記ハーフコア23の側部全域、即ち、ハ
ーフコア23の側面と、溝部25の底面25aと、溝部
25の内側面25bの各々には、高透磁率で飽和磁束密
度の高い軟磁性合金薄膜などからなるメタル磁性膜24
が形成されている。このメタル磁性膜24は、図3に示
すように、複数の金属磁性薄膜30、30を個々に層間
絶縁層31、31を介し積層して形成され、かつ最内周
の金属磁性薄膜30a、30aが磁気ギャップGを形成
しギャップGの最深部まで達している。そして、前記最
内周の金属磁性薄膜30aの膜厚tは、ギャップ深さ方
向と前記最内周の金属磁性薄膜30aとのなす角である
θに左右され、前記θと磁気ギャップ深さGdとの間で
以下のような関係を満足している。 t>Gdsinθ
【0029】また、前記構造の磁気ヘッドDにあって
は、ギャップ深さGdを3〜30μm程度、層間絶縁層
31の厚さを0.1〜0.4μm程度、前記金属磁性薄膜
30の最内周以外の膜厚を3〜5μm程度、ギャップ層
の厚さを0.2〜0.5μm程度とすることができる。
【0030】そして、前記金属磁性薄膜30を形成する
軟磁性材料は、上記図9〜図11に示した従来例と同様
に、飽和磁束密度で10000G以上のFe−Al−S
i系合金、Fe−Ta−C系などの軟磁性合金、アモル
ファス合金など、通常知られているフェライトよりも飽
和磁束密度の高い軟磁性材料を適宜用いれば良い。
【0031】また、この金属磁性薄膜30を形成する材
料として好ましくは、Fe−Ta−C系、Fe−M−O
系(MはZrとHfのうち、少なくとも1種以上を示
す)、Fe−Co−M−O系、Fe−Co−M−O−X
系の軟磁性薄膜などを用いることができる。これらの軟
磁性薄膜の内、好ましくは、本発明の出願人が先に、特
願平2−268051号明細書、特願平3−31503
6号明細書などにおいて特許出願しているものを用い
る。これらの軟磁性薄膜の組成範囲として好ましくは、
Fe50-96−M2-30−C0.5-25(M=Ti、Zr、H
f、Nb、Ta、Mo、W)Fe70-961-123-25
Fe13-86Co10-501-123-25、Fe13-85Co10 -50
1-123-250.1-26などであるが、これらの組成以外
のものを用いても良いのは勿論である。(なお、前記組
成式において、Fe70-96とは、Feの含有量が原子%
で70%≦Fe≦96%であることを示す。)
【0032】また、図2に示すように一対の磁気コア半
体23のメタル磁性膜24、24の間には、SiO2
Al23、CrSiO2などの非磁性層からなるギャッ
プ層が形成されて磁気ギャップGが形成されている。媒
体対向面22に露出された各メタル磁性膜24の表面部
は、磁気ギャップG側に向けて膨出するような弓形に湾
曲されて、各メタル磁性膜24、24の形成する湾曲部
分の先端部分で磁気ギャップGに最も接近している。そ
して、磁気ギャップ側に湾曲しているメタル磁性膜24
の先端部で磁気ギャップGに最も接近している。そし
て、磁気ギャップ側に湾曲している先端部分は、磁気ギ
ャップGの中央部分で磁気ギャップGに最も接近するよ
うになっている。なお、前記メタル磁性膜24の最内周
の層は、前記磁気ギャップGを形成するために、磁気ギ
ャップ部では、前記磁気ギャップに平行な状態に設けら
れている。更にまた、ハーフコア23、23の側部側の
接合部には前記溝部25、25を突き合わせることによ
り6角形状の巻線窓26が形成され、この巻線窓26の
磁気ギャップ側にガラスが充填されてガラス部21が形
成されている。
【0033】一方、図2に示すように、ハーフコア2
3、23の接合部における厚さ方向両端部には、ハーフ
コア23、23の凸部23aにより挟まれて形成された
接合溝23bが形成されていて、この接合溝23bにガ
ラスが充填されてガラス部28が形成されている。な
お、図1に示す磁気ヘッドDの両側部には、前記巻線窓
26に対応する高さ位置に巻線溝29が形成され、一方
の巻線溝29と巻線窓26の一端部側を介して巻線コイ
ルが設けられるように、また、他方の巻線溝29と巻線
窓26の他端部側を介して巻線コイルが設けられるよう
になっている。
【0034】前記構成の磁気ヘッドDは、従来の磁気ヘ
ッドと同様に、磁気テープなどの磁気記録媒体に対する
磁気記録と再生を行なうために使用する。それには、前
記磁気ヘッドDに設けた巻線コイルに通電して磁気ギャ
ップGの外方に磁束の勾配を形成してこれにより磁気記
録媒体の所用の箇所の磁化を行なえば良い。この場合、
高透磁率で飽和磁束密度の高い金属磁性薄膜30が磁気
ギャップGの外方に急峻な磁界を発生させるので、抗磁
力の高い磁性層を備えた磁気記録媒体であっても余裕を
もって磁気記録を行なうことができ、磁気記録の高密度
化に対応することができる。また、フェライト部分と金
属磁性薄膜を用いた従来のMIG型の磁気ヘッドに比較
すると、フェライト部分が無いため高周波磁気記録に有
利である。
【0035】そして更に、ハーフコアを非磁性体で構成
し、巻線窓の周囲部分に複数のメタル磁性膜24を環状
に形成し、このメタル磁性膜24における最内周の金属
磁性膜30aが媒体対向面に露出されて磁気ギャップが
形成され、この金属磁性膜30aがギャップ表面部から
最深部まで達する厚さに形成されてなることにより、前
記磁気ギャップ部G周辺が磁気テープの摺動によって多
少摩耗しても、従来構造の磁気ヘッドのように前記磁気
ギャップ部Gを形成する金属磁性膜が摩耗及び摩耗変形
することにより、層間絶縁層が露出してしまい、結果的
に磁気ギャップ幅が変化してしまうといった不具合を回
避することができる。従って、本発明による磁気ヘッド
のように磁気ギャップ幅を一定の値に保つことによっ
て、磁気記録特性の劣化及びスペーシングロスの発生を
回避することが可能である。
【0036】また、溝部25に沿って形成されたメタル
磁性膜24、24が巻線窓26の周囲を囲むような環状
の磁気回路を形成するので、図12に示す従来構造の磁
気ヘッドA、あるいは、図13と図14に示す従来構造
のMIG型の磁気ヘッドBと比較して磁気回路を小型化
することができる。従って、従来の磁気ヘッドよりも高
周波対応に有利な特徴があり、磁気回路の小型化により
磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取り易くな
り、再生時の効率も向上させることができる。更に、巻
線窓26の周囲に設けたメタル磁性膜24、24が磁気
ギャップGに向けて傾斜しつつ相互に接近しているの
で、磁気ギャップGでの磁界発生に有利な形状になって
いる。
【0037】前記構造の磁気ヘッドDにあっては、媒体
対向面22に露出しているメタル磁性膜24、24の表
面部が個々に湾曲して磁気ギャップGに接近し、一点で
最接近し、他の部分では徐々に磁気ギャップGから離間
しているので、この構成のメタル磁性膜24、24で
は、図13と図14に示す従来の磁気ヘッドBとは異な
り、磁気ギャップと平行に配置されるメタル磁性膜部分
が存在しないので、疑似ギャップを生じることはなく、
コンター効果による波形歪の発生現象を生じることがな
い。
【0038】次に図1〜図3に示す構造の磁気ヘッドC
を製造する方法の一例について説明する。磁気ヘッドD
を製造するには、まず、結晶化ガラスあるいはセラミッ
クなどの非磁性体からなる平面長方形状の板状のブロッ
ク38を用い、このブロック38の上面に砥石などを用
いて研削加工を施して図4に示すようなV字溝39を複
数互いに平行に形成する。これにより各V字溝39の間
には側面三角形状の細長い突部40が形成される。続い
て前記各突部40の先端部をレーザビーム加工、逆スパ
ッタ、ドライエッチング、パッドポリッシングなどの手
法により図5に示すように曲面状に加工する。
【0039】次に、砥石などを用いてブロック38に溝
加工を施し、図6に示すような溝部41を前記V字溝3
9に対して直角方向に形成する。この溝部41は、ブロ
ック40の上面に対して平行に形成した底面41aと、
この底面41aの両側に、底面41aに対して斜めに形
成した内側面41bとからなるものである。
【0040】続いて図7に示すようにブロック40の上
面全部に、スパッタあるいは真空蒸着などの成膜手段に
より、金属磁性薄膜を複数、層間絶縁層とともに交互に
積層してメタル磁性膜45を形成する。この際に最上層
の金属磁性膜の膜厚tは、ギャップ深さ方向と前記最内
周の金属磁性薄膜30aとのなす角θと磁気ギャップ深
さGdの間に t>Gdsinθ の関係を満たすように形成する。
【0041】また、前記最内周の金属磁性膜上には、ギ
ャップ層を被覆する。なお、突部40の上面とV字溝3
9の上面を除く部分に形成された積層膜を突部40の先
端に形成された積層膜と同一高さになるまで研摩して除
去する。
【0042】図7に示す状態のブロック40を一対形成
したならば、図8に示すようにメタル磁性膜45、45
どうし、更には溝部41、41どうしを位置合わしてブ
ロック40、40を突き合わせ、突き合わせ部分に形成
された空洞部に溶融ガラスを流入させてブロック40、
40を接合する。この接合作業は、接合用のガラス棒を
前記空洞部に収納し、これを溶融してブロック40、4
0の各部に流し込むことによって行う。
【0043】次に、図8に示す状態で接合したブロック
40、40を図8の鎖線に沿って切り出すとともに、ブ
ロック40、40の媒体対向面側を研摩してゆくことで
図1に示す構造の磁気ヘッドCをブロック40、40か
ら多数同時に製造することができる。
【0044】以上説明した方法を実施して磁気ヘッドD
を製造することで、ブロック40、40から多数の磁気
ヘッドDを同時に製造することができる。また、前記の
方法によれば、図13と図14を基に先に説明したMI
G型の磁気ヘッドBと同様に、ブロックの切出加工工程
と金属磁性薄膜の形成工程とガラス溶着工程と切断工程
を行なうことで磁気ヘッドCを大量に製造できるので、
従来と同様の製造設備で同様の手順で磁気ヘッドDを製
造することができる。従って新規な構造の高性能の磁気
ヘッドDを従来の磁気ヘッドB用の製造設備で製造する
ことができる。なお、前記の方法では、ガラスにより溶
着する工程が一度で済むので溶着工程を2回以上必要と
する図12に示す構造の磁気ヘッドAよりも溶着工程が
少なくなり、製造しやすくなるので低コストで製造でき
るようになる。
【0045】また、得られた磁気ヘッドDにおいて、ハ
ーフコア23の凸部23aは磁気ギャップGに向かって
弓形に突出されているが、この突出部分の形状は、ブロ
ック38に形成する三角山型の突部40の先端部を湾曲
加工する際の曲率によって自由に設定することができ
る。したがってコンター効果を抑制するためのメタル薄
膜24の特殊な形状をブロック40に形成する突部40
の先端部加工により容易に決定することができる。
【0046】ところで、前記実施例においては、メタル
磁性膜24を弓形に湾曲させて形成したが、メタル磁性
膜24が媒体対向面22において円弧状に湾曲されるよ
うに形成されていても良い。また、ハーフコア23、2
3に形成される各メタル磁性膜24は、磁気ギャップG
の中央部分で互いに最接近し、その他の部分では磁気ギ
ャップGから徐々に離間していればコンター効果を抑制
できるので、メタル磁性膜24の湾曲状態は種々の形状
をとることができる。よって、本発明においてメタル磁
性膜24が湾曲しているというのは、平面状の複数のメ
タル磁性膜が、微小角度ずつ傾斜しながら接続されて全
体として湾曲している状態をも含むものとする。
【0047】そして更に、ハーフコアを非磁性体で構成
し、巻線窓の周囲部分に複数のメタル磁性膜24を環状
に形成し、このメタル磁性膜24における最内周の金属
磁性膜30aが媒体対向面に露出されて磁気ギャップが
形成され、この金属磁性膜30aがギャップ表面部から
最深部まで達する厚さに形成されてなることにより、前
記磁気ギャップ部G周辺が磁気テープの摺動によって摩
耗しても、従来構造の磁気ヘッドのように前記磁気ギャ
ップ部Gを形成する金属磁性膜が摩耗及び摩耗変形する
ことにより、層間絶縁層が露出してしまい、結果的に磁
気ギャップ幅が変化してしまうといった不具合を回避す
ることができる。従って、本発明による磁気ヘッドのよ
うに磁気ギャップ幅を一定の値に保つことによって、磁
気記録特性の劣化及びスペーシングロスの発生を回避す
ることが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ーフコアを非磁性体で構成し、巻線窓の周囲部分に複数
のメタル磁性膜を環状に形成し、このメタル磁性膜にお
ける少なくとも1つの金属磁性膜が媒体対向面に露出さ
れて磁気ギャップが形成され、この金属磁性膜がギャッ
プ表面部から最深部まで達する厚さに形成されてなるこ
とにより、前記磁気ギャップ部G周辺が磁気テープの摺
動によって摩耗しても、従来構造の磁気ヘッドのように
前記磁気ギャップ部Gを形成する金属磁性膜が摩耗及び
摩耗変形することにより、層間絶縁層が露出してしま
い、結果的に磁気ギャップ幅が変化してしまうといった
不具合を回避することができる。従って、本発明による
磁気ヘッドのように磁気ギャップ幅を一定の値に保つこ
とによって、磁気記録特性の劣化及びスペーシングロス
の発生を回避することが可能である。
【0049】更に、メタル磁性膜による磁気回路のみで
磁気記録再生ができるので、フェライト部分の存在によ
り高周波対応に限界を生じていた従来のMIG型の磁気
ヘッドよりも有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例の磁気ヘッドの断面図で
ある。
【図2】図2は図1に示す磁気ヘッドの平面図である。
【図3】図3は図1に示す磁気ヘッドの要部拡大図であ
る。
【図4】図4は本発明方法の実施に用いる非磁性体ブロ
ックにV字溝を形成した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は図4に示すV字溝の先端部を加工した状
態を示す側面図である。
【図6】図6は図5に示すブロックに溝部を形成した状
態を示す斜視図である。
【図7】図7は同ブロックに金属磁性膜を積層した状態
を示す正面図である。
【図8】図8は図7に示すブロックを突き合わせた状態
を示す平面図である。
【図9】図9は従来の磁気ヘッドの一構成例を示す斜視
図である。
【図10】図10は図9に示す磁気ヘッドの平面図であ
る。
【図11】図11は図9に示す磁気ヘッドの要部拡大図
である。
【図12】図12は従来の磁気ヘッドの一構造例を示す
斜視図である。
【図13】図13は従来のMIG型の磁気ヘッドの一構
造例を示す斜視図である。
【図14】図14は図13に示す磁気ヘッドの平面図で
ある。
【符号の説明】
D 磁気ヘッド G ギャップ 20 磁気コア半体 21 ガラス部 28 ガラス部 22 媒体対向面 23 ハーフコア 23a 突部 24 メタル磁性膜 25 溝部 25a 底面 25b 内側面 26 巻線窓 27 ギャップ層 30 金属磁性薄膜 30a 最内周の金属磁性薄膜 31 層間絶縁膜 38 ブロック 39 V字溝 40 凸部 41 溝部 45 メタル磁性膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体からなる一対のハーフコアが、
    それらの側部に形成された金属磁性膜及び層間絶縁層か
    らなるメタル磁性膜をギャップ層を介して突き合わせ、
    前記メタル磁性膜どうしの間に磁気ギャップを形成して
    一体化されてなり、前記ハーフコアの側面に隣接するハ
    ーフコアの一面が、媒体対向面にされてなる磁気ヘッド
    において、 ハーフコアの接合部分に巻線窓が形成され、この巻線窓
    の周囲にこれを囲む環状のメタル磁性膜が形成され、メ
    タル磁性膜が複数の金属磁性膜からなり、このメタル磁
    性膜における少なくとも1対の金属磁性膜が媒体対向面
    に露出されて磁気ギャップが形成され、かつ最内周の金
    属磁性膜がギャップ表面部から最深部まで達する厚さに
    形成されてなることを特徴とする磁気ヘッド。
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