JPH0525008A - 植物生長抑制剤 - Google Patents

植物生長抑制剤

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JPH0525008A
JPH0525008A JP20559591A JP20559591A JPH0525008A JP H0525008 A JPH0525008 A JP H0525008A JP 20559591 A JP20559591 A JP 20559591A JP 20559591 A JP20559591 A JP 20559591A JP H0525008 A JPH0525008 A JP H0525008A
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furo
benzopyran
growth
imperatorin
plant growth
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JP20559591A
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Izumi Kawada
泉 川田
Hiroyasu Kumamoto
浩康 隈元
Tomoya Akihama
友也 秋濱
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Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次式(I) 【化1】 〔式中、Rは水素原子,炭素数1〜12のアルキル基ま
たは炭素数3〜12のアルケニル基を示す。〕で表され
る9−置換オキシ−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベ
ンゾピラン−7−オンを有効成分として含有することを
特徴とする植物生長抑制剤。 【効果】 本発明の式(I)で表される化合物を有効成
分とする植物生長抑制剤は、根の生長を抑制することは
少なく、胚軸の生長を主に抑制する。しかも、この化合
物は天然物由来のものであり、従来の化学合成薬剤の様
に不安定でなく、環境汚染を招く可能性も少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物生長抑制剤に関
し、詳しくはミカン科カラタチの植物体もしくは種子よ
り溶剤抽出された抽出物中に含まれ、かつ化学合成が可
能な上式(I)で表される物質を有効成分とする植物生
長抑制剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】果実や穀物の収穫量を低下させることな
く、樹高を低く抑えることは農産物の収穫効率を上げ、
経済的に極めて有利である。この様な目的では従来矮性
台木に継木をすることが一般に行われている。例えば柑
橘をカラタチの台木に継ぐことにより樹高が低くなると
ことは公知である(農林水産技術研究ジャーナル、19
89年、27頁参照)。しかし、このような継木は多大
な労力を要するばかりでなく、継ぎ目より容易に折れる
場合もある。
【0003】一方、柑橘類に広く存在するクマリン類の
うちフラノクマリンに関する植物生長調節作用の例は少
なく、プソラレン(7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベ
ンゾピラン−7−オン)の発芽抑制作用〔ファイトケミ
ストリー(Phytochemistry),6巻、1209頁(196
7年)〕およびベルガプテン(4−メトキシ−7H−フ
ロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オン)の生
長阻害作用〔農芸化学会誌、34巻、498頁(196
0年)〕に例を見るのみである。また、インペラトリン
(9−〔(13−メチル−2−ブテニル)オキシ〕−7
H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オ
ン)およびキサントトキソール(9−ヒドロキシ−7H
−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オン)
に関しては抗変異物質としての作用〔ジャーナル オブ
ナチュラル プロダクツ(J.of Natural Products) 、
51巻、6号、1148頁(1988年)〕は公知であ
るが、植物生長調節作用についての報告はない。
【0004】さらに、合成品による矮化剤としてはパク
ロブトラゾールおよびウニコナゾール活性体〔園芸学会
要旨、60巻、26頁(1985年)〕があるが、化合
物の安定性に問題がある上に、これらを使用した場合に
環境汚染を招く恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な背景から、
通常の植物生長抑制剤と異なり根の生長を抑制すること
なく、地上部の生長のみを抑制し、しかも環境汚染を招
くおそれのない植物生長抑制剤の開発が望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環境汚染
を招く可能性が少なく、生薬等にも使用され、かつ古来
柑橘類の矮性合木として広く用いられているカラタチ(P
onciruo torifoliataL.)中の植物生長抑制物質の探索
を行った結果、レタス発芽種子に対して根の生長を殆ん
ど抑制することなく、胚軸の生長を選択的に抑制する効
果を有する成分が存在することを見出し、本発明を完成
するに致った。
【0007】すなわち、本発明は一般式(I)
【化2】 〔式中、Rは水素原子,炭素数1〜12のアルキル基ま
たは炭素数3〜12のアルケニル基を示す。〕で表され
る9−置換オキシ−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベ
ンゾピラン−7−オンを有効成分として含有することを
特徴とする植物生長抑制剤である。
【0008】上記一般式(I)で表される化合物におい
て、Rが炭素数1〜12のアルキル基である場合の具体
例としては、メチル,エチル,イソプロピル,n−プロ
ピル,n−ブチル,n−ヘキシル,n−オクチル,n−
デシル等があり、炭素数3〜12のアルケニル基である
場合の具体例としては、イソプロペニル,ペンテニル,
ヘキセニル,ゲラニル等が例示される。
【0009】本発明に用いられる化合物のうち、例えば
一般式(I)のうちR=イソペンテニル基で表わされる
インペラトリン(9−〔(3−メチル−2−ブテニル)
オキシ〕−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラ
ン−7−オン)は、カラタチ種子を直接有機溶媒で抽出
してもよいが、収量良く濃縮にするには、50%エタノ
ール抽出物を水に溶解し、有機溶媒で分配抽出すること
により簡単に濃縮することができる。この場合に使用す
る有機溶媒としては、酢酸エチルが好ましいが、ベンゼ
ン,トルエン,ジエチルエーテル,ハロゲン化炭化水
素,n−ブタノールでもよい。得られたインペラトリン
の精製は、有機溶媒層を濃縮後、シリカゲルやアルミナ
等のカラムクロマトグラフィーでヘキサンと酢酸エチル
の混合液により行うことができる。また、セファデック
ス等を用いたゲル濾過クロマトグラフィー,アンバーラ
イト,MIC−ゲル等を用いた吸着クロマトグラフィー
で適当な溶媒を用いても精製することができる。
【0010】また、キサントトキシン(9−メトキシ−
7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オ
ン),キサントトキソール(9−ヒドロキシ−7H−フ
ロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オン)及び
9−置換オキシ−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベン
ゾピラン−7−オンは、以下の方法で得ることができ
る。天然物、例えばRutaceae,Leguminosae,Umbellifera
e 等から単離するか市販のキサントトキシンをキノリン
溶液中2当量のトリメチルシリルヨウ素を加え、反応温
度100℃で反応させて脱メチルしてキサントトキソー
ルを得る。また、このキサントトキソールをジメチルホ
ルムアミド中、2当量の水素化ナトリウムと1〜2当量
のハロゲン化アルキルあるいはハロゲン化アルケニルを
加えて室温下で反応させることにより9−置換オキシ−
7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オ
ンを得ることができる。
【0011】本発明の植物生長抑制剤中の有効成分の配
合割合は、本発明の化合物1重量部に対して界面活性剤
2重量部、水が1000000ないし1000重量部で
あり、例えば界面活性剤のTween 80を2重量部、水を
100000ないし2000重量部の割合で配合するこ
とが好ましい。
【0012】上記化合物を有効成分として含有する本発
明の植物生長抑制剤は、各種の形態で使用することがで
き、例えば各種溶媒,活性剤で希釈し、溶液,水和剤,
ペースト剤,乳剤等として使用しやすい濃度で用いる
他、性状を改善したり、効果を高める目的で種々の界面
活性剤,高分子化合物等を適宜加えて用いたり、適当な
賦形剤,増量剤などと組合せ粉剤,顆粒剤,散布剤等と
して使用することもできる。さらには、他の薬剤、例え
ば植物生長調節剤・殺菌剤・殺虫剤・肥料等を併用する
こともできる。
【0013】本発明の植物生長抑制剤は、対象とする植
物の茎,葉などに直接散布したり、土壌灌注することに
より使用されるが、前者の方が好ましい。なお、本発明
の植物生長抑制剤の効果は、天然物有機化合物実験法、
247頁、講談社、1977年発行に準ずる方法で試験
を行って測定した。
【0014】
【実施例】以下、本発明の植物生長抑制剤の有効成分で
ある前記化合物の単離例,合成製造例,生物試験例,製
剤例について具体的に説明するが、本発明はこれらによ
り限定されるものではない。
【0015】〔単離例〕 カラタチ種子よりインペラトリンの単離 1kgのカラタチ種子を粉砕後、50%エタノール水溶液
3リットル中に2日間浸して抽出し、抽出液を濃縮後、
乾燥して乾物89.8gを得た。これに蒸留水500mlを
加え、酢酸エチル150mlにて3回抽出し、酢酸エチル
層を合せて濃縮後、乾燥して暗赤色の油状物2.42gを
得た。本油状物をシリカゲルカラムにかけ、ヘキサン:
酢酸エチル=1:2の混合溶媒で溶出し、4画分を得、
次いで酢酸エチル:メタノール=9:1の混合溶媒で溶
出し、さらに1画分を得た。これちの内、後述のレタス
発芽種子の生長阻害試験で最も強い生長阻害を示した画
分をジエチルエーテルから再結晶して白色結晶のインペ
ラトリン116mgを単離した。
【0016】以下に、暗赤色油状物(酢酸エチル抽出
物)とインペラトリンの性質を示す。 暗赤色油状物 赤外線吸収スペクトルの吸収ピーク:3456,3140,2930,1
730,1630,1590,1150cm-1 インペラトリン 融点:100 〜103 ℃;1 H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.72ppm(3H,s),1.74(3H,s),5.00(2H,d,J=5.0Hz),5.
61(1H,m),6.36(1H,d,J=9.6Hz),6.81(1H,d,J=2.2Hz),7.3
5(1H,s),7.69(1H,d,J=2.2Hz),7.76(1H,d,J=9.6Hz)
【0017】〔合成例1〕 キサントトキシン(I)からキサントトキソール(II)の
合成
【0018】
【化3】
【0019】窒素気流中、室温下で市販のキサントトキ
シン(I)〔東京化成(株)製、4.50g,20.81m
mol 〕のキノリン(50ml)溶液にトリメチルシリルヨ
ウ素(TMSI)(5. 92ml,41.62m mol)を加えた
後、反応温度100℃で19時間攪拌した。反応油を冷
却後、水300mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽
出し、酢酸エチル層を合せて飽和食塩水100mlで3回
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減
圧濃縮して得られる暗赤色油状物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2〜
2:1)により精製し、キサントトキソール2.0g(収
率48%)を得た。
【0020】以下に、キサントトキソールの性質を示
す。 融点:250 ℃〜254 ℃;1 H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:6.03ppm(1H,s),6.37(1H,d,J=9.6Hz),6.82(1H,d,J=
2.2Hz),7.21(1H,s),7.72(1H,d,J=2.2Hz),7.80(1H,d,J=
9.6Hz).
【0021】〔合成例2〕 キサントトキソール(II)からインペラトリン(III) の合
【0022】
【化4】
【0023】窒素気流中、室温下でキサントトキソール
(II)(2.0g,9.89m mol)に乾燥ジメチルホルムア
ミド80mlを加えて10℃に冷却した。次いで、本溶液
に60%水素化ナトリウム(791mg,19.80m mol)
を加え、25分後に4−ブロモ−3−メチル−2−ブテ
ン(177mg,11.9m mol)を加え、室温下で18時間
攪拌した。反応液に水300mlを加え、酢酸エチル10
0mlで3回抽出し、酢酸エチル層を合せて飽和塩化アン
モニウム水溶液および飽和食塩水にて順次洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮して得
られる結晶(2.05g)を石油エーテル:酢酸エチル=
19:1で洗浄し、インペラトリン(III)(1.89g,
収率71%)を得た。
【0024】〔合成例3〕 キサントトキソール(II)から9−〔(3,7−ジメチル
−2,6−ジオクタジエニル)オキシ〕−7H−フロ
〔3,2−g〕〔I〕ベンゾピラン−7−オンの合成 窒素気流中、室温下でキサントトキソール(II)(50m
g,0.25m mol)に乾燥ジメチルホルムアミド10mlを
加えて10℃に冷却した。次いで、本溶液に60%水素
化ナトリウム(20mg,0.83m mol)を加え、25分後
に1−ブロモ−3,7−ジメチル−2,6−ジオクタジ
エン(臭化ゲラニル,65mg,0.30mmol)を加え、室
温下で18時間攪拌した。
【0025】反応液に水100mlを加え、酢酸エチル1
00mlで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせて飽和塩化
アンモニウム水溶液および飽和食塩水にて順次洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、減圧濃縮し
て得られる反応油をヘキサン:酢酸エチル(25:1)
を展開溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、9−〔(3,7−ジメチル−2,6−ジオ
クタジエニル)オキシ〕−7H−フロ〔3,2−g〕
〔I〕ベンゾピラン−7−オン(45mg,収率54.4
%)を得た。
【0026】以下に本物質の性質を示す。 融点:53℃;1 H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:1.56(3H,S),1.64(3H,S),1.69(3H,S),2.60(4H,brs),
5.01(3H,m),5.60(1H,d,t,J=1.0,7.1Hz),6.36(1H,d,t,J=
9.7Hz),6.81(1H,d,J=2.3Hz),7.36(1H,s)7.68(1H,d,J=2.
3Hz),7.78(1H,d,J=9.7Hz)
【0027】〔合成例4〕 キサントトキソール(II)から9−デシルオキシ−7H−
フロ〔3,2−g〕〔I〕ベンゾピラン−7−オンの合
成 窒素気流中、室温下でキサントトキソール(II)(50m
g,0.25m mol)に乾燥ジメチルホルムアミド10mlを
加えて10℃に冷却した。次いで、本溶液に60%水素
化ナトリウム(20mg,0.83m mol)を加え、25分後
に臭化n−デシル(65mg,0.29m mol)を加え、室温
下で18時間攪拌した。反応液に水100mlを加え、酢
酸エチル100mlで3回抽出し、酢酸エチル層を合わせ
て飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水にて順
次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、
減圧濃縮して得られる反応油をヘキサン:酢酸エチル
(5:1)を展開溶媒に用いたシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し、9−デシルオキシ−7H−フロ
〔3,2−g〕〔I〕ベンゾピラン−7−オン(28m
g,収率33.5%)を得た。
【0028】以下に本物質の性質を示す。1 H-NMR(400MHz,CDCl3) δ:0.87(3H,t,J=6.7Hz),1.19 〜1.40(12H,m),1.52(2H,
m),1.86(2H,m),4.48(2H,t,J=6.7Hz),6.36(1H,d,J=9.7H
z),6.81(1H,d,J=2.3Hz),7.36(1H,s),7.68(1H,d,J=2.3H
z),7.78(1H,d,J=9.7Hz)
【0029】〔生物試験例1〕 カラタチ種子抽出物,分画物,インペラトリン,キサン
トトキシンおよびキサントトキソールのレタス発芽種子
に対する生長抑制試験 シャーレ中に蒸留水で湿らせた濾紙を敷き、レタス種子
(品種:グリーンレーク2B61)を播種し、暗黒下2
6℃で24時間放置して発芽させた。
【0030】各処理区は、被検物質を酢酸エチルに溶解
後、任意の濃度に希釈したものをシャーレ中の濾紙に添
加し、溶媒を揮発させた後に100ppm のTween 80水
溶液を0.9mlずつ加え、上記の発芽種子のうち大きさの
揃った20個体ずつを置床した。暗黒下、26℃で72
時間放置後、根及び胚軸の長さを測定し、各区の生長を
被検物質無添加の対照区と比較した。結果を表1にまと
めた。
【0031】
【表1】
【0032】〔生物試験2〕 インペラトリンのキュウリ発芽種子に対する生長抑制試
験 シャーレ中に蒸留水に湿らせた濾紙を敷き、予め流水中
で2時間吸水させておいたキュウリ種子(品種:あずま
3号)を播種し、暗黒下26℃で24時間放置し発芽さ
せた。各処理区は、インペラトリンを酢酸エチルに溶解
後、任意の濃度に希釈したものをシャーレ中の濾紙に添
加し、溶媒を揮発させた後に、100ppm のTween 80
水溶液を2mlずつ加え、上記の発芽種子のうち大きさの
揃った10個体ずつを置床した。暗黒下,26℃で96
時間放置後、根及び胚軸の長さを測定し、各区の生長を
インペラトリン無添加の対照区と比較した。3回の同上
試験結果の平均値を表2にまとめた。
【0033】
【表2】
【0034】〔生物試験3〕 インペラトリンのイネ発芽種子に対する生長抑制試験 イネ種子(品種:コシヒカリ)は播種する前に、比重1.
05の食塩水で選別した。その後、70%エタノール水
溶液に5分間浸漬し、水道水で3回洗浄し、次いで1%
次亜塩素酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、さらに3
時間流水処理を行った。当該種子を冠水状態で明条件下
26℃に保ち発芽させた。各処理区はインペラトリンを
酢酸エチルに溶解後、任意の濃度に希釈したものをシャ
ーレ中の濾紙に添加し、溶媒を揮発させた後に100pp
m のTween 80水溶液を2mlずつ加えた。その後、幼葉
鞘長が1mmに達した上記発芽種子を各シャーレに10個
体ずつ置床し、明条件下、26℃に保ち、7日目と14
日目の草丈を測定し、各区の生長をインペラトリン無添
加の対照区と比較した。3回の上記試験結果の平均値を
表3にまとめた。
【0035】
【表3】
【0036】〔生物試験4〕生物試験1と同様にインペ
ラトリンの代りに合成例3,合成例4で合成した9−
〔(3,7−ジメチル−2,6−ジオクタジエニル)オ
キシ〕−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン
−7−オンと9−デシルオキシ−7H−フロ〔3,2−
g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オンを用いて、ナス発芽
種子に対する生長抑制を根及び胚軸の長さを測定し、各
区の生長をこれらの無添加の対照区と比較し、3回の試
験結果の平均値を表4にまとめた。
【0037】
【表4】
【0038】〔製剤例〕本発明の植物生長調節剤は、有
効成分である前記式(I)で表される化合物に対し、必
要に応じて適当な担体、場合によっては有効成分に対し
不活性である分散剤または溶剤を添加し、十分に混合及
び摩砕することよりなる従来より公知の方法で製造され
る。なお、有効成分は下記の剤形に製剤化して使用でき
る。
【0039】固体製剤:粉剤,散布剤,顆粒剤(被覆顆
粒剤,含浸顆粒剤及び均質顆粒剤) 水分散性有効成分濃厚物:水和剤,ペースト剤及び乳剤 液体製剤:溶液
【0040】本発明の植物生長調節剤において、有効成
分の濃度は1ないし80重量%が適当であり、他の成分
と組合せて組成物として使用するときは、所望により有
効成分を低濃度、例えば0.01ないし1%まで希釈しう
る。本発明の植物生長調節剤の製造を示すために、液体
製剤の幾つかの例を下記に記載する。
【0041】実施例1 水和剤:下記成分を混合して18%水和剤を製造する。 式Iの有効成分1種 18重量部 タルク 72重量部 ロート油 10重量部 この水和剤を水で希釈することによって、栽培植物の生
長抑制に適する有効成分濃度を有する懸濁液を得る。
【0042】実施例2 乳剤:下記成分を混合して33%乳剤を製造する。 式Iの有効成分1種 33重量部 Tween 80 67重量部 この濃厚物を水で希釈して適当な濃度の乳剤を得る。
【0043】
【発明の効果】本発明の式(I)で表される化合物を有
効成分とする植物生長抑制剤は、根の生長を抑制するこ
とは少なく、胚軸の生長を主に抑制する。しかも、この
化合物は天然物由来のものであり、従来の化学合成薬剤
の様に不安定でなく、環境汚染を招く可能性も少ない。
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】〔生物試験4〕生物試験1と同様にインペ
ラトリンの代りに合成例3,合成例4で合成した9−
〔(3,7−ジメチル−2,6−ジオクタジエニル)オ
キシ〕−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベンゾピラン
−7−オンと9−デシルオキシ−7H−フロ〔3,2−
g〕〔1〕ベンゾピラン−7−オンを用いてレタス発芽
種子に対する生長抑制を根及び胚軸の長さを測定し、各
区の生長をこれらの無添加の対照区と比較し、3回の試
験結果の平均値を表4にまとめた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 次式(I) 【化1】 〔式中、Rは水素原子,炭素数1〜12のアルキル基ま
    たは炭素数3〜12のアルケニル基を示す。〕で表され
    る9−置換オキシ−7H−フロ〔3,2−g〕〔1〕ベ
    ンゾピラン−7−オンを有効成分として含有することを
    特徴とする植物生長抑制剤。
JP20559591A 1991-07-23 1991-07-23 植物生長抑制剤 Pending JPH0525008A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822767B1 (ko) * 2007-03-02 2008-04-18 강원도 탱자나무 추출물을 포함하는 살충용 조성물

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KR100822767B1 (ko) * 2007-03-02 2008-04-18 강원도 탱자나무 추출물을 포함하는 살충용 조성물

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