JPH0524994U - 複合真空ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転数低下及び発熱を生じなくて，正常な運
転を行うことができる。また回転体の強度低下を防止で
きて，長期間の使用を可能にする。 【構成】 セラミツクスよりなる回転体（回転円板１
ａ，１ｂと回転軸３）をガスタービン５´により高速回
転させて，処理ガスを吸気口８から吸気し，ハウジング
７内の遠心圧縮ポンプ段Ａ及びジグバーンポンプ段Ｂに
より圧縮して，排気口９から排気する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，真空排気に適用する複合真空ポンプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の複合真空ポンプを図３により説明すると，０１ａが羽根車付回転円板， ０１ｂが回転円板，０２ａが固定円板，０２ｂがねじ溝付固定円板，０３が上記 回転円板０１ａ，０１ｂに一体の回転軸，０４が同回転軸０３を回転可能に支持 するボールベアリング，０５が上記回転軸０３に取付けたモータロータ，０７が ハウジング，０６が同ハウジング０７に取付けたモータステータ，０８が吸気口 ，０９が排気口で，回転体（回転円板０１ａ，０１ｂと回転軸０３とモータロー タ０５）が一般金属材料により構成されている。

【０００３】 Ａが遠心圧縮ポンプ段で，この遠心圧縮ポンプ段Ａが羽根車付回転円板０１ａ と固定円板０２ａとにより構成されている。 Ｂがジグバーンポンプ段で，このジグバーンポンプ段Ｂが回転円板０１ｂとね じ溝付固定円板０２ｂとにより構成されている。 上記図３に示す複合真空ポンプでは，回転円板０１ａ，０１ｂと回転軸０３と をモータロータ０５及びモータステータ０６により高速回転させて，処理ガスを 吸気口０８から吸気し，ハウジング０７内の遠心圧縮ポンプ段Ａ及びジグバーン ポンプ段Ｂにより圧縮して，排気口０９から排気する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記図３に示す複合真空ポンプを磁場閉込式核融合炉等の強磁場中で使用する 場合，複合真空ポンプには，数百〜数千ガウスの磁場が加わるが，複合真空ポン プの回転体（回転円板０１ａ，０１ｂと回転軸０３とモータロータ０５）は，一 般金属材料により構成されている上に，電気モータ（モータロータ０５及びモー タステータ０６）により駆動されるため，上記磁場により渦電流が発生して，回 転数の低下及び発熱が生じて，正常な運転が不可能になる。

【０００５】 また燃料ガスとして使用される放射性のトリチウム及び炉心プラズマによる高 温ガスを排気する必要があるが，回転体が一般金属材料により構成されているの で，これら高温ガスにより回転体の強度が早期に低下して，長期間の使用に耐え られなくなるという問題があった。 本考案は前記の問題点に鑑み提案するものであり，その目的とする処は，回転 数低下及び発熱を生じなくて，正常な運転を行うことができる。また回転体の強 度低下を防止できて，長期間の使用を可能にする複合真空ポンプを提供しようと する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために，本考案は，吸気口と排気口とを有するハウジン グ内に，静翼と動翼とからなる軸流分子ポンプ段と，固定円板と羽根付回転円板 とからなる遠心圧縮ポンプ段と，ねじ溝付固定円板または回転円板からなるジグ バーンポンプ段とを設けた複合真空ポンプにおいて，回転体をセラミツクスによ り構成し，同回転体を前記ハウジングに非接触の気体軸受を介して回転可能に支 持し，同回転体にガスタービンを設けている。

【０００７】

【作用】

本考案の複合真空ポンプは前記のように構成されており，非接触の気体軸受に より回転軸を含むセラミツクス製回転体をガスタービンにより高速回転させ，吸 気口から流入した処理ガスを遠心圧縮ポンプ段及びジグバーンポンプ段により圧 縮し，排気口から排気する。

【０００８】

【実施例】

次に本考案の複合真空ポンプを図１に示す第１実施例により説明すると，１ａ が羽根車付回転円板，１ｂが回転円板，２ａが固定円板，２ｂがねじ溝付固定円 板，３が上記回転円板１ａ，１ｂに一体の回転軸で，回転体（回転円板１ａ，１ ｂと回転軸３）がセラミツクスにより構成されている。

【０００９】 ４が上記回転軸３を回転可能に支持するラジアル気体軸受，１０がスラスト気 体軸受で，上記同回転体がこれらのラジアル気体軸受４とスラスト気体軸受１０ とにより回転可能に支持されている。 ５’が上記回転軸３に取付けたガスタービン，７がハウジング，８が吸気口， ９が排気口，１１及び１４がラジアル気体軸受４及びスラスト気体軸受１０の給 気口，１２がガスタービン５’への給気口，１３がガスタービン５’からの排気 口である。

【００１０】 またＡが遠心圧縮ポンプ段で，この遠心圧縮ポンプ段Ａが羽根車付回転円板１ ａと固定円板２ａとにより構成されている。 またＢがジグバーンポンプ段で，このジグバーンポンプ段Ｂが回転円板１ｂと ねじ溝付固定円板２ｂとにより構成されている。 次に前記図１に示す複合真空ポンプの作用を具体的に説明する。セラミツクス よりなる回転体（回転円板１ａ，１ｂと回転軸３）をガスタービン５´により高 速回転させて，処理ガスを吸気口８から吸気し，ハウジング７内の遠心圧縮ポン プ段Ａ及びジグバーンポンプ段Ｂにより圧縮して，排気口９から排気する。

【００１１】 次に本考案の複合真空ポンプを図２に示す第２実施例により説明すると，この 実施例が第１実施例と異なる点は，ハウジング７の下部内に設けたスラスト気体 軸受１０をハウジング７の上下中間部内に設けている点である。このようにスラ スト気体軸受１０の取付位置を変更したのは，高速回転による回転軸３の風損， 圧縮仕事及び高温ガス等による回転体の発熱に起因する，各ポンプ段における回 転体の熱膨張変形量を低減するためである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の複合真空ポンプは前記のように非接触の気体軸受により回転軸を含む セラミツクス製回転体をガスタービンにより高速回転させ，吸気口から流入した 処理ガスを遠心圧縮ポンプ段及びジグバーンポンプ段により圧縮し，排気口から 排気するが，回転体を高電気抵抗材であるセラミツクスにより構成し，駆動源に ガスタービンを使用しているので，磁場による渦電流を発生させることがなく， 回転数低下及び発熱を生じなくて，正常運転を行うことができる。

【００１３】 また回転体を構成するセラミツクスは，耐食性，耐熱性に優れており，回転体 の強度低下を防止できて，長期間の使用を可能にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の複合真空ポンプの第１実施例を示す縦
断側面図である。

【図２】同複合真空ポンプの第２実施例を示す縦断側面
図である。

【図３】従来の複合真空ポンプを示す縦断側面図であ
る。

【符号の説明】 １ａ 羽根車付回転円板 １ｂ 回転円板 ２ａ 固定円板 ２ｂ ねじ溝付固定円板 ３ 回転軸 ４ ラジアル気体軸受 ５’ ガスタービン ７ ハウジング ８ 吸気口 ９ 排気口 １０ スラスト気体軸受 １１ ラジアル気体軸受４及び スラスト気体軸受１０への給気口 １２ ガスタービン５’への給気口 １３ ガスタービン５’からの排気口 １４ ラジアル気体軸受４への給気口 Ａ 遠心圧縮ポンプ段 Ｂ ジグバーンポンプ段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡村 知明 広島県広島市西区観音新町四丁目６番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)考案者 秦 聰 広島県広島市西区観音新町四丁目６番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気口と排気口とを有するハウジング内
   に，静翼と動翼とからなる軸流分子ポンプ段と，固定円
   板と羽根付回転円板とからなる遠心圧縮ポンプ段と，ね
   じ溝付固定円板または回転円板からなるジグバーンポン
   プ段とを設けた複合真空ポンプにおいて，回転体をセラ
   ミツクスにより構成し，同回転体を前記ハウジングに非
   接触の気体軸受を介して回転可能に支持し，同回転体に
   ガスタービンを設けたことを特徴とする複合真空ポン
   プ。