JPH05249505A - 光学素子用分散体およびこれを使用する光学素子とその駆動方法 - Google Patents

光学素子用分散体およびこれを使用する光学素子とその駆動方法

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JPH05249505A
JPH05249505A JP4084975A JP8497592A JPH05249505A JP H05249505 A JPH05249505 A JP H05249505A JP 4084975 A JP4084975 A JP 4084975A JP 8497592 A JP8497592 A JP 8497592A JP H05249505 A JPH05249505 A JP H05249505A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学素子において、溶媒中に分散させた粒
子が電極表面に凝集するのを防止する。 【構成】 電極に電圧を印加して光の透過率や反射率
を制御する光学素子のセルに封入または挟み込む光学素
子用分散体において、その分散体が懸濁液であって、か
つその水分量が重量分率で1200ppm以下である。 【効果】 電極表面に粒子が付着するなどして、粒子
が不可逆的に凝集するのを防止し、長期間にわたり安定
した性能を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光弁や表示装置、調
光ウインドー等に用いられる光学素子に関するものであ
り、特に電圧を印加することによって光の透過率や反射
率を制御する素子およびこの素子の駆動方法ならびにこ
の素子に用いる分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方性粒子を媒質中に分散させ、これに
交流電圧を印加して粒子の配向を変えることによって光
の透過率や、反射率を制御する光学素子(コロイダル光
弁と呼ばれている)については、その原理は古くから知
られている(例えば、米国特許第1,955,923号
明細書参照)。この光学素子1は、典型的には図1に示
すように、2枚の対向する透明な壁(支持体2)をシー
ル材3で接合することによって構成されるセル4内に、
異方性粒子5を分散媒6に分散させた懸濁液7を封入
し、セル4壁の内面に設けられた透明電極8を介して電
源9から交流電圧を印加して、異方性粒子5の配向を変
えるものである。この際、少なくとも一方の電極とセル
壁とは透明であることが必要であり、透明電極としては
通常、酸化物導電体が用いられている。
【0003】このような光学素子においては、電圧が印
加されていないときは粒子がランダムな方向に分布して
おり、電圧が印加されると電界方向に粒子が配向して光
が透過し易くなることを利用している。また、透過率の
みならず反射率や屈折率も変化するので、反射ミラーと
しての応用もある。一方、コロイダル光弁と極めて類似
の光学素子に、電気泳動表示素子と呼ばれているものが
ある。電気泳動表示素子と上記の光学素子との違いは、
主として粒子形状と電圧にある。つまり、電気泳動表示
素子では、球形粒子を分散させた懸濁液をセルに注入し
て直流電圧を印加し、電気泳動現象を利用して粒子を一
方の電極に引き寄せた場合の屈折率の変化を利用して表
示を行うものである。この粒子の形状は特に問わない
が、一般的には球形粒子あるいは等方性粒子が用いられ
る。また、粒子が着色していない場合には、溶媒に色材
を添加するのが普通である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の光学
素子に電圧を長時間印加したり、ON−OFFを繰り返
したり、あるいは陽極と陰極との間でスイッチングを繰
り返すと電極に粒子が付着して斑点模様の凝集が起こ
る。この凝集は非可逆的なものであり、一度発生すると
光制御性能が著しく低下する。このような凝集現象は、
両光学素子に共通した問題である。両素子における粒子
の運動の様相は異なるから、細部においては凝集の機構
は異なるであろうが、いずれも粒子が電極と衝突して付
着するという点では基本的に同一の現象である。これま
での種々の凝集改善策も、概ね共通の技術思想に基づい
ている。例えば、電極をコーティングする方法(例え
ば、特開昭59−171931号参照)、電極の背面に
圧電素子を取り付けて電極を振動させる方法(例えば、
特開昭56−66830号参照)、高周波電圧を印加す
る方法(例えば、特開昭46−4464号)、分散剤と
してコポリマーを用いる方法(例えば、特公昭62−4
0389号、特開昭62−232623号参照)などが
開示されている。
【0005】ここで、本発明が対象とする粒子分散型光
学素子、特にその懸濁液について一般的な内容を説明す
る。粒子分散型光学素子は、粒子を分散させた懸濁液に
直流または交流電圧を印加して粒子を運動させ、何等か
の形で分散状態に変化を起こして、光透過率や屈折率な
どの光学的な機能を変化させることがその特徴である。
したがって、懸濁液には一般的に次のような性質が要求
される。 (1)電気的に絶縁性であること (2)粒子と溶媒の誘電率に差があること (3)粒子が自由に運動できる程度に粘度が低いこと。 (4)粒子が長期間安定に分散していること。 (5)温度や紫外線などの外的な刺激によって変化を起こ
さないこと。 (6)粒子は可視光の波長より大きいこと。 (7)溶媒の揮発性が小さいこと。 これらの要求を満たすために、溶媒としてはキシレン、
シリコーン、脂肪族オイル、エステル、ハロゲン化樹脂
などの非水溶媒が用いられるのが一般的である。溶媒の
種類を具体的に選定するに当たっては、上記の性質以外
にも粒子の比重とのバランスなどの物理的性質や極性な
どの化学的性質に加えて経済性を考慮する必要がある。
粒子を安定的に分散させるために分散剤を用いるが、分
散剤としては界面活性剤や高分子がよく使われる。高分
子としてはホモポリマーおよびコポリマーのいずれも使
用されている。分散剤がその機能を発揮するためには溶
媒に溶解するとともに、粒子に強く吸着することが必要
である。分散安定性は粒子間の靜電的な反発力や高分子
による立体障害によって保たれるが、このためには具体
的な粒子と溶媒の組合せに応じて、特定の分散剤を選定
する必要がある。
【0006】現実の懸濁液においては、電気抵抗や粘度
あるいは高分子の溶解度の調整のために、溶媒は複数の
溶媒の混合液であることが多い。このような状況におい
ては、懸濁液の組成を決定する理論的根拠は極めて薄弱
であり、経験や試行錯誤に基づいて決定される場合がほ
とんどである。このような懸濁液に電圧を印加した場合
に電極に斑点模様ができる理由については、詳細には分
かっていないが、概ね次のように理解されている。直流
であれ交流であれ、電圧を印加すると粒子は電界方向に
運動し電極と衝突する。粒子と電極との間には、一定の
付着力があるから、衝突を繰り返しているうちに逆方向
の電圧によっても電極から離脱できなくなって、凝集へ
と発達する。分散剤は粒子表面だけではなく電極にも吸
着しているから、粒子が電極に付着するためには分散剤
同士の間の斥力に打ち勝って衝突しなければならない。
【0007】上に引用したこれまでの凝集改善に関する
発明は全てこのような観点からなされたものである。電
極の付着力は電極材料の極性を低下させることによって
達成されるから、電極表面を非極性物質で覆うようにす
る方法が例えば、特開昭59−171931号に開示さ
れている。また、分解能の高い分散剤の使用に関する特
許には、特公昭62−40389号や特開昭62−23
2623号などがある。また粒子自体を有機物でコーテ
ィングする方法についても特開昭62−183439号
に開示されている。さらに粒子の運動距離を低減して電
極への衝突回数を減らす目的で高周波を印加する方法に
ついても特開昭46−4464号に開示されている。し
かしながら、これらの方法はいずれも一定の効果は認め
られるものの、実用的な性能を実現するには至っておら
ず、これらの方法を利用した光学素子は未だに実用化さ
れていない。本発明は上記事情を背景としてなされたも
のであり、粒子の凝集防止効果が有効に得られる手段を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は上記し
た従来の方法とは全く別な技術的観点からなされたもの
である。既に述べたように懸濁液は非水系であるのが一
般的である。しかしながら、溶媒を始め懸濁液を構成す
る物質は完全に非吸水性ではないので、懸濁液の原料に
は吸湿によって幾分かの水分が含まれている。また、原
料ではないが、懸濁液製造工程に使用される種々の試薬
類にも水分が含まれている。これらの理由から懸濁液中
に僅かな水分(例えば1400〜1800ppm程度)
が残存する場合がほとんどである。発明者らは、凝集の
解決手段を見いだすべく鋭意、研究を行った結果、懸濁
液中に存在する僅かな水分に着目し、これが粒子の凝集
に影響を与えるのではないかと考え、本発明を行うに至
った。非水系懸濁液において微量の水分がどのような機
構によって凝集に影響を与えるのか明らかではないが、
概ね次のように考えられる。水分子は、粒子表面の官能
基や分散剤分子の官能基と結合した状態で存在するの
で、結果的にはこれらの官能基の反応性を変化させるこ
とになる。また、電極表面にも吸着して薄い水分子の膜
を形成する。このような状態では、良好な分散を実現す
るためには必要な粒子、溶媒、分散剤の相互の極性のバ
ランスが崩れてしまうので、凝集が起こり易くなってい
る。
【0009】より具体的に説明すると、例えば高分子分
散剤の官能基に水が吸着することによって高分子の枝が
相互に絡まり易くなったりする。また、電極表面に水の
膜ができるので、粒子の付着力が増大する。粒子表面に
水が吸着していると、一層、粒子は電極に付着し易くな
る。これらの結果、粒子が電極に凝集し易くなるのであ
る。そこで、本発明者らは、粒子分散型光学素子に用い
る懸濁液に含まれる水分を実用的な範囲で極力低減し、
粒子の凝集を解決しようとした。さらに、発明者らは、
種々の実験を通して懸濁液中の水分量を重量分率で12
00ppm以下(好適には800ppm)にすることに
よって凝集を実用的に解決できることを突き止め、本発
明を完成するに至ったものである。
【0010】後述する実施例に見られるように、水分の
除去は極めて有効であり、かつ上に引用した種々の凝集
対策と自由に組み合わせて一層効果的な凝集改善法とす
ることができる。例えば、高周波駆動や電極の疎水処理
と組み合わせると、大幅な改善効果が実現できる。特に
高周波による駆動方法と組み合わせると極めて有効であ
る。特開昭46−4464号の詳細説明には、300k
Hz以上の高周波を印加することによって凝集を防止で
きると述べられているが、本発明の場合には、100H
z以上、2000Hz以下(好適には約1kHz)とい
うはるかに低周波の交流電圧を印加するだけで実用的に
は十分な耐凝集性が実現できる。100Hz以上の高周
波ならば凝集を防止できるが、高周波にすればするほ
ど、素子の消費電力が増大すること、かつそのために素
子が発熱すること、等の欠点を生じるため、実用的には
2000Hz程度におさえることが望ましい。懸濁液の
水分量を低減するためには、原料中の水分を低減するこ
とはもとより、懸濁液作製の一連の工程において水分を
除外するように配慮することが必要である。しかし、本
発明は、これらの個別の低減手段を限定するものではな
く、最終的に懸濁液の水分量を一定値以下に低減させる
あらゆる方法を包含するものである。すなわち、本願発
明は、その手段に拘らず電圧を印加して光透過率や屈折
率を制御する光学素子全般に使用するための、水分量が
重量分率で1200ppm以下の非水分散体およびこの
分散体を用いた光学素子とその駆動方法とに関する。
【0011】ところで、以上においては懸濁液を直接セ
ルに封入した素子について本発明の効果を説明した。し
かしながら、本発明の実施態様は、このような構造の素
子に制限されるものではない。液体である懸濁液を直接
封入するには、圧力調整など種々の不都合がある。この
ような点を避けるために、懸濁液をポリマーなどの支持
体に分散させたり、支持体で包み込んだ分散体を2枚の
ガラスで挟み込むという製造法を採用することもでき
る。特に、前者については、マイクロカプセル法や重合
法などの当業者には公知の方法(例えば、特開平2−2
34541号、特開昭63−303325号、特開平3
−18831号参照)を採用することができる。また、
支持体が繊維体や多孔質体であり、これに懸濁液を含浸
させた分散体を使用することも可能である。このような
場合、懸濁液中の粒子は電極とは衝突しないが、支持体
と衝突することになる。しかし、電圧が印加された場合
に粒子がその周囲の壁に衝突して付着するという現象は
粒子分散型光学素子における粒子の凝集に共通のもので
あり、これを防止するために懸濁液の水分を低下させる
ことは本発明の実施態様の1つに過ぎない。また、支持
体を構成する方法や材質の選択は本発明においては上の
例に制限されない。
【0012】
【作用】すなわち、本願発明によれば、懸濁液中の水分
を極力低減するため、粒子、溶媒、分散剤の相互の極性
のバランスが良好に保たれ、また、粒子の付着力を増大
させないので、粒子の凝集が極めて有効に防止される。
さらに、本発明の効果は凝集の防止にとどまらない。懸
濁液は大別して無機粒子を分散させたものと有機粒子を
分散させたものとに分けることができるが、特に後者の
場合には、熱や紫外線などによって懸濁液の構成物質が
変質したり互いに反応したりして、懸濁液が劣化するこ
とが多い。前者の場合であっても溶媒と分散剤とが反応
したりすることがある。変質や反応の中でも重要なもの
に酸化反応に関係するものが多い。懸濁液中に水分が残
留しているということは酸素源が存在していることを意
味している。例えば、紫外線による劣化は紫外線による
酸化反応の促進と捉えることができるから、水分の除去
によって懸濁液の耐紫外線性が向上する。実施例にも述
べるように、実際、本発明の懸濁液は従来の懸濁液に比
較して5倍以上の寿命を示している。また、耐熱性につ
いても同様の効果が認められる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)コロイダル光弁について、表1のA〜Eの
5種の懸濁液を用いて、粒子の凝集に及ぼす水分量の影
響を調べた。表1の懸濁液の組成は、いずれも懸濁液1
00g中のg重量成分として表示してある。ただし、溶
媒の量は100g中の残量である。水分量は、溶媒を始
め懸濁液の主要な構成物質について加湿処理または脱水
処理を行って調整し、その含有量は懸濁液をカールフィ
ッシャー法によって測定した。これらの懸濁液をITO
をスパッタしたガラスで構成してある間隙0.1mmの
セルに注入した。100V、1kHzの交流電圧を印加
して、5秒間隔でON−OFFを繰り返した。凝集の程
度を表す指数を予め決定しておき、これと同一の凝集状
態となった繰り返し数を記録した。但し、試験は20万
回の繰り返し数で打ち切った。凝集試験の結果を図2に
示す。いずれの懸濁液も水分が1200ppm(重量分
率)以下になると凝集までの繰り返し数が急速に増加
し、脱水処理の効果が明らかである。水分量は好適には
800ppm以下にするのが望ましい。
【0014】
【表1】
【0015】(実施例2)コロイダル光弁について、交
流電圧の周波数の影響を調べた。使用した懸濁液は実施
例1のA〜Cの3種であり、交流の周波数を50Hz〜
1kHzに変化させたことを除いては、実施例1と同様
に試験した。試験結果は表2に示す。水分量が1300
ppm以上では周波数の影響は顕著ではないが、120
0ppm以下では周波数が高くなるにつれて凝集までの
時間が急速に増大して、凝集防止効果が向上しているこ
とがわかる。つまり、水分量と周波数との間には相乗的
効果がある。水分1200ppm以下の懸濁液に100
Hz以上の周波数の交流電圧を印加すると、20万回と
いう実用的に満足すべき耐凝集性が達成される。
【0016】
【表2】
【0017】(実施例3)コロイダル光弁について、電
極の撥水処理の影響を調べた。使用した懸濁液は、実施
例1のC〜Eの3種であり、電極が予め樹脂コートされ
ていることを除いては実施例1と同様に試験した。撥水
処理はセルの組立に先立って行い、ITO表面をフッ素
樹脂(X社製、モディバーF100)またはシロキサン
系樹脂(オルガノ製、RAIN X)をコートして乾い
た布で軽く擦って過剰な樹脂を除去した。試験結果を表
3に示す。水分が1300ppmを超えると撥水処理の
効果は明らかではないが、1300ppm以下では顕著
である。つまり、撥水処理した電極の場合には水分が1
300ppm以下であれば実用性のある光弁となるが、
本発明では工業的安定性を考慮して1200ppm以下
と規定しているのである。
【0018】
【表3】
【0019】(実施例4)次に、電気泳動素子につい
て、表4のF〜Hの3種の懸濁液を用いて粒子の凝集に
及ぼす水分量の影響を調べた。懸濁液の組成はいずれも
懸濁液100g中のg重量成分として表示してある。な
お、懸濁液FとGには着色剤としてアントラキノン0.
1gが添加されている。水分量は溶媒を始め懸濁液の主
要な構成物質について加湿処理または脱水処理を行って
調整し、その含有量は懸濁液をカールフィッシャー法に
よって測定した。これらの懸濁液をITOをスパッタし
たガラスで構成してある間隙0.1mmのセルに注入し
て、10Vの直流電圧を印加して、1秒間隔で電圧印加
方向を変化させた。凝集の程度を表す指数を予め決定し
ておき、これと同一の凝集状態となった繰り返し数を記
録した。但し、試験は10万回で打ち切った。凝集試験
の結果を表5に示す。いずれの懸濁液も水分が1300
ppm(重量分率)以下になると凝集までの繰り返し数
が大幅に増加し、脱水処理の効果が明らかである。水分
量は好適には800ppm以下にするのが望ましい。
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】(実施例5)電気泳動素子について、実施
例4のF〜Hの懸濁液を用いて粒子の凝集に及ぼす電極
の撥水処理の影響を調べた。撥水処理の方法は実施例3
と同じである。撥水処理を除いては、実施例4と同様の
方法で凝集試験を行った。結果を表6に示す。いずれの
懸濁液も水分が1300ppm以上では撥水処理の効果
がないが、1200ppm以下になると脱水処理の効果
が明らかである。つまり、撥水処理と水分との間には相
乗的な影響がある。
【0023】
【表6】
【0024】(実施例6)表1の懸濁液Aを前出のセル
に注入し、キセノンランプで紫外線を照射した。セル表
面での紫外線照射量(波長範囲330〜390nm)は
8W/m2に調整されており、雰囲気温度は40℃に保
たれる構造の紫外線照射装置を用いた。定期的にセルを
検査して、変色の有無を観察した。通常は青色の懸濁液
が茶色に変色した時間を記録し、その時点で試験を打ち
切った。試験結果を表7に示す。水分が1200ppm
以下になると、耐紫外線性が大幅に改善されていること
が分かる。つまり、水分の低減は凝集のみならず、懸濁
液の耐紫外線性をも改善する。
【0025】
【表7】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の光学素
子用分散体によれば、懸濁液の水分を極力低減するもの
としたので、粒子の凝集が有効に防止され、さらに、懸
濁液の劣化が防止される。この分散体を用いて光学素子
を構成することにより、粒子の凝集、懸濁液の劣化が防
止され、長期間にわたり性能が劣化しない光学素子を得
ることができる。また、この光学素子を100Hz以上
の高周波電圧で駆動すると、耐凝集性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、異方性粒子分散型光学素子の代表的構
造を示す断面図である。
【図2】図2は、コロイダル光弁の凝集に及ぼす懸濁液
中の水分の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光学素子 4 セル 5 異方性粒子 6 分散媒 7 懸濁液 8 透明電極
フロントページの続き (72)発明者 真下 徹 千葉県四街道市鷹の台1丁目3番 株式会 社日本製鋼所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体に粒子を分散させて、電極に電圧を
    印加して光の透過率や反射率を制御する光学素子のセル
    に封入または挟み込む光学素子用分散体において、その
    分散体が懸濁液であって、かつその水分量が重量分率で
    1200ppm以下であることを特徴とする光学素子用
    分散体
  2. 【請求項2】 懸濁液の溶媒の主成分がハロゲン化樹
    脂、脂肪族オイル、エステルの1種以上からなる非水溶
    媒であることを特徴とする請求項1記載の光学素子用分
    散体
  3. 【請求項3】 懸濁液に分散剤として界面活性剤および
    高分子の1種以上を含むことを特徴とする請求項1また
    は2記載の光学素子用分散体
  4. 【請求項4】 分散体が懸濁液と支持体とからなり、懸
    濁液が支持体中に分散または包み込まれていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子用分
    散体
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光学素
    子用分散体をセルに封入または挟み込んだことを特徴と
    する光学素子
  6. 【請求項6】 セルの電極表面が疎水性物質で覆われて
    いることを特徴とする請求項5に記載の光学素子
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載の光学素子を1
    00Hz以上、2000Hz以下の高周波電圧で駆動さ
    せることを特徴とする光学素子の駆動方法
JP4084975A 1992-03-09 1992-03-09 光学素子用分散体およびこれを使用する光学素子とその駆動方法 Expired - Lifetime JP2515665B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011053017A3 (ko) * 2009-11-02 2011-09-09 전자부품연구원 전자종이용 기판 유닛

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WO2011053017A3 (ko) * 2009-11-02 2011-09-09 전자부품연구원 전자종이용 기판 유닛

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