JP3339266B2 - 可変式赤外線フィルター - Google Patents

可変式赤外線フィルター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線のうち、特
に近赤外線を遮断でき、しかも近赤外線の透過率(即
ち、遮断率)を、印加する電界の強さ(電界強度)によ
って変化させることが可能な可変式の近赤外線フィルタ
ーに関する。
【0002】本発明の近赤外線フィルターは、例えば窓
ガラスなどに使用すれば、太陽光の熱線カット用とし
て、季節、天候、昼夜等の条件に応じて窓ガラスから透
過させる太陽光量を任意に、かつ要すれば自動的に調整
することができ、冷暖房のエネルギー量を節約すること
ができる。
【0003】
【従来の技術】光に関する可変式フィルターとしては、
液晶を用いた可視光の光シャッターが知られている。こ
れは印加する電界の強さによって光の透過方向の捩じれ
を制御し、この捩じれが大きいほど光の透過率が小さく
なる現象を利用して、透過する光量を調整するものであ
る。しかし、このような光シャッターは赤外線に対して
は遮断機能を示さない。
【0004】一方、従来の赤外線フィルター (可視光を
透過させ、赤外線を遮断するフィルター) はいずれも固
定式、即ち、赤外線の遮断率または透過率を変化させる
ことができない不可逆的なものであった。このような固
定式の赤外線フィルターには種々あり、例えば、金属ま
たはITO(錫ドープ酸化インジウム) の薄膜をガラス
等の透明体に蒸着もしくはスパッタしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
線フィルター、特に従来は存在していなかった、近赤外
線の透過率を変化させることができる可変式の赤外線フ
ィルターを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来より透
明導電粉として利用されてきたITO微粉末が、可視光
には透明である (可視光を透過させる) が、波長が近赤
外域で一定以上になると光を吸収し、従って近赤外線の
遮断作用を有することを見出し、この知見に基づいて先
にITO粉末からなる近赤外線カットオフ材を提案した
(特開平7−69632 号公報参照) 。
【0007】可視光に対しては透明で、近赤外線を含む
赤外線に対しては高い遮断効果を示すITO微粉末を利
用して上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、ITO
微粉末を絶縁性液体中に分散させた分散液からなる流体
が示す電気粘性流体と同様の挙動を利用して、上記目的
を達成することができることを見出し、本発明に到達し
た。
【0008】ここに、本発明は、広義には電界強度によ
り近赤外線の透過率を変化させることができる可変式赤
外線フィルターである。前述したように、かかる可変式
のフィルターは、赤外線フィルターに関しては新規であ
る。
【0009】本発明の可変式赤外線フィルターは、相対
する2枚の透明電極板からなるセルと、このセル内に充
填された、近赤外線遮断能を有するITO微粉末を透明
な絶縁性液体中に分散させた分散液とから構成すること
ができる。このITO微粉末は、好ましくは透明な絶縁
体で被覆されている。
【0010】本発明において、「近赤外線」とは、波長
約2.5 μm (25,000 nm)以下の赤外線を意味する。
【0011】
【作用】本発明の赤外線フィルターの作用について以下
に説明する。なお、以下の作用に関する説明は推測を含
んでおり、本発明がこの説明により何らかの制限を受け
るものではない。
【0012】近赤外線遮断能を有するITO微粉末を透
明な絶縁性液体中に分散させた分散液からなる流体は、
図1(a) に示すように、電界を印加しない (電圧オフ)
状態では、ITO微粉末が流体中で均一に (ランダム)
に分布している。この状態では、ITO微粉末の分散量
がある程度以上であれば、入射した光線はほぼ必ずIT
O粒子と衝突することになる。ITO粒子と衝突した可
視光線はITO粒子を透過するが、近赤外線を含む赤外
線はITO粒子を透過できない (ITO粒子に吸収され
る) ため、赤外線が遮断される。即ち、電界強度が0で
は、この流体は可視光に対しては透明で、近赤外線を含
む赤外線を遮断する。
【0013】ところが、この流体に電界を印加した電圧
オン状態では、図1(b) に示すように、各ITO粒子が
分極して粒子同士が引き付けあい、電極間に鎖状に整列
する。即ち、ITO粒子が列状に凝集して、不均一に存
在するようになる。その結果、厚み方向にITO粒子が
存在しない空間ができ、入射光の一部はITO粒子と衝
突せずに流体の分散媒 (絶縁性液体) を通って透過する
ことが可能となる。絶縁性液体は可視光線と赤外線をい
ずれも透過することができるので、赤外線も遮断されず
に流体を透過するようになる。
【0014】そして、この整列 (凝集) 状態の程度を、
この流体に印加する電界の強さ (電界強度、即ち、印加
電圧) に応じて変化させることができ、それによって近
赤外線の遮断率 (透過率) が変化するので、電界強度に
よって近赤外線の透過率を変化させる (制御する) こと
ができる。
【0015】なお、電気粘性流体では、上記のような流
体に電界を印加して図1(b) に示すように粒子が鎖状に
整列すると、粒子が動きにくくなって、流体の見かけ上
の粘度が急に増大する。そのため、電気粘性流体と呼ば
れる。しかし、電気粘性流体と同様に電界を印加させて
粒子を整列させる現象を利用して、近赤外線の透過率ま
たは遮断率を制御することはこれまで知られておらず、
本発明による新規な着想である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の赤外線フィルター
の構成について具体的に説明する。電界の印加を可能に
するため、上記流体を、相対する2枚の透明電極板から
なるセル内に充填する。この透明電極板は、従来より液
晶セルその他に使用されているもの同様のものでよく、
例えば、ガラス板あるいは透明樹脂板 (例、アクリル
板、ポリカーボネート板) の両面に透明導電膜を形成し
たものを利用することができる。この透明電極板を、適
当な間隔 (周囲に配置したスペーサーの厚みにより調
整) で相対させて、セルを構成する。この間隔は、流体
中のITO微粉末の濃度、分散媒である絶縁性液体の種
類などの条件によっても異なるが、通常は10〜100 μm
の範囲が好ましい。
【0017】透明電極板に用いる透明導電膜は、スパッ
タ膜、蒸着膜、導電性塗料を塗布したものなど何れの方
法で形成したものでもよいが、導電膜自体に近赤外線遮
断性がないことが必要である。透明導電膜として好まし
い材料は、ITO (一般にスパッタ法または蒸着法で形
成したITO薄膜は近赤外線遮断能を示さない) 、AT
O (アンチモンドープ酸化錫) 、AZO (アルミニウム
ドープ酸化亜鉛) などである。透明導電膜に要求される
導電性のレベルは、表面抵抗値で 104〜106 Ω/□程度
でよい。
【0018】セルに充填する流体は、透明な絶縁性液体
中にITO微粉末を分散させた分散液である。分散させ
る粒子 (分散粒子) は、可視光に対して透明で (一般に
平均粒子径が0.5 μm以下、特に0.2 μm以下の微粉末
になれば、いかなる材料も可視光に対して透明である)
、赤外線、特に近赤外線の遮断機能を有し、絶縁性液
体中に凝集または沈降せずに分散可能で、かつ電界を印
加した時に分極が可能なものであればよい。現時点でこ
の条件に最もよく適合するのがITO微粉末であるが、
この条件を満たすものであれば、他の材料の微粉末を利
用することも可能である。
【0019】本発明で分散粒子として用いるITO微粉
末は、平均粒子径が好ましくは0.2μm以下、より好ま
しくは0.1 μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下の
ものである。また、近赤外線遮断能の点からは、自由電
子密度が高いものが好ましい。具体的には、前掲の特開
平7−69632 号公報に記載されているように、ITO微
粉末をその製造過程または製造後に加圧不活性ガス雰囲
気中で加熱処理したものが、近赤外線遮断能が高いこと
から好ましい。但し、近赤外線遮断能を有していれば、
ITO微粉末について特に限定するものではない。
【0020】ITO微粉末は導電性があるため、絶縁性
液体中に分散させても、電界を印加すると電気が流れ、
抵抗体となって熱を発生し、絶縁破壊を生じる可能性が
ある。目的とする近赤外線の遮断率が少なく、従って印
加する電界強度が低くてもよい場合には、絶縁破壊の危
険性は低いので、ITO微粉末をそのまま使用すること
ができる。
【0021】しかし、近赤外線の遮断率を多くするため
に高い電界強度 (高電圧) を印加する場合には、絶縁破
壊の危険性を解消するため、ITO微粉末の表面を絶縁
体で被覆する表面処理を施すことが好ましい。表面処理
に用いる絶縁体は、ITO微粉末の透明性を損なわない
ように透明性が要求される。適当な材料の例は、シリ
カ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、
ならびにポリアクリレート、、ポリカーボネート等の透
明樹脂がある。
【0022】具体的な被覆方法としては、金属酸化物の
場合は、金属アルコキシドあるいは金属塩でITO微粉
末を表面処理し、放置して被覆物を加水分解させて水酸
化物にした後、焼成して酸化物に変化させる方法を採用
することができる。透明樹脂の場合には、マイクロカプ
セル法によりITO粉末上で重合を行いながら樹脂
(例、ポリアクリレート) を被覆する方法が採用でき
る。粒子の表面上で粒子と強固に結合した均一な被覆を
形成することができる方法であれば、他の方法を採用す
ることもできる。
【0023】ITO微粉末の表面の絶縁体による被覆量
は、ITO微粉末の粒径によっても異なるが、通常はい
ずれの場合も被覆後の粉末重量の 0.5〜30wt%の範囲が
好ましい。被覆量が0.5 wt%未満では、ITO粉末の表
面が十分に絶縁性とならず、電界を印加した際のリーク
電流が多くなり、ITO微粉末を効果的に分極させて電
気粘性流体と同様に整列させることが困難となり、電界
強度の変化による近赤外線の透過率の制御効率が低下す
る。一方、被覆量が30wt%を超えた場合には、近赤外線
の遮断率が低下するが、電気粘性流体と同様の電界印加
による粒子の整列という機能を損なうものではない。被
覆量のより好ましい範囲は2〜20wt%である。
【0024】ITO微粉末を分散させる絶縁性液体は、
透明で絶縁性の高い (電気抵抗の高い) 液体であればよ
い。その意味では、透明な非極性溶媒が一般に適当であ
る。好ましい絶縁性液体の1例は、パーフルオロアルキ
ル基で構成されるイナートリキッド [トーケムプロダク
ツ (株) 製] であるが、ベンゼン、シクロヘキサン等も
使用することができる。
【0025】絶縁性液体中のITO微粉末の濃度は、そ
の平均粒子径や絶縁性液体の粘度によっても異なるが、
一般に絶縁性液体100 重量部当たりITO微粉末5〜60
重量部、特に5〜20重量部の範囲が好ましい。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と併せて示す
が、実施例は例示を目的とし、本発明の範囲を限定する
ものではない。
【0027】(実施例1)平均粒子径0.02μmのITO微
粉末 (三菱マテリアル製) 100 gを、エタノール200 cc
にエチルシリケート70gを溶解させた溶液中に分散さ
せ、塩酸0.1 ccを含む水12ccを滴下した後、80℃で攪拌
しながらコンデンサー付きフラスコで2時間反応させ
た。その後、コンデンサーをつけずに攪拌を続けてアル
コール量を半減させ、濾紙上で風乾した後、100 ℃で乾
燥して、シリカ被覆ITO微粉末を得た。シリカの被覆
量の実測値は、被覆後の粉末重量の19.2wt%であった。
このシリカ被覆ITO微粉末5gをイナートリキッド50
cc に分散させて分散液を調製した。
【0028】1辺10 cm 、厚み3mmの正方形ガラス板2
枚のそれぞれ両面にITO微粉末を含有する透明導電性
塗料 (三菱マテリアル株製、商品名EI-1) を塗布し、20
0 ℃で焼き付けて、各面に0.1 μm厚の導電膜を形成し
た。この透明導電膜を形成した2枚のガラス板を透明電
極板として用いた。その一方のガラス板の周辺に高さ10
0 μmのスペーサー固定し、このスペーサー内の空間に
上記の分散液を流し込み、その上にもう1枚のガラス板
を乗せた後、周囲をシーリング剤で封止することによ
り、9.5 cm×9.5 cm×100 μmのセル寸法の赤外線フィ
ルターを製作した。スペーサーは接着剤を用いてガラス
板に固着させた。
【0029】得られた赤外線フィルターに電圧を変えて
直流電界を印加し、波長1.2 μmの近赤外線の透過率を
測定した。結果を図2に示す。図2に示すように、電圧
0では近赤外線の透過率が0% (即ち、遮断率が100
%) であるのに対し、印加した直流電圧が高くなるにつ
れ、近赤外線の透過率が増大し、直流電圧が50Vでは波
長1.2 μmの近赤外線の透過率が80%になった。即ち、
印加する電界強度により近赤外線の透過率 (遮断率) が
変化することが実証された。
【0030】(実施例2)平均粒子径0.02μmのITO微
粉末 (三菱マテリアル製) 100 gを水800 ccに分散させ
た後、アルミン酸ナトリウム2gを溶解した水200 ccを
滴下し、1N硫酸でpH4に調整した後、80℃に加温
し、攪拌しながら3時間反応させた。その後、濾別し、
回収した粉末を100 ℃で乾燥して、アルミナ被覆ITO
微粉末を得た。アルミナの被覆量の実測値は、被覆後の
粉末重量の0.53wt%であった。次いで、このアルミナ被
覆ITO微粉末10gをイナートリキッド200cc に分散さ
せて分散液を調製した。
【0031】スパッタ法により両面に透明導電膜が形成
されている市販の導電性ガラス板 (日本板硝子製、22.5
cm×30cm×3mm) を2枚用意し、これらを500 ℃で1時
間加熱処理した。この加熱処理した導電性ガラス板の1
枚の周辺に高さ50μm、幅5mmのスペーサーを配置し、
このスペーサー内の空間に上記の分散液を流し込んだ
後、その上にもう1枚の導電性ガラス板をのせ、周囲を
シーリング剤で封止して、21.5cm×29cm×50μmのセル
寸法の赤外線フィルターを製作した。
【0032】この赤外線フィルターを、上部を開放した
断熱箱 (外容積22.5×30×20cm) の上におき、赤外線フ
ィルターに電界を印加した場合 (直流電圧25V) および
印加しない場合のそれぞれについて、上から30cmの距離
で赤外線ランプ (250 W) をフィルターに10分間照射
し、内部の温度変化を測定した。電界を印加しない場合
は、10分間の照射後の内部温度は20℃(室温と同じ)で
あったのに対し、25Vの直流電圧を印加しながら赤外線
を照射した場合には内部温度が30℃となった。
【0033】つまり、無電界(電圧オフ)では照射した
近赤外線 (熱線) がフィルターにより遮断された結果、
赤外線を照射してもフィルター下の内部空間の温度上昇
が避けられた。これに対し、電界を印加すると内部空間
の温度が上昇したことは、フィルターによる近赤外線の
遮断効果が低下 (近赤外線が透過率が増大) したことを
示している。
【0034】(実施例3)平均粒子径0.02μmのITO微
粉末 (三菱マテリアル製) 50gを、アクリル酸エチル10
gをトルエン200 ccに溶解させた溶液中に分散させた
後、水100 ccと塩酸1ccを添加し、80℃で攪拌しながら
コンデンサー付きフラスコで2時間反応させた。その
後、濾過して粉末を回収し、風乾することにより、透明
なアクリル樹脂を被覆したITO微粉末を得た。被覆量
の実測値は、被覆後の粉末重量の30wt%であった。
【0035】得られたアクリル樹脂被覆ITO微粉末を
用いて、実施例1と同様の方法で赤外線フィルターを作
製し、試験した結果、図2に示したのと同様の電圧の変
化による近赤外線遮断率の変化を示した。
【0036】
【発明の効果】実施例に示すように、本発明の近赤外線
フィルターは、印加する電圧の大きさ(電界強度) によ
って近赤外線の透過率が変化するという可変性を示し、
無電界では近赤外線をほぼ完全に遮断し、電圧が高くな
るほど近赤外線の透過率が高くなり、最高では80%程度
まで近赤外線を透過させることができる。もちろん、こ
の赤外線フィルターは、ITO微粉末が可視光に対して
高い透過性を示すことから、可視光に対しては透明であ
る。
【0037】
【発明の利用可能性】このような赤外線遮断率の可変性
を生かして、本発明の赤外線フィルターは、例えば窓ガ
ラスとして有用である。即ち、本発明の赤外線フィルタ
ーから構成された窓ガラスは、窓ガラスを透過する太陽
光の熱線 (近赤外線) の量を調整することができ、夏場
は冷房効果を上げるため熱線を遮断 (電圧オフ) 、冬場
は暖房効果を高めるため、日中は熱線の取り入れ (電圧
オン) 、夜間は熱線の閉じこめ(電圧オフ) といったよ
うに、電圧のオフ・オン或いは電圧の変化だけで熱線の
透過率を任意に切替えあるいは制御できる。
【0038】また、入射赤外線の強度測定装置および測
定された入射赤外線強度に応じて電界強度を制御する装
置 (またはオン・オフ装置) をこの窓ガラスに付設する
と、上記のような熱線 (近赤外線) の透過率の切替えま
たは制御を自動的に行うこともできる。例えば、赤外線
の強度測定には各種の分光光度計が利用でき、測定され
た赤外線強度をトランスデューサーにより電気信号に変
え、この電気信号を適当なスイッチ装置または変圧装置
に送ることによって、窓ガラスに印加する電界のオン・
オフまたは電解強度の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線フィルターの作用を示す説明図
である。
【図2】実施例において得られた、本発明の赤外線フィ
ルターの電圧による近赤外線透過率の変化を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−269923(JP,A) 特開 昭60−4828(JP,A) T.FUJITA,et.al.,L ight scattering in a thin film of a mixture of dielect ric and magnetic f luids under an ele ctromagne,1994年 9月15 日,Vol.76,No.6,pp.3920 −3922 西原明,透明性近赤外線カット塗料, 塗装と塗料,1995年 6月25日,7月号 (通巻536号),pp.35−41 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/167 - 1/19 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対する2枚の透明電極板からなるセル
    と、このセル内に充填された、近赤外線遮断能を有する
    ITO微粉末を透明な絶縁性液体中に分散させた分散液
    とから構成され、該電極板に印加した直流電界強度によ
    り近赤外線の透過率を変化させることができる、可変式
    赤外線フィルター。
  2. 【請求項2】 前記ITO微粉末が透明な絶縁体で被覆
    されている、請求項1記載の可変式赤外線フィルター。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の赤外線フィル
    ターから構成された窓ガラス。
  4. 【請求項4】 入射赤外線の強度測定装置および測定さ
    れた入射赤外線強度に応じて電界強度を制御する装置を
    さらに備えた、請求項3記載の窓ガラス。
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T.FUJITA,et.al.,Light scattering in a thin film of a mixture of dielectric and magnetic fluids under an electromagne,1994年 9月15日,Vol.76,No.6,pp.3920−3922
西原明,透明性近赤外線カット塗料,塗装と塗料,1995年 6月25日,7月号(通巻536号),pp.35−41

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