JPH05246862A - エイズウイルス増殖抑制剤 - Google Patents

エイズウイルス増殖抑制剤

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JPH05246862A
JPH05246862A JP4416492A JP4416492A JPH05246862A JP H05246862 A JPH05246862 A JP H05246862A JP 4416492 A JP4416492 A JP 4416492A JP 4416492 A JP4416492 A JP 4416492A JP H05246862 A JPH05246862 A JP H05246862A
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JP
Japan
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chemical
peroxide
meth
reaction
reference example
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Application number
JP4416492A
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English (en)
Inventor
Hideo Sawada
英夫 沢田
Takeo Matsumoto
竹男 松本
Masanori Baba
昌範 馬場
Masahiko Ito
正彦 伊藤
Shiro Shigeta
士郎 茂田
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式化1で表わされる分子量500〜
50000のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル
酸オリゴマ−又はその製剤上許容される誘導体を有効成
分とするエイズウイルス増殖抑制剤。 【効果】 本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、特定
のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリゴマ
ーを有効成分とするので、顕著なエイズウイルス増殖抑
制作用を有しており、更には生体に対する毒性が低いの
で、副作用の防止も期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エイズウイルス増殖抑
制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エイズ(後天性免疫不全症候群)は、1
982年に米国で発見された疾患であり、エイズウイル
スに感染することにより発病する。該エイズウイルス(H
uman Immunodeficiency Virus,以下HIVと称す)は、ヒト
レトロウイルスに属し、エイズ患者の血液、精液、唾液
中に存在し、輸血、その他の原因により感染する。該エ
イズウイルスに感染、発病すると、リンパ球のヘルパー
T細胞が破壊されて細胞性免疫不全となり、原虫、真
菌、他のウイルス、細胞等による日和見感染、カポジ肉
腫等が発生する死亡率の高い重篤な疾患である。
【0003】従来よりエイズに対する治療薬は、種々報
告されている。例えばHIV中に含まれるレトロウイル
スの複製に際し、重要な役割を担う逆転写酵素活性を抑
制する作用を有する薬剤として、3−アジド−デオキシ
チミジン(AZT)等が知られている(Proc. Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,82,7096(1985))。しかしながら前記AZ
T等は、副作用が強く、更には工業的な製造方法にも問
題がある。
【0004】またデキストラン硫酸がHIVの増殖を有
効に抑制する作用があることも知られている(特開昭6
3−253026号公報;化学と工業、43、922
(1990)等)。該デキストラン硫酸の作用機構は、
HIVの標的細胞(主にCD4と呼ばれる免疫反応に深
くかかわっている分子を細胞膜上に有する細胞)への接
着を特異的に阻止することにより感染の成立を抑制する
ものであると考えられている。しかしながら、該デキス
トラン硫酸においては、経口投与での臨床試験で明確な
効果が認められておらず、消化管内で分解することによ
る副作用等の問題が指摘されている。
【0005】上述したように、十分な効果を有する抗エ
イズ剤は未だ提案されておらず、また副作用についての
問題もあり、副作用が少なく、十分な効果を示す新薬の
開発が強く望まれているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エイ
ズウイルスの増殖を有効に抑制することができるエイズ
ウイルス増殖抑制剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化2で表わされる分子量500〜50000のフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリゴマ−(以
下フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1と称す)又は
その製剤上許容される誘導体を有効成分とするエイズウ
イルス増殖抑制剤が提供される。
【0008】
【化2】
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いる、フルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸オリゴマーは、前記一般式化2で表わさ
れるフルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1である。前
記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1においてmが
250を超える場合、n1が10を超える場合又はn2
8を超える場合には、製造が困難である。
【0011】また前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1において、適用可能なRF、即ち、−(CF2)n1
X又は下記一般式化3を具体的に列挙すると、F3
−,F(CF22−,F(CF23−,F(CF2
4−,F(CF25−,F(CF26−,F(CF27
−,F(CF28−,F(CF29−,F(CF210
−,HCF2−,H(CF22−,H(CF23−,H
(CF24−,H(CF25−,H(CF26−,H
(CF27−,H(CF28−,H(CF29−,H
(CF210−,ClCF2−,Cl(CF22−,Cl
(CF23−,Cl(CF24−,Cl(CF25−,
Cl(CF26−,Cl(CF27−,Cl(CF28
−,Cl(CF29−,Cl(CF210−,下記化学
式化4〜化12である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1としては、具体的には例えば、下記構造式化13〜化
26等を好ましく挙げることができる(但し前記構造式
中mは1〜250の整数を示す)。また前記フルオロ
(メタ)アクリルオリゴマー1の平均分子量は500〜
50000の範囲である。
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】
【化26】
【0037】本発明において用いる前記フルオロ(メ
タ)アクリルオリゴマー1を調製するには、下記一般式
化27で表わされる過酸化ジフルオロアルカノイルと、
アクリル酸又はメタアクリル酸[(メタ)アクリル酸]
とを反応させること等により容易に得ることができる。
【0038】
【化27】
【0039】前記一般式化27で表わされる過酸化ジフ
ルオロアルカノイルとしては、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1において、具体的に列挙したRF
(フルオロアルキル基)を適宜選択した化合物等を挙げ
ることができ、具体的には、例えば、過酸化ジペルフル
オロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル、過酸化ジ
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル、過酸化ジペルフルオロ−2,5,8−トリメ
チル−3,6,9−トリオキサドデカノイル、過酸化ジ
ペルフルオロブチリル、過酸化ジペルフルオロヘプタノ
イル等を好ましく挙げることができる。また前記一般式
化27において、n1が10を超える場合又はn2が8を
超える場合には、溶媒に対する溶解性が低下するので使
用できない。
【0040】前記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記
(メタ)アクリル酸とを反応させる際における、前記過
酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリル酸
との仕込みモル比は、好ましくは1:1.0〜10.0
の範囲であり、特に好ましくは1:1.2〜5.0の範
囲とするのが望ましい。前記(メタ)アクリル酸の仕込
みモル比が1.0未満の場合には、前記過酸化ジフルオ
ロアルカノイルの分解物が多量に生成し、目的とするフ
ルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1の単離が困難とな
り、また10を超えると収率が低下するので好ましくな
い。また、反応は常圧で行なうことが可能であり、且つ
反応温度は−20〜+150℃の範囲とするのが好まし
く、特に好ましくは0〜100℃の範囲である。前記反
応温度が−20℃未満の場合には反応に長時間を要し、
+150℃を超えると反応時の圧力が高くなり、反応操
作が困難となるので好ましくない。更に反応時間は30
分〜20時間の範囲で行なうことができ、工業的には3
〜10時間の範囲とするのが望ましい。
【0041】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1を調製するには、前記種々の反応条件下において、前
記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリ
ル酸とを反応させることにより、一段階反応で得ること
ができるが、前記過酸化ジフルオロアルカノイルの取扱
い及び反応を、より円滑に行なうために溶媒を用いるこ
とが好ましい。前記溶媒としてはハロゲン化脂肪族溶媒
が特に好ましく、具体的には例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,
2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフル
オロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタ
ン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−
ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリクロロメ
タン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタ
ン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロ
パン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等を用
いることができ、特に工業的には、1,1,2−トリク
ロロトリフルオロエタンを好ましく挙げることができ
る。前記溶媒を使用する場合、溶液全体中の前記過酸化
ジフルオロアルカノイルの濃度は、0.5〜30重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0042】前記反応により得られる反応生成物は、再
沈殿法、蒸留、カラムクロマトグラフィー等公知の方法
で精製することが可能である。
【0043】本発明において、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1の製剤上許容される誘導体として
は、製剤上許容されれば特に限定されるものではない
が、具体的には例えば、前記フルオロ(メタ)アクリル
オリゴマー1として具体的に列挙した化合物のナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩;メチルエス
テル;エチルエステル;アミド等を好ましく挙げること
ができる。
【0044】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いるフルオロ(メタ)アクリルオリ
ゴマー1は、CC50が500μg/ml以上であり、生
体に対する毒性の低い化合物である。
【0045】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、経
口投与、非経口投与のいずれの投与形態でも投与するこ
とができ、更に非経口投与に際しては、静脈注射等によ
り投与することができる。経口投与剤として用いる場合
には、製剤上許容される無害の賦形剤、例えば炭酸水素
ナトリウム、塩化ナトリウム、乳糖、バレイショデンプ
ン、アルギン酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等を配剤
し、公知の方法により、散剤、顆粒剤、糖衣剤、シロッ
プ又はカプセル剤等とすることができる。また非経口投
与剤として用いる場合には、溶液若しくは乳液として、
具体的には溶液として用いる場合には、生理食塩水溶
液、5重量%ブドウ糖溶液等を溶媒として用いることが
できる。
【0046】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におけ
る有効成分である前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1の最小有効濃度としては、成人1日あたり、経口
投与の場合には50mg以上、好ましくは50〜500
mg、非経口投与の場合には10mg以上であるのが好
ましく、複数回に分けて投与することもできる。
【0047】
【発明の効果】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、
特定のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリ
ゴマーを有効成分とするので、顕著なエイズウイルス増
殖抑制作用を有しており、更には生体に対する毒性が低
いので、副作用の防止も期待できる。
【0048】
【実施例】以下本発明を参考例及び実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0049】
【参考例1】アクリル酸21.6g(300mmol)に、
過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジ
オキサノナノイル99g(100mmol)を含む1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタン溶液150gを加
え、窒素雰囲気下、30℃にて5時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶媒を除去し、メタノール−酢酸エチ
ル系による再沈殿法により精製し、真空下にて乾燥を行
なって、収量96.1gで下記化学式化28で示される
フルオロアルキル基含有オリゴマーを得た。
【0050】
【化28】
【0051】
【参考例2】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル13.2g
(20mmol)に代えた以外は実施例1と同様に反応
を行ない、下記構造式化29で示されるフルオロアルキ
ル基含有オリゴマーを収量3.4gで得た。
【0052】
【化29】
【0053】
【参考例3】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサ
ドデカノイル13.22g(10mmol)に代え、ア
クリル酸の仕込み量を21.6g(300mmol)と
した以外は実施例1と同様に反応を行ない、下記構造式
化30で示されるフルオロアルキル基含有オリゴマーを
収量30.9gで得た。
【0054】
【化30】
【0055】
【参考例4】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロブチリルに代えた以外は実施例1と同様に反応を行な
い、下記構造式化31で示されるフルオロアルキル基含
有オリゴマーを収量51.1gで得た。
【0056】
【化31】
【0057】
【参考例5】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロヘプタノイルに代えた以外は実施例1と同様に反応を
行ない、下記構造式化32で示されるフルオロアルキル
基含有オリゴマーを収量80.9gで得た。
【0058】
【化32】
【0059】
【実施例1】感染細胞としては、ヒトT細胞由来の培養
株であるMT−4細胞を用い、ウイルスとしてMolt
−4/HIV産生株より得たHTLV−IIIBの株を用
い、被験薬として、参考例1で得られた化合物(以下A
C−HFPO3と称す)を用いて、AC−HFPO3の
MT−4細胞に対するHIVの感染細胞変性抑制効果に
関する感染細胞の変性抑制実験を実施した。
【0060】1×104個のMT−4細胞に、200C
CID50のHIVを感染させ、種々の濃度のAC−H
FPO3水溶液を加えて、4日間抗生物質と10重量%
胎児ウシ血清を含むRPMI1640培養液で培養し
た。
【0061】次いで、各濃度における生細胞数をテトラ
ゾリウム色素を用いたMTT法により計測した。対象と
して、非感染細胞にも同様なアッセイを行なった。HI
V非感染細胞及びHIV感染細胞に対するAC−HFP
O3の及ぼす影響を図1に示す。また表1にHIV非感
染細胞の増殖及びHIV感染細胞に対するウイルスの破
壊効果を、夫々50%抑制するのに必要な薬剤濃度[C
50,EC50]を示した。
【0062】
【実施例2】AC−HFPO3を、参考例2で得られた
化合物(以下AC−HFPO2と称す)、参考例3で得
られた化合物(以下AC−HFPO4と称す)、参考例
4で得られた化合物(以下AC−C37と称す)、参考
例5で得られた化合物(以下AC−C613と称す)と
した以外は実施例1と同様に実験を行なった。結果を表
1に示す。
【0063】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、HIV非感染細胞及びHIV感染細胞
に対するAC−HFPO3の及ぼす影響を示す図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エイズウイルス増殖抑
制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エイズ(後天性免疫不全症候群)は、1
982年に米国で発見された疾患であり、エイズウイル
スに感染することにより発病する。該エイズウイルス(H
uman Immunodeficiency Virus,以下HIVと称す)は、ヒト
レトロウイルスに属し、エイズ患者の血液、精液、唾液
中に存在し、輸血、その他の原因により感染する。該エ
イズウイルスに感染、発病すると、リンパ球のヘルパー
T細胞が破壊されて細胞性免疫不全となり、原虫、真
菌、他のウイルス、細胞等による日和見感染、カポジ肉
腫等が発生する死亡率の高い重篤な疾患である。
【0003】従来よりエイズに対する治療薬は、種々報
告されている。例えばHIV中に含まれるレトロウイル
スの複製に際し、重要な役割を担う逆転写酵素活性を抑
制する作用を有する薬剤として、3−アジド−デオキシ
チミジン(AZT)等が知られている(Proc. Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,82,7096(1985))。しかしながら前記AZ
T等は、副作用が強く、更には工業的な製造方法にも問
題がある。
【0004】またデキストラン硫酸がHIVの増殖を有
効に抑制する作用があることも知られている(特開昭6
3−253026号公報;化学と工業、43、922
(1990)等)。該デキストラン硫酸の作用機構は、
HIVの標的細胞(主にCD4と呼ばれる免疫反応に深
くかかわっている分子を細胞膜上に有する細胞)への接
着を特異的に阻止することにより感染の成立を抑制する
ものであると考えられている。しかしながら、該デキス
トラン硫酸においては、経口投与での臨床試験で明確な
効果が認められておらず、消化管内で分解することによ
る副作用等の問題が指摘されている。
【0005】上述したように、十分な効果を有する抗エ
イズ剤は未だ提案されておらず、また副作用についての
問題もあり、副作用が少なく、十分な効果を示す新薬の
開発が強く望まれているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エイ
ズウイルスの増殖を有効に抑制することができるエイズ
ウイルス増殖抑制剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化2で表わされる分子量500〜50000のフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリゴマ−(以
下フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1と称す)又は
その製剤上許容される誘導体を有効成分とするエイズウ
イルス増殖抑制剤が提供される。
【0008】
【化2】
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いる、フルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸オリゴマーは、前記一般式化2で表わさ
れるフルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1である。前
記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1においてmが
250を超える場合、n1が10を超える場合又はn2
8を超える場合には、製造が困難である。
【0011】また前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1において、適用可能なRF、即ち、−(CF2)n1
X又は下記一般式化3を具体的に列挙すると、F3
−,F(CF22−,F(CF23−,F(CF2
4−,F(CF25−,F(CF26−,F(CF27
−,F(CF28−,F(CF29−,F(CF210
−,HCF2−,H(CF22−,H(CF23−,H
(CF24−,H(CF25−,H(CF26−,H
(CF27−,H(CF28−,H(CF29−,H
(CF210−,ClCF2−,Cl(CF22−,Cl
(CF23−,Cl(CF24−,Cl(CF25−,
Cl(CF26−,Cl(CF27−,Cl(CF28
−,Cl(CF29−,Cl(CF210−,下記化学
式化4〜化12である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1としては、具体的には例えば、下記構造式化13〜化
26等を好ましく挙げることができる(但し前記構造式
中mは1〜250の整数を示す)。また前記フルオロ
(メタ)アクリルオリゴマー1の平均分子量は500〜
50000の範囲である。
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】
【化26】
【0037】本発明において用いる前記フルオロ(メ
タ)アクリルオリゴマー1を調製するには、下記一般式
化27で表わされる過酸化ジフルオロアルカノイルと、
アクリル酸又はメタアクリル酸[(メタ)アクリル酸]
とを反応させること等により容易に得ることができる。
【0038】
【化27】
【0039】前記一般式化27で表わされる過酸化ジフ
ルオロアルカノイルとしては、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1において、具体的に列挙したRF
(フルオロアルキル基)を適宜選択した化合物等を挙げ
ることができ、具体的には、例えば、過酸化ジペルフル
オロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル、過酸化ジ
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル、過酸化ジペルフルオロ−2,5,8−トリメ
チル−3,6,9−トリオキサドデカノイル、過酸化ジ
ペルフルオロブチリル、過酸化ジペルフルオロヘプタノ
イル等を好ましく挙げることができる。また前記一般式
化27において、n1が10を超える場合又はn2が8を
超える場合には、溶媒に対する溶解性が低下するので使
用できない。
【0040】前記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記
(メタ)アクリル酸とを反応させる際における、前記過
酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリル酸
との仕込みモル比は、好ましくは1:1.0〜10.0
の範囲であり、特に好ましくは1:1.2〜5.0の範
囲とするのが望ましい。前記(メタ)アクリル酸の仕込
みモル比が1.0未満の場合には、前記過酸化ジフルオ
ロアルカノイルの分解物が多量に生成し、目的とするフ
ルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1の単離が困難とな
り、また10を超えると収率が低下するので好ましくな
い。また、反応は常圧で行なうことが可能であり、且つ
反応温度は−20〜+150℃の範囲とするのが好まし
く、特に好ましくは0〜100℃の範囲である。前記反
応温度が−20℃未満の場合には反応に長時間を要し、
+150℃を超えると反応時の圧力が高くなり、反応操
作が困難となるので好ましくない。更に反応時間は30
分〜20時間の範囲で行なうことができ、工業的には3
〜10時間の範囲とするのが望ましい。
【0041】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1を調製するには、前記種々の反応条件下において、前
記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリ
ル酸とを反応させることにより、一段階反応で得ること
ができるが、前記過酸化ジフルオロアルカノイルの取扱
い及び反応を、より円滑に行なうために溶媒を用いるこ
とが好ましい。前記溶媒としてはハロゲン化脂肪族溶媒
が特に好ましく、具体的には例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,
2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフル
オロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタ
ン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−
ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリクロロメ
タン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタ
ン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロ
パン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等を用
いることができ、特に工業的には、1,1,2−トリク
ロロトリフルオロエタンを好ましく挙げることができ
る。前記溶媒を使用する場合、溶液全体中の前記過酸化
ジフルオロアルカノイルの濃度は、0.5〜30重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0042】前記反応により得られる反応生成物は、再
沈殿法、蒸留、カラムクロマトグラフィー等公知の方法
で精製することが可能である。
【0043】本発明において、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1の製剤上許容される誘導体として
は、製剤上許容されれば特に限定されるものではない
が、具体的には例えば、前記フルオロ(メタ)アクリル
オリゴマー1として具体的に列挙した化合物のナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩;メチルエス
テル;エチルエステル;アミド等を好ましく挙げること
ができる。
【0044】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いるフルオロ(メタ)アクリルオリ
ゴマー1は、CC50が500μg/ml以上であり、生
体に対する毒性の低い化合物である。
【0045】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、経
口投与、非経口投与のいずれの投与形態でも投与するこ
とができ、更に非経口投与に際しては、静脈注射等によ
り投与することができる。経口投与剤として用いる場合
には、製剤上許容される無害の賦形剤、例えば炭酸水素
ナトリウム、塩化ナトリウム、乳糖、バレイショデンプ
ン、アルギン酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等を配剤
し、公知の方法により、散剤、顆粒剤、糖衣剤、シロッ
プ又はカプセル剤等とすることができる。また非経口投
与剤として用いる場合には、溶液若しくは乳液として、
具体的には溶液として用いる場合には、生理食塩水溶
液、5重量%ブドウ糖溶液等を溶媒として用いることが
できる。
【0046】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におけ
る有効成分である前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1の最小有効濃度としては、成人1日あたり、経口
投与の場合には50mg以上、好ましくは50〜500
mg、非経口投与の場合には10mg以上であるのが好
ましく、複数回に分けて投与することもできる。
【0047】
【発明の効果】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、
特定のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリ
ゴマーを有効成分とするので、顕著なエイズウイルス増
殖抑制作用を有しており、更には生体に対する毒性が低
いので、副作用の防止も期待できる。
【0048】
【実施例】以下本発明を参考例及び実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0049】
【参考例1】アクリル酸21.6g(300mmol)に、
過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジ
オキサノナノイル99g(100mmol)を含む1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタン溶液150gを加
え、窒素雰囲気下、30℃にて5時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶媒を除去し、メタノール−酢酸エチ
ル系による再沈殿法により精製し、真空下にて乾燥を行
なって、収量21.1gで下記化学式化28で示される
フルオロアルキル基含有オリゴマーを得た。
【0050】
【化28】
【0051】
【参考例2】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル13.2g
(20mmol)に代えた以外は参考例1と同様に反応
を行ない、下記構造式化29で示されるフルオロアルキ
ル基含有オリゴマーを収量3.4gで得た。
【0052】
【化29】
【0053】
【参考例3】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサ
ドデカノイル13.22g(10mmol)に代え、ア
クリル酸の仕込み量を21.6g(300mmol)と
した以外は参考例1と同様に反応を行ない、下記構造式
化30で示されるフルオロアルキル基含有オリゴマーを
収量14.9gで得た。
【0054】
【化30】
【0055】
【参考例4】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロブチリルに代えた以外は参考例1と同様に反応を行な
い、下記構造式化31で示されるフルオロアルキル基含
有オリゴマーを収量18.6gで得た。
【0056】
【化31】
【0057】
【参考例5】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロヘプタノイルに代えた以外は参考例1と同様に反応を
行ない、下記構造式化32で示されるフルオロアルキル
基含有オリゴマーを収量16.4gで得た。
【0058】
【化32】
【0059】
【参考例6】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,1
2−テトラオキサペンタデカノイル16.5g(10m
mol)に 代えた以外は参考例1と同様に反応を行な
い、下記構造式化33で示されるフルオロアルキル基含
有オリゴマーを収量22.2gで得た。
【0060】
【化33】
【0061】
【参考例7】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサド
デカノイル22.3g(16.9mmol)に代え,ア
クリル酸の仕込みモル量を2.4g(33.8mmo
l)とした以外は参考例1と同様に反応を行ない、下記
構造式化34で示されるフルオロアルキル基含有オリゴ
マーを収量9.8gで得た。
【0062】
【化34】
【0063】
【実施例1】感染細胞としては、ヒトT細胞由来の培養
株であるMT−4細胞を用い、ウイルスとしてMolt
−4/HIV産生株より得たHTLV−IIIBの株を用
い、被験薬として、参考例1で得られた化合物(以下A
C−HFPO3と称す)を用いて、AC−HFPO3の
MT−4細胞に対するHIVの感染細胞変性抑制効果に
関する感染細胞の変性抑制実験を実施した。
【0064】1×104個のMT−4細胞に、200C
CID50のHIVを感染させ、種々の濃度のAC−H
FPO3水溶液を加えて、4日間抗生物質と10重量%
胎児ウシ血清を含むRPMI1640培養液で培養し
た。
【0065】次いで、各濃度における生細胞数をテトラ
ゾリウム色素を用いたMTT法により計測した。対象と
して、非感染細胞にも同様なアッセイを行なった。HI
V非感染細胞及びHIV感染細胞に対するAC−HFP
O3の及ぼす影響を図1に示す。また表1にHIV非感
染細胞の増殖及びHIV感染細胞に対するウイルスの破
壊効果を、夫々50%抑制するのに必要な薬剤濃度[C
50,EC50]を示した。
【0066】
【実施例2】AC−HFPO3を、参考例2で得られた
化合物(以下AC−HFPO2と称す)、参考例3で得
られた化合物(以下AC−HFPO4と称す)、参考例
4で得られた化合物(以下AC−C37と称す)、参考
例5で得られた化合物(以下AC−C613と称す)
参考例6で得られた化合物(以下AC−HFPO5と称
す)、参考例7で得られた化合物(以下AC−HFPO
6と称す)とした以外は実施例1と同様に実験を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エイズウイルス増殖抑
制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エイズ(後天性免疫不全症候群)は、1
982年に米国で発見された疾患であり、エイズウイル
スに感染することにより発病する。該エイズウイルス(H
uman Immunodeficiency Virus,以下HIVと称す)は、ヒト
レトロウイルスに属し、エイズ患者の血液、精液、唾液
中に存在し、輸血、その他の原因により感染する。該エ
イズウイルスに感染、発病すると、リンパ球のヘルパー
T細胞が破壊されて細胞性免疫不全となり、原虫、真
菌、他のウイルス、細胞等による日和見感染、カポジ肉
腫等が発生する死亡率の高い重篤な疾患である。
【0003】従来よりエイズに対する治療薬は、種々報
告されている。例えばHIV中に含まれるレトロウイル
スの複製に際し、重要な役割を担う逆転写酵素活性を抑
制する作用を有する薬剤として、3−アジド−デオキシ
チミジン(AZT)等が知られている(Proc. Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,82,7096(1985))。しかしながら前記AZ
T等は、副作用が強く、更には工業的な製造方法にも問
題がある。
【0004】またデキストラン硫酸がHIVの増殖を有
効に抑制する作用があることも知られている(特開昭6
3−253026号公報;化学と工業、43、922
(1990)等)。該デキストラン硫酸の作用機構は、
HIVの標的細胞(主にCD4と呼ばれる免疫反応に深
くかかわっている分子を細胞膜上に有する細胞)への接
着を特異的に阻止することにより感染の成立を抑制する
ものであると考えられている。しかしながら、該デキス
トラン硫酸においては、経口投与での臨床試験で明確な
効果が認められておらず、消化管内で分解することによ
る副作用等の問題が指摘されている。
【0005】上述したように、十分な効果を有する抗エ
イズ剤は未だ提案されておらず、また副作用についての
問題もあり、副作用が少なく、十分な効果を示す新薬の
開発が強く望まれているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エイ
ズウイルスの増殖を有効に抑制することができるエイズ
ウイルス増殖抑制剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式化2で表わされる分子量500〜50000のフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリゴマ−(以
下フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1と称す)又は
その製剤上許容される誘導体を有効成分とするエイズウ
イルス増殖抑制剤が提供される。
【0008】
【化2】
【0009】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いる、フルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸オリゴマーは、前記一般式化2で表わさ
れるフルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1である。前
記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1においてmが
250を超える場合、n1が10を超える場合又はn2
8を超える場合には、製造が困難である。
【0011】また前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1において、適用可能なRF、即ち、−(CF2)n1
X又は下記一般式化3を具体的に列挙すると、F3
−,F(CF22−,F(CF23−,F(CF2
4−,F(CF25−,F(CF26−,F(CF27
−,F(CF28−,F(CF29−,F(CF210
−,HCF2−,H(CF22−,H(CF23−,H
(CF24−,H(CF25−,H(CF26−,H
(CF27−,H(CF28−,H(CF29−,H
(CF210−,ClCF2−,Cl(CF22−,Cl
(CF23−,Cl(CF24−,Cl(CF25−,
Cl(CF26−,Cl(CF27−,Cl(CF28
−,Cl(CF29−,Cl(CF210−,下記化学
式化4〜化12である。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1としては、具体的には例えば、下記構造式化13〜化
26等を好ましく挙げることができる(但し前記構造式
中mは1〜250の整数を示す)。また前記フルオロ
(メタ)アクリルオリゴマー1の平均分子量は500〜
50000の範囲である。
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】
【化26】
【0037】本発明において用いる前記フルオロ(メ
タ)アクリルオリゴマー1を調製するには、下記一般式
化27で表わされる過酸化ジフルオロアルカノイルと、
アクリル酸又はメタアクリル酸[(メタ)アクリル酸]
とを反応させること等により容易に得ることができる。
【0038】
【化27】
【0039】前記一般式化27で表わされる過酸化ジフ
ルオロアルカノイルとしては、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1において、具体的に列挙したRF
(フルオロアルキル基)を適宜選択した化合物等を挙げ
ることができ、具体的には、例えば、過酸化ジペルフル
オロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル、過酸化ジ
ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノ
ナノイル、過酸化ジペルフルオロ−2,5,8−トリメ
チル−3,6,9−トリオキサドデカノイル、過酸化ジ
ペルフルオロブチリル、過酸化ジペルフルオロヘプタノ
イル等を好ましく挙げることができる。また前記一般式
化27において、n1が10を超える場合又はn2が8を
超える場合には、溶媒に対する溶解性が低下するので使
用できない。
【0040】前記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記
(メタ)アクリル酸とを反応させる際における、前記過
酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリル酸
との仕込みモル比は、好ましくは1:1.0〜10.0
の範囲であり、特に好ましくは1:1.2〜5.0の範
囲とするのが望ましい。前記(メタ)アクリル酸の仕込
みモル比が1.0未満の場合には、前記過酸化ジフルオ
ロアルカノイルの分解物が多量に生成し、目的とするフ
ルオロ(メタ)アクリルオリゴマー1の単離が困難とな
り、また10を超えると収率が低下するので好ましくな
い。また、反応は常圧で行なうことが可能であり、且つ
反応温度は−20〜+150℃の範囲とするのが好まし
く、特に好ましくは0〜100℃の範囲である。前記反
応温度が−20℃未満の場合には反応に長時間を要し、
+150℃を超えると反応時の圧力が高くなり、反応操
作が困難となるので好ましくない。更に反応時間は30
分〜20時間の範囲で行なうことができ、工業的には3
〜10時間の範囲とするのが望ましい。
【0041】前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴマー
1を調製するには、前記種々の反応条件下において、前
記過酸化ジフルオロアルカノイルと前記(メタ)アクリ
ル酸とを反応させることにより、一段階反応で得ること
ができるが、前記過酸化ジフルオロアルカノイルの取扱
い及び反応を、より円滑に行なうために溶媒を用いるこ
とが好ましい。前記溶媒としてはハロゲン化脂肪族溶媒
が特に好ましく、具体的には例えば、塩化メチレン、ク
ロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,
2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフル
オロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタ
ン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−
ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリクロロメ
タン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタ
ン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロ
パン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等を用
いることができ、特に工業的には、1,1,2−トリク
ロロトリフルオロエタンを好ましく挙げることができ
る。前記溶媒を使用する場合、溶液全体中の前記過酸化
ジフルオロアルカノイルの濃度は、0.5〜30重量%
の範囲とするのが望ましい。
【0042】前記反応により得られる反応生成物は、再
沈殿法、蒸留、カラムクロマトグラフィー等公知の方法
で精製することが可能である。
【0043】本発明において、前記フルオロ(メタ)ア
クリルオリゴマー1の製剤上許容される誘導体として
は、製剤上許容されれば特に限定されるものではない
が、具体的には例えば、前記フルオロ(メタ)アクリル
オリゴマー1として具体的に列挙した化合物のナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩;メチルエス
テル;エチルエステル;アミド等を好ましく挙げること
ができる。
【0044】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におい
て有効成分として用いるフルオロ(メタ)アクリルオリ
ゴマー1は、CC50が500μg/ml以上であり、生
体に対する毒性の低い化合物である。
【0045】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、経
口投与、非経口投与のいずれの投与形態でも投与するこ
とができ、更に非経口投与に際しては、静脈注射等によ
り投与することができる。経口投与剤として用いる場合
には、製剤上許容される無害の賦形剤、例えば炭酸水素
ナトリウム、塩化ナトリウム、乳糖、バレイショデンプ
ン、アルギン酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等を配剤
し、公知の方法により、散剤、顆粒剤、糖衣剤、シロッ
プ又はカプセル剤等とすることができる。また非経口投
与剤として用いる場合には、溶液若しくは乳液として、
具体的には溶液として用いる場合には、生理食塩水溶
液、5重量%ブドウ糖溶液等を溶媒として用いることが
できる。
【0046】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤におけ
る有効成分である前記フルオロ(メタ)アクリルオリゴ
マー1の最小有効濃度としては、成人1日あたり、経口
投与の場合には50mg以上、好ましくは50〜500
mg、非経口投与の場合には10mg以上であるのが好
ましく、複数回に分けて投与することもできる。
【0047】
【発明の効果】本発明のエイズウイルス増殖抑制剤は、
特定のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸オリ
ゴマーを有効成分とするので、顕著なエイズウイルス増
殖抑制作用を有しており、更には生体に対する毒性が低
いので、副作用の防止も期待できる。
【0048】
【実施例】以下本発明を参考例及び実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0049】
【参考例1】アクリル酸21.6g(300mmol)に、
過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジ
オキサノナノイル99g(100mmol)を含む1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタン溶液150gを加
え、窒素雰囲気下、30℃にて5時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶媒を除去し、メタノール−酢酸エチ
ル系による再沈殿法により精製し、真空下にて乾燥を行
なって、収量21.1gで下記化学式化28で示される
フルオロアルキル基含有オリゴマーを得た。
【0050】
【化28】
【0051】
【参考例2】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル13.2g
(20mmol)に代えた以外は参考例1と同様に反応
を行ない、下記構造式化29で示されるフルオロアルキ
ル基含有オリゴマーを収量3.4gで得た。
【0052】
【化29】
【0053】
【参考例3】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサ
ドデカノイル13.22g(10mmol)に代え、ア
クリル酸の仕込み量を21.6g(300mmol)と
した以外は参考例1と同様に反応を行ない、下記構造式
化30で示されるフルオロアルキル基含有オリゴマーを
収量14.9gで得た。
【0054】
【化30】
【0055】
【参考例4】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロブチリルに代えた以外は参考例1と同様に反応を行な
い、下記構造式化31で示されるフルオロアルキル基含
有オリゴマーを収量18.6gで得た。
【0056】
【化31】
【0057】
【参考例5】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロヘプタノイルに代えた以外は参考例1と同様に反応を
行ない、下記構造式化32で示されるフルオロアルキル
基含有オリゴマーを収量16.4gで得た。
【0058】
【化32】
【0059】
【参考例6】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,1
2−テトラオキサペンタデカノイル16.5g(10m
mol)に代えた以外は参考例1と同様に反応を行な
い、下記構造式化33で示されるフルオロアルキル基含
有オリゴマーを収量22.2gで得た。
【0060】
【化33】
【0061】
【参考例7】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを、過酸化ジペルフルオ
ロ2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサド
デカノイル22.3g(16.9mmol)に代え,ア
クリル酸の仕込みモル量を2.4g(33.8mmo
l)とした以外は参考例1と同様に反応を行ない、下記
構造式化34で示されるフルオロアルキル基含有オリゴ
マーを収量9.8gで得た。
【0062】
【化34】
【0063】
【参考例8】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルの仕込みモル量を9.9
g(10mmol)に代え、アクリル酸をメタクリル酸
2.2g(25mmol)とした以外は参考例1と同様
に反応を行ない、下記構造式化35で示されるフルオロ
アルキル基含有オリゴマーを収量3.2gで得た。
【0064】
【化35】
【0065】
【参考例9】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチル
−3,6−ジオキサノナノイルを過酸化ジペルフルオロ
−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサド
デカノイル13.22g(10mmol)に代え、アク
リル酸をメタクリル酸2.6g(30mmol)とした
以外は参考例1と同様に反応を行ない、下記構造式化3
6で示されるフルオロアルキル基含有オリゴマーを収量
4.9gで得た。
【0066】
【化36】
【0067】
【参考例10】過酸化ジペルフルオロ−2,5−ジメチ
ル−3,6−ジオキサノナノイルを過酸化ジペルフルオ
ロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,1
2−テトラオキサペンタデカノイル16.5g(10m
mol)に 代え、アクリル酸をメタクリル酸2.6g
(30mmol)とした以外は参考例1と同様に反応を
行ない、下記構造式化37で示されるフルオロアルキル
基含有オリゴマーを収量6.1gで得た。
【0068】
【化37】
【0069】
【実施例1】感染細胞としては、ヒトT細胞由来の培養
株であるMT−4細胞を用い、ウイルスとしてMolt
−4/HIV産生株より得たHTLV−IIIBの株を用
い、被験薬として、参考例1で得られた化合物(以下A
C−HFPO3と称す)を用いて、AC−HFPO3の
MT−4細胞に対するHIVの感染細胞変性抑制効果に
関する感染細胞の変性抑制実験を実施した。
【0070】1×104個のMT−4細胞に、200C
CID50のHIVを感染させ、種々の濃度のAC−H
FPO3水溶液を加えて、4日間抗生物質と10重量%
胎児ウシ血清を含むRPMI1640培養液で培養し
た。
【0071】次いで、各濃度における生細胞数をテトラ
ゾリウム色素を用いたMTT法により計測した。対象と
して、非感染細胞にも同様なアッセイを行なった。HI
V非感染細胞及びHIV感染細胞に対するAC−HFP
O3の及ぼす影響を図1に示す。また表1にHIV非感
染細胞の増殖及びHIV感染細胞に対するウイルスの破
壊効果を、夫々50%抑制するのに必要な薬剤濃度[C
50,EC50]を示した。
【0072】
【実施例2】AC−HFPO3を、参考例2で得られた
化合物(以下AC−HFPO2と称す)、参考例3で得
られた化合物(以下AC−HFPO4と称す)、参考例
4で得られた化合物(以下AC−C37と称す)、参考
例5で得られた化合物(以下AC−C613と称す)、
参考例6で得られた化合物(以下AC−HFPO5と称
す)、参考例7で得られた化合物(以下AC−HFPO
6と称す)、参考例8で得られた化合物(以下MAA−
HFPO3と称す)、参考例9で得られた化合物(以下
MAA−HFPO4と称す)、参考例10で得られた化
合物(以下MAA−HFPO5と称す)とした以外は実
施例1と同様に実験を行なった。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で表わされる分子量50
    0〜50000のフルオロアルキル基含有(メタ)アク
    リル酸オリゴマ−又はその製剤上許容される誘導体を有
    効成分とするエイズウイルス増殖抑制剤。 【化1】
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