JPH05246735A - 光学ガラス - Google Patents
光学ガラスInfo
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- JPH05246735A JPH05246735A JP4724292A JP4724292A JPH05246735A JP H05246735 A JPH05246735 A JP H05246735A JP 4724292 A JP4724292 A JP 4724292A JP 4724292 A JP4724292 A JP 4724292A JP H05246735 A JPH05246735 A JP H05246735A
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- Japan
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- glass
- mold
- bao
- optical
- molding
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
- C03B11/084—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
- C03B11/086—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/08—Coated press-mould dies
- C03B2215/10—Die base materials
- C03B2215/12—Ceramics or cermets, e.g. cemented WC, Al2O3 or TiC
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/08—Coated press-mould dies
- C03B2215/14—Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
- C03B2215/16—Metals or alloys, e.g. Ni-P, Ni-B, amorphous metals
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- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B2215/14—Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
- C03B2215/22—Non-oxide ceramics
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 屈折率(nd )1.55〜1.65、アッベ
数(νd )50以上の光学定数と十分な化学的耐久性を
維持し、かつ低温での軟化性を実現し、さらに型材との
離型性が良好な精密プレス成形に適する光学ガラスを提
供する。 【構成】 SiO2 ,B2 O3 ,BaOを必須とする従
来のSK、SSKガラスにアルカリ金属酸化物と弗素成
分を適量加えることによって、化学的耐久性を損なうこ
となく屈伏点を大幅に低下できるばかりでなく、型材と
の融着やガラスの割れが生じにくくなった。
数(νd )50以上の光学定数と十分な化学的耐久性を
維持し、かつ低温での軟化性を実現し、さらに型材との
離型性が良好な精密プレス成形に適する光学ガラスを提
供する。 【構成】 SiO2 ,B2 O3 ,BaOを必須とする従
来のSK、SSKガラスにアルカリ金属酸化物と弗素成
分を適量加えることによって、化学的耐久性を損なうこ
となく屈伏点を大幅に低下できるばかりでなく、型材と
の融着やガラスの割れが生じにくくなった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屈折率(nd )が1.
55〜1.65、アッベ数(νd )が50以上の範囲の
光学定数を有し、かつ550℃以下の屈伏点をあわせも
つ精密プレス成形に適した光学ガラスに関する。
55〜1.65、アッベ数(νd )が50以上の範囲の
光学定数を有し、かつ550℃以下の屈伏点をあわせも
つ精密プレス成形に適した光学ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】屈折率(nd )が1.55〜1.65、
アッベ数(νd )が50以上の範囲の光学定数を有する
ガラスとしてはショット社のカタログ記載名 PSK、
SK、SSK、LaKなどのガラスが公知である。これ
ら中屈折低分散ガラスはカメラやビデオカメラなどに使
われる複数のレンズからなる光学結像系を作る場合に必
須なガラスであり、しかもこのガラスを用いた非球面レ
ンズを使用することによって従来にない結像特性を持
ち、かつ、レンズの構成枚数の少ない結像系を作ること
が可能であることは良く知られている。しかしながら、
従来の研削研磨法で非球面レンズを作製することは高コ
スト、低能率であるために、近年いくつかの企業におい
て軟化させたガラスをプレス成形して直接レンズを作る
精密プレス成形技術が盛んに開発されるようになってき
た。この方法はレンズ等の精密光学素子を大量生産する
のに適した画期的な製造方法であるが、成形温度が高温
であるために成形に用いる金型の表面の形状劣化が激し
く、頻繁に型の再加工が必要となり、これが製品のコス
トを引上げる原因となっている。また、精密プレスを行
なう際に作業温度が600℃以上になると、型材の耐久
性が急激に悪化し、さらに作業効率も悪くなるために、
600℃以下の温度で精密プレスを行なう必要がある。
アッベ数(νd )が50以上の範囲の光学定数を有する
ガラスとしてはショット社のカタログ記載名 PSK、
SK、SSK、LaKなどのガラスが公知である。これ
ら中屈折低分散ガラスはカメラやビデオカメラなどに使
われる複数のレンズからなる光学結像系を作る場合に必
須なガラスであり、しかもこのガラスを用いた非球面レ
ンズを使用することによって従来にない結像特性を持
ち、かつ、レンズの構成枚数の少ない結像系を作ること
が可能であることは良く知られている。しかしながら、
従来の研削研磨法で非球面レンズを作製することは高コ
スト、低能率であるために、近年いくつかの企業におい
て軟化させたガラスをプレス成形して直接レンズを作る
精密プレス成形技術が盛んに開発されるようになってき
た。この方法はレンズ等の精密光学素子を大量生産する
のに適した画期的な製造方法であるが、成形温度が高温
であるために成形に用いる金型の表面の形状劣化が激し
く、頻繁に型の再加工が必要となり、これが製品のコス
トを引上げる原因となっている。また、精密プレスを行
なう際に作業温度が600℃以上になると、型材の耐久
性が急激に悪化し、さらに作業効率も悪くなるために、
600℃以下の温度で精密プレスを行なう必要がある。
【0003】これに対処するためにはガラスが軟化する
温度を低下し、なるべく低温度において成形を行なう必
要があるが、一般に上記のPSK、SK、SSK、La
Kなどの比較的低分散のガラスはガラスの屈伏点が高
く、また、成形中金型との融着やガラスの割れなどの現
象が起こり易いなど比較的精密プレス成形が困難なガラ
スに属している。
温度を低下し、なるべく低温度において成形を行なう必
要があるが、一般に上記のPSK、SK、SSK、La
Kなどの比較的低分散のガラスはガラスの屈伏点が高
く、また、成形中金型との融着やガラスの割れなどの現
象が起こり易いなど比較的精密プレス成形が困難なガラ
スに属している。
【0004】SK、SSKの光学性能に類似した光学性
能を有し、かつプレス成形が可能な程度まで屈伏点を低
下させたガラスとしては、SiO2 、Li2 O、B2 O
3 、BaO、La2 O3 (あるいはGd2 O3 )を必須
成分とするガラス(特開昭62−123040、特開平
1−286934)や、P2 O5 、ZnOを必須成分と
するガラス(特開平2−124743)が公知である。
能を有し、かつプレス成形が可能な程度まで屈伏点を低
下させたガラスとしては、SiO2 、Li2 O、B2 O
3 、BaO、La2 O3 (あるいはGd2 O3 )を必須
成分とするガラス(特開昭62−123040、特開平
1−286934)や、P2 O5 、ZnOを必須成分と
するガラス(特開平2−124743)が公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のSiO2 、B2
O3 、BaOを主成分とするSK、SSK組成のガラス
に単にアルカリ金属酸化物を添加しただけのガラスはプ
レス成形時に型材との融着が起こりやすく、あるいは成
形時にガラスが割れやすいなどの欠点がある。またP2
O5 を多量に含むガラスは化学的耐久性に問題があり、
硬度が小さく、したがって傷付きやすいといった欠点も
ある。さらに屈折率(nd )が1.55〜1.65、ア
ッベ数(νd )が50以上の範囲の光学ガラスは比較的
多量にレンズとして用いられるために、低価格であるこ
とが要求され、そのためLa2 O3やGd2 O3 などの
原料価格が比較的高価なランタニド金属酸化物を多量に
含むガラスは使用に適さない場合が多い。
O3 、BaOを主成分とするSK、SSK組成のガラス
に単にアルカリ金属酸化物を添加しただけのガラスはプ
レス成形時に型材との融着が起こりやすく、あるいは成
形時にガラスが割れやすいなどの欠点がある。またP2
O5 を多量に含むガラスは化学的耐久性に問題があり、
硬度が小さく、したがって傷付きやすいといった欠点も
ある。さらに屈折率(nd )が1.55〜1.65、ア
ッベ数(νd )が50以上の範囲の光学ガラスは比較的
多量にレンズとして用いられるために、低価格であるこ
とが要求され、そのためLa2 O3やGd2 O3 などの
原料価格が比較的高価なランタニド金属酸化物を多量に
含むガラスは使用に適さない場合が多い。
【0006】
【発明の目的】上記の実情にかんがみて本発明はなされ
たものであって、その目的は、屈折率(nd )1.55
〜1.65、アッベ数(νd )50以上の範囲の光学定
数と十分な化学的耐久性を維持し、かつ低温での軟化性
を実現し、さらに型材との離型性が良好な精密プレス成
形に適する光学ガラスを提供することにある。
たものであって、その目的は、屈折率(nd )1.55
〜1.65、アッベ数(νd )50以上の範囲の光学定
数と十分な化学的耐久性を維持し、かつ低温での軟化性
を実現し、さらに型材との離型性が良好な精密プレス成
形に適する光学ガラスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような従
来の光学ガラス及びプレス成形用光学ガラスの諸欠点に
かんがみて、研究調査を行った結果、SiO2 、B2 O
3 、BaOを必須とする従来のSK、SSKガラスにア
ルカリ金属酸化物を適量加えると同時にフッ素成分を微
量、もしくは、適量加えることによって、化学的耐久性
を損なうことなく屈伏点を大幅に低下するばかりでな
く、型材との融着やガラスの割れが起りにくくなること
を見出した。
来の光学ガラス及びプレス成形用光学ガラスの諸欠点に
かんがみて、研究調査を行った結果、SiO2 、B2 O
3 、BaOを必須とする従来のSK、SSKガラスにア
ルカリ金属酸化物を適量加えると同時にフッ素成分を微
量、もしくは、適量加えることによって、化学的耐久性
を損なうことなく屈伏点を大幅に低下するばかりでな
く、型材との融着やガラスの割れが起りにくくなること
を見出した。
【0008】すなわち本発明のガラスの成分とその組成
を重量%で示すと SiO2 30〜60 B2 O3 5〜20 Li2 O 2〜10 Na2 O 0〜10 K2 O 0〜10 Cs2 O 0〜10 ただし、Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs2 O 合計量 2〜20 MgO 0〜 5 CaO 0〜30 SrO 0〜30 BaO 12〜40 ただし、CaO+SrO+BaO 合計量 15〜50 ZnO 0〜10 Al2 O3 0〜10 Sb2 O3 0〜 2 弗化物中の弗素合計量 0.5〜 5* * ただし、上記各金属酸化物中の1種または2種以上
の成分の一部または全部と置換した弗化物中の弗素成分
としての合計量 本発明に係る光学ガラスの各成分の組成の範囲を上記の
ように限定した理由は次の通りである。
を重量%で示すと SiO2 30〜60 B2 O3 5〜20 Li2 O 2〜10 Na2 O 0〜10 K2 O 0〜10 Cs2 O 0〜10 ただし、Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs2 O 合計量 2〜20 MgO 0〜 5 CaO 0〜30 SrO 0〜30 BaO 12〜40 ただし、CaO+SrO+BaO 合計量 15〜50 ZnO 0〜10 Al2 O3 0〜10 Sb2 O3 0〜 2 弗化物中の弗素合計量 0.5〜 5* * ただし、上記各金属酸化物中の1種または2種以上
の成分の一部または全部と置換した弗化物中の弗素成分
としての合計量 本発明に係る光学ガラスの各成分の組成の範囲を上記の
ように限定した理由は次の通りである。
【0009】SiO2 は、ガラス網目を構成する主成分
であり、化学的耐久性を向上させる効果がある。しか
し、30%より少ないと上記効果が少なくなり、また、
屈折率が大きくなりすぎる。また、60%よりも多くな
ると屈伏点の上昇をまねく。
であり、化学的耐久性を向上させる効果がある。しか
し、30%より少ないと上記効果が少なくなり、また、
屈折率が大きくなりすぎる。また、60%よりも多くな
ると屈伏点の上昇をまねく。
【0010】B2 O3 は、SiO2 と同様ガラス網目を
構成し、ガラスを安定化させる効果があり、また、低分
散化成分として有効である。しかし、5%よりも少ない
と上記の効果が少なく、20%をこえると化学的耐久性
が悪くなる。
構成し、ガラスを安定化させる効果があり、また、低分
散化成分として有効である。しかし、5%よりも少ない
と上記の効果が少なく、20%をこえると化学的耐久性
が悪くなる。
【0011】Li2 O、Na2 O、K2 O、Cs2 O
(以下この4成分全てを指す場合にはR2 Oと記載す
る)は本発明の必須成分として添加する必要があり、こ
れら成分はガラスの屈伏点を急激に低下させることがで
き、更に溶融性が良好となり、失透傾向を改善させる効
果をも有する。これらの効果、特に屈伏点を550℃以
下にするためには、Li2 O量で最低2%、R2 O量で
最低2%、好ましくは5%以上を要す。また、R2 O量
が多すぎると化学的耐久性が悪化し、熱膨張係数が大き
くなりすぎ、所望の光学定数が得られない等の弊害が現
われるために各成分についてはそれぞれ最大10%、さ
らにR2 O量として20%を最大量とする。CaO、S
rOおよびBaOはガラスに所望の光学定数を得るため
に、更にガラスの安定化に有効であるが、合計量で15
%未満では効果が無く、CaOおよびSrOで各々30
%、BaOだけでは40%、CaO、SrO、BaO3
成分の合計量で50%を超えると化学的耐久性の悪化、
失透傾向の増大を引き起こす。MgOはガラス溶融性、
化学的耐久性の向上に有効であるが、5%を超えると所
望の屈伏点を得にくくなる。
(以下この4成分全てを指す場合にはR2 Oと記載す
る)は本発明の必須成分として添加する必要があり、こ
れら成分はガラスの屈伏点を急激に低下させることがで
き、更に溶融性が良好となり、失透傾向を改善させる効
果をも有する。これらの効果、特に屈伏点を550℃以
下にするためには、Li2 O量で最低2%、R2 O量で
最低2%、好ましくは5%以上を要す。また、R2 O量
が多すぎると化学的耐久性が悪化し、熱膨張係数が大き
くなりすぎ、所望の光学定数が得られない等の弊害が現
われるために各成分についてはそれぞれ最大10%、さ
らにR2 O量として20%を最大量とする。CaO、S
rOおよびBaOはガラスに所望の光学定数を得るため
に、更にガラスの安定化に有効であるが、合計量で15
%未満では効果が無く、CaOおよびSrOで各々30
%、BaOだけでは40%、CaO、SrO、BaO3
成分の合計量で50%を超えると化学的耐久性の悪化、
失透傾向の増大を引き起こす。MgOはガラス溶融性、
化学的耐久性の向上に有効であるが、5%を超えると所
望の屈伏点を得にくくなる。
【0012】ZnOもガラスの溶融性、化学的耐久性の
向上に有効であるが、10%を超えると所望の光学定数
を得にくくなり、また、精密プレス成形の際にガラス成
分が揮発し、金型を劣化させる原因となる。
向上に有効であるが、10%を超えると所望の光学定数
を得にくくなり、また、精密プレス成形の際にガラス成
分が揮発し、金型を劣化させる原因となる。
【0013】Al2 O3 は化学的耐久性の向上に有効で
あるが、10%を超えるとガラスの屈伏点が高くなる。
あるが、10%を超えるとガラスの屈伏点が高くなる。
【0014】Sb2 O3 はガラスの清澄作用を促進させ
るために必要な成分であるが、その効果を維持すせるた
めには2%以下の量で十分である。
るために必要な成分であるが、その効果を維持すせるた
めには2%以下の量で十分である。
【0015】弗素は屈伏点の低下、低分散光学ガラスと
しての光学性能の維持のためには有効な成分であるが、
従来、弗素成分を酸化物ガラス中に添加すると、高温で
のプレス時に弗素成分が揮発し、このため金型やガラス
表面に曇りを生じたり、金型表面の腐食を進行させ易く
なると言われてきた。しかし、本発明者が研究を行なっ
た結果、比較的少量の弗素成分を添加した場合には金型
やガラス表面の曇りや金型表面の腐食の顕著な進行が認
められず、むしろ、ガラスの精密プレス時に型との融着
を防止し、曇りを減少させる効果が顕著であることが判
明した。また、これらの効果を十分引き出させるために
は少なくともフッ素成分量が0.5%を必要とするが、
5%を超えると精密プレス成形の際ガラス成分が揮発
し、金型を劣化させる原因となる。
しての光学性能の維持のためには有効な成分であるが、
従来、弗素成分を酸化物ガラス中に添加すると、高温で
のプレス時に弗素成分が揮発し、このため金型やガラス
表面に曇りを生じたり、金型表面の腐食を進行させ易く
なると言われてきた。しかし、本発明者が研究を行なっ
た結果、比較的少量の弗素成分を添加した場合には金型
やガラス表面の曇りや金型表面の腐食の顕著な進行が認
められず、むしろ、ガラスの精密プレス時に型との融着
を防止し、曇りを減少させる効果が顕著であることが判
明した。また、これらの効果を十分引き出させるために
は少なくともフッ素成分量が0.5%を必要とするが、
5%を超えると精密プレス成形の際ガラス成分が揮発
し、金型を劣化させる原因となる。
【0016】本発明の光学ガラスには上記成分の他に光
学性能の調整、溶融性の改良、化学的耐久性の改善のた
めに、本発明の目的から外れない限り、SnO、Y2 O
3 、La2 O3 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、Ga2 O
3 、Yb2 O3 、In2 O3 、Gd2 O3 、WO3 、G
eO2 、ZrO2 、TiO2 などを適当量含有させるこ
とができる。
学性能の調整、溶融性の改良、化学的耐久性の改善のた
めに、本発明の目的から外れない限り、SnO、Y2 O
3 、La2 O3 、Nb2 O5 、Ta2 O5 、Ga2 O
3 、Yb2 O3 、In2 O3 、Gd2 O3 、WO3 、G
eO2 、ZrO2 、TiO2 などを適当量含有させるこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下本発明に係る実施例について図表を用い
て説明する。
て説明する。
【0018】まず、表1に実施例、比較例、合計12種
のガラスについて、組成(数値は重量%)、屈折率(n
d )、アッベ数(νd )、屈伏点(At)、および耐水
性を示す。
のガラスについて、組成(数値は重量%)、屈折率(n
d )、アッベ数(νd )、屈伏点(At)、および耐水
性を示す。
【0019】原料としては酸化物、炭酸塩、硝酸塩、あ
るいは弗化物を用い、ガラス量として250mlになる
ように各組成について各原料の量を調合した。調合した
ガラス原料混合物を均質になるようあらかじめ十分混合
し、300mlの白金るつぼを用いて1000〜130
0℃で約3時間融解を行なった後、白金棒による攪拌に
よってガラスの均質化を行ない、さらに清澄した後に、
予熱してあったカーボンの型に融解ガラスを流し込んで
ガラスブロックを得、その後これを徐冷した。ガラスの
諸特性を求めるために、作製したガラスブロックから少
量の測定試料用ガラスを切り出し、屈折率(nd )、ア
ッベ数(νd )、屈伏点(At)、耐水性の測定を行な
った。耐水性は日本光学工業会規格(JOGIS規格)
に基づいた粉末法による試験を行ない、ガラスの重量減
少量(重量%)をもって評価値とした。
るいは弗化物を用い、ガラス量として250mlになる
ように各組成について各原料の量を調合した。調合した
ガラス原料混合物を均質になるようあらかじめ十分混合
し、300mlの白金るつぼを用いて1000〜130
0℃で約3時間融解を行なった後、白金棒による攪拌に
よってガラスの均質化を行ない、さらに清澄した後に、
予熱してあったカーボンの型に融解ガラスを流し込んで
ガラスブロックを得、その後これを徐冷した。ガラスの
諸特性を求めるために、作製したガラスブロックから少
量の測定試料用ガラスを切り出し、屈折率(nd )、ア
ッベ数(νd )、屈伏点(At)、耐水性の測定を行な
った。耐水性は日本光学工業会規格(JOGIS規格)
に基づいた粉末法による試験を行ない、ガラスの重量減
少量(重量%)をもって評価値とした。
【0020】つぎに、作製したガラスブロックを切り出
して加工を行ない精密プレス用のボール状のガラス素材
とした。このガラス素材は表面粗さRmax が0.01μ
m以下となるよう仕上げ加工を行なった。
して加工を行ない精密プレス用のボール状のガラス素材
とした。このガラス素材は表面粗さRmax が0.01μ
m以下となるよう仕上げ加工を行なった。
【0021】このガラス素材を用いて表2に示すような
7種の型材料について成形実験を行なった。図1は成形
前の状態を示し、図中の1は上型、2は下型、3はガラ
ス素材を示す。上型および下型両者の表面粗さRmax を
0.01μm以内の精度に加工し、同一材料を用いた。
表2に示す型材の内TiN/WC、ZrB2 /WC、
(Pt−Ir)/WCの3種については所定の精度に加
工したWCの表面にスパッタ法でそれぞれ200〜30
0nmのTiN、ZrB2 、(Pt−Ir)合金の薄膜
を形成したものを使用した。
7種の型材料について成形実験を行なった。図1は成形
前の状態を示し、図中の1は上型、2は下型、3はガラ
ス素材を示す。上型および下型両者の表面粗さRmax を
0.01μm以内の精度に加工し、同一材料を用いた。
表2に示す型材の内TiN/WC、ZrB2 /WC、
(Pt−Ir)/WCの3種については所定の精度に加
工したWCの表面にスパッタ法でそれぞれ200〜30
0nmのTiN、ZrB2 、(Pt−Ir)合金の薄膜
を形成したものを使用した。
【0022】成形には、まずガラス素材を下型の上に設
置し、成形機内を10-2Torr以下に排気した後に、
窒素ガスを導入して窒素ガス雰囲気とした。その後、図
3に示すスケジュールでガラスおよび金型を加熱し、所
定の成形温度(T0 )に達した後5分間そのまま保持
し、その後100kg/cm2 の圧力で5分間上型を加
圧して成形を行なった。加圧成形後に圧力を除去し、5
℃/minの速度で転移温度より50℃低い温度(T
1 )まで冷却を行ない、その後は20℃/min以上の
速度で冷却して、200℃以下の温度でレンズ状のガラ
ス4を取り出した。なお、異なるガラスに対しても成形
条件を一定にするために、成形温度(T0 )はそれぞれ
のガラスの粘性が109.5 ポアズに相当する温度で行な
った。
置し、成形機内を10-2Torr以下に排気した後に、
窒素ガスを導入して窒素ガス雰囲気とした。その後、図
3に示すスケジュールでガラスおよび金型を加熱し、所
定の成形温度(T0 )に達した後5分間そのまま保持
し、その後100kg/cm2 の圧力で5分間上型を加
圧して成形を行なった。加圧成形後に圧力を除去し、5
℃/minの速度で転移温度より50℃低い温度(T
1 )まで冷却を行ない、その後は20℃/min以上の
速度で冷却して、200℃以下の温度でレンズ状のガラ
ス4を取り出した。なお、異なるガラスに対しても成形
条件を一定にするために、成形温度(T0 )はそれぞれ
のガラスの粘性が109.5 ポアズに相当する温度で行な
った。
【0023】成形後のガラスは目視による散乱光および
光学顕微鏡による局所的な融着発生の有無の確認をする
ことによって評価を行なった。
光学顕微鏡による局所的な融着発生の有無の確認をする
ことによって評価を行なった。
【0024】成形実験には1つのガラス−型材の組み合
わせに対して最高100回まで行なった。表2に示す実
験結果は、各ガラス−型材の組み合わせ実験において、
最初に融着が発生するまでの成形回数によって評価分類
を行なったものである。
わせに対して最高100回まで行なった。表2に示す実
験結果は、各ガラス−型材の組み合わせ実験において、
最初に融着が発生するまでの成形回数によって評価分類
を行なったものである。
【0025】表2から明らかなように、弗素成分を適当
量含有する本発明の組成からなる実施例のガラスの成形
可能回数は比較例の成形可能回数に比べて一段と多く、
離型性良好な結果が得られた。
量含有する本発明の組成からなる実施例のガラスの成形
可能回数は比較例の成形可能回数に比べて一段と多く、
離型性良好な結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば屈伏点(At)が550
℃以下であって、かつ屈折率(nd )が1.55〜1.
65、アッベ数(νd )が50以上の光学定数を有し、
十分な化学的耐久性を持ち、型材との離型性が良好な精
密プレス成形に適する光学ガラスが得られる。
℃以下であって、かつ屈折率(nd )が1.55〜1.
65、アッベ数(νd )が50以上の光学定数を有し、
十分な化学的耐久性を持ち、型材との離型性が良好な精
密プレス成形に適する光学ガラスが得られる。
【図1】成形実験におけるプレス成形前の型とガラス素
材の断面図
材の断面図
【図2】プレス成形後の型とガラス試料の断面図
【図3】プレス成形の温度スケジュール
1 上型 2 下型 3 成形前のガラス素材 4 精密プレスしたガラス試料
Claims (3)
- 【請求項1】 SiO2 30〜60 B2 O3 5〜20 Li2 O 2〜10 Na2 O 0〜10 K2 O 0〜10 Cs2 O 0〜10 ただし、Li2 O+Na2 O+K2 O+Cs2 O 合計量 2〜20 MgO 0〜 5 CaO 0〜30 SrO 0〜30 BaO 12〜40 ただし、CaO+SrO+BaO 合計量 15〜50 ZnO 0〜10 Al2 O3 0〜10 Sb2 O3 0〜 2 弗化物中の弗素合計量 0.5〜 5 上記の各成分が重量%で上記の範囲の組成からなる光学
ガラス。 - 【請求項2】 屈折率(nd )が1.55〜1.65、
アッベ数(νd )が50以上の範囲の光学定数を有する
ことを特徴とする請求項1に記載した光学ガラス。 - 【請求項3】 屈伏点が550℃以下であることを特徴
とする請求項1および2に記載した精密プレスレンズ用
光学ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4724292A JPH05246735A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 光学ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4724292A JPH05246735A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 光学ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05246735A true JPH05246735A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12769762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4724292A Pending JPH05246735A (ja) | 1992-03-04 | 1992-03-04 | 光学ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05246735A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005350279A (ja) * | 2004-06-08 | 2005-12-22 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 光学用ガラス |
WO2007136071A1 (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Asahi Glass Co., Ltd. | 光学ガラス |
JP2012126586A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Ohara Inc | 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 |
CN103214161A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-07-24 | 南通龙汇光电技术有限公司 | 一种用于玻璃光学元件的非等温模压方法 |
-
1992
- 1992-03-04 JP JP4724292A patent/JPH05246735A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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