JPH05245904A - 複合管およびその製造方法 - Google Patents

複合管およびその製造方法

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JPH05245904A
JPH05245904A JP4050663A JP5066392A JPH05245904A JP H05245904 A JPH05245904 A JP H05245904A JP 4050663 A JP4050663 A JP 4050663A JP 5066392 A JP5066392 A JP 5066392A JP H05245904 A JPH05245904 A JP H05245904A
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JP
Japan
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resin
layer
tube
pipe
fibrous filler
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JP4050663A
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Inventor
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
Yasushi Goto
靖志 五藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内面樹脂層2の管端部における長さ方向およ
び周方向への経年的収縮が生じず、長期に使用しても金
属層と樹脂層2が良好な接着性を保ち、しかも良好な表
面平坦性と成形性を持つ複合管と、このような複合管を
効率的に製造することのできる方法を提供する。 【構成】 金属管1の少なくとも内面に直接または接着
剤を介して樹脂層2を形成し、この樹脂層2には、繊維
状充填材3が添加された層を含み、かつ、この充填材の
添加層を、管の略軸方向に配向した層と、略周方向に配
向した層とを持つ構造の複合管とする。帯状金属板を連
続的に製管しつつ、その内面に溶融樹脂を押出して金属
管内面を樹脂層2で被覆するに当たり、溶融樹脂内に繊
維状充填材を添加し、その押出し時に、当該樹脂層内
に、繊維状充填材3が複合管の略軸方向に配向する層
と、同じく周方向に配向する層とが形成されるよう、溶
融樹脂の流れの一部を強制的に方向変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給水、排水等の流体を
移送するために用いられる管のうち、耐食性および耐薬
品性を向上させる目的で、金属管の少なくとも内面を樹
脂でライニングした複合管およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】給・排水用の管に耐食性および耐薬品性
を持たせるため、従来、金属管内に合成樹脂管を挿入
し、この両管の間にゴム系接着剤層または発泡体層を介
在させた3層構造の複合管が知られている。
【0003】このような複合管においては、金属管と合
成樹脂管との線膨張率の差が大きいため、複合管内に熱
湯等の高温流体が断続的に流れたとき、金属管と合成樹
脂管とがそれぞれに応じた量だけ熱膨張および収縮を繰
り返すため、特に管端部における合成樹脂管が経年的に
長さ方向および径方向の双方に収縮してしまうという欠
点があった。このような管端部における合成樹脂管の収
縮は、この部分に被移送流体等が滞留する等によって金
属管を腐食させる原因ともなる。
【0004】この問題を解決するため、上記した3層構
造の複合管における合成樹脂管に、合成樹脂100重量
部に対して20重量部以上の無機充填剤を添加した複合
管が提案されている(特開昭55−161639号)。
【0005】一方、金属管の内面が樹脂層で被覆された
複合管の製造方法として、前記したように金属管内にあ
らかじめ成形された合成樹脂管を挿入するのではなく、
帯状の金属板を連続的に製管しつつ、その内面に溶融状
態の合成樹脂を円筒状に押出すことにより、金属管の内
面を直接樹脂層で被覆する製造方法が知られている。こ
の製造方法によると、それぞれの管を別個に作った後に
両者を相互に接着させるバッチ式の製造方法に比して、
製造効率およびスペース効率が高いというメリットがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した特
開昭55−161639号の提案によると、合成樹脂管
の管端部における長さ方向および径方向への経年的収縮
は解消されるものの、無機充填剤の添加量が多く、合成
樹脂管の良好な表面平滑性等が得られないばかりでな
く、成形性の点でも問題があった。
【0007】また、このような無機充填剤を樹脂内に添
加することによりその経年的な収縮を防ぐ思想は、金属
管を連続的に製管しつつその内面に溶融状態の合成樹脂
を直接押出して被覆することで複合管を製造する方法を
採用する場合には、多量の無機充填剤が合成樹脂の金属
との接着性を阻害するため、これをそのまま応用するこ
とはできない。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
ので、樹脂層の管端部における長さ方向および周方向へ
の経年的収縮が生じず、長期に使用しても金属層と樹脂
層とが良好な接着性を保ち、しかも表面平滑性や成形性
が良好な複合管と、このような複合管を効率的に製造す
ることのできる方法の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の複合管は、金属管の少なくとも内面に直接
または接着剤を介して樹脂層が形成された複合管におい
て、上記樹脂層は、繊維状充填材が添加された層を含
み、かつ、この充填材添加層は、繊維状充填材が当該複
合管の略軸方向に配向した層と、同じく略周方向に配向
した層を有することによって特徴付けられる。
【0010】また、本発明の複合管の製造方法は、帯状
金属板を連続的に製管しつつ、その内面に溶融樹脂を押
出すことにより、金属管の内面が樹脂層で被覆された複
合管を製造する方法において、上記溶融樹脂内に繊維状
充填材を添加するとともに、その押出し時に、当該樹脂
層内に、繊維状充填材が複合管の略軸方向に配向する層
と、同じく略周方向に配向する層とが形成されるよう、
溶融樹脂の流れの一部に強制的な方向変化を与えること
によって特徴付けられる。
【0011】
【作用】樹脂層内に繊維状充填材を添加するとともに、
この繊維状充填材を、概ね管の軸方向およびこれと直交
する周方向の2方向に配向させることにより、繊維状充
填材を少量添加するだけで、長期にわたる加熱−冷却の
繰り返しテストによっても、樹脂層は管の長さ方向およ
び径方向のいずれにも収縮しないことが確かめられた。
【0012】すなわち、樹脂層内に繊維状の充填材、特
に、無機の繊維状充填材を添加すると、樹脂の接着固化
時に生じる金属・樹脂界面の残留応力が抑制され、か
つ、熱伸縮が抑制され、また、この繊維状充填材の配向
性を軸方向と周方向にすることにより、充填材を少量添
加するだけで上記した抑制効果が発現する。
【0013】そして、上記のような構造を持つ本発明の
複合管は、帯状金属板を連続製管しつつ、その内面に溶
融樹脂を押出被覆するに当たり、溶融樹脂内に繊維状充
填材を添加しておき、その樹脂の押出し時に樹脂の流れ
の一部に強制的な変化を与えることにより、効率的に製
造することができる。すなわち、繊維状充填材を添加し
た溶融樹脂を金属管内で円筒状に押出す場合、充填材の
配向は、その押出し方向、この場合は管の軸方向、が支
配的となる。そこで、この溶融樹脂の押出し時の流れの
一部に強制的な方向変化を与えて管の周方向とすれば、
繊維状充填材の配向は管の軸方向および周方向となり、
上記した構造の複合管が得られる。
【0014】
【実施例】図1は本発明実施例の複合管の構造を示す部
分切り欠き外観図である。金属管1の内面が樹脂層2で
被覆されており、樹脂層2には繊維状充填材3が添加さ
れている。そして、この樹脂層2は繊維状充填材3の配
向が内側と外側とで相違している。すなわち、樹脂層2
内において繊維状充填材3は内側の層では管の周方向に
ほぼ沿った方向の螺旋状に配向しており、この部分が螺
旋状配向層2aを形成しているとともに、外側の層では
繊維状充填材3が管の軸方向にほぼ沿って配向して、管
軸方向配向層2bを形成している。
【0015】金属管1としては、鋼管、ステンレス管、
アルミニウム管、あるいはメッキ鋼管等を使用すること
ができる。また、この金属管1の表面は、以下に示すよ
うな適当な公知の表面処理を施しておくことが好まし
い。すなわち、一般にはサンドブラスト等の機械的な処
理やアルカリ処理等による脱脂処理、塩酸、硫酸、硝酸
等による酸処理を施しておくことが好ましく、また、特
に鋼管を用いる場合には防錆処理として燐酸亜鉛、燐酸
鉄、しゅう酸、あるいは酸化チタンによる膜処理を、更
に樹脂層2との接着促進のためにカップリング処理等を
施しておくことが好ましい。メッキ鋼管を用いる場合に
は同じく接着促進のためにクロメート処理等を施してお
くことが好ましい。また、樹脂層2との接着性を向上さ
せるためにシリケートやチタネート等のプライマー処理
を施してもよい。
【0016】また、樹脂層2に用いる樹脂としては、シ
ラングラフトポリエチレン、カルボン酸変性ポリエチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルアルコール、ポリアミド等の熱可塑性樹脂や、あるい
はエポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリイソ
シアネート等の熱硬化性樹脂で金属表面に直接被覆可能
なもの、または、接着剤を介してポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル、ポリふっ化ビ
ニリデン、ポリ四ふっ化エチレン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂が適
用可能である。
【0017】そして、樹脂層2に添加する繊維状充填材
3としては、例えばアスベスト、ガラス繊維、チタン酸
カリウムウィスカ、ウォラストナイト等であり、これら
の内のいずれか一種、もしくは複数種を混合したもので
もよい。また、ガラス繊維や炭素繊維等の長繊維をも用
いることができる。
【0018】このような繊維状充填材3の添加量として
は少量でよく、おおよそ2重量%から20重量%程度が
適当である。なお、添加量の上限は特に限定されない
が、充填材の種類により成形方法、管材の二次加工性、
管内面の表面平坦性、あるいはコスト等により制限され
る。
【0019】また、繊維状充填材3には、樹脂層2に用
いる接着性樹脂とのなじみを良くさせるために、表面処
理を施すことが好ましい。一般的には、アミノシラン、
エポキシシラン等のシランカップリング剤や、チタンカ
ップリング剤を使用することができる。
【0020】繊維状充填材3を添加した接着性樹脂の肉
厚は、複合管として長期に使用した場合にも樹脂層2の
局部的な膨れ(ブリスター)が生じないように十分な剛
性が必要であることから、添加した充填材の種類にもよ
るが、実質的に0.5mmから5.0mm程度が好まし
い。
【0021】さて、以上のような構造の複合管は、以下
に示す方法によって効率的に製造することができる。図
2は本発明の製造方法を適用した連続処理工程の一例を
示す模式図である。
【0022】アンコイラー20にセットされた帯状金属
板11は、順次引き出されて表面処理槽30に導かれ
る。表面処理槽30は、帯状金属板11とこの帯状金属
板11に被覆される樹脂層との接着性を向上させるため
に、帯状金属板11の表面を処理する槽であって、ここ
で例えば脱脂処理、除錆処理ないしは防錆処理等が施さ
れる。
【0023】表面処理された帯状金属板11は、次いで
金属フォーミング装置40に導かれて断面略U字形に成
形される。金属フォーミング装置40は、凸曲面および
凹曲面を持つ一対のフォーミングロールをその曲面間に
僅かな隙間が開くように対向させたものを、帯状金属板
11の流れる方向に複数組配列した公知のもので、帯状
金属板11の上流側から下流側に向けて各組のロールの
曲率半径が順次小さくなるように配置されており、帯状
金属板11はこの各フォーミングロール対を通過するこ
とにより、平板状から順次断面略U字形へと成形されて
いく。
【0024】ここで、必要に応じて、金属フォーミング
装置40の上流側もしくはフォーミング工程の途中に配
置された供給装置50により、帯状金属板11の上面
(製管後に管内面となる面)に接着剤・接着促進剤を供
給する。ここで用いられる接着剤としては、熱硬化性の
接着剤であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン
樹脂、変性アクリル等、接着促進剤としてはシランカッ
プリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウ
ム系カップリング剤、有機チタネート等を使用すること
ができる。
【0025】さて、金属フォーミング装置40を経た断
面略U字形の帯状金属板12は、次いで円管成形機60
に導かれ、その両側縁部同士が突き合わされた状態、も
しくは重なった状態の断面真円状の金属筒13に成形さ
れた後、接合機70によってこの金属筒13の側縁部同
士が接合され、金属管14となる。接合機70として
は、溶接機あるいははぜ折り機が用いられる。
【0026】金属管14の内部には、金属フォーミング
装置40と円管成形機60の間の断面略U字形の帯状金
属板12の開口部分から樹脂被覆装置80の一部が挿入
されており、この樹脂被覆装置80から、繊維状充填材
3が添加された溶融樹脂が以下に示すような方法によっ
て金属管14の内面に押出される。
【0027】図3はこの樹脂被覆装置80の要部構造を
示す縦断面図である。樹脂被覆装置80は、円管成形機
60の直前に位置する本体部81と、この本体部81に
連通する樹脂通流路821が形成され、かつ、本体部8
1に片持支持された樹脂通流管82、およびサイジング
コア83等によって構成されており、樹脂通流路821
の先端は円環状に開口して樹脂吐出口822を形成して
いる。
【0028】サイジングコア83は樹脂吐出口822の
更に先端に金属管14と同心上に設けられた円柱形のコ
アであって、その外周面には、螺旋状突条831が形成
されている。この螺旋状突条831の高さhは、金属管
14の内周面とコア83の外周面との隙間寸法Hよりも
低く、例えばHの1/3〜1/2程度の高さとなってい
る。
【0029】このような樹脂被覆装置80により、前記
したような繊維状充填材3を添加した溶融樹脂を金属管
14の内面に樹脂吐出口822を介して円筒状に押出す
と、溶融樹脂は螺旋状突条831の存在によって、その
円筒状の流れの内側の一部のみが回転しながら前進す
る。これにより、この溶融樹脂内に添加されている繊維
状充填材3は、溶融樹脂内の内側所定厚さの層において
金属管14の周方向に沿って螺旋状に配向し、残る外側
の層においては金属管14の軸方向に配向し、それぞれ
図1に示した螺旋状配向層2aと管軸方向配向層2bが
得られる。
【0030】ここで、螺旋状突条831の高さhは、低
すぎると樹脂の回転が十分に起こらず、高すぎると管軸
方向の配向が不十分となり、隙間寸法Hとの関係を前記
した範囲とすることが好ましい。
【0031】なお、接合機70として溶接機を使用する
場合には、金属と樹脂との接着を阻害する溶接熱による
脆い高温酸化膜が発生しないように、溶接工程から樹脂
被覆工程までの間を不活性ガス雰囲気にさらすとよい。
また、不活性ガスに0.1〜5.0体積%の酸素を添加
すると溶接部での樹脂の接着力が向上することが確認さ
れている。
【0032】樹脂被覆装置80の下流側には、必要に応
じて、金属外面被覆装置91、冷却装置92、および、
巻取り装置もしくは切断装置93が順に配設される。以
上の実施例における複合管ないしはその製造方法におい
ては、樹脂層2の内側に螺旋状配向層2aを、外側に管
軸方向配向層2bを形成したが、図4に本発明の他の実
施例の複合管の部分切り欠き外観図を示すように、外側
に螺旋状配向層2aを、内側に管軸方向配向層2bを形
成してもよい。
【0033】この場合、樹脂被覆装置80としては、図
5にその要部縦断面図を示すような構造のものを使用す
ればよい。すなわち、この例においては、溶融樹脂の流
れの一部を強制的に変化させるための螺旋状突条831
を、円筒状の樹脂通流路821内の外側の内壁面に、内
側に向かって突出するように配置している。この突条8
31の高さは、樹脂通流路821の間隙寸法(流路の厚
さ)に対して前記した例と同様に1/3〜1/2とする
ことが好ましい。
【0034】このような螺旋状突条831の配置によ
り、樹脂通流路821を経て樹脂吐出口822から円筒
状に押出される溶融樹脂の流れは、その外側の一部のみ
が回転することになり、繊維状充填材3は外側が螺旋状
に、内側が管軸方向に配向して、図4に示すような外側
に螺旋状配向層2a、内側に管軸方向配向層2bを持つ
樹脂層2が得られる。
【0035】なお、図5に示す樹脂被覆装置において、
螺旋状突条831を樹脂通流路821内の内側の内壁面
に外側に突出するように配置すると、図1に示したもの
と同等の複合管が得られる。
【0036】なお、本発明の製造方法は、以上の各実施
例に限定されず、例えば帯状金属板の製管方法として、
帯状金属板をその両側縁部が突き合わされ、あるいは重
なり合うようにスパイラル状に巻回しつつ、その突き合
わせ部ないしは重なり部を接合する、いわゆるスパイラ
ル製管を採用することができる。
【0037】また、本発明の複合管は、以上のような本
発明の製造方法を用いて製造することに限定されず、後
述するように他の方法によっても製造することができ
る。次に、以上の本発明を適用して実際に複合管を製造
した場合の例について具体的に述べる。
【0038】第1の例として、帯状金属板11として熱
間圧延鋼板を用い、脱脂処理、硝酸処理を行って金属フ
ォーミング装置40および円管成形機60によって円筒
状に成形した後、両側縁部をTIG溶接にて接合した。
この際、内面の溶接部近傍に脆い酸化膜が生じないよう
に酸素を1.0体積%添加した窒素ガスで金属管内部の
雰囲気を置換した。
【0039】同時に、金属管14の内面には、図3に例
示した樹脂被覆装置80によって、繊維状充填材3とし
て直径0.1μm、繊維長13μmのチタン酸カリウム
ウィスカを3重量部添加したシラン架橋ポリエチレンを
溶融状態で押出し、前記したように螺旋状突条831に
よって螺旋状配向層2aと管軸方向配向層2bとからな
る樹脂層2を持つ、図1に示した構造の複合管を得た。
【0040】この例における複合管は、金属管1の外径
114.3mm、その肉厚2.0mm、樹脂層2の肉厚
2.5mmであり、そのうち1.3mmを螺旋状配向層
2aとし、1.2mmを管軸方向配向層2bとした。
【0041】このような複合管(長さ5.0m)につい
て、90°C熱湯を3分間流し、その後20°Cの水道
水を3分間流すサイクルを10000サイクル繰り返す
という加熱−冷却テストを行った。その結果、管端での
樹脂剥離および縮みは全く発生しなかった。
【0042】第2の例として、本発明の製造方法を適用
せず、図6に示すように金属管として外径114.3m
m、肉厚2.0mmの鋼管101を用い、樹脂層102
としては、繊維状充填材103としてアミノシラン処理
を施した直径13μm、繊維長500μmのガラス短繊
維を10重量部添加した、ポリ塩化ビニル管(肉厚2.
5mm)を用いた例をについて述べる。この例において
ポリ塩化ビニル管102は、ガラス短繊維103を1軸
方向に配向含浸させたシートを複数枚積層した積層体2
枚を、繊維の配向方向が管軸方向と周方向になるように
巻き、加熱融着させたものであり、このようなポリ塩化
ビニル管102をウレタン接着剤104を介して鋼管1
01内にライニングした。このような方法によっても図
1もしくは図4に示したものとほぼ等しい構造の複合管
を得ることができる。ただし、この場合、樹脂層102
内には螺旋状配向層に代わって管周方向配向層102a
が管軸方向配向層102bとともに形成されることにな
る。
【0043】さて、このような複合管(長さ5.0m)
について、60°Cの熱湯を3分間流し、その後20°
Cの水道水を3分間流すサイクルを5000サイクル繰
り返すという加熱−冷却テストを行った。その結果、管
端での樹脂の剥離および縮みは全く発生しなかった。
【0044】第1の比較例として、図7に示すように、
鋼管201の内面に、無機充填材として平均粒径30μ
mのタルク203を2重量%添加したシラン架橋ポリエ
チレン202を溶融状態で押出し、鋼管201の内面を
被覆した。形状および寸法は上記した第1の具体例と同
じである。この複合管について第1の具体例と同様の加
熱−冷却テストを行った結果、管端に樹脂の縮みが15
mm発生した。
【0045】第2の比較例として、図8に示すように、
鋼管301の内面に、充填材として平均粒径30μmの
タルク303を20重量%添加したポリ塩化ビニル管3
02を、ウレタン接着剤304を介してライニングし、
第2の具体例と同等の寸法・形状を持つ複合管を得た。
このような複合管に対し、前記した第2の具体例と同等
の加熱−冷却テストを行った結果、管端での樹脂の縮み
が5mm発生した。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合管に
よれば、金属管の少なくとも内面に被覆された樹脂層に
繊維状充填材を添加するとともに、この樹脂層内には、
繊維状充填材が管の略軸方向に配向した層と、同じく管
の略周方向に配向した層を含んでいるから、少量の繊維
状充填材を添加することによって樹脂層の接着固化時に
おける金属・樹脂界面の残留応力、および、熱伸縮の抑
制効果が得られ、長期にわたって使用しても、金属・樹
脂間の接着力の低下や、樹脂層の縮みが生じにくい。
【0047】また、本発明の製造方法によれば、帯状金
属板を連続的に製管しつつ、その内面に溶融樹脂を押出
すに当たり、この溶融樹脂内に繊維状充填材を添加し、
押出し時にはその流れの一部を強制的な方向変化を与え
ることで、前記した構造の複合管を効率的に得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の複合管の構造を示す部分切り欠
き外観図
【図2】本発明の製造方法を適用した連続処理工程の模
式図
【図3】その樹脂被覆装置80の要部縦断面図
【図4】本発明の他の実施例の複合管の構造を示す部分
切り欠き外観図
【図5】図4に示す複合管を製造するための樹脂被覆装
置の要部縦断面図
【図6】本発明の更に他の実施例の複合管の構造を示す
部分切り欠き外観図
【図7】第1の比較例の複合管の構造を示す部分切り欠
き外観図
【図8】第2の比較例の複合管の構造を示す部分切り欠
き外観図
【符号の説明】
1 金属管 2 樹脂層 2a 螺旋状配向層 2b 管軸方向配向層 3 繊維状充填材 11 帯状金属板 12 断面略U字形の帯状金属板 13 金属筒 14 金属管 20 アンコイラー 30 表面処理槽 40 金属フォーミング装置 50 供給装置 60 円管成形機 70 接合機 80 樹脂被覆装置 81 本体部 82 樹脂通流管 821 樹脂通流路 822 樹脂吐出口 83 サイジングコア 831 螺旋状突条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 9/02 7123−3J 58/10 // B29K 105:14 B29L 9:00 4F 23:22 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の少なくとも内面に直接または接
    着剤を介して樹脂層が形成された複合管において、上記
    樹脂層は、繊維状充填材が添加された層を含み、かつ、
    この充填材添加層は、繊維状充填材が当該複合管の略軸
    方向に配向した層と、同じく略周方向に配向した層を有
    することを特徴とする複合管。
  2. 【請求項2】 帯状金属板を連続的に製管しつつ、その
    内面に溶融樹脂を押出すことにより、金属管の内面が樹
    脂層で被覆された複合管を製造する方法において、上記
    溶融樹脂内に繊維状充填材を添加するとともに、その押
    出し時に、当該樹脂層内に、繊維状充填材が複合管の略
    軸方向に配向する層と、同じく略周方向に配向する層と
    が形成されるよう、溶融樹脂の流れの一部を強制的に変
    化させることを特徴とする複合管の製造方法。
JP4050663A 1992-03-09 1992-03-09 複合管およびその製造方法 Pending JPH05245904A (ja)

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JP4050663A JPH05245904A (ja) 1992-03-09 1992-03-09 複合管およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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