JPH08174705A - 複合管の製造方法 - Google Patents

複合管の製造方法

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JPH08174705A
JPH08174705A JP6320006A JP32000694A JPH08174705A JP H08174705 A JPH08174705 A JP H08174705A JP 6320006 A JP6320006 A JP 6320006A JP 32000694 A JP32000694 A JP 32000694A JP H08174705 A JPH08174705 A JP H08174705A
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pipe
metal
layer
resin
tube
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JP6320006A
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English (en)
Inventor
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期にわたって使用しても内面の合成樹脂層
の剥離や縮み、あるいは膨れ等が生じない高品質の複合
管を、比較的少ない設備投資のもとに得ることのでのる
製造方法を提供する。 【構成】 帯状金属板101を連続的に円管状に成形し
つつ、その突き合わせ部を溶接することによって第1の
金属管102を連続製管しながら、その第1の金属管1
02内に挿入された樹脂押出金型から樹脂を押し出すこ
とにより、金属管102の内面が樹脂層103で被覆さ
れた2層管104を形成し、その2層管104を、接着
剤を介在させて第2の金属管105内に挿入して、これ
らを相互に接着させて一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給水、給湯、排水、空
調用等の流体を移送するに用いられる管材のうち、耐蝕
性、耐薬品性を向上させる目的で、金属管の少なくとも
内面に樹脂をライニングした複合管の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属管の内面に樹脂をライニングした複
合管の製造方法としては、従来、合成樹脂管の外面に接
着剤を塗布した後、この合成樹脂管を金属管内に挿入
し、合成樹脂管を膨径させたり、あるいは金属管を縮径
させることによって、双方の管を複合化する方法が知ら
れている。
【0003】一方、以上のようなバッチ式の生産方式に
対し、連続的に金属・樹脂複合管を製造する連続押出被
覆法が、例えば特開平5−111971号に開示されて
いる。これは、熱間圧延鋼板(SPHC)や冷間圧延鋼
板(SPCC)などの帯状金属板(金属フープ材)を円
管状に連続成形し、その突き合わせ部を例えばTIG溶
接などの溶接手段によって相互に接合して連続的に製管
しながら、円管状への成形途上の帯状金属板の開口部分
から溶接後の金属管内に挿入した樹脂押出金型により金
属管内面に合成樹脂を押し出し、金属管内面を合成樹脂
で被覆する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な従来の複合管の製造方法のうち、金属管内に合成樹脂
管を挿入して複合化する方法では、合成樹脂管の成形歪
みや、複合化時の成形歪みにより、長期に使用した場合
に合成樹脂が収縮し、金属管との接着力が弱まって金属
管と合成樹脂管とが剥離したり、あるいは樹脂管が縮ん
で管端部において金属管内面が露出してしまう場合があ
った。また、接着界面に空気が介入してしまったり、接
着剤として発泡ウレタンのような発泡性接着剤を用いた
場合には、ガスの偏在等に起因して、管内に熱湯が流れ
ることによる温度上昇によりそのガスが膨張して、内面
の合成樹脂管を変形(膨れ)させて管閉塞を来してしま
うことがあった。
【0005】これに対し連続製管された金属管内面に合
成樹脂を押し出す連続押出被覆法では、溶融樹脂が金属
管内面に接着するため、接着強度が高く、また、ガスが
介在する恐れが全くなく、熱湯などに対する耐久性の非
常に高い高品質の複合管が得られるものの、帯状金属板
を円管状に連続成形するためのロールフォーミング設備
等の設備投資が非常に高くなるという問題がある。特
に、金属管として鋼管を用いたライニング鋼管において
は、口径が大きくなると鋼管肉厚が厚くなり、このよう
な厚肉の鋼材を円管状に成形するには大容量のロールフ
ォーミング設備を必要とし、大規模な設備投資が必要と
なる。
【0006】また、この種の管においては、図8に例示
するように、管どうしの接続方法としてルーズフランジ
203を用いた接続方法が多用されるが、ルーズフラン
ジ203を用いた接続を行うためには、複合管の管端を
金属層201および樹脂層202をもろとも鍔返し加工
を施す必要がある。このような管端鍔返し加工を行う場
合、上述の従来の各製法のいずれの製法によって得られ
た複合管であっても、金属管の肉厚が厚いが故に、図示
のように加工後の内面樹脂層202の曲げコーナー部R
に大きな引張応力Tが残留し、長期に使用した場合には
その曲げコーナー部R近傍の樹脂層202の表面にクラ
ックCが入ったりする場合があった。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、長期にわたって使用しても
内面の合成樹脂層の剥離や縮み、あるいは膨れ等が生じ
ない高品質の複合管を、比較的少ない設備投資のもとに
得ることのできる製造方法を提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、管端鍔返加工後において、
長期の使用によって樹脂層のコーナー部分にクラックが
発生しにくい複合管の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の複合管の第1の
製造方法は、実施例図面である図1、図2に示すよう
に、金属管(第1の金属管)102内面を樹脂層103
で被覆してなる2層管104を、接着剤を介在させて別
の金属管(第2の金属管)105内に挿入し、これら両
管104と105を相互に接着させて一体化することに
よって特徴づけられる。
【0009】ここで、2層管104と第2の金属管10
5とを一体化する工程として、上記の接着剤による接着
方法に代えて、管端鍔返し加工によりこれら両管を機械
的に一体化する方法(第2および第3の製造方法)を採
用することができる。
【0010】すなわち、2層管104を、その外径と略
同等の内径寸法を持つ第2の金属管107内に挿入した
状態で、両端に鍔返し加工を施すことにより、これら両
管104と107を一体化することができる(第2の製
造方法、図4,図5参照)。
【0011】また、第2の金属管として、その内径寸法
が2層管104の外径寸法よりも所定量だけ大きい金属
管109を用いるとともに、この第2の金属管109内
に2層管104を挿入する際に、第2の金属管109の
内面と2層管104の外面との間に部分的にスペーサ部
材110を介在させることにより、2層管104と第2
の金属管109との間に空気層111を形成し、その状
態で鍔返し加工を施すことによって両管を一体化しても
よい(第3の製造方法、図7参照)。
【0012】そして、以上の第1〜第3の各製造方法に
おける2層管104の製造方法は特に限定されないもの
の、図1に示すように、帯状金属板101を連続的に円
管状に成形しつつ、その突き合わせ部を溶接することに
よって金属管(第1の金属管)102を連続製管しなが
ら、円管状への成形過程の帯状金属板101の開口部か
ら溶接後の第1の金属管102内に樹脂押出金型を挿入
して金属管102の内面に向けて樹脂を押し出すことに
より、第1の金属管102の内面を樹脂層103で被覆
する方法を採用することが望ましい。
【0013】また、以上の本発明の第2および第3の製
造方法においては、2層管104と第2の金属管107
または109の両者を同時に鍔返し加工する方法と、第
2の金属管107または109をあらかじめ鍔返し加工
しておき、その内部に2層管104を挿入して、2層管
104を鍔返し加工する方法のいずれをも採用すること
ができる。
【0014】本発明における第1の金属管102の材
料、あるいはその第1の金属管102を製造するための
帯状金属板101としては、各種鋼板、アルミニウム板
等を使用することができるが、その厚さは後述するよう
に薄いものでよい。
【0015】帯状金属板101の円管状への成形方法と
しては、ロールフォーミングやスパイラルフォーミング
法を使用することができる。その突き合わせ部の溶接方
法は、TIG(タングステン・イナート・ガスアーク)
溶接、プラズマアーク溶接などのアーク溶接が好適であ
る。
【0016】2層管104の内面被服樹脂、あるいはそ
の2層管104の製造工程において押出被覆に供する樹
脂の材質としては、帯状金属板101との接着性に優れ
るもの、例えばシラン変性あるいはカルボン酸変性など
の変性ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルアルコール、ポリアミド等の熱可塑
性樹脂がその製品用途によって選定される。これらの樹
脂には、必要に応じて無機充填材や酸化防止剤を添加し
てもよい。また、この樹脂と第1の金属管102との接
着耐久性を向上させるために、帯状金属板101の表面
を、有機チタネートやシランカップリング剤等のプライ
マーで処理ことが望ましい。
【0017】第2の金属管105、107あるいは10
9としては、一般の鋼管、高張力鋼管、アルミニウム管
等を使用することができる。そして、第2の金属管10
5とこれに内挿される2層管104とを接着剤を用いて
一体化する第1の製造方法における具体的方法として
は、外面を洗浄した2層管104の外面にホットメルト
などの接着剤を塗布し、第2の金属管105内に挿入し
た後、第2の金属管105をロールや金型により縮径し
て接着させる方法、あるいは第2の金属管105内面と
2層管104外面に発泡性ウレタン原液を塗布し、挿入
後、発泡硬化させて一体化させるなどの従来の方法を採
用することができる。
【0018】また、管端鍔返し加工により第2の金属管
107または109と2層管104を一体化する第2お
よび第3の製造方法における具体的な鍔返し加工方法と
しては、パンチ成形やゴム型を用いたバルジ成形等の公
知の方法を利用することができる。
【0019】更に、第3の方法において用いるスペーサ
部材110としては、PP(ポリプロピレン)バンド、
紙管などの非金属材料を用いることが望ましい。このス
ペーサ部材110の配設位置としては、第1および第2
の金属管とも比較的剛直な場合には管の両端近傍のみと
すれば足りる。そのスペーサ部材110の配置方法と
は、2層管104の外周に固着した後に第2の金属管1
09内に挿入する方法、第2の金属管109内に固着し
た後に2層管104を挿入する方法、あるいは第2の金
属管109内に2層管104を挿入した後、その両端か
ら両管の間にスペーサ部材110を挿入する方法等を採
用することができる。
【0020】
【作用】本発明は、金属管内に合成樹脂管を挿入して複
合化する方法、および、連続押出被覆法における各欠点
を回避して、比較的少ない設備投資のもとに、容易に耐
熱耐久性に優れた高品質の複合管を得ようとするもので
ある。 すなわち、第1の製造方法では、第1の金属管
102の内面を樹脂で被覆した2層管104を、第2の
金属管105内に接着剤を介して挿入して一体化するこ
とで、第2の金属管105の内面が、接着剤層106お
よび第1の金属管102を介して樹脂層103でライニ
ングされた複合管100が得られる。
【0021】このようにして製造された複合管による
と、接着剤層106と樹脂層103との間に第1の金属
管102が介在しているため、偏在ガスの熱膨張による
樹脂層103の膨れも生じない。更に、複合管内部を流
れる流体が樹脂中を拡散しても、接着剤層106との間
に金属層(第1の金属管)102が介在しているため、
流体が接着剤層106には至らず、この接着剤層106
の接着強度を損なうことはない。
【0022】そして、2層管104の製造方法として、
帯状金属板101の連続製管とその内面への樹脂の押出
被覆による連続押出被覆法を採用した場合には、樹脂層
は連続押出被覆により第1の金属管102の内面に強固
に接着し、成形歪み等に起因する収縮や剥離が生じず、
連続押出被覆法による利点のみをそのまま生かすことが
できる。しかも、帯状金属板101の連続成形・溶接に
より製造する必要のある第1の金属管102は複合管1
00の外層を形成せず、任意の製法によって得られる第
2の金属管105が複合管外層となるため、第1の金属
管102の肉厚を薄くし、第2の金属管105により複
合管としての要求強度を満たすことで、帯状金属板10
1の連続成形に供されるロールフォーミング設備等の容
量を小さくすることが可能となり、上記と併せて第1の
目的を達成することができる。
【0023】また、第2および第3の製造方法では、同
様の2層管104を、第2の金属管107または109
内に挿入した状態で鍔返し加工することにより、第2の
金属管107または109内に2層管104が機械的に
一体化された複合管が得られる。この第2および第3の
製造方法によっても、第1の製造方法と同様に、樹脂層
103は第1の金属管102の内面に強固に固着して成
形歪み等に起因する収縮や剥離が生じず、第1の金属管
102の存在により、樹脂層103が内面に向けて膨れ
るといった恐れもなく、第1の目的を達成できる。
【0024】そして、第2および第3の製造方法による
と、2層管104は第2の金属管107ないしは109
に接着されていない状態で鍔返し加工されるため、つま
り薄い金属管102の内面に樹脂層103がライニング
されたものが鍔返し加工されるため、コーナー部分の残
留する応力は小さくなり、長期使用によってもクラック
が生じる恐れがなく、第2の目的を達成できる。
【0025】また、第3の製造方法において2層管10
4と第2の金属管109の間に介在するスペーサ部材1
10は、2層管104と最外層である第2の金属管10
9との間に空気層111を形成する役割をも担い、この
空気層111は、管内部の流水の音が外部に伝達される
ことを低減する、という遮音効果を持つ。
【0026】
【実施例】図1は本発明の第1の製造方法を適用した複
合管の製造ラインの実施例を示す模式的構成図である。
【0027】アンコイラー1にセットされた帯状金属板
101は、順次引き出されて表面処理槽2に供給され、
ここで脱脂処理、除錆処理等が施される。この帯状金属
板101としては、前記したように鋼板、アルミニウム
板等を使用することができるが、複合管の強度は主とし
て最外層の後述する第2の金属管105に担わせること
ができるので、帯状金属板101は薄肉のものを使用す
ることができる。
【0028】さて、表面処理された帯状金属板101
は、次いで金属フォーミング装置3によって断面略U字
形に成形される。この金属フォーミング装置3は、例え
ば凸形曲面および凹形曲面を持つ一対のフォーミングロ
ールを、帯状金属板101の流れる方向に複数組直列的
に配設し、その各組のロールの曲率半径を、帯状金属板
101の上流側から下流側に向かって順次小さくなるよ
うに配置した、いわゆるロールフォーミング装置を使用
することができる。そして、このように帯状金属板10
1が断面略U字形に成形されたところで、その上面(後
述する2層管104の内面となる面)に、プライマー塗
布装置4によって有機チタネートないしはシランカップ
リング剤等のプライマーが塗布される。
【0029】プライマー処理後の断面略U字形の帯状金
属板101は、次いで円管成形機5により、両側縁部が
突き合わされて断面真円の円管状に成形された後、溶接
機6により、その突き合わせ部が相互に溶接され、第1
の金属管102となる。
【0030】このようにして連続製管される第1の金属
管102の内面は、樹脂被覆装置7から押し出される樹
脂によって連続的に被覆されて2層管104となる。樹
脂被覆装置7は、図2にその要部断面図を示すように、
押出機(図示せず)から溶融樹脂が供給される本体部7
1と、この本体部71に連通する樹脂通流路が形成さ
れ、かつ、本体部71に片持支持された樹脂通流管7
2、および、その樹脂通流管72の先端部分に設けられ
た樹脂吐出口72aよりも先端側に突出するサイジング
コア73によって構成され、樹脂通流管72は、円管成
形機5によって断面真円に成形される前の断面略U字形
の帯状金属板101の両側縁部間の開口部からその内部
に下流側に向けて挿入される。樹脂吐出口72aおよび
サイジングコア73は溶接機6の下流側に位置し、樹脂
吐出口72aから溶接後の第1の金属管102の内面に
溶融状態の合成樹脂が円筒状に押し出され、この合成樹
脂は、次段のサイジングコア73と第1の金属管102
の間を経て、この第1の金属管102の内面を覆う一様
な肉厚の樹脂層103に成形され、第1の金属管102
の内面が樹脂層103で被覆された2層管104が得ら
れる。
【0031】ここで、樹脂被覆直前に第1の金属管10
2の内面温度を上げるために、溶接機6による溶接部位
と樹脂吐出口72aとの間の適宜箇所に加熱装置を配置
することが望ましい。また、溶接工程において、金属と
樹脂との接着を阻害する脆い高温酸化膜が生成されるこ
とを防止するために、溶接工程から樹脂被覆工程までの
間の第1の金属管102の内面を不活性ガス雰囲気に曝
すとよい。この場合、不活性ガスに0.1〜5.0体積
%の酸素を添加すると溶接部での樹脂の接着力が向上す
ることが確認されている。
【0032】樹脂被覆装置7の下流側には、必要に応じ
て配置された冷却装置8を介して切断装置9が設けられ
ており、2層管14は適当な長さに切断される。この切
断後の2層管14は接着剤塗布装置10等に導かれ、そ
の外面に一様に接着剤が塗布された後、別途用意された
第2の金属管105内に挿入される。そして、その第2
の金属管105は、2層管14の挿入状態で縮径装置1
1に導かれ、外周面側からの縮径加工によって縮径さ
れ、2層管14と一体化されて複合管100となる。
【0033】ここで、接着剤としてホットメルトを使用
する場合には、2層管14の成形ラインに組み込まれる
形で、切断装置10の手前に外面洗浄装置、ホットメル
ト押出塗布装置を順に配置してもよい。
【0034】以上のような工程で得られた複合管100
は、図3にその構造を断面図で示すように、内側から樹
脂層103、第1の金属管102、接着剤層106、第
2の金属管105の順で積層されたものとなる。このよ
うな構造によれば、樹脂層103は連続押出被覆法によ
り第1の金属管102の内面に成形されるから、第1の
金属管102に対する接着強度が高く、かつ、成形歪み
等に起因する収縮が生じにくい。また、第1の金属管1
02と第2の金属管105の間にガスが偏在していたと
しても、このガスが管内を流れる熱湯等による温度上昇
で膨張した場合に、第1の金属管102の存在により樹
脂層103を変形(膨れ)させることがない。また、複
合管100内を流れる液体が樹脂層103に拡散して
も、その液体は第1の金属管102によって接着剤層1
06に到達することがなく、従って接着剤層106は長
期にわたって接着力が低下することがない。
【0035】そして、複合管100としての強度は、外
層の第2の金属管105で担えばいいから、金属フォー
ミング装置3並びに円管成形機5によって連続成形する
必要のある第1の金属管102の肉厚を薄くすることが
可能となり、これらの金属成形装置に必要な容量は小さ
なものでよい。
【0036】次に第2の製造方法の実施例について述べ
る。この第2の製造方法では、以上の実施例と同様にし
て得た2層管を、第2の金属管と一体化する際、接着剤
を用いて両管を相互に接着せず、2層管をその外径寸法
と略同等の内径寸法を持つ第2の金属管内に挿入し、両
端を鍔返し加工することによってこれら両管を機械的に
一体化する点に特徴がある。
【0037】すなわち、図1に示した先の実施例の製造
工程において、切断装置9で適当な長さに切断された2
層管104を、図4に第2の発明の実施例の要部工程を
例示するように、その外径寸法と略等しい内径寸法を持
つ第2の金属管107内に挿入し、また、必要に応じて
第2の金属管107の外周にルーズフランジ203を挿
入した状態で、外型301で受けるとともに、まず、
(A)に示すように管端からコニカル型302を押し込
むことによって、2層管104と第2の金属管106の
双方の管端を円錐形状に拡径した後、(B)に示すよう
にその拡径部分に決め押し型303を押し込むことによ
って、両管の管端を180°外側に折り曲げた、いわゆ
る鍔返し加工を施す。このような鍔返し加工を両端に施
すことによって、2層管104と第2の金属管107と
が機械的に一体化され、図5に要部断面図を示すような
複合管108となる。
【0038】なお、以上のようなパンチ成形時において
は、内外各管に加工によるずれが生じるので、図4のよ
うに2層管104の管端を第2の金属管107の管端か
ら所定寸法だけ外方に出しておく必要がある。
【0039】このように鍔返し加工によって2層管10
4と第2の金属管107を一体化する第2の製造方法に
よると、先に述べた第1の製造方法と同等の作用効果に
加えて、樹脂層103は薄肉の第1の金属管102に固
着されているだけであるため、鍔返しコーナー部分Rに
強い引張応力が残留せず、長期にわたる使用によっても
その部分にクラックが生じる恐れがなくなる、という効
果を奏することができる。
【0040】次いで第3の製造方法の実施例について述
べる。この第3の製造方法では、第2の製造方法と同様
に2層管104を第2の金属管内に挿入して、その両端
を鍔返し加工することによってこれら両管を機械的に一
体化するが、これら両管の間にスペーサ部材を介在させ
ることによって空気層を形成する点に特徴がある。
【0041】図6はその第3の製造方法の実施例によっ
て得られた複合管112の要部構造を示す断面図であ
り、この第3の製造方法の例では、先の各例と全く同様
の工程で得られた2層管104を、その外径寸法よりも
所定寸法だけ台形の内径寸法を持つ第2の金属管109
内に、例えば両端近傍のそれぞれに1箇所ずつスペーサ
部材110を介して挿入し、その状態で、図4に例示し
たパンチ成形等によってこれら両管104および109
の両端に鍔返し加工を施す。これにより、第2の製造方
法と同様に2層管104と第2の金属管109は機械的
に一体化され、複合管111となる。
【0042】この第3の製造方法の実施例により得られ
た複合管112は、第2の金属管109と2層管104
との間に空気層111が介在した構造となるため、第2
の製造方法による効果に加えて、管内部の液体の流水音
が外部に伝達しにくく、遮音性に優れる、という効果を
奏することができる。スペーサ部材110の材質とし
て、PPバンドまたは紙管等の非金属材料を用いること
が、遮音性を向上させるうえで望ましい。
【0043】また、第2および第3の製造方法では、2
層管と第2の金属管との一体化に接着剤を使用しないた
め、2層管の外面や第2の金属管に対して脱脂、除錆処
理等の表面処理が不要となるという利点もある。
【0044】なお、第2および第3の製造方法における
管端の鍔返し加工に際しては、第2の金属管107また
は109の管端部をあらかじめ鍔返し加工を施してお
き、その状態で内部に2層管104を挿入して、2層管
104の管端部を第2の金属管107または109の鍔
部に沿うように鍔返し加工を施してもよい。この場合、
加工時に樹脂層103の表面に加わる力をより小さくす
ることができるため、より好ましい。
【0045】また、このような鍔返し加工は、図4のよ
うなパンチ成形を用いるほか、図7に例示するように、
外型401と端部密封型402で管端部分を密封し、か
つ、その内部にゴム型404を封入した状態で、管内に
油圧シリンダまたはラム403を押し込むことによって
ゴム型404に圧力を加える、いわゆるバルジ成形法を
採用してもよい。
【0046】更に、第1〜第3の各製造方法において、
第1の金属管の成形をロールフォーミングに代えてスパ
イラルフォーミングにする等、各工程の適宜の変更が可
能であることは勿論である。
【0047】次に、前記した第1〜第3の各製造方法の
実施例を用いて、実際に複合管を製造した例を、比較例
とともに述べる。 (実施例1)肉厚0.9mmの帯状の熱間圧延鋼板にア
ルカリ脱脂、硝酸処理を行い、金属フォーミング装置3
により断面略U字形に成形し、更に円管成形機5によっ
て円管状に成形した後、両側縁部をTIG溶接にて溶接
接合し、外径110.0mmの鋼管(第1の金属管)を
製造しつつ、溶接後の管内面に連続的にシラン変性ポリ
エチレンを200°Cで押し出し、鋼管内面が2mm厚
の樹脂層で被覆された2層管を得た。
【0048】この2層管の外面にホットメルト接着剤を
塗布した後、外径115.0mm、内径111.0mm
の鋼管(第2の金属管)内に挿入し、その鋼管を金型で
縮径して2層管と一体化させ、外径114.3mmの複
合管を得た。この複合管内に、85°Cおよび25°C
の冷熱水を繰り返し通水したところ、5000サイクル
時点で全く異常は見られなかった。
【0049】(実施例2)実施例1と全く同様にして得
た外径110.0mmの2層管を、外径114.3m
m、内径111.0mmの鋼管内に挿入した状態で、両
端をパンチ成形によって鍔返し加工し、複合管を得た。
この複合管に対して実施例1と同様の通水テストを施し
たところ、同様に5000サイクル時点で全く異常は見
られず、鍔返しコーナー部分におけるクラック等も発生
していないことが確かめられた。
【0050】(実施例3)実施例1と全く同様にして得
た外径110.0mmの2層管を、その両端からそれぞ
れ50mmの位置の外周に、厚み0.5mm、幅20m
mのPPバンドを接着剤を介して巻きつけた後、外径1
14.3mm、内径111.0mmの鋼管内に挿入し、
両端をパンチ成形によって鍔加工し、複合管を得た。こ
の複合管に対して先の各例と同様の通水テストを施した
が、同じく5000サイクル時点で管内面並びに鍔返し
コーナー部分のいずれにも全く異常は認められなかっ
た。
【0051】(比較例)外径115.0mm、内径11
1.0mmの鋼管の内面に、2mm厚の塩化ビニル樹脂
管をホットメルト接着剤を介して挿入し、実施例1と全
く同様に縮径して複合管を得た。この複合管内に、上記
と同様に85°Cおよび25°Cの冷熱水を繰り返し通
水したところ、5000サイクルにて端部の剥離と樹脂
管の縮みが認められた。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の金属管内面を樹脂で被覆した2層管を、接着剤を
介して第2の金属管内に挿入してこれらを一体化し、あ
るいは、その2層管を第2の金属管内に挿入した状態で
両端に鍔返し加工を施すことによってこれらを一体化す
るから、第1と第2の金属管との間に空気または接着剤
中のガスが偏在して、そのガスが管内を流れる熱湯等に
よって加熱されて膨張しても、第1の金属管の存在によ
って樹脂層を変形させることがなく、また、複合管内を
流れる液体が樹脂層内に拡散しても、その液体は第1の
金属管によって接着剤層にまで至ることが阻止される結
果、接着剤層が劣化することがなく、第1と第2の金属
管との接着耐久性も良好なものとなる。
【0053】一方、第2および第3の製造方法では、2
層管は鍔返し加工によって機械的に第2の金属管と一体
化されているため、長期の使用によってこれら両管が分
離してしまう等の恐れはない。
【0054】そして、以上の各方法における2層管の製
造方法として、帯状金属板の連続成形・溶接と同期して
その内面に樹脂を押し出す、連続押出被覆法を採用する
と、樹脂層と第1の金属管との接着強度が高く、また、
樹脂層は成形歪み等に起因する収縮も生じない。またこ
の場合、複合管の強度は主として外層の第2の金属管に
よって担えばよいため、連続押出被覆法の採用により帯
状金属板の連続成形・溶接で成形する必要のある第1の
金属管の肉厚は、従来の連続押出被覆法で用いる金属管
に比して大幅に薄くすることができ、帯状金属板を円管
状に成形するためのロールフォーミング装置等の設備の
容量は大幅に少なくてすむ。特に、外層の金属管として
高張力鋼を用いる必要のある圧力用の複合管の製造に際
しては、従来、大口径管を得るためには極めて大容量の
金属成形設備を要していたものが、本発明の採用によ
り、第1の金属管の材質として例えば軟鋼を用いること
が可能となることから、フォーミング装置等の金属成形
設備は大幅に小容量のものを使用することができ、設備
投資を大幅に減少させることができる。
【0055】また、第2および第3の製造方法による
と、鍔返し加工時に樹脂層は比較的肉厚の厚い第2の金
属管に対して接着されていないため、鍔返しコーナー部
分において大きな引張応力が残留することがなく、クラ
ック等が発生する恐れもない。
【0056】更に、第3の製造方法により得られた複合
管では、第2の金属管と2層管の間に空気層が形成され
るため、流水音の遮蔽効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法を適用した複合管の製
造ラインの実施例を示す模式的構成図
【図2】その樹脂被覆装置7の要部断面図
【図3】本発明の第1の製造方法の実施例により得られ
た複合管100の構造を示す断面図
【図4】本発明の第2の製造方法の実施例の要部工程で
ある鍔返し工程の説明図
【図5】本発明の第2の製造方法の実施例により得られ
た複合管108の構造を示す断面図
【図6】本発明の第3の製造方法の実施例により得られ
た複合管111の構造を示す断面図
【図7】第2および第3の製造方法における鍔返し加工
の他の工程例の説明図
【図8】鍔返し加工が施された従来の複合管の要部断面
【符号の説明】
3 金属フォーミング装置 4 プライマー塗布装置 5 円管成形機 6 溶接機 7 樹脂被覆装置 71 本体部 72 樹脂通流管 72 樹脂吐出口 73 サイジングコア 9 切断装置 10 樹脂塗布装置 11 縮径装置 101 帯状金属板 102 第1の金属管 103 樹脂層 104 2層管 105 第2の金属管 106 接着剤層 100,108,111 複合管 107,109 第2の金属管 110 スペーサ部材 111 空気層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 1/08 A 15/08 K // B29L 9:00 23:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管内面を樹脂で被覆してなる2層管
    を、接着剤を介在させて別の金属管内に挿入し、これら
    両管を相互に接着させて一体化する、複合管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 金属管内面を樹脂で被覆してなる2層管
    を、その外径と略等しい内定寸法を持つ別の金属管内に
    挿入した状態で、両端を鍔返し加工することによってこ
    れら両管を一体化する、複合管の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属管内面を樹脂で被覆してなる2層管
    を、その外径よりも所定量だけ大きい内径寸法を持つ別
    の金属管内に、当該金属管内面と2層管外面との間に部
    分的にスペーサ部材を介して挿入した状態で、両端を鍔
    返し加工することによってこれら両管を一体化する、複
    合管の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記2層管の製造方法が、帯状金属板を
    連続的に円管状に成形しつつ、その突き合わせ部を溶接
    することによって金属管を連続製管しながら、上記円管
    状への成形過程の帯状金属板の開口部分から溶接後の金
    属管内に樹脂押出金型挿入して当該金属管内面に向けて
    樹脂を押し出す方法であることを特徴とする、請求項
    1、2または3に記載の複合管の製造方法。
JP6320006A 1994-12-22 1994-12-22 複合管の製造方法 Pending JPH08174705A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105537316A (zh) * 2016-01-15 2016-05-04 上海天阳钢管有限公司 一种不锈钢复合管的制造方法

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CN105537316A (zh) * 2016-01-15 2016-05-04 上海天阳钢管有限公司 一种不锈钢复合管的制造方法

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