JPH0524586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両、船舶又は航空機等の乗客用座
席に装置する座席用足乗せ装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来から座席の後部フレームに対して上下方向
へ回動自在に軸支したステーの遊端側にフツトレ
ストを取り付けた構造に成る座席用足乗せ装置が
多用されており、不使用時には座席のシートバツ
ク側に格納しておき、所望により後部座席の乗客
が手前に回動展開させて使用することができる構
造になつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

所で、上記従来の座席用足乗せ装置は、不使用
時に座席のシートバツク側に格納しておくもので
あるため、該シートバツクをリクライニングさせ
た場合にもその格納状態を維持し得るよう構成す
る必要があり、したがつて、フツトレストをシー
トバツクのリクライニング動作の邪魔にならない
程度に小型化しなければならず、概して使用勝手
の悪いものが多かつた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、不使用時に座席のシートバツク後面に格納
した状態のまま該座席をリクライニングさせて
も、フツトレストの格納状態をそのまま維持する
ことができると共に、使用勝手や使用感に優れた
座席用足乗せ装置を提案することを目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る座席
用足乗せ装置は、座席の後部フレームに固定した
一対のブラケツトの下縁部に対して夫々遊端側に
フツトレストを設けて成る主ステーを回動自在に
軸支すると共に、該主ステーの軸支部の上方に補
助ステーを回動自在に軸支し、該補助ステーの遊
端側を上記主ステーの長手方向端面に透設した長
溝の規制範囲内において自在に摺動するように連
結し、かつ上記ブラケツトと補助ステーの間に引
つ張りばねを掛け渡し、主ステーの回動に連動し
て旋回する該引つ張りばねの旋回範囲内にデツド
ポイントを構成し、上記ブラケツトに対する上記
主ステーの軸支部に該主ステーを上方へ回動付勢
するコイルばねを介装したことを要旨とするもの
である。

〔作用〕

上記構成によれば、補助ステーは、引つ張りば
ねがデツドポイントを越える上部側において常時
該引つ張りばねによつてシートバツク側に張引維
持されるため、シートバツクをリクライニング動
作させたときにもその格納姿勢が維持される。

使用者が、所望によりフツトレストを座席の後
方へ回動展開させる場合には、補助ステーが上記
デツドポイントを越えた位置から下方へ移動する
に連れて、逆に主ステーが上方への弾性力を蓄積
して、フツトレストを固設した主ステーの転動時
における衝撃を緩和することができる。

また、コイルばねも主ステーの下方への回動動
作に伴つて弾性力を蓄積し、補助ステーがデツド
ポイントを越えた下方において作用する上記引つ
張りばねの張引力と、主ステー及びこれに固設し
て成るフツトレストの自重を受け止めることがで
きる弾発力を有するものであるため、主ステーの
転動時における衝撃を確実に緩和することができ
る。

〔実施例〕

以下、図面に従つて本考案に係る座席用足乗せ
装置の一実施例を説明する。

本考案に係る座席用足押せ装置は、座席の後部
フレームに装着し、後部座席の乗客が所望により
これを回動展開させて使用するものであり、不使
用時には座席、即ち前部座席シートバツク後面に
格納されるものである。また、本考案に係る座席
用足乗せ装置は、座席に装着されたフツトレスト
のバランスを保つために左右対称位置に同一機能
を有する部材が配置されているが、夫々の構成及
び機能は左右全く同一である。したがつて、以
下、便宜上その片方における部材構成についての
み説明する。

図面において、１は座席の後部フレーム、２は
この後部フレーム１に固着したブラケツトであ
る。本考案に係る座席用足乗せ装置は、このブラ
ケツト２に対し上下方向へ回動自在に装着するも
ので、その遊端４ａ側にフツトレスト３を固設し
て成る主ステー４を上記ブラケツト２の下縁部に
対して回動自在に軸支すると共に、同ブラケツト
２の上縁部、即ち主ステー４の軸支部の上方に補
助ステー５を主ステー４と同様に回動自在に軸支
する。６は、主ステー４をブラケツト２に軸支す
る軸、７は同じく補助ステー５をブラケツト２に
軸支する軸である。上記補助ステー５は、主ステ
ー４の下方への過回転を防止して所定の位置、即
ちフツトレスト３の使用位置に係止するものであ
り、その遊端５ａ側に構成したローラー又は摺動
軸５ｂを上記主ステー４の端面に透設した長溝４
ｂに嵌合させて連結したものであり、該長溝４ｂ
によつて両者の回動に伴う上記補助ステー５の遊
端５ａ側摺動範囲を規制するように成る。即ち、
補助ステー５は、主ステー４が座席のシートバツ
クａ側に回動するときは長溝４ｂにおける遊端４
ａ側内縁部分まで摺動し、また主ステー４をシー
トバツクａの後方へ回動展開させたときは長溝４
ｂのブラケツト２に対する軸支部側内縁部分まで
摺動させる。而して、この位置において補助ステ
ー５が長溝４ｂの該内縁部分に摺動軸５ｂを引つ
掛けて主ステー４を係止し、その過回転を阻止す
ると共に、所定の位置、即ちフツトレスト３の使
用位置（図中Ａ位置）に支持するものである。こ
の補助ステー５と上記ブラケツト２の間に１本又
は所望により２本の引つ張りばね８を掛け渡す。
この引つ張りばね８は、その一端側８ａをブラケ
ツト２の上記主ステー４の軸支部と補助ステー５
の軸支部との略中間部分に固定して成り、補助ス
テー５の回動に伴い、その固定部８ａを回転中心
として補助ステー５側の固定部８ｂを上下方向に
旋回させると共に、該補助ステー５側の固定部８
ｂが補助ステー５をブラケツト２に対して軸支す
る軸７を回転中心として回動するように成るもの
である。したがつて、引つ張りばね８は、その補
助ステー５側の固定部８ｂが、ブラケツト２側の
固定部８ａと補助ステー５の軸７とを結ぶ線の延
長線上に並んだ状態で最も引き伸ばされ、補助ス
テー５の回動動作にデツドポイントＰを形成す
る。而して、補助ステー５は、引つ張りばね８の
該補助ステー５側固定部８ｂが上記デツドポイン
トＰを越えた位置においては、その上方側及び下
方側において常時所定方向（矢印Ｂ及びＣ方向）
へ張引されるように成り、更にこの補助ステー５
に連動する主ステー４に同様の動作を与えるもの
である。このデツドポイントＰは、ブラケツト２
に対する主ステー４及び補助ステー５の軸支部、
引つ張りばね８の固定部、並びに該引つ張りばね
８の補助ステー５に対する固定部の配置バランス
を変えることにより、適宜主ステー４の上下方向
への回動範囲内においてその設定位置を決めるこ
とができるものであり、シートバツクａがリクラ
イニング機能を有する場合には、その最大傾斜位
置を上記デツドポイントＰの上方に構成する必要
がある。したがつて、フツトレスト３は、補助ス
テー５がデツドポイントＰを越えたその上方に在
る場合には、常時シートバツクａの後面に張引格
納されており、この状態でシートバツクａをリク
ライニング動作させても、これに追随して回動傾
斜し、そのまま格納姿勢を維持する。また９は、
主ステー４の上記ブラケツト２に対する軸６支部
に介装したコイルばねである。このコイルばね９
は、主ステー４の下方への回動動作に伴つて弾性
力を蓄積する構造に成るものであり、補助ステー
５がデツドポイントＰを越えた下方において作用
する上記引つ張りばね８の張引力と主ステー４及
びこれに固設して成るフツトレスト３の自重を受
け止めることができる弾発力を有するものであ
る。したがつて、所望により後部座席の乗客がデ
ツドポイントＰを越えてフツトレスト３を手前に
回動展開させると、補助ステー５がデツドポイン
トＰを越えたその下方に回動した位置から主ステ
ー４及びこれに固設したフツトレスト３の自重に
より下降するが、主ステー４がその回動に伴つて
弾発力を蓄積し、フツトレスト３の転動時におけ
る衝撃を緩和する。１０は、フツトレスト３に対
し取り外し可能なカバーである。

尚、本明細書において説明した引つ張りばね８
及びコイルばね９には、同様の作用効果を奏する
他の弾性材料を概念的に含むものであり、必ずし
も用語的意味に限定されるものではない。また、
座席の種類や構造及び該座席を搭載すべき乗り物
等についても、これを適宜変様し得るものである
ことは当然である。

〔考案の効果〕

本考案に係る座席用足乗せ装置は、以上のよう
に構成したから、フツトレストをシートバツクの
リクライニング動作に追随させてその格納姿勢を
維持することができ、したがつて該シートバツク
の後面に格納できる程度までフツトレスト自体を
大型化して使用勝手や使用感を向上させ、また所
望によりフツトレストを座席の後方へ回動展開さ
せた場合にも転動時の衝撃を緩和して前部座席の
乗客にシヨツクを与えることがない。特に、ブラ
ケツトと補助ステー間に掛け渡した引つ張りば
ね、及び主ステー軸支部に介装したコイルばねと
いう２段階に構成したことにより、フツトレスト
を座席の後方へ回動展開させた場合にも転動時の
衝撃を確実に緩和することができる。

また、引つ張りばね及びコイルばねという２段
階構成にしたため、ばね等の弾性部材の小型化及
び軽量化、更に長寿命化を図ることもできる等、
本考案実施後における実用上の効果に優れてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る座席用足乗せ装置の分解
斜視図、第２図は主ステー及び補助ステーの機能
を示す要部拡大側面図、第３図は座席要足乗せ装
置を構成した座席の側面図である。 ２……ブラケツト、３……フツトレスト、４…
…主ステー、４ｂ……長溝、５……補助ステー、
５ｂ……摺動軸、８……引つ張りばね、９……コ
イルばね、Ｐ……デツドポイント、Ａ……フツト
レストの使用位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 座席の後部フレームに固定した一対のブラケツ
   トの下縁部に対して夫々遊端側にフツトレストを
   設けて成る主ステーを回動自在に軸支すると共
   に、該主ステーの軸支部の上方に補助ステーを回
   動自在に軸支し、該補助ステーの遊端側を上記主
   ステーの長手方向端面に透設した長溝の規制範囲
   内において自在に摺動するように連結し、 かつ上記ブラケツトと補助ステーの間に引つ張
   りばねを掛け渡し、主ステーの回動に連動して旋
   回する該引つ張りばねの旋回範囲内にデツドポイ
   ントを構成し、 上記ブラケツトに対する上記主ステーの軸支部
   に該主ステーを上方へ回動付勢するコイルばねを
   介装したことを特徴とする 座席用足乗せ装置。