JPH05245047A - 弗素樹脂被覆調理器及びその製造方法 - Google Patents

弗素樹脂被覆調理器及びその製造方法

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JPH05245047A
JPH05245047A JP4472792A JP4472792A JPH05245047A JP H05245047 A JPH05245047 A JP H05245047A JP 4472792 A JP4472792 A JP 4472792A JP 4472792 A JP4472792 A JP 4472792A JP H05245047 A JPH05245047 A JP H05245047A
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JP
Japan
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fluororesin
layer
coated
coating layer
base material
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JP4472792A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Tanaka
義啓 田中
Yoshitsuru Kojima
義鶴 児島
Yoshinobu Tanaka
義信 田中
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Toho Kasei Co Ltd
Original Assignee
Toho Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイカスト成形等の手段を用いてアルミニウ
ム等基材表面に大きな凹凸を形成することにより、弗素
樹脂層の耐摩耗性を向上し、こげつき防止機能や防汚
性、溌水性などを効果的に長期間保持する。 【構成】 シボ状面を備えた金型を用いてアルミニウム
基材をダイカスト成形し、表面がシボ状の凹凸形状であ
ってかつ凸部と凹部の凸凹平均高さが20〜100μm
の基材1を形成し、次に前記凹凸表面にサンドブラスト
処理を行った後、セラミックスを熔射被覆(4)し、次
にプライマー層5をコーティングし、しかる後弗素樹脂
層6をコーティングして焼成する。使用による摩耗を受
けると基材表面の凸部に相当する部分7の弗素樹脂層は
摩耗するが、基材表面の凹部(谷部)に相当する部分8
の弗素樹脂層は残存し、弗素被膜の機能を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホットプレート、フライ
パン、グリル鍋、グリルパン、ハンバーガープレートな
どの調理器に有用な弗素樹脂被覆調理器及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から家庭用ホットプレート、フライ
パンなどの調理器には、弗素樹脂被覆品が広く使用され
ている。弗素樹脂被覆品は焦げつきにくく、調理物が焼
き付きにくく、調理しやすいことと後の洗浄が楽である
からである。これら従来品は、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金のプレート基材の平坦な表面をサンドブラ
スト処理し、約10μm以下の微細な粗面を形成し、そ
の表面にセラミックスを熔射被覆し、その上にプライマ
ー層をコーティングし、その上に弗素樹脂層を焼き付け
コーティングして製造していた(例えば特開昭52−5
1432号公報、同53−88082号公報)。
【0003】図面を用いて分かりやすく説明すると、図
4は従来技術の弗素樹脂被覆品の一例を示したものであ
る。図4において、10はプレート基材、11はサンド
ブラスト処理によって形成された、約15μm以下(通
常は10μm程度)の微細な粗面、12はセラミックス
を熔射被覆層、13はプライマー層、14は弗素樹脂被
覆層である。前記サンドブラスト処理して微細な粗面を
形成するのは、プライマー層及び弗素樹脂被覆層と基材
とをアンカー効果により接着性を改善するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
技術のサンドブラスト処理は、せいぜい約15μmまた
はそれ以下の微細な粗面しか形成できないので、プライ
マー層(平均厚さ10〜30μm)によって凹部がほぼ
埋まってしまい、弗素樹脂層は基材の凹部には実質的に
存在せず、この結果弗素樹脂層の摩耗性及び引っかき性
に問題があった。すなわち、金属製のナイフ、フォー
ク、フライ返し、ヘラなどとの接触により簡単に傷が付
き、ある程度使用すると弗素樹脂層が消耗し実質的に無
くなってしまうという問題を有していた。このような問
題は、通常の家庭でもよく経験するところである。
【0005】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、弗素樹脂層の耐摩耗性を向上し、こげつき防止機
能、防汚性、溌水性などを効果的に保持できる弗素樹脂
被覆調理器及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の弗素樹脂被覆調理器は、表面に凹凸を有す
るアルミニウムまたはアルミニウム合金基材の表面にセ
ラミック被覆層を備え、前記セラミック被覆層の表面に
プライマー層とその表面に弗素樹脂被覆層を備えた調理
器であって、前記基材表面は凹凸形状であり、その凸部
と凹部の凸凹平均高さが20〜100μmの範囲にあ
り、かつ前記基材表面の凹部には弗素樹脂被覆層の一部
が存在していることを特徴とする。
【0007】前記構成においては、基材表面の凹凸形状
がシボ形状であることが好ましい。次に本発明の弗素樹
脂被覆調理器の製造方法は、表面に凹凸を有するアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金基材の表面にセラミック
被覆層を備え、前記セラミック被覆層の表面にプライマ
ー層とその表面に弗素樹脂被覆層を備えた調理器の製造
方法であって、シボ状面を備えた金型を用いてアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金をダイカスト成形し、表面
がシボ状の凹凸形状であってかつ凸部と凹部の凸凹平均
高さが20〜100μmの基材を形成し、次に前記凹凸
表面にサンドブラスト処理を行った後、セラミックスを
熔射被覆し、次にプライマー層をコーティングし、しか
る後弗素樹脂層をコーティングして焼成することを特徴
とする。
【0008】前記構成においては、ダイカスト成形に代
えて、基材表面に鉄球等の剛球を圧力流体とともに吹き
付けまたは叩きつけることによって、表面に凹凸を形成
してもよい。
【0009】また本発明においては、セラミック被覆層
の平均厚さが10〜80μm、プライマー層の平均厚さ
が10〜30μm、弗素樹脂被覆層の平均厚さが10〜
50μmの範囲にあることが好ましい。
【0010】
【作用】前記した本発明の構成によれば、基材表面は凹
凸形状であり、その凸部と凹部の凸凹平均高さが20〜
100μmの範囲にあり、かつ前記基材表面の凹部には
弗素樹脂被覆層の一部が存在していることにより、弗素
樹脂層の耐摩耗性、こげつき防止機能、防汚性、溌水性
などを効果的に保持することができる。すなわち、基材
表面は凹凸形状であるから、その凹部は弗素樹脂被覆層
の一部が存在する程度に深くかつ大きいので、金属製の
ナイフ、フォーク、フライ返し、ヘラなどを用いて強く
擦っても、高い突出部にさえぎられて凹部の弗素樹脂被
覆層の摩耗を効果的に防止できる。
【0011】また基材表面の凹凸形状がシボ形状である
という本発明の好ましい構成によれば、基材表面は微細
な溝状の凹部と微細な凸部とを有し、複雑な模様形状を
表わすので、さらに耐摩耗性を向上できる。
【0012】次に本発明の製造方法の構成によれば、本
発明の弗素樹脂被覆調理器を効率よく合理的に製造する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を用いてさらに具体的
に説明する。本発明において、凹凸形状はいかなる形状
であっても差支えない。好ましい形状はシボ状の凹凸で
ある。ここでシボ状の凹凸形状とは、繊維織物の楊柳、
クレープなど強撚糸を用いた織物をリラックスすること
により得られるシボ織物の表面形状に類似する形状をい
う。すなわち、微細な溝状の凹部を有し、かつその凹凸
形状はある程度の変化模様を呈するものである。図1
(a)(b)は実際に得られた本発明の一実施例のアル
ミニウムダイカスト基材のシボ状の凹凸形状を、触針計
によって測定したチャートである。図1(a)(b)と
もに変化模様を呈している。本発明においては、基材の
凸部と凹部の凸凹平均高さは20〜100μmの範囲に
あるが、好ましくは30〜70μmの範囲にあり、とく
に好ましくは35〜60μmの範囲である。
【0014】次に図2は、本発明の一実施例の弗素樹脂
被覆調理器の製造工程の模式的断面拡大図である。図2
(a)〜(d)において、1はアルミニウムまたはアル
ミニウム合金からなるプレート基材、2はダイカスト成
形、若しくは基材表面に鉄球等の鋼球を圧力流体ととも
に吹き付けまたは叩きつけて形成した凹凸形状面、また
はグラビティ(鋳物)等によって形成した凹凸形状面で
ある(図2(a))。3はブラスト処理によって形成し
た微細粗面である(図2(b))。4はセラミックス熔
射被覆層である(図2(c))。5はプライマー層、6
は弗素樹脂層である(図2(d))。アルミニウム基材
1はサンドブラスト処理して、図2(b)のような表面
形状に沿ってさらに微細粗面3を形成する。ここでサン
ドブラスト処理とは、アルミナなどの硬度の高いセラミ
ックス細粒を例えば4〜7kg/cm2 の空気流ととも
に衝突させる処理等をいう。セラミックス熔射被覆層4
は、たとえば特開昭52−51432号公報、同53−
88082号公報に記載されているような処理によって
得ることができる。すなわち、プラズマ熔射、ガス熔射
などの方法によってα−Al2 3 、酸化チタンなどの
硬度の高いセラミックスの熔射被覆層を形成する。下地
層の硬度を高くすることにより、耐摩耗性を向上するた
めである。セラミック被覆層の好ましい厚さは平均厚さ
で10〜80μm程度であり、とくに好ましくは20〜
40μm程度である。
【0015】次にプライマー層5は表面の平滑性が保た
れる程度の厚さであればいかなる厚さでもよく、その材
料はたとえばエポキシ基またはイミド基などを含む弗素
樹脂などである。好ましいプライマー層の平均厚さは1
0〜30μm程度である。次に弗素樹脂層の材料はたと
えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(PFEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(PETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エ
チレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PEC
TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PEPE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(P
CTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)
等があり、特にPTEF、耐熱樹脂にPTEFを分散さ
せた変性PTEF又はPFAなどが好ましい。弗素樹脂
コーティング層6は、たとえば弗素エナメルを付着し、
焼き付け塗装によってコーティングすることができる。
弗素樹脂被覆層の平均厚さは10〜50μmの範囲にあ
ることが好ましい。
【0016】次に図3は、一定期間使用した後のプレー
トの表面状態を示す。すなわち金属製のナイフ、フォー
ク、フライ返し、ヘラなどを用いて長期間摩耗された場
合、基材表面の凸部に相当する部分7(磨耗部)の弗素
樹脂層は摩耗するが、基材表面の凹部(谷部)に相当す
る部分8(残存部)の弗素樹脂層は残存している。この
結果、弗素樹脂の特徴であるこげつき防止機能や防汚
性、溌水性などを効果的に保持できる。
【0017】以下具体的実験例を説明する。 実施例1 アルミニウムダイカスト成形によって図1(b)に示す
シボ状の凹凸形状を有するアルミニウム板(厚さ3mm)
からなるホットプレートを作成した。凹凸高さの平均値
は約40μmであった。次にこの基材表面を脱脂し、サ
ンドブラスト処理により表面を粗面化した。粗面の凹凸
高さは、前記シボ状の凹凸形状に沿って約10μmであ
った。次に、プラズマ溶射機を用い、酸化アルミ粉末を
厚み30μmとなるように溶射した。次いでフッ素樹脂
系プライマー(ダイキン工業株式会社製EK−1909
BK)を乾燥厚みが平均15μmとなるように塗布し、
100℃で乾燥した。次いで、弗素樹脂塗料(ダイキン
工業株式会社製EK−4609BKN)を塗布し、10
0℃で乾燥後、380℃で焼き付けた。弗素樹脂層の厚
さは平均約20μmであった。
【0018】このようにして得られたホットプレート
を、3か月間プレートの表面を金属製のナイフ、フォー
ク、フライ返し、ヘラなどを用いて実際に使用した。ま
たこの期間中、洗浄は通常の食器類と同様にナイロンタ
ワシやスポンジ類を用いて行った。このように長期間摩
耗された場合であっても、図3の状態は保持され、基材
表面の凸部に相当する部分7の弗素樹脂層は摩耗する
が、基材表面の凹部(谷部)に相当する部分8の弗素樹
脂層は残存していることが確認できた。また、弗素樹脂
の特徴であるこげつき防止機能や防汚性、溌水性などを
効果的に保持されていた。
【0019】以上説明した一実施例においては、ホット
プレートについて実験したが、本発明はフライパン、グ
リル鍋、グリルパン、ハンバーガープレートなどの調理
器にも有用である。
【0020】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、基材
表面は凹凸形状であり、その凸部と凹部の凸凹平均高さ
が20〜100μmの範囲にあり、かつ前記基材表面の
凹部には弗素樹脂被覆層の一部が存在していることによ
り、弗素樹脂層の耐摩耗性、耐引っかき性を大幅に向上
することができるという効果を奏する。また、弗素樹脂
の特徴であるこげつき防止機能や防汚性、溌水性などを
効果的に長期間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の一実施例のアルミニウ
ムダイカスト基材のシボ状の凹凸形状を、触針計によっ
て測定したチャートである。
【図2】(a)〜(d)は本発明の一実施例の弗素樹脂
被覆調理器の製造工程の模式的断面拡大図である。
【図3】本発明の一実施例の弗素樹脂被覆ホットプレー
トを使用した後のプレートの表面状態を示す断面図であ
る。
【図4】従来技術の弗素樹脂被覆ホットプレートの表面
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プレート基材 2 凹凸形状面 3 ブラスト処理によって形成した微細粗面 4 セラミックス熔射被覆層 5 プライマー層 6 弗素樹脂層 7 弗素樹脂層磨耗部 8 弗素樹脂層残存部 10 プレート基材 11 サンドブラスト処理によって形成された微細粗面 12 セラミックス熔射被覆層 13 プライマー層 14 弗素樹脂被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 102 B 7148−4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸を有するアルミニウムまたは
    アルミニウム合金基材の表面にセラミック被覆層を備
    え、前記セラミック被覆層の表面にプライマー層とその
    表面に弗素樹脂被覆層を備えた調理器であって、前記基
    材表面は凹凸形状であり、その凸部と凹部の凸凹平均高
    さが20〜100μmの範囲にあり、かつ前記基材表面
    の凹部には弗素樹脂被覆層の一部が存在していることを
    特徴とする弗素樹脂被覆調理器。
  2. 【請求項2】 基材表面の凹凸形状がシボ形状である請
    求項1に記載の弗素樹脂被覆調理器。
  3. 【請求項3】 表面に凹凸を有するアルミニウムまたは
    アルミニウム合金基材の表面にセラミック被覆層を備
    え、前記セラミック被覆層の表面にプライマー層とその
    表面に弗素樹脂被覆層を備えた調理器の製造方法であっ
    て、シボ状面を備えた金型を用いてアルミニウムまたは
    アルミニウム合金をダイカスト成形し、表面がシボ状の
    凹凸形状であってかつ凸部と凹部の凸凹平均高さが20
    〜100μmの基材を形成し、次に前記凹凸表面にサン
    ドブラスト処理を行った後、セラミックスを熔射被覆
    し、次にプライマー層をコーティングし、しかる後弗素
    樹脂層をコーティングして焼成することを特徴とする弗
    素樹脂被覆調理器の製造方法。
JP4472792A 1992-03-02 1992-03-02 弗素樹脂被覆調理器及びその製造方法 Pending JPH05245047A (ja)

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