JPH05243861A - 広帯域増幅回路 - Google Patents

広帯域増幅回路

Info

Publication number
JPH05243861A
JPH05243861A JP7884192A JP7884192A JPH05243861A JP H05243861 A JPH05243861 A JP H05243861A JP 7884192 A JP7884192 A JP 7884192A JP 7884192 A JP7884192 A JP 7884192A JP H05243861 A JPH05243861 A JP H05243861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
differential
transistor
output signal
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7884192A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Nishiyama
清一 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7884192A priority Critical patent/JPH05243861A/ja
Publication of JPH05243861A publication Critical patent/JPH05243861A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、広帯域増幅回路において、従来に比
してダイナミツクレンジが広くかつ 250〔MHz〕程度と
広帯域まで周波数特性を伸長する。 【構成】同相出力信号又は反転出力信号が入力される第
3又は第4のトランジスタと同相出力信号及び反転出力
信号と逆相及び同相の第1及び第2の差動出力を入力す
るバツフア出力段とでシングルエンド・プツシユプル出
力段を構成することにより、当該出力段に入力される第
1又は第2の差動出力と反転出力信号又は同相出力信号
の位相を互いに逆位相の関係にでき、位相のずれによる
周波数特性の劣化を有効に回避することができ、周波数
特性を従来に比して格段的に伸長させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術(図12〜図14) 発明が解決しようとする課題(図15) 課題を解決するための手段(図1、図8〜図11) 作用(図4及び図7) 実施例(図1〜図11) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は広帯域増幅回路に関し、
特に集積回路に内蔵されるミエツタ接地型の広帯域増幅
回路に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、エミツタ接地型の広帯域増幅回路
1は、図12に示すように、エミツタに負荷抵抗R1が
接続されたNPN型トランジスタQ1のベースに増幅段
2を介して増幅された入力信号Vin入力し、エミツタよ
り出力信号Vout を出力するようになされている。
【0004】また広帯域増幅回路3は(図13)、抵抗
R1に代えてトランジスタQ1のエミツタに電流源4を
接続することにより出力段の駆動能力を向上させ、周波
数特性を広帯域増幅回路1に比して伸長させるようにな
されている。
【0005】同様に広帯域増幅回路5は(図14)、N
PN型トランジスタQ1にPNP型トランジスタQ2を
接続して出力段をプツシユプル出力段構成とすることに
より、出力段の駆動能力を向上させるようになされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが広帯域増幅回
路1、3及び5は、出力段に付くピン容量C及びパツド
容量等のトータル負荷容量C0を駆動しなければならな
いため、広帯域で動作し、かつ4VP-p 程度の出力振幅
を有する出力信号Vout を出力することは困難であつ
た。
【0007】例えば広帯域増幅回路1及び3の場合には
広帯域増幅回路1及び3は負荷容量C0の影響により発
振しやすいため、かかる発振を止めるためにトランジス
タQ1のベースやエミツタにダンピング抵抗を接続しな
ければらなず、当該抵抗の影響により周波数特性を充分
伸長することができなかつた。
【0008】また広帯域増幅回路5の場合にはPNP型
トランジスタQ2のトランジシヨン周波数fT が(利得
が1となる周波数)一般に低いため高域まで周波数特性
を伸長することができなかつた。
【0009】そこで増幅段2で増幅された入力信号Vin
を増幅回路7及び反転増幅回路8を介してNPN型トラ
ンジスタQ1及びQ3のベースに入力し、トランジスタ
Q1及びQ3をシングルエンド・プツシユプル動作させ
ることが考えられている(図15)。
【0010】ところが広帯域増幅回路6の場合には、増
幅回路7及び反転増幅回路8の遅延時間のずれの違いか
ら出力信号の位相差を 180°にとることができず、あま
り広帯域までは周波数特性を伸長することができなかつ
た。
【0011】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、出力振幅として4〔V〕とれ、かつ 250〔MHz〕程
度まで周波数特性を伸長することができる広帯域増幅回
路を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め第1の発明においては、入力信号Vinを差動入力端よ
り入力し、差動出力端より同相出力信号V2及び反転出
力信号V1として出力する差動入力段13と、第1及び
第2のトランジスタQ13及びQ14で構成され、第1
及び第2の出力端より同相出力信号V2及び反転出力信
号V1に対して逆相の第1及び第2の差動出力を出力す
る第1の差動出力段14と、第3及び第4のトランジス
タQ15及びQ16で構成され、第3及び第4の出力端
より同相出力信号V2及び反転出力信号V1に対して逆
相の第3及び第4の差動出力を出力する第2の差動出力
段15と、第5のトランジスタQ17で構成され、第1
又は第2の差動出力を入力するバツフア出力段Q17と
を備え、バツフア出力段Q17は、第1又は第2の差動
出力と逆相の同相出力信号又は反転出力信号が入力され
る第3又は第4のトランジスタQ15又はQ16とシン
グルエンド・プツシユプル出力段12を構成し、出力端
をプツシユプル駆動するようにする。
【0013】また第2の発明においては、第1及び第2
の差動出力段14及び15は、第1、第2、第3及び第
4のトランジスタQ13、Q14、Q15及びQ16と
第1、第2、第3及び第4の出力端間にカスコード接続
された第6、第7、第8及び第9のトランジスタQ2
1、Q22、Q23及びQ24を有し、バツフア出力段
Q17は、第1又は第2の差動出力と逆相の同相出力信
号又は反転出力信号が入力される第3、第8又は第4、
第9のトランジスタ(Q15、Q23又はQ16、Q2
4)とシングルエンド・プツシユプル出力段を構成し、
出力端をプツシユプル駆動するようにする。
【0014】さらに第3の発明においては、第6及び第
7のトランジスタQ31及びQ32で構成され、第5及
び第6の出力端より同相出力信号V2及び反転出力信号
V1に対して逆相の第5及び第6の差動出力を出力する
第3の差動出力段31と、第8のトランジスタQ33で
構成され、第5のトランジスタQ17にダーリントン接
続されると共に第3又は第4の差動出力を入力する第2
のバツフア出力段Q33とを備え、第2のバツフア出力
段Q33は、第3又は第4の差動出力と逆相の同相出力
信号及び反転出力信号が入力される第6又は第7のトラ
ンジスタQ31又はQ32とシングルエンド・プツシユ
プル出力段を構成し、出力端をプツシユプル駆動するよ
うにする。
【0015】さらに第4の発明においては、第6及び第
7のトランジスタQ31及びQ32で構成され、第5及
び第6の出力端より同相出力信号V2及び反転出力信号
V1に対して逆相の第5及び第6の差動出力を出力する
第3の差動出力段31と、第8のトランジスタQ33で
構成され、第5のトランジスタQ17にダーリントン接
続されると共に第3又は第4の差動出力を入力する第2
のバツフア出力段Q33とを備え、第1、第2及び第3
の差動出力段14、15及び31は、第1、第2、第
3、第4、第5及び第6のトランジスタQ13、Q1
4、Q15、Q16、Q31及びQ32と第1、第2、
第3、第4、第5及び第6の出力端間にカスコード接続
された第9、第10、第11、第12、第13及び第1
4のトランジスタQ21、Q22、Q23、Q24、Q
41及びQ42を有し、第2のバツフア出力段Q33
は、第3又は第4の差動出力と逆相の同相出力信号及び
反転出力信号が入力される第5、第13又は第6、第1
4のトランジスタQ31、Q41又はQ32、Q42と
シングルエンド・プツシユプル出力段を構成し、出力端
をプツシユプル駆動するようにする。
【0016】さらに第5の発明においては、第1、第2
又は第1、第2、第3の差動増幅出力段14、15又は
14、15、31は、第1及び第2、第3及び第4、第
5及び第6のトランジスタQ13及び14、Q15及び
Q16、Q31及びQ32のトランジスタの共通エミツ
タに接続された負荷抵抗を電流源とするようにする。
【0017】
【作用】第1の発明においては、シングルエンド・プツ
シユプル出力段12に入力される第1又は第2の差動出
力と反転出力信号V2又は同相出力信号V1の位相は互
いに逆位相の関係になることにより、位相のずれによる
周波数特性の劣化を有効に回避することができる。これ
により4〔V〕と大きな出力振幅でありながら周波数特
性を 250〔MHz〕程度まで伸長させることができる。
【0018】第2の発明においては、第1、第2、第3
及び第4のトランジスタQ13、Q14、Q15及びQ
16に第6、第7、第8及び第9のトランジスタQ2
1、Q22、Q23及びQ24をカスコード接続するこ
とにより、出力段のミラー容量の影響をなくすことがで
き、さらに一段と周波数特性を高域まで伸長することが
できる。
【0019】第3の発明においては、第8のトランジス
タQ33を第5のトランジスタQ17にダーリントン接
続し、最終出力段に流れるコレクタ電流として一段と大
きな電流を流すことができることにより、従来に比して
一段と周波数特性を伸長することができる。
【0020】第4の発明においては、第8のトランジス
タQ33を第5のトランジスタQ17にダーリントン接
続すると共に、第1、第2、第3、第4、第5及び第6
のトランジスタQ13、Q14、Q15、Q16、Q3
1及びQ32に第9、第10、第11、第12、第13
及び第14のトランジスタQ21、Q22、Q23、Q
24、Q41及びQ42をカスコード接続することによ
り、従来に比して出力段のミラー容量を低減することが
できると共に、最終出力段に流れるコレクタ電流として
一段と大きな電流を流すことができ、従来に比して一段
と周波数特性を伸長することができる。
【0021】第5の発明においては、第1、第2及び第
3の差動増幅出力段14、15及び31の電流源17、
18及び32を負荷抵抗とすることにより、回路素子を
一段と減少させることができ、消費電力を小さくかつ従
来に比して一段と周波数特性を伸長することができる。
【0022】
【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。
【0023】図1において、10は全体として広帯域増
幅回路を示し、ギルバートアンプ11にプツシユプル出
力段12を接続した構成を有している。ギルバートアン
プ11は、電流源独立型の差動入力段13及び電流源共
通型の差動出力段14で構成されている。
【0024】差動入力段13は、一対のNPN型トラン
ジスタQ11及びQ12で構成され、トランジスタQ1
1及びQ12のエミツタ及び電流源15及び16間には
入力抵抗RINが接続されている。因みに電流源15及び
16は一定電流I0を引き込むようになされている。
【0025】またトランジスタQ11及びQ12のコレ
クタには他端に所定電圧E1が与えられるダイオードD
1及びD2が接続されており、当該接続中点より入力信
号Vinの反転出力信号V1及び同相出力信号V2を後段
の差動出力段14に出力するようになされている。
【0026】一方、差動出力段14は、一対のNPN型
トランジスタQ13及びQ14で構成され、トランジス
タQ13及びQ14の共通エミツタには一定電流2I1
を引き込む電流源17が接続されるようになされてい
る。
【0027】またトランジスタQ13及びQ14のコレ
クタには他端に電源電圧VCCが与えられる負荷抵抗Rl
がそれぞれ接続されており、互いに位相が 180°異なる
反転出力信号V1及び同相出力信号V2を反転し、接続
中点P1及びP2より後段のプツシユプル出力段12に
出力するようになされている。
【0028】これによりギルバートアンプ11は、入力
信号Vinを次式、
【数1】 で与えられる利得G倍した同相出力信号V3及び反転出
力信号V4をプツシユプル出力段12に出力するように
なされている。
【0029】プツシユプル出力段12は、差動対をなす
トランジスタQ13、Q14に対してカスケード接続さ
れ、差動対15を構成するNPN型トランジスタQ15
及びQ16とトランジスタQ15に対して縦列接続され
たNPN型トランジスタQ17により構成されている。
【0030】ここでトランジスタQ15及びQ17に
は、電流源18よりアイドリング電流Iout が供給さ
れ、それぞれ互いに逆相の反転出力信号V1及び同相出
力信号V3によつてプツシユプル駆動されるようになさ
れている。すなわちトランジスタQ15は、電圧出力で
出力段に付く負荷容量Cを駆動し、一方トランジスタQ
17は反転出力信号V1に対して逆位相の電流出力によ
り負荷抵抗Cを駆動するようになされている。
【0031】また電流源18は、広帯域増幅回路10を
動作させたい周波数fmax が高い程、また負荷容量C及
び出力振幅Vp-p が大きい程、一般に大きな電流量I
min を供給する必要がある。
【0032】これは広帯域まで周波数特性を伸長させよ
うとすると、トランジスタの駆動能力を向上させるため
にセル面積が大きくしなければならず、この際トランジ
スタに付く各容量(ベース・エミツタ間空乏層容量
je、ベース・コレクタ間容量Cjc及びコレクタ・基板
容量Cjs)が大きくなるため出力段に多くの電流量I
minを供給せねばならないためである(図2)。
【0033】ところがベース・エミツタ間容量にはベー
ス・エミツタ間空乏層容量Cjeの他にベース蓄積容量C
b が存在し、当該ベース蓄積容量Cb はコレクタ・エミ
ツタ間に流れる電流に比例して増加するため広帯域まで
周波数特性を伸長させる必要がある場合には、一層大き
な電流量が必要となる。
【0034】この実施例の場合、電流源18に引き込ま
れる一定電流2Iout は、次式
【数2】 の値に設定されている。
【0035】この電流量Imin は、出力振幅をVp-p
し、動作させたい周波数をfmax とし、そのときの負荷
容量をCとした場合における波形の立ち上がり立ち下が
り時間tmin とした場合に、次式
【数3】
【数4】 の関係式より与えられる。
【0036】ところでトランジスタQ15及びQ16か
ら電流源18に引き込まれるアイドリング電流I
out (=Imin /2)はトランジスタQ15及びQ16
が差動対を構成するため従来に比して半分となり、この
結果トランジスタQ15及びQ16の駆動能力は従来の
半分以下のもので良いようになされている。
【0037】これによりトランジスタに寄生する各容量
Cπ、Cjc及びCjsは従来の半分以下とでき、負荷容量
のトータル量C0も減少し、発振に対しても強くなり周
波数特性も向上することができるようになされている。
【0038】またこれによりトランジスタQ15及びト
ランジスタQ17は、低出力インピーダンスのシングル
エンド・プツシユプル回路として動作し、約 250〔MH
z〕の高域まで広帯域増幅回路10の周波数特性を伸長
することができるようになされている。
【0039】以上の構成において、広帯域増幅回路10
はギルバートアンプ11で入力信号Vinを増幅すると、
入力信号Vinと同相の同相出力信号V3及び逆相の反転
出力信号V1をプツシユプル出力段12に出力する。
【0040】ここでプツシユプル出力段12は、従来の
広帯域増幅回路6の場合と異なり互いに逆位相の関係に
ある同相出力信号V3及び反転出力信号V1を入力し、
負荷容量Cをプツシユプル駆動する。
【0041】例えば同相出力信号V3が論理「H」に立
ち上がる期間、トランジスタQ17がオン動作するのに
対して他方のトランジスタQ17はオフ動作し、トラン
ジスタQ17は電圧出力により容量負荷Cを低インピー
ダンス駆動する。
【0042】これに対して同相出力信号V3が論理
「L」に立ち下がる期間、トランジスタQ17は負荷容
量Cに蓄積されている電荷の影響によつてエミツタ電位
がベース電位より高くなり、トランジスタQ17はオフ
動作する。
【0043】これに対して他方のトランジスタQ15の
ベース電位は同相出力信号V3に対して逆相の反転出力
信号V1が入力されるため論理「H」に立ち上がり、ト
ランジスタQ15がオン動作する。このときトランジス
タQ15のコレクタ電流は反転出力信号V1に比例して
増加し、負荷容量Cより高速に電荷を引き出す。
【0044】このようにトランジスタQ15は、容量負
荷Cに蓄積された電荷をコレクタ電流が増加した分速く
放電することができ、(すなわち速く論理レベルを立ち
上げることができ)、トランジスタQ17のオフ期間を
従来に比して短縮することができる。
【0045】またこの実施例の場合、トランジスタQ1
5及びQ17に流れるアイドリング電流は、電流源18
に引き込まれる電流2Iout の半分Iout となるため、
出力インピーダンスZout はトランジスタのベース抵抗
bbを用いて、次式
【数5】 と表すことができる(図3)。
【0046】ところが入力信号Vinが高周波帯域になる
と電流増幅率hFEが低下するため、(5)式の第2項は
大きくなり、出力インピーダンスZout は次式
【数6】 に示すようにインダクタンスLと等価に表すことができ
る。
【0047】これにより出力段はインダクタンスLと容
量Cによる発振器とみなすことができる。このため従来
のように負荷容量C及びCπが大きく、NPN型トラン
ジスタのトランジシヨン周波数fT が低い場合には低域
にピーキングをもち(図4において実線で示す)、さら
にこのピーキングを抑圧するダンピング抵抗の影響のた
め周波数特性(図4において破線で示す)を高域に伸長
することができなかつた。
【0048】これに対してこの実施例の場合には、合成
容量Cπが小さくなる分ピーキング(図4において一点
鎖線で示す)を従来に比して高域にシフトすることがで
き、広帯域増幅回路10の周波数特性を従来に比して一
段と高域に伸長することができる。
【0049】因に増幅段14の負荷抵抗RL 及びトラン
ジスタQ13のコレクタ・基板間容量CCSはローパスフ
イルタを構成し、出力段のピーキングをカツトオフする
ため周波数特性は2点鎖線(図4)に示すようになる。
また広帯域増幅回路10と同様に互いに逆位相の入力信
号により出力段をシングルエンド・プツシユプル駆動す
る回路構成として図5に示す構成が考えられるが、この
場合には広帯域増幅回路10の場合に比して出力ダイナ
ツクレンジが狭くなる。
【0050】これは広帯域増幅回路18の場合、トラジ
スタQ15のエミツタ電位VE は入力信号Vinと同相に
増減するのに対してトランジスタQ17の出力信号V
out は入力信号Vinと逆相に増減するためにエミツタ電
位VE の山と出力信号Vout の谷が同期し、出力ダイナ
ミツクレンジが狭くなるからである(図6)。
【0051】これに対してこの実施例の場合、トランジ
スタQ15のベース電位はダイオードD1により対数圧
縮されてほぼ一定であるため、入力信号Vinの半振幅分
大きくすることができる(図7)。ここでVsat はトラ
ンジスタQ15のコレクタ・エミツタ間飽和電圧であ
る。
【0052】これにより広帯域増幅回路10は従来に比
して格段的に高速でプツシユプル出力段12をプツシユ
プル駆動することができ、また出力ダイナミツクレンジ
を従来に比して一段と広くとれ、モノリシツク集積回路
で出力振幅4〔V〕の広帯域増幅回路の周波数特性を 2
50〔MHz〕程度まで伸長することができる。
【0053】以上の構成によれば、広帯域増幅回路10
の前段をギルバートアンプ11とし、後段を差動出力段
14に対してカスケード接続されるトランジスタQ15
及び当該トランジスタQ15とシングルエンド・プツシ
ユプル出力段をなすトランジスタQ17で構成すること
により、互いに逆位相の反転出力信号V1及び同相出力
信号V3でトランジスタQ15及びQ17をプツシユプ
ル駆動することができ、従来に比して一段と高域まで周
波数特性を伸長することができる。
【0054】なお上述の実施例においては、広帯域増幅
回路10を図1に示すように構成する場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、互いにカスケード接続さ
れた差動出力段14及び差動出力段15を構成するトラ
ンジスタQ13、Q14及びQ15、Q16のそれぞれ
にNPN型トランジスタQ21、Q22及びQ23、Q
24をカスコード接続する場合にも適用し得る(図
8)。
【0055】この広帯域増幅回路20の場合(以下カス
コード接続型という)、トランジスタQ13、Q14及
びQ15、Q16のミラー容量を無視することができ、
従来に比して周波数特性を一段と高域まで伸長すること
ができる。
【0056】また上述の実施例においては、広帯域増幅
回路10を図1に示すように構成する場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、差動出力段14に対して
2段の差動出力段15及び31をカスケード接続すると
共に、NPN型のトランジスタQ33をトランジスタQ
17にダーリントン接続する場合にも適用し得る(図
9)。
【0057】この広帯域増幅回路40の場合(以下ダー
リントン接続型という)、第2の差動出力段31のバツ
フアトランジスタQ33に流れるコレクタ電流を広帯域
増幅回路10の場合に比して一段と大きな電流とするこ
とができ、周波数特性を一段と高域まで伸長することが
できる。
【0058】さらに上述の実施例においては、広帯域増
幅回路10を図1に示すように構成する場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、図8及び図9との対応
部分に同一符号を付して示す図10に示すように、カス
ケード接続型とダーリントン接続型を組み合わせる場合
にも広く適用し得る。
【0059】さらに上述の実施例においては、入力信号
inを差動入力段13のトランジスタQ11に入力する
場合について述べたが、本発明はこれに限らず、入力信
号Vin及び反転入力信号Vin0 を一対のトランジスタQ
11及びQ12の双方に入力する場合にも広く適用し得
る。このようにすれば広帯域増幅の利得Gを従来に比し
て2倍にすることができる。
【0060】さらに上述の実施例においては、入力信号
inに対して逆相の反転出力信号V1が入力されるトラ
ンジスタQ13を用いて出力段のトランジスタQ15及
びQ17をシングルエンド・プツシユプル動作させる場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、入力信号
inに対して同相の入力信号V2が入力されるトランジ
スタQ14を用いて出力段をプツシユプル駆動し、出力
信号Vout に対して逆相の出力信号Vout0を出力するよ
うにしても良い。
【0061】さらに上述の実施例においては、広帯域増
幅回路10及び20を図1及び図8に示すように構成
し、出力段を構成するの差動出力段に電流源17及び1
8を接続する場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、抵抗R11及びR12を接続するようにしても良
い(図11)。
【0062】この広帯域増幅回路50の場合、利得Gは
トランジスタQ2のエミツタ電位Eを用いて、次式
【数7】 で与えられ、また電流減を抵抗R11及びR12だけで
構成できることにより、一段と少ない素子数で広帯域増
幅回路を構成することができる。
【0063】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、同相出力
信号又は反転出力信号が入力される第3又は第4のトラ
ンジスタと同相出力信号及び反転出力信号と逆相第1及
び第2の差動出力を入力するバツフア出力段とでシング
ルエンド・プツシユプル出力段を構成することにより、
当該出力段に入力される第1又は第2の差動出力と反転
出力信号又は同相出力信号の位相を互いに逆位相の関係
にでき、位相のずれによる周波数特性の劣化を有効に回
避することができ、周波数特性を従来に比して格段的に
伸長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による広帯域増幅回路の一実施例を示す
等価回路図である。
【図2】トランジスタの接合容量の説明に供する略線図
である。
【図3】トランジスタの等価回路を示す略線図である。
【図4】本発明の広帯域増幅回路の周波数特性を示す特
性曲線図である。
【図5】従来のプツシユプル出力段を示す等価回路図で
ある。
【図6】その出力ダイナミツクレンジの説明に供する特
性曲線図である。
【図7】本発明の出力ダイナミツクレンジの説明に供す
る特性曲線図である。
【図8】他の実施例の説明に供する等価回路図である。
【図9】他の実施例の説明に供する等価回路図である。
【図10】他の実施例の説明に供する等価回路図であ
る。
【図11】他の実施例の説明に供する等価回路図であ
る。
【図12】従来の広帯域増幅回路の説明に供する等価回
路図である。
【図13】従来の広帯域増幅回路の説明に供する等価回
路図である。
【図14】従来の広帯域増幅回路の説明に供する等価回
路図である。
【図15】従来の広帯域増幅回路の説明に供する等価回
路図である。
【符号の説明】
1、3、5、6、10、18、20、30、40、50
……広帯域増幅回路、11……ギルバートアンプ、12
……プツシユプル出力段、13、14、15、31……
差動出力段、16、17、18、32……電流源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を差動入力端より入力し、差動出
    力端より同相出力信号及び反転出力信号として出力する
    差動入力段と、 第1及び第2のトランジスタで構成され、第1及び第2
    の出力端より上記同相出力信号及び反転出力信号に対し
    て逆相の第1及び第2の差動出力を出力する第1の差動
    出力段と、 第3及び第4のトランジスタで構成され、第3及び第4
    の出力端より上記同相出力信号及び反転出力信号に対し
    て逆相の第3及び第4の差動出力を出力する第2の差動
    出力段と、 第5のトランジスタで構成され、上記第1又は第2の差
    動出力を入力するバツフア出力段とを具え、上記バツフ
    ア出力段は、上記第1又は第2の差動出力と逆相の上記
    同相出力信号又は反転出力信号が入力される上記第3又
    は第4のトランジスタとシングルエンド・プツシユプル
    出力段を構成し、出力端をプツシユプル駆動することを
    特徴とする広帯域増幅回路。
  2. 【請求項2】上記第1及び第2の差動出力段は、上記第
    1、第2、第3及び第4のトランジスタと第1、第2、
    第3及び第4の出力端間にカスコード接続された第6、
    第7、第8及び第9のトランジスタを有し、 上記バツフア出力段は、上記第1又は第2の差動出力と
    逆相の上記同相出力信号又は反転出力信号が入力される
    上記第3、第8又は第4、第9のトランジスタとシング
    ルエンド・プツシユプル出力段を構成し、出力端をプツ
    シユプル駆動することを特徴とする請求項1に記載の広
    帯域増幅回路。
  3. 【請求項3】第6及び第7のトランジスタで構成され、
    第5及び第6の出力端より上記同相出力信号及び反転出
    力信号に対して逆相の第5及び第6の差動出力を出力す
    る第3の差動出力段と、 第8のトランジスタで構成され、上記第5のトランジス
    タにダーリントン接続されると共に上記第3又は第4の
    差動出力を入力する第2のバツフア出力段とを具え、上
    記第2のバツフア出力段は、上記第3又は第4の差動出
    力と逆相の上記同相出力信号及び反転出力信号が入力さ
    れる上記第6又は第7のトランジスタとシングルエンド
    ・プツシユプル出力段を構成し、出力端をプツシユプル
    駆動することを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅
    回路。
  4. 【請求項4】第6及び第7のトランジスタで構成され、
    第5及び第6の出力端より上記同相出力信号及び反転出
    力信号に対して逆相の第5及び第6の差動出力を出力す
    る第3の差動出力段と、 第8のトランジスタで構成され、上記第5のトランジス
    タにダーリントン接続されると共に上記第3又は第4の
    差動出力を入力する第2のバツフア出力段とを具え、 上記第1、第2及び第3の差動出力段は、上記第1、第
    2、第3、第4、第5及び第6のトランジスタと第1、
    第2、第3、第4、第5及び第6の出力端間にカスコー
    ド接続された第9、第10、第11、第12、第13及
    び第14のトランジスタを有し、上記第2のバツフア出
    力段は、上記第3又は第4の差動出力と逆相の上記同相
    出力信号及び反転出力信号が入力される上記第5、第1
    3又は第6、第14のトランジスタとシングルエンド・
    プツシユプル出力段を構成し、出力端をプツシユプル駆
    動することを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅回
    路。
  5. 【請求項5】上記第1、第2又は第1、第2、第3の差
    動増幅出力段は、第1及び第2、第3及び第4、第5及
    び第6のトランジスタの共通エミツタに接続された負荷
    抵抗を電流源とすることを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3又は請求項4に記載の広帯域増幅回路。
JP7884192A 1992-02-29 1992-02-29 広帯域増幅回路 Pending JPH05243861A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7884192A JPH05243861A (ja) 1992-02-29 1992-02-29 広帯域増幅回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7884192A JPH05243861A (ja) 1992-02-29 1992-02-29 広帯域増幅回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05243861A true JPH05243861A (ja) 1993-09-21

Family

ID=13673052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7884192A Pending JPH05243861A (ja) 1992-02-29 1992-02-29 広帯域増幅回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05243861A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6184728B1 (en) 1998-11-05 2001-02-06 Nec Corporation Output circuit
JP2017108355A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社 増幅回路及びボルテージレギュレータ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6184728B1 (en) 1998-11-05 2001-02-06 Nec Corporation Output circuit
JP2017108355A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 エスアイアイ・セミコンダクタ株式会社 増幅回路及びボルテージレギュレータ
KR20170069923A (ko) * 2015-12-11 2017-06-21 에스아이아이 세미컨덕터 가부시키가이샤 증폭 회로 및 볼티지 레귤레이터
CN106896856A (zh) * 2015-12-11 2017-06-27 精工半导体有限公司 放大电路及电压调节器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2110946A1 (en) Differential RF amplifier
JP3088262B2 (ja) 低歪差動増幅回路
JPH1075135A (ja) BiCMOSトランスコンダクタ差動段および2番目の通過帯域フィルタ
JPH07235868A (ja) 電流バッファ回路
JP3399329B2 (ja) 演算増幅器
JPH05243861A (ja) 広帯域増幅回路
JP3453918B2 (ja) 広帯域増幅回路
JPH10190375A (ja) 演算増幅回路
JPH1070421A (ja) 増幅回路
US6538501B2 (en) Radio frequency amplifier and tuner
JP3122322B2 (ja) 能動低域通過フィルタ
JP3285159B2 (ja) ギルバート増幅回路
JPH05218755A (ja) 広帯域出力回路
JP3178614B2 (ja) 増幅回路
JP3292310B2 (ja) 広帯域増幅回路
JPH10247831A (ja) 増幅回路
JPH03190308A (ja) トランスコンダクタンス増幅器
JPH0531330U (ja) 広帯域増幅回路
JPS6123852Y2 (ja)
JP2600648B2 (ja) 差動増幅回路
JPH02239707A (ja) 差動増幅器
KR20010017641A (ko) 저 전압용 발룬 회로
JPS6210907A (ja) 差動増幅回路
JPH09298425A (ja) 増幅器の位相補償方法、及び、増幅器
JPH08307168A (ja) ボルテージフォロワ回路