JPH05242550A - 光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

光磁気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH05242550A
JPH05242550A JP4475192A JP4475192A JPH05242550A JP H05242550 A JPH05242550 A JP H05242550A JP 4475192 A JP4475192 A JP 4475192A JP 4475192 A JP4475192 A JP 4475192A JP H05242550 A JPH05242550 A JP H05242550A
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JP
Japan
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magnetic head
magneto
core
optical recording
lubricant
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JP4475192A
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Takeshi Hosoya
健 細谷
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの光磁気記録媒体面に対する接触
摩擦の低減及び光磁気記録媒体の摩耗の抑制を図る。 【構成】 ベースコアの中央部分に中心磁極コアが一体
に成形されて構成された磁気ヘッドコアを有し、光磁気
ディスク面に中心磁極コアの端面が接触摺動して光磁気
ディスクの記録層に光磁気記録を行う光磁気記録用摺動
型磁気ヘッドの製造方法において、ソフトフェライト粉
末にバインダーを混合し、加圧加熱混練してスラリー状
の原材料を得る。その後、原材料を射出成形して磁気ヘ
ッドコアの成形体を得、その後、脱脂処理及び焼成処理
を行って、焼結密度が95〜99%の磁気ヘッドコアを
作製した後、該磁気ヘッドコアを滑剤が溜められた槽内
に投入し、この槽の上方から圧力をかけ、静水圧にて磁
気ヘッドコア内に滑剤を含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体に対
し、接触摺動して磁界変調方式で光磁気記録を行う光磁
気記録用摺動型磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームを用いて情報の書込み、消去及
び読出しを行うことができる所謂書込み可能の光ディス
クの一つに、光磁気ディスクと称されるものがある。
【0003】この光磁気ディスクは、透明基板上に記録
層を形成する垂直磁化膜が設けられ、この垂直磁化膜上
に金属薄膜からなる反射膜が積層され、更にこの反射膜
がUVコート等の樹脂系材料からなる保護層で覆われた
構造を有している。
【0004】この光磁気ディスクに対して情報の書込み
を行う場合は、光磁気ディスクをその中央部を回転中心
として所定の回転速度で回転させ、更に光磁気ディスク
に形成される記録トラックの垂直磁化膜に外部磁界をか
けた状態において、レーザビームを入射させることで、
記録トラックにおける垂直磁化膜のレーザビームの入射
を受けた部分が、レーザビームによる温度上昇に伴っ
て、外部磁界の向きに応じた磁化方向を行う。
【0005】そして、レーザビームが略一定の光強度と
なった段階で、外部磁界が記録信号に応じて変化すると
いう所謂磁界変調方式により、あるいは外部磁界が略一
定となった段階で、レーザビームが記録信号に応じた光
強度変化を行うという所謂光変調方式によって、記録ト
ラックの垂直磁化膜に所定のパターンをもって磁化方向
反転領域が形成されて情報の書込みが行われる。
【0006】このように、光磁気ディスクに例えば磁界
変調方式にて情報の書込みを行う場合には、光磁気ディ
スクの垂直磁化膜に記録信号に応じた外部磁界を発生さ
せる記録信号磁界発生装置が用いられる。
【0007】この記録信号磁界発生装置としては、記録
信号に応じた電流が供給されるコイルが磁気コアに巻装
されて形成される光磁気記録用磁気ヘッドが用いられ
る。
【0008】このような磁気ヘッドによって、光磁気デ
ィスクの垂直磁化膜に磁気記録させる場合、光磁気ディ
スクの垂直磁化膜に対して充分な強度をもって磁化でき
ることが望まれ、従って、磁気ヘッドは、光磁気ディス
クの表面にできるだけ近接させて配置することが必要で
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
磁気ディスクは、その傾斜、厚みの不均一等に起因し
て、その回転時に面振れを生じる虞があり、磁気ヘッド
を別段の位置制御を行うことなく、光磁気ディスクの表
面に対して、当接することなく、かつ充分に近接する状
態に保持することは非常に困難である。
【0010】そこで、従来では、磁気ヘッドにその位置
制御を行うサーボ制御機構を設けた例が提案されてい
る。これは、磁気ヘッドを所定のアクチュエータに取り
付けると共に、磁気ヘッドと光磁気ディスク面間の変位
を検出し、その検出出力に基いてアクチュエータを駆動
することにより、光磁気ディスクがその回転時に面振れ
を生じる場合においても、磁気ヘッドと光磁気ディスク
面間の間隔を所定の値に維持できるようにしたものであ
る。
【0011】このような磁気ヘッドについてのサーボ制
御が行われるに際しての磁気ヘッドと光磁気ディスク面
間の変位の検出は、例えば光磁気ディスクに設けられた
反射層と磁気ヘッドとの間の静電容量変化を検出するこ
とにより行われる。
【0012】この場合、光磁気ディスクに対向する容量
検出電極を設け、その容量検出電極を磁気ヘッドと一体
的に移動する構成が必要となる。そのため、容量検出電
極を、磁気ヘッドもしくは磁気ヘッドを駆動するアクチ
ュエータに取り付けて、アクチュエータによって磁気ヘ
ッドと共に駆動できるように構成されるが、磁気ヘッド
と容量検出電極とを含む構成が複雑で大型化するという
不都合があり、また、アクチュエータに過大な駆動負荷
がかかるという不都合がある。
【0013】更に、容量検出電極に磁気ヘッドからの磁
界に起因する渦電流が生じ、容量検出電極が渦電流損に
より発熱する虞がある。
【0014】そこで、近時、磁気ヘッドを光磁気ディス
クの表面に直接接触摺動させて光磁気記録を行う摺動型
の光磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記
す)が提案されている。この磁気ヘッドは、図8に示す
ように、ベースコア51と、このベースコア51の中央
部分に上方に突出する円柱状の中心磁極コア52と、こ
の中心磁極コア52を取り囲むように側面磁極コア53
とがフェライトにて一体に成形されて構成された磁気ヘ
ッドコア54を有し、この磁気ヘッドコア54の中心磁
極コア52と側面磁極コア53との間のリング状の空間
に励磁コイル55が中心磁極コア52を中心に巻回され
て構成されている。尚、図において、56は光磁気ディ
スクを示し、57は保護層、58は垂直磁化膜、59は
基材である。
【0015】そして、図9に示すように、上記磁気ヘッ
ドを板ばね状に形成された例えばプラスチック製のアー
ム61の先端にジンバルばね(図示せず)を介して取付
けるようにしている。このアーム61は、その他端を例
えばねじ止め等によってセット側に取り付けられる。
【0016】しかし、側面磁極コア53における光磁気
ディスク56面との摺動面53aの形状が角型形状とな
っており、その加工は、もっぱら直線溝加工、平面研削
研磨が中心であるため、硬度の小さい光磁気ディスク5
6に対して良好な適性摺動条件を出すことが困難であっ
た。
【0017】即ち、接触表面積による摩擦抵抗摺動寿命
の適性化、フェライトコアの鋭利な端部による光磁気デ
ィスク56の損傷防止などの検討が困難であった。ま
た、磁気ヘッドの摺動面53aが鏡面化されることか
ら、磁気ヘッドと光磁気ディスク56の各接触面同士で
所謂「はりつき」が生じ、光磁気ディスク56の定速回
転を阻害するという不都合があった。
【0018】また、光磁気ディスク56に対する磁気ヘ
ッドの接触摩擦が大きくなることから、ジンバルばねに
よる抑えが効かなくなり、図9において、二点鎖線で示
すように、アーム61の先端が持ち上がる現象(ポンピ
ング現象)が生じる。その結果、アーム61が所謂ハン
マーとなって先端の磁気ヘッドで光磁気ディスク56を
たたきつけることになり、光磁気ディスク56の寿命を
著しく劣化させると共に、磁気ヘッドでの光磁気記録が
良好に行われないという不都合がある。
【0019】本発明は、このような課題に鑑み成された
もので、その目的とするところは、特に、磁気ヘッドが
光磁気ディスクに対して接触摺動しながら光磁気記録を
行う場合において、磁気ヘッドの光磁気ディスク面に対
する接触摩擦の低減及び光磁気ディスクの摩耗の抑制を
図ることができ、光磁気ディスク表面の保護並びに耐久
性の向上を実現させることができる光磁気記録用摺動型
磁気ヘッドを提供することにある。
【0020】また、本発明は、光磁気記録用摺動型磁気
ヘッドを構成する磁気ヘッドコア内に滑剤を容易に含浸
させることができる光磁気記録用摺動型磁気ヘッドの製
造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベースコア1
の中央部分に中心磁極コア2が一体に成形されて構成さ
れた磁気ヘッドコア3を有し、光磁気記録媒体11面に
中心磁極コア2の端面2aが接触摺動して光磁気記録媒
体11の記録層12に光磁気記録を行う光磁気記録用摺
動型磁気ヘッドにおいて、磁気ヘッドコア3に、表面か
ら連通し、滑剤35が浸み込まれる空隙22を設けて構
成する。この場合、上記磁気ヘッドコア3を、焼結密度
が95〜99%の焼結体で構成する。
【0022】また、磁気ヘッドコア3の中心磁極コア2
の先端に滑剤35を溜めるための溝穴41を設けるよう
にしてもよいし、ベースコア1の裏面側に凹部42を設
け、該凹部42内に、滑剤35を含浸した滑剤供給源4
3を設けるようにしてもよい。
【0023】また、本発明は、ベースコア1の中央部分
に中心磁極コア2が一体に成形されて構成された磁気ヘ
ッドコア3を有し、光磁気記録媒体11面に中心磁極コ
ア2の端面2aが接触摺動して光磁気記録媒体11の記
録層12に光磁気記録を行う光磁気記録用摺動型磁気ヘ
ッドの製造方法において、ソフトフェライト粉末にバイ
ンダーを混合し、加圧加熱混練してスラリー状の原材料
を得る。
【0024】その後、該原材料を射出成形して磁気ヘッ
ドコア3の成形体を得、その後、脱脂処理及び焼成処理
を行って、焼結密度が95〜99%の磁気ヘッドコア3
を作製した後、該磁気ヘッドコア3を滑剤35が溜めら
れた槽33内に投入し、この槽33の上方から圧力をか
け、静水圧にて磁気ヘッドコア3内に滑剤35を含浸さ
せる。
【0025】
【作用】上述の本発明の構成によれば、表面から連通す
る空隙22に滑剤35を浸み込ませることができるた
め、浸み込んだ滑剤35によって、光磁気記録用摺動型
磁気ヘッドの光磁気記録媒体11に対する接触摩擦が低
減し、光磁気記録媒体11の摩耗が大幅に抑制される。
その結果、光磁気記録媒体11表面の保護並びに耐久性
の向上を図ることができる。
【0026】特に、磁気ヘッドコア3を、焼結密度が9
5〜99%の焼結体で構成することにより、上記空隙2
2を容易に形成することができる。
【0027】また、磁気ヘッドコア3の中心磁極コア2
の先端に滑剤35を溜めるための溝穴41を設けるよう
にすれば、磁気ヘッドコア3と光磁気記録媒体11との
実質的な接触面積が減ると共に、磁気ヘッドコア3に浸
み込んだ滑剤35が空隙22を通じて中心磁極コア2の
先端に導出して溝穴41内に溜るため、滑剤35と光磁
気記録媒体11との接触面積が増加する。その結果、磁
気ヘッドの光磁気記録媒体11に対する接触摩擦が大幅
に減少し、摺動型における光磁気記録媒体11表面の保
護並びに耐久性の向上を図ることができる。
【0028】また、磁気ヘッドコア3のベースコア1の
裏面側に凹部42を設け、該凹部42内に、滑剤35を
含浸した滑剤供給源43を設けるようにすれば、滑剤供
給源43から滑剤35が磁気ヘッドコア3に常時供給さ
れることとなるため、滑剤35による磁気ヘッドの光磁
気記録媒体11に対する接触摩擦の減少効果を長期間維
持させることができ、摺動型磁気ヘッドの寿命を延ばす
ことができる。
【0029】また、本発明の製法によれば、焼結密度が
95〜99%の磁気ヘッドコア3を作製した後、該磁気
ヘッドコア3を滑剤35が溜められた槽33内に投入
し、この槽33の上方から圧力をかけ、静水圧にて磁気
ヘッドコア3内に滑剤35を含浸させるようにしたの
で、磁気ヘッドコア3内に滑剤35を容易に浸み込ませ
ることができる。
【0030】即ち、焼成工程にて焼結密度が95〜99
%の焼結体からなる磁気ヘッドコア3を作製するため、
この磁気ヘッドコア3に、表面から連通し、滑剤35が
浸み込まれる空隙22を容易に形成することができる。
そして、次の静水圧による滑剤35の含浸によって、滑
剤35が上記空隙22を通じて磁気ヘッドコア3の内部
に容易に浸透することになる。
【0031】
【実施例】以下、図1〜図7を参照しながら本発明の実
施例を説明する。図1は、本実施例に係る光磁気記録用
磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す)の構成を示
す上面図、図1Bは図1AにおけるI−I線上の断面
図、図1Cはその底面図である。
【0032】この磁気ヘッドは、図示するように、平面
矩形状のベースコア1と該ベースコア1の中央部分から
立ち上がる中心磁極コア2とが一体に形成されて構成さ
れた磁気ヘッドコア3を有する。この磁気ヘッドコア3
のベースコア1には、その上面に2つの巻線引出し溝4
が夫々点対称の位置に設けられ、またその側面に端子板
取付け用溝5が夫々対称の位置に設けられている。巻線
引出し溝4はテーパ状に形成され、該溝4のベースコア
側面近傍に巻線導出用孔6が設けられている。尚、7は
ベースコア2を軽量化させるためのダミー溝であり、ま
た、図1Cの8は取付け用マーカーである。
【0033】そして、巻線コイル(二点鎖線で示す)9
を中心磁極コア2を中心にして巻回すことによって、磁
気ヘッドを得る。この磁気ヘッドは、ベースコア1の側
面に設けられた端子板取付け用溝5を介して端子板(図
示せず)に取り付けられる。
【0034】また、この磁気ヘッドを光磁気ディスクに
対し接触摺動させて光磁気記録を行う場合は、図2に示
すように、光磁気ディスク11面に磁気ヘッドにおける
中心磁極コア2の端面2aを接触摺動させて光磁気ディ
スク11の記録層12に光磁気記録を行う。
【0035】尚、光磁気ディスク11の概略構成は、図
示するように、例えばポリカーボネート樹脂等からなる
透明基材13上に第1のSiN膜14を介して記録層を
構成する垂直磁化膜12が設けられ、この垂直磁化膜1
2上に第2のSiN膜15を介してAl薄膜からなる反
射膜16が積層され、更にこの反射膜16がUVコート
等の樹脂系材料からなる厚み約20μmの保護層17で
覆われた構造を有している。
【0036】次に、上記磁気ヘッドコア3の作製方法を
図3の工程ブロック図を参照しながら説明する。
【0037】まず、以下で示す材料を秤量した後、例え
ばボールミルにて12時間湿式混合する。 (材料) Fe2 3 54mol MnO 39mol ZnO 7mol
【0038】その後、恒温槽中で一昼夜乾燥させて粉末
を得る。その後、その粉末を例えば500kg/cm
(2)の圧力で加圧成形し、その成形体を900〜10
00℃で3時間、空気中で仮焼する。その後、上記成形
体を粗粉砕した後、微粉砕して、平均粒子径0.5〜
5.0μmの粉末を得る。
【0039】その後、上記粉末にバインダーを容積比で
20〜50%程度入れ、混練してスラリー状の原材料を
得る。ここで、上記バインダーとして、酢酸ビニル樹脂
(EVA)、アクリル樹脂、ステアリン酸及びパラフィ
ンワックスの混合物を用いることができる。
【0040】その後、射出成形機を用いて上記原材料の
成形を行い、続いて4〜8℃/hrというゆっくりした
昇温速度で昇温してバインダーを脱脂する。次に、酸素
分圧PO2=1.5〜20%の条件で、温度1200℃
を2時間保持し、焼成を行って図1で示す磁気ヘッドコ
ア1を得る。
【0041】この焼成によって、焼結密度が95〜99
%と低い磁気ヘッドコアが得られ、図4Bに示すよう
に、磁気ヘッドコアを構成する粒子21間に磁気ヘッド
コアの表面まで連通する空隙22ができる。焼結密度を
低くしたことによるBs(飽和磁束密度)の低下は5%
程度であり、光磁気記録用磁気ヘッドの記録特性上、問
題はない。尚、図4Aは、焼結密度100%における粒
子21の結合状態を示すもので、この場合、粒子21同
士が強固に結合され、本例のように、表面に連通するよ
うな空隙22は形成されない。
【0042】そして、本例においては、ディッピング処
理にて滑剤を磁気ヘッドコア内に含浸させる。このディ
ッピング処理は、図5Aに示すように、上部に、上下に
摺動する蓋31を有し、かつ下部に排出口32を有する
貯溜槽33内に、蓋31に設けられた注入口34を介し
て滑剤35を注入する。このとき、排出口32は制御弁
36にて閉じられている。
【0043】槽33内に所定量の滑剤35が溜った段階
で、槽33内に上記磁気ヘッドコア3を入れる。その
後、図5Bに示すように、滑剤35を注入口34を介し
て注入しながら、排出口32から滑剤35を排出すると
いう一連の動作を行いながら蓋31を下方に押し下げて
槽33内に圧力(静水圧)をかける。
【0044】槽33内における滑剤35の上下への流動
と蓋31による静水圧によって、滑剤35が磁気ヘッド
コア3内に浸み込む。磁気ヘッドコア3には、図4Bに
示すように、表面から連通する空隙22が形成されてい
るため、滑剤35は、容易に磁気ヘッドコア3内に浸透
することになる。そして、このディッピング処理を経て
本例に係る磁気ヘッドコア3が完成する。尚、滑剤35
としては、ステアリン酸系のものを用いることができ
る。本例では、光磁気ディスク11の保護層(UVコー
ト等の樹脂系材料)17との相性がよいイソセチルステ
アレートを使用している。
【0045】上述のように、本例によれば、表面から連
通する空隙22に滑剤35を浸み込ませることができる
ため、浸み込んだ滑剤35によって、磁気ヘッドの光磁
気ディスク11に対する接触摩擦が低減し、光磁気ディ
スク11の摩耗が大幅に抑制される。その結果、光磁気
ディスク11表面の保護並びに耐久性の向上を図ること
ができる。
【0046】特に、磁気ヘッドコア3を、焼結密度が9
5〜99%の焼結体で構成することにより、上記空隙2
2を容易に形成することができる。
【0047】また、図3及び図5で示す製造方法によれ
ば、焼結密度が95〜99%の磁気ヘッドコア3を作製
した後、該磁気ヘッドコア3を滑剤35が溜められた槽
33内に投入し、この槽33の上方から圧力をかけ、静
水圧にて磁気ヘッドコア3内に滑剤35を含浸させるよ
うにしたので、磁気ヘッドコア3内に滑剤35を容易に
浸み込ませることができる。
【0048】即ち、焼成工程にて焼結密度が95〜99
%の焼結体からなる磁気ヘッドコア3を作製するため、
この磁気ヘッドコア3に、表面から連通し、滑剤35が
浸み込まれる空隙22を形成することができる。そし
て、次の静水圧による滑剤35の含浸によって、滑剤3
5が上記空隙22を通じて磁気ヘッドコア3の内部に容
易に浸透することになる。
【0049】次に、上記本実施例に係る磁気ヘッドのい
くつかの変形例を図6及び図7に基いて説明する。尚、
図1と対応するものについては同符号を記す。
【0050】図6は、第1の変形例を示すもので、磁気
ヘッドコア3の中心磁極コア2の先端に滑剤35を溜め
るための溝穴41が設けられている。この溝穴41は、
円形の穴でもよいし、ストライプ状の溝でもよい。穴の
径又は溝の幅は、中心磁極コア2の先端の径が約0.6
mmであるため、50μm程度でよい。
【0051】この第1の変形例によれば、磁気ヘッドコ
ア3と光磁気ディスク11との実質的な接触面積が減る
と共に、磁気ヘッドコア3に浸み込んだ滑剤35が空隙
22を通じて中心磁極コア2の先端に導出して溝穴41
内に溜るため、滑剤35と光磁気ディスク11との接触
面積が増加する。その結果、磁気ヘッドの光磁気ディス
ク11に対する接触摩擦が大幅に減少し、摺動型におけ
る光磁気ディスク11表面の保護並びに耐久性の向上を
図ることができる。
【0052】図7は、第2の変形例を示すもので、磁気
ヘッドコア3のベースコア1の裏面側に凹部42が設け
られ、該凹部42内に、滑剤35を含浸した海綿体43
が設けられている。この場合、磁気ヘッドコア3内に設
けられた空隙22を通して海綿体43から滑剤35が徐
々に磁気ヘッドコア3内に浸透し、中心磁極コア2の先
端に達する。従って、この第2の変形例においては、図
5で示すディッピング処理を省略することができる。
【0053】この第2の変形例によれば、海綿体43か
ら滑剤35が磁気ヘッドコア3に常時供給されることと
なるため、滑剤35による磁気ヘッドの光磁気ディスク
11に対する接触摩擦の減少効果を長期間維持させるこ
とができ、摺動型磁気ヘッドの寿命を延ばすことができ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る光磁気記録用摺動型磁気ヘ
ッドによれば、特に、磁気ヘッドが光磁気記録媒体に対
して接触摺動しながら光磁気記録を行う場合において、
磁気ヘッドの光磁気記録媒体面に対する接触摩擦の低減
及び光磁気記録媒体の摩耗の抑制を図ることができ、光
磁気記録媒体表面の保護並びに耐久性の向上を実現させ
ることができる。
【0055】また、本発明に係る光磁気記録用摺動型磁
気ヘッドの製造方法によれば、光磁気記録用摺動型磁気
ヘッドを構成する磁気ヘッドコア内に滑剤を容易に含浸
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは、本実施例に係る光磁気記録用摺動型磁気
ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す)を示す上面図。
Bは、図1AにおけるI−I線上の断面図。Cは、本実
施例に係る磁気ヘッドを示す底面図。
【図2】本実施例に係る磁気ヘッドの使用状態を示す断
面図。
【図3】本実施例に係る磁気ヘッドコアの作製方法を示
す工程ブロック図。
【図4】Aは、焼結密度100%における粒子間の結合
状態を示す模式図。Bは、焼結密度95〜99%におけ
る粒子間の結合状態を示す模式図。
【図5】本実施例に係るディッピング処理を示す工程
図。
【図6】本実施例の第1の変形例に係る磁気ヘッドコア
を示す断面図。
【図7】本実施例の第2の変形例に係る磁気ヘッドコア
を示す断面図。
【図8】従来例に係る磁気ヘッドを示す断面図。
【図9】従来例に係る磁気ヘッドの使用状態を示す説明
図。
【符号の説明】
1 ベースコア 2 中心磁極コア 3 磁気ヘッドコア 9 巻線コイル 11 光磁気ディスク 12 記録層(垂直磁化膜) 21 粒子 22 空隙 33 貯溜槽 35 滑剤 41 溝穴 42 凹部 43 海綿体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースコアの中央部分に中心磁極コアが
    一体に成形されて構成された磁気ヘッドコアを有し、光
    磁気記録媒体面に上記中心磁極コアの端面が接触摺動し
    て上記光磁気記録媒体の記録層に光磁気記録を行う光磁
    気記録用摺動型磁気ヘッドにおいて、 上記磁気ヘッドコアは、表面から連通し、滑剤が浸み込
    まれる空隙を有することを特徴とする光磁気記録用摺動
    型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記磁気ヘッドコアは、焼結密度が95
    〜99%の焼結体であることを特徴とする請求項1記載
    の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記磁気ヘッドコアは、その中心磁極コ
    アの先端に滑剤を溜めるための溝穴が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の光磁気記録用摺動
    型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記磁気ヘッドコアは、そのベースコア
    の裏面側に凹部を有し、該凹部内に、滑剤を含浸した滑
    剤供給源が設けられていることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の光磁気記録用摺動型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 ベースコアの中央部分に中心磁極コアが
    一体に成形されて構成された磁気ヘッドコアを有し、光
    磁気記録媒体面に上記中心磁極コアの端面が接触摺動し
    て上記光磁気記録媒体の記録層に光磁気記録を行う光磁
    気記録用摺動型磁気ヘッドの製造方法において、 ソフトフェライト粉末にバインダーを混合し、加圧加熱
    混練してスラリー状の原材料を得、その後、該原材料を
    射出成形して上記磁気ヘッドコアの成形体を得、その
    後、脱脂処理及び焼成処理を行って焼結密度が95〜9
    9%の磁気ヘッドコアを作製した後、該磁気ヘッドコア
    を滑剤が溜められた槽内に投入し、この槽の上方から圧
    力をかけ、静水圧にて上記磁気ヘッドコア内に滑剤を含
    浸させることを特徴とする光磁気記録用摺動型磁気ヘッ
    ドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8497340B2 (en) 2006-06-21 2013-07-30 Daikin Industries, Ltd. Fluorosilicone mold release composition

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