JPH05242417A - 複合型磁気ヘッド - Google Patents

複合型磁気ヘッド

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JPH05242417A
JPH05242417A JP7573292A JP7573292A JPH05242417A JP H05242417 A JPH05242417 A JP H05242417A JP 7573292 A JP7573292 A JP 7573292A JP 7573292 A JP7573292 A JP 7573292A JP H05242417 A JPH05242417 A JP H05242417A
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JP
Japan
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magnetic
ferrite
substrate
composite
circuit
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JP7573292A
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Inventor
Yoshito Ikeda
義人 池田
Mineo Yorizumi
美根生 頼住
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の磁気コア半体58,59及び67,6
8が突き合わされて閉磁路を構成してなる一対の磁気ヘ
ッド56,57を相対向して隣接配置した複合型磁気ヘ
ッドにおいて、上記一対の磁気ヘッド56,57の相対
向する側の各磁気コア半体59,68が、それぞれ金属
磁性薄膜64,73をその膜厚方向より非磁性材料から
なる基板65,75と、非磁性材料とフェライトからな
る複合基板66,74とで挾み込んで構成し、上記各磁
気コア半体59,68の複合基板66,74を、相対向
しないように上記金属磁性薄膜64,73を挾んで反対
側に配置した。 【効果】 隣接クロストークの低減を図ることができ、
再生効率を大幅に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばディジタルビデ
オテープレコーダ等に使用して有用な複合型磁気ヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録において大量のデータを一時に
記録再生する場合には、例えば図40に示すように、互
いに異なるアジマス角とされた磁気ギャップg1 ,g2
を有した一対の磁気ヘッド501,502を、同図中矢
印X方向で示すヘッド走行方向に所定の間隔で隣接配置
し、これら磁気ヘッド501,502で図41に示す磁
気テープ503の記録トラックに同時に記録再生する方
法が有効である。この場合、2つの磁気ヘッド501,
502のヘッド走行方向における磁気ギャップg1 ,g
2 のギャップ間距離GLは、長時間記録再生及びアフタ
ーレコーディグを考慮すると、なるべく小さい方がよ
い。
【0003】ところが、上記磁気ヘッド501,502
のギャップ間距離GLを小さくすると、磁路を構成する
フェライト等からなる磁気コア504,505及び50
6,507のうち相対向する磁気コア505,507の
対向距離Lが近接するために、当該磁気ヘッド501,
502間の隣接クロストークが大きくなってしまう。す
なわち、これら磁気ヘッド501,502が近づくこと
によって、一方の磁気ギャップg1 から発生した磁束が
他方の磁気ギャップg2 に入り込み、当該他方の磁気ギ
ャップg2 の記録再生信号と相互干渉(クロストーク)
を起こすことになる。その結果、記録再生信号が劣化
し、良好な記録再生が行えなくなることになる。また、
相対向する磁気コア505,507のコア幅が狭くなる
ため、コア断面積が確保できなくなり、再生効率が低下
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、かか
る従来の技術的な課題に鑑みて提案されたものであっ
て、隣接クロストークの低減が図れる再生効率に優れた
複合型磁気ヘッドを提供することを目的とするととも
に、幅狭の磁気テープに対して高記録密度でディジタル
画像信号の長時間記録再生が行える複合型磁気ヘッドを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、一対の磁気コア半体が突き合わされて
閉磁路を構成してなる一対の磁気ヘッドを相対向して隣
接配置した複合型磁気ヘッドにおいて、上記一対の磁気
ヘッドの相対向する側の各磁気コア半体が、それぞれ金
属磁性薄膜をその膜厚方向より非磁性材料からなる基板
と、非磁性材料とフェライトからなる複合基板とで挾み
込んで構成されてなり、上記各磁気コア半体の非磁性材
料とフェライトからなる複合基板が、相対向しないよう
に上記金属磁性薄膜を挾んで反対側に配置されているこ
とを特徴とするものである。
【0006】また、本発明は、上述の複合型磁気ヘッド
において、フェライトをNi−Znフェライトとするこ
とを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明に係る複合型磁気ヘッドにおいては、相
対向して隣接配置した一対の磁気ヘッドの互いに対向す
る各磁気コア半体が金属磁性薄膜とフェライト及び非磁
性材料とからなるコア材料で構成され、且つその相対向
する磁気コア半体のフェライトが対向しないように金属
磁性薄膜を挾んで反対側に配置されているため、フェラ
イト同士の対向間距離の増大によって、これら磁気ヘッ
ドの隣接クロストークが低減するとともに、コア断面積
の確保が図れる。したがって、本発明の複合型磁気ヘッ
ドによれば、大幅に再生効率が向上し、信号ノイズ比
(C/S比)が高まる。
【0008】また、フェライトにNi−Znフェライト
を用いれば、該Ni−Znフェライトは高周波数領域に
おいて透磁率が高いので、高い再生効率が得られる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1 本実施例は、記録情報量を再生歪みの少ない形で圧縮
し、例えばヘッドのトラック幅を8μm以下とし記録波
長0.5μmで5×105 bit/mm2 以上の高記録
密度を持って、ビットエラーレートの少ない形でテープ
幅8mm以下の幅狭の磁気テープに対して互いに異なる
向きのアジマス角を有する一対の磁気ヘッドを相対向し
て隣接配置した複合型磁気ヘッドにより、ディジタル画
像信号の長時間記録再生を可能とした例である。
【0010】先ず、記録情報量を再生歪みの少ない形で
圧縮する方法について図面を参照しながら説明する。こ
の方法は、入力ディジタル画像信号を複数の画素データ
からなるブロック単位のデータに変換してブロック化
し、該ブロック化されたデータをブロック単位に圧縮符
号化し、該圧縮符号化されたデータをチャンネル符号化
し、該チャンネル符号化されたデータを回転ドラムに装
着された本実施例の磁気ヘッドによって磁気テープに記
録するものである。以下、記録側の構成と再生側の構成
とに分けて説明する。
【0011】図1は記録側の構成全体を示すものであ
り、1Y、1U、1Vでそれぞれ示す入力端子に、例え
ばカラービデオカメラからの三原色信号R,G,Bから
形成されたディジタル輝度信号Y、ディジタル色差信号
U、Vが供給される。この場合、各信号のクロックレー
トはD1フォーマットの各コンポーネント信号の周波数
と同一とされる。すなわち、それぞれのサンプリング周
波数が13.5MHz、6.75MHzとされ、且つこ
れらの1サンプル当たりのビット数が8ビットとされて
いる。したがって、入力端子1Y、1U、1Vに供給さ
れる信号のデータ量としては、約216Mbpsとな
る。この信号のうちブランキング時間のデータを除去
し、有効領域の情報のみを取り出す有効情報抽出回路2
によってデータ量が約167Mbpsに圧縮される。
【0012】有効情報抽出回路2の出力のうちの輝度信
号Yが周波数変換回路3に供給され、サンプリング周波
数が13.5MHzからその3/4に変換される。この
周波数変換回路3としては、例えば間引きフィルタが使
用され、折り返し歪みが生じないようになされている。
周波数変換回路3の出力信号がブロック化回路5に供給
され、輝度データの順序がブロックの順序に変換され
る。ブロック化回路5は、後段に設けられたブロック符
号化回路8のために設けられている。
【0013】図3は、符号化の単位のブロックの構造を
示す。この例は、3次元ブロックであって、例えば2フ
レームに跨がる画面を分割することにより、同図に示す
ように(4ライン×4画素×2フレーム)の単位ブロッ
クが多数形成される。なお、図3において実線は奇数フ
ィールドのラインを示し、破線は偶数フィールドのライ
ンを示す。
【0014】また、有効情報抽出回路2の出力のうち、
2つの色差信号U、Vがサブサンプリング及びサブライ
ン回路4に供給され、サンプリング周波数がそれぞれ
6.75MHzからその半分に変換された後、2つのデ
ィジタル色差信号が互いにライン毎に選択され、1チャ
ンネルのデータに合成される。したがって、このサブサ
ンプリング及びサブライン回路4からは線順次化された
ディジタル色差信号が得られる。このサブサンプリング
及びサブライン回路4によってサブサンプル及びサブラ
イン化された信号の画素構成を図4に示す。図4中、○
は第1の色差信号Uのサブサンプリング画素を示し、△
は第2の色素信号Vのサンプリング画素を示し、×はサ
ブサンプルによって間引かれた画素の位置を示す。
【0015】サブサンプリング及びサブライン回路4の
線順次化出力信号がブロック化回路6に供給される。ブ
ロック化回路6では一方のブロック化回路5と同様に、
テレビジョン信号の走査の順序の色差データがブロック
の順序のデータに変換される。このブロック化回路6
は、一方のブロック化回路5と同様に、色差データを
(4ライン×4画素×2フレーム)のブロック構造に変
換する。そしてこれらブロック化回路5及びブロック化
回路6の出力信号が合成回路7に供給される。
【0016】合成回路7では、ブロックの順序に変換さ
れた輝度信号及び色差信号が1チャンネルのデータに変
換され、合成回路7の出力信号がブロック符号化回路8
に供給される。このブロック符号化回路8としては、後
述するようにブロック毎のダイナミックレンジに適応し
た符号化回路(ADRCと称する。)、DCT(Dis
crete Cosine Transform)回路
等が適用できる。ブロック符号化回路8の出力信号がフ
レーム化回路9に供給され、フレーム構造のデータに変
換される。このフレーム化回路9では、画素系のクロッ
クと記録系のクロックとの乗り換えが行われる。
【0017】フレーム化回路9の出力信号がエラー訂正
符号のパリティ発生回路10に供給され、エラー訂正符
号のパリティが生成される。パリティ発生回路10の出
力信号がチャンネルエンコーダ11に供給され、記録デ
ータの低域部分を減少させるようなチャンネルコーディ
ングがなされる。チャンネルエンコーダ11の出力信号
が記録アンプ12A,12Bと回転トランス(図示は省
略する。)を介して一対の磁気ヘッドチップ13A,1
3Bに供給され、磁気テープに記録される。なお、オー
ディオ信号と、ビデオ信号とは別に圧縮符号化され、チ
ャンネルエンコーダ11に供給される。
【0018】上述の信号処理によって、入力のデータ量
216Mbpsが有効走査期間のみを抽出することによ
って約167Mbpsに低減され、さらに周波数変換と
サブサンプル、サブラインとによってこれが84Mbp
sに減少される。このデータは、ブロック符号化回路8
で圧縮符号化することにより、約25Mbpsに圧縮さ
れ、その後のパリティ、オーディオ信号等の付加的な情
報を加えて、記録データ量としては31.56Mbps
となる。
【0019】次に、再生側の構成について図2を参照し
ながら説明する。図2において磁気ヘッドチップ13
A,13Bからの再生データが回転トランス及び再生ア
ンプ14A,14Bを介してチャンネルデコーダ15に
供給される。チャンネルデコーダ15において、チャン
ネルコーディングの復調がされ、チャンネルデコーダ1
5の出力信号がTBC回路(時間軸補正回路)16に供
給される。このTBC回路16において、再生信号の時
間軸変動成分が除去される。TBC回路16からの再生
データがECC回路17に供給され、エラー訂正符号を
用いたエラー訂正とエラー修整とが行われる。ECC回
路17の出力信号がフレーム分解回路18に供給され
る。
【0020】フレーム分解回路18によって、ブロック
符号化データの各成分がそれぞれ分離されるとともに、
記録系のクロックから画素系のクロックへの乗り換えが
なされる。フレーム分解回路18で分離された各データ
がブロック複号回路19に供給され、各ブロック単位に
原データと対応する復元データが複号され、複号データ
が分配回路20に供給される。この分配回路20で複号
データが輝度信号と色差信号に分離される。輝度信号及
び色差信号がブロック分解回路21,22にそれぞれ供
給される。ブロック分解回路21,22は、送信側のブ
ロック化回路5,6とは逆に、ブロックの順序の複号デ
ータをラスター走査の順に変換する。
【0021】ブロック分解回路21からの複号輝度信号
が補間フィルタ23に供給される。補間フィルタ23で
は、輝度信号のサンプリングレートが3fsから4fs
(4fs=13.5MHz)に変換される。補間フィル
タ23からのディジタル輝度信号Yは出力端子26Yに
取り出される。
【0022】一方、ブロック分解回路22からのディジ
タル色差信号が分配回路24に供給され、線順次化され
たディジタル色差信号U,Vがディジタル色差信号U及
びVにそれぞれ分離される。分配回路24からのディジ
タル色差信号U,Vが補間回路25に供給され、それぞ
れ補間される。補間回路25は、復元された画素データ
を用いて間引かれたライン及び画素のデータを補間する
もので、補間回路25からはサンプリングレートが2f
sのディジタル色差信号U及びVが得られ、出力端子2
6U,26Vにそれぞれ取り出される。
【0023】ところで上述のブロック符号化回路8とし
ては、ADRC(AdaptiveDynamic R
ange Coding)エンコーダが用いられる。こ
のADRCエンコーダは、各ブロックに含まれる複数の
画素データの最大値MAXと最小値MINを検出し、こ
れら最大値MAX及び最小値MINからブロックのダイ
ナミックレンジDRを検出し、このダイナミックレンジ
DRに適応した符号化を行い、原画素データのビット数
よりも少ないビット数により、再量子化を行うものであ
る。ブロック符号化回路8の他の例としては、各ブロッ
クの画素データをDCT(Discrete Cosi
ne Transtorm)した後、このDCTで得ら
れた係数データを量子化し、量子化データをランレング
ス・ハフマン符号化して圧縮符号化する構成を用いても
よい。
【0024】ここでは、ADRCエンコーダを用い、さ
らにマルチダビングした時にも画質劣化が生じないエン
コーダの例を図5を参照しながら説明する。図5におい
て、入力端子27に例えば1サンプルが8ビットに量子
化されたディジタルビデオ信号(或いはディジタル色差
信号)が図1の合成回路7より入力される。入力端子2
7からのブロック化データが最大値,最小値検出回路2
9及び遅延回路30に供給される。最大値,最小値検出
回路29は、ブロック毎に最小値MIN、最大値MAX
を検出する。遅延回路30からは、最大値及び最小値が
検出されるのに要する時間、入力データを遅延させる。
遅延回路30からの画素データが比較回路31及び比較
回路32に供給される。
【0025】最大値,最小値検出回路29からの最大値
MAXが減算回路33に供給され、最小値MINが加算
回路34に供給される。これらの減算回路33及び加算
回路34には、ビットシフト回路35から4ビット固定
長でノンエッジマッチング量子化した場合の1量子化ス
テップ幅の値(△=1/16DR)が供給される。ビッ
トシフト回路35は、(1/16)の割算を行うよう
に、ダイナミックレンジDRを4ビットシフトする構成
とされている。減算回路33からは(MAX−△)のし
きい値が得られ、加算回路34からは(MIN+△)の
しきい値が得られる。これらの減算回路33及び加算回
路34からのしきい値が比較回路31,32にそれぞれ
供給される。なお、このしきい値を規定する値△は、量
子化ステップ幅に限らず、ノイズレベルに相当する固定
値としてもよい。
【0026】比較回路31の出力信号がANDゲート3
6に供給され、比較回路32の出力信号がANDゲート
37に供給される。ANDゲート36及びANDゲート
37には、遅延回路30からの入力データが供給され
る。比較回路31の出力信号は、入力データがしきい値
より大きい時にハイレベルとなり、したがってANDゲ
ート36の出力端子には、(MAX〜MAX−△)の最
大レベル範囲に含まれる入力データの画素データが抽出
される。一方、比較回路32の出力信号は、入力データ
がしきい値より小さい時にハイレベルとなり、したがっ
てANDゲート37の出力端子には、(MIN〜MIN
+△)の最小レベル範囲に含まれる入力データの画素デ
ータが抽出される。
【0027】ANDゲート36の出力信号が平均化回路
38に供給され、ANDゲート37の出力信号が平均化
回路39に供給される。これらの平均化回路38,39
は、ブロック毎に平均値を算出するもので、端子40か
らブロック周期のリセット信号が平均化回路38,39
に供給されている。平均化回路38からは、(MAX〜
MAX−△)の最大レベル範囲に属する画素データの平
均値MAX´が得られ、平均化回路39からは(MIN
〜MIN+△)の最小レベル範囲に属する画素データの
平均値MIN´が得られる。平均値MAX´から平均値
MIN´が減算回路41で減算され、減算回路41から
ダイナミックレンジDR´が得られる。
【0028】また、平均値MIN´が減算回路42に供
給され、遅延回路43を介された入力データから平均値
MIN´が減算回路42において減算され、最小値除去
後のデータPDIが形成される。このデータPDI及び
修整されたダイナミックレンジDR´が量子化回路44
に供給される。この実施例では、量子化に割り当てられ
るビット数nが0ビット(コード信号を転送しない)、
1ビット、2ビット、3ビット、4ビットの何れかとさ
れる可変長のADRCであって、エッジマッチング量子
化がなされる。割り当てビット数nは、ブロック毎にビ
ット数決定回路45において決定され、ビット数nのデ
ータが量子化回路44に供給される。
【0029】可変長ADRCは、ダイナミックレンジD
R´が小さいブロックでは、割り当てビット数nを少な
くし、ダイナミックレンジDR´が大きいブロックで
は、割り当てビット数nを多くすることで、効率の良い
符号化を行うことができる。すなわち、ビット数nを決
定する際のしきい値をT1〜T4(T1<T2<T3<
T4)とすると、(DR´<T1)のブロックは、コー
ド信号が転送されず、ダイナミックレンジDR´の情報
のみが転送され、(T1≦DR´<T2)のブロック
は、(n=1)とされ、(T2≦DR´<T3)のブロ
ックは、(n=2)とされ、(T3≦DR´<T4)の
ブロックは、(n=3)とされ、(DR´≧T4)のブ
ロックは、(n=4)とされる。
【0030】かかる可変長ADRCではしきい値T1〜
T4を変えることで、発生情報量を制御すること(いわ
ゆるバッファリング)ができる。したがって、1フィー
ルド或いは、1フレーム当たりの発生情報量を所定値に
することが要求されるこの発明のディジタルビデオテー
プレコーダのような伝送路に対しても可変長ADRCを
適用できる。
【0031】発生情報量を所定値にするためのしきい値
T1〜T4を決定するバッファリング回路46では、し
きい値の組(T1、T2、T3、T4)が複数例えば3
2組用意されており、これらのしきい値の組がパラメー
タコードPi(i=0、1、2・・・・31)により区
別される。パラメータコードPiの番号iが大きくなる
に従って、発生情報量が単調に減少するように設定され
ている。ただし、発生情報量が減少するに従って、復元
画像の画質が劣化する。
【0032】バッファリング回路46からのしきい値T
1〜T4が比較回路47に供給され、遅延回路48を介
されたダイナミックレンジDR´が比較回路47に供給
される。遅延回路48は、バッファリング回路46でし
きい値の組が決定されるのに要する時間、DR´を遅延
させる。比較回路47では、ブロックのダイナミックレ
ンジDR´と各しきい値とがそれぞれ比較され、比較出
力がビット数決定回路45に供給され、そのブロックの
割り当てビット数nが決定される。量子化回路44で
は、ダイナミックレンジDR´と割り当てビット数nと
を用いて遅延回路49を介された最小値除去後のデータ
PDIがエッジマッチングの量子化により、コード信号
DTに変換される。量子化回路44は、例えばROMで
構成されている。
【0033】遅延回路48、50をそれぞれ介して修整
されたダイナミックレンジDR´、平均値MIN´が出
力され、さらにコード信号DTとしきい値の組を示すパ
ラメータコードPiが出力される。この例では、一旦ノ
ンエッジマッチ量子化された信号が新たにダイナミック
レンジ情報に基づいて、エッジマッチ量子化されている
ためにダビングした時の画像劣化は少ないものとされ
る。
【0034】次に、上述のチャンネルエンコーダ11及
びチャンネルデコーダ15について説明する。チャンネ
ルエンコーダ11においては、図6に示すように、パリ
ティ発生回路10の出力が供給される適応型スクランブ
ル回路で、複数のM系列のスクランブル回路51が用意
され、その中で入力信号に対し最も高周波成分及び直流
成分の少ない出力が得られるようなM系列が選択される
ように構成されている。パーシャルレスポンス・クラス
4検出方式のためのプリコーダ52で、1/1−D
2 (Dは単位遅延用回路)の演算処理がなされる。この
プリコーダ52の出力を記録アンプ12A,13Aを介
して磁気ヘッドチップ13A,13Bにより、記録再生
し、再生出力を再生アンプ14A,14Bによって増幅
するようになされている。
【0035】一方、チャンネルデコーダ15において
は、図7に示すように、パーシャルレスポンス・クラス
4の再生側の演算処理回路53は、1+Dの演算が再生
アンプ14A,14Bの出力に対して行われる。また、
いわゆるビタビ複号回路54においては、演算処理回路
53の出力に対してデータの相関性や確からしさ等を用
いた演算により、ノイズに強いデータの複号が行われ
る。このビタビ複号回路54の出力がディスクランブル
回路55に供給され、記録側のスクランブル処理によっ
て並び変えられたデータが元の系列に戻されて原データ
が復元される。この実施例において用いられるビタビ複
号回路54によって、ビット毎の複号を行う場合より
も、再生C/N換算が3dBで改良が得られる。
【0036】次に、上述の方法によってチャンネル符号
化されたデータを磁気テープに記録する本実施例にかか
る複合型磁気ヘッドについて説明する。本実施例の複合
型磁気ヘッドは、図8及び図9に示すように、同一のヘ
ッドベース(図示は省略する。)上に互いに異なるアジ
マス角θ1 ,θ2 を有する一対の磁気ヘッド56,57
が相対向して隣接配置されることにより構成され、これ
ら磁気ヘッド56,57により同時に磁気テープに対し
て記録再生するように構成されている。なお、上記磁気
ヘッド56,57は、前述の図1及び図2に示す磁気ヘ
ッドチップ13A,13Bに相当するものである。
【0037】先ず、これら磁気ヘッド56,57のう
ち、一方の磁気ヘッド56を例にとって説明する。上記
磁気ヘッド56は、第1の磁気コア半体58と第2の磁
気コア半体59とからなり、これら磁気コア半体58,
59が突き合わされて閉磁路を構成するようになってい
る。第1の磁気コア半体58は、主コアとなる金属磁性
薄膜60と補助コアとなる一対の磁気コア基板61,6
2からなり、上記金属磁性薄膜60をその膜厚方向より
これら一対の磁気コア基板61,62で挾み込むことに
より形成されている。上記金属磁性薄膜60は、高周波
数領域での渦電流損失を回避する目的で、例えばSiO
2 等からなる薄膜の非磁性絶縁層を介してセンダスト等
よりなる薄膜の金属磁性層を何層にも積層してなる積層
膜構造とされている。本実施例では、金属磁性層を2層
とした。
【0038】上記金属磁性薄膜60に用いられる金属磁
性材料としては、高飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性
に優れた強磁性材料が使用される。かかる強磁性材料と
しては、例えば、Fe−Al−Si系合金、Fe−Al
系合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni系合金、
Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合金、F
e−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si−Al系合金
等の強磁性金属材料、或いはFe−Ga−Si系合金、
さらには上記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗
性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co(Fe
の一部をCoで置換したものを含む。),Siを基本組
成とする合金に、Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,M
o,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,Ni,
Pb,Pt,Hf,Vの少なくとも一種を添加したもの
等が挙げられる。
【0039】また、強磁性非晶質合金、いわゆるアモル
ファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの一つ以上の元
素とP,C,B,Siの一つ以上の元素とからなる合
金、またはこれを主成分としAl,Ge,Be,Sn,
In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,H,Nb等
を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルファス合
金、或いはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土類元素
等を主成分とするメタル−メタル系アモルファス合金)
等も使用される。
【0040】中でも、5×105 bit/mm2 以上の
高記録密度を可能なものとなすことから、特に飽和磁束
密度が14kG以上のものがより好適であり、例えば飽
和磁束密度14.5kGのFe−Ga−Si−Ru系合
金が好ましい。このような高飽和磁束密度を有する強磁
性材料を使用すれば、高抗磁力の磁気テープに対しても
磁気飽和を生じることなく記録が行える。なお、これら
強磁性材料の膜付け方法としては、真空薄膜形成技術、
例えば蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティン
グ法等が採用できる。
【0041】一方、磁気コア基板61,62は、上記金
属磁性薄膜60をその膜厚方向よりその全面を覆うに足
る大きさの平板として形成されている。かかる磁気コア
基板61,62のうち、一方の磁気コア基板61は、例
えばセラミックス等の非磁性材料のみからなる非磁性基
板となっている。これに対して他方の磁気コア基板62
は、非磁性材料とフェライトとを組合わせた複合基板と
なされている。すなわち、かかる磁気コア基板62は、
磁気ギャップg1 が呈する磁気記録媒体摺接面を構成す
るフロントコア部分62aが非磁性材料とされ、バック
コア部分62bがフェライトとなっている。本実施例で
は、第1の磁気コア半体58の対向面に形成されるコイ
ルを巻装するための断面矩形状をなす巻線溝63の中途
部を境として、非磁性材料とフェライトとに分けた。な
お、図8及び図9中、Nは非磁性材料を示し、Mはフェ
ライトを示すものとする。
【0042】一方、第2の磁気コア半体59も第1の磁
気コア半体58と同じく、金属磁性薄膜64と一対の磁
気コア基板65,66からなり、上記金属磁性薄膜64
をその膜厚方向よりこれら一対の磁気コア基板65,6
6によって挾み込むことにより形成されている。かかる
金属磁性薄膜64は、やはり先のものと同じく、高周波
数領域での渦電流損失を回避するために、例えばSiO
2 等からなる薄膜の非磁性絶縁層を介してセンダスト等
よりなる薄膜の金属磁性層を積層してなる積層膜構造と
されている。そして、ここでの磁気コア基板65,66
は、長時間記録再生及びアフターレコーディグを考慮し
てそのヘッド走行方向でのコア長さが短くなされている
他は、先の磁気コア基板61,62と同様に、一方の磁
気コア基板65が非磁性基板とされ、他方の磁気コア基
板66が非磁性材料とフェライトとを組合わせた複合基
板となっている。
【0043】上記のようにして構成された第1の磁気コ
ア半体58と第2の磁気コア半体59とは、相対向する
突合わせ面に呈する金属磁性薄膜60,64の端面同士
がギャップ膜(図示は省略する。)を介して突き合わさ
れることによって、これら金属磁性薄膜60,64間に
記録再生ギャップとして動作する磁気ギャップg1 を構
成している。このときの磁気ギャップg1 のトラック幅
Tw1 は、金属磁性薄膜60,64を除く磁気記録媒体
摺接面がいずれも非磁性材料とされていることから、当
該金属磁性薄膜60,64の膜厚によって規制されてい
る。つまり、金属磁性薄膜60,64の膜厚が上記磁気
ギャップg1 のトラック幅Tw1 となっている。
【0044】また、上記磁気ギャップg1 は、他方の磁
気ヘッド57からの隣接クロストークを低減するため
に、磁気テープの摺動方向と直交する方向に対して時計
回り方向に所定のアジマス角θ1 を持って設けられてい
る。このときのアジマス角θ1の角度は、隣接クロスト
ークを考慮して10度以上とすることが望ましく、本実
施例では20度とした。また、上記磁気ギャップg1
トラック幅Tw1 は、ATF(オートトラッキング)の
場合、隣接するトラックの信号を拾いながら記録再生す
るので、磁気テープ上のトラックピッチPより+0μm
〜+3μm広くすることが望ましい。本実施例では、磁
気テープ上のトラックピッチPを5μmとすることか
ら、上記磁気ギャップg1 のトラック幅Tw1 を7μm
とした。
【0045】他方の磁気ヘッド57も同様の構成で、第
3の磁気コア半体67と第4の磁気コア半体68とから
なり、これら磁気コア半体67,68が突き合わされて
閉磁路を構成するようになっている。かかる第3の磁気
コア半体67は、主コアとなる金属磁性薄膜69と補助
コアとなる一対の磁気コア基板70,71からなり、上
記金属磁性薄膜69をその膜厚方向よりこれら一対の磁
気コア基板70,71で挾み込むことにより形成されて
いる。上記金属磁性薄膜69も先の磁気ヘッド56と同
様に、SiO2 等よりなる薄膜の非磁性絶縁層を介して
センダスト等よりなる薄膜の金属磁性層を何層にも積層
してなる積層膜構造とされている。
【0046】そして、上記金属磁性薄膜69を挾み込む
磁気コア基板70,71のうち、一方の磁気コア基板7
1は、セラミックス等の非磁性材料のみからなる非磁性
基板とされ、他方の磁気コア基板70は、非磁性材料と
フェライトとを組合わせた複合基板となされている。か
かる複合基板とされる磁気コア基板70は、磁気ギャッ
プg2 が呈する磁気記録媒体摺接面を構成するフロント
コア部分が非磁性材料とされ、バックコア部分がフェラ
イトとなっている。本実施例では、第3の磁気コア半体
67の対向面に形成される巻線溝72の中途部を境とし
て、非磁性材料とフェライトとに分けた。
【0047】一方、第4の磁気コア半体68も第3の磁
気コア半体67と全く同じ構成で、金属磁性薄膜73と
一対の磁気コア基板74,75からなり、上記金属磁性
薄膜73をその膜厚方向よりこれら一対の磁気コア基板
74,75によって挾み込むことにより形成されてい
る。かかる金属磁性薄膜73は、やはり先のものと同じ
く、高周波数領域での渦電流損失を回避するために、例
えばSiO2 等からなる薄膜の非磁性絶縁層を介してセ
ンダスト等よりなる薄膜の金属磁性層を積層してなる積
層膜構造とされている。そして、上記磁気コア基板7
4,75は、長時間記録再生及びアフターレコーディグ
を考慮してそのヘッド走行方向でのコア長さが短くなさ
れている他は、先の磁気コア基板70,71と同様に、
一方の磁気コア基板75が非磁性基板とされ、他方の磁
気コア基板74が非磁性材料とフェライトとを組合わせ
た複合基板となされている。なお、複合基板とされる他
方の磁気コア基板74は、フロントコア部分が非磁性材
料とされ、バックコア部分がフェライトとなされてい
る。
【0048】そして特に本実施例では、相対向して隣接
配置される一対の磁気ヘッド56,57における相対向
する側の各磁気コア半体59,68の複合基板とされる
磁気コア基板66,74が、互いに相対向しないように
金属磁性薄膜64,73を挾んで反対側に配置されてい
る。つまり、一方の磁気ヘッド56の第2の磁気コア半
体59の複合基板とされる磁気コア基板66が、これと
相対向する磁気ヘッド57の第4の磁気コア半体68の
非磁性基板とされる磁気コア基板75と相対向するよう
になっている。そして、他方の磁気ヘッド57の第4の
磁気コア半体68の複合基板とされる磁気コア基板74
が、これと相対向する磁気ヘッド56の第2の磁気コア
半体59の非磁性基板とされる磁気コア基板65と相対
向するようになっている。このように、上記一対の磁気
ヘッド56,57の対向する側に設けられる磁気コア半
体59,68を構成するフェライトが対向しないように
金属磁性薄膜64,73を挾んで反対側に配置されてい
るので、これらフェライト間距離の増大によって、近接
配置される互いの磁気ヘッド56,57からの隣接クロ
ストークが大幅に低減する。また、本例のように、互い
の磁気ヘッド56,57の対向面を構成する磁気コア材
が非磁性材料とフェライトからなるため、磁気コア断面
積が確保され、再生効率の低下が生じない。なお、対向
面を構成する磁気コアが全て非磁性材料である場合に
は、再生効率が悪くなる。
【0049】上記のようにして構成された第3の磁気コ
ア半体67と第4の磁気コア半体68とは、相対向する
突合わせ面に呈する金属磁性薄膜69,73の端面同士
がギャップ膜(図示は省略する。)を介して突き合わさ
れることによって、これら金属磁性薄膜69,73間に
記録再生ギャップとして動作する磁気ギャップg2 を構
成している。このときの磁気ギャップg2 のトラック幅
Tw2 は、金属磁性薄膜69,73を除く磁気記録媒体
摺接面が同様にいずれも非磁性材料とされていることか
ら、当該金属磁性薄膜69,73の膜厚によって規制さ
れている。つまり、金属磁性薄膜69,73の膜厚が上
記磁気ギャップg2 のトラック幅Tw2となっている。
【0050】また、上記磁気ギャップg2 は、先の磁気
ヘッド56からの隣接クロストークを低減するために、
磁気テープの摺動方向と直交する方向に対して反時計回
り方向に所定のアジマス角θ2 を持って設けられてい
る。このときのアジマス角θ2の角度は、隣接クロスト
ークを考慮して10度以上とすることが望ましく、本実
施例では20度した。また、ここでの磁気ギャップg2
のトラック幅Tw1 は、やはり先の磁気ヘッド56と同
様の観点から、磁気テープ上のトラックピッチPより+
0μm〜+3μm広くすることが望ましい。本実施例で
は、上記磁気ギャップg2 のトラック幅Tw1 を7μm
とした。
【0051】そして、上述のように構成された一対の磁
気ヘッド56,57は、互いの傾斜された対向面56
a,57aを突合わせる形で同一のヘッドベース上に隣
接配置されて、いわゆるダブルアジマスと称される複合
型磁気ヘッドとなる。これら磁気ヘッド56,57は、
図9中矢印Yで示すトラックピッチ方向に、これら磁気
ヘッド56,57によって記録される図10で示す磁気
テープ76上のトラックピッチPと等し段差DAを持っ
て設けられている。なお、ここに言う段差DAは、トラ
ックピッチ方向における各磁気ヘッド56,57の磁気
ギャップg1 ,g2 のトラック幅方向でのヘッドベース
側の端部間距離を指す。また、ここでの段差DAは、磁
気テープ76上のトラックピッチPを5μm以下とする
ことから、これに合わせて上記段差DAを5μm以下と
する。本実施例では、トラックピッチPを5μmとする
ので、上記段差DAをこれに合わせて5μmとした。
【0052】そしてさらに、これら磁気ヘッド56,5
7は、図9中矢印Xで示すヘッド走行方向に磁気テープ
76上の各記録トラック77,78の画像信号領域77
a,78aと第1及び第2の音声信号領域77b,77
c,78b,78cの間に配されるインターブロックギ
ャップ領域77d,77e,78d,78eの長さLと
トラック間段差Dの距離との和より短いギャップ間距離
GLを持って設けられている。インターブロックギャッ
プ領域77d,77e,78d,78eとは、画像信号
領域77a,78aと、アフターレコーディグが可能な
第1及び第2の音声信号領域77b,77c,78b,
78cとに挟まれたアフターレコーディグが可能な又は
不可能な、或いは映像信号等が記録されていない領域を
いう。なお、ここに言うギャップ間距離GLは、ヘッド
走行方向における各磁気ヘッド56,57の磁気ギャッ
プg1 ,g2 のトラック幅Tw1 ,Tw2 のセンター間
距離を指す。
【0053】また、ここでのギャップ間距離GLは、ア
フターレコーディグを考慮して設定され、例えばインタ
ーブロックギャップ領域77d,77e,78d,78
eの長さLが250μmである場合には、約200μm
とされる。また、上記ギャップ間距離GLは、長時間記
録再生の観点から画像信号領域77a,78aの確保と
ヘッド効率の観点から相対向する磁気コア半体59,6
8のコア断面積の確保とを考慮して決められる。
【0054】このように構成されてなる磁気ヘッドにお
いては、上記ヘッドベース毎回転ドラムに取付けられ
る。そして、上記回転ドラムが回転走査され、当該回転
ドラムの周面に沿って相対的に移送する磁気テープ76
上に上記複合型磁気ヘッドによって図10に示す如く記
録パターンが形成される。このとき、本例では、同一の
ヘッドベース上に配した一対の磁気ヘッド56,57を
ヘッド走行方向に画像信号領域77a,78aと音声信
号領域77b,77c,78b,78cの間に配される
インターブロックギャップ領域77d,77e,78
d,78eの長さLとトラック間段差Dの距離との和よ
り短いギャップ間距離GLを持って設けているので、ア
フターレコーディグを良好に行うことができる。
【0055】すなわち、先行する磁気ヘッド56の磁気
ギャップg1 が第1の音声信号領域77bに到達したと
きには、他方の磁気ヘッドチップ57の磁気ギャップg
2 は画像信号領域78aと第1の音声信号領域78b間
に設けられるインターブロックギャップ領域78d内に
あることになり、この状態で音声信号の記録状態に入れ
ば、音声信号のアフターレコーディグを行う際の画像の
乱れを防止することができる。したがって、アフターレ
コーディグを良好に行うことが可能となる。なお、第1
の音声信号領域77b,78bにはアフターレコーディ
グを行わず、第2の音声信号領域77c,78cにのみ
アフターレコーディグする場合は、この第1の音声信号
領域77b,78bがインターブロックギャップ領域と
なる。
【0056】この他、上記ギャップ間距離GLを上記磁
気テープ76上のトラック間段差Dと同じ寸法とするこ
とによっても、同様にアフターレコーディグを良好に行
うことができる。
【0057】またさらに、本実施例の磁気ヘッドでは、
同一のヘッドベース上に隣接配置した2つの磁気ヘッド
56,57によって上記磁気テープ76に対して同時に
記録再生を行うので、テープ幅8mm以下とした磁気テ
ープ76に対して記録密度5×105 bit/mm2
上で記録再生しても、異常トラックパターンによるビッ
トエラーレートが高くなることなくディジタル画像信号
の長時間記録再生が可能となる。
【0058】例えば、互いにアジマス角の異なる2つの
磁気ヘッドを回転ドラムに180度相対向して配置し、
同様にして記録密度5×105 bit/mm2 で8mm
幅の磁気テープ76に対して記録再生した場合には、回
転ドラムの偏心等により先行する磁気ヘッドチップによ
って記録された信号が、後続の磁気ヘッドチップにより
その一部が消去されるという異常トラックパターンが発
生する。したがって、消去されずに残る信号量に比べて
消去される信号量の割合が大きくなり、十分な再生出力
が得られずにビットエラーレートが非常に高くなってし
まう。本実施例によれば、同一のヘッドベース上に2つ
の磁気ヘッド56,57が配置されていることから、回
転ドラムの偏心等があってもこれら磁気ヘッド56,5
7で記録される記録トラック77,78は共に同一方向
に傾き、他方の記録トラックに必要以上オーバーラップ
するようなことがない。したがって、十分な再生出力が
得られ、ビットエラーレートが高くならない。
【0059】ところで、上述の複合型磁気ヘッドを作製
するには、以下のようにして行う。先ず、図11に示す
ように、平板状をなす非磁性材料よりなる非磁性基板7
9とMn−Znフェライトよりなるフェライト基板80
を複数用意する。そしてこれら非磁性基板79とフェラ
イト基板80の両面に順次、Crよりなる膜とAuより
なる膜をそれぞれ積層する形で成膜する。
【0060】上記Cr膜とAu膜よりなる積層膜81
は、上記非磁性基板79とフェライト基板80とを接合
するためのものである。ここでのCr膜とAu膜の膜厚
は、通常数百Å〜数千Åの範囲とされ、本例ではその膜
厚はいずれも500Åとした。なお、最上ブロックられ
る非磁性基板79の上端面79aには、上記積層膜81
は成膜しない。
【0061】次に、図12に示すように、上記非磁性基
板79とフェライト基板80とを互いの積層膜81を突
合わせ面として交互に重ね合わせ、これら積層体に25
kgf/cm2 程度の圧力を加えて200〜300℃程
度の低温で熱処理する。なお、このときの熱処理雰囲気
は、これら非磁性基板79とフェライト基板80との接
合強度をより高めるためにその真空度を10-5Toor
程度とする。
【0062】この結果、これら非磁性基板79とフェラ
イト基板80とは、上記Au同士の低温熱拡散によって
接合される。上記Auを用いた低温熱拡散接合は、高融
点ガラスの融着温度(550℃)に比較してかなり低温
であるため、特にフェライトが高温加熱による熱膨張に
起因する歪みの影響を受けない。したがって、フェライ
トの持つ磁気特性が劣化するようなことがない。また、
このAuによる低温熱拡散は、低温であるにも拘わらず
接合強度は高く、以後の磁気ヘッドの作製加工にも十分
耐え得るものである。
【0063】次に、上記接合基板に対して図12中線a
−a及び線b−bで示す位置でスライシング加工を施
し、図13に示す非磁性材料とフェライトとが交互に積
層された平板状の複合基板82を作製する。次いで、上
記複合基板82の一主面上にセンダストよりなる薄膜の
金属磁性層83を形成した後、SiO2 よりなる非磁性
絶縁層84を積層し、さらにこの上にセンダストよりな
る薄膜の金属磁性層85を形成する。
【0064】この結果、図14に示すように、非磁性絶
縁層84を一対の金属磁性層83,85でサンドイッチ
してなる積層型の金属磁性薄膜86が形成される。
【0065】次に、上記金属磁性薄膜86上と、この金
属磁性薄膜86が形成されていない複合基板82の裏面
に、それぞれCrとAuよりなる積層膜87を形成す
る。次いで、図15に示すように、上記複合基板82と
略同サイズの非磁性材料からなる非磁性基板88を作製
し、この基板82の両面にそれぞれCrとAuよりなる
積層膜89を形成する。
【0066】そして、上記複合基板82と非磁性基板8
8とを、図16に示すように、交互に重ね合わせ、上記
積層膜87,89同士の低温熱拡散によって接合一体化
する。
【0067】次に、上記接合ブロックに対して図16中
線c−c及び線d−dで示す位置でアジマス角だけ傾け
てスライシング加工を施し、図17に示すような磁気コ
ア半体基板90を作製する。次いで、上記磁気コア半体
基板90に対してコイルを巻装するための巻線溝91と
ガラス溝92を、作製するヘッド数に応じて上記金属磁
性薄膜86と直交する方向に形成する。
【0068】巻線溝91は、断面略コ字状の溝として形
成し、磁気ギャップのデプスを規制する役目をする傾斜
面91aが非磁性基板79とフェライト基板80とに跨
がるようにして形成する。つまり、上記巻線溝91の傾
斜面91aの中途部に非磁性基板79とフェライト基板
80の界面がくるように、上記巻線溝91を形成する。
一方、ガラス溝92は、上記非磁性基板79とフェライ
ト基板80の界面をセンターとして断面コ字状をなす溝
として形成する。
【0069】次に、巻線溝91及びガラス溝92が形成
された磁気コア半体基板90の磁気ギャップ形成面とな
る面を鏡面研磨した後、当該磁気コア半体基板90を図
18に示すようにブロック毎に切断する。そして、この
ブロック切断された磁気コア半体ブロック93の磁気ギ
ャップ形成面となる面に、ギャップ膜としてSiO2
(図示は省略する。)をスパッタリングによって形成す
る。上記SiO2 膜は、その膜厚がギャップ長の約半分
となるようにする。
【0070】次に、上述のようにして形成した磁気コア
半体ブロック93と、巻線溝91及びガラス溝92を形
成していない磁気コア半体ブロック94とを、図19に
示すように、互いの非磁性基板79,79同士を相対向
させるようにしてトラック位置合わせしながら突き合わ
せる。
【0071】次いで、上記巻線溝91とガラス溝92内
に丸棒状をなすガラス棒を挿入し、これを溶融する。こ
の結果、上記一対の磁気コア半体ブロック93,94同
士は、融着ガラス95によって接合一体化される。そし
て、この接合一体化された磁気コア半体ブロック93,
94より所定のヘッドチップ形状に切り出すことによ
り、前述した磁気ヘッド56,57が作製される。その
後、これら磁気ヘッド56,57を前述した条件で同一
のヘッドベース上に隣接配置すれば、本実施例の複合型
磁気ヘッドが完成する。
【0072】実施例2 この実施例2の複合型磁気ヘッドは、先の実施例1にお
ける磁気ヘッド56,57の相対向する側の第2の磁気
コア半体59と第4の磁気コア半体68を構成するそれ
ぞれの磁気コア基板65,66及び74,75を、金属
磁性薄膜64,73を挾んで入れ替えたものである。な
お、この実施例2の各磁気ヘッド56,57において
は、先の実施例1の磁気ヘッド56,57と同一部材に
ついては同一の符号を付し、その説明は省略するものと
する。
【0073】上記一方の磁気ヘッド56においては、第
1の磁気コア半体58を構成する非磁性材料とフェライ
トからなる磁気コア基板62に対して非磁性材料のみか
らなる磁気コア基板65が配置され、第1の磁気コア半
体58を構成する非磁性材料のみからなる磁気コア基板
61に対して非磁性材料とフェライトからなる磁気コア
基板66が配向配置される。同様に、他方の磁気ヘッド
57においては、第3の磁気コア半体67を構成する非
磁性材料のみからなる磁気コア基板71に対して非磁性
材料とフェライトからなる磁気コア基板74が配置さ
れ、第3の磁気コア半体67を構成する非磁性材料とフ
ェライトからなる磁気コア基板70に対して非磁性材料
のみからなる磁気コア基板75が対向配置される。
【0074】この実施例2の複合型磁気ヘッドにおいて
は、先の実施例1の複合型磁気ヘッドと同様に、非磁性
材料とフェライトよりなる複合基板たる磁気コア基板6
6,74が相対向しないように上記金属磁性薄膜64,
73を挾んで反対側に配置される構成となるので、隣接
クロストークを低減することができ、しかもコア断面積
を確保することができる。したがって、高抗磁力磁気記
録媒体に対しても十分に記録再生でき、再生効率の低下
が生じない。
【0075】なお、この実施例2の磁気ヘッド56,5
7を作製するには、前述した実施例1の磁気ヘッド5
6,57の作製工程のうち、図19に示す一対の磁気コ
ア半体ブロック93,94同士のトラック位置合わせ工
程において、非磁性基板79とフェライト基板80から
なる複合基板が、非磁性材料のみからなる非磁性基板8
8と対向するようにすればよい。
【0076】実施例3 実施例3の複合型磁気ヘッドは、実施例2における各磁
気ヘッド56,57の巻線溝63,72が設けられる第
1の磁気コア半体58と第3の磁気コア半体67を構成
するそれぞれの磁気コア基板61,62及び70,71
を、いずれも非磁性材料とフェライトからなる複合基板
としたものである。このように、一方の磁気コア半体5
8,67を構成する磁気コア基板62,70をいずれも
非磁性材料とフェライトからなる複合基板とすれば、先
の実施例1及び実施例2に示す各磁気ヘッド56,57
におけるコア断面積がより一層増大することになるの
で、当該磁気ヘッド56,57の磁気特性の大幅な向上
が期待できる。
【0077】上述の構成とされる複合型磁気ヘッドを作
製するには、以下の工程に従って行う。先ず、実施例1
の複合型磁気ヘッドを作製する工程の途中で作製した図
14に示す複合基板82,すなわち金属磁性薄膜86上
及びこの金属磁性薄膜86が形成されていない裏面にC
rとAuよりなる積層膜87をそれぞれ形成した複合基
板82を、図22に示すように、その積層膜87同士を
突合わせ面として重ね合わせる。
【0078】そして、これら積層膜87のAu同士の低
温熱拡散により、上記複数の複合基板82同士を接合一
体化する。
【0079】次に、上記接合ブロックに対して図22中
線e−e及び線f−fで示す位置でアジマス角だけ傾け
てスライシング加工を施し、図23に示すような磁気コ
ア半体基板96を作製する。次いで、上記磁気コア半体
基板96に対してコイルを巻装するための巻線溝91と
ガラス溝92を、作製するヘッド数に応じて上記金属磁
性薄膜86と直交する方向に形成する。
【0080】ここで形成する巻線溝91は、先の実施例
1と同様に断面略コ字状の溝として形成し、磁気ギャッ
プのデプスを規制する傾斜面91aが非磁性基板79と
フェライト基板80とに跨がるようにして形成する。つ
まり、上記巻線溝91の傾斜面91aの中途部に非磁性
基板79とフェライト基板80の界面がくるように、上
記巻線溝91を形成する。一方、ガラス溝92は、上記
非磁性基板79とフェライト基板80の界面をセンター
として断面コ字状をなす溝として形成する。
【0081】次に、巻線溝91及びガラス溝92が形成
された磁気コア半体基板96の磁気ギャップ形成面とな
る面を鏡面研磨した後、当該磁気コア半体基板96を図
24に示すようにブロック毎に切断する。そして、この
ブロック切断された磁気コア半体ブロック97の磁気ギ
ャップ形成面となる面に、ギャップ膜としてSiO2
(図示は省略する。)をスパッタリングによって形成す
る。上記SiO2 膜は、その膜厚がギャップ長の約半分
となるようにする。
【0082】次に、上述のようにして形成した磁気コア
半体ブロック97と、前述の実施例1で作製した図19
に示す巻線溝91及びガラス溝92を形成していない磁
気コア半体ブロック94とを、図25に示すように、ト
ラック位置合わせしながら突き合わせる。
【0083】次いで、上記巻線溝91とガラス溝92内
に丸棒状をなすガラス棒を挿入し、これを溶融する。こ
の結果、上記一対の磁気コア半体ブロック94,97同
士は、融着ガラス95によって接合一体化される。そし
て、この接合一体化された磁気コア半体ブロック94,
97に対して円筒研磨を施した後、巻線ガイド溝(図示
は省略する。)を形成する。
【0084】そして最後に、図25中線g−g及び線h
−hで示す位置でスライシング加工を施してヘッドチッ
プ形状に切り出すことにより、実施例3の磁気ヘッド5
6,57が作製される。その後、これら磁気ヘッド5
6,57を前述した条件で同一のヘッドベース上に隣接
配置すれば、本実施例の複合型磁気ヘッドが完成する。
【0085】実施例4 実施例4は、高周波数領域での再生効率を向上させるた
めに、先の実施例1ないし実施例3における各磁気ヘッ
ド56,57に用いたフェライトをNi−Znフェライ
トとした例である。例えば、フェライトにMn−Znフ
ェライトを使用した場合には、当該Mn−Znフェライ
トのうち多結晶フェライトは変調ノイズが大きく、単結
晶フェライトは摺動ノイズが大きいという欠点があり、
さらには比抵抗が数Ωcmと小さいので数MHzでの透
磁率の劣化が大きく、補助コアとしての性能の劣化があ
る。これに対して、Ni−Znフェライトは、比抵抗が
〜109 Ωcmと大きく、単結晶Mn−Znフェライト
に比べて数MHz領域で透磁率が高いので、高い再生効
率が得られる。また、多結晶Ni−Znフェライトは、
単結晶Mn−Znフェライトに比べて摺動ノイズが小さ
く、しかも多結晶フェライトに比べて変調ノイズが小さ
いので、総合的に高いC/Nが得られる。
【0086】実際に、Mn−Znフェライトを用いたヘ
ッドとNi−Znフェライトを用いたヘッドを以下の条
件のもとに作製し、これらMn−Znフェライト及びN
i−Znフェライトの透磁率の周波数依存性について調
べてみた。試作に使用した単結晶Mn−Znフェライト
としては、Fe2 3 ,ZnO,MnOを組成とし、そ
の割合がFe2 3 :ZnO:MnO=53:18:2
9(mol%)なるものを使用した。一方、多結晶Ni
−Znフェライトには、Fe2 3 ,ZnO,NiOを
組成とし、その割合がFe2 3 :ZnO:NiO=5
1:32:17(mol%)なるものを使用した。ま
た、金属磁性材料には、Fe−Ru−Ga−Siをその
厚みが6μmとなるように、300ÅのSiO2 膜を介
して3層となるように形成した。また、融着ガラスに
は、Pb系ガラスを用い、560℃の融着温度でガラス
融着した。その結果を図26に示す。
【0087】図26からわかるように、多結晶Ni−Z
nフェライトを用いたヘッド(同図中線Aで示す。)に
おける当該多結晶Ni−Znフェライトの透磁率は、単
結晶Mn−Znフェライトを用いたヘッド(同図中線B
で示す。)における当該単結晶Mn−Znフェライトの
透磁率に比べて、数MHz領域での多結晶Ni−Znフ
ェライトの方が高い値を示していることがわかる。この
結果より、フェライトとしてNi−Znフェライトを用
いれば、高周波数領域での再生効率を大幅に向上させる
ことができる。
【0088】また、Ni−Znフェライトを用いること
によって、テープスピード3.8m/s,7MHzにお
ける相対出力も大幅に向上した。例えば、実施例1及び
実施例2の磁気ヘッドでは、Mn−Znフェライトを用
いた磁気ヘッドに対して0.5dB向上し、実施例3の
磁気ヘッドでは1dBも向上した。
【0089】実施例5 実施例5は、多結晶Ni−Znフェライトを磁気ギャッ
プ近傍にまで近づけ、当該磁気ギャップの両サイドに非
磁性材料を配することによって、高周波数領域での再生
効率の向上並びに磁気コア断面積の確保により磁気特性
のより一層の向上を図った磁気ヘッドの例である。
【0090】かかる磁気ヘッドは、図27に示すよう
に、金属磁性材料及び多結晶Ni−Znフェライト並び
に非磁性材料からなる一対の磁気コア半体98,99よ
りなり、これら磁気コア半体98,99が突合わされる
ことによって閉磁路を構成するようになっている。
【0091】上記一対の磁気コア半体98,99は、主
コアとなる金属磁性薄膜100,101と補助コアとな
る一対の磁気コア基板102,103及び104,10
5からなり、上記金属磁性薄膜100,101をその膜
厚方向よりこれら一対の磁気コア基板102,103及
び104,105で挾み込むことにより形成されてい
る。上記金属磁性薄膜100,101は、前述の実施例
1ないし実施例3と同じく、高周波数領域での渦電流損
失を回避する目的で、例えばSiO2 等からなる薄膜の
非磁性絶縁層を介してFe−Ru−Ga−Si等よりな
る薄膜の金属磁性層を何層にも積層した積層膜として形
成されている。なお、上記金属磁性薄膜100,101
に使用される金属磁性材料としては、前述した実施例1
のものと同じ材料がいずれも使用できる。
【0092】一方、磁気コア基板102,103及び1
04,105は、これら磁気コア半体98,99の突合
わせ面の一部を構成する磁気ギャップ近傍部102a,
103a及び104a,105aが非磁性材料とされ、
それ以外の部分102b,103b及び104b,10
5bが多結晶Ni−Znフェライトとされた複合基板と
なされている。逆の見方をすれば、磁気ギャップgの近
傍部分のみが非磁性材料とされ、残りの磁路を構成する
大半の部分が多結晶Ni−Znフェライトとされている
ことになる。非磁性材料が設けられる磁気ギャップ近傍
部102a,103a及び104a,105aとは、具
体的には磁気ギャップ形成面から巻線溝106,107
の磁気ギャップgのデプスを規制する傾斜面106a,
107aの中途部までの間のヘッド走行方向における領
域とされる。
【0093】上記のように構成された一対の磁気コア半
体98,99は、相対向する突合わせ面に呈する金属磁
性薄膜100,101の端面同士がギャップ膜(図示は
省略する。)を介して突き合わされることによって、こ
れら金属磁性薄膜100,101間に記録再生ギャップ
として動作する磁気ギャップgを構成する。このときの
磁気ギャップgのトラック幅Twは、磁気ギャップ近傍
の金属磁性薄膜100,101の両サイドが非磁性材料
とされていることから、当該金属磁性薄膜100,10
1の膜厚によって規制される。つまり、金属磁性薄膜1
00,101の膜厚が上記磁気ギャップgのトラック幅
Twとなっている。特に、上記の磁気ヘッドでは、多結
晶Ni−Znフェライトが磁気ギャップgの近傍部分に
まで設けられているので、高周波数領域での再生効率の
向上が図れると同時に、コア断面積の拡大により、磁気
特性が大幅に向上する。
【0094】上述の磁気ヘッドを作製するには、以下の
ようにして行う。先ず、図28に示すように、平板状を
なす多結晶Ni−Znフェライトよりなるフェライト基
板108を作製する。次に、図29に示すように、上記
フェライト基板108の一方の主面108aに断面矩形
状をなす溝109を所定ピッチで複数平行となるように
形成する。
【0095】一方、非磁性基板から上記溝109内に嵌
合するに足る大きさとされた非磁性ブロック110を形
成する。次いで、図31に示すように、上記溝109内
を含めて上記フェライト基板108の主面108aに、
CrとAuをそれぞれ順に成膜し、これらCr膜とAu
膜からなる積層膜111を形成する。
【0096】同様に、上記非磁性ブロック110の一方
の面にもCr膜とAu膜からなる積層膜111を形成す
る。
【0097】次に、かかる非磁性ブロック110を上記
溝109内にそれぞれの積層膜111を突合わせ面とし
て嵌合させた後、これらに所定の圧力を加えて、200
℃〜300℃程度の熱を加える。この結果、図30に示
すように、これらAu同士による低温熱拡散接合によっ
て、上記非磁性ブロック110が溝109内に固定され
る。
【0098】このときの低温熱拡散接合の条件は、先の
実施例1の磁気ヘッド56,57を作製したときの条件
と同一の条件が適用できる。しかる後、上記非磁性ブロ
ック110が設けられたフェライト基板108の主面1
08aを平面研磨する。
【0099】次に、上述の工程を順次繰り返して上記非
磁性ブロック110が溝109内に固定されたフェライ
ト基板108を複数作製する。そしてこれらフェライト
基板108の両面108a,108bにそれぞれCrと
Auを成膜した後、図32に示すようにして重ね合わせ
る。なお、最上部のフェライト基板108の上端面10
8aにはCrとAuは成膜しない。また、最下部のフェ
ライト基板108の裏面108bには、同様にCrとA
uは成膜しない。
【0100】そして、これらフェライト基板108に所
定の圧力を加えて、200℃〜300℃程度の熱を加
え、上記Au同士の低温熱拡散によってこれらフェライ
ト基板108同士を接合一体化する。
【0101】次に、この接合一体化されたフェライト基
板108を上記非磁性ブロック110と略直交する方向
にアジマス角を付けてスライシングして、図33に示す
ような所定形状の磁気コア基板112を作製する。次い
で、図34に示すように、上記磁気コア基板112の一
方の面112aにFe−Ru−Ga−SiとSiO2
順次成膜し、薄膜の金属磁性層を非磁性絶縁層を介して
積層してなる金属磁性薄膜113を形成する。
【0102】しかる後、上記金属磁性薄膜113上と該
金属磁性薄膜113が形成されていない磁気コア基板1
12の裏面112bにそれぞれCrとAuを順次成膜し
た後、これら磁気コア基板112を図35に示すように
重ね合わせる。そして、これら磁気コア基板112に所
定の圧力を加えて、200℃〜300℃程度の熱を加
え、上記Au同士の低温熱拡散によってこれら磁気コア
基板112同士を接合一体化する。
【0103】次に、この接合一体化された磁気コア基板
112の複合基板を、上記金属磁性薄膜113と直交す
る方向に上記非磁性ブロック110のエッジにかかるよ
うにして切断する。この結果、図36に示すような磁気
コア半体基板114が作製される。次に、図37に示す
ように、上記磁気コア半体基板114の磁気ギャップ形
成面となる主面114aに対して、コイルを巻装するた
めの巻線溝115とガラス溝116を形成する。
【0104】巻線溝115は、断面コ字状の溝として形
成し、磁気ギャップのデプスを規制する役目をする傾斜
面115aが非磁性ブロック110とフェライト基板1
08とに跨がるようにして形成する。つまり、巻線溝1
15の傾斜面115aの中途部に非磁性ブロック110
とフェライト基板108の一方の界面がくるように、上
記巻線溝115を形成する。一方、ガラス溝116は、
巻線溝115を挾んで反対側に、上記非磁性ブロック1
10とフェライト基板108の他方の界面とに跨がって
断面コ字状をなす溝として形成する。
【0105】次に、巻線溝115及びガラス溝116が
形成された磁気コア半体基板114の磁気ギャップ形成
面となる面を鏡面研磨した後、当該磁気コア半体基板1
14を図37中線i−i及び線j−jで示す位置でブロ
ック毎に切断する。そして、このブロック切断された磁
気コア半体ブロック117の磁気ギャップ形成面となる
面に、ギャップ膜としてSiO2 膜(図示は省略す
る。)をスパッタリングによって形成する。上記SiO
2 膜は、その膜厚がギャップ長の約半分となるようにす
る。
【0106】次に、上述のようにして形成した磁気コア
半体ブロック117同士を、図39に示すように相対向
して突合わせ、相対向する巻線溝115とガラス溝11
6内に丸棒状をなすガラス棒を挿入してこれを溶融す
る。この結果、上記一対の磁気コア半体ブロック11
7,117同士は、融着ガラス118によって接合一体
化される。
【0107】そして、この接合一体化された磁気コア半
体ブロック117,117を図39中線k−k及び線l
−lで示す位置で所定のチップ厚に切り出すことによっ
て、磁気ヘッドが完成する。
【0108】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る複合型磁気ヘッドにおいては、相対向して隣接
配置した一対の磁気ヘッドの互いに対向する各磁気コア
半体が金属磁性薄膜とフェライト及び非磁性材料とから
なるコア材料で構成され、しかもその相対向する磁気コ
ア半体のフェライトが対向しないように金属磁性薄膜を
挾んで反対側に配置されているので、フェライト同士の
対向間距離の増大により、これら磁気ヘッドの隣接クロ
ストークを低減することができるとともに、コア断面積
を十分に確保することができる。したがって、本発明の
複合型磁気ヘッドによれば、再生効率を大幅に向上させ
ることができ、信号ノイズ比(S/N比)を高めること
ができる。
【0109】また、本発明に係る複合型磁気ヘッドにお
いては、フェライトとしてNi−Znフェライトを使用
しているので、高周波数領域での透磁率の向上が期待で
きると同時に、摺動ノイズを小さなものとすることがで
きる。したがって、本発明に係る複合型磁気ヘッドによ
れば、再生効率の大幅な向上が図れ、総合的に高いC/
Nを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディジタル画像情報を再生歪みの少ない形で圧
縮する信号処理部の記録側の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】ディジタル画像情報を再生歪みの少ない形で圧
縮する信号処理部の再生側の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】ブロック符号化のためのブロックの一例を示す
線図である。
【図4】サブサンプリング及びサブラインの説明に用い
る線図である。
【図5】ブロック符号化回路の一例のブロック図であ
る。
【図6】チャンネルエンコーダの一例の概略を示すブロ
ック図である。
【図7】チャンネルデコーダの一例の概略を示すブロッ
ク図である。
【図8】実施例1の複合型磁気ヘッドの斜視図である。
【図9】実施例1の複合型磁気ヘッドを対接面側より見
た状態を示す要部拡大正面図である。
【図10】実施例1の複合型磁気ヘッドによってディジ
タル画像情報と音声信号が記録された磁気テープのテー
プフォーマット図である。
【図11】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、非磁性基板とフェライト基板にCr
膜とAu膜をそれぞれ成膜する工程を示す斜視図であ
る。
【図12】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、非磁性基板とフェライト基板の接合
工程を示す斜視図である。
【図13】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、複合基板の切り出し工程を示す斜視
図である。
【図14】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、複合基板に金属磁性薄膜を形成する
工程を示す斜視図である。
【図15】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、非磁性基板にCrとAuをそれぞれ
順次成膜する工程を示す斜視図である。
【図16】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、複合基板と非磁性基板を接合する工
程を示す斜視図である。
【図17】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体基板の切り出し工程を
示す斜視図である。
【図18】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体基板をブロック切断す
る工程を示す斜視図である。
【図19】実施例1の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体ブロックの接合工程を
示す斜視図である。
【図20】実施例2の複合型磁気ヘッドを示す斜視図で
ある。
【図21】実施例3の複合型磁気ヘッドを示す斜視図で
ある。
【図22】実施例3の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、複合基板の接合工程を示す斜視図で
ある。
【図23】実施例3の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、複合基板の切り出し工程を示す斜視
図である。
【図24】実施例3の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体基板をブロック切断す
る工程を示す斜視図である。
【図25】実施例3の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体ブロックの接合工程を
示す斜視図である。
【図26】フェライトの透磁率に対する周波数依存性を
示す特性図である。
【図27】実施例4の磁気ヘッドを示す斜視図である。
【図28】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、多結晶Ni−Znフェライトよりな
るフェライト基板の形成工程を示す斜視図である。
【図29】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、溝形成及び非磁性ブロック形成工程
を示す斜視図である。
【図30】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、Cr及びAuを非磁性ブロックとフ
ェライト基板にそれぞれ成膜する工程を示す斜視図であ
る。
【図31】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、非磁性ブロックをフェライト基板に
接合する工程を示す斜視図である。
【図32】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、非磁性ブロックを接合したフェライ
ト基板同士の接合工程を示す斜視図である。
【図33】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア基板の切り出し工程を示す
斜視図である。
【図34】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、金属磁性薄膜を形成する工程を示す
斜視図である。
【図35】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア基板の接合工程を示す斜視
図である。
【図36】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体基板の切り出し工程を
示す斜視図である。
【図37】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、巻線溝及びガラス溝形成工程を示す
斜視図である。
【図38】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体基板をブロック切断す
る工程を示す斜視図である。
【図39】実施例4の複合型磁気ヘッドを製造する方法
を順次示すもので、磁気コア半体ブロックの接合工程を
示す斜視図である。
【図40】従来の複合型磁気ヘッドを対接面側より見た
状態を示す要部拡大正面図である。
【図41】従来の複合型磁気ヘッドによって磁気テープ
に対して同時に記録する状態を示す図である。
【符号の説明】
56,57・・・磁気ヘッド 58・・・第1の磁気コア半体 59・・・第2の磁気コア半体 67・・・第3の磁気コア半体 68・・・第4の磁気コア半体 60,64,69,73・・・金属磁性薄膜 61,62,65,66,70,71,74,75・・
・磁気コア基板 62a,66a,74a・・・フロントコア部分(非磁
性材料) 62b,66b,74b・・・バックコア部分(フェラ
イト) 63,72・・・巻線溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体が突き合わされて閉
    磁路を構成してなる一対の磁気ヘッドを相対向して隣接
    配置した複合型磁気ヘッドにおいて、 上記一対の磁気ヘッドの相対向する側の各磁気コア半体
    が、それぞれ金属磁性薄膜をその膜厚方向より非磁性材
    料からなる基板と、非磁性材料とフェライトからなる複
    合基板とで挾み込んで構成されてなり、 上記各磁気コア半体の非磁性材料とフェライトからなる
    複合基板が、相対向しないように上記金属磁性薄膜を挾
    んで反対側に配置されていることを特徴とする複合型磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 フェライトがNi−Znフェライトであ
    ることを特徴とする請求項1記載の複合型磁気ヘッド。
JP7573292A 1992-02-28 1992-02-28 複合型磁気ヘッド Withdrawn JPH05242417A (ja)

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