JPH0524235A

JPH0524235A - サーマルヘツド及びその製造方法

Info

Publication number: JPH0524235A
Application number: JP3179858A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Onishi; 弘朗大西; Katsuhiko Shimizu; 克彦清水
Original assignee: Rohm Co Ltd
Current assignee: Rohm Co Ltd
Priority date: 1991-07-19
Filing date: 1991-07-19
Publication date: 1993-02-02
Anticipated expiration: 2013-06-18
Also published as: JP2766564B2

Abstract

(57)【要約】【目的】発熱部に対し圧力が集中し、且つ印字効率が良
く、低価格のサーマルヘッド及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。【構成】基板上に部分グレーズ層を形成し、この部分グ
レーズ層上に抵抗膜層を形成し、この抵抗膜層上の山裾
両側に共通電極と個別電極を形成して抵抗膜層の頂部を
発熱部とし、この発熱部、共通電極及び個別電極を覆う
保護膜層を形成してなるものにおいて、前記部分グレー
ズ層を台形状に設定したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、印字効率の良いサー
マルヘッド及びそれを備えるプリンタ、ワープロ、ファ
クシミリ、プロッタ等の電子機器、さらにサーマルヘッ
ドの製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のサーマルヘッドには、パーシャル
グレーズ式、ダブルパーシャルグレーズ式、トゥルーエ
ッジ式のものが知られている。パーシャルグレーズ式の
サーマルヘッドは、図７に示すように、絶縁基板１の上
面端部に、幅が３００乃至１２００μｍ程度で、曲率を
持った部分グレーズ層２を形成し、この上に抵抗膜層３
を形成し、この抵抗膜層３のグレーズ層２の頂部に発熱
部４を形成するために、グレーズ層２の頂部両側に共通
電極５と個別電極６を形成し、更にその上面を保護膜７
で覆ったものである。また、ダブルパーシャルグレーズ
式のサーマルヘッドは、図８に示すように、パーシャル
グレーズ式の発熱部４の下方のグレーズ層２ａのみをグ
レーズエッチング等にて凸状に盛り上げたものである。

【０００３】また、前記トゥルーエッジ式のサーマルヘ
ッドは、図９に示すように、絶縁基板１の端面にグレー
ズ層２及び発熱部４を設けたものである。更に、その変
形として図１０に示すように、絶縁基板１の端部を一部
斜めにカットし、絶縁基板１の上面１ａの他に斜面１ｂ
及び端面１ｃにもグレーズ層２ａ、２ｂ、２ｃを形成
し、斜面１ｂに発熱部４を形成したものがある。

【０００４】サーマルヘッドは、ラフ紙対応印字及び印
字効率アップのために、発熱抵抗体部のリボン、被転写
紙及びプラテンへの圧力集中が必要である。上記、従来
のサーマルヘッドのうち、パーシャルグレーズ式、ダブ
ルパーシャルグレーズ式のものは、、図１１で示すよう
に、発熱部４を有するグレーズ層２のインクリボン８、
被転写紙９を介してのプラテンゴム１０への当接が広範
囲となり、発熱部４の圧力集中が充分に得られない問題
がある。また、この問題点を解消するためのトゥルーエ
ッジ式ものは、図９で示すように、現状基板厚が２ｍｍ
程度と厚めであるため、未だ充分な効果は実現し得てい
ない。更に、図９、図１０のサーマルヘッドに共通する
問題であるが、基板の側端面部を加工して、端面部に印
刷を実行する方式のものでは、大きな基板から一度に多
数個取りが出来ず、その結果、一個当たりのコストが高
くなる欠点があった。

【０００５】この発明は、上記問題点に着目してなされ
たものであって、発熱部に対し圧力が集中し、且つ印字
効率が良く、低価格のサーマルヘッド及びその製造方法
を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び作用】この目的を達成
させるために、この発明の特許請求の範囲第１項（請求
項１）記載のサーマルヘッドでは、次のような構成とし
ている。サーマルヘッドは、絶縁基板上に部分グレーズ
層を形成し、この部分グレーズ層上に抵抗膜層を形成
し、この抵抗膜層上の山裾両側に共通電極と個別電極を
形成して抵抗膜層の頂部を発熱部とし、この発熱部、共
通電極及び個別電極を覆う保護膜層を形成してなるもの
において、前記部分グレーズ層を台形状に設定したこと
を特徴としている。

【０００７】このような構成を有するサーマルヘッドで
は、部分グレーズ層を台形状に形成した。そして、この
台形状グレーズ層の頂部の両側山裾に共通電極と個別電
極を形成し、頂部を発熱部としている。従って、発熱部
がその周辺より大きく上方へ突出し、発熱部以外の周辺
への無駄な圧力分散がなくなり、発熱部にのみ集中的に
圧力がかかる。これにより、印字効率が向上し、無駄な
蓄熱が解消でき、印字の高速化が達成できる。

【０００８】また、特許請求の範囲第３項（請求項３）
記載のサーマヘッドの製造方法は、絶縁基板上に、弯曲
状の部分グレーズ層を形成する工程と、この部分グレー
ズ層の両側をエッチングして台形状に形成する工程と、
この台形グレーズ層の角部を滑らかな曲面状に処理する
工程と、この丸みを帯びた台形グレーズ層上に抵抗膜及
び電極部を形成した後、発熱部、電極部を覆う保護膜層
を形成する工程とから成ることを特徴としている。

【０００９】このような製造方法によれば、絶縁基板上
に従来と同様の弯曲状（椀状）部分グレーズ層を形成
し、この椀状部分グレーズ層の端部側と中央部側、つま
りグレーズ層の両山裾側を、例えばレーザカットし、グ
レーズ層自体を台形状に形成する。そして、この台形状
グレーズ層の角部を例えば再焼成（加熱）して、角部に
丸みを持たせる（曲面状とする）。これにより、平滑度
が高くなり、パターン形成が一層容易となると共に、発
熱体形状が安定する。更に、この台形状グレーズ層の上
面に抵抗膜層、共通電極、個別電極を製膜する。その
後、発熱部（台形グレーズ層の頂部）、共通電極及び個
別電極を覆う保護膜層を形成する。かくして、発熱部が
周辺より大きく上方へ突出し、発熱抵抗体部に充分な圧
力集中が得られるサーマルヘッドを実現できる。また、
ハーフカット（非貫通切込み）方式、再加熱（再焼成）
によるグレーズ角部曲面化方式により、多数ヘッドを同
時に加工出来、安価なサーマルヘッドを提供し得る。

【００１０】

【実施例】図１は、この発明の特許請求の範囲第１項
（請求項１）記載のサーマルヘッドの具体的な一実施例
を示す要部断面図である。

【００１１】サーマルヘッドは、公知のように、絶縁基
板１上の端部に部分グレーズ層２を形成し、この部分グ
レーズ層２上に抵抗膜層３を形成し、この抵抗膜層３上
の山裾両側に共通電極５と個別電極６を形成して抵抗膜
層の頂部を発熱部４とし、この発熱部４、共通電極５及
び個別電極６を覆う保護膜層７を形成して構成されてい
る。この発明の特徴は、前記部分グレーズ層２を台形状
に設定した点にある。つまり、部分グレーズ層２を従来
と同様の弯曲状（椀型状）に形成した後、椀型グレーズ
層２の頂部の山裾両側（基板１の端部側と中央部側）と
を、カッティングしてグレーズ層２全体を台形状に設定
している。これにより、発熱抵抗体部４が周辺に対し大
きく上方へ突出するように設定している。

【００１２】図４乃至図６は、特許請求の範囲第３項
（請求項３）記載のサーマルヘッドの製造方法の具体的
な製造工程を示す工程説明図である。このサーマルヘッ
ドは、絶縁基板１の上面端部に、弯曲状（椀型）の部分
グレーズ層２Ａを形成する（図４参照）。この後、図５
で示すように、例えばレーザカットにより、椀型部分グ
レーズ層２Ａの山裾両側（基板１の端部側と中央部側）
をカットして、台形状の部分グレーズ層２Ｂを得る。つ
まり、周辺より頂部が大きく突出した部分グレーズ層２
Ｂを得る。更に、図６で示すように、台形状グレーズ層
２Ｂの角部２１を再加熱（再焼成）或いはフッ酸による
化学処理により、カット面を滑らかな曲面とする。これ
により、カット面の平滑度が得られ、以後のパターニン
グ処理が容易となる。そして、この角部が曲面処理され
た台形状グレーズ層２Ｃに、抵抗膜層３、共通電極５、
個別電極６を形成する。そして、この製膜処理後に、発
熱部（抵抗膜層２の頂部）４、共通電極５、個別電極６
を覆う保護膜層７を形成する（図１参照）。

【００１３】このような製造工程によれば、発熱部４が
周辺より大きく上方へ突出し、発熱抵抗体部４に充分な
圧力集中が得られるサーマルヘッドを実現できる。ま
た、ハーフカット（非貫通切込み）方式、再加熱（再焼
成）によるグレーズ角部曲面化方式により、多数ヘッド
を同時に加工出来、安価なサーマルヘッドを提供し得
る。

【００１４】図２は、サーマルヘッドの部分グレーズ層
２の他の実施例を示す要部断面図である。先の実施例
（図１）では、部分グレーズ層２全体が台形状とした例
を示したが、この実施例の部分グレーズ層２は、弯曲状
グレーズ層２の頂部のみをレーザカットにより台形状に
設定している。従って、発熱抵抗体部４の頂部のみが小
型の台形部２２となり、この台形部２２が上方へ突出し
た構造となっている。これにより、充分な圧力集中が得
られる。

【００１５】図３は、部分グレーズ層２の更に他の実施
例を示す要部断面図である。この実施例では、厚みの小
さい台形状の部分グレーズ層２の両側（基板１中央側及
び基板１端部側）に対応する絶縁基板１の面内に、切り
欠き溝１１を形成している。従って、抵抗膜３及び共通
電極５、個別電極６は、この切り欠き溝１１内に一部が
嵌入する（グレーズ層２の山裾に対応する抵抗膜３、電
極５、６の一部が嵌入する）。この結果、厚みの薄い台
形状の部分グレーズ層２であっても、グレーズ層２の頂
部（発熱抵抗体）４は、周辺より大きく上方へ突出した
状態となり、充分な圧力集中が得られる。

【００１６】上記した実施例サーマルヘッドは、プリン
タ、ワープロ、ファクシミリ、プロッタ等の電子機器に
使用される。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、特許請求の範囲第１項
（請求項１）記載のサーマルヘッドでは、部分グレーズ
層を台形状に設定したから、部分グレーズ層が周辺より
大きく上方へ突出し、充分な圧力集中が得られ印字効率
が向上する。また、ラフ紙に対し良好な熱転写印字が可
能となる。更に、結果的には発熱体抵抗体を台形状に突
出させたものであるため、従来のヘッドに対して特別な
設計変更をせずとも、置き換えることが出来る。また、
特許請求の範囲第３項（請求項３）記載のサーマルヘッ
ドの製造方法では、部分グレーズ層を台形状にカットし
た後、カット面を曲面処理することで、パターン形成が
容易となり、発熱体形状が安定する。更に、ハーフカッ
ト処理及び上記曲面処理により、多数のヘッドを同時に
加工でき、安価なサーマルヘッドを提供し得る等、発明
目的を達成した優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例サーマルヘッドを示す要部断面図であ
る。

【図２】サーマルヘッドの他の実施例を示す要部断面図
である。

【図３】サーマルヘッドの更に他の実施例を示す要部断
面図である。

【図４】サーマルヘッドの製造方法で、基板にグレーズ
層を形成した説明図である。

【図５】サーマルヘッドの製造方法で、グレーズ層を台
形状とした説明図である。

【図６】サーマルヘッドの製造方法で、台形グレーズ層
を曲面処理した説明図である。

【図７】従来のサーマルヘッドの一例を示す部分断面図
である。

【図８】従来のサーマルヘッドの他の例を示す部分断面
図である。

【図９】従来のサーマルヘッドの他の例を示す部分断面
図である。

【図１０】従来のサーマルヘッドの他の例を示す部分断
面図である。

【図１１】従来のサーマルヘッドの不具合を切意するた
めの説明図である。

【符号の説明】

１基板２部分グレーズ層３抵抗膜層４発熱部５共通電極６個別電極７保護膜

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】絶縁基板上に部分グレーズ層を形成し、こ
の部分グレーズ層上に抵抗膜層を形成し、この抵抗膜層
上の山裾両側に共通電極と個別電極を形成して抵抗膜層
の頂部を発熱部とし、この発熱部、共通電極及び個別電
極を覆う保護膜層を形成してなるサーマルヘッドにおい
て、前記部分グレーズ層を台形状に設定したことを特徴とす
るサーマルヘッド。
【請求項２】請求項１記載のサーマルヘッドを具備して
なることを特徴とする電子機器。
【請求項３】絶縁基板上に、弯曲状の部分グレーズ層を
形成する工程と、この部分グレーズ層の両側をエッチン
グして台形状に形成する工程と、この台形グレーズ層の
角部を滑らかな曲面状に処理する工程と、この丸みを帯
びた台形グレーズ層上に抵抗膜及び電極部を形成した
後、発熱部、電極部を覆う保護膜層を形成する工程とか
ら成るサーマルヘッドの製造方法。