JPH052406A - コントローラ - Google Patents

コントローラ

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JPH052406A
JPH052406A JP15348691A JP15348691A JPH052406A JP H052406 A JPH052406 A JP H052406A JP 15348691 A JP15348691 A JP 15348691A JP 15348691 A JP15348691 A JP 15348691A JP H052406 A JPH052406 A JP H052406A
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JP
Japan
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output
reset
correction signal
controller
flag
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Pending
Application number
JP15348691A
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English (en)
Inventor
Taketoshi Kawabe
武俊 川邊
Yoshinori Yamamura
吉典 山村
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH052406A publication Critical patent/JPH052406A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積分特性をもつ制御対象を、オーバーフロー
を引き起こすことなく、かつ、安定に制御し得るコント
ローラを提供することを目的とする。 【構成】 制御対象を模した伝達関数をもつ制御モデル
の出力が所定の限界値に達した時点でリセットする。ま
た、リセット時に発生する補正信号のスパイク成分を、
リセット補正部からの信号によって除去する。このた
め、オーバーフローを回避し、かつ、安定な制御が行な
えるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積分特性を持つ制御対
象を安定に制御するコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のコントローラとしては、従来よ
り、文献:安定性を保証したロバストモデルマッチン
グ、第9回DSTシンポジウムpp139−142(19
89)が知られている。
【0003】図9はこの文献に示されるコントローラの
構成を概略的に示すブロック図であり、同図において伝
達関数がGである制御対象3はコントローラ7によって
外乱補償されるようになっている。そして、コントロー
ラ7は、制御対象3と同様の伝達関数G0 をもつ制御モ
デル4と、定常ゲイン1のローパスフィルタH0 をG0
で除した伝達関数H0 /G0 を有するフィルタ6、及び
演算部1,5から構成されている。また、図9におい
て、dは外乱、yは制御対象3の出力、uは制御入力、
vはコントローラ7の入力、cは制御対象3の出力と制
御モデル4の出力との偏差、wは補正信号である。
【0004】いま、このシステムの伝達関数を求める
と、次の(1) 式で示される。
【0005】y=G0 v+G0 (1−H0 )d…(1) また、上記文献ではローパスフィルタH0 のカットオフ
周波数以下では、H0 の伝達特性は1に近づくため、制
御対象3の出力yは外乱dの影響を受けず、近似的に、 y=G0 v …(2) が成立することが示されている。更に、図10に示すよ
うに、補償器8を用いてフィードバックさせ、これを基
に規範入力rを補正し、コントローラ入力vを発生させ
れば、規範入力rに対する制御対象3の応答を自由に調
整できることが示されている。
【0006】次に、このような従来のコントローラの動
作を実際に伝達関数を代入して説明する。いま、制御対
象がモータである場合には、この伝達関数は例えば次の
(3)式で示される。
【0007】G0 =b/(s2 +sD) …(3) ただし、sは微分演算子、Dは粘性、bはゲインであ
る。
【0008】また、ローパスフィルタH0 の伝達関数を
次の(4)式のように設計する。
【0009】H0 =w0 2 /(s+w0 2 …(4) ただし、w0 はローパスフィルタH0 のカットオフ周波
数である。
【0010】また、(4) 式は、s=0のときH0 =1と
なり、定常ゲインが1であることを示している。また、
フィルタ6の伝達関数H0 /G0 は(3) ,(4) 式から容
易に導かれ、次の(5) 式が得られる。
【0011】 H0 /G0 =w0 2 (s2 +sD)/b(s+w0 2 …(5) そして、(3) 〜(5) 式を用いて、図10に示すシステム
の伝達特性を求めると、次の(6) 式となる。
【0012】
【数1】
【0013】ここで、規範入力r=0とし、外乱dが一
定値d0 であるとすれば、(6) 式より伝達特性は次の
(7) 式で示される。
【0014】 y/d={b/(s2 +Ds+K)} ・{(s2 +2w0 s)/(s+w0 2 } …(7) そして、時間t→∞では(7) 式においてs=0とすれば
良く、(y/d)=0となる。従って、t→∞において
一定外乱d0 の出力yへの影響はなくなることがわか
る。
【0015】また、フィルタ6の出力を考えると、外乱
dから補正信号wまでの伝達関数は、G=G0 として次
の(8) 式で示される。
【0016】w=H0 d …(8) ここで、ローパスフィルタH0 は、定常ゲインが1であ
るので、一定外乱d0 に対し、時定数経過後では補正信
号wは一定値d0 となる。いま、規範入力rはr=0に
設定されているので、制御入力uは、u=−d0 とな
る。
【0017】また、制御モデル4は積分特性(極にs=
0がある)を有するため、このモデル4の出力y0 は、
一定外乱d0 に対して限りなく増加することになる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のコ
ントローラにあっては、制御対象3が積分特性を持つ場
合には、一定外乱が発生すると、制御対象3の出力自体
は安定であるが、制御モデル3の出力y0 が時間ととも
に増大してしまう。そこで、この制御モデル4の出力y
0 に合わせてダイナミックレンジを大きくすると、出力
0 が小さいときの演算精度が悪くなり、また、出力y
0 の精度を向上させるためダイナミックレンジを小さく
すると、制御モデル4がオーバーフローを起こwしまう
という欠点があった。
【0019】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、オ
ーバーフローを起こさず積分特性をもつ制御対象を正確
に制御し得るコントローラを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、積分特性を有する制御対象を制御するコ
ントローラにおいて、前記制御対象を模した伝達関数を
有し、制御入力に対する出力値が所定の限界値に達した
場合にリセットする演算手段と、前記演算手段のリセッ
ト直前の前記出力値の符号を監視し、この符号に応じた
フラグを出力するフラグ発生手段と、前記制御対象出力
と制御モデル出力との偏差に基づき、前記制御入力を補
正する補正信号を生成して出力する補正信号生成手段
と、前記フラグ発生手段の出力を基に前記補正信号を修
正するリセット補正手段とを有することが特徴である。
【0021】
【作用】上述の如く構成すれば、演算手段の出力値が所
定の限界値に達した場合にリセットされ、リセット時に
は、フラグ信号が出力される。このフラグ信号は、リセ
ット直前の出力値の符号に応じたものである。
【0022】そして、リセット時には補正信号生成手段
から出力される補正信号にスパイク成分が発生するの
で、リセット補正部では、このフラグの符号に応じて、
補正信号を修正し、これによって、補正信号のスパイク
成分を除去する。
【0023】従って、積分特性をもつ制御対象において
も、オーバーフローを引き起こすことなく、かつ正確な
制御が可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、例えば自動車に用いられる四輪操舵の回
転角を制御するシステムを示しており、コントローラ2
1と、電流アンプ22と、電源23と、モータ24と、
ギヤ25と、エンコーダ26と、出力軸28から構成さ
れている。
【0025】そして、コントローラ21に、例えば目標
回転角30°が設定されると、この制御信号u(k)が
電流アンプ22に出力され、電源23から該電流アンプ
22の制御下でモータ24に電流が供給される。これに
よって、モータ24は回転し、この回転動力はギヤ25
を通じて出力軸28へと伝達される。このとき、出力軸
に作用する力が外乱となるので、モータ24の回転が乱
されることになるが、これはエンコーダ26に検出され
コントローラ21にフィードバックされるので、電流値
が制御され、モータ24の回転角度が設定値となるよう
に制御される。図1は、このようなシステムのモータ2
4を制御対象とした連続系コントローラ21の構成を示
すブロック図であり、コントローラ17と補償器8によ
り構成される。同図において、コントローラ17は、コ
ントローラ入力vを補正して制御対象3の外乱を補償す
るものであり、演算手段としての制御モデル11と、フ
ラグ発生部12と、リセット補正部13と、補正信号生
成手段としてのフィルタ15、及び各演算部1,14,
16から構成されている。尚、図1の演算部2,9、補
償器8は図10のものと同じであり詳細な説明は省略す
る。
【0026】制御モデル11は、制御対象3を模した伝
達関数を有しており、後述するように、出力値が所定の
限界値に達するたびにリセットされるようになってい
る。
【0027】フラグ発生部12は、制御モデル11にお
いてリセットが行なわれた際に、その直前の出力値の符
号(プラス、マイナス)を監視し、プラスである場合に
はフラグFr =1を出力し、マイナスのときはFr =−
1を出力する。
【0028】フィルタ15は、定常ゲイン1のローパス
フィルタの特性を伝達関数G0 で除した特性となる伝達
関数を有しており、制御モデル11の出力y0 と制御対
象3の出力yとの偏差εから補正信号w′を生成して出
力する。
【0029】リセット補正部13は、後述するように、
制御モデル11でリセットが行なわれた際に、フィルタ
15の出力w′に発生するスパイク成分を除去するため
のスパイク補正信号を出力するものである。この補正信
号は、フラグ発生部12からのフラグFr の符号によっ
て正負が切換わるようになっている。
【0030】次に、本実施例の作用について説明する。
いま、制御対象3は積分特性を有しているので、制御モ
デル11の伝達関数G0 を従来技術の(3) 式と同様に、
次の(9) 式の如く決める。
【0031】G0 =b/(s2 +Ds) …(9) ただし、sは微分演算子、Dは粘性、bはゲインであ
る。また、ローパスフィルタH0 の伝達関数を、(4) 式
と同様に次の(10)式の如く設計する。
【0032】H0 =w0 2 /(s+w0 2 …(10) ただし、w0 はローパスフィルタH0 のカットオフ周波
数である。また、(10)式は、s=0のときH0 =1とな
り、定常ゲインが1であることを示している。そして、
フィルタ15の伝達関数H0 /G0 は、(9) ,(10)式か
ら容易に導かれ、次の(11)式が得られる。
【0033】 H0 /G0 =w0 2 (s2 +Ds)/b(s+w0 2 …(11) また、制御モデル11の入出力特性から、 y0 =G0 u …(12) なる関係が得られ、ここで、(12)式を次の(13),(14)式
に分割する。
【0034】y0 ′=b・u/(S+D) …(13) y0 =y0 ′/s …(14) つまり、(9) 式に示したG0 を{b/(s+D)}と、
(1/s)に分割して演算しているのである。そして、
(13)式は一次フィルタを示す伝達関数であるので、定常
値は(b/D)であり、一定外乱に対してオーバーフロ
ーを引き起こす危険は少ない。また、(14)式を書き下す
と、容易に次の(15)式が得られる。
【0035】
【数2】
【0036】ただし、y0 ′(t) ,y0 (t) は時刻tの
ときのy0 ′,y0 の値、t1 は(0<t1 <t)とす
る。
【0037】(15)式は積分特性を有するので、一定の制
御入力uに対してオーバーフローを起こす危険がある。
従って、オーバーフローを回避するために、制御モデル
11では次の(16),(17)式に従って出力y0 (t) をリセ
ットする。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】ただし、iはリセット回数を表わす整数、
00はリセット限界値、t1iはy0 (t) の演算値がリセ
ット限界値y00に達したときの時刻を示す。
【0041】図3(A)は一定入力u(u>0)に対す
る制御モデル11の出力y0 (t) を示す特性図であり、
同図の曲線L1 〜L3 から理解されるようにy0 (t) は
限界値y00に達する時間t11,t12においてリセットさ
れている。また、リセットを行なわない場合には、曲線
0 のように出力y0 (t) が時間とともに大きくなり、
オーバーフローを引き起こしてしまう。
【0042】つまり、(16),(17)式の演算によって、制
御モデル11の出力y0 (t) のオーバーフローを防止し
ているのである。また、リセットした場合でもリセット
時点以外では出力y0 (t) の傾きは変化しないので、制
御に影響はない。しかし、リセット時、即ち、時刻t1i
(i=1,2,…)においてはy0 (t) が急変するの
で、図3(B)に示すように、フィルタ15から出力さ
れる補正信号w′には大きなスパイク31が発生する。
また、図3(A)では出力y0 (t) が正側からリセット
される例、つまり、フラグ発生部12からの出力Fr
r =1の場合について示しているが、出力y0(t)
が負側からリセットする場合、即ち、Fr =−1となる
こともあり、このときは同図(B)に示すスパイク31
は負側に突出する形状となる。従って、このままでは正
確な制御ができず、スパイク31を除去する必要があ
る。以下、スパイク31の除去方法について説明する。
【0043】スパイク成分は、y0 (t1i)(=±
00)→0としたことにより発生するので、時刻t1i
のリセットに対応するスパイク成分Wsi(t) は、次の(1
8),(19)式で示される。
【0044】 Wsi(t) =(H0 /G0 )・y00・U(t−t1i) (Fr =−1) …(18) Wsi(t) =(−H0 /G0 )・y00・U(t−t1i) (Fr =+1) …(19) ただし、U(t−t1i)は時刻t=t1iで立上がる単位
ステップ関数であり、次の(20),(21)式で示される。
【0045】U(t−t1i)=0 (t<t1i) …
(20) =1 (t≧t1i) …(21) 従って、図1のリセット補正部13では、(18),(19)式
の演算を行ない、その総和、即ち、
【0046】
【数5】
【0047】を求めて演算部16に出力すれば、図3
(B)に示すスパイク31を除去することができる。し
かし、(18),(19) 式の演算では、入力が大きくなりオー
バーフローの恐れがある。そこで実際には、リセット補
正部13では、(18),(19) 式と等価なインパルス応答を
発生するフィルタを設定し、この応答を出力するように
している。以下、この算出方法について述べる。
【0048】いま、ラプラス演算子をqとすると、スパ
イク成分Wsi(t) のラプラス変換は、次の(23)式で示さ
れる。
【0049】 Wsi(q) =(±H0 /G0 )・y00U(q) =(w0 2 /b)(q+D)・y00/(q+w0 2 …(23) これは、次の(24)式に示すフィルタF(s) のインパル
ス応答に担当する。
【0050】 F(s) =y00(w0 2 /b)(s+D)/(s+w0 2 …(24) 以上の結果からリセット補正部13は、例えば、図4に
示す如く構成することができる。即ち、図1に示す制御
モデル11にてリセットが行なわれ、フラグ発生部12
からフラグFr (+又は−)が出力されると、インパル
ス発生器32は、図3(C)に示す如くのインパルス信
号を出力する。このインパルス信号は、幅a、高さ1/
aの近似インパルスであり、aの値はできるだけ小さく
する。一般にはローパスフィルタH0 のカットオフ周波
数w0 の逆数1/w0 より十分小さく選べば良い。
【0051】また、フラグFr は切換スイッチ35にも
供給されており、フラグがFr =1のときにはスイッチ
35を倍率1のアンプ33側に接続させ、Fr =−1の
ときには倍率が−1のアンプ34側に接続させる。
【0052】従って、Fr =1、即ち、出力y0 (t) が
正側からリセットされた場合には、インパルス出力はア
ンプ33、切換スイッチ35を介して、フィルタ36に
供給され、図3(D)に示す如くのリセット補正信号Σ
si(t) が出力されるのである。なお、Fr =−1の際
には、図3(D)とは符号が逆となるリセット補正信号
が出力される。
【0053】その後、このリセット補正信号ΣWsi(t)
は、図1に示す演算点16にて、フィルタ15の出力
W′との減算が行なわれ、その減算結果が補正信号wと
して演算部1に供給される。
【0054】このようにして、本実施例では、制御モデ
ル11の出力y0 (t) が所定の限界値以上となった時点
でリセットしているので、オーバーフローを引き起こす
という不具合は解消される。また、リセット時に発生す
る補正信号のスパイク成分を、リセット補正部13から
の出力信号にて除去しているので、リセットの影響を受
けることなく、正確な制御が行なえる。
【0055】図5は本発明の第2実施例を示す構成図で
あり、離散系モデルを用いてコントローラ51を構成し
た例を示している。そして、この例では補償器52が設
けられており、他の構成は図1の連続系モデルと同様で
ある。
【0056】いま、積分特性を有する制御対象44の伝
達関数を次の(25)式の如く決める。
【0057】 G0 =(b1 Z+b0 )/(Z−1)(Z−a1 ) (a1 ≠1) …(25) ただし、b1 ,b0 は係数である。また、定常ゲイン1
のローパスフィルタH0 を次の(26)式の如く決める。
【0058】 ここで、制御モデル45の入出力特性は、次の(27)式
で示される。
【0059】y0 (K) =G0 u(K) …(27) そして、(25)式を用いて(27)式を分割すれば、中間信号
0 * (K) を用いて次の(28)、(29)式が得られる。
【0060】 y0 * (K) =(b1 Z+b0 )u(K) /(Z−a1 ) …(28) y0 (K) =y0 * (K) /(Z−1) …(29) ここで、(28)式の(b1 Z+b0 )/(Z−a1
は、定常値が(b1 +b0 )/(1−a1 )であり、
(a1 ≠1)とされているので、この定常値は有限とな
り、一定の制御入力u(K) に対してオーバーフローは起
こりにくい。
【0061】一方、(29)式においては、分子、分母をZ
で割って書き下すと、次の(30)式が得られる。
【0062】 y0 (K) =y0 * (K-1) +y0 * (K-2) +y0 * (K-3) +……+y0 * (0) …(30) (30)式は積算の演算であるからオーバーフローが起こり
易い。そこで、制御モデル45では、次の(31)、(32)式
によって出力y0(K) を出力する。
【0063】 即ち、y0 (K-1) の絶対値が所定の限界値y00よりも
大きくなった時点でy0 (K) の値をリセットしている。
これは、図6(A)に示されるように、サンプリング回
数Kの増加とともに出力y0 (K) が段階的に増加し、限
界値y00を越えた時点でリセットされる。従って、制御
モデル45の出力y0 (K) はオーバーフローを引き起こ
すことはない。
【0064】また、リセット時には前述した第1実施例
と同様に、フィルタ49の出力w′(K) に図6(B)に
示す如くのスパイクが発生する。同図において、Ki
リセットが行なわれたときのサンプル回数である。従っ
て、このままでは正確な制御はできず、このスパイク成
分を除去しなければならない。以下、この除去方法につ
いて説明する。
【0065】サンプル回数Ki でのリセットに対応する
スパイク成分をWsi(K) とすると、このスパイク成分W
si(K) は次の(33)式で表される。
【0066】 Wsi(K) =(H0 /G0 )・y0 (Ki )・UKi(K) …(33) ただし、y0 (Ki )は、K=Ki でのy0 の値、UKi
は次の(34)、(35)式で示される単位ステップ関数であ
る。
【0067】 また、すべてのリセットに対応するスパイク成分Ws
(K) は、次の(36)式で示される。
【0068】
【数6】
【0069】従って、図5に示すリセット補正部47で
は、(36)式にて求められるスパイク成分Ws (K) を出力
すれば良い。
【0070】いま、(33)式を(25)、(26)式を用いて書き
下すと、次の(37)式が得られる。
【0071】 Wsi(Z) ={1−h)Z(Z−a1 ) ÷(b1 Z+b0 )(Z−h)} ×{(Z−1)y0 (Ki )UKi(Z) /Z} …(37) ただし、Wsi(Z) 、UKi(Z) は、信号Wsi(K) 、U
Ki(K) のZ変換を表わす。また、ZはZ演算子である。
【0072】(37)式において、右辺の (Z−1)y0 (Ki )UKi(Z) …(38) は、図6(C)に示すように、高さy0 (Ki )、継続
時間Ki からKi+1 までのパルスを表わしている。従っ
て、フィルタF(Z) を、 F(Z) =(1−h)Z(Z−a1 )/(b1 Z+ b0 )(Z−h) …(39) と定義すれば、スパイク成分Ws (K) は次の(40)式で示
される。
【0073】Ws (K) =F(Z) Uf (K) …(40) ただし、Uf (K) は次の(41)式で示されるパルス関数で
ある。
【0074】 そして、図5に示すリセット補正部47では、上述の
演算でスパイク成分ws (K) を求め、これを演算部50
に出力し、補正信号w′(K) のスパイク成分が取除かれ
るのである。なお、以上の説明では、制御モデル45の
出力y0 (K) が正側からリセットされる場合、即ち、フ
ラグ発生部46の出力Fr がFr =1の場合について述
べたが、出力y0 が負側からリセットされる場合、即
ち、Fr =−1のときには、符号を反転させたスパイク
成分Ws (K) を求めれば良い。
【0075】次に、上述した図5に示すコントローラ5
1での動作を、図7、図8に示すフローチャートを参照
して系統的に説明する。
【0076】コントローラ51の制御モデル45では、
サンプリングタイミングとなるたび、即ち、t=KTと
なるたびに(ステップST1でYES)、(30)式にてy
0 (K) を演算する(ステップST2)。そして、この演
算結果から、 |y0 (K−1)|>y00 …(42) が成立するか否かが判定され(ステップST3)、成立
しない場合(ステップST3でNO)には、制御モデル
45の出力は限界値に達していないので、(31)式にて出
力y0 (K) を求める(ステップST4)。また、(42)式
が成立する場合(ステップST3でYES)には、制御
モデル45が限界値y00を越えているので、出力y
0 (K−1)をリセットし、(32)式にて出力y0 (K) を
求める(ステップST5)。そして、このとき、フラグ
発生部46では、フラグFr (=1、又は−1)を出力
する(ステップST6)。
【0077】次いで、演算部48では、制御対象44の
出力y(K) と、制御モデル45の出力y0 (K) との減算
を行ない、偏差ε(K) を求める(ステップST7)。そ
して、この偏差ε(K) はフィルタ49にて伝達関数H0
/G0 が乗じられ、補正信号w′(K) が出力される(ス
テップST8)。
【0078】その後、リセット補正部47では、フラグ
信号Fr が与えられると(ステップST9でYES)、
補正信号w′(K) に発生するスパイク成分を除去するた
めに、 を求め(ステップST10)、これをフィルタF(Z) に
乗じてスパイク成分ws (K) を求める(ステップST1
2)。一方、リセット時でないときにはフラグFr は出
力されないので(ステップST9でNO)、Uf (K) は
ゼロとなる(ステップST11)。
【0079】そして、演算部50ではフィルタ49から
の補正信号w′(K)からスパイク成分Ws (K) を減じて
補正信号w(K) を求める(ステップST13)。以後、
コントローラ入力v(K) が次の(44)式で求められ(ステ
ップST14)、 v(K) =r(K) −ly(K) …(44) 制御入力U(K) が次の(45)式で求められる(ステップS
T14)。
【0080】u(K) =v(K) −w(K) …(45) こうして求められた制御入力u(K) によって、制御対象
44が制御されるのである。その後、フラグFr がクリ
ヤされ(ステップST16)、次の演算が行なわれる。
【0081】このようにして、第2実施例によれば、離
散系のコントローラにおいても、オーバーフローがなく
正確な制御が行なえる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、演算
手段の出力値が所定の限界値に達した場合に出力値をリ
セットしているので、積分特性をもつ制御対象を制御す
る際に、オーバーフローを引き起こすという欠点は解消
される。また、リセット直前の演算手段の出力値の符号
に基づき制御入力の補正信号を修正しているので、リセ
ット時に補正信号に発生するスパイク成分は除去され正
確な制御が行なえるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図2】本発明のコントローラがモータの回転角制御に
適用された際の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施例のコントローラの各信号特性を示す
説明図である。
【図4】リセット補正部の具体的な構成を示す説明図で
ある。
【図5】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図6】第2実施例のコントローラの各信号特性を示す
説明図である。
【図7】第2実施例の動作を示すフローチャートの第1
の分図である。
【図8】第2実施例の動作を示すフローチャートの第2
の分図である。
【図9】従来のコントローラを示す構成図である。
【図10】従来のコントローラにフィードバックモデル
を設けた例を示す構成図である。
【符号の説明】
11 制御モデル 12 フラグ発生部 13 リセット補正部 15 フィルタ 17 コントローラ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 積分特性を有する制御対象を制御するコ
    ントローラにおいて、前記制御対象を模した伝達関数を
    有し、制御入力に対する出力値が所定の限界値に達した
    場合にリセットする演算手段と、前記演算手段のリセッ
    ト直前の前記出力値の符号を監視し、この符号に応じた
    フラグを出力するフラグ発生手段と、前記制御対象出力
    と制御モデル出力との偏差に基づき、前記制御入力を補
    正する補正信号を生成して出力する補正信号生成手段
    と、前記フラグ発生手段の出力を基に前記補正信号を修
    正するリセット補正手段と、を有することを特徴とする
    コントローラ。
JP15348691A 1991-06-25 1991-06-25 コントローラ Pending JPH052406A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003058355A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Systeme de commande

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003058355A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Systeme de commande
US6961627B2 (en) 2001-12-28 2005-11-01 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Control system

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