JP2707149B2 - 速度、位置のロバスト的制御装置 - Google Patents

速度、位置のロバスト的制御装置

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JP2707149B2
JP2707149B2 JP2112841A JP11284190A JP2707149B2 JP 2707149 B2 JP2707149 B2 JP 2707149B2 JP 2112841 A JP2112841 A JP 2112841A JP 11284190 A JP11284190 A JP 11284190A JP 2707149 B2 JP2707149 B2 JP 2707149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は速度ないし位置のロバスト的制御装置、特
に第2被制御手段が振動的である場合のロバスト的制御
装置の改良に関する。
[従来の技術] 各種加工装置或いは測定装置の分野において、正確な
速度制御、位置制御が要求されており、このような速度
ないし位置の制御装置は、一般的に非振動的な第1被制
御手段と、振動的な第2被制御手段とを含む。
すなわち、従来の速度ないし位置の制御装置では被制
御手段が、非振動的でその伝達特性の相対次数が0,−1,
−2のいずれかである第1被制御手段と、振動的で相対
次数が−2である要素を含む第2被制御手段とから構成
される。そして、第2被制御手段の挙動である速度次元
の出力と位置次元の出力を所望の挙動に制御するもので
ある。
この様な被制御手段の典型的な例としては、産業界で
広範囲に使用され、自動化、無人化生産設備の基幹要素
であるサーボモータならびにソースエネルギーを加工し
て制御されたエネルギーを発生させこのモータに供給す
るパワーアンプとから構成される第1被制御手段と、モ
ータによって駆動されるロボットの腕、あるいはバネ的
特性を有する継手を介して駆動される重量物移動用テー
ブル等を例とする振動的で固有振動を有する第2被制御
手段が挙げられる。
第11図には従来の一般的な速度制御装置の物理系の説
明図が示されている。
同図に示す速度制御装置は、第1補償手段10と、第1
被制御手段12と、第2被制御手段14とを含む。
そして、指令速度Vcを、第1被制御手段12の検出速度
Vm或いは第2被制御手段12の検出速度Voに基づきフィー
ドバック的に第1補償手段10で加工し、操作情報Uaを出
力するものである。
[発明が解決しようとする課題] 従来、非振動的な第1被制御手段のみを対象としてそ
の速度、位置等の運動的挙動を所望のものにするという
数多くの提案が理論的にも実験的にもなされ、市場の製
品に活用されている例もある。しかしながら、これらは
電学論D,109巻11号825〜832頁の末尾にあるように、い
ずれも第1被制御手段即ち相対次数が0,−1,−2で非振
動な場合の制御装置に限られていた。
一方、第2被制御手段の剛性が十分であるか、あるい
は第2被制御手段14の速度Voの精度を問わない場合には
第1被制御手段12の速度Vmのみをフィードバックすれば
足りるが、速度Voの精度を重視する場合等には当該速度
Voをフィードバックする必要がある。
この様な状況で被制御体に振動的な第2被制御手段が
含まれる場合、効果的な手法はほとんど提案されておら
ず、また提案された例を見ても、 (1)外乱が印加されない (2)モデルの特性を規定する物理的定数(パラメー
タ)は変化しない。
(3)モデルの特性の相対次数は変化しない 等の現実性の乏しい仮定の下になされた単なる理論に止
まる場合がほとんどであり、これらを現実に適用した結
果は、外乱の影響を受け易いとか、モデルが変動した結
果、最適制御状態が保持されないのは勿論、安定度の大
巾劣化さらには不安定になる等の問題に直面し、所謂
“現代制御”と称える制御の手法は産業界には、大きな
インパクトを与えることはできなかった。そこで、制御
系の特性を補償する手法としては、第11図の如く、第1
補償手段10を制御系の中に設け、指令とフィードバック
情報との差をなるべく早急に零に収束させるため、第1
補償手段10の特性として比例(p)+積分(I)特性や
特定の周波数成分に対する増巾を小さくするようなノッ
チフィルタ特性を備え、特性を規定するパラメータを主
に経験的に定めていた。しかしモデルの特性の変化には
対応できず外乱の抑制も不十分なまま妥協する他はなか
った。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は第2被制御手段が振動的である場合にも
速度ないし位置の正確な制御を可能とする速度、位置の
ロバスト的制御装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本出願にかかる速度のロ
バスト的制御装置は、第2補償手段と、乗算手段と、加
算手段と、第3補償手段を備えたことを特徴とする。
すなわち、第2補償手段は、第1出力の検出情報を下
記式にて伝達出力する。
(Gn−α)/Gm … Gm:前記Gfkと同一次数で、その固有角振動数ωm≦ωfk
である振動特性根を有する多項式 Gn:Gmと同一の次元を有し、その固有角振動数ωn≧ωf
kで定められ第2被制御手段の出力の挙動を支配する多
項式 α:第1定数 また、乗算手段は、前記第2出力の検出情報をβ(第
2定数)倍し出力する。
加算手段は、前記第2補償手段及び乗算手段の出力を
加算し、合成フィードバック情報を出力する。
第3補償手段は、前記合成フィードバック情報を疑似
微分し、疑似加速度制御情報を第1補償手段の経路にネ
ガティブにフィードバックして加速度ループを形成す
る。
そして、前記合成フィードバック情報は前記速度ルー
プにおけるフィードバック情報としても使用する。
また、加速度ループは、該ループ内の第1被制御手段
と、前記各補償手段の合成的相対次数は0,−1,−2のい
ずれかに収めて加速度ループ内の補償要素の合成増幅度
を所望の値に定められるように構成して、加速度ループ
に印加される外乱と第1被制御手段のパラメータの変動
が前記第1出力に影響を与えないように定める。
前記第1定数α及び第2定数βは、前記第2出力に影
響を与えないように定めたことを特徴とする。
また、本発明において、第1補償手段に飽和要素を含
むことが可能である。
また、本発明において、前記定数α、βにつき、0≦
α,β≦1とすることが好適である。
本発明において、前記定数α、βにつき、α=βとす
ることが好適である。
また、本発明において、第2被制御手段が振動的特性
に加えて、小さな時定数を有する一次遅れ特性を加えた
相対次数−3の特性を有することが好適である。
また、本発明において速度及び位置のロバスト的制御
装置は、外部からの位置次元の指令情報と、前記第2出
力の検出情報を積分して得られる位置次元のフィードバ
ック情報とを用いて、位置ループを構成し、この指令情
報と、この位置次元のフィードバック情報との差を用い
て、前記速度次元の指令を発生させることを特徴とす
る。
なお、第2被制御手段が振動的特性に加えて、小さな
次定数を有する一次遅れ特性を加えた相対次数−3の特
性を有することが好適である。
また、第2被制御手段が非振動的特性を有し、その相
対次数が−3の特性を有する場合にも本発明を適用可能
である。
[作用] 本発明は前述したように、非振動的第1被制御手段に
加えて振動的第2被制御手段を含む被制御操作を対象と
する制御装置において、被制御体に印加される外乱があ
る場合や、第1、第2被制御手段のパラメータが変動す
る場合の補償を行なう第2補償手段を設けている。
そして、前記振動的第2被制御手段の入力の検出情報
を第2補償情報の入力に供給し、第2補償手段の出力
と、前記第2被制御手段の出力の検出情報を所定定数
(以下第2定数β)倍した乗算手段の出力とを加算して
フィードバック情報を作り、該フィードバック情報を第
1に速度ループのフィードバックし、第2に第3補償手
段を介して疑似的加速度情報Afをつくり、これを第1補
償手段の前向き経路にネガティブにフィードバックして
加速度ループを構成し、しかも加速度ループ内の相対次
数を0,−1,−2のいずれ以下に保つことにより、加速度
ループの合成ゲインKaを所望の大きい値に設定できるよ
うにしている。
一方、第2補償手段の特性は、その分母の特性多項式
Gmが振動的特性であって、一つの固有角振動数ωmを有
し、このωmは、振動的第2被制御手段の振動的特性多
項式Gfk(k=1,2...l)の固有角振動数ωfk(k=1,
2...l)よりも大きくならない様に、Gfkのパラメータの
変動を見越して定めておく。
次に第2補償手段の分子の特性多項式は、前記第2被
制御手段の挙動を所望の挙動に支配する特性多項式Gnよ
り所定定数(以下第1定数α)を差引いたGn−αの形を
とり、かつGn、Gmの多項式の次数を等しくして第2補償
手段の相対次数を0とし、前記合成ゲインKaを大きな値
に設定する。
この結果、 (I)加速度ループ内に印加される外乱TLは振動的第
2被制御手段の入力に影響しない。
(II)加速度ループ内の非振動的要素のパラメータの変
動は振動的第2被制御手段の入力に影響しない。
(III)振動的第2被制御手段の振動的多項式Gfkの作用
を、第2補償手段の振動的多項式Gmの作用で打消して第
2被制御手段の出力に振動的挙動が表れない。
(IV)第2補償手段の分子内の所望の特性の多項式Gnに
より、前記第2被制御手段の出力の挙動を支配すること
で、外乱TL、第1ならびに第2被制御手段のパラメー
タの変動に対し極めて影響の小さい、即ち頑健度の高い
(以下ロバスト的という)制御を行い、しかも速度の指
令Vcと第2被制御手段の速度次元の出力Voとの間との関
係を所望の特性の特性多項式Gnにより支配する制御装置
を提供し、広く産業界の期待に応えようとするものであ
る。
[実施例] 以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を説明す
る。
第1図には本発明の一実施例にかかる速度のロバスト
的制御装置100の物理系が示されており、前記従来技術
と対応する部分には符号100を加えて示し説明を省略す
る。
本発明において特徴的なことは第1補償手段110に加
えて第2補償手段116、乗算手段118及び第3補償手段12
0を備えたことである。
そして、前記第2補償手段116は第1被制御手段112の
速度出力Vm値に基づき所望の演算を行ない、加算器122
に出力する。
また、乗算器118は第2被制御手段114の速度出力Vo値
に基づき所望の演算を行ない、加算器122に出力してい
る。
そして、加算器122では前記第2補償手段116及び乗算
器118の各出力の和を合成フィードバック信号Vfとして
出力し、前記第1補償手段110の前段階の加減算点124に
ネガティブに供給する。
一方、前記合成フィードバック信号Vfは第3補償手段
120により疑似微分され、加速度次元のフィードバック
信号Afを出力する。
ここで、前記第1補償手段110は、速度補償要素(G
v)110a、加減算点110b、ゲイン定数Kaを含み、前記フ
ィードバック信号Afは加減算点110bにネガティブにフィ
ードバックされる。
本実施例にかかる速度のロバスト的制御装置は概略以
上のように構成され、次にその作用について説明する。
まず、被制御手段の第1被制御手段は伝達特性を1/Ga
とするとき、自動制御分野で周知のラプラス変換を用い
そのオペレータをsで表せば、モータ:kt/(Js+D)、
パワーアンプ(電流フィードバックにより特性が改善さ
れたもの):1/(Tas+1)で表される。そして、モータ
が交流サーボモータの場合は摩擦係数Dは無視できる位
小さいので となる。
ここにJ:モータ及び回転系のイナーシャ kt:エネルギー変換定数 Ta:時定数(モータに印加電流〜モータからの発
生トルク) である。
この要素の入力は、トルク次元或いは加速度次元の操
作情報Uaであり出力はモータの速度Vmである。J′の次
元はrad/sec2・A(Aは電流の単位であるアンペア)、
Taの次元はsec、sの次元はsec-1である。
なお、前記モータの代りに油圧シリンダー、パワーア
ンプの代りにサーボバルブの如きものを用いても良い。
これらの場合も近似的にはその特性は1/Gaの如くに表さ
れる。
第2被制御手段114の特性1/Gfはいくつかの振動的要
素からなり、第k番目の特性1/Gfkはダンピング係数ξ
kと、固有角振動数ωfkを用いれば の如くに表される。
使用エネルギー形態が電力であって、モータ、パワー
アンプが電気エネルギーを用いる場合は、モータ、パワ
ーアンプ内には1/Gaのみの特性でよく、1/Gfkの特性は
目立たない。
しかしこの様な場合でも、産業ロボットや工作機械、
計測機械等がモータによって駆動される場合、機械的要
素が質量と剛性の関係で、通常1ヶまたは複数の振動的
伝達特性がこれら機械的要素に発生し、高精度制御の場
合は無視できない。かかる場合振動的特性は で表されるのは周知である。
使用エネルギー形態が空気や流体であってその圧縮性
が無視できない高精度制御の場合は、シリンダーやサー
ボバルブの特性の中にの如き振動的挙動が顕在化し、
これも無視できない。
一方、第2被制御手段114の伝達特性1/Gfは無次元で
あり、第2被制御手段114の入力は速度次元の第1被制
御手段112の出力Vm、第2被制御手段114の出力は速度次
元の出力Voとなっている。
工学上、制御系に採用される要素の特性について重要
なことは、ラプラス変換で用いられる演算子sを用いれ
ばこれらの特性は分子:sの多項式、分母:sの多項式で表
されるが相対次数(=分子のsの次数−分母のsの次
数)≦0であることである。すなわち、これらの要素は
積分特性のみを組合わせて得られることが重要である。
本実施例の装置は、第2被制御手段114の振動的要
素、1/Gfの入力、出力の情報Vm,Voを用い、定数α、な
らびにGfと同一次数を有するsの多項式からなるGm、Gn
を有する第2補償手段116と、定数βを有する乗算手段1
18を設け、これらの要素の出力の和Vfを速度フィードバ
ック情報として第11図におけるVmないしVoの代りに使用
する。
ここで第2補償手段116の相対次数は2−2=0、乗
算手段118の相対次数は0−0=0である。
さらに本実施例の装置では、この速度フィードバック
情報Vfにより、相対時数=0で微分的特性を有する第3
補償手段120を介して加速度次元のフィードバック情報A
fを作り、これを第1補償手段110の前向きルートにネガ
ティブにフィードバックする。
第1補償手段110は通常よく用いられる構成を有し、
ゲイン定数Ka、加減算点、速度補償要素Gvを含んでい
る。
要素Gvは比例+積分あるいは一次の遅れ、進み要素ま
たはノッチフィルター等が用いられるが、通常その相対
次数は0あるいは−1である。
第1図の系の中で第1、第2被制御手段112,114は物
理的実体を有する実系であるから、外乱TLあるいは負荷
に対向する電圧、電流等のエネルギーの印加、摩擦量の
変動、温度の変動等により、特性1/Ga、1/Gfを規定する
パラメータJ′、Ta、ωfk、ξk等は微妙に変動する。
一方各手段110,116,118,120の各要素は、情報を入出
力、加工する要素で通常マイクロコンピュータ、メモリ
等のディジタル的回路要素を中心に構成され、VoやVmの
挙動に対して十分に速いサンプリング周期で情報をとり
込み、また出力するように構成されるので、計画された
機能を名目的に持っているが物理的実体はディジタル的
回路系である。この結果、前記各手段110,116,118,120
のノミナル要素の特性を規定するパラメータは一切外界
の影響を受けない。
本発明の目的の一つは、かかるノミナル要素の、新規
な制御構造と特性とにより実系の特性が多少変動して
も、系の出力Voの挙動はノミナル要素によって支配さ
れ、実系の変動の影響を受けないですむ装置の提供にあ
る。
また、本発明の他の目的は、外乱TLが印加されて
も、かかるノミナル要素の新規の制御構造と特性とによ
り、系の出力Voの挙動は外乱TLの影響を受けないです
む装置の提供にある。
次に、本実施例にかかる装置によるロバスト性の確保
について説明する。
第2図は第1図を等価変換したブロック図である。
同図より明らかなように、c′を入力、oを出力
とする加速度ループが構成されている。加速度ループに
おいて注目べきことは、加速度ループの一巡伝達特性G
Aの相対次数である。
Ga、Gf、Gm、Gnはいずれも次数2のSの多項式である
から、 GAの相対次数=−2(=分子の次数5−分母の次数:7) … である。
従って公知の自動制御系の理論により、ゲインkaを十
分大きくすることができる。この結果、外乱TLも1/ka
になり、実用上無視することができる。
この結果、加速度ループの伝達特性o/c′は である。
ここで、GmはGfの近似である。とくにGfが一つの振動
的要素(例えばGf1)のみから構成され場合、Gm=Gfと
おけばは となる。すくなくともGfが多少変動してもGm,がGfを近
似している場合が成立する。は、加速度ループの特
性には実系Gm,Gfは関係がなくなっている、すなわち実
系の変動を受けないことを示す。
GmがGfの近似である場合、第2図の速度ループのフィ
ードバック要素 はGn+(β−α)で近似される。
従って、第2図は第3図の如くになる。
第3図において、この速度ループの一巡の伝達特性GB
の相対次数は、GBであるから 相対次数=GVの相対次数=Oないし−1 … そこで、第3図の速度ループにおいて、ループゲイン
(=GVの比例定数)は十分大きく設定できる。この時、
第3図の系の特性はフィードバック要素Gn+(β−α)
の逆数で表される。
このようにVoの挙動はGnとα、βで支配され、Ga、Gf
の変動ならびに外乱TLの影響は受けないことが理解さ
れる。
において、最終的にVo=Vc(ラプラス変換演算子s
の値がs→0)になるためには、 とするとき、に(1+β−α)を分子に乗じておく
か、あるいはα=βとしておけばよい。
いずれせよノミナル要素α、βあるいは1+β−αを
用いれば良く、これらはTLやGn、Gfの変動の影響を全
く受けない。
モデリング誤差がない場合(つまりGm=Gfの場合)は
以上で説明されたが、実系Ga、Gfが変動した場合、モデ
リングの誤差が発生する。
そこで、次にこの影響を検討する。
1)Gaの変動:加速度ループのゲインKaを大きくするこ
とにより無視できる(式にはGaは表れない)。
2)Gfの変動:この場合式の分母がSの安定多項式で
あることが必要である。すなわち、 GnGf+(βGm−αGf)=(S4+A1S3+A2S2+A3S+A4)/ω2nωj2 … において、Hurwitzの条件を適用すれば A1=2(ξfωf+ξnωn)>0 … A2=ωf2+ωn2+4ξfωfξnωn+(αωf2−βωm2)ωn2/ωm2>0… A3=2{ξnωnωf2+ξfωfωn2+ (ξmωmαωf2−ξfωfβωm2)ωn2/ωm2>0 … A4=ωn2ωf2>0… 自然成立 ならびに H1=A1>0 …と同一 H2=A1A2−A3>0 … H3=A1A2A3−A3 2−A1 2A4=A3(A1A2−A3)A1 2A4>0 … 〜式より、安全側の条件として、 1≧α≧0,1≧β≧0,ωn≧ωf≧ωm … を得る。実系のωf,ξfに対してよりωm,ξm,ωn,ξ
n,α,βを定め、これがを満たしていれば良い。な
お、α、βを大きくすれば実系の特性変動が外乱トルク
の影響をより小さく抑える方向となる。
なお、本実施例の装置においては第5図の如き飽和要
素を含んでいてもVcがTLの印加、突発的変動に際して
もka→大、Gvの比例定数→大により、速やかにVcとAfの
偏差が小さくなり、Dの比例領域にこれらの状態量が入
るのでほとんどかかる飽和要素の影響を受けなくてすむ
特徴がある。
さらに、第1図の速度制御系100は第6図に示すよう
に、積分器130、位置補償要素132(特性Gp、通常この相
対次数は0)とともに用いて位置ループを構成し、速度
次元の力Voのほかに指令位置Pcに対する制御位置Poを出
力とする制御系に用いることも好適である。
このような位置制御系においても出力Poの挙動は一切
Ga、Gfの変動と及びTLの影響を受けないことが本発明
の特徴である。
以上のこの発明の動作を第6図の位置制御に適用した
場合のシミュレーション結果を第7図〜第10図に示す。
但し実系のパラメータは以下の如くである。
Ta=0,0005sec. kt=5.0kgcm/A J=0,1kgcm sec2 D=0 ωf=100〜rad/sec. ξf=0.005〜0.01〜0.02 TL=20 kgcm ノミナル系のパラメータは ωm=100rad/sec. ξm=0.01 ωn=200rad/sec. ξn=1.0 α=β=1.0 Tc=0.001sec.(但し時間中0,01secの矩形波状外乱) Ka=1000Asec2/m である。
指令Vcは時間と共に比例するPcを用いて等価的にステ
ップ入力で、その振巾は0.50m/secである。このとき、U
a,Vo,TLの挙動が第7図に示されている。
即ち第7図はモデリングの誤差がない場合すなわちGm
=Gf(ωf=100rad/sec,ξf=0.01)である。外乱TL
の影響はUaには表れているがVoには表れていない。
第8図はモデリングの誤差がある場合でωf=150rad
/sec ξf=0.01とした。
第9図はさらにξf=0.02、第10図はξf=0.005と
した。
いずれも外乱TLの影響はVoには表れず、またこのVo
はξの変動には極めて低感度である(影響がない)。第
7図と第8〜10図を比較すると、Voの立上りの時期に、
ωm=100rad/sec≠ωf=150rad/secの影響が極めてわ
ずかな波形の差異となって伺えるにすぎない。
ωm≧ωfにてVoがモデリング誤差の影響を受けない
メリットは大きい。即ちGfが複数の振動的特性を含み
の如くに表される場合、ωmを、変動を見越してωfkの
想定される最小値より小さく選んでおけば、これら全て
の(K=1,2,...lの)振動要素に対して唯一のGmで打消
し対応が可能になるからである。
なお、上述のごとく、Gfに対して定められたGmがモデ
リング誤差を含む場合でも、第2出力V0がロバスト的に
Gnで規定されるので、Gfが字数2の振動的特性に加え
て、さらに小さい時定数T3を有する一次遅れ特性(T3s
+1)を含む場合でも、本発明のGnで規定されるロバス
ト的特性は維持される。
また、Gfが振動的特性ではなく非振動的特性(ξfk≧
1)の場合でも本発明のGnで支配されるロバスト的特性
が成立することもいうまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように本発明にかかる速度、位置のロバ
スト的制御装置によれば、第1及び第2被制御手段の速
度を検出し、それぞれについて所定の演算処理を行なっ
た後加算し、速度フィードバック情報、及び微分した値
を加速度フィードバック情報として用いることとしたの
で、第2被制御手段が振動的である場合にも高精度の速
度ないし位置制御を可能とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例にかかる速度のロバスト的
制御装置の物理系の説明図、 第2図は、第1図の物理系を等価変換したブロック図、 第3図は、第2図においてゲインkaを十分大きくした場
合の、簡略化された速度ループの構成説明図、 第4図は、第3図においてゲイン|Gv|の値を十分に大き
くした場合の簡略化された特性の構成説明図、 第5図は、第1補償手段に飽和要素を含む場合のブロッ
ク図、 第6図は、前記第1図に示した装置を含む速度及び位置
のロバスト的制御装置の説明図、 第7図は、第6図に示した装置のモデリング誤差が無い
場合のシミュレーション結果を示す説明図、 第8図は、第6図に示した装置のモデリング誤差(ξf
=0.01)の場合のシミュレーション結果を示す説明図、 第9図は、第6図に示した装置のモデリング誤差(ξf
=0.02)の場合のシミュレーション結果を示す説明図、 第10図は、第6図に示した装置のモデリング誤差(ξf
=0.05)の場合のシミュレーション結果を示す説明図 第11図は、従来の速度制御装置の物理系の説明図であ
る。 10,110……第1補償手段 12,112……第1被制御手段 14,114……第2被制御手段 116……第2補償手段 118……乗算手段 120……第3補償手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 張 玉武 神奈川県川崎市高津区坂戸165番地 株 式会社ミツトヨ研究開発本部内 (56)参考文献 特開 昭63−73309(JP,A) 特開 平3−110607(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用エネルギー形態に対応した物理的実体
    を備え、その特性を規定する伝達特性1/Gaの分子、分母
    の多項式の相対次数が0,−1,−2のいずれかで、非振動
    的な特性を有するとともに、加速度次元の操作情報を入
    力して速度次元の第1出力を発生する第1被制御手段
    と、 1つまたは複数の伝達特性1/Gfk(k=1,2,…)の並列
    結合で表され、各々の分母の多項式Gfkの次数が2の振
    動的な特性であって、その固有角振動数ωfkを有すると
    ともに、前記第1出力を入力して速度次元の第2出力を
    発生する第2被制御手段と、 外部から与えられる速度次元の指令と、前記第1または
    第2出力の検出情報をネガティブにフィードバックし
    て、前記第1、第2の被制御手段と共に速度ループを構
    成し、前記指令と前記フィードバック情報の差に基づき
    前記加速度次元の操作情報を発生する第1補償手段とを
    含む速度制御装置において、 前記第1出力の検出情報を下記式にて伝達出力する第
    2補償手段と、 (Gn−α)/Gm … Gm:前記Cfkと同一次数で、その固有角振動数ωm≦ωfk
    である振動特性根を有する多項式 Gn:G,mと同一の次元を有し、その固有角振動数ωnはω
    n≧ωfkで定められ、第2被制御手段の出力の挙動を支
    配する多項式 α:第1定数 前記第2出力の検出情報をβ(第2定数)倍し、出力す
    る乗算手段と、 前記第2補償手段及び乗算手段の出力を加算し、合成フ
    ィードバック情報を出力する加算手段と、 前記合成フィードバック情報を疑似微分し、疑似加速度
    制御情報を第1補償手段の経路にネガティブにフィード
    バックして加速度ループを形成する第3補償手段とを備
    え、 前記定数α、βにつき、0≦α,β≦1としたことを特
    徴とする速度のロバスト的制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置において、第1補償手
    段に飽和要素を含むことを特徴とする速度のロバスト的
    制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の装置において、前
    記定数α、βにつき、α=βとすることを特徴とする速
    度のロバスト的制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の装置にお
    いて、外部からの位置次元の指令情報と、前記第2出力
    の検出情報を積分して得られる位置次元のフィードバッ
    ク情報とを用いて、位置ループを構成し、この指令情報
    と、この位置次元のフィードバック情報との差を用い
    て、前記速度次元の指令を発生させることを特徴とする
    速度及び位置のロバスト的制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れかに記載の装置におい
    て、第2被制御手段が振動的特性に加えて、小さな時定
    数を有する一時遅れ特性を加えた相対次数−3の特性を
    有することを特徴とする速度のロバスト的制御装置。
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