JPH05240129A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JPH05240129A
JPH05240129A JP7307892A JP7307892A JPH05240129A JP H05240129 A JPH05240129 A JP H05240129A JP 7307892 A JP7307892 A JP 7307892A JP 7307892 A JP7307892 A JP 7307892A JP H05240129 A JPH05240129 A JP H05240129A
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JP
Japan
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nozzle
fuel injection
fuel
injection hole
tip
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JP7307892A
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English (en)
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Hideo Kawamura
英男 河村
Shogo Suzuki
省伍 鈴木
Hidenori Kita
英紀 北
Yoshio Sekiyama
惠夫 関山
Masahiro Yukioka
雅洋 行岡
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、金属製ノズル本体とセラミックス
製ノズルチップとの接合強度を強固にした燃料噴射ノズ
ルを提供する。 【構成】 本発明は、針弁2が挿入される穴部9を有す
るノズル本体1を金属材料で製作し、また、噴孔4を形
成したノズルチップ3をセラミックスで製作する。ノズ
ル本体1とノズルチップ3とを、Ag−Cu−Ti−I
n系の金属のろう材を用いて接合部7で接合する。ろう
材については、Tiの量を1.3〜1.5wt%に設定
することにより、34kg/mm2 以上を確保し、ワイ
ブル係数mとして13以上を確保でき、要求強度を十分
に満たすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃焼室に燃料を噴孔
より噴射する燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料噴射ノズルは燃焼反応の前
提である燃料の拡散、微粒化等の役割があり、これと空
気との混合により効果的燃焼を行わせしめるものであ
る。従って、ノズルによる噴霧の構造の良否が熱効率、
排気ガス成分に影響を与えることが分かっている。
【0003】ノズルは、加工精度、耐久性、耐摩耗性、
信頼性等も重要であり、従来は窒化処理や浸炭処理を施
した鋼鉄を使用している。噴霧孔即ち噴孔の加工は、ド
リルにより精密に行われている。従って、孔形状は円柱
形状がほとんどである。噴孔の円柱形状は、かならずし
もその噴霧構造に最適なものでなく、加工上の制約から
きているといえる。
【0004】従来、セラミック粒子等を含むセラミック
材料で噴射ノズルの先端チップ等を製作する成形方法と
して、射出成形法、又はワックス中子を使用してスリッ
プキャスティングで成形した後、ワックス中子を加熱溶
出する方法は知られている。そして、噴孔を異形噴孔に
形成したり、或いは噴孔の内面側に燃料の流れの抵抗を
低減するためアールR即ちチャンファ、或いはテーパを
付けることが行われている。例えば、実開昭51−74
628号公報には、弁体の中央突出部に形成されている
噴孔の流入側開口縁を斜面又は丸みをつけた燃料噴射弁
が開示されている。
【0005】また、実開昭56−94859号公報に
は、ディーゼルエンジンの各燃焼室毎に設けられたノズ
ル本体の先端部に、多孔質材料よりなる噴射部を設けた
燃料噴射装置が開示されている。
【0006】また、実開昭63−202768号公報に
は、ノズル本体とノズルチップとを中間材料で接合し、
ノズルチップに噴口を形成し、該噴口が各々対向して設
けられ且つ同一軸線上に穿孔されている燃料噴射ノズル
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料噴
射ノズルの噴孔について、上記のような燃料の噴孔近傍
での先端からの回り込みで噴霧の乱れを誘発すること等
を抑制するため、噴孔近傍付近を適正な形状にするこ
と、或いは噴孔断面に長方形の形状を付与する場合に、
ドリル加工、レーザ加工或いは放電加工等の加工方法で
は、正確な直線部を加工することは極めて困難なことで
あり、レーザ等で加工するとしても製造コストが高価に
なり、実用上好ましくないものであった。
【0008】更に、上記各公報に開示されている燃料噴
射ノズルについては、ノズル噴孔の形状を楕円、長方形
等の真円以外の形状或いは噴孔入口側周縁部にアールR
等を付けたものについては、ある程度はそれぞれ効果を
有しているが、近年更に熱効率を向上させること及び排
気ガスの良化が求められるようになり、従来の噴射ノズ
ルでは、その点で不十分なものであり、スモーク発生を
抑制するために、正確且つ精密な形状を規定したもので
はない。
【0009】また、スリップキャスティングで成形した
後に、燃料噴射ノズルの異形噴孔等の内部に複雑な形状
は、溶出可能な中子を内包した状態で成形体を作製し、
加熱等によって中子を溶出させた後に、焼結する方法等
も知られている。しかしながら、加熱等によって中子を
溶出させて噴孔内面に曲率を付けるのは、成形乾燥時に
着肉層の収縮に起因する割れが発生したり、噴孔の形状
精度に信頼性が無い等の問題がある。
【0010】特に、燃料噴射ノズルについて、噴孔の所
望な形状を得るため、ノズル本体とノズルチップとを別
体で製作し、該ノズルチップをセラミックスの成形で精
度に富んだ精密な噴孔を得ることが行われているが、ノ
ズルチップをノズル本体に接合した場合、強力な接合強
度を得ることは困難であった。そのため、燃料噴射ノズ
ルをエンジンに組み込んでエンジン駆動を行った場合
に、燃料噴射ノズルに燃料圧或いは針弁の衝撃圧がノズ
ルチップとノズル本体との接合部にかかった時に、耐え
ることができず、クラック、亀裂、分離等の破損が発生
する問題があった。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、ノズル本体とノズルチップとを別
体で製作し、ノズルチップに所望の形状即ち断面形状を
異形噴孔に、或いは噴孔入口側周縁部にアールR、チャ
ンファ、テーパ等を持った噴孔を形成し、特に、ノズル
チップとノズル本体とを特定組成のろう材を用いて安定
した接合強度を確保する燃料噴射ノズルを提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、燃料流路及び針弁が挿入される穴部を有す
るノズル本体と該ノズル本体と一体構造に接合し且つ噴
孔を形成したノズルチップとから成る燃料噴射ノズルに
おいて、前記ノズル本体を金属で製作し、前記ノズルチ
ップをセラミックスで製作し、前記ノズル本体と前記ノ
ズルチップをAg−Cu−Ti−In系の金属のろう材
を用いて接合したことを特徴とする燃料噴射ノズルに関
する。
【0013】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
ろう材はTiの量が1.3〜1.5wt%であることを
特徴とするものである。
【0014】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
噴孔の噴孔入口側周縁部にアールR、チャンファ又はテ
ーパが形成されているものである。
【0015】
【作用】この発明による燃料噴射ノズルは、上記のよう
に構成されており、次のように作用する。即ち、この燃
料噴射ノズルは、ノズル本体を金属で製作し、ノズルチ
ップをセラミックスで製作し、前記ノズル本体と前記ノ
ズルチップとをAg−Cu−Ti−In系の金属のろう
材を用いて接合したので、安定した接合強度を確保する
ことができる。この場合、銀Ag及び銅Cuがソルダー
材になり、チタンTiが境界を支配し、更にインジウム
Inが応力緩和材として機能していると考えられる。
【0016】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
ろう材として、チタンTiの含有量が1.3〜1.5w
t%であるので、ワイブル係数m:13以上の安定した
強度を得ることができ、燃料噴射ノズルとして使用した
場合の要求強度を十分に確保することができる。
【0017】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
噴孔の噴孔入口側周縁部にアールR、チャンファ又はテ
ーパが形成されているので、燃料の自由噴流を促進する
ことができ、噴孔入口側周縁部のアール部では流れが交
差し、あたかも空洞減少ができ、空気の導入を図ること
ができ、燃料と空気との混合を促進し、スモークの発生
を低減できる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による燃料
噴射ノズルの実施例を説明する。図1はこの発明による
燃料噴射ノズルの一実施例の要部を示す断面図である。
図2は図1の燃料噴射ノズルと従来の燃料噴射ノズルと
を使用した場合の燃料当量比に対する出力とスモーク発
生を示すグラフである。
【0019】この発明による燃料噴射ノズルは、ディー
ゼルエンジンに適用でき、燃焼室に燃料を噴射するもの
である。この燃料噴射ノズルは、燃料の噴射を制御する
燃料圧でリフト可能な針弁2、燃料流路(図示せず)及
び針弁2が挿入される穴部9を有するノズル本体1と、
該ノズル本体1と一体構造に接合し且つ噴孔4を形成し
た先端部即ちノズルチップ3とから構成されている。ま
た、ノズル本体1の穴部9に針弁2を挿入することによ
って上記燃料流路に連通する環状燃料流路11が形成さ
れる。この燃料噴射ノズルにおいて、ノズル本体1とノ
ズルチップ3とは接合部7で接合されている。このノズ
ルチップ3には、複数個の噴孔4から成る多噴孔に形成
することができるが、この実施例では説明を分かり易く
するため、2個の噴孔4のみを図示している。
【0020】また、針弁2の先端部にはテーパ面5が形
成され、ノズル本体1の先端部には針弁2のテーパ面5
が着座するテーパ状の弁シート6が形成されている。従
って、針弁2に燃料圧がかかり、針弁2がノズル本体1
の穴部9内でリフトすると、ノズル本体1の弁シート6
が針弁2のテーパ面5から離れ、噴孔4が燃料流路11
と連通して噴孔4から燃料が噴射される。
【0021】この燃料噴射ノズルにおいて、ノズル本体
1はSCM材等の金属材料で作製されており、また、ノ
ズルチップ3は耐熱性に富んだ高温高強度のジルコニア
ZrO2 (詳しくは、部分安定化ジルコニア)、窒化ケ
イ素Si3 4 、サイアロン等のセラミックスで作製さ
れている。ノズルチップ3は、外面10側が燃焼室に晒
される面となる。燃料噴射ノズルのノズルチップ3に形
成した噴孔4は、断面形状が長方形等の異形噴孔に形成
され、しかも、噴孔4の噴孔入口側周縁部8にはアール
R、チャンファ或いはテーパが形成されている。
【0022】この燃料噴射ノズルについては、針弁2に
燃料圧がかかり、針弁2がリフトすると、噴孔4が開放
し、燃料噴射ポンプから供給された燃料を噴孔4を通じ
て噴射させるが、噴孔入口側周縁部8の部分で燃料流れ
が交差し、該噴孔入口側周縁部8の領域で空洞現象が発
生し、空気の導入が図られ、噴孔4から噴射された燃料
と空気との混合が促進され、またペネトレーションが大
きくなって空気利用率が上がり、燃料と空気との混合が
促進され、良好な燃焼状態を確保でき、スモーク、パテ
ィキュレート、HC等の発生を低減できる。
【0023】この燃料噴射ノズルは、特に、ノズル本体
1とノズルチップ3との接合部7での接合に特徴を有す
るものである。即ち、この燃料噴射ノズルは、金属で作
製したノズル本体1とセラミックスで製作したノズルチ
ップ3とをAg−Cu−Ti−In系の金属のろう材を
用いて接合したことであり、このろう材は、活性金属を
含み、チタンTiの量が1.3〜1.5wt%であるこ
とを特徴としている。このろう材を使用すれば、ノズル
本体1とノズルチップ3との接合について、安定した接
合強度を確保することができる。この場合、銀Ag及び
銅Cuがソルダー材になり、チタンTiが境界を支配
し、更にインジウムInが応力緩和材として機能してい
ると考えられる。
【0024】更に、金属とセラミックスとの接合強度
は、噴孔3の部分で疲労等も考慮して、34kg/mm
2 以上であり、ディーゼルエンジンではワイブル係数m
が13以上が必要とされている。ワイブル係数mは、破
壊確率のバラツキを表す係数で、即ち強度のバラツキ度
合を反映する材料定数であり、mの値が大きいほどバラ
ツキが小さいものである。この燃料噴射ノズルでは、ろ
う材として、チタンTiの含有量が1.3〜1.5wt
%に設定することによって、ワイブル係数mとして13
以上の安定した強度を得ることができ、燃料噴射ノズル
として使用した場合の要求強度を十分に確保することが
できる。ここで、Ag−Cu−Ti−In系の金属のろ
う材におけるチタンTiの含有量に対するワイブル係数
m及び平均接合強度kg/mm2 を表1に示す。
【表1】
【0025】表1から分かるように、Ag−Cu−Ti
−In系のろう材におけるチタンTiの含有量1.2w
t%では、平均接合強度は27kg/mm2 であり、ワ
イブル係数mは10であり、また、チタンTiの含有量
1.6wt%では、平均接合強度は30kg/mm2
あり、ワイブル係数mは11である。これに対して、チ
タンTiの含有量1.3〜1.5wt%では、平均接合
強度は34〜35kg/mm2 であり、ワイブル係数m
は13〜15である。即ち、Ag−Cu−Ti−In系
のろう材におけるチタンTiの含有量が少ない場合に
は、セラミックス層との反応が少なく、強固な接合とな
らない。また、Ag−Cu−Ti−In系のろう材にお
けるチタンTiの含有量が多過ぎる場合には、チタンT
iの反応層が多過ぎ、該反応層が強度を低くし、接合強
度を低下させると考えられる。従って、チタンTiの含
有量1.3〜1.5wt%では、ノズル本体1とノズル
チップ3との接合強度を十分に確保することができるこ
とが分かる。
【0026】次に、この発明による燃料噴射ノズルを製
作する製造方法を説明する。ここでは、燃料噴射ノズル
のノズルチップ3をスリップキャスティング法で製作す
る一実施例を説明する。まず、ジルコニアZrO2 粉末
等のセラミックス粉末にバインダーと水を加えてボール
ミルで混合し、スリップ即ちスラリーを作る。一方、セ
ラミック成形装置における金型と石膏型等の多孔質型か
ら成る鋳込型に形成したキャビティ、噴孔形成用ピン及
び燃料溜まりを形成する中子を配置する。この時、噴孔
形成用ピンの形状については、ノズルチップ3に形成す
る噴孔4の形状に対応させて形成したものであり、例え
ば、断面形状が長方形に形成されている。また、噴孔4
の噴孔入口側周縁部8にアールR、テーパ面或いはチャ
ンファを形成する場合には、その所望の形状を有するケ
イ素ゴム部材を噴孔入口側周縁部8に対応する場所に配
置しておく。
【0027】次いで、鋳込型のスラリー注入通路からキ
ャビティ内にスラリーを注入する。キャビティ内に注入
されたスラリーは、ケイ素ゴム部材の形状を維持した状
態で、該ケイ素ゴム部材、噴孔形成用ピン及び中子を除
いたキャビティ内にスラリーが浸入し、スラリーの水分
は多孔質型の多孔質部に吸水され、スラリーはキャビテ
ィの壁面に着肉し固化して着肉部を形成する。この着肉
部は、ケイ素ゴム部材、噴孔形成用ピン及び中子が存在
する部分には無く、ケイ素ゴム部材のアールR即ち曲率
形状周面、噴孔形成用ピンの断面形状が長方形のストレ
ート状周面の形状即ちストレート部分、及び中子の壁面
が転写される。
【0028】そこで、着肉部に保形性が発現した状態
で、噴孔成形用ピン及び中子を着肉部から抜き取って着
肉部にストレート状の噴孔4を形成する。この時、ケイ
素ゴム部材は着肉部に付着した状態である。着肉部の固
化状態が更に進んだ状態で、着肉部を鋳込型から脱型し
てノズルチップ3の成形体を作製する。更に、成形体を
脱脂すると共に十分に乾燥させる。乾燥した成形体を、
焼成炉に入れて加熱してケイ素ゴム部材を加熱除去即ち
燃焼させて焼失させると共に、成形体を焼成して焼成体
を得た。この焼成体は、図1に示すノズルチップ3を構
成するものであり、断面形状が長方形の噴孔4、噴孔入
口側周縁部8におけるアールR及びノズルチップ3の内
面12と外面10を有する形状に形成される。
【0029】ノズルチップ3とSCM材で製作したノズ
ル本体1との接合部7の接合面に、Ag−Cu−Ti−
In系のろう材を使用して、ノズルチップ3とノズル本
体1とを接合し、燃料噴射ノズルを完成した。この時の
接合温度は740℃にし、また、ろう材については、T
iの量は1.3wt%、Agの量は59.7wt%、C
uの量は27.0wt%、Inの量は12.0wt%で
ある。
【0030】従来の金属性燃料噴射ノズルでは、噴孔入
口側周縁部にチャンファを付けることは困難であり、円
滑な流路を形成できないものであるが、これは噴孔径が
約0.25mm前後であり、チャンファ加工が困難なた
めである。この燃料噴射ノズルのノズルチップ3は、上
記の方法でセラミックスの成形体を作製するので、成形
時に噴孔入口側周縁部8に容易にチャンファを付けるこ
とができる。また、成形体の焼成時に15〜20%の収
縮があり、噴孔入口側周縁部8のチャンファ形状を自由
度高く形成することができ、流路を円滑に形成すること
ができる。
【0031】また、この燃料噴射ノズルは、弁シート6
が金属製のノズル本体1に形成されているので、針弁2
の閉じるときの衝撃力は、弾性率の高いセラミックスの
ノズルチップ3には当たらず、金属の弁シート6に当た
り、シール性が確保され、強度上も問題がない。更に、
ノズルチップ3に形成した噴孔4の噴孔入口側周縁部8
には、チャンファを形成しているので、燃料の流路抵抗
が低く、安定な噴霧が得られ、空気との混合が十分にな
り、燃焼が改善され、排気ガス中のスモーク、パティキ
ュレート、HCの発生が抑制される。更に、ノズルチッ
プ3は燃焼ガスに晒されるため、従来の金属製ノズルチ
ップでは度々炭素の堆積がみられるが、セラミックスの
ノズルチップ3では熱伝導率が低く、熱流は主に金属部
へ集中するため、噴孔部での炭素の堆積が発生しない。
このため、この燃料噴射ノズルの燃料噴射は、常に安定
しており、排気ガスの良化と燃焼の高効率化が図れる。
【0032】更に、この発明による燃料噴射ノズルと従
来の金属製燃料噴射ノズルとをディーゼルエンジンに組
み込んで、該ディーゼルエンジンを長時間運転して燃料
当量比φに対するスモークSの発生量と出力Pme(正
味平均有効圧)の関係を試験し、その結果を図2に示
す。図2から分かるように、この発明による燃料噴射ノ
ズルの正味平均有効圧Aは、従来の金属製燃料噴射ノズ
ルの正味平均有効圧Bに比較して増加している。また、
この発明による燃料噴射ノズルのスモークSの発生量D
は、従来の金属製燃料噴射ノズルのスモークSの発生量
Cに比較して低下している。
【0033】
【発明の効果】この発明による燃料噴射ノズルは、上記
のように構成されており、次のような効果を有する。即
ち、この燃料噴射ノズルは、ノズル本体を金属で製作
し、ノズルチップをセラミックスで製作し、前記ノズル
本体と前記ノズルチップとをAg−Cu−Ti−In系
の金属のろう材を用いて接合したので、前記ノズル本体
と前記ノズルチップとの接合部に安定した接合強度を確
保することができる。
【0034】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
ろう材として、チタンTiの含有量が1.3〜1.5w
t%であるので、Tiとの反応層即ち境界部を支配する
反応層が適正になり、該反応層の強度が強くなり、強度
を34kg/mm2 以上確保でき、ワイブル係数mとし
て13以上の安定した接合強度を得ることができる。従
って、燃料噴射ノズルとして使用した場合の要求強度を
十分に確保することができ、長期運転においても接合部
に亀裂、クラック等の破損は発生しない。
【0035】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
噴孔の噴孔入口側周縁部にアールR、チャンファ又はテ
ーパが形成されているので、燃料の自由噴流を促進する
ことができ、噴孔入口側周縁部のアール部では流れが交
差し、あたかも空洞減少ができ、空気の導入を図ること
ができ、燃料と空気との混合を促進し、スモークの発生
量を低減し、エンジン出力を向上できる。更に、噴孔の
周囲部分はセラミックスで構成されているので、成形に
よって噴孔の形状に自由度があり、噴孔を所望の形状に
形成できる。また、セラミックスは耐熱性に富み、燃焼
室内の高温に晒されても十分に耐久性・強度を維持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃料噴射ノズルの一実施例を示
す要部の断面図である。
【図2】図1の燃料噴射ノズルと従来の燃料噴射ノズル
との燃料当量比に対する出力とスモークの発生量を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 ノズル本体 2 針弁 3 ノズルチップ 4 噴孔 5 テーパ面 6 弁シート 7 接合部 8 噴孔入口側周縁部 9 穴部 10 ノズルチップの外面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関山 惠夫 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (72)発明者 行岡 雅洋 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料流路及び針弁が挿入される穴部を有
    するノズル本体と該ノズル本体と一体構造に接合し且つ
    噴孔を形成したノズルチップとから成る燃料噴射ノズル
    において、前記ノズル本体を金属で製作し、前記ノズル
    チップをセラミックスで製作し、前記ノズル本体と前記
    ノズルチップとをAg−Cu−Ti−In系の金属のろ
    う材を用いて接合したことを特徴とする燃料噴射ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記ろう材は、Tiの量が1.3〜1.
    5wt%であることを特徴とする請求項1に記載の燃料
    噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記噴孔の噴孔入口側周縁部にアール、
    チャンファ又はテーパが形成されていること特徴とする
    請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
JP7307892A 1992-02-26 1992-02-26 燃料噴射ノズル Pending JPH05240129A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19507188C1 (de) * 1995-03-02 1996-08-14 Bosch Gmbh Robert Kraftstoffeinspritzventil für Brennkraftmaschinen
DE19507171C1 (de) * 1995-03-02 1996-08-14 Bosch Gmbh Robert Kraftstoffeinspritzventil für Brennkraftmaschinen

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