JPH05231272A - 燃料噴射ノズル及びその製造方法 - Google Patents

燃料噴射ノズル及びその製造方法

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JPH05231272A
JPH05231272A JP9269892A JP6989292A JPH05231272A JP H05231272 A JPH05231272 A JP H05231272A JP 9269892 A JP9269892 A JP 9269892A JP 6989292 A JP6989292 A JP 6989292A JP H05231272 A JPH05231272 A JP H05231272A
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JP
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nozzle
shape
injection hole
fuel injection
fuel
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Application number
JP9269892A
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English (en)
Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
Shogo Suzuki
省伍 鈴木
Hidenori Kita
英紀 北
Yoshio Sekiyama
惠夫 関山
Masahiro Yukioka
雅洋 行岡
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、断面形状が長方形の噴孔を有し且
つスモークの発生を低減できる燃料噴射ノズル及びその
製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、噴孔22の断面形状を直線部を有
する長方形に形成し、噴孔入口側周縁部17をアールに
形成し、該アールの曲率半径Rと長方形の短径DとはD
/R>2の関係を有しているので、燃料の自由噴流を促
進することができ、噴孔入口側周縁部17のアール部で
は流れが交差し、空洞現象ができて空気を巻き込み、空
気の導入を図ることができ、燃料と空気との混合を促進
し、スモークの発生を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃焼室に燃料を噴孔
より噴射する燃料噴射ノズル及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック粒子等を含むセラミッ
ク材料で噴射ノズルの先端チップ等を製作する成形方法
として、射出成形法、又はワックス中子を使用してスリ
ップキャスティングで成形した後、ワックス中子を加熱
溶出する方法は知られている。また、噴孔の内面側に燃
料の流れの抵抗を低減するためアール(R;radiu
s of curvature)或いはテーパを付ける
ことは一般に知られている。また、サックレスタイプノ
ズルについて、燃料の噴孔近傍での先端からの回り込み
が噴霧の乱れを誘発することが報告されている。
【0003】また、特開昭53−82907号公報に
は、空気圧縮直接噴射式内燃機関が開示されている。該
空気圧縮直接噴射式内燃機関については、燃料噴射用に
1つのスリット状開口を有する噴射ノズルが用いられて
いる。この噴射ノズルの開口の位置は燃料噴流がその全
幅にわたってほぼ同時に燃焼室壁に当たって幅広い面状
の薄膜として広がるように設定されており、スリット状
開口の通過横断面積が混合気生成兼燃焼法において1つ
の単孔形ノズルに相当するものである。
【0004】また、特開昭59−82574号公報に
は、内燃機関の燃料噴射弁が開示されている。該内燃機
関の燃料噴射弁は、先端面が球状形状もしくは平面形状
のシール部から成るノズルニードルと、該ノズルニード
ルの前記シール部と接し、該シール部形状に相似した面
形状を少なくとも一部に有するバルブシート部と、前記
シール面と接する部分より下方の前記バルブシート部に
穿設される複数の燃料噴射口とを備えたものである。燃
料噴射口の断面形状は、軸方向の径より円周方向の径が
大きい断面形成であり、具体的には、三角形と長方形と
に形成されたものである。
【0005】また、実開昭59−34072号公報に
は、燃料噴射ノズルが開示されている。該燃料噴射ノズ
ルは、噴射孔を縦長に且つその長さ方向に幅を異ならせ
て形成し、ピストンが上死点に上昇した状態において、
噴射孔の断面形状を、噴射孔より燃料が噴射される燃焼
室壁面までの距離の長い方を幅広く、また距離の短い方
を幅狭く形成したものである。この他、実開昭63−6
0075号公報にも異形噴孔が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような燃料の噴孔近傍での先端からの回り込みで噴霧の
乱れを誘発すること等を抑制するため、噴孔近傍付近を
適正な形状にするには、機械加工では極めて困難であ
り、レーザ等で加工するとしても高コストになり、実用
上の問題がある。
【0007】更に、上記各公報に開示されている燃料噴
射ノズルについては、ノズル噴孔の形状を楕円、長方形
等の真円以外の形状に形成したものについては、スモー
ク発生を抑制するために、正確且つ精密な形状を規定し
たものではない。しかも、燃料噴射ノズルの噴孔につい
て、噴孔断面に長方形の形状を付与する場合に、ドリル
加工、レーザ加工或いは放電加工等の加工方法では、正
確な直線部を加工することは極めて困難なことであり、
製造コストが高価になり、実用上好ましくないものであ
った。
【0008】また、スリップキャスティングで成形した
後に、燃料噴射ノズルの異形噴孔等の内部に複雑な形状
は、溶出可能な中子を内包した状態で成形体を作製し、
加熱等によって中子を溶出させた後に、焼結する方法等
も知られている。しかしながら、加熱等によって中子を
溶出させて噴孔内面に曲率を付けるのは、成形乾燥時に
着肉層の収縮に起因する割れが発生したり、噴孔の形状
精度に信頼性が無い等の問題がある。
【0009】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、噴孔の断面形状として噴孔入口側
周縁部にアールRを形成すると共に、噴孔を断面長方形
に形成し、該アールRと長方形との形状を所定の関係を
持つ噴孔形状に形成することによって、燃料の自由噴流
を促進し、燃料噴霧中に空気を導入して混合を促進し、
スモークの発生を抑制することができる燃料噴射ノズル
及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、燃料流路及び針弁が挿入される穴部を有す
るノズル本体と該ノズル本体と一体構造に接合し且つ噴
孔を形成したノズルチップとから成る燃料噴射ノズルに
おいて、前記噴孔の断面形状を直線部を有する長方形に
形成し、且つ噴孔入口側周縁部をアールに形成し、該ア
ールの曲率半径Rと長方形の短径Dとの関係をD/R>
2に設定したことを特徴とする燃料噴射ノズルに関す
る。
【0011】また、この燃料噴射ノズルにおいて、前記
噴孔の少なくとも周囲部分はセラミックスで構成されて
いるものであり、特に、ジルコニア、酸化アルミニウム
或いはこれらの複合材が好ましいものである。
【0012】或いは、この発明は、セラミック粉末に水
及びバインダーを加えて混合し、スラリーを作る工程、
多孔質型と金型との組み合わせた鋳込型のキャビティ
に、焼成後に断面形状が長方形で且つ噴孔入口側周縁部
がアールになり、該アールの曲率半径Rと長方形の短径
Dとの関係をD/R>2に設定した噴孔形状に対応する
形状を有する噴孔形成用ピンを配置する工程、前記スラ
リーを前記キャビティに注入して吸水固化させ、成形体
を製作する工程、前記鋳込型から前記噴孔形成用ピンを
抜き取り、前記成形体を脱型乾燥する工程、及び前記成
形体を焼成して焼成体を製作する工程、を有する燃料噴
射ノズルの製造方法に関する。
【0013】
【作用】この発明による燃料噴射ノズル及びその製造方
法は、上記のように構成されており、次のように作用す
る。即ち、この発明は、噴孔の断面形状を直線部を有す
る長方形に形成し、噴孔入口側周縁部をアールに形成
し、該アールの曲率半径Rと長方形の短径DとはD/R
>2の関係を有しているので、燃料の自由噴流を促進す
ることができ、噴孔入口側周縁部のアールR部では流れ
が交差し、あたかも空洞減少ができ、空気の導入を図る
ことができ、燃料と空気との混合を促進し、スモークの
発生を低減できる。
【0014】また、この発明は、上記の製造工程によっ
て、鋳込型のキャビティに噴孔形成用ピンを配置するだ
けで、噴孔入口側周縁部に形成された曲率半径Rと長方
形の短径Dとの関係をD/R>2に設定した噴孔形状を
容易に且つ正確に形成することができ、製造コストを低
減すると共に、実用価値を大幅に向上させることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による燃料
噴射ノズル及びその製造方法の実施例を説明する。図1
はこの発明による燃料噴射ノズルの一実施例の要部を示
す断面図である。図2は図1の符号Aから見た噴孔部の
拡大説明図である。
【0016】この発明による燃料噴射ノズルは、燃焼室
に燃料を噴射するものであり、燃料流路及び針弁が挿入
される穴部を有するノズル本体31と、該ノズル本体3
1と一体構造に接合し且つ噴孔23を形成した先端部即
ちノズルチップ22とから構成されている。この燃料噴
射ノズルにおいて、ノズル本体31はSCM材等の金属
材料で製作されており、該ノズル本体31とノズルチッ
プ22とは接合部29で接合されている。このノズルチ
ップ22には、複数個の噴孔23から成る多噴孔に形成
することができるが、この実施例では説明を分かり易く
するため、2個の噴孔23のみを図示している。
【0017】ノズルチップ22は、耐熱性に富んだ高温
高強度のジルコニアZrO2 等のセラミックスで作製さ
れている。ノズルチップ22は、外面26側が燃焼室に
晒される面となる。図2に示すように、燃料噴射ノズル
のノズルチップ22に形成した噴孔23は、断面形状が
長辺34と短辺32から成る長方形の直線部即ちストレ
ート状部分33で構成されている。また、噴孔23の噴
孔入口側周縁部17にはアールが形成されている。この
噴孔入口側周縁部17のアールと長方形の形状は、噴孔
入口側周縁部17のアールの曲率半径Rとし、断面長方
形の短径をDとすると、D/R>2に設定されているも
のである。
【0018】この燃料噴射ノズルについては、針弁の開
放で燃料噴射ポンプから供給された燃料を噴孔23を通
じて噴射させる時、この噴孔入口側周縁部17の部分で
燃料流れが交差し、該噴孔入口側周縁部17の領域で空
洞現象が発生し、空気の導入が図られ、噴孔23から噴
射された燃料と空気との混合が促進される。従って、燃
料と空気との混合が良好になり、良好な燃焼状態を確保
でき、スモークの発生を低減できる。
【0019】この燃料噴射ノズルにおいて、噴孔入口側
周縁部17のアールの曲率半径Rと断面長方形の短径D
との関係として種々のD/R>Xを製作して、スモーク
の発生状態をテストした結果を図3に示す。図3は噴孔
のアールの曲率半径Rと断面長方形の短径Dとの比に対
するスモークの発生状態を示すグラフである。図3にお
いて、横軸はX=D/Rを示し、縦軸はスモーク(BO
SCH)を示している。また、この燃料噴射ノズルで
は、噴孔23の断面形状として、長方形0.15×0.
35mmに形成し、短径0.15mmに対して各種のア
ールRを有する噴孔23を形成した。グラフから分かる
ように、X=0.25ではBOSCH5であり、X=1
ではBOSCH4.6である。X≧2では約BOSCH
4以下となり、スモークの発生が低減されていることが
分かる。
【0020】次に、この発明による燃料噴射ノズルの製
造方法の一実施例を、図4〜図8を参照して説明する。
図4は噴孔形成用ピンとケイ素ゴムをセラミック成形装
置のキャビティに配置した工程を示す説明図、図5はキ
ャビティ内へスラリーを注入する工程を示す説明図、図
6はキャビティから噴孔形成用ピンと形成用ピンを抜き
取る工程を示す説明図、図7は着肉部を乾燥固化させる
工程を示す説明図、及び図8はこの発明による燃料噴射
ノズルの製造方法を達成するためのセラミックス成形装
置の一例を示す断面図である。
【0021】図8に示すように、セラミックス成形装置
は、例えば、ディーゼルエンジンに使用する燃料噴射ノ
ズルのノズルチップを製作するのに適用して好ましいも
のである。このセラミック成形装置において、金型1に
は、スラリー注入口即ちスラリー注入通路2と該スラリ
ー注入通路2に通じるキャビティ3とが形成されると共
に、先端に長方形の形状を有する金属製の孔形成用ピン
である噴孔形成用ピン5を備えたピン抜き差し回転治具
6を着脱可能に取付けるための貫通孔4及びピン挿入孔
18が形成されている。キャビティ3は金型1の下面に
形成され、スラリー注入通路2は金型1の上部からキャ
ビティ3へと通じている。キャビティ3の形状は、燃料
噴射ノズルの先端チップ即ちノズルチップ22の外形の
形状を有している。噴孔形成用ピン5の形状について
は、ノズルチップ22に形成する噴孔23の形状に対応
させて形成したものであり、ここでは長方形に形成され
ている。
【0022】金型1は、位置決め台8上に設定される。
位置決め台8の上面11は、金型1の下面12に当接し
て配置されている。位置決め台8には、穴部13が形成
されると共に、成形用ピンとなる内面形成用ピン14及
び該内面形成用ピン14を取付けたピン昇降治具10を
昇降させるための貫通孔15が形成されている。ピン昇
降治具10は、ねじ等の適宜な固着手段で位置決め台8
に着脱自在に固定され、キャビティ3内へ内面形成用ピ
ン14を突出可能な状態に設置できる。
【0023】位置決め台8に形成した穴部13には、石
膏等から成る多孔質型9が配置される。この多孔質型9
は、金型1と内面形成用ピン14と共働してキャビティ
3を形成する。言い換えれば、キャビティ3の壁面の一
部を多孔質部30で形成した成形型を構成している。こ
の多孔質型9で形成される多孔質部30は、スラリー注
入通路2からキャビティ3に注入されたスラリーSから
水分を吸水してキャビティ壁面に着肉させ、該着肉部7
を固化させる作用を有している。多孔質型9には、キャ
ビティ3に対向する位置に貫通孔16が形成され、該貫
通孔16を内面形成用ピン14が昇降自在に移動できる
ように構成されている。内面形成用ピン14は、貫通孔
16を上昇してキャビティ3内へ突出する状態に設定さ
れる。
【0024】このセラミック成形装置は、上記のように
構成されており、該成形装置を使用してこの発明による
燃料噴射ノズルにおけるノズルチップ22を成形するこ
とができる。即ち、セラミック成形法の1つであるスリ
ップキャスティングによりノズルチップ22を製作する
ものである。一部が多孔質部を有するキャビティ3を形
成し、該キャビティ3に通じるスラリー注入通路2と孔
形成用ピンである噴孔形成用ピン5を挿入可能なピン挿
入孔18を有する金属製の金型1を用いてセラミック材
料を所定形状に成形するセラミック部品成形方法の1つ
である。
【0025】まず、ジルコニアのセラミック粉末に水及
びバインダーを加えてボールミルで十分に混合してスラ
リーSを作る。更に、噴孔形成用ピン5は、噴孔23の
サイズが焼成後にその断面形状が長方形で且つサイズが
0.15×0.35mmになるように形成した。また、
噴孔入口側周縁部17のアールの曲率半径Rについて
は、成形後或いは焼成後に切削加工を施してもよいが、
ここでは、焼成後に噴孔入口側周縁部のアールの曲率半
径RがR=0.025mmになるようなケイ素ゴム部材
20を使用した。次いで、図4に示すように、ケイ素ゴ
ム部材20を内面形成用ピン14の壁面27上でキャビ
ティ3内に配置すると共に、噴孔形成用ピン5をピン挿
入孔18に挿入して噴孔形成用ピン5の先端19にケイ
素ゴム20を装着した状態に設定する。この時、噴孔2
3の形状が燃料流れの上流側28からノズル先端21に
向かって長辺が形成されるように、噴孔形成用ピン5を
キャビティ3内に設定した。
【0026】次いで、図5に示すように、キャビティ3
内に噴孔形成用ピン5とアールR形状のケイ素ゴム部材
20とを配置した状態で、スラリーSをスラリー注入通
路2を通じてキャビティ3内に注入する。キャビティ3
内にスラリーSを注入すると、ケイ素ゴム部材20の形
状を維持した状態で、該ケイ素ゴム部材20と噴孔形成
用ピン5とを除いたキャビティ3内にスラリーSが浸入
し、スラリーSの水分は多孔質型9の多孔質部30に吸
水され、スラリーSはキャビティ3の壁面27に着肉し
固化して着肉部7を形成する。この着肉部7はケイ素ゴ
ム部材20、噴孔形成用ピン5及び内面形成用ピン14
が存在する部分には無く、この着肉部7には、ケイ素ゴ
ム部材20のアールR即ち曲率形状周面、噴孔形成用ピ
ン5の断面形状が長方形のストレート状周面の形状即ち
ストレート部分33、及び内面形成用ピン14の壁面2
7が転写される。
【0027】そこで、着肉部7に保形性が発現した状態
で、図6に示すように、噴孔成形用ピン5を着肉部7か
ら抜き取って着肉部7にストレート状の噴孔23を形成
する。更に、着肉部7から形成用ピン14を抜き取る
が、この時、ケイ素ゴム部材20は着肉部7に付着した
状態である。着肉部7の固化状態が更に進んだ状態で、
図6に示すように、着肉部7を金型1及び多孔質型9か
ら取り出し、該着肉部7を十分に乾燥させると共に脱脂
する。乾燥した着肉部7を、焼成炉に入れて加熱してケ
イ素ゴム部材20を加熱除去即ち燃焼させて焼失させる
と共に、着肉部7を焼成して焼成体を得た。この焼成体
は、図1に示すノズルチップ22を構成するものであ
り、断面形状が長方形の噴孔23、噴孔入口側周縁部に
おけるアールR及びノズルチップ22の内面25と外面
26を有する形状にが形成される。
【0028】ノズルチップ22は、その端面の接合部2
9をソルダー材を使用してSCM材で製作されているノ
ズル本体31に接合し、燃料噴射ノズルを完成すること
ができる。この燃料噴射ノズルを使用して、燃料噴霧を
観察した。比較例として、噴孔の断面形状が真円で燃料
溜まりを備えていないノズルチップを作製し、本発明の
ものと比較した。エンジンの低速回転域(1000rp
m)において、従来の燃料噴射ノズルではBOSCH5
を示したのに対して、この発明による燃料噴射ノズル
は、約20%のスモークを低減することが確認された。
【0029】更に、この燃料噴射ノズルについて、比較
のため、ドリル加工によってノズルチップに3つの近接
した円形の孔を穿孔し、それらを連ねることによって楕
円状の噴孔をノズルチップに形成し、該ノズルチップを
SCM材のノズル本体に接合して燃料噴射ノズルを作製
した。上記の場合と同様の試験を行った。形状の効果を
確認するため、噴射率は同じになるように設計した。試
験の結果は、真円のそれに対して、約7%のスモークの
低減があったが、この燃料噴射ノズルのような長方形を
有するものには及ばないことが確認された。
【0030】また、この燃料噴射ノズルにおけるノズル
チップ22を構成する材料についての耐久試験を、別の
材料について行ったところ、次のような結果を得た。即
ち、ノズルチップ22の材質として、酸化アルミニウム
Al2 3 、及びジルコニアZrO2 と酸化アルミニウ
ムAl2 3 の複合材(いずれの材の熱膨張係数:9×
10- 6 程度であり、SCM材の熱膨張係数に近い)を
用いて上記の製造方法で試験用燃料噴射ノズルを作製し
た。該各燃料噴射ノズルと上記実施例の燃料噴射ノズル
との各々の性能、耐久試験を行ったが、1000時間後
も破損等は発生しなかった。また、上記と同様の方法に
よって、ノズルチップ材料として窒化ケイ素Si3 4
(熱膨張係数:3×10- 6 )を用いて燃料噴射ノズル
を製作し、上記と同様に耐久試験を行ったところ、約5
00時間後に破損が発生した。
【0031】
【発明の効果】この発明による燃料噴射ノズル及びその
製造方法は、上記のように構成されており、次のような
効果を有する。即ち、この発明は、噴孔の断面形状を直
線部を有する長方形に且つ噴孔入口側周縁部をアールに
形成し、該アールの曲率半径Rと長方形の短径Dとの関
係をD/R>2に設定したので、噴孔入口側周縁部領域
において燃料の流れが交差し、空洞現象ができて空気を
巻き込み、燃料中への空気の導入が図れ、噴孔から噴射
された燃料と空気との混合が促進され、燃焼が良好に行
われ、スモークの発生が低減する。
【0032】また、噴孔の断面形状は長方形に形成され
ているので、噴孔から噴き出される燃料は一層ペネトレ
ーションを増大され、空気との混合が促進される。
【0033】更に、噴孔の少なくとも周囲部分はセラミ
ックスで構成されているので、成形によって噴孔の形状
に自由度があり、噴孔を所望の形状に形成できる。ま
た、セラミックスは耐熱性に富み、燃焼室内の高温に晒
されても十分に耐久性・強度を維持できる。
【0034】更に、この燃料噴射ノズルの製造方法は、
石膏型と金型との組み合わせた鋳込型のキャビティに、
噴孔形成用ピン及び該噴孔形成用ピンの先端に装着した
噴孔入口側周縁部の形状に対応する形状を有するケイ素
ゴム部材を配置し、スラリーをキャビティに注入して吸
水固化させて成形体を製作し、鋳込型から前記噴孔形成
用ピンを抜き取って前記成形体を脱型乾燥し、成形体を
焼成し、前記ケイ素ゴムを加熱除去したので、前記ケイ
素ゴムの形状を焼成体に容易に転写することができる。
即ち、セラミックスの成形で複雑な極小形状を高精度に
形成することができ、しかも、噴孔の断面形状のコーナ
は鋭利な長方形に形成できる。従って、ノズルチップの
噴孔入口側周縁部に容易にアールRを形成でき、且つ該
アールRに連通して長方形の噴孔を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明による燃料噴射ノズルの一実施
例を示す断面図である。
【図2】図2は図1の符号Aから見た噴孔部の拡大説明
図である。
【図3】噴孔のアールRと断面長方形の短径Dとの比に
対するスモークの発生状態を示すグラフである。
【図4】この燃料噴射ノズルの製造方法において、噴孔
形成用ピンとケイ素ゴムをセラミック成形装置に配置し
た工程を示す説明図である。
【図5】この燃料噴射ノズルの製造方法において、キャ
ビティ内へスラリーを注入する工程を示す説明図であ
る。
【図6】この燃料噴射ノズルの製造方法において、キャ
ビティから噴孔形成用ピンと形成用ピンを抜き取る工程
を示す説明図である。
【図7】この燃料噴射ノズルの製造方法において、着肉
部を乾燥固化させる工程を示す説明図である。
【図8】この発明による燃料噴射ノズルの製造方法を達
成するためのセラミック成形装置の一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 金型 2 スラリー注入通路 3 キャビティ 5 噴孔成形用ピン 7 着肉部 9 多孔質型(石膏型) 14 内面形成用ピン 17 噴孔入口側周縁部 20 ケイ素ゴム部材 22 ノズルチップ 23 噴孔 29 接合部 31 ノズル本体 33 ストレート状部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関山 惠夫 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (72)発明者 行岡 雅洋 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料流路及び針弁が挿入される穴部を有
    するノズル本体と該ノズル本体と一体構造に接合し且つ
    噴孔を形成したノズルチップとから成る燃料噴射ノズル
    において、前記噴孔の断面形状を直線部を有する長方形
    に形成し、且つ噴孔入口側周縁部をアールに形成し、該
    アールの曲率半径Rと長方形の短径Dとの関係をD/R
    >2に設定したことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記噴孔の少なくとも周囲部分はセラミ
    ックスで構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記噴孔を形成するセラミックスはジル
    コニア、酸化アルミニウム或いはこれらの複合材である
    こと特徴とする請求項2に記載の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 セラミック粉末に水及びバインダーを加
    えて混合し、スラリーを作る工程、焼成後の形状が噴孔
    入口側周縁部に形成したアールの曲率半径Rと断面長方
    形の短径DとがD/R>2である噴孔形状に対応する形
    状を有する噴孔形成用ピンを、多孔質型と金型とを組み
    合わせた鋳込型のキャビティに配置する工程、前記スラ
    リーを前記キャビティに注入して吸水固化させ、成形体
    を製作する工程、前記鋳込型から前記噴孔形成用ピンを
    抜き取り、前記成形体を脱型乾燥する工程、及び前記成
    形体を焼成して焼成体を製作する工程を有する燃料噴射
    ノズルの製造方法。
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