JPH05239652A - 液体状の原料を用いる化学気相堆積法及び装置 - Google Patents

液体状の原料を用いる化学気相堆積法及び装置

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JPH05239652A
JPH05239652A JP33739892A JP33739892A JPH05239652A JP H05239652 A JPH05239652 A JP H05239652A JP 33739892 A JP33739892 A JP 33739892A JP 33739892 A JP33739892 A JP 33739892A JP H05239652 A JPH05239652 A JP H05239652A
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Abstract

(57)【要約】 液体状の原料物質(例えば有機金属)を用いるCVD法
において、気化した原料ガスの供給量を精密に制御する
と共に、大量の原料ガス供給を可能にする発明である。
その為に、原料物質を液体状態で計量し供給量を設定し
た後に、それをほぼ全部気化させる。具体的には、供給
量の制御された原料を液滴化し、加熱し、減圧しながら
反応室内に供給する。その為のCVD装置としては、液
体噴射手段と圧力変更手段と加熱手段とを有する気化手
段を設けて構成する。本発明によれば、選択堆積法や段
差被覆性で評価すると優れた効果を発揮することがよく
わかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置又は光磁気デ
ィスク等の記憶装置或いはフラットパネルディスプレイ
等に用いられる金属膜、半導体膜或いは絶縁膜等の各種
堆積膜を形成する為の化学気相堆積法及び装置に関し、
特に液体状の原料を用いる化学気相堆積法及び装置に関
する。
【0002】
【背景技術の説明】化学気相堆積法(CVD法)やその
為の装置(CVD装置)を用いて形成する堆積膜には、
大きく分類すると金属膜、半導体膜及び絶縁膜の3つが
ある。
【0003】この中で、まず半導体膜の場合には欠陥が
少なく均一な膜が得られる成膜法が望まれている。一
方、絶縁膜においては均一な膜が望まれるのは勿論であ
るが、加えて段差被覆性に優れた成膜方法が望まれる。
なぜなら多くの絶縁膜は集積回路(IC)における配線
間の絶縁や凹凸のある表面の保護に用いられるからであ
る。
【0004】更に、金属膜の場合も上述した絶縁膜同様
に均一性と段差被覆性に優れた成膜方法が望まれる。金
属膜はIC配線材料に多く採用されるが、この場合は、
絶縁膜に形成されたコンタクトホールやスリーホールと
呼ばれる開孔を介して上下の配線を接続する為に開孔に
おける段差被覆性が要求されるからである。
【0005】こうしたCVD法に用いられるCVD装置
の従来例を図8に模式的に示す。
【0006】図8において、403は石英管等で形成さ
れた反応室であり、内部には成膜すべき基板409を複
数配置し支持する基板ホルダー410が複数設けられて
いる。
【0007】又、408は排気管であり、メカニカルブ
ースターポンプ等からなる主ポンプ404と、ロータリ
ーポンプ等からなる補助ポンプ405に接続されてお
り、ここから反応室403内を排気する。
【0008】一方、ガスの供給系としては、液体原料を
バブリングする為のバブリング機構付のボンベ(バブラ
ー)402、バブリング用のキャリアガスを導入する為
のガス管406、弁401、反応室403内に気化した
原料を導入する為のガス管407が設けられている。
【0009】このような従来のCVD装置では、最も一
般的な成膜を行う限りは充分な性能を発揮するものの、
最近要求される微細加工や大面積化に優れたCVD法に
は適さないことがある。
【0010】即ち、いかなるCVD法にも適用できると
いう汎用性に乏しい一面があった。
【0011】この問題につき一例を挙げて説明する。
【0012】最近、VLSIやULSIと呼ばれる高い
集積度の半導体装置の配線材料にスパッタリング法では
なくCVD法を用いたアルミニウムが注目されている。
特に有機化合物として有機アルミニウムを使用したCV
D法では、絶縁物と導電体の間で、堆積条件が大きく異
なり、導電体又は半導体上のみにアルミニウムを堆積さ
せる選択堆積が可能ということが報告されるようになっ
た。この、アルミニウムの選択堆積は、微細な集積回路
を作製する場合、極めて有用なもので、特に、開孔の深
さ−穴径比(アスペクト比)が1を越えるような場合
は、代替技術のスパッタリング法では実現できないよう
な、アルミニウムの配線を可能にしている。スパッタリ
ング法で、開孔のアスペクト比が大きくなった場合、何
故断線するかについて図9を用いて説明する。図9で、
201は単結晶シリコン基体、202は二酸化硅素等の
絶縁膜、203はアルミニウム等の配線材料である。
【0013】(a)はアスペクト比が小さい場合の配線
の様子を示しており、(b)はアスペクト比が1を越え
る大きい場合の配線の様子を示している。
【0014】上記スパッタリング法では凹部204や空
隙205が形成されるのに対して、図9の(C)に示さ
れているようにCVD法による選択体積では、開孔中に
完全にアルミニウム303が充填され、断線する確率は
極めて低くなる。
【0015】ここで、301はシリコン基板、302は
二酸化硅素等絶縁膜、303はCVD法によって堆積さ
せたアルミニウム等の金属材料、304はスパッタ法も
しくはCVD法によって堆積させたアルミニウムの配線
である。
【0016】このように、微細な半導体装置の配線の作
製方法を図8のCVD装置で行う場合には水素等のキャ
リアガスCGSを減圧弁401で減圧し、バブラー40
2に輸送する。アルミニウムの選択堆積が可能な材料ガ
スとしては、ジメチルアルミニウムハイドライド(DM
AH)やトリイソブチルアルミニウム(TIBA)など
常温で液体状態になっているものが多い。そのためバブ
ラー402内で発泡を生じさせる工程即ちバブリングが
行われ、キャリアガスとDMAH等有機アルミニウムの
飽和蒸気とからなる混合ガスが反応室403内に導入さ
れることになる。混合ガスは、加熱された半導体基体4
09上で、熱分解し、該基体との表面反応によりアルミ
ニウムが基体上に堆積される。
【0017】そして反応室403での末反応ガスは、主
ポンプ404及び補助ポンプ405を用いて外部に排気
される。
【0018】しかしながら、安定して選択堆積が行われ
ていた実験用のCVD装置を量産用のCVD装置に移行
するなどといった装置環境の変更があると、今まで得ら
れていた選択性が失われる等の問題が生じることがあっ
た。
【0019】このことは金属膜のみならず、半導体膜に
おいては欠陥の増加、絶縁膜では段差被覆性の低下等が
生じるという事態になる。
【0020】本発明者らの知見によれば詳しい理由は後
述するが従来のCVD装置の構成では次のような点に汎
用性を乏しくする原因があることが判明した。
【0021】1つは、原料となる液状の化合物とその他
のガスとの混合比の制御性が良くないということであ
る。
【0022】2つ目は、バブラー近傍の温度変化によっ
て化合物の混合化が変わってしまうということである。
【0023】3つ目は、バブラー中の残量によって、化
合物の混合比が変わってしまうということである。
【0024】(発明の目的)本発明の目的は、環境条件
の変化や操作パラメータの変化が存在しても、安定して
良質の堆積膜を形成することのできる化学気相堆積法及
び装置を提供することにある。
【0025】本発明の別の目的は操作性、量産性に優
れ、製造する各種デバイスの製造コストを低くできる化
学気相堆積法及び装置を提供することにある。
【0026】本発明の更に別の目的は、大面積に亘って
均一で且つ望ましくない欠陥が少なく、段差被覆性に優
れた堆積膜を形成することのできる化学気相堆積法及び
装置を提供することにある。本発明の目的を達成する為
の構成は、反応室と、該反応室内を排気する排気手段
と、該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段と、
該反応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を具備す
る化学気相堆積装置において、前記導入手段は液体状の
原料物質の供給量を制御する制御手段と、前記制御手段
より下流側に設けられ、液体状の前記原料物質を気化さ
せ反応室内に導入する気化手段を有することを特徴とす
る化学気相堆積装置である。
【0027】又、本発明の目的を達成する別の構成は、
反応室と、該反応室内を排気する排気手段と、該反応室
内に基体を保持する為の基体保持手段と、該反応室内に
原料ガスを導入する導入手段と、を有する化学気相堆積
装置を用いた化学気相堆積法において、原料物質を流体
状態で計量した後、前記原料物質を気化させて、気化し
た前記原料物質を前記反応室内に導入して堆積を行うこ
とを特徴とする化学気相堆積法である。
【0028】更に本発明の目的を達成する為の他の構成
は、反応室と該反応室内を排気する排気手段と、該反応
室内に基体を保持する為の基体保持手段と、該反応室内
に原料ガスを導入する導入手段と、を具備する化学気相
堆積装置において、前記導入手段は液体状の原料物質の
供給量を所望の量に設定する第1の設定手段と、該第1
の設定手段より下流側に設けられ液体状の原料物質を気
化させる気化器と、該気化器より上流側に設けられ、該
気化器内に導入する前記原料物質とは異なるガスの量を
所望の量に設定する第2の設定手段と、該気化器内に配
された板状部材と、該気化器内に原料物質を液滴として
噴射する噴射手段と、を有しており、該板状部材には該
気化器内の温度を一定に保つ為の発熱体が設けられてい
ることを特徴とする化学気相堆積装置である。
【0029】更に本発明の目的を達成する為の更に他の
構成は、反応室と、該反応室内を排気する排気手段と、
該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段と、該反
応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を有する装置
を用いて該基体上に薄膜を堆積させる化学気相堆積法に
おいて、原料物質を液体状態で計量した後、気化器内に
液滴として供給し、該原料物質とは異なるをガスを計量
した後、該気化器内に供給し、該気化器内で液滴状の原
料物質を気化させると共に該ガスと混合し、該気化器内
の混合ガスを加熱された板状部材に設けられた開孔を介
して該反応室に導入することを特徴とする化学気相堆積
法である。
【0030】以下、本発明の実施例について述べる前
に、本発明をなすにあたり、見い出された技術事項につ
いて説明する。
【0031】例えば、DMAHと水素とを用いたCVD
法により選択堆積を行なう場合に、開孔の形成された絶
縁膜を有する半導体基体表面上では次の2の反応が進行
し得る。 2Al(CH32H+H2→2Al+4CH4…(1) 2Al(CH32H→2Al+2CH4+C26
(2)
【0032】この場合、反応が(1)のように進行すれ
ば、半導体表面と絶縁体表面との間における選択性が確
保される。しかしながら(2)のような単純な熱分解反
応が進行すると、半導体と絶縁体間で選択性が完全には
得られないことがある。この原因は、混合ガス中のDM
AHと水素のモル比率が堆積状態に対して重大な影響を
与えていることである。
【0033】この問題を避けるためには、水素を過剰に
混入すれば良いかと思われたが、水素をある量を越えて
過剰に供給すると、反応室での反応が供給律速状態に陥
入り「開孔の口径によって堆積速度が異なる。」「アル
ミニウムの埋込み形状が図10に示すようにファセット
面を持つような形になり、平坦な埋込みをそ外する。」
などの問題点が出てくる。結局、DMAHと水素との混
合比を最適に制御しないと、半導体製造業者としての商
業的成功に結び付くCVD法にはならない。以下、最適
な混合比について検討してみる。
【0034】DMAHと水素の場合におけるモル混合比
はバブラーの出口におけるDMAHの飽和蒸気圧と水素
の分圧との比で決定される。即ち、
【0035】
【外1】 DMAHは温度で一意的に決まってしまい、室温では高々
1〜2torr程度である。
【0036】
【外2】 は減圧弁で制御できるが、制御精度は減圧弁の精度によ
ってほぼ決る。PDMAH
【0037】
【外3】 の比を数倍に制御したい場合に、
【0038】
【外4】 は〜10torr程度となり、減圧弁は数torr単位
の圧力を制御する必要がある。しかしながら現在の減圧
弁の技術では、これは非常に困難である。
【0039】上記(3)のように、モル混合比はPDMAH
によって変わるが、PDMAHは単に飽和蒸気圧なので温度
によって変わってしまう。DMAHの飽和蒸気圧の温度
依存性を図11に示す。
【0040】このように、PDMAHは温度に対して指数的
に変化する。一方、水素は室温で気体なので温度変化で
【0041】
【外5】 は指数的に変化しない。つまり、バブラー近傍の温度変
化で、モル混合比が大きく変化することになる。
【0042】又、バブラー出口での水素分圧
【0043】
【外6】 は、バブラー入口の水素圧力と一致せず、
【0044】
【外7】 なる関係がある。ここで、
【0045】
【外8】 ρ:有機金属の比重 h:バブリングノズルの口からボンベ液面までの距離 c:圧力換算定数 この場合レギュレータで制御できる変数は
【0046】
【外9】 のみだが、装置使用に従い、hの値は小さくなるので、
【0047】
【外10】 は変化していく。この結局
【0048】
【外11】 を一定に保つには
【0049】
【外12】 をバブラー内の液残留によって補正してやる必要があ
る。しかしながら、これは装置構成上大きな困難を伴う
技術である。以上詳述したように、従来のCVD法装置
では広いはん用性と最適の堆積条件を得るためには、原
料ガスの制御性が充分なものとはいい難かったである。
【0050】本発明によれば、有機金属などの常温で液
体状態にある原料物質を、液体状態の段階で計量して供
給量を制御した後、振動子やベンチュリ手段などを用い
て粒子又は気化させ、反応前に加熱して、反応室に気体
として送り込む構成にすることにより、原料物質の飽和
蒸気圧の変動に影響されることなく、高精度でキャリア
ガスや他の反応ガスとの混合比を制御することが可能と
なる。
【0051】本発明によれば、これにより、あらゆるC
VD法が適切に行われるようになる。
【0052】金属膜以外では、例えば化合物半導体の場
合には元素の組成比を良好にコントロールでき均一な半
導体膜やハンドギャップの制御された半導体膜の形成が
容易になる。又、絶縁膜の場合には、SixOyやSi
xNyにおけるxやyの制御が容易になり、誘電率が均
一な大面積の膜が容易に形成できるようになる。
【0053】しかも、大量の原料輸送が可能となり、大
面積の基板や多数の基板上への均一な膜の形成が高堆積
速度で容易に行われるようになる。
【0054】(好適な実施態様の説明)本発明の好適な
実施態様は原料物質を液体状態で計量し、所望の混合比
を得る為の原料物質の供給量を所望の量に設定すべく制
御する制御手段と、該制御手段より下流側即ち反応室側
に設けられた気化手段と、を導入手段として有するCV
D装置、及び該装置を用いて、原料物質液体状態で計量
して、供給量を所望の量に設定した後、該気化手段内に
導入してほぼ100%気化させるものである。
【0055】そして、本発明に用いられるCVD用の原
料物質としては、CVD装置の使用環境において液体の
ものが用いられる。より好ましくは、常圧常温(例えば
10〜30℃)において液体のものである。
【0056】具体的にはトリメリルアルミニウム(TM
A)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブ
チルアルミニウム(TiBA)、ジメチルアルミニウム
ハイドライド(DMAH)、ジエチルアルミニウムハイ
ドライド(DEAH)、モノメチルアルミニウムハイド
ライド(MMAH)、トリエチルインジウム(TEI
n)、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチル
ガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG
a)、ジメチル亜鉛(DMZn)トリクロールシラン
(SiHCl3)、シリコンテトラクロライド(SiC
4)、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、
フルオロトリエトキララン(FOTES)、POC
3、BBr3、Sn(CH34等が挙げられる。
【0057】とりわけ、有機金属化合物は常温常圧下に
おける蒸気圧が比較的低く大量輸送が難しいので、本発
明によるCVD法に好適に用いられる。
【0058】そして上記原料物質と混合される反応ガス
としてはH2,O3,NH3,NO,N2等があり、必要に
応じてAr等の不活性ガスが用いられる。
【0059】勿論、化合物膜の形成や導電型の制御を行
う場合には周知のドーピング用ガス例えばPH3,As
3,BF3,B26,SiH4,Si26が併せて用い
られる。
【0060】本発明により形成される堆積膜は、金属膜
としてのAl,In,Ga,Zn,Sn等化合物半導体
膜としてのGaAs,GaAlAs,InP,ZnS
e,ZnSeTe等、Si,SiGe又、酸化膜として
のSiO,SiON,SnO,InSnO,ZnO,Z
nAlO,室化膜としてのInN,AlN,SiN,B
N等である。
【0061】又、液体状の原料物質を複数種類用いる場
合、例えばTMGとTMAとを用いてGaAlAs膜を
形成するような場合には、制御手段と気化手段とをそれ
ぞれ2つづつ一つの反応室に対して設けることにより、
GaAlAs膜のような化合物の組成比を精密に制御す
ることができる。
【0062】次に、本発明に用いられる気化手段のより
好ましい構成について説明する。気化手段に導入されて
きた液体状の原料物質は気化手段でほぼ100%気化さ
せることが望ましく、その為にはまず液体を液滴(ここ
で言う液滴とはミストのような液体の微粒子をも含む)
としての気化手段の気化室内に導入する。
【0063】又、気化手段においては原料ガスの流れる
方向に沿って気化室内の圧力が段階的に又は連続的に低
くなることが望ましい。
【0064】更には、気化室の温度を反応室内の基板温
度より低く且つ気化手段までの液体状の原料物質の供給
系の温度より高い温度に保つことが望ましい。
【0065】更に別の気化手段としては、液体状の原料
物質を液滴化して気化を促進するものであって、微細な
開口より加圧された液体状の原料物質を噴射させる噴射
ヘッドや可変ベンチュリ機構等の液体噴射手段が挙げら
れる。可変ベンチュリ機構の場合は原料物質の供給量を
液体の状態で計量し制御する制御手段を兼ねている。
【0066】気化器内で圧力差ないしは圧力勾配を作り
出す為には圧力変更手段としてのガスの流路に開孔を有
する板状部材を少なくとも1枚配することにより該開孔
を通じてガスが反応室内に導入されるように構成するこ
とが望ましい。そして板状部材を複数配置してには開孔
の口径が上流側から下流側に向かうにつれて小さくなる
ように設計すればなお好ましいものとなる。
【0067】一方、気化器内のガスの温度を一定に保つ
ように、気化器には加熱手段を設けることが望ましい。
このような加熱手段としては発熱抵抗体やランプ等があ
り、それらは気化器の内側又は外側に設けられる。とり
わけ気化器内のガスの強度を均一にする為には気化器内
部に発熱体を設けることが最適である。
【0068】上述した圧力条件や温度条件は用いる原料
物質や装置の規模の大小に応じて適宜設定される為に、
液体噴射手段や圧力変更手段及び加熱手段を適宜組み合
わせて気化手段を構成することが望ましい。
【0069】そして、CVD装置が複雑な構成となるこ
とをできるだけ避けたい場合には加熱手段の構成を工夫
することが望ましい。なぜなら液体噴射手段や圧力変更
手段として精密な制御を行う為には装置構成が大がかり
なものになる為である。逆に、加熱手段は発熱体と温度
センサーとの配置と、発熱量の制御のみでかなり広範囲
にしかも精密に制御できる。
【0070】具体的には、圧力変更手段としての板状部
材に発熱体を設け板状部材の面内温度分布が均一になる
ようにする。板状部材の開孔付近では圧力差により温度
が変動し易い為に開孔近くに発熱体を配置する。
【0071】更に、後述する実施例のように複数の板状
部材と液体噴射手段と組み合わせる場合には少なくとも
最も上流側の液体噴射口に近い位置にある板状部材に発
熱体を設けるようにする。なぜなら、原料物質が最も多
く気化し、他のガスと初めて混合される位置での温度制
御が重要だからである。
【0072】各位置の温度即ち、基板表面温度(Tsu
b)、液体状原料物質の供給系の温度(Tspy)、気
化器内の板状部材の温度(Teva)が具体的には Tsub>Teva>Tspy となるように温度条件を設定する。
【0073】本発明に用いられる反応室は、石英等の絶
縁性反応管或いは金属製の反応管により形成でき、反応
管は内部に1つ以上の被成膜基体を収容できるものが用
いられる。
【0074】又、排気手段としては、メカニカルブース
ターポンプ、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、ターボ
分子ポンプ等が単独或いは適宜組み合わせられて用いら
れる。
【0075】又、基体は反応室内に基板保持手段によ
り、被成膜面を上向き、下向き、横向き又は斜め上方或
いは斜め下方に向けて保持される。
【0076】以上のようにして構成されるCVD装置に
対して後述するガス導入手段を付設すればよい。
【0077】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例1によるCVD装置
を示す模式図である。
【0078】101は液体状の原料物質を収容する容器
であり、一方の導管はArやN2 等の加圧用のガスを封
入したボンベ114に圧力コントローラー116を介し
て接続されている。
【0079】他方の導管は液体流量を検知して流量を高
精度で制御できる制御器102を介して反応室106の
上流側に接続されている。
【0080】反応室106の上流側には別に気体流量制
御器としてのマスフローコントローラ103を介して、
ガスボンベ113に接続されている。
【0081】更に反応室106の上流側には加熱手段が
設けられており、該加熱手段は穴の開いた石英板109
と、加熱器105と加熱コントローラ115とを含んで
いる。そして、反応室106内は基板107を複数保持
する基板ホルダー108が設けられている。ここで基板
ホルダー108は基板107を加熱する為の抵抗加熱器
を含んでいる。
【0082】反応室106の下流側には排気装置112
が設けられており、原料物質の供給量と排気量とを制御
することにより反応室内部を所望の圧力に保持する。
【0083】図2は図1の反応室106の上流側の気化
器(エバポレーター部)を拡大した模式図であり、複数
の開口120が設けられた石英板109が複数並んで配
されている。その上流には液体原料物質の導入手段とし
ての、ピエゾ振動子104が設けられた導入ヘッド12
1が配設されている。図3は該導入ヘッド121の模式
的断面図である。
【0084】ガラス製の導入管118は、接続体117
によって反応室106の上流の壁122に接続されてい
る。そのまわりには、ピエゾ振動子104が設けられ、
駆動回路111からのパルス信号電圧により振動する。
供給量が制御されつつ高圧で供給されてきた液体原料物
質は開口部123より吐出されて吐出途中でピエゾ振動
子104より受けた振動エネルギーにより液滴に分断さ
れる。この原理は周知のインクジェット技術と同様であ
る。
【0085】こうして噴射された原料物質の液滴は、加
熱器105により加熱され、更には石英板109に当た
って気化する。加熱温度や石英板109と開口123の
距離や位置、またはボンベ113より導入されるガスの
圧力や流量は、最も効率よく液滴が気化するように調整
される。又、119はオペレーションパネル、メモリー
及びマイクロコンピュータを含む制御回路であり、液体
流量制御器102、マスフローコントローラー103、
加熱コントローラー115の動作を制御する。従って、
操作者はこの制御回路119を操作することにより最適
の堆積条件を容易に設定することができる。
【0086】又本実施例では気化手段の構成要素として
使用した石英板109の替わりに、絶縁性のセラミック
板も使用できる。
【0087】又本実施例では、液体原料の圧送にガスを
使用したが、マイクロポンプの使用も可能である。
【0088】(実施例2)図4は本発明の実施例2によ
るCVD装置を示す模式図である。反応室5内の基板の
配置や排気装置は図1に示したものと同じである。
【0089】キャリアガス2はマスフローコントローラ
21及びバルブ22を経て、ガス導入管23へ送られる
様配管されている。液状の原料物質11はタンク1に収
容されており、タンク上部の一端はガス導入管23のベ
ンチュリ前へ開口して下部の一端はガス導入管23のベ
ンチュリ部分へ開口し、原料を噴出するスロート32を
形成している。ガス導入管には液体状の原料物質の供給
量制御手段と原料ガスの導入手段とを兼ねる絞りベンチ
ュリ3が設けられており、絞り弁31と絞り調整機構3
3とで構成される。
【0090】以上の構成により、キャリアガスはガス導
入管23に送られた後、絞り弁31により流路をせばめ
られ、導入管23内の圧力に対し、スロート部の圧力が
下がり、圧力差ΔPを生ずる。この圧力差により、原料
11は吸引され、スロート32部より液滴状となって噴
出しキャリアガスとの混合ガスが形成される。
【0091】ここで、ρc 、ρs をそれぞれキャリアガ
ス及び原料の比重、Acをベンチュリ部のキャリアガス
流路の開口面積、Asをスロート部原料流路の開口面
積、又hを原料の液面高さとスロート先端高さの差、と
すると、ベルヌーイの定理によりキャリアガス流量Gc
と原料流量Gsとの混合比Rは次の様になる。
【0092】
【外13】
【0093】ここでCc及びCsはキャリアガス及び原
料の流量係数と呼ばれるもので、それぞれのレイノルズ
数及び流路形状などによる定数である。従って液面高さ
の差h0であれば、混合比RはRocAc/Asとな
り流路の面積比、すなわち、メカニカルな絞り調整機構
33のみにより安定して制御可能となる。
【0094】一方流量はキャリアガスのマスフローコン
トローラ21で制御可能となる。
【0095】液滴状原料と、キャリアガスとの混合ガス
は図4のエバポレータ部4に送られる。エバポレータ4
はガス流を整流するための複数の板41と加熱機構42
とで構成される。
【0096】板は図5に示す様に多数の貫通孔を配置し
た石英板或いは絶縁性セラミック等を配置したものであ
る。このエバポレータ4で、混合ガスは加熱され、原料
が気化し、整流されて、反応室5へ均一に原料が輸送さ
れる、エバポレータの加熱温度は飽和蒸気圧の大きなな
るべく高温で、かつ原料の熱分解温度より低いことが望
ましい。反応室5は、やはり加熱機構6を有し、基板
(不図示)が配置され、基板表面にて原料は熱分解し、
堆積膜を堆積させる。また反応室は前述したようにメカ
ニカルブースタポンプ、ロータリーポンプ等により排気
される。
【0097】(実施例3)図6は本発明の実施例3によ
るCVD装置を説明する為の模式図であり、図4に示し
た実施例2における原料ガスを導入する部分の構成を更
に改良したものである。
【0098】実施例2と異なる部分についてのみ詳述す
る。
【0099】本実施例は前述の実施例2に液面制御方法
を採用したもので、原料タンク1中にフロート13を設
けてある。フロート13はニードルバルブ12に連結し
て居り、液面の高低によりニードルバルブの開度が制御
される。原料11はニードルバルブを通じてタンクへ導
入される。本例ではフロート等の可動部が多く、発塵が
問題となり易いために、摩擦部の少ない例えば、電気的
接点による液面センサーや光学式の液面センサーと電磁
バルブ等の組み合わせにより、液面制御を行うことも可
能である。
【0100】以上の方法により、さらに混合比の制御性
が良くなる。
【0101】(実施例4)本実施例は図2や図5に示し
たエバポレータ部を改良したものであり、均一な温度分
布をもつガス流を形成することのできる構成である。
【0102】前述した実施例では、エバポレータ部を例
えば80℃に保持する為に、エバポレータ部の外に付設
された加熱器105を用いていた。
【0103】そして、エバポレータ部内のガスの温度を
均一に保持しないと成膜が良好に行われ難い。
【0104】図12はエバポレータ部内の温度と気化さ
れた原料ガスの輸送効率との相関を示すグラフである。
液体状の原料物質として有機アルミニウムを用いる場合
エバポレータ部内の温度が100℃以下40℃以上であ
れば、液体状の原料物質がほぼ100%気化し反応室内
に輸送される。
【0105】温度が40℃未満であると完全に気化せず
に液滴としてエバポレータ部に残留し易くなり、温度が
100℃より高くなると、約0.1%程度の原料ガスが
エバポレータ部内で分解しAlが析出してくる。析出し
てきたAlは石英板の開孔を塞ぎ原料ガスの流れを防げ
るので0.1%という分解率以上に輸送効率を下げる結
果となる。
【0106】このことが成膜にどのような影響を与える
かを示すのが図13である。図13はエバポレータ部内
の温度と得られるAl膜の堆積速度の相関を示すもので
ある。
【0107】図1に示すCVD装置において液体状のD
MAHの流量とH2 ガスの流量とを計量してモル比で
1:1になるように調整し単結品S:ウエハー上へのA
lの堆積速度を測定した結果を、エバポレータ部内の温
度に対してプロットしたものである。
【0108】図13では、エバポレータ部内の温度を8
0℃とした時のAlの堆積速度を1とした相対値で示し
てある。図より明らかなように温度が60℃未満である
とDMAHの蒸気圧が低くなり過ぎて反応が律速されて
堆積速度は極端に低くなってしまう。一方、温度が10
0℃を越えると輸送効率の低下が原因で堆積速度が高く
ならない。
【0109】つまり、エバポレータ部内の温度を精密に
制御することが液体状の原料を気化させた後にCVDを
行う方法において重要となる。
【0110】しかも、この温度制御はガスを流している
状態で精密に制御しなければならないことが判明した。
【0111】図14は、エバポレータ部内に配された石
英板109の面内温度分布を示すグラフである。
【0112】図14の白丸印はガスを流さない状態(初
期状態)での石英板の温度分布を示し、黒丸印はガスを
流した状態(動作状態)での温度分布を示している。図
14より明らかなように石英板109の開孔120付近
ではガスが滞留せずに流れる為温度が初期の設定温度よ
りかなり低くなっている。これは、新しいガスが順次供
給される為に開孔120付近で熱をうばい温度を低下さ
せているからである。このような面内温度分布は石英板
の開孔の大きさによって変化する。一般的に開孔が大き
く、石英板に対して開孔の占める割合が大きい程、面内
温度分布も大きくなる。しかしながら、装置内の圧力条
件及びガスの供給量を満足する為には最も上流側の開孔
を小さくすることができない。
【0113】図15は上述した面内温度分布と得られた
Al膜の選択堆積の良し悪しとの相関をとったものであ
る。
【0114】このように面内温度分布が大きい程選択堆
積時の選択性が悪くなる。
【0115】本実施例はこのような面内温度分布が小さ
くなるようにエバポレータ部の構成を改良したものであ
る。
【0116】図16は本実施例によるエバポレータ部を
示す模式図である。
【0117】本実施例においては、図2や図5に示す複
数の石英板の代わりに温度調整可能なバッフル板アッセ
ンブリ600を用いる。
【0118】図17はアッセンブル600の構成部品を
示すものでありホルダー601に大きさの異なる3つの
石英製バッフル板602、603、604を組み込み、
ホルダー601の反対側には更に一枚のバッフル板63
0を密着させて取り付ける。
【0119】3つのバッフル板602、603、604
間にはホルダー601に取付けられた状態で狭い空間が
形成される。
【0120】図18は図17のXX’方向から見たホル
ダー601の平面図である。ホルダーには複数の溝が形
成されており、そこには独立して発熱量が制御されるヒ
ーター620、621、623が図18のように面内の
異なる位置に埋込まれている。又、4ケ所に熱電対62
4、625、626が埋込まれており、面内温度分布を
検知できるようになっている。又、中心には開孔611
が複数設けられている。
【0121】図19は図18と反対側からホルダー60
1を見た平面図である。
【0122】同様に図20はバッフル板602を図21
はバッフル板603を図22はバッフル板604をそれ
ぞれ示す平面図である。
【0123】ホルダー601へのバッフル板602、6
03、604の取り付け状態においては、開孔612と
開孔613は互いに重なり合わない位置に設けられる。
同様に開孔613と開孔614とは互いに重なり合わな
いように固定される。
【0124】又、3つのバッフル板のうち開孔612の
口径が最も大きく、開孔614の口径が最も小さい。
又、開孔率もバッフル板602のものが最も大きく、バ
ッフル板604の開孔率が最も小さい。
【0125】本実施例によれば、ホルダー内の発熱ヒー
ターに通電する電流を熱電対による検出温度を基にして
約80℃の均一な面内温度分布(図14の白丸印)に調
整した後、ガスを流した結果、図14の×印に示すよう
な面内温度分布を得ることができる。
【0126】そして、更に通電量を若干増やせばほぼ白
丸印に近い面内温度分布を得ることができる。
【0127】従って、本実施例によればエバポレータ部
内の温度を60℃乃至100℃の範囲内の所定の温度に
面内温度を±1%程の均一に保持し、ほぼ100%の輸
送効率と最大の堆積速度を達成することができ、しかも
選択性に優れたAl膜を形成することができる。
【0128】以上説明した様にCVD装置において、キ
ャリアガスの流路に絞り可変ベンチュリを設け、これに
より液体状の原料物質の供給量を制御し、少なくとも液
体状の原料物質を液滴状にした後、加熱整流機構により
気化させ、キャリアガスとの混合ガスを反応室に導入す
る様構成することにより、以下の様な効果を生ずる。
【0129】飽和蒸気圧の低い液体状の原料物質が効率
良く反応室に輸送され、膜の堆積速度が向上する。
【0130】キャリアガスと原料物質との混合比の制御
性が向上する気化はエバポレータで行われ、原料タンク
付近の温度変化があっても、原料濃度に影響しない。
【0131】結局は膜の平坦性、均一性に優れた堆積が
可能となる。
【0132】また、これまで述べた本発明の原料物質の
導入方法においては、キャリアガスの1つの流路に1つ
の可変ベンチュリを設けているが、キャリアガスの流路
を分割し、複数のガス導入管それぞれに複数の可変ベン
チュリを設け、原料の噴出を複数並列に行わせる構成も
可能である。複数の混合ガス経路は、エバポレータ前で
1つにまとめてもよいし、各回路においてエバポレータ
が構成されていても良い。
【0133】(実験例1)以下、図1に示したCVD装
置を用いて堆積膜の形成を行う例について説明する。
【0134】液体状の原料ガスとしては、DMAHを用
いた。まず、成膜手順について、その概略を説明する。
【0135】不活性ガスとしてのアルゴンでバブラー1
01内を加圧し液体のまま液体流量制御器102側へ圧
送する。この時アルゴンの圧力は約0.5気圧(380
torr)に設定することが望ましい。
【0136】微小液体流量計102は市販品が用いられ
る。本例に用いられるに好適な最大制御流量0.2cc
程度のものは、ガス状態で500cc程度に担当する。
微小液体流量計102で流量制御されたDMAHはピエ
ゾ振動子104の所まで圧送され、ここで1〜50KH
zぐらいの振動エネルギーを加えられる。この結果、粒
子径10〜50μm程度の粒子が霧状になってDMAH
は反応室106の上流にある前段気化室に噴射される。
噴射されたDMAHは、ここで予備加熱され、穴の開い
た石英板109に当たり、ここで気化する。図2に示す
矢印のように穴の部分120を介して気化された原料物
質が反応室に導入されていく。ここで石英板は前段加熱
器105によって約80℃に保たれているのでDMAH
が反応室に入る時には完全に気化する。
【0137】一方、水素に関しては、マスフローコント
ローラ103で流量制御され、石英板109の所まで圧
送される。ここで、DMAHと混合され、DMAH同様
反応室に導入される。
【0138】反応室106内では各基体107毎に対応
して加熱器108が設置されており、基体107表面で
熱分解を起こさせる。この反応は主に前出の反応式
(1)に基づく反応による。半導体と絶縁体との表面を
有する基板上では十分な選択性を奏し、図の(c)に示
したような埋込み状態を得ることができる。
【0139】代表的堆積条件として、水素を500SC
CM、DMAHの液体流量を0.04cc、反応室の圧
力1.2torr、基体加熱温度を260℃〜350℃
より好ましくは270℃とすると良好な堆積が行われ
る。この条件によれば、平坦性、膜質に優れたアルミニ
ウムの堆積が可能になる。以上の手順に従って、後述す
るように基板上に堆積膜を形成した。
【0140】まず基体の用意をした。基体としては、低
抵抗の単結晶Siウエハ上に一辺が0.5μm乃至2.
0μmの口径の1000個の開孔の設けられた絶縁膜が
形成されたものを用意した。その一部には、エッチング
により溝1410を形成してある。
【0141】図7の(A)はこの基体の一部分を示す模
式図である。ここで1401は伝導性基体としての単結
晶シリコン基体、1402は絶縁膜(層)としての熱酸
化シリコン膜である。1403及び1404は開孔(露
出部)であり、それぞれ口径が異なる。1410はSi
の露出した溝である。
【0142】次に、この基体を10個反応室106内の
加熱ヒーター付基体ホルダー108上に載置した。
【0143】そして以下の条件で混合ガスを反応室に導
入してAlを選択的に開孔内に堆積させた。
【0144】
【表1】
【0145】これで、得られた膜は開孔部内のみに形成
されており、単結晶Alからなるものであった。
【0146】次いで、周知のスパッタリング法にて上記
基体上にAl膜1406を形成し、(D)に示すように
パターニングして配線を形成した。
【0147】こうして得られた開孔内のAl1405と
スパッタリングにより形成されたAl膜1406との接
触状態を調べる為にテスターにより、配線のオープン・
ショートの検査を行った。その結果1000個所の開孔
を有する基板全てにおいて不良個所は1つも見られなか
った。
【0148】(比較例1)CVD装置として図8に示し
た装置を用いて、上記実験例1と同じ手順、同じ条件で
Al膜の形成を行った。但し、比較例1の場合には水素
でDMAHのバブリングを行った。
【0149】こうして得られた、それぞれ1000個の
開孔を有する基板10枚のオープン・ショート検査を行
ったところ、3枚の基板において、それぞれ数個所から
数十個所のコンタクト不良(オープン不良)が見られ
た。
【0150】(実験例2)実験例1と同様に1000個
所の開孔を有する基板(Siウエハー)を用意し、図4
に示すCVD装置を用いて実験例1と同様にAl膜を形
成した。
【0151】Alの堆積工程における条件は以下の通り
である。
【0152】
【表2】
【0153】こうして得られた、それぞれ1000個の
開孔を有する基板10枚のオープン・ショート検査を行
ったところ、1枚の基板において、数ケ所の不良が見ら
れただけであった。
【0154】(実験例3)基板として、実験例1でAl
膜を形成したもの(図7の(D))を用いて、図1に示
すCVD装置を用いて該基板上に絶縁膜を形成した。
【0155】まず、実験前に該CVD装置を分解洗浄及
びベーキングを行った。
【0156】原料物質としてTEOSを、反応ガスとし
てオゾン(O3 )を用いたCVD法により厚さ1μm程
度の薄い酸化シリコン膜を形成した。
【0157】得られた酸化シリコン膜を観察したところ
厚さ1μmと薄いにもかかわらず、優れた段差被覆性を
示していた。
【0158】(実験例4)実験例3同様にTEOSとO
3 とを用いたCVD法により、実験例2で得られたAl
膜の形成された基板上に酸化シリコン膜を形成した。
【0159】用いたCVD装置は図4に示すものに、実
験例3同様プラズマ発生用の電極を配設した装置とし
た。
【0160】得られた酸化シリコン膜は実験例3と同様
に優れた段差被覆性を示していた。
【0161】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、原料物質を液体状態で計量することにより原料物質
の供給量を高精度で制御した後、気化させて反応室内に
輸送することにより、温度変動やボンベの液残量に影響
されることなく、精密な供給量制御を行うことができ
る。従って、成膜パラメータの制御が容易となりはん用
性が増大する。
【0162】また、本発明によれば、室温では極めて低
い蒸気圧しか持たない原料物質であっても大量輸送が可
能となり、堆積速度を向上させて処理スピードを高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるCVD装置全体の模式
図。
【図2】図1に示すCVD装置の気化器の部分を拡大し
て示す模式図。
【図3】図1に示すCVD装置の噴射ヘッドの部分を拡
大して示す模式図。
【図4】本発明の実施例2によるCVD装置の模式図。
【図5】図4に示すCVD装置の気化器の部分を拡大し
て示す模式図。
【図6】本発明の実施例3によるCVD装置のベンチュ
リ機構を示す模式図。
【図7】本発明による化学気担堆積法を用いた堆積膜形
成の手順を示す模式図。
【図8】従来のCVD装置の一例を示す模式図。
【図9】形成された堆積膜の状態を示す模式図。
【図10】形成された堆積膜の状態を示す模式図。
【図11】原体状の原料物質の一例の温度と蒸気圧の関
係を示すグラフ。
【図12】エバーポレータ部内の温度と原料ガスの輸送
効率との関係を示す線図。
【図13】エバーポレータ部内の温度と堆積速度の関係
をの示す線図。
【図14】石英板の面内温度分布を説明する為の線図。
【図15】石英板の面内温度分布と選択性との関係を示
す線図。
【図16】本発明の実施例4によるCVD装置のエバー
ポレータ部を示す模式図。
【図17】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。
【図18】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。
【図19】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。
【図20】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。
【図21】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。
【図22】実施例4の石英板アッセンブリの構成を説明
する為の模式的断面図。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応室と、該反応室内を排気する排気手
    段と、該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段
    と、該反応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を具
    備する化学気相堆積装置において、前記導入手段は液体
    状の原料物質の供給量を制御する制御手段と、 前記制御手段により下流側に設けられ、液体状の前記原
    料物質を気化させ反応室内に導入する気化手段と、を有
    することを特徴とする化学気相堆積装置。
  2. 【請求項2】 前記導入手段は液体状の前記原料物質を
    粒子として放出する放出手段と、過熱された部材とを前
    記反応室の上流側に有し、前記粒子が前記部材に接触し
    て気化することを特徴とする請求項1に記載の化学気相
    堆積装置。
  3. 【請求項3】 前記導入手段は、キャリアガスを導入す
    る経路中に設けられたベンチュリ手段と、該ベンチュリ
    手段と前記反応室との間に設けられた加熱された部材と
    を前記反応室の上流側に有することを特徴とする請求項
    1に記載の化学気相堆積装置。
  4. 【請求項4】 前記ベンチュリ手段は、液体状の原料物
    質を収容する容器と該容器に設けられた液面制御手段と
    を有することを特徴とする請求項3に記載の化学気相堆
    積装置。
  5. 【請求項5】 前記部材は、穴の開いた石英又はセラミ
    ックスの板状部材であることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の化学気相堆積装置。
  6. 【請求項6】 反応室と、該反応室内を排気する排気手
    段と、該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段
    と、該反応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を有
    する化学気相堆積装置を用いた化学気相堆積法におい
    て、 原料物質を流体状態で計量した後、前記原料物質を気化
    させて、気化した前記原料物質を前記反応室内に導入し
    て堆積を行うことを特徴とする化学気相堆積法。
  7. 【請求項7】 前記原料物質としてアルキルアルミニウ
    ムハイドライドを用い、水素と反応させることにより前
    記基体の導電性或いは半導体表面上にアルミを主成分と
    する金属膜を形成することを特徴とする請求項6に記載
    の化学気相堆積法。
  8. 【請求項8】 前記原料物質として有機シラン化合物に
    用い、オゾンと反応させることにより酸化シリコン膜を
    形成することを特徴とする請求項6に記載の化学気相堆
    積法。
  9. 【請求項9】 前記原料物質は有機金属化合物であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の化学気相堆積法。
  10. 【請求項10】 反応室と、該反応室内を排気する排気
    手段と、該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段
    と、該反応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を具
    備する化学気相堆積装置において、前記導入手段は、液
    体状の原料物質の供給量を所望の量に設定する第1の設
    定手段と、該第1の設定手段より下流側に設けられ液体
    状の原料物質を気化させる気化器と、該気化器より上流
    側に設けられ該気化器内に導入する前記原料物質とは異
    なるガスの量を所望の量に設定する第2の設定手段と、
    該気化器内に配された板状部材と、該気化器内に原料物
    質を液滴として噴射する噴射手段と、を有しており、 該板状部材には該気化器内の温度を一定に保つ為の発熱
    体が設けられていることを特徴とする化学気相堆積装
    置。
  11. 【請求項11】 前記板状部材は複数設けられており、
    そのうちの少なくとも1つに前記発熱体が設けられてい
    ることを特徴とする請求項10に記載の化学気相堆積装
    置。
  12. 【請求項12】 前記板状部材には更に温度センサが設
    けられていることを特徴とする請求項10に記載の化学
    気相堆積装置。
  13. 【請求項13】 前記板状部材には気化した原料物質と
    前記ガスとの混合ガスを通過させ、該板状部材の上流側
    と下流側との圧力差を保つ為の開孔が複数設けられてい
    ることを特徴とする請求項10に記載の化学気相堆積装
    置。
  14. 【請求項14】 前記板状部材は複数設けられており、
    各板状部材には該部材毎に大きさの異なる複数の開孔が
    設けられていることを特徴とする請求項10に記載の化
    学気相堆積装置。
  15. 【請求項15】 反応室と、該反応室を排気する排気手
    段と、該反応室内に基体を保持する為の基体保持手段
    と、該反応室内に原料ガスを導入する導入手段と、を有
    する装置を用いて該基体上に薄膜を堆積させる化学気相
    堆積法において、 原料物質を液体状態で計量した後、気化器内に液滴とし
    て供給し、 該原料物質とは異なるガスを計量した後、該気化器内に
    供給し、 該気化器内で液滴状の原料物質を気化させると共に該ガ
    スと混合し、 該気化器内の混合ガスを加熱された板状部材に設けられ
    た開孔を介して該反応室に導入することを特徴とする化
    学気相堆積法。
  16. 【請求項16】 前記板状部材には発熱体が設けられて
    おり該板状部材の温度を均一に保持することを特徴とす
    る請求項15に記載の化学気相堆積法。
  17. 【請求項17】 前記原料物質の計量時の温度をT1
    前記板状部材の温度をT2、前記基体を加熱する温度を
    3、とするときT1<T2<T3を満たすことを特徴とす
    る請求項16に記載の化学気相堆積法。
  18. 【請求項18】 前記原料物質として有機アルミニウ
    ム、前記ガスとして水素ガスを用いて、前記板状部材の
    温度を60℃乃至100℃の範囲内とすることを特徴と
    する請求項16に記載の化学気相堆積法。
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