JPH05239504A - 高剛性材料およびその製造方法 - Google Patents

高剛性材料およびその製造方法

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JPH05239504A
JPH05239504A JP4039790A JP3979092A JPH05239504A JP H05239504 A JPH05239504 A JP H05239504A JP 4039790 A JP4039790 A JP 4039790A JP 3979092 A JP3979092 A JP 3979092A JP H05239504 A JPH05239504 A JP H05239504A
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young
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ductility
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JP4039790A
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Kazutaka Asabe
和孝 阿佐部
Sukeyoshi Yamamoto
祐義 山本
Masaru Nishiguchi
勝 西口
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車、ロボット用の延性・靱性に優れた高剛
性材料の開発。 【構成】20vol%以下の高ヤング率粒子をFe基金属マトリ
ックスに分散させる。 【効果】ヤング率が22,500 kgf/mm2以上であって、衝撃
値が8kgf-m/cm2 以上の粒子分散材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用材料、ロボッ
ト用材料等の剛性を必要とする構造部材に利用される高
剛性材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用材料は燃費向上を図る
ための軽量化や、乗り心地の向上を目的とした高剛性材
料へのニーズが近年、高まっている。従来、高剛性材料
は、Fe基合金、つまり鋼においては合金元素の添加によ
るヤング率向上、あるいは集合組織を発達させることに
よる、ある一定方向のヤング率向上を図っていた。とこ
ろが、これらの方法ではヤング率の向上は高々数〜10%
に過ぎず、大幅な向上は認められなかった。
【0003】一方、Al合金等の軽金属では、SiC 繊維、
Si3N4 繊維等による繊維強化法により、繊維の配向方向
にのみヤング率を大幅に向上させているが、Fe基の汎用
鋼においては、そのような手段を用いた例が見当たらな
い。これは、分散させる材質のヤング率とマトリックス
のヤング率に大きな差がないために、そのような手段で
はヤング率を向上させることはできず、むしろ延性、靱
性の劣化がみられるからである。
【0004】なお、特開平3−2345号公報にはアルミニ
ウムマトリックスにセラミックス粒子を分散させること
が示唆されているが、具体的開示はない。特開昭63−29
5053号公報にも、アルミニウムマトリックスにセラミッ
クス短繊維あるいはウイスカーを分散させる例が開示さ
れているが、剛性の改善は十分ではない。
【0005】一般に、複合材料のヤング率は、Kerner
(“PROC. PHYS. SOC. LXIX, 8-B”)や若島 (「日本複
合材料学会誌」2,3(1976)pp.119-125)らが示したように
分散材の体積率により決められ、分散材のヤング率が大
きい程、また、含有量が多い程その向上は著しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来より知られている
複合材料系において、ヤング率を大幅に向上させるため
には、例えばα−Fe(フェライト)マトリックスの場
合、SiC では約25vol%、Al2O3 では約30vol%でE( ヤン
グ率) =25,000kgf/mm2 と約20%向上となる。しかし、
これだけ多量の分散粒子を含むと、延性・靱性はほとん
どなく、セラミックよりももろい材料となる。
【0007】従って、本発明の目的は、ヤング率22,500
kgf/mm2(220,000 MPa)以上であって、衝撃値8kgf-m/cm
2 以上 である延性および靱性を改善した、例えば自動
車、ロボット用材料として適切な高剛性材料とその製造
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、分散粒子
の高ヤング率化を図り、少量の分散粒子で高ヤング率を
達成するとともに、併せて延性・靱性を確保することに
着目した。かかる分散に適する高ヤング率分散粒子を見
い出すべく、種々検討を重ねた結果、単純酸化物、炭化
物、窒化物等のセラミックスでは、例えば550,000MPa以
上という高ヤング率粒子化は図れないが、これらを複合
物にすることにより、複雑な結晶構造を有した600,000M
Pa以上の高ヤング率粒子が生成すること、さらには、メ
カニカルアロイング法を適用することにより、マトリッ
クス成分と添加分散粒子が反応し、効率よく、そのよう
な複合物が生成することを見い出した。
【0009】よって、本発明の要旨とするところは、20
vol%以下の高ヤング率粒子をFe基金属マトリックスに分
散させたことを特徴とする延性・靱性に優れた高剛性材
料である。前記高ヤング率粒子は、スピネル型、ペロブ
スカイト型、またはイルメナイト型のイオン性結晶構造
を有する複合酸化物であってもよい。
【0010】また、前記高ヤング率粒子は、共有性結晶
構造を有する炭化物、窒化物、ホウ化物またはその複合
化物であってもよい。別の面からは、本発明は、高ヤン
グ率粒子を分散させるに際して、メカニカルアロイング
法を用いて、単純組成粒子を添加処理後、熱処理により
Fe基金属マトリックス中の元素と反応させて高ヤング率
粒子を均一微細分散させることを特徴とする上述の高剛
性材料の製造方法である。
【0011】
【作用】次に、本発明の作用について説明する。本発明
にかかる粒子分散型鋼において、延性・靱性を確保しつ
つ粒子を分散させるためには、分散粒子の量は、20vol%
以下が良好である。20vol%を超えると、急激に延性が低
下し、機械加工すらまともにできなくなる場合さえ生ず
る。従って、例えば鋼マトリックスの場合、E=25,000
kgf/mm2 以上を20vol%以下の粒子分散で確保するために
は分散粒子のヤング率は41,000kgf/mm2 以上であること
が必要である。換言すれば、本発明にいう高ヤング率粒
子のヤング率は、好ましくは41,000kgf/mm2 以上であ
る。
【0012】さらに、延性を確保するために、分散粒子
量を10vol%に抑えると、E=25,000kgf/mm2 を達成する
ためには、高ヤング率粒子のヤング率は61,000kgf/mm2
以上必要である。このような高ヤング率を有する分散粒
子としては、Al2O3(ヤング率38,000kgf/mm2)、TiN(48,0
00) 、TiC(46,000) 、VC(43,000)、Mo2C(54,400)等が挙
げられる。
【0013】粒子分散型鋼においては、さらに高ヤング
率の粒子を分散させ、より効率的に高剛性化を図るとと
もに、延性・靱性を確保する必要がある。
【0014】そのようなより高い高ヤング率粒子として
は、イオン性結晶や共有性結晶のような原子間結合力の
強い結晶構造を有したものが有効である。さらに、単純
なA−B型の結晶よりも、例えばAB2O4 で表わされるMg
Al2O4 等のスピネル型複合酸化物、ABO3で表わされるFe
TiO3等のイルメナイト型複合酸化物、ABO3等で表わされ
るBaTiO3、PZT 、PLZT等のペロブスカイト型複合酸化物
が有効である。
【0015】また、共有性結合においても、単純なA−
B型のものより、TiCN、TiC −VC等の複合型のものが高
E率を示し有効である。次に、本発明にかかる高剛性材
料の製造方法について説明する。
【0016】まず、所定の鋼組成の粉末を用意し、これ
に上述の高ヤング率粒子を配合する。このときの鋼中へ
のセラミックスの分散方法は、単なるミキサーあるいは
ボールミルを使った方法など特に限定はしないが、数vo
l%以上の異種物質を均一に微細分散するためには、複合
化を通して高ヤング率とすることができるメカニカルア
ロイング(MA)法が有効である。ここに、メカニカルアロ
イング法とは高エネルギー型のボールミルを用いて、機
械的に混合・粉砕・造粒させることにより、均一微細分
散させることである。
【0017】かかるメカニカルアロイング法によれば、
添加粒子として、複雑な結晶構造を有するセラミックス
粒子を添加することなく、単純組成粒子の添加−MA−熱
処理により、複合型分散粒子を創成しうるので、さらに
有効である。均一分散が行われてから、HIP 法により成
形と焼結が行われる。このときの成形・焼結条件は、マ
トリックス材の組成、分散粒子の種類によってことなる
が、一般には、1000〜1200℃×1hr、1000〜2000気圧で
処理すれば十分である。その他、鍛造、圧延、押出等の
手段をとることができる。
【0018】もちろん、Fe基金属マトリックスの金属の
種類については多くの例が考えられ、また鋼マトリック
スの場合にあってもその鋼組成については、特に限定す
るものではない。炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼( 例:ス
テンレス鋼) など、多くの例が考えられる。いずれの場
合にあっても本発明は所期の作用が発揮される。次に、
実施例によって本発明の作用効果をさらに具体的に詳述
する。
【0019】
【実施例】
(実施例1)平均径約1μm のAl2O3 粉末、TiC 粉末、Ti
N 粉末などのセラミックス粒子をそれぞれSUS410L 鋼(1
3Cr)粉末に添加混合した後、SUS304鋼製カプセルに脱気
充填し、1150℃×1hr、2000気圧(atm) でHIP 処理を行
った。得られたHIP 材から試験片を採取し、横振動法に
よるヤング率測定、シャルピー衝撃試験による衝撃値測
定を行った。その結果を図1、図2にグラフで示す。得
られたHIP 材のヤング率は、セラミックス粒子添加量の
増加にともない向上する。その向上率は、配合則にほぼ
一致している。
【0020】ところが、セラミックス粒子添加量の増加
にともない衝撃値は低下する。特に配合粒子の割合が20
vol%を越えるとその低下は著しい。従って、高剛性を有
し、かつ高靱性を有する材料におけるセラミックス粒子
添加量は、20vol%以下が適しており、さらに望ましく
は、低下の少ないほぼ8〜12vol%がよい。
【0021】(実施例2)本例では、セラミックス粒子と
して、Al2O3 、ZrO2、Al2O3 ・MgO(スピネル型) 、PLZT
(ペロブスカイト型) 、FeO ・TiO2 (イルメナイト型)
を添加した。添加粒子の粒径はいずれも1μm 、添加量
は10vol%であった。SUS410L 鋼粉末に上記セラミックス
粒子を添加混合し、SUS304鋼製カプセルに脱気、充填
後、1150℃×1hr、2000atm でHIP 処理を行った。得ら
れたHIP 材のヤング率および延性、靱性の測定結果を表
1に示す。
【0022】単一の酸化物系ではヤング率の向上は小さ
いが、スピネル型、ペロブスカイト型、イルメナイト型
等の複酸化物を添加する場合、ヤング率を大きく向上さ
せ得、かつ良好な延性、靱性を有することが判明した。
これは、結晶構造が複雑となることにより、原子間結合
力が大きくなったためと考えられる。
【0023】(実施例3)本例では、セラミックス粒子と
して、窒化物、炭化物、さらにそれらの複合炭窒化物を
添加した。添加粉末の粒径は0.5 μm 、添加量は10vol%
とし、作成方法は実施例1、2と同様である。得られた
HIP 材のヤング率および延性、靱性の測定結果を表2に
示す。酸化物系の場合と同様に複合化物がより有効にヤ
ング率を向上させ得、良好な延性、靱性を有することが
わかる。
【0024】(実施例4)複合酸化物、複合炭窒化物形成
法として、メカニカルアロイング−熱加工による反応分
散を行った。反応分散法である。すなわち、SUS410L 鋼
粉末に、TiあるいはNbおよびCの粉末を添加してN2中で
メカニカルアロイングを行い、カプセルに脱気封入後、
1150℃×1hr、2000atmでHIP 処理を行い、Ti(C,N) 、N
b(C,N) 分散鋼を作成した。また、SUS410L 鋼粉末に、A
lあるいはTiおよびY2O3を添加して、Ar中でメカニカル
アロイングを行い、同様にHIP 処理後、 Al2O3・Y2O3
TiO2・Y2O3分散鋼を作成した。
【0025】そのヤング率および延性、靱性の測定結果
を表3に示す。反応分散法の利用により、均一微細分散
が達成され、ヤング率も効果的に向上し、良好な延性、
靱性を示した。また、微細なセラミックス粒子として得
がたいTiO2・Y2O3等も容易に分散されることから、反応
分散法が有効であることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】本発明により、少量の分散粒子で高ヤン
グ率を達成するとともに、靱性を確保された材料の作成
が可能となった。これにより、各種バネ材料、各種シャ
フト類、さらには振動の吸収を必要とする自動車用部品
等への適用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックス粒子含有量とヤング率の関係を示
すグラフである。
【図2】セラミックス粒子含有量と衝撃値の関係を示す
グラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20vol%以下の高ヤング率粒子をFe基金属
    マトリックスに分散させたことを特徴とする延性・靱性
    に優れた高剛性材料。
  2. 【請求項2】 前記高ヤング率粒子が、スピネル型、ペ
    ロブスカイト型、またはイルメナイト型のイオン性結晶
    構造を有する複合酸化物であることを特徴とする請求項
    1記載の高剛性材料。
  3. 【請求項3】 前記高ヤング率粒子が、共有性結晶構造
    を有する炭化物、窒化物、ホウ化物またはその複合化物
    であることを特徴とする請求項1記載の高剛性材料。
  4. 【請求項4】 高ヤング率粒子を分散させるに際して、
    メカニカルアロイング法を用いて、単純組成粒子をFe基
    金属マトリックス粒子に添加処理後、熱処理により金属
    マトリックス中の元素と反応させることにより高ヤング
    率粒子を均一微細分散させることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の高剛性材料の製造方法。
JP4039790A 1992-02-26 1992-02-26 高剛性材料およびその製造方法 Withdrawn JPH05239504A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348386A (ja) * 2000-12-19 2006-12-28 Honda Motor Co Ltd 複合材料の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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