JP7429432B2 - 加圧焼結体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてTi(C,N)からなる硬質相粒子を金属結合相にて結合したサーメット系の加圧焼結体及びその製造方法に関し、特に、高温強度により優れる加圧焼結体及びその製造方法に関する。
高強度ステンレス鋼、ハイパーシルミン及びチタン合金などの合金材料や、繊維強化プラスチック(FRP)のような複合材料が多くの機械部材に用いられている。かかる部材を機械加工するための工具材料については、過酷な使用環境となり得ることから、熱的及び化学的に安定であること、熱伝導率の高いこと、靭性の高いこと、高温で高い強度(硬さ)を有すること、などを要求される。このような耐摩耗性工具や切削工具のための工具材料としては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)、WC(タングステンカーバイド)系超硬合金などが用いられており、特に、TiCからなる硬質相をNi及びCoなどの結合相で結合した加圧成形体であるサーメットが広く知られている。
例えば、特許文献1では、TiCサーメットの機械強度をより高めるべく、硬質相にTiNを加えたTi(C,N)サーメットを開示している。硬質相は、Ti(C,N)からなる芯部と、W、Mo、Ta及びNbのうちの1種以上とTiとの複合化合物からなる周辺部と、から構成される有芯構造として、周辺部内には硬さや靭性、耐熱衝撃性を向上させるためのTiC微粒子を分散させるとしている。これにより機械強度、特に、靱性を大きく向上させるとしている。ここで、結合相は5~30重量%の割合で与えられるが、結合相が少ないと焼結性を低下させることから靱性の低下、結果として、耐欠損性を損なうとしている。一方、結合相が多いと、相対的に硬質相の割合が低下し耐摩耗性及び耐塑性変形性を低下させるとしている。
サーメットにおける硬質相の粒子を結合する結合相としては、一般的に、CoやNiが用いられているが、上記したように、結合相は耐摩耗性などに影響を与える。そこで、結合相の強度をより高めるための提案もなされている。
例えば、特許文献2では、Co中にWとCoの複合炭化物からなる微細析出分散硬化相を与えた金属結合相を用いたTi(C,N)サーメットを開示している。高熱発生を伴う高速切削に用いた場合にも、優れた耐塑性変形性、耐熱衝撃性、耐欠損性を示し、長期に亘って優れた耐摩耗性を発揮するとしている。
特開2008-156756号公報 特開2009-248237号公報
上記したように、主としてTi(C,N)からなる硬質相粒子を金属結合相にて結合したサーメットは、優れた耐塑性変形性、耐熱衝撃性、耐欠損性を示し、長期に亘って優れた耐摩耗性を有する。一方、近年、より過酷な機械加工への適用も求められており、特に、より高温での機械強度の向上が求められている。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、室温から1000℃程度の温度であっても高い機械強度を維持するとともに、室温における靱性値を損なわないサーメット系の加圧焼結体及びその製造方法を提供することにある。
本発明による加圧焼結体は、主としてTi(C,N)からなる硬質相粒子を金属からなる金属結合相にて結合し室温におけるビッカース硬さをHv1500以上とした加圧焼結体であって、前記硬質相粒子の平均粒径を2μm以下とするとともに、5族又は6族に属する2000℃以上の高融点金属からなる前記結合相を質量%で10~70%の割合で含み、1000℃における高温ビッカース硬さをHv1200以上としたことを特徴とする。
かかる発明によれば、室温から1000℃程度の温度であっても高い機械強度を維持することができ、室温においての靱性値も損なわない。
上記した発明において、室温でのヤング率を400GPa以上としたことを特徴としてもよい。また、室温での破壊靱性値を4MPa・m1/2以上としたことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、室温において高い機械強度を維持できる。
上記した発明において、質量%でMoを10~50%の割合で含むことを特徴としてもよい。また、質量%でWを10~60%の割合で含むことを特徴としてもよい。また、質量%でTaを10~60%の割合で含むことを特徴としてもよい。また、質量%でNbを10~50%の割合で含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、室温から1000℃程度の温度において高い機械強度をより確実に得ることができる。
また、本発明による加圧焼結体の製造方法は、主としてTi(C,N)からなる硬質相粒子を金属からなる金属結合相にて結合し室温及び1000℃におけるビッカース硬さをそれぞれHv1500以上及びHv1200以上とする加圧焼結体の製造方法であって、2μm以下の平均粒径のTi(C,N)からなる粒子に対して、2μm以下の平均粒径の5族又は6族に属する2000℃以上の高融点金属からなる粒子を質量%で10~70%の割合で加え混合する混合工程と、1700℃以上且つ前記高融点金属の融点以下の温度で加圧する加圧焼結工程と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、室温から1000℃程度の温度であっても高い機械強度を維持することができ、室温においての靱性値も損なわない加圧焼結体を得ることができる。
上記した発明において、前記混合工程はボールミルによることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、粉体同士を均一に混合できて得られる加圧焼結体の機械強度を均一にし得る。
上記した発明において、前記加圧焼結工程はパルス通電加圧焼結によることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、高融点金属からなる粒子を含む粉体同士の焼結を容易とする。
上記した発明において、前記高融点金属は、Mo,W,Ta,Nbのうちの1つ以上からなることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、上記した高い機械強度を維持することのできる加圧焼結体を容易に得ることができる。
本発明の実施例による加圧焼結体の断面組織写真(SEM-COMPO像)である。 本発明の実施例による加圧焼結体の製造方法を示すフロー図である。 製造試験で製造した加圧焼結体の製造条件を示す一覧表である。 製造試験で製造した加圧焼結体の断面組織写真(SEM-COMPO像)である。((a)TiC0.5N0.5焼結体、(b) TiC0.5N0.5-20mass% Mo焼結体、(c) TiC0.5N0.5-30mass% Mo焼結体、(d) TiC0.5N0.5-40mass% Mo焼結体、(e) TiC0.5N0.5-50mass% Mo焼結体、(f) TiC0.5N0.5-60mass% Mo焼結体、(g)Mo焼結体) 製造試験で製造した加圧焼結体の断面組織写真(SEM-COMPO像)である。ここで、(a) TiC0.5N0.5-20mass% W焼結体、(b) TiC0.5N0.5-30mass% W焼結体、(c) TiC0.5N0.5-40mass% W焼結体、(d) TiC0.5N0.5-50mass% W焼結体、(e) TiC0.5N0.5-60mass% W焼結体、(g)W焼結体である。 製造試験で製造した加圧焼結体の密度及び相対密度のグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の温度と硬さの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の温度と硬さの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の室温での金属結合相の含有量と硬さとの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の600℃での金属結合相の含有量と硬さとの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の800℃の金属結合相の含有量と硬さとの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の1000℃での金属結合相の含有量と硬さとの関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の金属結合相の含有量とヤング率及び破壊靭性値との関係を示すグラフである。 製造試験で製造した加圧焼結体の透過電子顕微鏡写真(TEM-EDS像)である。((a) TiC0.5N0.5-20mass% Mo焼結体、(b) TiC0.5N0.5-50mass% W焼結体)
以下、本発明の1つの実施例である加圧焼結体について、図1を用いてその詳細を説明する。
図1に示すように、加圧焼結体1は、主としてTi(C,N)からなる硬質相粒子2を金属からなる金属結合相3にて結合したもので、室温におけるビッカース硬さをHv1500以上とした加圧焼結体である。ここで、同図は、SEM-EDS(走査型電子顕微鏡(SEM)にエネルギー分散形X線分析装置(EDS)を取り付けたもの)による断面組織の組成像(COMPO像)の写真である。硬質相粒子2は黒く、金属結合相3は白く表示され、断面から深さ約1μまでにおいて両者の重なった部分はその中間色で表示される。本実施例において、Ti(C,N)は、TiC0.50.5を用いた。つまり、加圧焼結体1は、硬質相粒子2であるTiC0.50.5の相と、金属結合相3であるMoの相との二相から構成される。
特に、硬質相粒子2の平均粒径は2μm以下であり、金属結合相3は5族又は6族に属する2000℃以上の高融点金属からなる。このような金属として、融点2400℃以上のMo(融点:2623℃),W(融点:3422℃),Ta(融点:3017℃),Nb(融点:2477℃)の4つが挙げられ、これらの混合物も用い得る。本実施例において金属結合相3はMoからなり、40質量%の割合を所定の含有量として加圧焼結体1に含まれる。
このような加圧焼結体1によれば、1000℃における高温ビッカース硬さをHv1200以上とすることができる。
また、室温において、ヤング率を400GPa以上とでき、破壊靱性値を4MPa・m1/2以上とすることができる。
このような、加圧焼結体1は、そのうちの金属結合相3を構成する金属の所定の含有量として好ましい範囲があり、質量%で、以下の通りである。Moを単独で含む場合、10~50%の割合とすることが好ましい。また、Wを単独で含む場合、10~60%の割合とすることが好ましい。また、Taを単独で含む場合、10~60%の割合とすることが好ましい。また、Nbを単独で含む場合、10~50%の割合とすることが好ましい。
次に、加圧焼結体1の製造方法について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、まず、粉体を混合する(混合工程:S1)。ここで混合する粉体は、硬質相粒子2を構成する平均粒径2μm以下のTi(C,N)の粒子からなる粉体と、金属結合相3を構成する金属の平均粒径2μm以下の粒子からなる粉体である。これらを上記したような所定の含有量となるように配合し、粉体同士を均一に分散させるように混合する。例えば、ボールミルを用いると、容易に粉体同士を均一に分散させ得て好ましい。特に、粉体を均一に分散させることで、硬質相粒子2と金属結合相3との接触面積を大きくして、金属結合相3による硬さの低い部分的な塊を生成させないようにする。なお、混合工程における溶媒やその他の有機物を粉体から取り除くために熱処理等をしてもよい。
次いで、混合した粉体を加圧して焼結させる(加圧焼結工程:S2)。ここでは、例えばパルス通電加圧焼結を行うと、高融点金属からなる粒子を含む粉体同士の焼結を容易とし得て好適である。また、焼結温度は1700℃以上、且つ、高融点金属の融点以下の温度とする。焼結時間は例えば5~30分とし得て、加圧する圧力としては例えば40MPaとし得る。
以上のような方法で、加圧焼結体1を得ることができる。
[製造試験]
次に、複数種類の加圧焼結体を製造して、硬さ等を調査する製造試験を行った結果について説明する。
まず、図3に示す各組成となるよう配合された粉体はボールミルで混合された。ボールミルにおいては、プラスチックコーティングされた鋼球をメディアに用いてヘキサンを加えた湿式混合とし、混合時間を72時間とした。混合後は、70~80℃に加熱して粉体を乾燥させ、さらにメディアのプラスチック分を除去するために真空雰囲気中で900℃に加熱して2時間保持した。
なお、混合に用いた粉体は、粒径0.70~1.0μmで純度98.9%以上のTiC0.50.5粉体、粒径0.50~0.99μmで純度99.8%以上のMo粉体、粒径約0.6μmで純度99.9%のW粉体である。図示したように、TiC0.50.5-Mo粉体は、Moの含有量を、質量%で、20%、30%、40%、50%、60%とする5種類とした。また、TiC0.50.5-W粉体は、Wの含有量を、質量%で、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%とする7種類とした。
続いて、混合された各組成の粉体は、それぞれパルス通電加圧焼結によって焼結された。焼結における加圧力と焼結時間は同図に示す通りである。
得られた加圧焼結体は、SEM-EDSによる断面観察、超音波パルスエコー法によるヤング率測定、IF法による室温での破壊靭性値測定にそれぞれ供された。さらに、1気圧のアルゴンガス雰囲気中での室温~1000℃におけるマイクロビッカース硬さ試験に供された。マイクロビッカース硬さ試験においては、荷重を9.8Nとし、保持時間を10秒とした。また、アルキメデス法による密度測定に供されるとともに、得られた密度からTiC0.50.5、Mo、Wの理論密度を用いて相対密度も算出された。
図4に示すように、TiC0.50.5、TiC0.50.5-Mo及びMoの加圧焼結体の断面のSEM-EDS写真を得た。すなわち、Moの含有量を0~100質量%まで変えたTiC0.50.5-Moの加圧焼結体の断面写真である。その含有量は、質量%で、(a)0%、(b)20%、(c)30%、(d)40%、(e)50%、(f)60%、(g)100%である。これらの加圧焼結体は、(a)及び(g)を除いて、TiC0.50.5相とMo相の二相から構成されることが判る。なお、図1は(d)の拡大写真である。
図5に示すように、TiC0.50.5-Wの加圧焼結体の断面のSEM-EDS写真を得た。Wの含有量は、同様に質量%で、(a)20%、(b)30%、(c)40%、(d)50%、(e)60%、(f)100%である。これらの加圧焼結体は、同様に、(f)を除いて、TiC0.50.5相とW相の二相から構成されることが判る。
図6を参照すると、Wの加圧焼結体を除いて、他の全ての加圧焼結体の相対密度が100%に近い値を示した。つまり、TiC0.50.5-Moの加圧焼結体及びTiC0.50.5-Wの加圧焼結体はともに相対密度が高い。
図7に示すように、マイクロビッカース硬さ試験の結果、Moの含有量を20~40%としたTiC0.50.5-Mo加圧焼結体は、室温から1000℃までのいずれの温度においてもTiC0.50.5のみの加圧焼結体に比べて約Hv500以上の高い硬さを有していた。なお、TiC0.50.5-Mo加圧焼結体は、いずれについても室温でHv1500以上であり、1000℃でHv1200以上であった。なお、比較のため、超硬合金(三菱マテリアル株式会社製、HTi10)の硬さも併せて示した。
図8に示すように、マイクロビッカース硬さ試験の結果、Wの含有量を20~70%としたTiC0.50.5-W加圧焼結体は、室温から1000℃までのいずれの温度においてもTiC0.50.5のみの加圧焼結体に比べて高い硬さを有していた。この硬さの差は、最大でHv1000程度であった。なお、TiC0.50.5-W加圧焼結体は、いずれについても室温でHv1500以上であり、1000℃でHv1200以上であった。
図9~図12は、それぞれ、室温、600℃、800℃、1000℃でのマイクロビッカース硬さ試験の結果を示した。これらは、上記したマイクロビッカース試験の結果を温度毎にまとめて、金属結合相(Mo、W)の含有量で整理したものである。上記したようにMoの含有量を20~40%としたTiC0.50.5-Mo加圧焼結体、及び、Wの含有量を20~70%としたTiC0.50.5-W加圧焼結体は、いずれの温度でもTiC0.50.5のみの加圧焼結体に比べて高い硬さを有していた。
図13には、TiC0.50.5-Mo加圧焼結体、及び、TiC0.50.5-W加圧焼結体のヤング率及び破壊靭性値を示した。ヤング率は、Moの含有量を20~60質量%とした場合、Wの含有量を20~80質量%とした場合の全てで400GPa以上であった。また、TiC0.50.5に対してMo又はWの金属結合相を加えることで破壊靭性値を向上させ得ることが判った。特に、Wの含有量を40~60質量%とした場合と、Wの含有量を60~80質量%とした場合には破壊靭性値を5MPa・m1/2以上とすることができた。
これらの結果を踏まえ、TiC0.50.5-Mo加圧焼結体において、Moの含有量は10~50質量%の割合とすることが好ましい。また、TiC0.50.5-W加圧焼結体において、Wの含有量は10~60質量%の割合とすることが好ましい。
なお、Moの粉体の粒径を大きくした場合には、高温において十分な硬さを得られないことも別途確認した。
図14には、上記した製造方法で製造されたTiC0.50.5-Mo及びTiC0.50.5-Wの各加圧焼結体について、透過電子顕微鏡にて観察したTEM-EDS写真を示した。ここでは、前者ではMoを20質量%、後者ではWを50質量%加えた各加圧焼結体の例を示した。(a)では、粒子状でコントラストを明るく(白く)観察されるMo相、粒子状でコントラストを暗く(黒く)観察されるTi(C,N)相とともに、その間に、網目状にコントラストを中間値(灰色)とするMo-richのTi(C,N)相が観察される。同様に、(b)では、粒子状でコントラストを明るく(白く)観察されるW相、粒子状でコントラストを暗く観察されるTi(C,N)相とともに、その間に、網目状にコントラストを中間値(灰色)とするW-richのTi(C,N)相が観察される。つまり、焼結体を構成する粒子間に、それぞれ、Mo-rich相及びW-rich相が非常に薄く且つ粒子界に沿ってきれいに入り込んでこの粒子間を結合していることが判る。かかる粒子間の結合組織がサーメットの高強度化に貢献していると推測された。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 加圧焼結体
2 硬質相粒子
3 金属結合相

Claims (11)

  1. 主としてTi(C,N)からなり平均粒径を2μm以下の硬質相粒子を金属からなる金属結合相にて結合し室温におけるビッカース硬さをHv1500以上とした加圧焼結体であって
    族又は6族に属する2400℃以上の高融点金属であるMo,W,Ta,Nbのいずれか1つ又はこれらの混合物を質量%で10%以上含み、前記高融点金属をrichに含むTi(C,N)からなる前記金属結合相を前記硬質相粒子の間の粒子界に沿って介在させて前記硬質相粒子同士を結合させていることを特徴とする加圧焼結体。
  2. 前記高融点金属の粒子相を含むことを特徴とする請求項1記載の加圧焼結体。
  3. 1000℃における高温ビッカース硬さをHv1200以上とするとともに、室温でのヤング率を400GPa以上、かつ破壊靱性値を4MPa・m1/2以上としたことを特徴とする請求項1又は記載の加圧焼結体。
  4. 前記金属結合相はMoであって、質量%で10~60%の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の加圧焼結体。
  5. 前記金属結合相はWであって、質量%で10~80%の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の加圧焼結体。
  6. 前記金属結合相はTaであって、質量%で10~60%の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の加圧焼結体。
  7. 前記金属結合相はNbであって、質量%で10~50%の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の加圧焼結体。
  8. 主としてTi(C,N)からなり平均粒径を2μm以下の硬質相粒子を金属からなる金属結合相にて結合し室温におけるビッカース硬さをHv1500以上とし、5族又は6族に属する2400℃以上の高融点金属であるMo,W,Ta,Nbのいずれか1つ又はこれらの混合物を質量%で10%以上含む加圧焼結体の製造方法であって、
    2μm以下の平均粒径のTi(C,N)からなる粒子に対して、2μm以下の平均粒径の前記高融点金属からなる粒子を質量%で10%以上の所定量を混合する混合工程と、1700℃以上且つ前記高融点金属の融点以下の温度で加圧し前記高融点金属をrichに含むTi(C,N)からなる前記金属結合相を前記硬質相粒子の間の粒子界に沿って介在させて前記硬質相粒子同士を結合させる加圧焼結工程と、を含むことを特徴とする加圧焼結体の製造方法。
  9. 前記混合工程はボールミルによることを特徴とする請求項8記載の加圧焼結体の製造方法。
  10. 前記加圧焼結工程はパルス通電加圧焼結によることを特徴とする請求項8又は9に記載の加圧焼結体の製造方法。
  11. 前記高融点金属は、Mo,W,Ta,Nbのうちの1つ以上からなることを特徴とする請求項8乃至10のうちの1つに記載の加圧焼結体の製造方法。
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