JPH05239481A - 熱処理油組成物 - Google Patents

熱処理油組成物

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JPH05239481A
JPH05239481A JP30262591A JP30262591A JPH05239481A JP H05239481 A JPH05239481 A JP H05239481A JP 30262591 A JP30262591 A JP 30262591A JP 30262591 A JP30262591 A JP 30262591A JP H05239481 A JPH05239481 A JP H05239481A
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JP
Japan
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oil
acid
fatty acid
acid ester
composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP30262591A
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English (en)
Inventor
Tadashi Katabuchi
正 片渕
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 潤滑基油に、一般式〔I〕 【化1】 (ただし、R1 は炭素数11〜25の飽和または不飽和
脂肪族基、R2 は炭素数2〜5のアルキレン基を示し、
nは1〜10の整数である。)で示される脂肪酸エステ
ルを、通常は0.1〜10重量%の割合で配合してなる
熱処理油組成物。 【効果】 本発明の熱処理油組成物を用いて被焼入物の
焼入れを行なうと、処理表面の光輝性が、従来に比し著
しく優れたものとなる。しかも、焼戻しを行なった場
合、特に高温で焼戻しを行なった場合でも、被処理物が
変色したり、或いは被処理物にラッカー状物質が付着す
ることがなく、仕上り外観が良好なものとなる。したが
って、本発明の熱処理油組成物は、焼入油及び焼戻し油
として有効に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱処理油組成物に関し、
詳しくは焼入油および高温焼戻し油として優れた熱処理
油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】焼入れ
は、被焼入物の機械的強度等を増すために行なわれる
が、その際に用いられる焼入油には冷却性とともに、焼
入後の処理表面の光輝性、すなわち処理表面の光沢の良
さが要求されている。それは焼入後の処理表面の光輝性
の良否は、その後の研磨工程の作業性に大きな影響を与
えるとともに、被処理物の商品価値をも左右するからで
ある。従来、このような光輝性を改良するために、鉱油
に脂肪酸,酸イミド等を添加したものが知られている
が、未だ充分な光輝性を有するものとは言い難いもので
あった。
【0003】一方、焼戻し油、特に高油温で使用される
焼戻し油としては、従来、高粘度の鉱油又は、これにフ
ェノール系酸化防止剤を添加した組成物が用いられてい
る。しかしながら、これらの焼戻し油を使用すると、特
に高温(200〜300℃)で処理した場合、被処理物
が変色したり、被処理物にラッカー状物質が付着してし
まい、仕上り外観を著しく悪化させるとともに、その後
の研磨工程の作業性を低下せしめるという欠点がある。
【0004】本発明は、上記欠点を解消し、焼入油及び
焼戻し油として優れた熱処理油組成物を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、潤滑
基油に、一般式〔I〕
【0006】
【化2】
【0007】(ただし、R1 は炭素数11〜25の飽和
または不飽和脂肪族基を示し、R2 は炭素数2〜5のア
ルキレン基を示す。また、nは1〜10の整数であ
る。)で示される脂肪酸エステルを配合してなる熱処理
油組成物を提供するものである。
【0008】本発明において用いる潤滑基油は特に制限
がなく、例えば溶剤精製又は水添精製による60ニュー
トラル油,100ニュートラル油,300ニュートラル
油,500ニュートラル油などの他、ポリオレフィン,
ポリグリコールエステル,ポリオールエステル,シリコ
ン油,アルキルジフェニル等の合成油も使用することが
できる。なお、潤滑基油としては、100℃の動粘度が
1.5cSt以上のものが用いられ、特に2〜50cS
tのものが好ましい。
【0009】次に、この潤滑基油に添加する上記一般式
〔I〕で示される脂肪酸エステルにおいて、R1 は炭素
数11〜25の飽和または不飽和脂肪族基である。この
ような脂肪酸としては、ウンデシル酸,ラウリン酸,ト
リデシル酸,ミリスチン酸,ペンタデシル酸,パルミチ
ン酸,ヘプタデシル酸,ステアリン酸,ノナデカン酸,
アラキン酸,ベヘン酸,リグノセリン酸,セロチン酸な
どの飽和脂肪酸の他、ウンデシレン酸,オレイン酸,エ
ライジン酸,セトレイン酸,エルカ酸,プラシジン酸,
ソルビン酸,リノール酸,リノレン酸,アラキドン酸,
プロピオール酸,ステアロール酸などの不飽和脂肪酸が
ある。
【0010】また、上記一般式〔I〕で示される脂肪酸
エステルにおいて、R2 は炭素数2〜5のアルキレン残
基であり、具体的にはエチレン,プロピレン,ブチレ
ン,イソブチレン,アミレンである。
【0011】上記一般式〔I〕で示される脂肪酸エステ
ルの具体例としては、様々なものを挙げることができる
が、とりわけプロピレングリコールオレイン酸エステル
やポリエチレングリコールオレイン酸エステル等を用い
ることが好ましい。
【0012】上記一般式〔I〕で示される化合物の配合
量は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量
%である。ここで配合量が0.1重量%未満であると、
効果がほとんどなく、また10重量%を超えて加えて
も、光輝性の向上は認められず、逆に組成物の安定性を
低下させるので好ましくない。
【0013】なお、本発明においては必要により適宜、
ホウ素含有化合物,アルケニルコハク酸エステルなどを
添加することもできる。ここでホウ素含有化合物として
は、様々なものを挙げることができ、特に制限はない
が、例えばアルケニルコハク酸イミドとホウ酸との反応
生成物や、イソステアリン酸,テトラエチレンペンタミ
ンおよびホウ酸の反応生成物などがある。さらに、ジア
ルキルスズチオボレエートなどのスズ含有チオボレエー
トを添加することもできる。本発明の熱処理油組成物
は、叙上の如き構成よりなるものである。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。
【0015】実施例1〜7および比較例1〜3 潤滑基油としてパラフィン系鉱油(100℃の動粘度:
10cSt)を用い、これに第1表に示す各種添加剤を
所定量配合して熱処理油組成物を調製した。この組成物
を用いて、以下の実験を行ない、その物性を評価した。
結果を第1表に示す。
【0016】(1) 焼入れ実験 テストピース(SUJ−2,直径10mm×30mm)
を、下記の条件で焼入れし、その被処理物の光輝性を測
定した。焼入れ条件は次の通りであった。
【0017】なお、光輝性の評価は、上記焼入れ処理さ
れたテストピースと、焼入れ処理されていないテストピ
ースを、それぞれ6000r.p.m.で回転させながら、回
転面に可視光線を照射し、その反射率を測定し、次式に
より行なった。
【0018】
【数1】
【0019】(2) 焼戻し実験 テストピース(SUJ−2,直径10mm×30mm)
を280℃の試料油中に30分間浸漬した後、取り出し
て、恒温槽中で6℃/分の割合で温度を下げながら冷却
した。室温まで冷却した後、15分間放置し、その外観
および反射率を上記(1) の焼入れ実験と同様の方法によ
り測定した。また、焼戻し処理していないテストピース
の反射率を測定し、下式により、その反射性を評価し
た。
【0020】
【数2】
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の熱処理油組成物を用いて被焼入
物の焼入れを行なうと、処理表面の光輝性が、従来に比
し著しく優れたものとなる。しかも、焼戻しを行なった
場合、特に高温で焼戻しを行なった場合でも、被処理物
が変色したり、或いは被処理物にラッカー状物質が付着
することがなく、仕上り外観が良好なものとなる。した
がって、本発明の熱処理油組成物は、焼入油及び焼戻し
油として有効に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑基油に、一般式〔I〕 【化1】 (ただし、R1 は炭素数11〜25の飽和または不飽和
    脂肪族基を示し、R2 は炭素数2〜5のアルキレン基を
    示す。また、nは1〜10の整数である。)で示される
    脂肪酸エステルを配合してなる熱処理油組成物。
JP30262591A 1991-10-23 1991-10-23 熱処理油組成物 Pending JPH05239481A (ja)

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19950418