JPH05239398A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH05239398A
JPH05239398A JP4148992A JP4148992A JPH05239398A JP H05239398 A JPH05239398 A JP H05239398A JP 4148992 A JP4148992 A JP 4148992A JP 4148992 A JP4148992 A JP 4148992A JP H05239398 A JPH05239398 A JP H05239398A
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Masahiro Ishidoya
昌 洋 石戸谷
Kazuo Kakinuma
沼 和 夫 柿
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A-1) 多環式(メタ)アクリレートから誘導
される繰り返し単位5〜95重量%と、(A-2) 上記(A-
1) と共重合可能な水酸基含有α、β-不飽和単量体から
誘導される繰り返し単位95〜5重量%と、所望により
(A-3) ビニル基含有化合物とを含む水酸基含有アクリレ
ート共重合体[A]と、塩素含有率が50重量%以下の
塩素化ポリオレフィン樹脂[B]と、所望により、水酸
基と反応しうる架橋性樹脂[C]とを含み、かつ、上記
[A]と、上記[B]との比が重量比([A]/[B])で90
/10〜10/90の範囲内であり、上記[A]と[B]との
合計量と、上記[C]との比が重量比(([A]+[B])/
[C])で99/1〜50/50の範囲内である塗料用樹脂組成
物。 【効果】 ポリオレフィン系樹脂に直接塗装することが
可能であり、しかも付着性、耐候性、耐溶剤性、仕上り
外観性等の性能に優れた塗膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、塗料用樹脂組成物に関
し、さらに詳しくは、ポリオレフィン系樹脂素材のシー
トおよび成形品に直接ワンコートで塗装することがで
き、しかも付着性、耐候性、耐溶剤性、仕上り外観性等
の性能に優れた塗料を調製し得るような塗料用樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリオレフィン系樹脂素材は、耐
薬品性、耐水性、成形性等の性能に優れ、しかも軽量、
安価であるため、家庭電化製品や自動車部品等の工業材
料として広範囲に使用されている。そして最近の消費者
の嗜好の多様化に伴い、家庭電化製品に塗装による装飾
を施したり、バンパー等の自動車部品をボディーと同色
に塗装すること等が行われている。しかし、ポリオレフ
ィン系樹脂素材は、低極性であり、かつ結晶性であるた
め、そのままでは通常の塗料は付着せず塗装が困難であ
った。このためポリオレフィン系樹脂素材の表面を活性
化、高極性化して塗料の付着性と向上させる方法とし
て、フレーム処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、ク
ロム酸処理等の方法が従来から知られている。しかし、
これらの方法は、工程が複雑で多大な設備投資や時間的
ロスを伴うことや、被塗物の形状によっては付着性にバ
ラツキが生じるという問題がある。
【0003】一方、これらの特別な前処理なしで塗装す
る方法として、ポリオレフィン系樹脂素材用のプライマ
ーを塗装した後に、塗膜性能に優れた上塗りを塗装する
方法が提案されている。例えば、特開平3−22895
号公報には、エチレン・プロピレン共重合体からなる成
形体を1,1,1-トリクロロエタン蒸気で洗浄して成形体の
接着性をより高め、次いで、上塗りとの反応接着を行わ
せるための塗料(プライマー)を塗装し、反応硬化性の
アクリル・ウレタン系等の塗料を塗装する方法が提案さ
れており、また、特開昭63−36224号公報には、
ポリオレフィン系樹脂素材に変成プロピレン、1-プロピ
レン・1-ブテン共重合体塩素化物を成分とする塗料を塗
装後、上塗り塗料を塗装する方法が提案されている。し
かし、この方法はツーコートであるため、プライマー処
理に多くの時間と労力を要し、しかも工程は煩雑で塗装
コストが上昇するという欠点がある。
【0004】また、ポリオレフィン系樹脂用ワンコート
仕上げ用塗料組成物としては、ポリオレフィン系樹脂に
対して強い付着力を有する塩素化率50%以下の塩素化
ポリオレフィン系樹脂が用いられるが、塩素化ポリオレ
フィン系樹脂単独では耐候性や耐薬品性が劣るため、こ
れらの欠点を補うために塩素化ポリオレフィン系樹脂と
アルキド樹脂やアクリル樹脂からなる組成物が提案され
ている。例えば、特開昭57−200438号公報に
は、塩素化ポリオレフィン系樹脂とアクリル樹脂との混
合組成物が提案され、特開昭62−18434号公報に
は、塩素化ポリオレフィン系樹脂と塩素化ポリジエンと
の共重合体にイソシアネート化合物を組み合わせた樹脂
系の組成物が提案されている。しかし、アクリル樹脂と
低塩素化ポリオレフィン樹脂とは、一般に相溶性が充分
ではなく、そのため塗膜の光沢が低下し外観性が損なわ
れ、仕上がり外観性が必要な部位には使用できないとい
う問題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、ポリオレフィン系樹脂素材の
シートおよび成形品に直接ワンコートで塗装することが
でき、しかも付着性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、仕
上り外観性等の性能に優れた塗料を調製し得るような塗
料用樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る第1の塗料用樹脂組成物
は、 [A] (A-1) 下記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
リレートから誘導される繰り返し単位5〜95重量%
と、
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、R1〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表す。R15〜R18は、互いに結合して単環また
は多環の基を形成していてもよく、かつ該単環または多
環の基が二重結合を有していてもよく、また、R15とR
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成し
ていてもよい。mは0または正の整数を表し、nは0ま
たは1を表す。kは0または1を表し、kが1の場合に
おいて、RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子また
は炭化水素基を表す。) (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
し単位95〜5重量%とを含む水酸基含有(メタ)アク
リレート共重合体と、 [B]塩素含有率が50%以下の塩素化ポリオレフィン
樹脂とを含み、かつ、上記[A]水酸基含有(メタ)ア
クリレート共重合体と、上記[B]塩素化ポリオレフィ
ン樹脂との比が重量比([A]/[B])で90/10
〜10/90の範囲内であることを特徴としている。
【0009】本発明に係る第2の塗料用樹脂組成物は、 [A] (A-1) 上記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
リレートから誘導される繰り返し単位5〜95重量%
と、 (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返し単位95
〜5重量%とを含む水酸基含有(メタ)アクリレート共
重合体と、 [B]塩素含有率が50%以下の塩素化ポリオレフィン
樹脂と、 [C]水酸基と反応しうる架橋性樹脂とを含み、 かつ、上記[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重
合体と、上記[B]塩素化ポリオレフィン樹脂との比が
重量比([A]/[B])で90/10〜10/90の
範囲であり、上記[A]水酸基含有(メタ)アクリレー
ト共重合体と[B]塩素化ポリオレフィン樹脂との合計
量と、上記[C]架橋性樹脂との比が重量比(([A]
+[B])/[C])で99/1〜50/50の範囲内
であることを特徴としている。
【0010】このような本発明の塗料用樹脂組成物で
は、前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合
体は、前記(A-1) および(A-2) に加えて(A-3) 上記多環
式(メタ)アクリレートと共重合可能なビニル基含有化
合物から誘導される繰り返し単位を、(A-2) と(A-3) と
の合計量で95〜5重量%の範囲内の量で含んでいても
よい。
【0011】また、前記[A]水酸基含有(メタ)アク
リレート共重合体と、前記[B]塩素化ポリオレフィン
樹脂とはブレンドされていてもよく、前記[A]水酸基
含有(メタ)アクリレート共重合体の少なくとも一部
が、前記[B]塩素化ポリオレフィン樹脂の少なくとも
一部にグラフト共重合されていてもよい。さらに前記
[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体の水酸
基価が20〜100mgKOH/gの範囲内であること
が好ましい。
【0012】本発明に係る第2の塗料用樹脂組成物で
は、[C]架橋性樹脂が、アミノプラスト樹脂、イソシ
アネートプレポリマーおよびブロックイソシアネートプ
レポリマーから選ばれる少なくとも一種であることが好
ましい。このような塗料用樹脂組成物を用いて得られた
塗料は、従来のように被塗物表面に特別の処理やプライ
マー塗装を施すことなく直接塗装することが可能である
ため、塗装効率、塗料管理、経費の節減等の効果が著し
く、しかも付着性、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、仕上
り外観性等の性能に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明の塗料用樹脂組成物
を構成する各成分および塗料用樹脂組成物の製造方法な
らびに塗装方法について順次具体的に説明する。[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体 本発明に係る塗料用樹脂組成物に含まれる[A]水酸基
含有(メタ)アクリレート共重合体(以下「成分
[A]」と記載することがある。)は、 (A-1) 下記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
リレートから誘導される繰り返し単位と、
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
し、R1〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表す。R15〜R18は、互いに結合して単環また
は多環の基を形成していてもよく、かつ該単環または多
環の基が二重結合を有していてもよく、また、R15とR
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成し
ていてもよい。mは0または正の整数を表し、nは0ま
たは1を表す。kは0または1を表し、kが1の場合に
おいて、RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子また
は炭化水素基を表す。) (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
し単位とを含んでいる。
【0016】本発明では成分[A]は、上記(A-1) 多環
式(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位お
よび(A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可
能な水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰
り返し単位に加えて(A-3) 上記多環式(メタ)アクリレ
ートと共重合可能なビニル基含有化合物から誘導される
繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0017】ここで、上記一般式[I]において、R
は、水素原子またはメチル基を表す。すなわち、上記一
般式[I]で表される化合物のうち、Rが水素原子であ
る化合物は、アクリレート系化合物であり、Rがメチル
基である化合物はメタクリレート系化合物である。本発
明では成分[A]は、これらアクリレート系化合物から
誘導される繰り返し単位およびメタクリレート系化合物
から誘導される繰り返し単位の両者を含有することもで
きる。
【0018】R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子もしくは基を表す。炭化水素基としては、通常
は炭素原子数が1〜10の範囲内にある直鎖状、分岐状
および環状の炭化水素基が挙げられ、具体的には、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル
基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの脂肪族炭
化水素基、シクロヘキシル基などの脂環族炭化水素基お
よびフェニル基、ベンジル基、トリル基、エチルフェニ
ル基、イソプロピルフェニル基、α-ナフチル基、アン
トリル基などの芳香族炭化水素基が挙げられる。
【0019】ハロゲン原子の例としてはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができ
る。なお、R1〜R18は、同一である必要はなく、異な
る基あるいは原子であってもよいことは勿論である。さ
らに、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を
形成していてもよい。例えば、R15とR17とが結合し
て、全体としてシクロペンチル環あるいはシクロヘキシ
ル環を形成していてもよく、これらの環が複数個連結し
た環構造を形成していてもよい。また、これらの単環ま
たは多環が環内に二重結合を有していてもよい。さら
に、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。例えばエチリデン基、プロ
ピリデン基等である。
【0020】mは、0または正の整数を表し、nは、0
または1を表す。kは、0または1を表す。そして、k
が1の場合において、RaおよびRbはそれぞれ独立に、
水素原子または炭化水素基を表す。炭化水素基として
は、上記R1〜R18と同様のものが挙げられる。またk
が0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を
構成する。
【0021】上記一般式[I]で表される多環式(メ
タ)アクリレート単量体の具体的な例としては、以下に
記載する化合物を挙げることができる。
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】(ただし、上記の二つの式において、R
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、
ヘキシル基およびステアリル基のような脂肪族炭化水素
基、シクロヘキシル基のような脂環族炭化水素基、また
は、臭素原子およびフッ素原子のようなハロゲン原子を
表す)、
【0026】
【化8】
【0027】(ただし、上記の二つの式において、R
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、
ヘキシル基およびステアリル基のような脂肪族炭化水素
基、シクロヘキシル基のような脂環族炭化水素基、また
は、臭素原子およびフッ素原子のようなハロゲン原子を
表す)、
【0028】
【化9】
【0029】(ただし、上記の二つの式において、Rお
よびR'は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソブチル基、ヘキシル基およびステアリル
基のような脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル基のよう
な脂環族炭化水素基、または、臭素原子およびフッ素原
子のようなハロゲン原子を表す)、
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】また、前記一般式[I]において、R15
18が、共同して単環の基を形成している多環式(メ
タ)アクリレートの例としては、以下に記載する化合物
を挙げることができる。
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】これらの中では、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]ドデシル-3-(メタ)アクリレート(以下
「テトラシクロドデシル(メタ)アクリレート」と略記
することがある。)を用いることが好ましい。このよう
な多環式(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し
単位(A-1) は、成分[A]中に5〜95重量%、好まし
くは8〜60重量%の範囲内の量で含まれる。多環式
(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(A-
1) の含有量が少な過ぎると、後述する[B]塩素化ポ
リオレフィン樹脂との相溶性が低下するため、塗膜の外
観性が低下することがあり、また、多過ぎると水酸基含
有α、β-不飽和単量体が配合量が少なくなるため、架
橋系塗膜が形成され難くなり密着性が低下することがあ
る。
【0041】本発明の塗料用樹脂組成物に用いられる、
上記多環式(メタ)アクリレート単量体と共重合可能な
水酸基含有α、β-不飽和単量体としては、2-ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート等、またはこれらと
ε-カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。このよ
うな水酸基含有α、β-不飽和単量体は、単独であるい
は複数組み合わせて用いることができる。
【0042】このような水酸基含有α、β-不飽和単量
体から誘導される繰り返し単位(A-2)は、成分[A]中
に95〜5重量%、好ましくは50〜5重量%の範囲内
の量で含まれる。また本発明では成分[A]は、上記(A
-1) および(A-2) に加えて、(A-3) 上記多環式(メタ)
アクリレートと共重合可能なビニル基含有化合物から誘
導される繰り返し単位を含んでいてもよい。
【0043】上記多環式(メタ)アクリレートと共重合
可能なビニル基含有化合物として、具体的には、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、スチレン、p-tert-ブチルス
チレン、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジルアク
リレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。このようなビニル基含有化合物は、単独であるい
は複数組み合わせて用いることができる。
【0044】成分[A]が(A-3) ビニル基含有化合物か
ら誘導される繰り返し単位を含む場合は、(A-2) 水酸基
含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返し単位
および(A-3) ビニル基含有化合物から誘導される繰り返
し単位は、合計量で成分[A]中に95〜5重量%、好
ましくは92〜40重量%の量で含まれることが望まし
い。
【0045】ここで、成分[A]の水酸基価は20〜1
00mgKOH/g、好ましくは25〜70mgKOH
/gの範囲内であることが望ましい。成分[A]の水酸
基価は、上述の水酸基含有α、β-不飽和単量体の配合
量により調節することができる。成分[A]の水酸基価
が低過ぎると、充分な架橋系塗膜が形成できず、耐溶剤
性が低下することがあり、また、水酸基価が高過ぎる
と、樹脂の極性が高くなりすぎ、後述する[B]塩素化
ポリオレフィン樹脂との相溶性が低下し、外観性が低下
することがある。
【0046】[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共
重合体は、例えば、上記一般式[I]で表される多環式
(メタ)アクリレートと、上記水酸基含有α、β-不飽
和単量体と、所望により上記ビニル基含有化合物との溶
液重合により得ることができる。共重合の際に用いられ
る溶媒としては、一般に塗料用として使用されている溶
剤が好ましく用いられ、具体的には、トルエン、キシレ
ン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられ
る。
【0047】重合の際に用いられる溶媒は、塗料調製時
にそのまま溶剤として用いることができる。また、重合
に際し、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド、t-
ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノンパーオ
キシド、メチルエチルケトンパーオキシド、アセチルパ
ーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、イソブチリ
ルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド等のような有機過酸化物や、アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾビ
ス系化合物を使用することができる。
【0048】[B]塩素化ポリオレフィン樹脂 本発明の塗料用樹脂組成物に含まれる[B]塩素化ポリ
オレフィン樹脂(以下「成分[B]」と記載することが
ある。)としては、塩素含有率50%以下、好ましくは
塩素含有率0.5〜30%のポリオレフィン樹脂、例え
ば、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹
脂、塩素化エチレン・プロピレン共重合体、塩素化エチ
レン・酢酸ビニル共重合体およびそれらのポリカルボン
酸変成体またはポリカルボン酸無水物変成体等が挙げら
れる。ここで用いられるポリカルボン酸またはその酸無
水物として、アクリル(メタ)ケイ皮酸、ラクトン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等
が挙げられる。
【0049】成分[B]の塩素含有率が高過ぎると、被
塗物であるポリオレフィン系樹脂組成物に対する付着性
が低下することがある。本発明に係る塗料用樹脂組成物
では、成分[A]と、成分[B]とは、重量比([A]
/[B])で、90/10〜10/90、好ましくは9
0/10〜60/40の範囲で含まれる。成分[B]に
対する成分[A]の含有量が多過ぎると、ポリオレフィ
ン系樹脂素材に対する付着性が低下することがあり、ま
た、少な過ぎると、充分な架橋系塗膜が形成できず、外
観性、耐溶剤性が低下することがある。
【0050】本発明に係る塗料用樹脂組成物では、成分
[A]と成分[B]とがブレンドされていてもよく、ま
た、成分[A]の少なくとも一部が成分[B]の少なく
とも一部にグラフト共重合されていてもよい。すなわ
ち、(i)成分[A]と成分[B]とがブレンドされて
いてもよく、(ii)成分[A]が成分[B]にグラフト
共重合したグラフト共重合体と、成分[A]とがブレン
ドされていてもよく、(iii)成分[A]が成分[B]
にグラフト共重合したグラフト共重合体と、成分[B]
とがブレンドされていてもよく、(iv)成分[A]が成
分[B]にグラフト共重合したグラフト共重合体と、成
分[A]と、成分[B]とがブレンドされていてもよ
い。
【0051】成分[A]の成分[B]へのグラフト共重
合は、成分[B]の存在下で成分[A]を重合すること
により行うことができる。この際には、上述した成分
[A]の共重合の際に用いられる溶媒、重合開始剤と同
様のものが用いらる。[C]水酸基と反応し得る架橋性樹脂 本発明の第2の塗料用樹脂組成物に用いられる[C]水
酸基と反応し得る架橋性樹脂(以下「成分[C]」と記
載することがある。)としては、メラミン樹脂、尿素樹
脂、グアナミン樹脂等のアミノプラスト樹脂およびイソ
シアネートプレポリマーあるいはブロックイソシアネー
トプレポリマーが挙げられる。
【0052】成分[C]は、成分[A]と成分[B]と
の合計量に対し、重量比((成分[A]+成分[B])
/成分[C])で、99/1〜50/50、好ましくは
97/3〜70/30の範囲の量で用いられる。成分
[A]と成分[B]の合計量に対し、成分[C]が少な
過ぎると、充分な架橋系塗膜が形成できず、付着性、耐
溶剤性が低下することがあり、また、成分[C]が多過
ぎると、樹脂の極性が高くなり、[B]塩素化ポリオレ
フィン樹脂との相溶性が低下し、塗膜の外観性が低下す
ることがある。
【0053】顔料、溶剤および添加剤 本発明の塗料用樹脂組成物を用いた塗料には、上記成分
[A]〜[C]以外に、所望により顔料、溶剤および添
加剤を用いることができる。顔料としては、従来から上
塗り塗料に用いられている顔料、例えば、二酸化チタ
ン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機着色顔料、フタ
ロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有機着色顔
料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、合成シリカ等の体
質顔料、アルミニウム等の金属粉末等が挙げられる。
【0054】溶剤としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられ
る。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定
剤、酸化防止剤、沈降防止剤、帯電防止剤、表面調整剤
等が挙げられる。
【0055】製造方法 本発明に係る塗料用樹脂組成物を用いた塗料の製造方法
としては、従来の上塗り塗料と同様の方法が用いられ
る。すなわち、顔料と樹脂溶液の一部と、所望により溶
剤を加えて混合し、サンドグラインドミル、ボールミ
ル、アトライター等の分散機で所要粒度に分散した後、
樹脂溶液の残分、溶剤および添加剤を加えて均一に攪拌
することによって得られる。
【0056】塗装方法 本発明に係る塗料用樹脂組成物を用いた塗料の塗装方法
としては、まず始めにポリオレフィン系樹脂成形体に公
知の脱脂洗浄処理、例えば、1,1,1-トリクロロエタン等
の有機溶剤の脱脂洗浄や、アルカリ脱脂処理を施した
後、上記の塗料を空気霧化塗装、エアレス塗装等で直接
塗装し、塗膜を形成させる。
【0057】本発明に係る塗料用樹脂組成物を用いた塗
料の塗装系としては、ワンコート・ワンベーク形、ツー
コート・ワンベーク形が挙げられる。ここで、ワンコー
ト・ワンベーク形とは、上塗り塗料を1層塗装し、焼き
付ける塗装系である。また、ツーコート・ワンベーク形
とは、上塗り塗料の塗装系の1つであって、まず始めに
顔料および/または金属粉末を多く配合したベースコー
トを塗装し、次いでその上に透明クリヤーまたは顔料分
の少ないカラークリヤーであるトップコートを塗装して
一度に焼き付ける塗装系である。
【0058】上記ツーコート・ワンベーク形の塗装系の
場合には、ベースコートは、本発明の塗料用樹脂組成物
を用いる必要があるが、トップコートには通常の塗料で
充分である。
【0059】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物を用いて得ら
れる塗料は、従来のように被塗物表面に特別の処理やプ
ライマー塗装を施すことなく直接塗装することが可能で
あるため、塗装効率の向上、塗料管理の簡略化、経費の
節減等の効果が著しく、しかも付着性、耐候性、耐溶剤
性、仕上り外観性等の性能に優れた塗膜を形成すること
ができる。
【0060】本発明に係る塗料用樹脂組成物を用いて得
られる塗料は、バンパー等の自動車外装品用塗料あるい
は家庭電化製品用塗料として好適である。
【0061】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明に係る塗料用
樹脂組成物をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。なお、例中の
「部」および「%」はいずれも重量基準である。また、
本発明では塗膜性能試験は、下記のようにして実施し
た。
【0062】[相溶性]樹脂成分のみ(成分[A]、成
分[B]および成分[C])を混合してガラス板に塗布
し、10分間室内に放置した後、80℃で30分間加熱
乾燥(焼付)し、塗膜の透明性に異常が認められないも
のを合格とした。 [仕上り外観性]塗面に良好なツヤ感を有し、著しい肌
荒れがなく、ハジキ、ワレ、色ムラ等のないものを合格
とした。
【0063】[60度鏡面光沢度]JIS−K−540
0(1979)6.7により、その測定値を示した。9
0以上を合格とする。 [密着性]JIS−K−5400(1979)6.15
の碁盤目セロテープ試験を行った。碁盤目100につい
ての残数で示し、100/100を合格とした。
【0064】[耐ガソリン性]20℃のレギュラーガソ
リン(日本石油(株)製、商品名;日石シルバーガソリ
ン)中に試験片を30分間浸漬し、取り出し後の塗面状
態の観察と密着性試験を行った。塗面状態は、取り出し
後塗面状態に異常が認められないものを合格とし、密着
性は、碁盤目100についての残数で示し、100/1
00を合格とした。
【0065】[耐候性]サンシャインウエザオメータ
(スガ試験機(株)製)による促進耐候性試験を行な
い、1000時間試験後の60度鏡面光沢度の保持率
(%)の測定と、密着性試験を行った。保持率(%)
は、促進耐候性試験をする前の60度鏡面光沢度(初期
の光沢度)と試験後の60度鏡面光沢度(試験後の光沢
度)を測定し下記式に従って求めた。
【0066】保持率(%)=(試験後の光沢度/初期の
光沢度)×100 塗面状態は、光沢度の保持率が80%以上で変色が認め
られないものを合格とし、密着性試験については、碁盤
目100についての残数で示し、100/100を合格
とした。
【0067】
【製造例1】 [水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体溶液[I]
の調製]攪拌機、冷却管および温度計を備えたフラスコ
に第1表に記載した配合に準じてトルエン994部を仕
込み、攪拌しながら100℃に加温して均一にした。次
いで、テトラシクロドデシルアクリレート400部、メ
チルメタクリレート260部、2-エチルヘキシルメタア
クリレート131部、ブチルアクリレート106部、2-
ヒドロキシエチルアクリレート103部、ベンゾイルパ
ーオキシド5部の混合液を2時間かけて滴下し、さらに
1時間同温度で攪拌を続け、最後に80℃に冷却してア
ゾビスイソブチロニトリル1部を加えて5時間攪拌を続
け水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体溶液[I]
を得た。水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体溶液
[I]中の固形分は50%であり、共重合体成分の水酸
基価は50mgKOH/gであった。
【0068】
【製造例2〜10】 [水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体溶液[II]
〜[X]の調製]第1表に示す組成とした以外は、製造
例1と同様にして水酸基含有(メタ)アクリレート共重
合体溶液[II]〜[X]を調製した。
【0069】
【製造例11】 [塩素化ポリプロピレン−(メタ)アクリレートグラフ
ト共重合体溶液[I]の調製]攪拌機、冷却機および温
度計を備えたフラスコにトルエン694部、塩素化ポリ
プロピレン(東洋化成工業(株)製ハードレンBS-40 、
塩素含有率40%、不揮発分50%)600部を仕込
み、攪拌しながら100℃に加温して均一にした。次い
で、テトラシクロドデシルアクリレート300部、メチ
ルメタクリレート104部、2-エチルヘキシルアクリレ
ート148部、ブチルアクリレート45部、2-ヒドロキ
シエチルアクリレート103部、ベンゾイルパーオキシ
ド5部の混合液を製造例1と同様に滴下、攪拌、保温を
続け塩素化ポリプロピレン−(メタ)アクリレートグラ
フトアクリル共重合体溶液[I]を得た。塩素化ポリプ
ロピレン−(メタ)アクリレートグラフト共重合体溶液
[I]中の固形分は50%であり、共重合体成分の水酸
基価は35mgKOH/gであった。
【0070】
【製造例12〜14】 [塩素化ポリプロピレン−(メタ)アクリレートグラフ
ト共重合体溶液[II]〜[IV]の調製]第2表に示す組
成とした以外は、製造例11と同様にして塩素化ポリプ
ロピレン−(メタ)アクリレートグラフト共重合体溶液
[II]〜[IV]を調製した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【実施例1】 [塗料の調製]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合
体溶液[I]100重量部、塩素化ポリプロピレン樹脂
(東洋化成(株)製ハードレン15LLB 、塩素含有率30
%、不揮発分50%)167部、イソシアネートプレポ
リマー(旭化成工業(株)製デュラネートTMTHA-100、
NCO含有率21%、固形分100%)8.7部、酸化
チタン100部およびモダフローTM1部を混合し、アト
ライターに仕込み、4時間分散したものに、キシレン、
酢酸ブチルのシンナーを加え粘度を16秒(フォードカ
ップ、#4、20℃)に調製した。
【0074】[試験片の作成]1,1,1-トリクロロエタン
の蒸気(74℃)で30秒間脱脂して自然乾燥させた1
50×70×3mmのポリオレフィン系樹脂素材(三井
東圧化学(株)製、商品名SNB-4)の板に、上記で調製
した塗料を乾燥塗膜厚が40μmになるように塗布し、
80℃で30分間加熱乾燥(焼付)を行った。
【0075】このようにして得た試験片について、24
時間後、塗膜性能試験を実施した。結果を第4表に示
す。
【0076】
【実施例2〜18】第3表に記載した配合に準じて、実
施例1と同様にして塗料を調製し、加熱乾燥(焼付)を
第3表した記載の温度で行った以外は、実施例1と同様
にして試験片を作成した。このようにして得た試験片に
ついて、24時間後、塗膜性能試験を実施した。結果を
第4表に示す。
【0077】
【比較例1〜11】第3表に記載した配合に準じて、実
施例1と同様にして塗料を調製し、実施例1と同様にし
て試験片を作成した。このようにして得た試験片につい
て、24時間後、塗膜性能試験を実施した。結果を第4
表に示す。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】ただし表中の*1〜*10は、 *1:塩素化ポリプロピレンA(東洋化成工業(株)製ハ
ードレンTM15LLB、塩素含有率30%、固形分30%) *2:塩素化ポリプロピレンB(東洋化成工業(株)製ハ
ードレンTMBS-40、塩素含有率40%、固形分50%) *3:塩素化ポリプロピレンC(山陽国際パルプ(株)製
スーパークロンTM507、塩素含有率66%、固形分40
%) *4:塩素化エチレン・酢酸ビニル共重合体(東洋化成工
業(株)製ハードレン TM14EV、塩素含有率28%、固形
分20%) *5:塩素化エチレン・プロピレン共重合体(東洋化成工
業(株)製ハードレン TM14BL、 塩素含有率27%、固
形分15%) *6:無水マレイン酸変成塩素化ポリプロピレン(山陽国
策パルプ(株)製スーパークロンTM822、塩素含有率2
4.5%、固形分20%) *7:イソシアネートプレポリマー(旭化成工業(株)製
デュラネートTMTHA-100、NCO含有率21%、固形分
100%) *8:ブロックイソシアネートプレポリマー(住友バイエ
ルウレタン(株)製デスモジュールTMTPLS2759、NCO
含有率8.9%、固形分75%) *9:アミノプラスト樹脂(三井東圧化学(株)製ユーバ
TM122、ブチル化メラミン樹脂、固形分60%) *10:モンサント(株)製 である。
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】第4表から明らかなように、本発明に準じ
た実施例1〜18では、外観性、相溶性、密着性、耐ガ
ソリン性、耐候性等の上塗り塗膜に要求される諸性能に
おいて極めて良好な結果を示した。これに対し、比較例
1では、成分[A]中のテトラシクロドデシルアクリレ
ートの含有量が3%と少ないため、成分[B]との相溶
性が充分ではなく、仕上り外観性、鏡面光沢度に劣り、
比較例2では、成分[A]中のテトラシクロドデシルア
クリレートの含有量が96%と多いため、水酸基価が小
さくなり、充分な架橋が得られず、密着性、耐ガソリン
性、耐候性に劣る。
【0085】比較例3では、成分[A]の水酸基価が1
7mgKOH/gと低いため、耐ガソリン性、耐候性に
劣り、比較例4では、成分[A]の水酸基価が110m
gKOH/gと高いため、仕上り外観性、相溶性に劣
る。比較例5では、樹脂組成物中の成分[B]の含有量
が少ないため、充分な付着力が得られず、密着性、耐ガ
ソリン性、耐候性密着性に劣り、比較例6では、樹脂組
成物中の成分[B]の含有量が多いため仕上り外観性、
鏡面光沢度、相溶性、耐ガソリン性に劣る。
【0086】比較例7では、成分[B]の塩素含有率が
66%と高いため、密着性、耐ガソリン性、耐候性に劣
る。比較例8では、成分[C]の配合量が少ないため、
架橋が不充分となり、密着性、耐ガソリン性、耐候性に
劣り、比較例9では、成分[C]の配合量が多いため、
仕上り外観性、鏡面光沢度、相溶性、耐候性に劣る。
【0087】比較例10では、樹脂中の成分[A]の配
合量が少ないため、充分なグラフト共重合体が得られな
いため、仕上り外観性、鏡面光沢度に劣り、実施例11
では、樹脂中の成分[A]の配合量が多いため、密着
性、耐ガソリン性、耐候性に劣る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHR 8620−4J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] (A-1) 下記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
    リレートから誘導される繰り返し単位5〜95重量%
    と、 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1〜R
    18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭
    化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
    す。R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基
    を形成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二
    重結合を有していてもよく、また、R15とR16とで、ま
    たはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよ
    い。mは0または正の整数を表し、nは0または1を表
    す。kは0または1を表し、kが1の場合において、R
    aおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子または炭化水素
    基を表す。) (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
    し単位95〜5重量%とを含む水酸基含有(メタ)アク
    リレート共重合体と、 [B]塩素含有率が50%以下の塩素化ポリオレフィン
    樹脂とを含み、かつ、上記[A]水酸基含有(メタ)ア
    クリレート共重合体と、上記[B]塩素化ポリオレフィ
    ン樹脂との比が重量比([A]/[B])で90/10
    〜10/90の範囲内であることを特徴とする塗料用樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレー
    ト共重合体が、 (A-1) 前記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
    リレートから誘導される繰り返し単位と、 (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
    し単位とに加えて、 (A-3) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    ビニル基含有化合物から誘導される繰り返し単位を含む
    請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】[A] (A-1) 下記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
    リレートから誘導される繰り返し単位5〜95重量%
    と、 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R1〜R
    18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭
    化水素基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表
    す。R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基
    を形成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二
    重結合を有していてもよく、また、R15とR16とで、ま
    たはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよ
    い。mは0または正の整数を表し、nは0または1を表
    す。kは0または1を表し、kが1の場合において、R
    aおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子または炭化水素
    基を表す。) (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
    し単位95〜5重量%とを含む水酸基含有(メタ)アク
    リレート共重合体と、 [B]塩素含有率が50%以下の塩素化ポリオレフィン
    樹脂と、 [C]水酸基と反応しうる架橋性樹脂とを含み、かつ、
    上記[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体
    と、上記[B]塩素化ポリオレフィン樹脂との比が重量
    比([A]/[B])で90/10〜10/90の範囲
    内であり、 上記[A]水酸基含有(メタ)アクリレート共重合体と
    [B]塩素化ポリオレフィン樹脂との合計量と、上記
    [C]架橋性樹脂との比が重量比(([A]+[B])
    /[C])で99/1〜50/50の範囲内であること
    を特徴とする塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレー
    ト共重合体が、 (A-1) 前記一般式[I]で表される多環式(メタ)アク
    リレートから誘導される繰り返し単位と、 (A-2) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    水酸基含有α、β-不飽和単量体から誘導される繰り返
    し単位とに加えて、 (A-3) 上記多環式(メタ)アクリレートと共重合可能な
    ビニル基含有化合物から誘導される繰り返し単位を含む
    請求項3に記載の塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレ
    ート共重合体と、前記[B]塩素化ポリオレフィン樹脂
    とがブレンドされてなる請求項3ないし請求項4に記載
    の塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレ
    ート共重合体の少なくとも一部と、前記[B]塩素化ポ
    リオレフィン樹脂の少なくとも一部とがグラフト共重合
    されてなる請求項3ないし請求項5に記載の塗料用樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 前記[A]水酸基含有(メタ)アクリレ
    ート共重合体の酸基価が20〜100mgKOH/gで
    ある請求項3ないし請求項6に記載の塗料用樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記[C]架橋性樹脂が、アミノプラス
    ト樹脂、イソシアネートプレポリマーおよびブロックイ
    ソシアネートプレポリマーから選ばれる少なくとも1種
    である請求項3ないし請求項7に記載の塗料用樹脂組成
    物。
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